JPH03110468A - 遠心式免疫凝集自動判定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗原抗体反応の凝集反応によって形成される凝
集パターンに基づいて抗体或いは抗原の有無を判定する
免疫凝集自動判定装置に関し、特に、凝集パターンの形
成を短時間で行い、判定に要する時間を短縮した遠心式
免疫凝集自動判定装置に関する。

〔従来の技術〕

抗原抗体反応を利用して抗体或いは抗原の有無を検査す
る、所謂、免疫学的検査は、大別して、凝集反応、沈降
反応、補体結合反応等を用いる簡易検査（半定量検査）
と、放射性免疫測定法、酵素免疫測定法、比濁法等を用
いる定量検査がある。

このうち定量検査は、微量で判定でき、判定精度も極め
て高いが、大型で、高価な装置が必要であり、また、使
用する試薬等も高価であるため、多数の検体を廉価に検
査する場合には適切でなく、一般的に使用されていない
、一方、簡易検査は定量検査に比較してその判定精度は
劣るものの、著しく簡便であり、臨床検査において広く
使用されている。特に、凝集反応を利用した検査は、沈
降反応、補体結合反応に比較して、鋭敏な反応が得られ
るものとして汎用されている。

一般に、前述した凝集反応に基づく検査は、■必要に応
じてサンプル（検体）を希釈する工程。

■希釈したサンプルと試薬をマイクロプレートに分注・
混合する工程、■恒温槽等における反応促進及び自然沈
降による凝集パターンを生成する工程、■光学的検出手
段により凝集パターンを測光する測光工程、■凝集パタ
ーンの目視判定工程等から成り、これらの工程の一部或
いは全部を自動化した装置（免疫凝集自動判定装置）と
して、例えば、特開昭５７−１１１４４７号公報に示さ
れる汎用型自動分析方法および装置、或いは、特開昭６
４−３５３７４号公報に示される全自動凝集免疫分析方
法およびその装置等が提供されており、このように自動
化された装置を使用することにより、検査の省力化を図
ることができ、また、光学的検出手段を介して測光する
とにより、判定の客観性の確保及び精度を向上させるこ
とができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の免疫凝集自動判定装置によれば、
前述した■〜■の工程等を自動化することにより省力化
及び精度の向上を図ることができたが、自然沈降によっ
て凝集パターンの形成を行っているため、検体を装置に
投入してから判定まで時間がかかるという問題点があっ
た。自然沈降による凝集パターンの形成時間は、条件に
よって異なるが、約１〜２時間程度必要とするのが現状
である。また、自然沈降以外の方法で凝集パターンを形
成する方法として、検体と試薬を混合した試験管を遠心
分離器にかけて、遠心力を用いて管底に凝集パターンを
形成する方法があるが、機器を使用するのは遠心分離の
工程のみで、全体としては用手法で、且つ、判定が目視
であった。即ち、反応容器として試験管を使用しており
、マイクロプレートと比較して反応容器の取扱い及び凝
集パターンの測光等が煩雑であり、装置が複雑になるた
め、全自動化を行うことが困難であり、現実にはこの種
の自動判定装置は提供されてない。

本発明は上記に鑑みてなされたものであって、凝集パタ
ーンを短時間で形成して検体を装置に投入してから判定
までの時間を短縮し、迅速な検査と高精度な検査結果を
提供することを目的する。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記め目的を達成するため、検体及び試薬を反
応させる反応セルを円形に複数個配列して成る円形マイ
クロプレートと、円形マイクロプレートを所定の回転数
で回転させ、その遠心力によって反応セルの所定の壁面
に凝集パターンを形成する遠心分離手段と、円形マイク
ロプレートを回転させた状態で、反応セルの所定の壁面
に形成された凝集パターンを検出する光学的検出手段と
を備えた遠心式免疫凝集自動判定装置を提供するもので
ある。

〔作用〕

本発明の遠心式免疫凝集自動判定装置は、円形マイクロ
プレートの反応セルに検体及び試薬を分注・撹拌し、抗
原抗体反応による凝集物を生成後、遠心分離手段によっ
て所定の回転数で円形マイクロプレートを回転させ、そ
の遠心力で反応セルの所定の壁面に凝集パターンを形成
する。さらに、光学的検出手段を介して、円形マイクロ
プレートを回転させた状態で反応セルの所定の壁面に形
成された凝集パターンを自動的に検出する。

〔実施例〕

以下、本発明の遠心式免疫凝集自動判定装置を詳細に説
明する。

第１図は本発明の一実施例の構成を示し、複数の反応セ
ル１０１を円形に配列し、一体成形してなる円形マイク
ロプレート１０２と、円形マイクロプレート１０２を載
置するターンテーブル１０３と、ターンテーブル１０３
を所定の回転数で回転させるモータ１０４と、サンプル
（検体）を所定の希釈用容器１０５に分注するサンプル
分注器１０６と、希釈用容器１０５に分注されたサンプ
ルを希釈液で希釈する希釈液分注器１０７と、サンプル
分注器１０６及び希釈液分注器１０７を介して注入・希
釈された希釈系列サンプルを円形マイクロプレート１０
２の反応セル１０１に分注する希釈系列サンプル分注器
１０日と、反応セル１０１に所定の試薬を分注する試薬
分注器１０９と、反応セル１０１中の希釈系列サンプル
及び試薬を撹拌し反応を促進させる撹拌プルーブ１１０
と、円形マイクロプレート１０２の回転によって反応セ
ル１０１の所定の壁面（詳細は後述する）に形成される
凝集パターンを測光するためのＬＥＤｌｌｌ、フォトセ
ンサ１１２（光学的検出手段）と、前記ＬＥＤＩＩＩ及
びフォトセンサ１１２によって測光した検出データに基
づいて凝集パターンの判定を行うデータ処理部１１３と
、該データ処理部１１３の判定結果を出力するプリンタ
１１４とから構成される。

第２図Ａ、Ｂ、Ｃを参照して、円形マイクロプレート１
０２及び反応セル１０１の構成を詳細に説明する。円形
マイクロプレート１０２は、同図Ａに示すように、複数
の反応セル１０１が円形に配置された構成である。この
複数の反応セル１０１を有する円形マイクロプレート１
０２は、透明なプラスチック等の材質から成り、例えば
、一体成形によって形成されていても良く、また、個々
に作成した反応セル１０１を円形に連結した構成として
も良い。

反応セル１０１は、円形マイクロプレート１０２の回転
によって発生する遠心力方向に膨らみを持った円錐形状
の壁１０１ａを有している。

ここで壁１０１ａを円錐形状としたのは、抗原抗体反応
によって生成され、遠心力によって移動してきた凝集物
が、膣壁１０１ａで鮮明な凝集パターンを形成できるよ
うにするためである。また、反応セル１０１は遠心力に
よって溶液が飛び出さないようにするため、第２図Ｂの
断面図に示すように、壁１０１ａに接して上部壁１０１
ｂを有している。

更に、円形マイクロプレート１０２はその底面に爪１０
２ａが設けられている。この爪１０２ａはターンテーブ
ル１０３に設けられた爪１０３ａと噛み合って、円形マ
イクロプレート１０２とターンテーブル１０３を連結す
るものである。このように、爪１０２ａ及び爪１０３ａ
によって円形マイクロプレート１０２とターンテーブル
１０３を連結することにより、円形マイクロプレート１
０２の回転を確実に行うことができ、且つ、円形マイク
ロプレート１０２がターンテーブル１０３から離脱しな
いようにするための特別な押さえ機構を設けることなく
、遠心分離を実施することができる。

次に、第３図を参照して、抗原抗体反応による凝集パタ
ーン形成の原理及び光学的検出手段（ＬＥＤＩＩＩ、フ
ォトセンサ１１２）による凝集パターンの測光について
説明する。ここでは説明を簡単にするため、自然沈降に
よる凝集パターンの形成を例とする。その外周面に抗原
を固定した担体を含む溶液に、抗体を含む液体（患者検
体）を添加すると、抗原と抗体が結びついて凝集反応が
起こる（抗原抗体反応）、換言すれば、抗体を仲介して
抗原を固定した担体同士が長く連結するようになる。こ
の連結によって生成された抗原と抗体の凝集物は弱い粘
性を呈するため、自然沈降した際、到達した反応容器の
管底に付着して静止する。即ち、沈降した位置に凝集物
が停止し、同図の陽性像で示す凝集パターンを形成する
。一方、抗原を固定した担体を含む溶液に、抗体を含ま
ない液体（健常者検体）を添加した場合は、抗原抗体反
応が起らない（凝集反応が起らない）ので、自然沈降さ
せると抗原を固定した担体のみ傾斜面を有する反応容器
の管底に沿って最も低い部分に沈降し、同図の陰性像で
示す凝集パターンを形成する。尚、本発明では自然沈降
に換えて、凝集物を遠心力によって反応セル１０１の壁
１０１ａに移動させ、凝集パターンを形成する。このよ
うに形成された凝集パターンをＬＥＤＩＩＩ及びフォト
センサ１１２によって測光し、第３図に示すフォトセン
サ１１２の出力に基づいて、データ処理部１１３におい
て凝集パターンを判定する。

以上の構成において、第４図のブロック図を及び第１図
を参照してその動作を説明する。

判定を行いたいサンプル（検体）を遠心式免疫凝集自動
判定装置に設定後、所定のスタートボタンをオンすると
以下の処理を開始する。

サンプル分注処理（４０１）−・−−一一−サンプル分
注器１０６により所定量のサンプルを複数の希釈用容器
１０５に分注する。このとき、何種類の希釈倍率のサン
プルで判定を行うかに基づいて、該当する希釈用容器 １０５の数だけ分注する。

希釈液分注処理（４０２）−・・・・−希釈液分注器１
０７により希釈液を複数の希釈用容器１０５に分注する
。このとき、希釈液の容量は希釈倍率に基づいて、該当
する量だけ分注される。

希釈系列サンプルの分注処理（４０３）　−−−−−・
・所定の希釈倍率に希釈された希釈系列サン プルを、希釈系列サンプル分注器１０８を介して反応セ
ル１０１に所定量分注する。

試薬分注処理（４０４）−・・−免疫検査の目的に応じ
て、複数の試薬の中から該当する試薬を試薬分注器１０
９を介して反応セル １０１に所定量分注する。

撹拌処理（４０５）　−−−−−−−・−反応セル１０
１に分注された希釈系列サンプル及び試薬を撹拌プルー
ブ１１０を用いて撹拌し、反応セル１０１内の溶液の反
応条件を均一にする。

遠心処理（４０６）−・・・−−−−−−−モータ１０
４によりターンテーブル１０３を所定の回転数及び回転
時間（例えば、２００ｒｐｍ、　２．５ｍ１ｎ）で回転
させる。このとき、円形マイクロプレート１０２はター
ンテーブル１０３の回転と共に回転し、反応セル１０１
中の凝集物が遠心力によって円錐形状の壁 １０１ａに移動する。即ち、凝集パターンが形成される
。

測光処理（４０７）・−−−−−一−−・−遠心処理（
所定の回転数及び回転時間）で反応セル１０１に円錐形
状の壁１０１ａに凝集パターン を形成後、更に、円形マイクロプレート１０２を回転さ
せた状態で、ＬＥＤ ｌｌｌ、フォトセンサ１１２により、凝集パターンの測
光を実施する。

プリント出力処理（４０８）−・・・−データ処理部１
１３はフォトセンサ１１２の出力に基づいて、凝集パタ
ーンが陰性像か、或いは陽性像かを判断して、サンプル
中の抗体の有無（或いは抗原の有無）を判定し、結果を
プリンタ１１４を介して出力する。

第５図はプリント出力の一例を示し、判定結果として、
凝集パターンが強い陽性像を示す場合（＋）１弱い陽性
像を示す場合（＋）１判定が困難な場合（±）。

陰性像を示す場合（−）のように表示し、この判定結果
に基づいて、必要に応 じて点線で示すように、目視判定処理 （４０９）を行って良い。

このような処理を行うことによって、サンプル分注から
判定結果出力までの時間を大幅に短縮することができる
。例えば、自然沈降による凝集パターン作成時間を６０
分とした場合、本実施例では遠心処理によって約２．５
分で凝集パターンを作成するため、単純に計算しても約
５７分の時間を短縮することができる。また、自然沈降
方式では処理効率を上げるために、自然沈降処理中のマ
イクロプレートを装置内に多数保持する必要があるが、
本発明の遠心式免疫凝集自動判定装置によれば、処理時
間が短く、凝集パターンを形成中の円形マイクロプレー
ト１０２を装置内に多数保持する必要がないため、処理
効率を同一とする場合、自然沈降方式に比較して装置を
小型にすることができる。また、マイクロプレートを搬
送するための機構も大幅に削減することができる。

本実施例では特に言及しなかったが、例えば円形マイク
ロプレート１０２の反応セル１０１の数を増やすことに
より、−度に処理するサンプル数を多くすることもでき
る。また、円形マイクロプレート１０２を自動的に取り
替える機構等を設けても良い。更に、反応セル１０１の
壁１０１ａの形状もこれに限定するものではなく、例え
ば、内側のみ円錐形状とし、外側が平面形状となるよう
にしても良い。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の遠心式免疫凝集自動判定
装置は、円形マイクロプレートの反応セルに検体及び試
薬を分注・撹拌し、抗原抗体反応による凝集物を生成後
、遠心分離手段によって所定の回転数で円形マイクロプ
レートを回転させ、その遠心力で反応セルの所定の壁面
に凝集パターンを形成する。さらに、光学的検出手段を
介して、円形マイクロプレートを回転させた状態で反応
セルの所定の壁面に形成された凝集パターンを自動的に
検出するため、凝集パターンを短時間で形成して検体を
装置に投入してから判定までの時間を短縮し、迅速な検
査と高精度な検査結果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の遠心式免疫凝集自動判定装置の一実施
例を構成を示す説明図であり、第２図Ａ。 Ｂ、Ｃは円形マイクロプレート及び反応セルの構成を示
す説明図であり、第３図は抗原抗体反応による凝集パタ
ーンの形成の原理及び光学的検出手段による凝集パター
ンの測光を示す説明図であり、第４図は本発明の遠心式
免疫凝集自動判定装置の処理を示すブロック図であり、
第５図は判定結果のプリント出力の例を示す図である。 符号の説明 １０１・−・−・反応セル　１０１ａ−・・−・・−壁
１０２−・−一一一一円形マイクロプレート１０２ａ、
１０３ａ−・−・・−爪 １０３−・・−ターンテーブル　１０４−−−−一・・
・モータ１０５−・−・−希釈用容器 １０６・・−−−−−サンプル分注器 １０７−・・・希釈液分注器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）検体（抗体或いは抗原）と試薬（抗原或いは抗体
   ）を混合し、前記検体と試薬の抗原抗体反応によって生
   成される凝集物の凝集パターンを検出手段によって検出
   し、抗体或いは抗原の有無を判定する免疫凝集自動判定
   装置において、 前記検体及び試薬を反応させる反応セルを円形に複数個
   配列して成る円形マイクロプレートと、前記円形マイク
   ロプレートを所定の回転数で回転させ、その遠心力によ
   って前記反応セルの所定の壁面に前記凝集パターンを形
   成する遠心分離手段と、 前記円形マイクロプレートを回転させた状態で、前記反
   応セルの所定の壁面に形成された前記凝集パターンを検
   出する光学的検出手段とを備えたことを特徴とする遠心
   式免疫凝集自動判定装置。
2. （２）前記請求項１において、前記凝集パターンの形成
   される前記反応セルの所定壁面は、前記遠心力が作用す
   る方向に膨らみを持った円錐形状に形成されていること
   を特徴とする遠心式免疫凝集自動判定装置。