JP2001227744A - セラミックグロープラグ - Google Patents

セラミックグロープラグ

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JP2001227744A
JP2001227744A JP2000039794A JP2000039794A JP2001227744A JP 2001227744 A JP2001227744 A JP 2001227744A JP 2000039794 A JP2000039794 A JP 2000039794A JP 2000039794 A JP2000039794 A JP 2000039794A JP 2001227744 A JP2001227744 A JP 2001227744A
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heating element
ceramic
lead wire
ceramic base
length
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JP2000039794A
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Yasuki Aoi
泰樹 青井
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック基体におけるケースの一端から発
熱体とリード線との接続側のリード線端部までの軸方向
の長さL1が7mm以上であるセラミックグロープラグ
において、発熱体とリード線との剥離を抑制し、信頼性
を向上させる。 【解決手段】 棒状をなす絶縁性のセラミック基体6
が、ハウジング2に保持された筒状パイプ5内に保持さ
れており、セラミック基体6のうちパイプ5より突出し
た部位の内部において、U字状をなす通電発熱可能なセ
ラミック製発熱体7が埋設され、この発熱体7にはタン
グステン等よりなる2本のリード線8a、8bが通電可
能に接続されている。ここで、発熱時の発熱体7におけ
る最高温度部の存在する領域が、セラミック基体6の軸
方向における発熱体7の先端部7aからリード線端部ま
での長さL2の31%以内の範囲に存在するようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの始動着火装置等に用いられるセラミックグロープラ
グに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のセラミックグロープラグの一般
的な断面構造を図7に示す。該グロープラグJ1は、ハ
ウジングJ2に保持された筒状のパイプ(スリーブ)J
3をケースとし、このケース内には棒状のセラミック基
体J4が、その一端側(図中の下端側)該ケース(パイ
プJ3)の一端(図中の下端)より突出させて保持され
ている。
【0003】このセラミック基体J4は、その本体が絶
縁性セラミックにより区画形成されており、セラミック
基体J4の一端側(上記ケースより突出する突出部)の
内部には、通電により発熱する例えばU字状のセラミッ
ク製の発熱体J5が埋設されている。
【0004】また、セラミック基体J4の突出部内で
は、導電性の金属(例えばタングステン)等よりなる2
本のリード線J6が発熱体J5に通電可能に接続されて
いる。各リード線J6はそれぞれ、セラミック基体J4
の他端側にて、互いに電気的に絶縁された中軸J7及び
パイプJ3に電気的に接続されている。
【0005】かかるグロープラグJ1は、ハウジングJ
2を介してエンジンヘッド(図示せず)に取り付けられ
る。そして、コネクティングバーJ8を介して電圧が印
加され、中軸J7、一方のリード線J6、発熱体J5、
他方のリード線J6、パイプJ3、ハウジングJ2を介
して上記エンジンヘッドにアースされるようになってお
り、これによって、発熱体J5が発熱し、ディーゼルエ
ンジンの着火始動を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、直
噴式のディーゼルエンジン等においては、グロープラグ
を細径化したり、混合気の点火容易な領域に発熱体を配
置させたい等の理由から、グロープラグにおける発熱部
(図7においてセラミック基体J4における発熱体J5
を内包する部分)のケース(パイプJ3)からの突出長
さをより長くすることが望まれている。
【0007】この点を考慮して、本発明者は、図7に示
す寸法L1、即ち、セラミック基体J4におけるケース
の一端(パイプJ3の一端)から発熱体J5とリード線
J6との接続側のリード線端部までの軸方向の長さ(発
熱部突出長さL1)が、従来(例えば2.5mm)より
も長い7mm以上のものを開発しようと試みたが、以下
のような問題が新たに生じることがわかった。
【0008】即ち、上記図7において、発熱部がパイプ
J3から、あまり突出しすぎると、発熱体J5の熱がケ
ースJ2、J3より放熱されにくくなる。そのため、発
熱体J5とリード線J6との接続部において、熱がこも
る。すると、セラミック等よりなる発熱体J5とタング
ステン等よりなるリード線J6との線膨張係数の差によ
って、該接続部において引っ張り応力が発生し、発熱体
J5の通電の繰り返しにより、発熱体J5に亀裂(クラ
ック)が生じる。この亀裂は、さらに進展し、やがて、
リード線J6の剥離(断線)に至る。
【0009】この現象は、上記発熱部突出長さL1が長
くなるほど発生しやすく、特に、本発明者の開発しよう
とする発熱部突出長さL1が7mm以上の新規なグロー
プラグにおいては、顕著に発生し、信頼性の点で問題が
あることがわかった。そこで、本発明は上記事情に鑑
み、発熱部突出長さL1が7mm以上であるセラミック
グロープラグにおいて、発熱体とリード線との剥離を抑
制し、信頼性を向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記発熱部
突出長さL1(セラミック基体におけるケースの一端か
ら発熱体とリード線との接続側のリード線端部までの軸
方向の長さ)が7mm以上のセラミックグロープラグに
ついて、発熱時における発熱体の最高温度部が、発熱体
とリード線との接続部とは反対側の部位から離れる程、
即ち、セラミック基体一端側に位置する先端部に近い
程、発熱体とリード線との接続部の熱負荷が小さくなる
ことに着目した。
【0011】この着目点に鑑みて鋭意検討した結果、最
高温度部が発熱体の先端部から所定の領域内にあれば、
実用上、信頼性が確保可能な程度にリード線の剥離を防
止することができることを、実験的に見出した。本発明
は、この検討結果に基づいてなされたものである。
【0012】即ち、請求項1記載の発明では、一端(6
a)側がケース(2、5)の一端(5a)より突出する
ように該ケース内に保持されたセラミック基体(6)
と、該セラミック基体の一端側に埋設された発熱体
(7)及び該発熱体に通電可能に接続されて該セラミッ
ク基体の他端(6b)側へ延びるリード線(8a、8
b)とを備えるセラミックグロープラグにおいて、発熱
部突出長さL1が7mm以上であり、該発熱体の通電発
熱時に、該セラミック基体の一端寄りに位置する該発熱
体の先端部(7a)から軸方向におけるリード線端部ま
での長さL2の31%以内の領域に、該発熱体の最高温
度部があることを特徴としている。本発明によれば、リ
ード線の剥離(断線)が抑制され、実用上満足できる程
度に信頼性を向上させることができる。
【0013】ここで、請求項2記載の発明のように、発
熱体(7)を、略U字形状であり、該U字における曲が
り部(7b)が発熱体の先端部側に位置し、該U字にお
ける2本の直線部(7c)がセラミック基体(6)の軸
(6c)方向に沿って位置しているものにできる。
【0014】また、請求項3記載の発明のように、請求
項2記載の発熱体(7)において、セラミック基体
(6)の軸(6c)方向におけるリード線端部から曲が
り部(7b)の内周部までの最大長さaと該曲がり部の
幅bとの比b/aを、0.2以下とすることが好まし
い。比b/aをこのような範囲とすれば、発熱体の先端
部を構成する曲がり部を、発熱体の他の部位に比べて相
対的に細くし電気抵抗を大きくできるため、曲がり部で
の発熱が大きくなり、発熱体の先端部寄りに最高温度部
を位置させることが容易となる。
【0015】さらに、請求項4記載の発明のように、セ
ラミック基体(6)におけるリード線(8a、8b)を
内包する部位を、該セラミック基体の軸(6c)方向に
直交する断面でみたとき、該断面の全面積のうち該リー
ド線の占める割合を4%以下とすることが好ましい。本
発明者の検討によれば、該割合を4%以下とすれば、熱
応力の発生によるリード線の発熱体との接続部の剥離
を、より効果的に防止できる。
【0016】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態では、本発明を、直噴式
のディーゼルエンジンに搭載され燃焼室内の混合気に着
火するセラミックグロープラグに適用したものとして説
明する。図1は、本実施形態に係るグロープラグ1の全
体構成を示す断面図である。
【0018】グロープラグ1は、略円筒状をなす導電性
材料(例えば金属)からなるハウジング(取付金具)2
を有し、このハウジング2の外周面には、グロープラグ
1をエンジンヘッド(図示せず)に取り付けるための雄
ねじ部3及び六角部(ナット部)4が形成されている。
【0019】また、ハウジング2の一端側(図1の下方
側)内部には円筒状をなす金属(例えばステンレス)製
のパイプ(スリーブ)5が、ロウ付けや圧入等により保
持されており、パイプ5の一端5a側がハウジング2の
一端側から突出している。ここで、これらハウジング2
とパイプ5とにより、本発明でいうケースが構成され
る。
【0020】このパイプ5内部には、絶縁性セラミック
よりなる断面円形の棒状のセラミック基体6がロウ付け
等により固定保持されている。該セラミック基体6の一
端6a側は、パイプ5の一端(ケースの一端)5aより
突出した突出部を構成しており、この突出部の先端部は
略球面形状に形成されている。つまり、セラミック基体
6は、パイプ5を介してハウジング2の一端側内部に保
持されている。
【0021】また、セラミック基体6の一端6a側(セ
ラミック基体6の突出部)の内部には、導電性セラミッ
クよりなり通電により発熱する略U字形状の発熱体7が
埋設されている。また、セラミック基体6の突出部の内
部には、タングステン(W)等よりなる導電性の2本の
リード線8a、8bが埋設されており、各リード線8
a、8bは、発熱体7の各端に通電可能に接続されると
ともに、セラミック基体6の他端6b側へ延びるように
配置されている。
【0022】ここで、セラミック基体6における発熱体
7を内包する部分が、グロープラグ1の発熱部として構
成されている。この発熱部の詳細構成を図2に示す。図
2において、(a)は図1中の発熱部の拡大図、(b)
は(a)中のA−A断面図である。グロープラグ1は、
この発熱部をエンジンの燃焼室(図示せず)に晒すよう
に、上記エンジンヘッドに取り付けられる。
【0023】セラミック基体6及び発熱体7は、いずれ
も導電性セラミック粉末(例えば、珪化モリブデンMo
Si2 粉末)と絶縁性セラミック粉末(例えば、窒化珪
素Si3 N4 粉末)の混合物よりなる焼結体により構成
されている。ここで、例えば、両体6、7を配合割合を
同一にした焼結体とし、且つ、各粉体の粒径を変更する
ことにより、導電性の発熱体7と絶縁性のセラミック基
体6とを作り分けることができる。
【0024】具体的には、発熱体7は、大粒径のSi3
N4 粉末と小粒径のMoSi2 粉末から、セラミック基
体6では、ほぼ同粒径のSi3 N4 粉末とMoSi2 粉
末から構成される。それによって、発熱体7では、小粒
径のMoSi2 粉末(導電性セラミック粉末)が大粒径
のSi3 N4 粉末(絶縁性セラミック粉末)を取り囲ん
で互いに連なるため、発熱体7に電流が流れ、発熱体7
が発熱される。一方、セラミック基体6では、MoSi
2 粉末間に同粒径のSi3 N4 粉末が介在するため、導
電性セラミック粉末が絶縁性セラミック粉末に相互に分
断され、発熱体7に比べて抵抗が大きく絶縁層を形成す
る。
【0025】そして、図2(a)に示す様に、略U字形
状をなす発熱体7において、該U字における曲がり部7
bが、セラミック基体6の一端6a寄りに位置して発熱
体7の先端部7aを構成し、該U字における2本の直線
部7cがセラミック基体6の軸6c方向に沿って(図示
例では略平行に)位置している。また、発熱体7におい
ては、先端部7aからリード線端部までの長さL2が、
セラミック基体6の軸6c方向における発熱体7の長さ
L2(以下、発熱体長さL2という)となる。
【0026】ここで、本実施形態では、上記発熱部突出
長さL1(セラミック基体6におけるパイプ5の一端5
aから発熱体7とリード線8a、8bとの接続側のリー
ド線端部までの軸6c方向の長さ)を7mm以上として
いる。このような場合、従来においては、上述したよう
に、発熱体7とリード線8a、8bとの接続部でクラッ
クが発生する可能性が大きい。ちなみに、セラミック基
体6及び発熱体7を上記した珪化モリブデン及び窒化珪
素で形成し、リード線8a、8bをタングステンで形成
した場合、各部の線膨張係数(×10-6/℃)は、セラ
ミック基体が3.85、発熱体が4.05、リード線が
4.5である。
【0027】その点、本実施形態では、発熱時の発熱体
7における最高温度部の存在する領域を、セラミック基
体6の軸6c方向において先端部7aから上記発熱体長
さL2の31%の長さ以内の範囲に存在するようにした
独自の構成を採用することにより、上記の接続部におけ
るクラックの発生を抑制し、実用上、信頼性が確保可能
な程度にリード線の剥離を防止できるようになってい
る。
【0028】この独自の構成は、発熱体7において、セ
ラミック基体6の軸6c方向におけるリード線端部から
曲がり部7bの内周部までの最大長さa、曲がり部7b
における先端部7aを含む部位の幅b、直線部7cの幅
c(以下、それぞれ単に最大長さa、曲がり部幅b、直
線部幅cという)等を適宜設計して、発熱体7内の電気
抵抗分布を調整することで可能である。
【0029】限定されるものではないが、発熱体7にお
ける各寸法の一例を示す。上記最大長さaが5.5m
m、曲がり部幅bが1.1mm(つまり、上記発熱体長
さL2が6.6mmとなる)、直線部幅cが0.75m
mとできる。なお、2本の直線部7cにおいて互いの直
線部幅cは同一であり、両直線部7cの間隔dは1.2
mmとできる。また、リード線8a、8bの線径はφ
0.4mmとできる。
【0030】この寸法例において発熱部突出長さL1を
7mmとしたとき、上記発熱体7の最高温度部(例えば
1300℃程度)は、セラミック基体6の軸6c方向に
おいて、先端部7aから発熱体長さL2の31%の長さ
の部位にある。つまり、発熱時の発熱体7の軸6c方向
に沿った温度分布をみたとき、発熱体7のうち先端部7
aから0.31×L2の長さの部位に最大ピークを持つ
ような形とできる。
【0031】また、図1に示す様に、各リード線8a、
8bは、セラミック基体6の内部にて発熱体7からセラ
ミック基体6の他端6b側へ向かって、互いに略平行に
直線状に延設されている。また、各リード線8a、8b
の端部は、ケース2、5内に位置するセラミック基体6
の外周面に裸出している。
【0032】また、セラミック基体6の他端6bには、
金属(例えばステンレス等)製棒状の中軸9の一端9a
が対向して設けられており、これら対向する両端6b、
9aは、金属(例えばステンレス等)製筒状のキャップ
リード10に挿入され、ロウ付け等で固定されることに
より、電気的に接続されている。
【0033】そして、一方のリード線8aの裸出部は、
キャップリード10にロウ付け等により電気的に接続さ
れており、他方のリード線8bの裸出部はパイプ5にロ
ウ付け等により電気的に接続されている。これにより、
中軸9を起点とした場合、中軸9、キャップリード1
0、一方のリード線8a、発熱体7、他方のリード線8
b、パイプ5、ハウジング2といった順に電流経路が構
成される。
【0034】また、中軸9の他端9b側において、中軸
9とハウジング2との間には、共に絶縁性の溶着ガラス
11及びインシュレータ12が介在している。これら介
在部材11、12は、中軸9とハウジング2とを電気的
に絶縁しつつ、中軸9の保持・固定及び芯出しを行うた
めのものである。
【0035】また、中軸9の他端9b側には、絶縁材料
から成るつば付き筒状の絶縁ブッシュ13がはめ込まれ
ており、この絶縁ブッシュ13は、そのつば部を介して
固定ナット14により、ハウジング2の六角部4の端面
に固定されている。そして、この絶縁ブッシュ13によ
って、ハウジング2(六角部4)の端面と固定ナット1
4及び中軸9とは、電気的に絶縁されている。
【0036】かかるグロープラグ1は、ハウジング2を
介して上記エンジンヘッドに取り付けられ、図1にて図
示しないが、中軸9の他端9bに設けられた端子ねじ9
cには、上記図7と同様に、端子ナット等によってコネ
クティングバーが電気的に接続される。
【0037】このコネクティングバーは図示しない電源
に接続され、上記した中軸9〜ハウジング2に至る電流
経路を介してエンジンヘッドにアースされた状態とな
る。これにより、グロープラグ1において発熱体7を通
電発熱させ、ディーゼルエンジンの着火始動を行うこと
が可能となっている。
【0038】次に、上記グロープラグ1における特徴部
分であるセラミック基体6の製造方法について、図3及
び図4に示す工程説明図を参照して説明する。まず、図
示しない型内にリード線8a、8bを配置させ、該型内
に、発熱体7を構成するセラミック粉末にバインダーを
混練してペースト化したものを射出することにより、図
3(a)に示す発熱体7とリード線8a、8bとが一体
化された第1成形体20を作製する。
【0039】次に、この第1成形体20を図示しない型
内に配置させ、該型内に、セラミック基体6を構成する
セラミック粉末(基体構成粉末)にバインダーを混練し
てペースト化したものを射出することにより、図3
(b)に示す様に、第1成形体20が露出した形で基体
構成粉末に一体化された第2成形体21を作製する。
【0040】更に、この第2成形体21と基体構成粉末
とを用いて、上記同様に射出成形することにより、図3
(c)に示す第1成形体20が基体構成粉末に内包され
た第3成形体22を作製する。次に、この第3成形体2
2内部のバインダー成分を除去するために、第3成形体
22に対して、所定の温度(例えば約500℃)で加熱
乾燥処理(脱脂処理)を施す。
【0041】続いて、図3(d)に示す様に、ホットプ
レス用の波形の上型30及び下型31の間に、第3成形
体22を複数個並べて配置させるとともに、その前後左
右の四方にプレス型32〜35を配置する。なお、これ
ら各型30〜35はカーボン等よりなる。また、各第3
成形体22には、互いの付着を防止するために、上下型
30、31に配置する前に離型剤(窒化ボロン等)が予
め塗布される。そして、複数個の第3成形体22を型3
0〜35を介して加圧しながら所定の温度(例えば約1
800℃)で焼成する。
【0042】こうして、焼成された各第3成形体22を
型30〜35から取り出し、分離すると、図4(a)に
示す焼結体(焼成体)23が作製される。続いて、図4
(b)に示す様に、焼結体23の外周面を切削加工して
円柱体24を作製し、更に、円柱体24に対してリード
線8a、8bの裸出部が形成されるように仕上げ研削を
行うとともに、その先端部を球面状に切削加工すること
により、図4(c)に示すセラミック基体6が出来上が
る。
【0043】その後、このセラミック基体6をパイプ5
に対して銀ロウ等を用いてロウ付けして組み付け、更
に、セラミック基体6と中軸9とをキャップリード10
を介してロウ付け等により組み付ける。続いて、この組
付体をハウジング2へ挿入し、パイプ5とハウジング2
とをロウ付け等により固定し、更に、インシュレータ1
2の挿入、ガラス溶着及び固定ナット14による絶縁ブ
ッシュ13の固定等を行うことで、図1に示すグロープ
ラグ1が完成する。
【0044】ところで、本グロープラグ1では、上記発
熱部突出長さL1を7mm以上とし、且つ、発熱体7の
上記最高温度部の存在する領域を、セラミック基体6の
軸6c方向において先端部7aから上記長さL2の31
%以内の範囲に存在させている。このような構成とする
ために、発熱体7における上記各寸法a、b、c及び発
熱部突出長さL1について検討した例を述べる。
【0045】図5は、発熱部突出長さL1(単位:m
m)、曲がり部幅bと最大長さaとの比b/a、曲がり
部bと直線部幅cとの比b/c、直線部幅cと最大長さ
aとの比c/aを種々変えたグロープラグ(番号1〜1
2)について、その時の発熱体7の最高温度部の先端部
7aからの位置(発熱体長さL2を100%としたとき
の割合で示す、単位:%)、及び、耐久試験を行った後
のリード線8a、8bの発熱体7との接続部におけるク
ラックの発生の有無を示す図表である。
【0046】ここで、各比b/a等は、各寸法a〜cを
上記した一例(a=5.5mm、b=1.1mm、c=
0.75mm)から種々変えていった。図5中、番号1
〜4は、発熱部突出長さL1を従来寸法である2.5m
mとした比較例であり、番号5〜12は、該長さL1を
7mm以上とした例である。ここで、番号6は、各寸法
a、b、cを上記した一例としたものである。
【0047】ちなみに、比較例において、番号1は、a
=6.6mm、b=1.0mm、c=0.75mm、番
号2は、a=5.5mm、b=1.1mm、c=0.7
5mm、番号3は、a=6.3mm、b=1.4mm、
c=1.0mm、番号4は、a=5.0mm、b=1.
6mm、c=1.0mm、としたものである。
【0048】また、最高温度部は、放射温度計を用い
て、通電発熱時の発熱体7におけるセラミック基体6の
軸6c方向に沿った温度分布を測定することで求めた。
また、耐久試験は、発熱体7に対して通電と非通電を繰
り返すことで、発熱体7に対して室温状態と発熱した高
温状態(発熱温度が飽和した状態、例えば1300℃程
度)とを各々例えば1分間ずつ実現し、この冷熱サイク
ルを実用レベルに耐えうるサイクル数(例えば2万サイ
クル)実施した。
【0049】図5に示す様に、まず、発熱部突出長さL
1を従来の長さである7mm未満とした比較例(番号1
〜4)では、発熱体の最高温度部の位置に関係なく、ク
ラックが発生せず、信頼性を確保できる。それに対し
て、該長さL1を従来よりも長い7mmとした例(番号
5〜8)では、最高温度部が31%以内であれば、クラ
ックが発生せず、信頼性を確保でき、更に、該長さL1
を7mmよりも長くした場合(番号9〜12)でも、最
高温度部が31%以内であれば、クラックが発生せず、
信頼性を確保できる。
【0050】このように、本実施形態によれば、発熱体
7を、通電発熱時における発熱体7の最高温度部が、発
熱体7の先端部7aから発熱体長さL2の31%以内の
領域に存在するような形状としているため、発熱部突出
長さL1を7mm以上としても、発熱体7とリード線8
a、8bとの接続部においてリード線8a、8bの剥離
(断線)を抑制し、実用上、信頼性を確保したグロープ
ラグ1を提供することができる。
【0051】また、図5からわかるように、発熱体7に
おいて、最大長さaと曲がり部幅bとの比b/aを、
0.2以下とすることが好ましい。比b/aをこのよう
な範囲とすれば、曲がり部幅bが小さくなるため、発熱
体7の先端部7aを構成する曲がり部7bを、発熱体7
の他の部位に比べて相対的に細くし電気抵抗を大きくで
きる。そのため、曲がり部7bでの発熱が大きくなり、
結果的に、先端部7a寄りに最高温度部を位置させるこ
とが容易となる。
【0052】さらに、本実施形態では、セラミック基体
6の内部にて、発熱体7からセラミック基体6の他端6
b側へ向かってリード線8a、8bが延設されている
が、この場合、セラミック基体6におけるリード線を内
包する部位を軸6c方向に直交する断面でみたとき、該
断面の全面積のうちリード線の占める割合を4%以下と
することが好ましい。
【0053】この根拠となった検討例を図6に示す。図
6において、(a)は図2(a)中のB−B断面を示す
図、(b)は該B−B断面の全面積のうちリード線の占
める割合を種々変えたグロープラグ(番号1〜8)につ
いて、上記耐久試験を行った後のリード線8a、8bの
発熱体7との接続部におけるクラックの発生の有無を示
す図表である。
【0054】なお、本検討例では、セラミック基体6は
上記した珪化モリブデン及び窒化珪素で形成し、リード
線8a、8bはタングステンで形成したものである。ま
た、両者共、上記B−B断面に沿った断面形状は円形状
であり、図6中、セラミック基体6の直径をf(単位:
mm)、リード線8a、8bの線径(直径)をg(単
位:mm)、上記2本のリード線の占める割合をW占有
率(単位:%)として示してある。
【0055】図6(b)から、セラミック基体6におけ
る上記B−B断面、即ち、リード線内包部位の軸6c方
向直交断面の全面積のうち、リード線8a、8bの占め
る割合(W占有率)を4%以下とすれば、クラックが発
生せず、信頼性を確保できることがわかる。よって、W
占有率を4%以下とすることにより、熱応力の発生によ
るリード線8a、8bの発熱体7との接続部の剥離を、
より効果的に防止できる。
【0056】なお、発熱体を上記のように射出成形する
ものでなく、例えば、WC(タングステンカーバイド)
を用いて印刷により成形したものとした場合も、WC
(線膨張係数:5.2×10-6/℃)よりなる発熱体と
例えばW(線膨張係数:4.5×10-6/℃)よりなる
リード線との線膨張係数の差により、上記クラックの問
題が発生するが、この場合も本実施形態の構成を適用す
ることにより、発熱体とリード線との剥離を抑制し、信
頼性を向上させることができる。
【0057】また、発熱体はU字形状に限定されるもの
ではなく、任意の形状が可能である。また、セラミック
基体についても、断面円形の棒状に限定されるものでは
なく、断面多角形の棒状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るグロープラグの全体構
成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示すグロープラグにおける発熱部の詳細
構成を示す図である。
【図3】上記実施形態に係るセラミック基体の製造方法
を示す工程図である。
【図4】図3に続く製造方法を示す工程図である。
【図5】発熱体における各部寸法a、b、c及び発熱部
突出長さL1の検討例を示す図表である。
【図6】セラミック基体の断面積に対するリード線の占
有率についての検討例を示す図表である。
【図7】一般的なグロープラグの全体構成を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
2…ハウジング、5…パイプ、5a…パイプの一端(ケ
ースの一端)、6…セラミック基体、6a…セラミック
基体の一端、6b…セラミック基体の他端、6c…セラ
ミック基体の軸、7…発熱体、7a…発熱体の先端部、
7b…曲がり部、7c…直線部、8a、8b…リード
線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース(2、5)と、 一端(6a)側が前記ケースの一端(5a)より突出す
    るように前記ケース内に保持されたセラミック基体
    (6)と、 このセラミック基体の前記一端側に埋設され通電により
    発熱する発熱体(7)と、 前記セラミック基体に埋設されて前記発熱体に通電可能
    に接続されるとともに、前記セラミック基体の他端(6
    b)側へ延びるリード線(8a、8b)とを備えるセラ
    ミックグロープラグにおいて、 前記セラミック基体における前記ケースの一端から前記
    発熱体と前記リード線との接続側のリード線端部までの
    軸方向の長さL1が7mm以上であり、 前記発熱体が通電により発熱したとき、前記セラミック
    基体の前記一端寄りに位置する前記発熱体の先端部(7
    a)から軸(6c)方向におけるリード線端部までの長
    さL2の31%以内の領域に、前記発熱体の最高温度部
    があることを特徴とするセラミックグロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記発熱体(7)は略U字形状をなし、
    該U字における曲がり部(7b)が前記先端部(7a)
    側に位置し、該U字における2本の直線部(7c)が前
    記セラミック基体(6)の軸(6c)方向に沿って位置
    していることを特徴とする請求項1に記載のセラミック
    グロープラグ。
  3. 【請求項3】 前記発熱体(7)において、前記セラミ
    ック基体(6)の軸(6c)方向におけるリード線端部
    から前記曲がり部(7b)の内周部までの最大長さaと
    前記曲がり部の幅bとの比b/aが、0.2以下となっ
    ていることを特徴とする請求項2に記載のセラミックグ
    ロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基体(6)における前記
    リード線(8a、8b)を内包する部位を、前記セラミ
    ック基体の軸(6c)方向に直交する断面でみたとき、
    該断面の全面積のうち前記リード線の占める割合が4%
    以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1つに記載のセラミックグロープラグ。
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