JP2001226908A - コンクリート用発泡体製中子 - Google Patents
コンクリート用発泡体製中子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンクリート中に埋設する場合の浮力による
圧縮歪みや撓みを低減でき、しかも特別の改造金型を必
要とせず、汎用の成形機で大口径の発泡体製中子を成形
することができるコンクリート用発泡体製中子を提供す
ること。 【解決手段】 中心部材11と外周部材12との分割構
造とし、中心部材11の密度を15kg/m3 未満とする一
方、外周部材12の密度を15kg/m3 以上とする。これ
により、外周部分12に圧縮歪みや撓みを低減できる必
要な強度を確保しつつ全体としては軽量化など発泡体と
しての特性を備えるようにしている。また、中心部材1
1を正方形断面にする2つの矩形断面部材11aで構成
し、外周部材12を、外周を円形断面にする正方形断面
の1辺を弦とする4つの円弧断面部材12aで構成する
ことで、既存の成形機で大口径の発泡体製中子を成形で
きるようにし、半径方向の接着面を無くして接着などに
よる一体化も容易にできるようにしている。
圧縮歪みや撓みを低減でき、しかも特別の改造金型を必
要とせず、汎用の成形機で大口径の発泡体製中子を成形
することができるコンクリート用発泡体製中子を提供す
ること。 【解決手段】 中心部材11と外周部材12との分割構
造とし、中心部材11の密度を15kg/m3 未満とする一
方、外周部材12の密度を15kg/m3 以上とする。これ
により、外周部分12に圧縮歪みや撓みを低減できる必
要な強度を確保しつつ全体としては軽量化など発泡体と
しての特性を備えるようにしている。また、中心部材1
1を正方形断面にする2つの矩形断面部材11aで構成
し、外周部材12を、外周を円形断面にする正方形断面
の1辺を弦とする4つの円弧断面部材12aで構成する
ことで、既存の成形機で大口径の発泡体製中子を成形で
きるようにし、半径方向の接着面を無くして接着などに
よる一体化も容易にできるようにしている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート用
発泡体製中子に関し、コンクリート中に埋設することに
より加わる浮力による撓みや変形を小さくでき、しかも
直径が900mm以上の大きなものとすることもできる
ようにしたものである。
発泡体製中子に関し、コンクリート中に埋設することに
より加わる浮力による撓みや変形を小さくでき、しかも
直径が900mm以上の大きなものとすることもできる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】橋桁や高架道路などの路床として、振動
や騒音が比較的少なく、メンテナンスも容易なコンクリ
ート製のものが盛んに使用されており、橋桁や高架道路
などの路床自体の軽量化を図るためコンクリート中に中
子を埋設することがおこなわている。
や騒音が比較的少なく、メンテナンスも容易なコンクリ
ート製のものが盛んに使用されており、橋桁や高架道路
などの路床自体の軽量化を図るためコンクリート中に中
子を埋設することがおこなわている。
【0003】このようなコンクリート中に埋設するコン
クリート用中子としては、従来、直径が900mm以下
の場合には、発泡体製のものや金属製のものが使用され
ており、取扱性や施工性に優れた発泡体製のものが普及
しつつある。
クリート用中子としては、従来、直径が900mm以下
の場合には、発泡体製のものや金属製のものが使用され
ており、取扱性や施工性に優れた発泡体製のものが普及
しつつある。
【0004】例えば、図5に示すように、高架橋1の場
合には、側端部2から中心部に向かって次第に、直径が
300mm、500mm、900mmと大きいコンクリ
ート用中子3,4,5が埋設される。
合には、側端部2から中心部に向かって次第に、直径が
300mm、500mm、900mmと大きいコンクリ
ート用中子3,4,5が埋設される。
【0005】しかしながら、直径が900mm以上のコ
ンクリート用中子6を必要とする場合には、現在使用さ
れている汎用の発泡体ブロック成形機の最大のフレーム
の大きさが2m×1m×0.5mのいわゆるMサイズ
(メータサイズ)のものと、0.92m×1.82m×
0.42mのいわゆる3×6サイズ(サブロクサイズ)
であり、発泡成形機による成形限界から一体の発泡成形
体のコンクリート用中子を成形することが出来ず、金属
帯板をスパイラル状に成形して溶接することで簡単に製
作できるスパイラル管をコンクリート用中子として用い
ているのが現状である。
ンクリート用中子6を必要とする場合には、現在使用さ
れている汎用の発泡体ブロック成形機の最大のフレーム
の大きさが2m×1m×0.5mのいわゆるMサイズ
(メータサイズ)のものと、0.92m×1.82m×
0.42mのいわゆる3×6サイズ(サブロクサイズ)
であり、発泡成形機による成形限界から一体の発泡成形
体のコンクリート用中子を成形することが出来ず、金属
帯板をスパイラル状に成形して溶接することで簡単に製
作できるスパイラル管をコンクリート用中子として用い
ているのが現状である。
【0006】一方、特別な大型成形機にて一体成形しよ
うとすると、設備費が膨大なものとなり、歪みや撓みが
生じない発泡体の強度を得ようとすると円筒型枠が必要
で、しかも融着度を上げる必要から1本当りの成形サイ
クルが40分〜1時間にもなってしまう。
うとすると、設備費が膨大なものとなり、歪みや撓みが
生じない発泡体の強度を得ようとすると円筒型枠が必要
で、しかも融着度を上げる必要から1本当りの成形サイ
クルが40分〜1時間にもなってしまう。
【0007】そこで、汎用の発泡体ブロック成形機で成
形できる大きさの発泡体を幾つか組合わせることで直径
が900mm以上の発泡体製中子を作ることも考えら
れ、例えば図6に示すように、発泡体製中子7を、4つ
の直方体状のブロック8を積層し、接着一体化した後に
円筒状に加工して構成することが考えられる。
形できる大きさの発泡体を幾つか組合わせることで直径
が900mm以上の発泡体製中子を作ることも考えら
れ、例えば図6に示すように、発泡体製中子7を、4つ
の直方体状のブロック8を積層し、接着一体化した後に
円筒状に加工して構成することが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
コンクリート用の発泡体製中子7では、生産性や寸法精
度の面で問題がある。
コンクリート用の発泡体製中子7では、生産性や寸法精
度の面で問題がある。
【0009】また、このようなコンクリート用の発泡体
製中子7では、直径が大きくなればなるほど、コンクリ
ート中に埋設した場合に加わる浮力が大きくなり、固定
用の金属製の支持バンドに発泡体が食い込むように歪ん
だり、支持バンドの取付スパン間で撓みが生じてしまう
という問題がある。
製中子7では、直径が大きくなればなるほど、コンクリ
ート中に埋設した場合に加わる浮力が大きくなり、固定
用の金属製の支持バンドに発泡体が食い込むように歪ん
だり、支持バンドの取付スパン間で撓みが生じてしまう
という問題がある。
【0010】さらに、この撓みを防止するために発泡体
の密度を大きくしてしまうと、発泡体製中子の重量増加
となってしまうという問題がある。
の密度を大きくしてしまうと、発泡体製中子の重量増加
となってしまうという問題がある。
【0011】この発明は、上記従来技術の課題に鑑みて
なされたもので、コンクリート中に埋設する場合の浮力
による圧縮歪みや撓みを低減できる強度を有し、しかも
特別の改造金型を必要とせず、汎用の成形機で大口径の
発泡体製中子を成形することができるコンクリート用発
泡体製中子を提供しようとするものである。
なされたもので、コンクリート中に埋設する場合の浮力
による圧縮歪みや撓みを低減できる強度を有し、しかも
特別の改造金型を必要とせず、汎用の成形機で大口径の
発泡体製中子を成形することができるコンクリート用発
泡体製中子を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】コンクリート用発泡体製
中子として必要なコンクリート中に埋設する場合の浮力
による圧縮歪みや撓みを低減できる強度について鋭意検
討したところ、ただ単に強度を高めるためには、発泡体
の密度を上げれば良いが、既に説明したように、密度を
上げようとすればするほど、成形サイクルが長くなって
製品コストの増大を招いてしまい、さらに発泡体の重量
増加となってしまう。
中子として必要なコンクリート中に埋設する場合の浮力
による圧縮歪みや撓みを低減できる強度について鋭意検
討したところ、ただ単に強度を高めるためには、発泡体
の密度を上げれば良いが、既に説明したように、密度を
上げようとすればするほど、成形サイクルが長くなって
製品コストの増大を招いてしまい、さらに発泡体の重量
増加となってしまう。
【0013】これらの問題を解決するためには、中心部
分と外周部分で密度を変えることが有効であることを見
出だしこの発明を完成したものである。
分と外周部分で密度を変えることが有効であることを見
出だしこの発明を完成したものである。
【0014】また、中心部分と外周部分との分割構造と
する場合に、分割面の配置によって接着が難しくなった
り、新たな改造金型が必要になることから、通常のブロ
ック成形機で成形できる中心部材と、一般の型物成形機
により安価な金型で密度の高いものを早い成形サイクル
で成形できる外周部材とを組み合わせる分割構造を見出
だしこの発明を完成したものである。
する場合に、分割面の配置によって接着が難しくなった
り、新たな改造金型が必要になることから、通常のブロ
ック成形機で成形できる中心部材と、一般の型物成形機
により安価な金型で密度の高いものを早い成形サイクル
で成形できる外周部材とを組み合わせる分割構造を見出
だしこの発明を完成したものである。
【0015】すなわち、上記課題を解決するためこの発
明の請求項1記載のコンクリート用発泡体製中子は、コ
ンクリート中に埋設される発泡体製中子であって、中心
部材と外周部材との分割構造とするとともに、前記中心
部材の密度を15kg/m3 未満とする一方、前記外周部材
の密度を15kg/m3 以上としたことを特徴とするもので
ある。
明の請求項1記載のコンクリート用発泡体製中子は、コ
ンクリート中に埋設される発泡体製中子であって、中心
部材と外周部材との分割構造とするとともに、前記中心
部材の密度を15kg/m3 未満とする一方、前記外周部材
の密度を15kg/m3 以上としたことを特徴とするもので
ある。
【0016】このコンクリート用発泡体製中子によれ
ば、中心部材と外周部材との分割構造とし、中心部材の
密度を15kg/m3 未満とする一方、外周部材の密度を1
5kg/m 3 以上とすることにより、圧縮歪みや撓みを低減
するのに必要な強度を確保しつつ全体としては軽量化な
ど発泡体としての特性を備えるようにしている。
ば、中心部材と外周部材との分割構造とし、中心部材の
密度を15kg/m3 未満とする一方、外周部材の密度を1
5kg/m 3 以上とすることにより、圧縮歪みや撓みを低減
するのに必要な強度を確保しつつ全体としては軽量化な
ど発泡体としての特性を備えるようにしている。
【0017】本発明で使用される発泡体製中子は、通常
の合成樹脂発泡成形で成形される発泡体を使用すること
ができ、特に成形方法について限定するものではない
が、例えばポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂
等に発泡剤を加えて押出成形された発泡体やこれらの樹
脂に発泡剤を含浸させた発泡性粒子を型成形した発泡体
を使用して作製される場合に有効なものである。
の合成樹脂発泡成形で成形される発泡体を使用すること
ができ、特に成形方法について限定するものではない
が、例えばポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂
等に発泡剤を加えて押出成形された発泡体やこれらの樹
脂に発泡剤を含浸させた発泡性粒子を型成形した発泡体
を使用して作製される場合に有効なものである。
【0018】さらに、発泡性粒子を型成形した発泡体に
おいては、通常使用されているブロック成形機や成形型
を使用する場合においては、この成形機や成形型で成形
可能な大きさの中心部材と外周部材を使用して、大きな
外周断面を有する発泡体製中後が作製できるので生産コ
ストなどの低減を図ることが可能となる。
おいては、通常使用されているブロック成形機や成形型
を使用する場合においては、この成形機や成形型で成形
可能な大きさの中心部材と外周部材を使用して、大きな
外周断面を有する発泡体製中後が作製できるので生産コ
ストなどの低減を図ることが可能となる。
【0019】したがって、本発明の発泡体製中子の中心
部材と外周部材とは、それぞれ一つの発泡体より構成さ
れるものでも良いが、複数の発泡体を組み合わせて、中
心部材、外周部材をそれぞれ構成しても良い。組み合わ
される発泡体同士は、接着剤、結束体を使用して一体化
して中心部材、外周部材とされる。さらに、中心部材と
外周部材とは、接着剤、結束体を使用して一体化されて
発泡体製中子とされる。また、外周部材が複数の場合
は、外周部材と中心部材を一体化するときに、各外周部
材を一体化しても良い。
部材と外周部材とは、それぞれ一つの発泡体より構成さ
れるものでも良いが、複数の発泡体を組み合わせて、中
心部材、外周部材をそれぞれ構成しても良い。組み合わ
される発泡体同士は、接着剤、結束体を使用して一体化
して中心部材、外周部材とされる。さらに、中心部材と
外周部材とは、接着剤、結束体を使用して一体化されて
発泡体製中子とされる。また、外周部材が複数の場合
は、外周部材と中心部材を一体化するときに、各外周部
材を一体化しても良い。
【0020】本発明の発泡体製中子の外観形状として
は、従来より使用されている形状を採用することがで
き、例えば、外周断面が四角形、五角形等の多角形、円
形、楕円形などの柱状形状となる。打設されるコンクリ
ートの流れやエア抜きなどを考慮すると、少なくとも発
泡体製中子の下部は、水平面より円形や楕円形等の曲
面、あるいは多角形の傾斜面になっていることが好まし
い。特に、方向性などを考慮せずに配置でき、外周部材
の単純形状化を考え、さらに最も多く使用されている形
状である外周断面が円形であることが好ましい。
は、従来より使用されている形状を採用することがで
き、例えば、外周断面が四角形、五角形等の多角形、円
形、楕円形などの柱状形状となる。打設されるコンクリ
ートの流れやエア抜きなどを考慮すると、少なくとも発
泡体製中子の下部は、水平面より円形や楕円形等の曲
面、あるいは多角形の傾斜面になっていることが好まし
い。特に、方向性などを考慮せずに配置でき、外周部材
の単純形状化を考え、さらに最も多く使用されている形
状である外周断面が円形であることが好ましい。
【0021】また、この発明の請求項2記載のコンクリ
ート用発泡体製中子は、請求項1記載の構成に加え、前
記中心部材を正方形断面にする矩形断面部材で構成する
一方、この中心部材の外側に配置される前記外周部材
を、外周を円形断面にする前記正方形断面の1辺を弦と
する4つの円弧断面部材で構成したことを特徴とするも
のである。
ート用発泡体製中子は、請求項1記載の構成に加え、前
記中心部材を正方形断面にする矩形断面部材で構成する
一方、この中心部材の外側に配置される前記外周部材
を、外周を円形断面にする前記正方形断面の1辺を弦と
する4つの円弧断面部材で構成したことを特徴とするも
のである。
【0022】このコンクリート用発泡体製中子によれ
ば、中心部材を正方形断面にする矩形断面部材で構成
し、この中心部材の外側に配置される外周部材を、外周
を円形断面にする正方形断面の1辺を弦とする4つの円
弧断面部材で構成するようにしており、矩形を組み合わ
せた正方形断面とその一辺を弦とする4つの円弧断面と
の分割構造として成形の容易化を図りつつ、半径方向の
接着面をなくして接着などによる一体化も容易にできる
ようにしている。
ば、中心部材を正方形断面にする矩形断面部材で構成
し、この中心部材の外側に配置される外周部材を、外周
を円形断面にする正方形断面の1辺を弦とする4つの円
弧断面部材で構成するようにしており、矩形を組み合わ
せた正方形断面とその一辺を弦とする4つの円弧断面と
の分割構造として成形の容易化を図りつつ、半径方向の
接着面をなくして接着などによる一体化も容易にできる
ようにしている。
【0023】なお、中心部材は、必要に応じて複数の部
材で構成しても良い。
材で構成しても良い。
【0024】さらに、この発明の請求項3記載のコンク
リート用発泡体製中子は、請求項1または2記載の構成
に加え、前記中心部材と前記外周部材との外側を結束体
で結束して一体としたことを特徴とするものである。
リート用発泡体製中子は、請求項1または2記載の構成
に加え、前記中心部材と前記外周部材との外側を結束体
で結束して一体としたことを特徴とするものである。
【0025】このコンクリート用発泡体製中子によれ
ば、中心部材と外周部材との外側を結束体で結束して一
体とするようにしており、接着によらずに一体化できる
ようになり、一層製作を容易にしている。
ば、中心部材と外周部材との外側を結束体で結束して一
体とするようにしており、接着によらずに一体化できる
ようになり、一層製作を容易にしている。
【0026】また、この発明の請求項4記載のコンクリ
ート用発泡体製中子は、請求項1〜3のいずれかに記載
の構成に加え、前記結束体を、外側全面を覆うフィルム
状結束体としたことを特徴とするものである。
ート用発泡体製中子は、請求項1〜3のいずれかに記載
の構成に加え、前記結束体を、外側全面を覆うフィルム
状結束体としたことを特徴とするものである。
【0027】このコンクリート用発泡体製中子によれ
ば、外側全面を覆うフィルム状結束体を用いるようにし
ており、接着によらず一体化できると同時に、発泡体の
接触面の空気がコンクリート打設中に上昇し、コンクリ
ート中に気泡状の空隙部が形成されるのを防ぐ効果があ
り、コンクリートなどの浸入を防止できるようにしてい
る。
ば、外側全面を覆うフィルム状結束体を用いるようにし
ており、接着によらず一体化できると同時に、発泡体の
接触面の空気がコンクリート打設中に上昇し、コンクリ
ート中に気泡状の空隙部が形成されるのを防ぐ効果があ
り、コンクリートなどの浸入を防止できるようにしてい
る。
【0028】ここで、フィルム状結束体とは、ポリエチ
レン、塩化ビニルなどの合成樹脂製のフィルムなどより
なる筒状体をいい、この筒内に本発明の中子を入れて一
体化するものである。
レン、塩化ビニルなどの合成樹脂製のフィルムなどより
なる筒状体をいい、この筒内に本発明の中子を入れて一
体化するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明のコンクリート用
発泡体製中子の一実施の形態を図面に基づき詳細に説明
する。図1および図2は、この発明のコンクリート用発
泡体製中子の一実施の形態にかかり、図1(a)は端面
図、同図(b)は外観斜視図、図2は分解して示す斜視
図である。
発泡体製中子の一実施の形態を図面に基づき詳細に説明
する。図1および図2は、この発明のコンクリート用発
泡体製中子の一実施の形態にかかり、図1(a)は端面
図、同図(b)は外観斜視図、図2は分解して示す斜視
図である。
【0030】このコンクリート用発泡体製中子10は、
既存の成形機を使用して一体的な成形が困難である大き
さのものに好適であり、例えば直径が900mm以上の
円柱状の発泡体製中子に適用して好適なもので、ここで
は、直径を1200mmとする場合を例に説明する。
既存の成形機を使用して一体的な成形が困難である大き
さのものに好適であり、例えば直径が900mm以上の
円柱状の発泡体製中子に適用して好適なもので、ここで
は、直径を1200mmとする場合を例に説明する。
【0031】このコンクリート用発泡体製中子10は、
例えばポリスチレン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂
またはこれら樹脂からなる発泡粒子を型成形したり、押
出成形することで成形される。通常において、発泡粒子
のブロック状成形体を型成形する場合の1000×20
00×500mm程度の既存の成形機で作れる大きさの
発泡体部材を組み合わせて構成される。
例えばポリスチレン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂
またはこれら樹脂からなる発泡粒子を型成形したり、押
出成形することで成形される。通常において、発泡粒子
のブロック状成形体を型成形する場合の1000×20
00×500mm程度の既存の成形機で作れる大きさの
発泡体部材を組み合わせて構成される。
【0032】このコンクリート用発泡体製中子10は、
中心部に配置される中心部材11と、この中心部材11
の外側に配置される外周部材12とで構成される分割構
造としてあり、中心部材11自体が2つの同一形状の矩
形断面部材11aで構成され、外周部材12は4つの同
一形状の円弧断面部材12aで構成されて円柱状に形成
される。
中心部に配置される中心部材11と、この中心部材11
の外側に配置される外周部材12とで構成される分割構
造としてあり、中心部材11自体が2つの同一形状の矩
形断面部材11aで構成され、外周部材12は4つの同
一形状の円弧断面部材12aで構成されて円柱状に形成
される。
【0033】そして、このコンクリート用発泡体製中子
10の中心部材11は横断面形状が正方形とされ、長方
形断面の長辺と短辺の比が2:1とされた2つの矩形断
面部材11aを組み合わせて構成される。
10の中心部材11は横断面形状が正方形とされ、長方
形断面の長辺と短辺の比が2:1とされた2つの矩形断
面部材11aを組み合わせて構成される。
【0034】一方、このコンクリート用発泡体製中子1
0の外周部材12は中心部材11の横断面の正方形の1
辺を弦とし、正方形の対角線を直径とする4つの円弧断
面部材12aを組み合わせて構成され、円弧断面部材1
2a同志の接触面がなく、しかも半径方向に位置する接
触面のない構成としてある。
0の外周部材12は中心部材11の横断面の正方形の1
辺を弦とし、正方形の対角線を直径とする4つの円弧断
面部材12aを組み合わせて構成され、円弧断面部材1
2a同志の接触面がなく、しかも半径方向に位置する接
触面のない構成としてある。
【0035】このような中心部材11と外周部材12と
を組み合わせて構成したコンクリート用発泡体製中子1
0では、外周部材12の周囲に固定用の金属製の支持バ
ンド15が掛けられて路床等に固定されることから、コ
ンクリート中に埋設した場合の浮力によって支持バンド
15に集中的に浮力に対向する力が加わって外周部材1
2aが食い込むように圧縮歪を生じることになることを
防止できる強度が必要となる一方、中心部の中心部材1
1には集中的な力が加わらず均一に分散された力が加わ
ることから分散された力に対する強度があれば良いこと
になる。
を組み合わせて構成したコンクリート用発泡体製中子1
0では、外周部材12の周囲に固定用の金属製の支持バ
ンド15が掛けられて路床等に固定されることから、コ
ンクリート中に埋設した場合の浮力によって支持バンド
15に集中的に浮力に対向する力が加わって外周部材1
2aが食い込むように圧縮歪を生じることになることを
防止できる強度が必要となる一方、中心部の中心部材1
1には集中的な力が加わらず均一に分散された力が加わ
ることから分散された力に対する強度があれば良いこと
になる。
【0036】このような発泡体の強度は、例えば密度を
変えることで実現することができ、密度を高めることで
強度が増大し、密度を小さくすることで重量を低減する
ことができる。
変えることで実現することができ、密度を高めることで
強度が増大し、密度を小さくすることで重量を低減する
ことができる。
【0037】そこで、このコンクリート用発泡体製中子
10では、中心部材11と外周部材12の強度、すなわ
ち密度を変えるようにするが、密度を高めると重量が増
大したり、成形サイクルが長くなってしまうことから、
中心部材11の密度を15kg/m3 未満とし、外周部材
12の密度を15kg/m3 以上とする。
10では、中心部材11と外周部材12の強度、すなわ
ち密度を変えるようにするが、密度を高めると重量が増
大したり、成形サイクルが長くなってしまうことから、
中心部材11の密度を15kg/m3 未満とし、外周部材
12の密度を15kg/m3 以上とする。
【0038】中心部材11には、直接的に集中した荷重
が加わることもないことからその密度は15kg/m3 未満
で良く、好ましくは密度が10〜14kg/m3 の範囲であ
れば、強度、重量・取扱性およびコストの面から最適で
あり、10kg/m3 以下では外周部より間接的に加わる荷
重によってつぶれてしまう等の強度上の問題がある。
が加わることもないことからその密度は15kg/m3 未満
で良く、好ましくは密度が10〜14kg/m3 の範囲であ
れば、強度、重量・取扱性およびコストの面から最適で
あり、10kg/m3 以下では外周部より間接的に加わる荷
重によってつぶれてしまう等の強度上の問題がある。
【0039】外周部材12は集中した荷重が加わること
からその密度は15kg/m3 以上とする必要があり、好ま
しくは密度が20〜25kg/m3 の範囲であれば、強度、
重量・取扱性およびコストの面から最適であり、密度を
大きくすれば強度を高めることができるが、重量が増大
し、成形に特別な金型が必要となったり、成形サイクル
が長くなるなどの問題が生じることから最大密度も40
kg/m3 程度とするのが好ましい。
からその密度は15kg/m3 以上とする必要があり、好ま
しくは密度が20〜25kg/m3 の範囲であれば、強度、
重量・取扱性およびコストの面から最適であり、密度を
大きくすれば強度を高めることができるが、重量が増大
し、成形に特別な金型が必要となったり、成形サイクル
が長くなるなどの問題が生じることから最大密度も40
kg/m3 程度とするのが好ましい。
【0040】このようなコンクリート用発泡体製中子1
0の中心部材11および外周部材12を構成する矩形断
面部材11aおよび円弧断面部材12aは、既存の発泡
成形機で効率的に作ることができる最大寸法を考慮して
その大きさが定められるが、通常のブロック成形機で
は、厚みが425〜500mm、長さが1800〜20
00mm、幅が910〜1000mmが最大であり、一
般の型物成形機では、厚みが350mm、長さが130
0mm、幅が1300mmが最大である。
0の中心部材11および外周部材12を構成する矩形断
面部材11aおよび円弧断面部材12aは、既存の発泡
成形機で効率的に作ることができる最大寸法を考慮して
その大きさが定められるが、通常のブロック成形機で
は、厚みが425〜500mm、長さが1800〜20
00mm、幅が910〜1000mmが最大であり、一
般の型物成形機では、厚みが350mm、長さが130
0mm、幅が1300mmが最大である。
【0041】そこで、矩形断面部材11aは、通常のブ
ロック成形機で製造できる大きさとされ、直径1200
mmの円筒状中子とする場合には、高さを850mm、
幅を424mm、長さを1820mmとして、成形能率
と成形コストの最適化を図るように定められている。
ロック成形機で製造できる大きさとされ、直径1200
mmの円筒状中子とする場合には、高さを850mm、
幅を424mm、長さを1820mmとして、成形能率
と成形コストの最適化を図るように定められている。
【0042】実際の成形では、矩形断面部材11aの表
面をできるだけ平坦にして寸法精度をあげるため、上記
製品寸法より大きいブロックを成形し、熱線スライス加
工で処理した後、2つの矩形断面部材11aを接着して
中心部材11とする。
面をできるだけ平坦にして寸法精度をあげるため、上記
製品寸法より大きいブロックを成形し、熱線スライス加
工で処理した後、2つの矩形断面部材11aを接着して
中心部材11とする。
【0043】そして、矩形断面部材11a同志の接着
は、点接着でも十分であるが、全面接着するようにして
も良く、施工に際しては、接着面を長さ方向に対して垂
直に配置し、曲げ剛性を高めるようにする方が良い。
は、点接着でも十分であるが、全面接着するようにして
も良く、施工に際しては、接着面を長さ方向に対して垂
直に配置し、曲げ剛性を高めるようにする方が良い。
【0044】一方、円弧断面部材12aは、中心部材1
1の正方形の1辺を弦とする(円弧の直径は正方形の対
角線となる)半径方向の辺のない円弧断面であることか
ら、直径1200mmの円筒状中子とする場合には、弦
の長さが849mm、円弧部分の最大高さが176m
m、奥行きが1200mmの大きさとされ、一般の型物
成形機で、安価な金型を用い、成形サイクルを短くして
成形できるようにしている。
1の正方形の1辺を弦とする(円弧の直径は正方形の対
角線となる)半径方向の辺のない円弧断面であることか
ら、直径1200mmの円筒状中子とする場合には、弦
の長さが849mm、円弧部分の最大高さが176m
m、奥行きが1200mmの大きさとされ、一般の型物
成形機で、安価な金型を用い、成形サイクルを短くして
成形できるようにしている。
【0045】そして、中心部材11と一体にしてコンク
リート用発泡体製中子10とする場合には、矩形断面部
材11a同志を接着した中心部材11の正方形断面の各
辺上に円弧断面部材12aを点接着などで仮止めし、布
製の粘着テープやポリプロピレンなどの合成樹脂のバン
ド等の結束体13を用いて縛ることで一体にする。
リート用発泡体製中子10とする場合には、矩形断面部
材11a同志を接着した中心部材11の正方形断面の各
辺上に円弧断面部材12aを点接着などで仮止めし、布
製の粘着テープやポリプロピレンなどの合成樹脂のバン
ド等の結束体13を用いて縛ることで一体にする。
【0046】この結束体13としては、粘着テープやバ
ンド等のほか、中心部材11に仮止めした中心部材12
の全体を円筒状の合成樹脂フィルムによるフィルム状結
束体で覆い、その外周を布製の粘着テープやポリプロピ
レンなどの合成樹脂のバンド等の結束体13で固定する
ようにしても良く、合成樹脂フィルムによってコンクリ
ートの接合面などへの浸入を防止することができる。
ンド等のほか、中心部材11に仮止めした中心部材12
の全体を円筒状の合成樹脂フィルムによるフィルム状結
束体で覆い、その外周を布製の粘着テープやポリプロピ
レンなどの合成樹脂のバンド等の結束体13で固定する
ようにしても良く、合成樹脂フィルムによってコンクリ
ートの接合面などへの浸入を防止することができる。
【0047】このようなコンクリート用発泡体製中子1
0は、橋桁や高架道路等の路床に設置する場合には、例
えば全長を6m程度にして用いることから、長さ方向に
も連結する必要があり、中心部材11を構成する矩形断
面部材11aを前後にずらして長さ方向の接合面を段差
状にして所定長さ、例えば6mとした後、この所定長さ
に接着された中心部材11の外側に円弧断面部材12a
を配置して結束体13やフィルム状結束体を介して結束
体13で一体にして使用する。
0は、橋桁や高架道路等の路床に設置する場合には、例
えば全長を6m程度にして用いることから、長さ方向に
も連結する必要があり、中心部材11を構成する矩形断
面部材11aを前後にずらして長さ方向の接合面を段差
状にして所定長さ、例えば6mとした後、この所定長さ
に接着された中心部材11の外側に円弧断面部材12a
を配置して結束体13やフィルム状結束体を介して結束
体13で一体にして使用する。
【0048】このようなコンクリート用発泡体製中子1
0は、橋桁や高架道路等の路床に設置する場合には、図
3に示すように、高架橋1の路床16上に鉄筋などの受
け台17を設置し、この受け台17上に載置され、金属
製の支持バンド15を半周巻き掛け、両端部のボルト1
5aを路床3にナット15bで締付けることで固定す
る。
0は、橋桁や高架道路等の路床に設置する場合には、図
3に示すように、高架橋1の路床16上に鉄筋などの受
け台17を設置し、この受け台17上に載置され、金属
製の支持バンド15を半周巻き掛け、両端部のボルト1
5aを路床3にナット15bで締付けることで固定す
る。
【0049】このコンクリート用発泡体製中子10の固
定に用いる金属製の支持バンド15はできるだけ幅が広
い方が浮力による荷重の集中が緩和されるが、幅が広く
なると重量が重く取り扱い難くなることから、例えば1
00mm程度とし、従来の直径が900mmの発泡体製
中子の場合と同じものを使用する。
定に用いる金属製の支持バンド15はできるだけ幅が広
い方が浮力による荷重の集中が緩和されるが、幅が広く
なると重量が重く取り扱い難くなることから、例えば1
00mm程度とし、従来の直径が900mmの発泡体製
中子の場合と同じものを使用する。
【0050】また、支持バンド15の取付スパンによっ
て、軸方向のたわみ量が変化することになるが、通常、
軸方向のたわみ量を10mm以下にするとの規格がある
ことから、これを満足するように定めれば良く、例えば
1000mm毎に支持バンド15を設けるようにし、従
来の直径が900mmの発泡体製中子の場合と同じ取付
スパンで施工できるようにする。
て、軸方向のたわみ量が変化することになるが、通常、
軸方向のたわみ量を10mm以下にするとの規格がある
ことから、これを満足するように定めれば良く、例えば
1000mm毎に支持バンド15を設けるようにし、従
来の直径が900mmの発泡体製中子の場合と同じ取付
スパンで施工できるようにする。
【0051】このように高架橋1に設置したコンクリー
ト用発泡体製中子10では、コンクリートが打設される
と、浮力が加わり、支持バンド15に外周部材12が押
し付けられるが、外周部材12の密度が大きくしてある
ので、外周部材12が支持バンド15に食い込むことが
防止されるとともに、支持バンド15の取付スパン間の
たわみも押さえられ、従来の金属製のスパイラル管に代
えて使用することができる。
ト用発泡体製中子10では、コンクリートが打設される
と、浮力が加わり、支持バンド15に外周部材12が押
し付けられるが、外周部材12の密度が大きくしてある
ので、外周部材12が支持バンド15に食い込むことが
防止されるとともに、支持バンド15の取付スパン間の
たわみも押さえられ、従来の金属製のスパイラル管に代
えて使用することができる。
【0052】また、このコンクリート用発泡体製中子1
0は、既存の成形機を用いて成形できる矩形断面部材1
1aと円弧断面部材12aとを組み合わせて構成したの
で、効率良く安価に成形することができ、接合面として
半径方向の面がないので、結束体13で強固に一体化す
ることができる。
0は、既存の成形機を用いて成形できる矩形断面部材1
1aと円弧断面部材12aとを組み合わせて構成したの
で、効率良く安価に成形することができ、接合面として
半径方向の面がないので、結束体13で強固に一体化す
ることができる。
【0053】次に、この発明の他の実施の形態について
図面に基づき詳細に説明する。
図面に基づき詳細に説明する。
【0054】このコンクリート用発泡体製中子20は、
図4(a)に示すように、中心部材21を構成する正方
形断面の正方形部材21aと、外周部材22を構成する
4つの扇形断面の扇形部材22aとの分割構造とされ、
中心部材21の正方形部材21aの密度が15kg/m3 未
満とされる一方、外周部材22の4つの扇型部材22a
の密度が15kg/m3 以上としてあり、中心に配置した正
方形部材21aの各辺上にそれぞれ扇型部材22aを配
置して、これらが接着されるとともに、外周に結束体1
3が掛けられて一体にされる。
図4(a)に示すように、中心部材21を構成する正方
形断面の正方形部材21aと、外周部材22を構成する
4つの扇形断面の扇形部材22aとの分割構造とされ、
中心部材21の正方形部材21aの密度が15kg/m3 未
満とされる一方、外周部材22の4つの扇型部材22a
の密度が15kg/m3 以上としてあり、中心に配置した正
方形部材21aの各辺上にそれぞれ扇型部材22aを配
置して、これらが接着されるとともに、外周に結束体1
3が掛けられて一体にされる。
【0055】このようなコンクリート用発泡体製中子2
0では、中心部材21である正方形部材21aはブロッ
ク成形されたものから切断することで得ることができ、
外周部材22である4つの扇形部材22aは、ポリスチ
レン系樹脂などの発泡粒子を型成形したり、押出成形す
ることで成形される。
0では、中心部材21である正方形部材21aはブロッ
ク成形されたものから切断することで得ることができ、
外周部材22である4つの扇形部材22aは、ポリスチ
レン系樹脂などの発泡粒子を型成形したり、押出成形す
ることで成形される。
【0056】このようなコンクリート用発泡体製中子2
0によっても中心部材21と外周部材22との密度を変
えて大口径の円柱状発泡体製中子を得ることができる。
0によっても中心部材21と外周部材22との密度を変
えて大口径の円柱状発泡体製中子を得ることができる。
【0057】また、このコンクリート用発泡体製中子2
0では、正方形部材21aと4つの扇形部材22aとを
一体化するため接着しようとすると、半径方向に位置す
る接着面同志を接着することが難しいが、ここでは、接
着剤で仮止めした後、結束体13を用いて外側から縛る
ようにして一体化するので、隣接する扇型部材22aの
半径方向の接着面同志に楔効果が生じて締付けられ、強
固に一体化することができる。
0では、正方形部材21aと4つの扇形部材22aとを
一体化するため接着しようとすると、半径方向に位置す
る接着面同志を接着することが難しいが、ここでは、接
着剤で仮止めした後、結束体13を用いて外側から縛る
ようにして一体化するので、隣接する扇型部材22aの
半径方向の接着面同志に楔効果が生じて締付けられ、強
固に一体化することができる。
【0058】なお、この発明のコンクリート用発泡体製
中子の中心部材と外周部材との分割構造は、上記実施の
形態の場合の分割構造に限らず、例えば図4(b)に示
すように、コンクリート用発泡体製中子30の中心部材
31を円柱状の円柱部材31aで構成するとともに、外
周部材32を同心円状の扇型部材32aで構成するよう
にしても良く、さらに図4(a),(b)に示した中心
部材21,31や外周部材22,32をさらに分割して
構成するようにしても良い。
中子の中心部材と外周部材との分割構造は、上記実施の
形態の場合の分割構造に限らず、例えば図4(b)に示
すように、コンクリート用発泡体製中子30の中心部材
31を円柱状の円柱部材31aで構成するとともに、外
周部材32を同心円状の扇型部材32aで構成するよう
にしても良く、さらに図4(a),(b)に示した中心
部材21,31や外周部材22,32をさらに分割して
構成するようにしても良い。
【0059】このようなコンクリート用発泡体製中子2
0,30も、既に説明したコンクリート用発泡体製中子
10と同様に、路床16に支持バンドで固定されて使用
され、外周部材22,32の密度が15kg/m3 以上とさ
れる一方、中心部材21,31の密度が15kg/m3 未満
としてあるので、コンクリート打設に伴う浮力により外
周部材22,32が支持バンドに食い込む圧縮歪みを防
止できるとともに、長さ方向のたわみも抑えることがで
きるなど、既に説明したコンクリート用発泡体製中子1
0と同様の効果を奏する。
0,30も、既に説明したコンクリート用発泡体製中子
10と同様に、路床16に支持バンドで固定されて使用
され、外周部材22,32の密度が15kg/m3 以上とさ
れる一方、中心部材21,31の密度が15kg/m3 未満
としてあるので、コンクリート打設に伴う浮力により外
周部材22,32が支持バンドに食い込む圧縮歪みを防
止できるとともに、長さ方向のたわみも抑えることがで
きるなど、既に説明したコンクリート用発泡体製中子1
0と同様の効果を奏する。
【0060】
【実施例】以下この発明の実施例について説明するが、
これらに限定するものでない。
これらに限定するものでない。
【0061】この実施例及び比較例では、直径が120
0mm、長さが1200mmの円柱状のコンクリート用
発泡体製中子を成形した。
0mm、長さが1200mmの円柱状のコンクリート用
発泡体製中子を成形した。
【0062】こうして成形したコンクリート用発泡体製
中子の重量・取扱性と成形に要したコストをそれぞれ
優、良、可、不可の4段階で評価し、記号◎、○、△、
×で表し、表1に示した。
中子の重量・取扱性と成形に要したコストをそれぞれ
優、良、可、不可の4段階で評価し、記号◎、○、△、
×で表し、表1に示した。
【0063】さらに、成形後、支持バンドの幅を100
mmとし、100cmの取付スパンで固定し、コンクリ
ートを上側の円弧断面部材の下面(中心部材の上端)ま
で打設した状態として、支持バンドによる支持部の歪と
取付スパン中央でのたわみを測定し、これらを優、良、
可、不可の4段階で評価し、記号◎、○、△、×で表
し、表1に示した。
mmとし、100cmの取付スパンで固定し、コンクリ
ートを上側の円弧断面部材の下面(中心部材の上端)ま
で打設した状態として、支持バンドによる支持部の歪と
取付スパン中央でのたわみを測定し、これらを優、良、
可、不可の4段階で評価し、記号◎、○、△、×で表
し、表1に示した。
【0064】(実施例1)中心部材の密度を11kg/
m3 、外周部材の密度を15kg/m3 としたもので、中心
部材は、既に説明した寸法の2つの矩形断面部材をブロ
ック成形機で成形後接着して得た。一方、外周部材は、
既に説明した寸法の4つの円弧断面部材を型物成形で型
成形したものを中心部材に仮止めし粘着テープを結束体
として結束した。
m3 、外周部材の密度を15kg/m3 としたもので、中心
部材は、既に説明した寸法の2つの矩形断面部材をブロ
ック成形機で成形後接着して得た。一方、外周部材は、
既に説明した寸法の4つの円弧断面部材を型物成形で型
成形したものを中心部材に仮止めし粘着テープを結束体
として結束した。
【0065】この場合には、中央部の撓みおよび支持部
の歪は使用できる範囲内にあり、重量・取扱性に優れ、
安価に成形でき、総合的に良いものであった。
の歪は使用できる範囲内にあり、重量・取扱性に優れ、
安価に成形でき、総合的に良いものであった。
【0066】(実施例2)中心部材の密度を15kg/
m3 、外周部材の密度を20kg/m3 とした以外は実施例
1と同一のものである。
m3 、外周部材の密度を20kg/m3 とした以外は実施例
1と同一のものである。
【0067】この場合には、中央部の撓みおよび支持部
の歪は僅かであり、重量・取扱性に優れ、安価に成形で
き、総合的に優れたものであった。
の歪は僅かであり、重量・取扱性に優れ、安価に成形で
き、総合的に優れたものであった。
【0068】(実施例3)中心部材の密度を11kg/
m3 、外周部材の密度を25kg/m3 とした以外は実施例
1と同一のものである。
m3 、外周部材の密度を25kg/m3 とした以外は実施例
1と同一のものである。
【0069】この場合には、中央部の撓みは僅かで、支
持部の歪はほとんど無く、重量・取扱性に優れ、安価に
成形でき、総合的に優れたものであった。
持部の歪はほとんど無く、重量・取扱性に優れ、安価に
成形でき、総合的に優れたものであった。
【0070】(比較例1)中心部材および外周部材の密
度を同一の14kg/m3 とした以外は実施例1と同一のも
のである。
度を同一の14kg/m3 とした以外は実施例1と同一のも
のである。
【0071】この場合には、中央部の撓みは使用できる
範囲内であったが、支持部の歪は使用限界を越えてお
り、重量・取扱性は良く安価に成形できるが、総合的に
は使用できないものであった。
範囲内であったが、支持部の歪は使用限界を越えてお
り、重量・取扱性は良く安価に成形できるが、総合的に
は使用できないものであった。
【0072】(比較例2)中心部材および外周部材の密
度を同一の20kg/m3 とした以外は実施例1と同一のも
のである。
度を同一の20kg/m3 とした以外は実施例1と同一のも
のである。
【0073】この場合には、中央部の撓みや支持部の歪
は僅かであったが、重量・取扱性は重く取り扱い難く、
コストも高く、総合的には使用できないものであった。
は僅かであったが、重量・取扱性は重く取り扱い難く、
コストも高く、総合的には使用できないものであった。
【0074】
【表 1】
【0075】なお、上記実施の形態では、中心部材を2
つの矩形断面部材で構成する場合で説明したが、2つに
限らず3つ以上にすることも可能であり、組み合わせた
中心部材の断面形状が正方形にできれば良い。
つの矩形断面部材で構成する場合で説明したが、2つに
限らず3つ以上にすることも可能であり、組み合わせた
中心部材の断面形状が正方形にできれば良い。
【0076】また、外周部材を構成する各円弧断面部材
を分割構造として2つ乃至それ以上の部材を組み合わせ
るようにしても良い。
を分割構造として2つ乃至それ以上の部材を組み合わせ
るようにしても良い。
【0077】
【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
たように、この発明の請求項1記載のコンクリート用発
泡体製中子によれば、中心部材と外周部材との分割構造
とし、中心部材の密度を15kg/m3 未満とする一方、外
周部材の密度を15kg/m3 以上としたので、外周部分
に、圧縮歪みや撓みを低減するのに必要な強度を確保し
つつ全体としては軽量化など発泡体としての特性を備え
ることができるとともに、中心部材と外周部材との分割
構造としたので、既存の成形機を用いてそれぞれの部材
を成形することができる。
たように、この発明の請求項1記載のコンクリート用発
泡体製中子によれば、中心部材と外周部材との分割構造
とし、中心部材の密度を15kg/m3 未満とする一方、外
周部材の密度を15kg/m3 以上としたので、外周部分
に、圧縮歪みや撓みを低減するのに必要な強度を確保し
つつ全体としては軽量化など発泡体としての特性を備え
ることができるとともに、中心部材と外周部材との分割
構造としたので、既存の成形機を用いてそれぞれの部材
を成形することができる。
【0078】また、この発明の請求項2記載のコンクリ
ート用発泡体製中子によれば、中心部材を正方形断面に
する矩形断面部材で構成し、この中心部材の外側に配置
される外周部材を、外周を円形断面にする正方形断面の
1辺を弦とする4つの円弧断面部材で構成したので、矩
形を組み合わせた正方形断面とその一辺を弦とする4つ
の円弧断面との分割構造として既存の成形機を用いて容
易に成形することができるとともに、半径方向の接着面
がなく接着などによる一体化も容易に行うことができ
る。
ート用発泡体製中子によれば、中心部材を正方形断面に
する矩形断面部材で構成し、この中心部材の外側に配置
される外周部材を、外周を円形断面にする正方形断面の
1辺を弦とする4つの円弧断面部材で構成したので、矩
形を組み合わせた正方形断面とその一辺を弦とする4つ
の円弧断面との分割構造として既存の成形機を用いて容
易に成形することができるとともに、半径方向の接着面
がなく接着などによる一体化も容易に行うことができ
る。
【0079】さらに、この発明の請求項3記載のコンク
リート用発泡体製中子によれば、中心部材と外周部材と
の外側を結束体で結束して一体とするので、接着によら
ずに一体化することができ、一層製作を容易にすること
ができる。
リート用発泡体製中子によれば、中心部材と外周部材と
の外側を結束体で結束して一体とするので、接着によら
ずに一体化することができ、一層製作を容易にすること
ができる。
【0080】また、この発明の請求項4記載のコンクリ
ート用発泡体製中子によれば、外側全面を覆うフィルム
状結束体を用いることで、接着によらず一体化できると
同時に、コンクリートなどの浸入を防止することができ
る。
ート用発泡体製中子によれば、外側全面を覆うフィルム
状結束体を用いることで、接着によらず一体化できると
同時に、コンクリートなどの浸入を防止することができ
る。
【図1】この発明のコンクリート用発泡体製中子の一実
施の形態にかかり、(a)は端面図、(b)は外観斜視
図である。
施の形態にかかり、(a)は端面図、(b)は外観斜視
図である。
【図2】この発明のコンクリート用発泡体製中子の一実
施の形態にかかる分解して示す斜視図である。
施の形態にかかる分解して示す斜視図である。
【図3】この発明のコンクリート用発泡体製中子の一実
施の形態にかかる路床への取付状態の正面図および側面
図である。
施の形態にかかる路床への取付状態の正面図および側面
図である。
【図4】この発明のコンクリート用発泡体製中子の他の
一実施の形態にかかるそれぞれの端面図である。
一実施の形態にかかるそれぞれの端面図である。
【図5】従来のコンクリート用中子の路床への設置状態
の概略斜視図である。
の概略斜視図である。
【図6】コンクリート用中子として考えられる分割構造
の端面図である。
の端面図である。
10 コンクリート用発泡体製中子 11 中心部材 11a 矩形断面部材 12 外周部材 12a 円弧断面部材 13 結束体 15 支持バンド 15a ボルト 15b ナット 16 路床 17 受け台 20,30 コンクリート用発泡体製中子 21,31 中心部材 22,32 外周部材 1 高架橋 2 側端部
Claims (4)
- 【請求項1】 コンクリート中に埋設される発泡体製中
子であって、中心部材と外周部材との分割構造とすると
ともに、前記中心部材の密度を15kg/m3 未満とする一
方、前記外周部材の密度を15kg/m3 以上としたことを
特徴とするコンクリート用発泡体製中子。 - 【請求項2】 前記中心部材を正方形断面にする矩形断
面部材で構成する一方、この中心部材の外側に配置され
る前記外周部材を、外周を円形断面にする前記正方形断
面の1辺を弦とする4つの円弧断面部材で構成したこと
を特徴とする請求項1記載のコンクリート用発泡体製中
子。 - 【請求項3】 前記中心部材と前記外周部材との外側を
結束体で結束して一体としたことを特徴とする請求項1
または2記載のコンクリート用発泡体製中子。 - 【請求項4】 前記結束体を、外側全面を覆うフィルム
状結束体としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載のコンクリート用発泡体製中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000039978A JP2001226908A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | コンクリート用発泡体製中子 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000039978A JP2001226908A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | コンクリート用発泡体製中子 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=18563456
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000039978A Pending JP2001226908A (ja) | 2000-02-17 | 2000-02-17 | コンクリート用発泡体製中子 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001226908A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104674659A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 北海和思科技有限公司 | 一种现浇钢筋混凝土桥梁 |
CN105332462A (zh) * | 2014-08-06 | 2016-02-17 | 何中华 | 一种石板 |
-
2000
- 2000-02-17 JP JP2000039978A patent/JP2001226908A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105332462A (zh) * | 2014-08-06 | 2016-02-17 | 何中华 | 一种石板 |
CN104674659A (zh) * | 2015-02-11 | 2015-06-03 | 北海和思科技有限公司 | 一种现浇钢筋混凝土桥梁 |
CN104674659B (zh) * | 2015-02-11 | 2017-02-01 | 孟志伟 | 一种现浇钢筋混凝土桥梁 |
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