JP2001193222A - 鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造

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JP2001193222A
JP2001193222A JP2000005976A JP2000005976A JP2001193222A JP 2001193222 A JP2001193222 A JP 2001193222A JP 2000005976 A JP2000005976 A JP 2000005976A JP 2000005976 A JP2000005976 A JP 2000005976A JP 2001193222 A JP2001193222 A JP 2001193222A
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Kenichiro Yamamoto
憲一郎 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開口周囲のコンクリートにひび割れが発生しに
くい鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造を提供す
る。 【解決手段】鉄筋コンクリート造の梁部材4に貫通して
設けた開口9を補強する鉄筋コンクリート造梁部材の開
口補強構造において、引張強度及び剛性が共に高い高強
度連続繊維2を連続した状態で配列し、配列した高強度
連続繊維2をマトリックス樹脂3で固めて開口9に整合
する形状の補強部材11a,11b に成形し、補強部材11a,11
b を開口9に整合して配置し、鉄筋5,6と共にコンク
リート中に埋設することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
造の梁部材に貫通して設けられた開口部を補強する鉄筋
コンクリート造梁部材の開口補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート柱部分1には、図7に
示すように、各階毎に設置される鉄筋コンクリート造梁
4が接続されている。この鉄筋コンクリート造梁4は、
常法に従って鉄筋5,6を配筋し、次いで型枠を設置し
てその内部にコンクリートを打設して形成されている。
なお、鉄筋コンクリート造梁4で配筋される鉄筋5,6
は、一般的に、その長手方向に配置される複数の梁主筋
5とこれらの梁主筋5を内包するように横断方向に配筋
された複数のせん断補強筋(スターラップ)6とを密か
に組んで構成されている。かかる鉄筋コンクリート造梁
4には、鉄筋コンクリート造梁4に空調設備ダクトなど
を通すために、開口9が貫通して設けられている。
【0003】そして、鉄筋コンクリート造梁4はその開
口9付近のせん断強度が低下するため、従来は、開口9
の周囲に上下に渡した鉄筋である開口補強筋10,10
を鉄筋5,6に追加して配置することにより補強してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構造で
は開口9付近のせん断強度の低下を補強するために、開
口9周囲に開口補強筋10,10を配置しているが、開
口補強筋10,10は開口9の周囲のコンクリートにひ
ずみが発生して後に初めて補強の効果を発揮するものな
ので、終局強度の補強には効果があっても、ひび割れの
発生防止には効果が低いといった問題があった。
【0005】また、鉄筋コンクリート部材のひび割れの
発生を防止するには、補強材(鉄筋)の引張り剛性がコ
ンクリートの剛性より高いほど効果が大きいことが知ら
れている。なお、従来の補強鉄筋とコンクリートとの剛
性の比は10倍程度であった。
【0006】しかしながら、近年、建物に使用されるコ
ンクリートはより高強度なものに改善されており、コン
クリートの剛性は高くなってきている。一方、鉄筋は強
度を高めてもその引張り剛性に変化はない。従って、相
対的に補強鉄筋とコンクリートとの剛性の比は10倍よ
り小さくなっており、開口周囲のコンクリートにひび割
れが発生し易い要因となっている。
【0007】以上から本発明は、前記課題を解決するた
めに創案されたものであり、開口周囲のコンクリートに
ひび割れが発生しにくい鉄筋コンクリート造梁部材の開
口補強構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、本発明
の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造は、鉄筋コ
ンクリート造の梁部材に貫通して設けた開口を補強する
鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造において、鉄
筋に比較して引張強度が10倍程度、引張り剛性が1.
5〜3倍程度の高強度連続繊維を連続した状態で配列
し、配列した前記高強度連続繊維をマトリックス樹脂で
固めて前記開口に整合する形状の補強部材に成形し、前
記補強部材を前記開口に整合して配置し、鉄筋と共にコ
ンクリート中に埋設することを特徴とする。
【0009】なお、前記補強部材は、前記高強度連続繊
維を連続した状態で前記開口に整合するように同心円あ
るいは同心多角形の布状に配列し、配列した前記高強度
連続繊維を前記マトリックス樹脂で板状に成形したもの
であってもよい。また、前記補強部材は、前記高強度連
続繊維を連続した状態で前記開口に整合するように同心
円、同心楕円あるいは同心多角形のリング状に配列し、
配列した前記高強度連続繊維をその断面形状が円形ある
いは四角形の棒状に前記マトリックス樹脂で成形したも
のであってもよい。このとき、リング状の補強部材を開
口の横断方向に対して、2個以上同心状かつ段状に配置
する場合は、前記マトリックス樹脂により2個以上の補
強部材を一体成形するのがよい。また、前記マトリック
ス樹脂を用いて前記補強部材と開口用スリーブ受け部材
とを一体成形しておいてもよい。更に、前記補強部材
は、前記高強度連続繊維を連続した状態で前記開口に整
合するように渦巻き状に配列し、配列した前記高強度連
続繊維をその断面形状が円形あるいは四角形の棒状に前
記マトリックス樹脂で成形したものであってもよい。
【0010】更にまた、前記高強度連続繊維は炭素繊維
あるいはアラミド繊維であることが好ましく、前記マト
リックス樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。 〈本発明の作用〉この構成によれば、鉄筋の1.5〜3
倍の引張り剛性がある高強度連続繊維を補強部材として
用いたので、梁部材にかかる同じ量の歪みに対し、補強
部材の応力は鉄筋による開口補強を用いた場合に比して
1.5〜3倍となる。従って、コンクリートのひび割れ
発生を従来の場合より効果的に抑制することができる。
また、高強度連続繊維の引張強度は鉄筋の10倍程度と
非常に高く、ひび割れ発生後のひび割れの拡大を効果的
に抑制することができ、それにより、補強部分の終局せ
ん断強度を効果的に高めることができる。
【0011】更に、高強度連続繊維である炭素繊維ある
いはアラミド繊維を、マトリックス樹脂であるエポキシ
樹脂で成形した場合、その比重は鋼材の約1/5以下で
あり、本発明の補強部材は非常に軽量である。従って、
本発明の補強部材は運搬や取付けが容易であり、予め、
補強部材が同心円あるいは同心多角形の板状、または同
心円、同心楕円あるいは同心多角形のリング状に成形し
てあれば、簡単に開口に整合して配置でき、施工性が非
常に良くなる。
【0012】〈本発明における付加的構成〉本発明に係
る鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造は、前述し
た必須の構成要素からなるが、その構成要素に更に以下
のような構成を付加した場合であっても成立する。
【0013】すなわち、コンクリートを補強するために
は、コンクリートと補強部材が一体として働く必要があ
る。このため、本発明の高強度連続繊維を用いた補強部
材では、コンクリートとの付着性能を良くするため、補
強部材表面に砂を付着するなどの凹凸処理を施すことが
好ましい。また、前記砂の代わりに内部に多くの空隙を
有する微細な人工軽量砂や微細なセラミック球を付着さ
せてもよい。
【0014】本発明に用いる補強部材は、高強度連続繊
維をエポキシ樹脂等のマトリックス樹脂により固めて所
定形状に成形している。ところで、エポキシ樹脂等の高
分子材料は一般に耐熱性が低く、エポキシ樹脂の場合は
約100°Cで軟化が始まり、約250°C以上では性
能が回復できなくなるとされている。そのため本発明に
用いる補強部材は、コンクリートのカブリ厚が50mm
以上、例えば80mm程度あることが好ましい。すなわ
ち、カブリ厚が80mmあれば、本発明の補強部材を用
いた鉄筋コンクリート造梁部材が火災を受けた場合にお
いても、内部に埋設された補強部材の温度は100°C
に達せず、エポキシ樹脂の性能は低下しない。また、カ
ブリ厚が50mmの場合は、内部の温度が150°C程
度となるが、この場合もエポキシ樹脂の性能低下は非常
に少ないものであり、補強部材自体の強度低下もほとん
ど生じない。
【0015】また、内部に多くの空隙を有する微細な人
工軽量砂や微細なセラミック球を補強部材表面に付着さ
せた場合は、コンクリートとの付着性能の改善に加え、
人工軽量砂やセラミック球の熱伝導率が低いことから、
コンクリート側より伝達される熱を1クッションおいて
マトリックス樹脂に伝達することになる。従って、補強
部材の耐熱性能を高めることができ、相対的に補強部材
のカブリ厚みを少し薄くできる。
【0016】更に、本発明に用いる補強部材は、前記開
口の横断方向に対して同心状に複数段重ねて一組として
配置し、及び又は前記開口の奥行き方向に対して複数組
配列することによって、引張り剛性がより高くなるの
で、コンクリートのひび割れ発生をより効果的に抑制す
ることができる。
【0017】更にまた、本発明に用いる補強部材が板状
の場合には、周囲の鉄筋あるいはスターラップに結束す
るための穴、あるいはフックを設けることによって、配
筋が容易になり施工性が非常に良くなる。また、補強部
材がリング状の場合には、スターラップに直接結束する
か、あるいは予め穿設した穴を用いて係合固定する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態にか
かる鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造を図1お
よび図2の概略図に基づき説明する。
【0019】図1に示すように、鉄筋コンクリート柱部
分1には、各階毎に設置される鉄筋コンクリート造梁4
が接続されている。この鉄筋コンクリート造梁4には、
鉄筋コンクリート造梁4に空調設備ダクトなどを通すた
めに、開口9が貫通して設けられている。
【0020】この鉄筋コンクリート造の梁部材4は、常
法に従って鉄筋5,6を配筋し、開口9の孔型となるス
リーブ9aを組み付けると共に、開口9近傍を補強する
補強部材11a,11bを配置し、次いで型枠(図示せ
ず)を設置してその内部にコンクリートを打設して形成
されている。
【0021】すなわち、鉄筋5,6は、その長手方向に
配置される複数の梁主筋5とこれらの梁主筋5を内包す
るように横断方向に配筋された複数のせん断補強筋(ス
ターラップ)6とを密かに組んで構成されている。
【0022】また、開口9の孔型となるスリーブ9a
は、開口9に芯決めして上部の梁主筋5から吊り下げら
れ、あるいは梁部材4側面に仮設される型枠(図示せ
ず)により支えられ、その底部を受け部材12で支えら
れている。
【0023】更に、補強部材11a,11bが開口9と
整合するように、開口9の周囲の梁主筋5あるいはスタ
ーラップ6と結束し固定されている(図2参照)。ま
た、補強部材11a,11bは、後述するようにマトリ
ックス樹脂3によって受け部材12と一体成形されるこ
とで受け部材12に固定されている。
【0024】かかる補強部材11a,11bは、図3
(a)に示すように、鉄筋に比較して引張強度が10倍
程度、引張り剛性が1.5〜3倍程度の高強度連続繊維
2を連続した状態で開口9と同心になるように渦巻き状
に複数回配列し、配列した渦巻き状の高強度連続繊維2
をその断面形状が、図3(b)に示すように、円形でか
つ外形がドーナツ形となるようにマトリックス樹脂3で
固めて開口9に整合する形状に成形したものである。な
お、この実施の形態では、高強度連続繊維2は鉄筋に比
較して引張強度が約10倍、引張り剛性が約3倍の炭素
繊維を用いる。また、マトリックス樹脂3はエポキシ樹
脂を用いる。
【0025】また、この実施の形態では、ドーナツ形の
補強部材11a,11bの表面には、砂を付着させて凹
凸処理を施している。更にまた、この実施の形態では、
ドーナツ形の補強部材11a,11bを2種類成形して
開口9の横断方向に2段に重ねて配置している。すなわ
ち、ドーナツ形の内径が開口9の径よりやや大きい径の
小型補強部材11aと、ドーナツ形の内径が小型補強部
材11aの外径よりやや大きい径の大型補強部材11b
とを成形する。そして、小型補強部材11aと大型補強
部材11bとを開口9に整合して横断方向に2段に重ね
て配置している。なお、小型補強部材11aと大型補強
部材11bは、マトリックス樹脂3で成形する際、受け
部材12と共に一体成形され、開口9と2段重ねに整合
するように形成されている。
【0026】そして、かかる一体成形された小型補強部
材11a、大型補強部材11b及び受け部材12は、開
口9の奥行き方向に対して鉄筋コンクリート造梁4の表
面より80mmとなる位置に前後に渡って2組配置さ
れ、梁主筋5あるいはスターラップ6に結束固定されて
いる。すなわち、小型補強部材11a及び大型補強部材
11bのコンクリートカブリ厚は80mmとなってい
る。
【0027】以上、鉄筋コンクリート造梁4は、梁主筋
5及びスターラップ6が配筋された後、スリーブ9a、
受け部材12、小型補強部材11a及び大型補強部材1
1bが、梁主筋5あるいはスターラップ6に結束固定さ
れ、次いで型枠が設置されてコンクリート中に埋設され
る。
【0028】次に、この実施の形態の作用を説明する。
補強部材11a,11bは、鉄筋の3倍の引張り剛性が
ある炭素繊維を用いたので、鉄筋コンクリート造梁4に
かかる同じ量の歪みに対し、補強部材11a,11bの
応力は従来の鉄筋による開口補強を用いた場合に比して
3倍となる。従って、コンクリートのひび割れ発生を従
来の場合より効果的に抑制することができる。また、高
強度連続繊維2である炭素繊維の引張強度は鉄筋の約1
0倍と非常に高く、ひび割れ発生後のひび割れの拡大を
効果的に抑制することができ、それにより、補強部分の
終局せん断強度を効果的に高めることができる。
【0029】また、高強度連続繊維2である炭素繊維
を、マトリックス樹脂3であるエポキシ樹脂で成形した
場合、その比重は鋼材の約1/5以下であり、この実施
の形態の補強部材11a,11bは非常に軽量である。
従って、この補強部材11a,11bは運搬や取付けが
容易であり、補強部材11a,11bが予め、ドーナツ
状に成形され、取付用の穴が穿設されてあれば、簡単に
開口に整合してスターラップ6等に結束固定でき、施工
性が非常に良くなる。
【0030】更に、補強部材11a,11bは、コンク
リートとの付着性能を良くするため、表面に砂を付着さ
せて凹凸処理を施したので、鉄筋コンクリート造梁4に
引張力や曲げモーメントの負荷が生じても、コンクリー
トと補強部材11a,11bが一体として働き、効果的
に開口9の補強を行うことができる。
【0031】更にまた、コンクリートのカブリ厚を80
mmにすれば、鉄筋コンクリート造梁4が火災等で加熱
されても、内部の温度は100°Cに達しないことが知
られている。ところで、マトリックス樹脂3として使用
するエポキシ樹脂は約100°Cを越えると軟化が始ま
り、約250°C以上になると性能が低下する。しか
し、カブリ厚が80mmの場合内部の温度が100°C
に達しないので、エポキシ樹脂の性能は低下しない。な
お、カブリ厚が50mmの場合は、内部の温度が150
°C程度となるが、この場合もエポキシ樹脂の性能低下
は非常に少ないものであり、補強部材自体の強度低下も
ほとんど生じない。
【0032】なお、この実施の形態では、補強部材11
a,11bの形状をその断面形状が円形でかつ外形がド
ーナツ形に成形したが、別の実施の形態として、図4
(a)に示すように、高強度連続繊維2を開口9に整合
するように同心楕円13a,13b(あるいは図示して
いないが同心多角形)のリング状に配列し、その断面形
状が図4(b)に示すように四角形(あるいは図3
(b)に示すように円形)の棒状にマトリックス樹脂3
で成形したものであってもよい。このとき、リング状の
補強部材を開口9の横断方向に対して、2個以上同心状
かつ段状に配置する場合は、マトリックス樹脂3により
2個以上の補強部材を一体に成形してもよい。また、マ
トリックス樹脂3を用いて補強部材と受け部材12とを
一体成形しておいてもよい。
【0033】また、別の実施の形態として、図5(a)
に示すように、高強度連続繊維2を開口9に整合するよ
うに渦巻き状14に配列し、その断面形状が図5(b)
に示すように円形(あるいは図4(b)に示すように四
角形)の棒状にマトリックス樹脂3で成形したものであ
ってもよい。更に、別の実施の形態として、図6(a)
に示すように、高強度連続繊維2を開口9に整合するよ
うに同心円15(あるいは図示していないが同心多角
形)の布状に配列し、図6(b)に示すように、マトリ
ックス樹脂3で板状に成形したものであってもよい。
【0034】また、この実施の形態では、補強部材11
a,11bがリング状なので、受け部材12と一体成形
したものを周囲の梁主筋5あるいはスターラップ6に結
束固定したが、別の実施の形態として、補強部材が板状
の場合(図6(a)参照)は、樹脂成形の際に周囲の鉄
筋に係合するための穴やフックを設けるように構成して
もよい。
【0035】更に、この実施の形態では、高強度連続繊
維2を炭素繊維としたが、別の実施の形態として、アラ
ミド繊維を用いてもよい。更にまた、この実施の形態で
は、補強部材11a,11bの凹凸処理に砂を付着させ
た場合で説明したが、別の実施の形態として、砂の代わ
りに内部に多くの空隙を有する微細な人工軽量砂や微細
なセラミック球を付着させてもよい。そして、内部に多
くの空隙を有する微細な人工軽量砂や微細なセラミック
球を補強部材11a,11bの表面に付着させた場合
は、コンクリートとの付着性能の改善に加え、人工軽量
砂やセラミック球の熱伝導率が低いことから、コンクリ
ート側より伝達される熱を1クッションおいてマトリッ
クス樹脂に伝達することになる。従って、補強部材11
a,11bの耐熱性能を高めることができ、相対的に補
強部材11のカブリ厚みを少し薄くできる。
【0036】更にまた、この実施の形態では、補強部材
11a,11bを同心円状に2段としたものを奥行きに
対して前後2組配列したが、本発明は同心円状・2段、
前後2組に限定されるものではない。すなわち、カブリ
厚みが50mm以上とれるのであれば、補強部材は同心
状に何段重ねにしても前後に何組配列してもよく、開口
9に対し複数段、複数組配列することによって、引張り
剛性がより高くなるので、コンクリートのひび割れ発生
をより効果的に抑制することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鉄筋の1.5〜3倍程度の引張り剛性がある高強度連続
繊維を補強部材として用いたので、梁部材にかかる同じ
量の歪みに対し、補強部材の応力は鉄筋による開口補強
を用いた場合に比して1.5〜3倍となる。従って、コ
ンクリートのひび割れ発生を従来の場合より効果的に抑
制することができる。また、高強度連続繊維の引張強度
は鉄筋の10倍程度と非常に高く、ひび割れ発生後のひ
び割れの拡大を効果的に抑制することができ、それによ
り、補強部分の終局せん断強度を効果的に高めることが
できる。
【0038】また、本発明によれば、高強度連続繊維で
ある炭素繊維あるいはアラミド繊維を、マトリックス樹
脂であるエポキシ樹脂で成形した場合、その比重は鋼材
の約1/5以下であり、本発明の補強部材は非常に軽量
である。従って、本発明の補強部材は運搬や取付けが容
易であり、予め、補強部材が同心円あるいは同心多角形
の板状、または同心円、同心楕円あるいは同心多角形の
リング状に成形してあれば、簡単に開口に整合して配置
でき、施工性が非常に良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄筋コンクリート造梁部材の開口
補強構造を説明する部分断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る鉄筋コンクリート造梁部材の開口
補強構造の補強部材を示す図であり、図3(a)は全体
外形図を示し、図3(b)は断面図を示す。
【図4】別の実施の形態に係る鉄筋コンクリート造梁部
材の開口補強構造の補強部材を示す図であり、図4
(a)は全体外形図を示し、図4(b)は断面図を示
す。
【図5】別の実施の形態に係る鉄筋コンクリート造梁部
材の開口補強構造の補強部材を示す図であり、図5
(a)は全体外形図を示し、図5(b)は断面図を示
す。
【図6】別の実施の形態に係る鉄筋コンクリート造梁部
材の開口補強構造の補強部材を示す図であり、図6
(a)は全体外形図を示し、図6(b)は断面図を示
す。
【図7】従来の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構
造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…柱部分 2…高強度連続繊維 3…マトリックス樹脂 4…鉄筋コンクリート造梁 5…梁主筋 6…スターラップ 9…開口 9a…スリーブ 10…開口補強筋 11a…小型補強部材 11b…大型補強部材 12…受け部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄筋コンクリート造の梁部材に貫通して設
    けた開口を補強する鉄筋コンクリート造梁部材の開口補
    強構造において、 引張強度及び剛性が共に高い高強度連続繊維を連続した
    状態で配列し、配列した前記高強度連続繊維をマトリッ
    クス樹脂で固めて前記開口に整合する形状の補強部材に
    成形し、 前記補強部材を前記開口に整合して配置し、鉄筋と共に
    コンクリート中に埋設することを特徴とする鉄筋コンク
    リート造梁部材の開口補強構造。
  2. 【請求項2】前記補強部材は、前記高強度連続繊維を連
    続した状態で前記開口に整合するように同心円あるいは
    同心多角形の布状に配列し、配列した前記高強度連続繊
    維を前記マトリックス樹脂で板状に成形した請求項1記
    載の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造。
  3. 【請求項3】前記補強部材は、前記高強度連続繊維を連
    続した状態で前記開口に整合するように同心円、同心楕
    円あるいは同心多角形のリング状に配列し、配列した前
    記高強度連続繊維をその断面形状が円形あるいは四角形
    の棒状に前記マトリックス樹脂で成形した請求項1記載
    の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造。
  4. 【請求項4】前記補強部材は、前記高強度連続繊維を前
    記開口に整合するように渦巻き状に配列し、配列した前
    記高強度連続繊維をその断面形状が円形あるいは四角形
    の棒状に前記マトリックス樹脂で成形した請求項1記載
    の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造。
  5. 【請求項5】前記高強度連続繊維は炭素繊維あるいはア
    ラミド繊維である請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構造。
  6. 【請求項6】前記マトリックス樹脂はエポキシ樹脂であ
    る請求項1から請求項5のいずれかに記載の鉄筋コンク
    リート造梁部材の開口補強構造。
  7. 【請求項7】前記補強部材の表面は、砂あるいは内部に
    多くの空隙を有する微細な人工軽量砂や微細なセラミッ
    ク球を付着させて凹凸処理を施している請求項1から請
    求項6のいずれかに記載の鉄筋コンクリート造梁部材の
    開口補強構造。
  8. 【請求項8】前記補強部材のコンクリートカブリ厚は、
    50mmを越える厚みとする請求項1から請求項7のい
    ずれかに記載の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補強構
    造。
  9. 【請求項9】前記補強部材は、前記開口の横断方向に対
    して同心状に複数段重ねて一組として配置し、及び又は
    前記開口の奥行き方向に対して複数組配列する請求項1
    から請求項8のいずれかに記載の鉄筋コンクリート造梁
    部材の開口補強構造。
  10. 【請求項10】前記補強部材は、前記鉄筋に係合するた
    めの穴、あるいはフックを有する請求項1から請求項9
    のいずれかに記載の鉄筋コンクリート造梁部材の開口補
    強構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008175021A (ja) * 2007-01-22 2008-07-31 Kurimoto Ltd コンクリート造梁の貫通孔補強材
JP2009091782A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Kumagai Gumi Co Ltd 建築物の孔補強構造及び孔補強方法
JP2009197431A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Maeda Kosen Co Ltd 繊維製補強材及び、繊維製補強材を使用した建物躯体開口部の補強構造

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