JP2001226835A - 紡機用メタリックワイヤ及びその製造方法 - Google Patents

紡機用メタリックワイヤ及びその製造方法

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JP2001226835A
JP2001226835A JP2000031425A JP2000031425A JP2001226835A JP 2001226835 A JP2001226835 A JP 2001226835A JP 2000031425 A JP2000031425 A JP 2000031425A JP 2000031425 A JP2000031425 A JP 2000031425A JP 2001226835 A JP2001226835 A JP 2001226835A
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metallic
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Takeshi Shiba
武 芝
Masahiro Tokimine
正広 常峰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯部の耐摩耗性に優れ、かつ、ドラム巻付け
性にも優れた紡機用メタリックワイヤを提供する。 【解決手段】 硬鋼線材よりなり、縁部1と歯部2から
なる紡機用メタリックワイヤであって、歯部先端部2a
の金属組織における焼入れγ粒度径(旧オーステナイト
焼入れ粒度径)が0.5〜3.5μmの範囲にあり、か
つ、縁部1の硬度がHv200〜260の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梳綿機や空気精紡
機等のメタリックカード機に使用される、紡機用メタリ
ックワイヤ(以下メタリックワイヤという)およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のメタリックワイヤは、硬鋼線材を
主な材料として用いて製造されてきた。その製造工程
は、上記硬鋼線材を所定線径まで伸線加工し焼鈍処理し
た後、所望の断面形状に圧延加工し、オフラインで歯打
抜加工し、オフラインで焼鈍し、次に連続設備で歯部を
火炎水焼入れし、高周波による低温焼戻しを施してメタ
リックワイヤを得るのが一般的であった。また、メタリ
ックワイヤの材料に関しては、開発当初は62C相当材
を使用していたが、耐久性や耐摩耗性の向上のためにカ
ーボン量を増加させ、72C、82C、さらにそれ以上
の高カーボン材に移行してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、メタリック
カード機の周速が時速100km以上となる高速運転が
通常となり、メタリックワイヤの耐久性、耐摩耗性の大
幅な向上が要求されてきている。これに伴い、メタリッ
クワイヤの歯部の硬度を高めるため、100Cや110
Cの高炭素鋼でメタリックワイヤを製造することが試み
られている。これは、材料のC量を多くして硬度を高め
るほど耐摩耗性も良くなるだろう、という推定による。
【0004】しかし、発明者らの実験によると、100
Cや110Cの高炭素鋼を使用しても、当初予想してい
たよりも耐摩耗性が悪く、摩耗が早く進行した。この結
果より、単に歯部の硬度を高くするだけが、耐摩耗性を
向上する要因でないことが判った。また、歯部の硬度を
高めると縁部の硬度も比例的に高くなり、メタリックカ
ード機のドラムに巻き付ける際、整然と巻きつけること
が出来ず巻きムラを生じたり、縁部に割れを生じたりす
る。そして、綿花から糸を紡ぐ場合にムラが発生するこ
とになる。また、メタリックワイヤをドラムに巻きつけ
る際の作業性も悪くなる。本発明は、上記従来のメタリ
ックワイヤの欠点を解消し、歯部の耐摩耗性に優れ、か
つ、ドラム巻付け性にも優れたメタリックワイヤを提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のメタリックワイヤは、硬鋼線材よりなり、
歯部先端から縁部方向に100μmまでの金属組織にお
ける、焼入れγ粒度径が0.5〜3.5μmの範囲にあ
り、かつ縁部の硬度がHV200〜260の範囲にある
ことを特徴とする。上記発明において、硬鋼線材の炭素
含有量が0.80〜0.90重量%であることが好適で
ある。
【0006】また、本発明のメタリックワイヤの製造方
法は、焼鈍処理した硬鋼線材を使用し、圧延加工、歯部
打抜き、焼鈍、歯部焼入れ,低温焼戻しを順次施こすメ
タリックワイヤの製造方法において、歯部打抜き後の焼
鈍が高周波誘導加熱によるライン焼鈍であることを特徴
とする。
【0007】硬鋼線材の炭素含有量を大きくして100
Cや110Cにした場合に、80C材等に比べて逆に耐
摩耗性が低下する原因として推定されることは、焼入硬
度を高くするために焼入時の温度を高くする必要が生
じ、結果として焼入γ粒度径が大きくなり、大きくなっ
た粒界単位で剥離が発生し、粒界より土砂状の摩耗が多
く発生するためと考えられる。また、粒界に硬くて脆い
セメンタイトが多く析出することが摩耗に対して良くな
いものと推定される。
【0008】本発明のメタリックワイヤは、適正なC量
の高炭素鋼線を材料とし、摩耗程度が大きい歯部先端部
の金属組織の焼入れγ粒度径(旧オーステナイト焼入れ
粒度径ともいう)を適正な数値に制御したので、金属組
織の粒界が小さくなる。そのため、摩耗時の粒界よりの
剥離(土砂摩耗)が小さな粒界単位で発生するようにな
る。従って、摩耗量が可及的に減少し、メタリックワイ
ヤとしての寿命が延長する。
【0009】また、本発明のメタリックワイヤは、縁部
の硬度がHV200〜260の範囲にあるので、メタリ
ックカードに巻き付ける際に、ドラムのカーブに沿って
しなやかに巻き付く。この縁部の硬度がHV260を越
えると、ドラムに巻き付ける場合に縁部に割れや巻きム
ラが発生する確率が高まるため、メタリックカードの寿
命が低下したり均一な梳綿作用が期待できなくなる。ま
た、縁部の硬度がHV200未満になると、メタリック
ワイヤのいわゆる『腰』が無くなり、やはり巻きムラが
発生することになる。
【0010】本発明のメタリックワイヤにおいて、炭素
含有量は0.80〜0.90重量%であることがより好
ましい。一般にCは材料中の他の添加元素と結合して炭
化物を形成し、耐摩耗性の向上に寄与すると共に、一部
は基地中に固溶して基地を強化する。これらの効果を得
る為にCを0.8%以上添加する事が必要である。炭素
含有量が0.80重量%に満たないと、基地が弱く摩耗
が早くなる。しかし、0.90%を超えると過度の炭化
物を形成する事により、基地は硬くなるが、粒界に硬い
セメンタイトが析出するためかえって脆くなり、摩耗に
対して良くない傾向になることは、前述したとおりであ
る。
【0011】また、他の添加成分について付言すれば、
SiおよびMnの含有量を適正にすることが必要であ
る。すなわち、Siは、フェライト相を強化し、300
℃以下の焼戻し軟化抵抗を増し、オーステナイトに固溶
強化し、また、焼戻しによる硬度低下に効果がある。ま
た、Mnは、焼入れ性を増し、材料強度を上げる。ま
た、上記元素以外に、硬度や靭性および耐摩耗性を向上
するために、適宜添加元素を加えてもよい。
【0012】また、本発明のメタリックワイヤの製造方
法については、硬鋼線材を使用し、この線材を圧延加
工,歯先打抜き,焼鈍,歯部焼入れ,焼戻しを順次施こ
すことにより製造できる。特に、圧延材の歯部打抜き後
の焼鈍が、高周波誘導加熱による短時間ライン焼鈍方式
であることが必要で、圧延で応力が掛かった状態で短時
間焼鈍を行なうことによって、焼入後の焼入γ粒度径が
小さくなり、耐摩耗性が向上すると推定できる。また、
圧延、歯部打抜き、高周波誘導加熱によるライン焼鈍、
LPG+酸素によるライン火炎焼入、高周波誘導加熱に
よるライン焼戻、巻取りの各工程を連続でインライン工
程として行なうのが好ましい。
【0013】本発明の耐摩耗性向上の狙いは、焼入粒度
γを出来るだけ小さくし、粒界よりの剥離(土砂摩耗)
を減少させることにある。上記製造工程の焼入におい
て、特に油焼入することにより粒界にベイナイトが析出
し、粒内はマルテンサイト+ベイナイト組織となり粘く
なり、耐摩耗性の向上に好ましい。一方、水焼入にする
と、脆いセメンタイトが粒界に析出してくるため、あま
り好ましくない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のメタリックワイヤの該略
図を図1(a)に、断面図を図1(b)に示す。硬鋼線
材を圧延加工により図1(b)の断面形状に連続圧延し
た後、プレス加工によりのこぎり状に歯部打抜きを施し
て、図1(a)の外観のメタリックワイヤを得る。この
メタリックワイヤは縁部1および歯部2から構成され、
縁部の歯先側はテーパ形状となり歯部2につながってい
る。また、歯部2の厚みは、歯部先端に近づくほど減少
する。
【0015】図1(a)において破線円で囲んだ歯部先
端部2aの拡大図が図2である。歯部の摩耗はメタリッ
クワイヤと綿とが擦れ合う部分で発生するが、特に歯部
先端部2aにおける摩耗の度合いが大きい。従って、こ
の歯部先端部の耐摩耗性を大きいものにすることが肝要
である。本発明においては、図2の距離Lで示すところ
の、歯部先端から縁部方向に100μmまでの金属組織
の焼入れγ粒度径を0.5〜3.5μmの範囲に制御し
た。なお、図中の矢印で示すように、Hは長手方向、V
が長手方向に垂直な縁部方向である。また、図1におけ
る縁部1の硬度をHV200〜260の範囲に制御する
ことが肝要である。
【0016】
【実施例】供試材として下記表1に示す化学成分の3種
類の硬鋼線材を用い、焼鈍―圧延―歯打抜き―ライン焼
鈍―ライン焼入―ライン焼戻―巻取りの各処理を行な
い、種々メタリックワイヤを製造した。ここで、供試材
A、B、CはそれぞれJIS規格相当の材料であり、公
称炭素含有量はAが0.82、Bが0.62、Cが1.
00(それぞれ重量%)である。但し、実験No5につ
いては、歯打抜き後の焼鈍をバッチ式により行なった。
【0017】
【表1】
【0018】そして各々の供試材について、歯部先端か
ら100μm以内の焼入れγ粒度径、歯部先端部の硬度
や縁部の硬度を測定し、歯部先端摩耗量やドラムへの巻
き付き性を同一条件のもとで測定比較した。評価にあた
っては、◎、○、△、×の4段階評価とした。これらの
実験結果をまとめて表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2から明らかなとおり、実験No1,2
すなわち本発明に係るメタリックワイヤは、歯部摩耗量
が他の例より格段に小さく、かつ、ドラム巻付け性に優
れていることがわかった。これに対し、実験No3は6
2C材を用いたので、歯部の硬度が低く、耐摩耗性に劣
った。また、実験No4は100C材であるため、歯部
の硬度は十分のようであるが、歯部の焼入れγ粒度径が
6.2μmと大きく、そのため歯部摩耗量が大きい。ま
た、縁部の硬度を低く抑えることができず、ドラム巻き
付き性が悪かった。さらに、実験No5は82C材を用
いたものの、歯部の焼入れγ粒度径が大きいため、土砂
摩耗による歯部摩耗量が大きくなった。また、縁部の硬
度も大きくなりドラム巻き付き性が悪かった。この原因
は、実験No5の製造工程における焼鈍や焼入れがバッ
チ式によることに起因すると推定できる。
【0021】
【発明の効果】本発明のメタリックワイヤは、歯部の耐
摩耗性に優れているので長寿命化が達成でき、安定した
梳綿作用を維持できると共に、メタリックカード機の定
期的な保守の手間が大幅に省ける。また、メタリックカ
ードのドラムへの巻付け性も優れているので、曲げによ
る割れや巻きムラが生じず、安定した梳綿作用を達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタリックワイヤの部分図であり、
(a)は側面図、(b)は断面図である。
【図2】 歯部先端部の拡大図である。
【符号の説明】
1 縁部 2 歯部 2a 歯部先端部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬鋼線材よりなり、歯部先端から縁部方
    向に100μmまでの金属組織の焼入れγ粒度径が0.
    5〜3.5μmの範囲にあり、かつ縁部の硬度がHV2
    00〜260の範囲にあることを特徴とする紡機用メタ
    リックワイヤ。
  2. 【請求項2】 硬鋼線材の炭素含有量が0.80〜0.
    90重量%である、請求項1記載の紡機用メタリックワ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 焼鈍処理した硬鋼線材を使用し、圧延加
    工、歯部打抜き、焼鈍、歯部焼入れ,低温焼戻しを順次
    施こす紡機用メタリックワイヤの製造方法において、歯
    部打抜き後の焼鈍が高周波誘導加熱によるライン焼鈍で
    あることを特徴とする、請求項1または2に記載の紡機
    用メタリックワイヤの製造方法。
JP2000031425A 2000-02-09 2000-02-09 紡機用メタリックワイヤ及びその製造方法 Pending JP2001226835A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006336108A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Graf & Co Ag 鋸歯ワイヤー並びに鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法及び製造装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006336108A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Graf & Co Ag 鋸歯ワイヤー並びに鋸歯針布及び全スチール針布の製造方法及び製造装置

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