JP2001226531A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法Info
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Abstract
管にかかわらず、オリゴマー成分をはじめ、プロセスオ
イルや安定剤等の表面移行を阻止することにより、粉体
流動性を維持し、また粉末成形体及び圧縮成形体を放置
及び熱老化後においても、物性低下を抑制した熱可塑性
エラストマー組成物の製造方法の提供を目的とする。 【解決手段】 少なくとも結晶性ポリプロピレン樹脂成
分と熱可塑性エラストマー成分からなるブレンド物1を
原料供給ホッパー2より供給し、二軸押出機3で溶融混
練を行い、溶融状態の樹脂を60°C以上であって結晶
性ポリプロピレン樹脂の結晶化温度以下の温水4を入れ
た浴槽5中を通過させて固化して結晶性ポリプロピレン
樹脂の結晶を成長させ、固化したストランド6をペレタ
イザー7にてカットしペレット化する熱可塑性エラスト
マー組成物の製造方法にある。
Description
縮成形に使用できる熱可塑性エラストマー組成物の製造
方法に係り、詳しくは粉末やペレットの状態での長期保
存や高温保管にかかわらず、粉体流動性を維持し、また
熱老化による物性の変化が少ない熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法に関する。
て、軟質塩化ビニル樹脂粉末を用いた粉末スラッシュ成
形法がインストルメントパネル、コンソールボックス、
ドアートリム等の自動車内装品の表皮に広く採用されて
いる。これはソフトな感触であり、皮シボやステッチを
設けることができ、また設計自由度が大きいこと等の意
匠性が良好なことによる。
成形や圧縮成形と異なり、賦形圧力をかけないので、成
形時には粉末材料を複雑な形状の金型に均一付着させる
ためには粉体流動性に優れる必要があり、金型に付着し
た粉体が溶融して無加圧下でも流動して皮膜を形成する
ために、溶融粘度が低いことも条件になっている。更
に、金型を冷却して成形された表皮を金型より容易に離
型できることも必要であった。
7−82433号公報には、ポリプロピレン樹脂と特定
のスチレン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/3
0〜30/70の割合で混合したものを粉砕して用いる
ことが提案された。ここでは、スチレン系熱可塑性エラ
ストマーがスチレン含量20重量%以下のスチレン・エ
チレンブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン
含量20重量%以下のスチレン・エチレンプロピレン・
スチレンブロック共重合体、そしてスチレン含量20重
量%以下の水素添加スチレンブタジエンゴムから選ばれ
たものであり、ポリプロピレン樹脂との相溶性が良好で
粉末成形に適した組成物になっている。即ち、この組成
物はポリプロピレン樹脂と水素添加スチレンブタジエン
ゴムの混合において、水素添加スチレンブタジエンゴム
がポリプロピレン樹脂中で微分散するので、物性低下は
少なくて表皮の素材には適している
リプロピレン樹脂と、水素添加スチレンブタジエンゴム
と、プロセスオイルと、吸油能に優れたエラストマーに
有機過酸化物を添加し、加熱下で混練したものを提案し
た。
二軸押出機等で溶融及び溶融混練後、40°C以下の冷
水中でストランドを冷却し、ペレタイザーにてカットし
ペレット化している。ここで、汎用されているポリプロ
ピレン樹脂は結晶性樹脂であり、このような温度範囲雰
囲気中で冷却・固化を行うと、急冷された状態に近く、
結晶成分は大きな結晶に成長せず、微結晶及び非晶構造
を多くとるようになる。そのため、エラストマー成分に
取り込まれなかったり、もしくはそこから排出されたブ
リードしやすいオリゴマー成分やプロセスオイルや安定
剤等が、微結晶間の非晶部から表面に移行して粘着性を
もち、粉末やペレットがブロッキングし易くなり、粉体
性が悪くなる欠点があった。
は、スラッシュ成形中に室温以上の雰囲気下にあるた
め、粉体表面に組成物中のオリゴマー成分やプロセスオ
イルや安定剤等が移行し、粉体が粘着性を持ち、日数経
過とともにブロッキングし易く、粉体流動性が悪くなっ
ていた。
は、熱老化試験を行うと熱老化初期で引張伸び等の物性
が急激に低下する。これは試験温度が120°Cと高温
のため、急冷状態に近い組成物は非晶部が多数存在し、
非晶部がアニール効果によって、結晶化が促進するため
引き起こされていると考えられる。
であり、粉末やペレットの状態での長期保存や高温保管
にかかわらず、オリゴマー成分をはじめ、プロセスオイ
ルや安定剤等の表面移行を阻止することにより、粉体流
動性を維持し、また粉末成形体及び圧縮成形体を放置及
び熱老化後においても、物性低下を抑制した熱可塑性エ
ラストマー組成物の製造方法の提供を目的とする。
載の発明では、粉末成形もしくは圧縮成形に使用する熱
可塑性エラストマー組成物の製造方法において、少なく
とも結晶性ポリプロピレン樹脂成分とエラストマー成分
で構成されたブレンド物を、溶融もしくは溶融混練りし
た後、60°C以上、該ポリプロピレンの結晶化温度以
下の温度範囲内で固化する熱可塑性エラストマー組成物
の製造方法にある。
晶化温度以下の温度範囲内で固化することによって徐冷
状態に近づき、ラメラ結晶や球晶のような大きな結晶に
成長し、ブリードしやすいオリゴマー成分やプロセスオ
イルや安定剤等が大きく成長した結晶間に閉じ込められ
たり、非晶部が減少するため、表面に移行しにくくな
り、そのためペレットや粉体が長期保存や成形するよう
な熱雰囲気中の高温保管の環境であっても、ブリードが
生じにくく、ブロッキングを生じずに初期の粉体流動性
を維持する事が可能になる。
いて、熱老化試験を行うと熱老化初期での引張伸び等の
物性低下が減少している。これは徐冷しているため、非
晶部が減少し、120°Cの熱老化試験において、結晶
化度の増加が少ないため、物性の低下が抑制される。
物のエラストマー成分が油展されたものであり、オイル
を添加することにより組成物中のエラストマー成分に吸
収されて溶融粘度を下げるとともに、表皮の硬度を下
げ、柔軟性をもたせる効果がある。
が結晶性ポリプロピレン樹脂、水素添加スチレンブタジ
エンランダム共重合体,吸油性に優れたエラストマー,
そしてプロセスオイルを含んでいる。水素添加スチレン
ブタジエンランダム共重合体は結晶性ポリプロピレン樹
脂との相溶性に優れており、結晶性ポリプロピレン樹脂
に混練すると柔軟になり、折曲げや白化しにくい熱可塑
性エラストマー組成物が得られる。
結晶性ポリプロピレン成分とポリオレフィンエラストマ
ー成分との共重合体である。
が結晶性ポリプロピレン樹脂、エチレン・プロピレン共
重合体ゴム、プロセスオイルを含む。
ストマー組成物の製造方法の概略図であり、少なくとも
結晶性ポリプロピレン樹脂成分と熱可塑性エラストマー
成分からなるものをV型ブレンダー、タンブラー、ヘン
シェルミキサー等を用いてドライブレンドしたブレンド
物1を原料供給ホッパー2より供給し、120〜250
°Cの範囲に温度調節した二軸押出機3で溶融混練を行
う。無論、二軸押出機3以外に一軸押出機、密閉式混練
機であるニーダー、バンバリーミキサー等を使用するこ
ともできる。
あって結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶化温度以下の温
度範囲、好ましくは80〜120°Cの温度範囲で冷却
・固化するが、ここでは60〜100°Cの温水4を入
れた浴槽5の中を通過させて固化し、結晶性ポリプロピ
レン樹脂の結晶を成長させる。尚、冷却条件は、これ以
外に溶媒もしくは空気中で行っても良い。
融混練後、上記の温度で冷却・固化した場合、結晶性ポ
リプロピレン樹脂は徐冷状態に近づくため、ラメラ結晶
や球晶のような大きな結晶に成長し、結晶化度も高くな
る。ブリードしやすいオリゴマー成分やプロセスオイル
や安定剤等は大きく成長した結晶間に閉じ込められた
り、非晶部が減少するため、表面に移行しにくくなる。
そのため、ペレットや粉体が長期保存や成形するような
熱雰囲気中の高温保管の環境であっても、ブリードが生
じにくく、ブロッキングを生じずに初期の粉体性を維持
する事が可能になる。
てカットしペレット化するが、その際の雰囲気温度は6
0°C以上であって結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶化
温度以下である。無論、ペレット化はドライホットカッ
ト、水中ホットカットで行ってもよい。また、カットさ
れたペレット8もホッパードライヤー9によって60°
C以上であって結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶化温度
以下の温度で加熱する。
無機系の粘着防止剤または粉体性改良剤を添加、混合し
て粉末成形用及び圧縮成形に使用する。
レットを、ターボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝
撃型微粉砕機を用いて微粉砕される。この時通常では液
体窒素を用いて冷凍粉砕される。粉砕されたものは篩い
等によって粒径が少なくとも1,000μmの篩を通過
し、平均粒径が100〜800μmのものが集められ、
これに有機あるいは無機の粉体性改良剤を添加、混合し
て粉末スラッシュ成形や圧縮成形用に使用する。
おいては、熱老化試験を行うと熱老化初期での引張伸び
等の物性低下が減少する。これは、徐冷しているため、
非晶部が減少し、120°Cの熱老化試験において、結
晶化度の増加が少なく、物性の低下も抑制される。
ロピレンホモポリマー、α−オレフィンとのブロックあ
るいはランダム共重合体のいずれでもよいが、特にα−
オレフィンとしてエチレンを用いたブロックあるいはラ
ンダム共重合体が成形体の柔軟性の面からいって好まし
い。また、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用い
るためには、結晶性ポリプロピレン樹脂の溶融流動性の
指数としてJIS K7210により230°C,荷重
2.16kgfで測定したMFRが100〜800g/
10分であることが必要である。上記のMFR値を有す
る結晶性ポリプロピレン樹脂は溶融流動性が良好であ
り、有機過酸化物を使用しなくても溶融流動性に優れ、
溶融粘度が低く、引張強度の優れ、熱老化により成形シ
ート表面に粘着の光沢の発生がないものを得ることがで
きる。
溶融流動性に欠ける結晶性ポリプロピレン樹脂を使用す
る場合には、有機過酸化物を0.02〜5.0重量部添
加し、120〜250°Cの温度で混練してMFR値を
100〜800g/10分になるように結晶性ポリプロ
ピレン樹脂の低分子量化を図ることができる。
溶融流動性に欠ける結晶性ポリプロピレン樹脂を使用す
る場合には、該結晶性ポリプロピレン樹脂に有機過酸化
物を添加して120〜250°Cの温度で溶融混練した
後に、H−SBRを溶融混練することができる。H−S
BRと有機過酸化物を同時に溶融混練した場合、H−S
BRが低分子量化して成形シートの表面へ移行し、熱老
化後に表面に粘着性や光沢が発生する。
ラストマー成分との混合量は、重量比で80/20〜2
0/80の割合が好ましく、結晶性ポリプロピレン樹脂
が多くなると、成形された表皮が硬くなり、一方少なく
なると引張強度が低下する。
体的には水素添加スチレンブタジエンランダム共重合体
(H−SBR)、吸油性に優れたエラストマーなどのエ
ラストマー成分にプロセスオイルを添加した組成物であ
り、プロセスオイルが組成物中のエラストマー成分に吸
収されて溶融粘度を下げるとともに、表皮の硬度を下
げ、柔軟性をもたせる効果がある。上記プロセスオイル
はゴム用に使用されるものであり、パラフィン系、ナフ
テン系、アロマ系に分類されるが、エラストマー成分と
の相溶性によりパラフィン系が好ましい。添加量はエラ
ストマー100重量部に対して5〜200重量部が好ま
しい。200重量部を越えると、引張物性が低下し、5
重量部未満になると、溶融粘度が下がらず表皮が硬くな
る。
の相溶性に優れており、結晶性ポリプロピレン樹脂に混
練すると柔軟になり、折曲げや白化しにくい熱可塑性エ
ラストマー組成物が得られる。H−SBRのスチレン含
有量は50重量%未満が好ましく、柔軟性に富む表皮を
得るためには5〜30重量%が適当である。
ダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを水素添
加しており、ブタジエン部に1,2結合がリッチである
点で、ブロック共重合体であるSEBSと異なってい
る。代表的なものとして、日本合成ゴム社製の商品であ
るダイナロンシリーズがある。PP樹脂とH−SBRと
の混合量は、重量比で80/20〜20/80の割合で
あり、PP樹脂が多くなると、成形された表皮が硬くな
り、一方少なくなると引張強度が低下する。
リプロピレン樹脂と相溶性を有しており、プロセスオイ
ルと組成物中のオリゴマー成分を吸収する性質を有する
もので、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロッ
クコポリマー(SEBS)やスチレン・エチレンプロピ
レン・スチレンブロックコポリマー(SEPS)等のス
チレン系ブロック共重合熱可塑性エラストマー、オレフ
ィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロック
コポリマー(CEBC)、エチレンプロピレンゴム(E
PR)、そしてエチレン・オクテン共重合体(POE)
がある。
要な場合は、有機過酸化物によって結晶性ポリプロピレ
ン樹脂の分子量を低下させても良い。該有機過酸化物は
120〜250°Cの加熱下で混練する過程で、結晶性
ポリプロピレン樹脂の主鎖を切断して分子量を低下さ
せ、熱可塑性エラストマー組成物に高い溶融流動性をも
たせる。有機過酸化物の添加量は熱可塑性エラストマー
組成物中、0.02〜5.0重量%であり、0.02重
量%未満の場合にはPP樹脂の主鎖を切断する分解能力
が少なく、熱可塑性エラストマー組成物に高い溶融流動
性を付与できなくなる。一方、5.0重量%を越える
と、分解が過剰になり、粉体成形品の引張強度等の機械
的特性が低下する。
樹脂の架橋に使用されているジアシルパーオキサイド、
パーオキシエステル、ジアリルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2.5−ジメチル−
2.5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3,
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)
ベンゼン、1,1−ジ−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン等があり、熱分解による1
分間の半減期が150〜250°Cのものが好ましい。
リプロピレン成分とポリオレフィンエラストマー成分と
の共重合体であり、例えば結晶性ポリプロピレンとエチ
レン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)の共重合体で
ある三菱化学社製のZelasシリーズや、チッソ社製
のNEWCONシリーズ、徳山曹達社製のP.E.R.シ
リーズ、Montell社製のキャタロイシリーズがあ
る。
ン共重合体ゴム(EPR)とは、エチレン・プロピレン
・エチリデンノルボルネン共重合体ゴムなどが挙げられ
る。また、結晶性プロピレン樹脂とEPRとの混合量
は、重量比で80/20〜20/80の割合が好まし
く、結晶性プロピレン樹脂が多くなると、成形された表
皮が硬くなり、一方少なくなると引張強度が低下する。
また、得られた熱可塑性エラストマー組成物はEPR成
分が動的架橋法等により架橋あるいは部分架橋されてい
ても良い。
細に説明する。実施例、比較例で使用した配合内容は表
1に示す。まず、実施例1、2は表1の配合Aを使用
し、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)で2回混
練りを行っている。1回目の混練りではPP、EOR、
有機過酸化物、内部離型剤をタンブラーでドライブレン
ドしたものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM4
5)の原料供給ホッパーより供給し、プロセスオイルを
ベント口より注入しながら230°C、100rpmで
混練して押出し、20°Cの冷却槽で冷却してペレット
化した。続いて、1回目の混練りで作製したペレットに
H−SBR、安定剤をタンブラーでドライブレンドした
ものを、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原
料供給ホッパーより供給し、200°C、300rpm
で混練して押出した。
ランドを引き、75°Cの温風で保温したペレタイザー
にてペレット化し、75°Cのホッパードライヤーにて
ペレットを乾燥した。
引き、90°Cの温風で保温したペレタイザーにてペレ
ット化し、90°Cのホッパードライヤーにてペレット
を乾燥した。
を使用し、二軸押出機で1回目の混練りは上記と同様の
方法で行った。続いて、1回目の混練りで作製したペレ
ットにH−SBR、安定剤をタンブラーでドライブレン
ドしたものを、二軸押出機の原料供給ホッパーより供給
し、200°C、300rpmで混練して押出し、20
°Cの冷水中で冷却を行い、室温でペレット化を行っ
た。
EPR共重合体、内部離型剤、安定剤をタンブラーでド
ライブレンドしたものを、二軸押出機の原料供給ホッパ
ーより供給し、200°C、100rpmで混練して押
出し、90°C温水中でストランドを引き、90°Cの
温風で保温したペレタイザーにてペレット化し、90°
Cのホッパードライヤーにてペレットを乾燥した。
用し、PP−EPR共重合体、内部離型剤、安定剤をタ
ンブラーでドライブレンドしたものを、二軸押出機の原
料供給ホッパーより供給し、200°C、300rpm
で混練して押出し、20°Cの冷水中で冷却を行い、室
温でペレット化を行った。
EPR、内部離型剤、をタンブラーでドライブレンドし
たものを、二軸押出機の原料供給ホッパーより供給し、
プロセスオイルをベント口より注入しながら200°
C、300rpmで混練して押出し、90°C温水中で
ストランドを引き、90°Cの温風で保温したペレタイ
ザーにてペレット化し、90°Cのホッパードライヤー
にてペレットを乾燥した。
用し、PP、EPR、内部離型剤、をタンブラーでドラ
イブレンドしたものを、二軸押出機の原料供給ホッパー
より供給し、プロセスオイルをベント口より注入しなが
ら200°C、300rpmで混練して押出し、20°
Cの冷水中で冷却を行い、室温でペレット化を行った。
微鏡で観察を行い、結晶サイズ及び結晶量に確認した。
まず、ペレットを汎用のカッターナイフで充分に光が透
過するほど薄く切り取り、偏光顕微鏡の偏光下にて観察
を行った。結果として、20°Cの冷水中で作製した比
較例1のペレットは偏光下でわずかな数の小さな結晶し
か確認できなかったが、75°Cの雰囲気下で作製した
実施例1のペレットは、比較例1よりも多数で大きい結
晶が観察された。また、90°Cの雰囲気下で作製され
た実施例2のペレットは、実施例1よりさらに大きい結
晶が観察された。
し、ターボミルT250−4J(ターボ工業社製)に投
入して粉砕し、500μmの篩い通過分のみを集めた。
実施例1、3、そして4、比較例1、3、そして4には
得られた粉末に無機系の粉体性改良剤0.3重量部添加
し、実施例2、比較例2には有機系の粉体性改良剤1.
0重量部添加した。このようにして得られた粉体試料の
粉体流動性を測定した。
を判定した。流下速度はJIS K6721によりかさ
比重測定機を用いて、ロート状の部分から粉体100c
cが全て落ちる時間を測定して、粉体性を判断した。
体性改良剤を添加直後に測定、その後、経時促進として
50°Cに調節したオーブン中に1日放置さらに室温で
1日放置した後に測定、さらに室温で5日放置した後測
定を行った。ここで、50°Cオーブン中に放置する目
的は、長期保存及び繰り返し成形され高温状態である粉
末を想定したものである。得られた結果を表2及び表3
に示す。
は全て粉体性が良好であったが、50°Cオーブン中で
経時を促進させた場合、20°Cの冷水中で作製した組
成物の粉体(比較例1〜4)は急激に粉体性が悪化し流
下しなくなっていた。それに対し、60°C以上の雰囲
気中で作製した組成物の粉体(実施例1〜4)は50°
Cオーブン中で経時を促進させた場合でも、充分に流下
する粉体性を保っており、実施例3においては初期とほ
とんど変わらないほど良好であった。
てスラッシュ成形を行い得られたシートを実施例5と
し、比較例2で作製した粉末を用いてスラッシュ成形を
行い得られたシートを比較例5とした。スラッシュ成形
の方法としては、まず皮シボ模様のついた150mm×
150mm×3mmの板をオーブン中で250°Cに加
熱し、その上に上記粉体組成物を約800gのせて10
分間置いて付着させた後、溶融付着しなかった粉体を除
いて、300°Cに調節したオーブン中で60秒間加熱
し、オーブンより取り出し水冷して、厚さ約0.8mm
の表皮を脱型した。上記のスラッシュ成形したシートの
引張物性、及び120°Cに調節したオーブン中で10
0時間熱老化したシートの引張物性を測定した。引張物
性は、スラッシュ成形で得られた表皮をJIS3号ダン
ベルで打ち抜き、引張速度200mm/分で引張強さと
伸びを測定した。得られた結果を表4に示す。
気中で作製した組成物は、比較例5と比較してわかるよ
うに、熱老化後の物性が良好であり、特に伸びの低下が
少なかった。
では、溶融、溶融混練後に熱可塑性エラストマー組成物
を60°C以上、組成物の結晶化点以下で冷却する製造
方法によって、長期保存や高温保管に関わらず粉体流動
性を維持し、熱老化後も引張物性の低下が少ない組成物
を得ることができる効果がある。
造方法の概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 粉末成形もしくは圧縮成形に使用する熱
可塑性エラストマー組成物の製造方法において、少なく
とも結晶性ポリプロピレン樹脂成分とエラストマー成分
で構成されたブレンド物もしくは共重合物を、溶融もし
くは溶融混練りした後、60°C以上、該ポリプロピレ
ンの結晶化温度以下の温度範囲内で固化することを特徴
とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 - 【請求項2】 ブレンド物のエラストマー成分が油展さ
れたものである請求項1記載の熱可塑性エラストマー組
成物の製造方法。 - 【請求項3】 ブレンド物が結晶性ポリプロピレン樹
脂、水素添加スチレンブタジエンランダム共重合体、吸
油性に優れたエラストマー、そしてプロセスオイルを含
んでいる請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の
製造方法。 - 【請求項4】 共重合物が結晶性ポリプロピレン成分と
ポリオレフィンエラストマー成分との共重合体である請
求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 - 【請求項5】 ブレンド物が結晶性ポリプロピレン樹
脂、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、プロセスオイ
ルを含む請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物の
製造方法。
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