JP2001226456A - 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents
封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置Info
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- JP2001226456A JP2001226456A JP2000038750A JP2000038750A JP2001226456A JP 2001226456 A JP2001226456 A JP 2001226456A JP 2000038750 A JP2000038750 A JP 2000038750A JP 2000038750 A JP2000038750 A JP 2000038750A JP 2001226456 A JP2001226456 A JP 2001226456A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 反りが少なくて、耐リフロー性に優れる片面
封止型のパッケージが得られる封止用エポキシ樹脂組成
物であって、アンチモン化合物を含有することなしに優
れた難燃性を備える封止用エポキシ樹脂組成物を提供す
ること、及びその封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封
止した片面封止型半導体装置を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂としてトリフェニルメタン
型のエポキシ樹脂を含有し、硬化剤として、フェノール
ノボラック樹脂であって、2核体の含有比率が0〜10
重量%であるフェノールノボラック樹脂を含有し、難燃
剤として赤リン系難燃剤を含有していることを特徴とす
る封止用エポキシ樹脂組成物。この封止用エポキシ樹脂
組成物を用いて封止した片面封止型半導体装置。
封止型のパッケージが得られる封止用エポキシ樹脂組成
物であって、アンチモン化合物を含有することなしに優
れた難燃性を備える封止用エポキシ樹脂組成物を提供す
ること、及びその封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封
止した片面封止型半導体装置を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂としてトリフェニルメタン
型のエポキシ樹脂を含有し、硬化剤として、フェノール
ノボラック樹脂であって、2核体の含有比率が0〜10
重量%であるフェノールノボラック樹脂を含有し、難燃
剤として赤リン系難燃剤を含有していることを特徴とす
る封止用エポキシ樹脂組成物。この封止用エポキシ樹脂
組成物を用いて封止した片面封止型半導体装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子等の封止
に使用される封止用エポキシ樹脂組成物と、これを用い
て封止した半導体装置に関するものである。
に使用される封止用エポキシ樹脂組成物と、これを用い
て封止した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、IC等の半導体素子のパッケージ
分野において小型薄型化が進む中、リード端子数の増加
に対応するために、SOP、QFPに代表される周辺実
装パッケージから、BGA(ボールグリッドアレイ)を
代表とするエリア実装パッケージに主流が移り変わりつ
つある。現状のBGAパッケージの形状は、半導体チッ
プと端子までの接続方法により様々な構造のものが見ら
れるが、その中で主流となっているのが、半導体チップ
とPC基板を金ワイヤーで接続したタイプであり、半導
体チップ搭載面のみをエポキシ樹脂組成物でトランスフ
ァー成形(片面封止)を行った後、PC基板の裏面には
んだボールを載せたタイプである。
分野において小型薄型化が進む中、リード端子数の増加
に対応するために、SOP、QFPに代表される周辺実
装パッケージから、BGA(ボールグリッドアレイ)を
代表とするエリア実装パッケージに主流が移り変わりつ
つある。現状のBGAパッケージの形状は、半導体チッ
プと端子までの接続方法により様々な構造のものが見ら
れるが、その中で主流となっているのが、半導体チップ
とPC基板を金ワイヤーで接続したタイプであり、半導
体チップ搭載面のみをエポキシ樹脂組成物でトランスフ
ァー成形(片面封止)を行った後、PC基板の裏面には
んだボールを載せたタイプである。
【0003】このような片面封止型のパッケージに関し
て従来から指摘されている問題点としては、その構造が
封止樹脂(エポキシ樹脂組成物の硬化物)とベース基板
が貼り合わされたバイメタル構造となっていて、成形完
了後に常温まで冷却される過程において、それぞれの熱
膨張係数の差異により、冷却時の収縮割合がアンバラン
スとなり、パッケージに反りが発生しやすいということ
が挙げられる。また、このような片面封止型パッケージ
については、封止樹脂とベース基板の密着性が低いため
に、耐リフロー性が満足するレベルに達していないとい
う問題点もあった。更に、片面封止型パッケージの製造
に際しては封止成形した後、個々のパッケージに切り取
るという切り取り工程(ダイシング工程)があるため、
ダイシング時の排水の問題が生じる。すなわち、エポキ
シ樹脂組成物中に三酸化アンチモンなどのアンチモン化
合物や、ブロム化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物を
含有していると、排水中にこのような物質が含まれるこ
とになり環境衛生の点で問題が生じる。
て従来から指摘されている問題点としては、その構造が
封止樹脂(エポキシ樹脂組成物の硬化物)とベース基板
が貼り合わされたバイメタル構造となっていて、成形完
了後に常温まで冷却される過程において、それぞれの熱
膨張係数の差異により、冷却時の収縮割合がアンバラン
スとなり、パッケージに反りが発生しやすいということ
が挙げられる。また、このような片面封止型パッケージ
については、封止樹脂とベース基板の密着性が低いため
に、耐リフロー性が満足するレベルに達していないとい
う問題点もあった。更に、片面封止型パッケージの製造
に際しては封止成形した後、個々のパッケージに切り取
るという切り取り工程(ダイシング工程)があるため、
ダイシング時の排水の問題が生じる。すなわち、エポキ
シ樹脂組成物中に三酸化アンチモンなどのアンチモン化
合物や、ブロム化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物を
含有していると、排水中にこのような物質が含まれるこ
とになり環境衛生の点で問題が生じる。
【0004】そこで、封止用エポキシ樹脂組成物の成分
としてトリフェニルメタン型のエポキシ樹脂等の耐熱性
に優れるエポキシ樹脂を用いることによって、封止樹脂
のガラス転移温度が成形温度より高くなるようにして、
成形後の常温までの冷却での収縮率がベース基板のそれ
と同程度になるようにして、反りを低減する方法が検討
されている。
としてトリフェニルメタン型のエポキシ樹脂等の耐熱性
に優れるエポキシ樹脂を用いることによって、封止樹脂
のガラス転移温度が成形温度より高くなるようにして、
成形後の常温までの冷却での収縮率がベース基板のそれ
と同程度になるようにして、反りを低減する方法が検討
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、片面封止型の
パッケージを製造する際に、上記のトリフェニルメタン
型のエポキシ樹脂を用いる方法によれば、パッケージの
反りについてはかなりの改善が達成されるが、パッケー
ジの耐リフロー性の改善については十分満足できるレベ
ルではなく、さらなる改善が求められている。そして、
パッケージの反り及び耐リフロー性の改善と共にアンチ
モンフリーとすることも求められている。
パッケージを製造する際に、上記のトリフェニルメタン
型のエポキシ樹脂を用いる方法によれば、パッケージの
反りについてはかなりの改善が達成されるが、パッケー
ジの耐リフロー性の改善については十分満足できるレベ
ルではなく、さらなる改善が求められている。そして、
パッケージの反り及び耐リフロー性の改善と共にアンチ
モンフリーとすることも求められている。
【0006】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、反りが少なくて、且つ、耐リフロー性
に優れる片面封止型のパッケージが得られる封止用エポ
キシ樹脂組成物であって、アンチモン化合物を含有する
ことなしに優れた難燃性を備える封止用エポキシ樹脂組
成物を提供すること、及びその封止用エポキシ樹脂組成
物を用いて封止された、反りが少なくて、且つ、耐リフ
ロー性に優れる片面封止型半導体装置を提供することを
目的としている。
れたものであり、反りが少なくて、且つ、耐リフロー性
に優れる片面封止型のパッケージが得られる封止用エポ
キシ樹脂組成物であって、アンチモン化合物を含有する
ことなしに優れた難燃性を備える封止用エポキシ樹脂組
成物を提供すること、及びその封止用エポキシ樹脂組成
物を用いて封止された、反りが少なくて、且つ、耐リフ
ロー性に優れる片面封止型半導体装置を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の封
止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無
機充填材、硬化促進剤及び難燃剤を含有する封止用エポ
キシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として下記式
(1)のエポキシ樹脂を含有し、硬化剤として、下記式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂であって、
2核体の含有比率が0〜10重量%であるフェノールノ
ボラック樹脂を含有し、さらに、難燃剤として赤リン系
難燃剤を含有していることを特徴とする封止用エポキシ
樹脂組成物である。
止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無
機充填材、硬化促進剤及び難燃剤を含有する封止用エポ
キシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として下記式
(1)のエポキシ樹脂を含有し、硬化剤として、下記式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂であって、
2核体の含有比率が0〜10重量%であるフェノールノ
ボラック樹脂を含有し、さらに、難燃剤として赤リン系
難燃剤を含有していることを特徴とする封止用エポキシ
樹脂組成物である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】請求項2に係る発明の封止用エポキシ樹脂
組成物は、シリコーンレジンで被覆したシリコーンゴム
パウダーをも含有している請求項1記載の封止用エポキ
シ樹脂組成物である。
組成物は、シリコーンレジンで被覆したシリコーンゴム
パウダーをも含有している請求項1記載の封止用エポキ
シ樹脂組成物である。
【0011】請求項3に係る発明の封止用エポキシ樹脂
組成物は、硬化促進剤として、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレートとフェノールノボラック
樹脂との反応物を含有している請求項1又は請求項2記
載の封止用エポキシ樹脂組成物である。
組成物は、硬化促進剤として、テトラフェニルホスホニ
ウム・テトラフェニルボレートとフェノールノボラック
樹脂との反応物を含有している請求項1又は請求項2記
載の封止用エポキシ樹脂組成物である。
【0012】請求項4に係る発明の封止用エポキシ樹脂
組成物は、赤リン系難燃剤として、平均粒径1〜6μm
の微紛状赤リンの表面に熱硬化性樹脂層及び無機質層が
被覆されてなる被覆層付き赤リンを含有している請求項
1乃至請求項3の何れかに記載の封止用エポキシ樹脂組
成物である。
組成物は、赤リン系難燃剤として、平均粒径1〜6μm
の微紛状赤リンの表面に熱硬化性樹脂層及び無機質層が
被覆されてなる被覆層付き赤リンを含有している請求項
1乃至請求項3の何れかに記載の封止用エポキシ樹脂組
成物である。
【0013】請求項5に係る発明の封止用エポキシ樹脂
組成物は、被覆層付き赤リンを、封止用エポキシ樹脂組
成物全体に対して、0.05〜1.00重量%含有して
いる請求項4記載の封止用エポキシ樹脂組成物である。
組成物は、被覆層付き赤リンを、封止用エポキシ樹脂組
成物全体に対して、0.05〜1.00重量%含有して
いる請求項4記載の封止用エポキシ樹脂組成物である。
【0014】請求項6に係る発明の封止用エポキシ樹脂
組成物は、得られる硬化物の熱膨張係数(α1)が、
0.7×10-5(1/℃)〜1.6×10-5(1/℃)
である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の封止用エ
ポキシ樹脂組成物である。
組成物は、得られる硬化物の熱膨張係数(α1)が、
0.7×10-5(1/℃)〜1.6×10-5(1/℃)
である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の封止用エ
ポキシ樹脂組成物である。
【0015】請求項7に係る発明の半導体装置は、請求
項1乃至請求項6の何れかに記載の封止用エポキシ樹脂
組成物を用いて封止されてなる片面封止型半導体装置で
ある。
項1乃至請求項6の何れかに記載の封止用エポキシ樹脂
組成物を用いて封止されてなる片面封止型半導体装置で
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
する。
【0017】(封止用エポキシ樹脂組成物)本発明の封
止用エポキシ樹脂組成物は、半導体素子等の封止に使用
されるものであって、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填
材、硬化促進剤及び難燃剤を含有して調製されるもので
ある。
止用エポキシ樹脂組成物は、半導体素子等の封止に使用
されるものであって、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填
材、硬化促進剤及び難燃剤を含有して調製されるもので
ある。
【0018】本発明に用いるエポキシ樹脂としては、上
記式(1)のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂を必須
成分として使用する。このトリフェニルメタン型エポキ
シ樹脂を用いることは、片面封止型のパッケージの反り
の改良及び耐リフロー性の改善に有効である。本発明で
は、エポキシ樹脂として、式(1)のトリフェニルメタ
ン型エポキシ樹脂以外に、O−クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペ
ンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ
樹脂等を併用することができる。また、式(1)のエポ
キシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全量に対して、20
〜100重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは50
〜100重量%である。
記式(1)のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂を必須
成分として使用する。このトリフェニルメタン型エポキ
シ樹脂を用いることは、片面封止型のパッケージの反り
の改良及び耐リフロー性の改善に有効である。本発明で
は、エポキシ樹脂として、式(1)のトリフェニルメタ
ン型エポキシ樹脂以外に、O−クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペ
ンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ
樹脂等を併用することができる。また、式(1)のエポ
キシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全量に対して、20
〜100重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは50
〜100重量%である。
【0019】本発明に用いる硬化剤としては、上記式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂であって、
2核体の含有比率が0〜10重量%であるフェノールノ
ボラック樹脂を必須成分として使用する。なお、式
(2)でmが0の場合に2核体となる。この2核体の含
有比率が0〜10重量%であるフェノールノボラック樹
脂を用いることは、片面封止型のパッケージの反りの改
良及び耐リフロー性の改善に有効である。そして、式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂以外の硬化
剤として、例えば、ナフタレン骨格含有フェノール樹
脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂等を併用することができる。また、式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂であって、
2核体の含有比率が0〜10重量%であるフェノールノ
ボラック樹脂の配合量は、硬化剤全量に対して、20〜
100重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは50〜
100重量%である。
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂であって、
2核体の含有比率が0〜10重量%であるフェノールノ
ボラック樹脂を必須成分として使用する。なお、式
(2)でmが0の場合に2核体となる。この2核体の含
有比率が0〜10重量%であるフェノールノボラック樹
脂を用いることは、片面封止型のパッケージの反りの改
良及び耐リフロー性の改善に有効である。そして、式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂以外の硬化
剤として、例えば、ナフタレン骨格含有フェノール樹
脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂等を併用することができる。また、式
(2)で示されるフェノールノボラック樹脂であって、
2核体の含有比率が0〜10重量%であるフェノールノ
ボラック樹脂の配合量は、硬化剤全量に対して、20〜
100重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは50〜
100重量%である。
【0020】本発明に用いる無機充填材としては、一般
的に封止材に使用可能なものを使用することができる。
例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪
素、窒化アルミ等の粉末を使用することができるが、こ
れらのなかでも溶融シリカが好ましい。この無機充填材
の配合量は、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数
(α1)が、0.7×10-5(1/℃)〜1.6×10
-5(1/℃)となるように調整することが、片面封止型
のパッケージの反りの改良を達成するには好ましい。な
ぜならば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数
(α1)が上記の範囲内となるように無機充填材の量を
調整して配合すると、ガラス基材ビスマレイミド系樹脂
基板、ガラス基材エポキシ樹脂基板等の樹脂基板からな
るプリント配線基板で形成したベース基板の熱膨張係数
に近い熱膨張係数の硬化物となることから、ベース基板
が樹脂基板からなる場合の片面封止型のパッケージの反
りが改善される。なお、BGAに用いられるガラス基材
ビスマレイミド系樹脂基板、ガラス基材エポキシ樹脂基
板等の熱膨張係数(α1)は通常、1.3×10-5(1
/℃)〜1.7×10-5(1/℃)程度であるので、封
止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数(α1)
を樹脂基板のそれよりやや小さ目にすることで片面封止
型のパッケージの反りが改善されるようになる。ここで
いう熱膨張係数(α1)は、TMA測定装置を用いて得
られる80〜120℃の熱膨張係数(線膨張係数)を指
している。また、本発明では、無機充填材と共にシラン
カップリング剤を使用することが耐リフロー性を向上す
るのに好ましい。
的に封止材に使用可能なものを使用することができる。
例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪
素、窒化アルミ等の粉末を使用することができるが、こ
れらのなかでも溶融シリカが好ましい。この無機充填材
の配合量は、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数
(α1)が、0.7×10-5(1/℃)〜1.6×10
-5(1/℃)となるように調整することが、片面封止型
のパッケージの反りの改良を達成するには好ましい。な
ぜならば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数
(α1)が上記の範囲内となるように無機充填材の量を
調整して配合すると、ガラス基材ビスマレイミド系樹脂
基板、ガラス基材エポキシ樹脂基板等の樹脂基板からな
るプリント配線基板で形成したベース基板の熱膨張係数
に近い熱膨張係数の硬化物となることから、ベース基板
が樹脂基板からなる場合の片面封止型のパッケージの反
りが改善される。なお、BGAに用いられるガラス基材
ビスマレイミド系樹脂基板、ガラス基材エポキシ樹脂基
板等の熱膨張係数(α1)は通常、1.3×10-5(1
/℃)〜1.7×10-5(1/℃)程度であるので、封
止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱膨張係数(α1)
を樹脂基板のそれよりやや小さ目にすることで片面封止
型のパッケージの反りが改善されるようになる。ここで
いう熱膨張係数(α1)は、TMA測定装置を用いて得
られる80〜120℃の熱膨張係数(線膨張係数)を指
している。また、本発明では、無機充填材と共にシラン
カップリング剤を使用することが耐リフロー性を向上す
るのに好ましい。
【0021】本発明に用いる硬化促進剤としては、テト
ラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートとフ
ェノールノボラック樹脂との反応物を用いることが、片
面封止型のパッケージの反り改善に有効であるので好ま
しい。この反応物は、テトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート単独のものより硬化促進剤として
の活性が大幅に上がり、封止用エポキシ樹脂組成物の硬
化促進剤として好適な材料である。この場合、テトラフ
ェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートをフェノ
ールノボラック樹脂と単に混合するのではなく、反応さ
せることが重要であり、その反応条件は150〜200
℃程度の温度で、テトラフェニルホスホニウム・テトラ
フェニルボレートとフェノールノボラック樹脂を攪拌
し、攪拌初期に白濁しているものが均一透明になるまで
攪拌して反応物を得るようにする。反応させるときの、
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
とフェノールノボラック樹脂の配合比率は、特に限定す
るものではないが、フェノールノボラック樹脂100重
量部に対して、テトラフェニルホスホニウム・テトラフ
ェニルボレートが5〜40重量部程度であることが好ま
しい。また、ここでいうフェノールノボラック樹脂と
は、上記式(2)で示されるフェノールノボラック樹脂
であり、2核体の含有割合については特に制限はない
が、m=1の3核体が全体の45重量%以上であって、
mが3以上のもの(5核体以上のもの)が全体の40重
量以下であるものが、硬化促進剤としたときの、他の成
分と均一混合性の点から好ましい。
ラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートとフ
ェノールノボラック樹脂との反応物を用いることが、片
面封止型のパッケージの反り改善に有効であるので好ま
しい。この反応物は、テトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート単独のものより硬化促進剤として
の活性が大幅に上がり、封止用エポキシ樹脂組成物の硬
化促進剤として好適な材料である。この場合、テトラフ
ェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートをフェノ
ールノボラック樹脂と単に混合するのではなく、反応さ
せることが重要であり、その反応条件は150〜200
℃程度の温度で、テトラフェニルホスホニウム・テトラ
フェニルボレートとフェノールノボラック樹脂を攪拌
し、攪拌初期に白濁しているものが均一透明になるまで
攪拌して反応物を得るようにする。反応させるときの、
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
とフェノールノボラック樹脂の配合比率は、特に限定す
るものではないが、フェノールノボラック樹脂100重
量部に対して、テトラフェニルホスホニウム・テトラフ
ェニルボレートが5〜40重量部程度であることが好ま
しい。また、ここでいうフェノールノボラック樹脂と
は、上記式(2)で示されるフェノールノボラック樹脂
であり、2核体の含有割合については特に制限はない
が、m=1の3核体が全体の45重量%以上であって、
mが3以上のもの(5核体以上のもの)が全体の40重
量以下であるものが、硬化促進剤としたときの、他の成
分と均一混合性の点から好ましい。
【0022】また、上述のテトラフェニルホスホニウム
・テトラフェニルボレートとフェノールノボラック樹脂
との反応物以外に、一般的に封止材に使用可能な硬化促
進剤を、本発明では使用することができる。例えば、イ
ミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリメチルホ
スフィン等の有機リン化合物類、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエタ
ノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン
類等が挙げられる。
・テトラフェニルボレートとフェノールノボラック樹脂
との反応物以外に、一般的に封止材に使用可能な硬化促
進剤を、本発明では使用することができる。例えば、イ
ミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリメチルホ
スフィン等の有機リン化合物類、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエタ
ノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン
類等が挙げられる。
【0023】本発明に用いる難燃剤としては、赤リン系
難燃剤を必須成分として使用する。このように、赤リン
系難燃剤を使用することで、アンチモン化合物やハロゲ
ン化合物を含有することなしに優れた難燃性を備える封
止用エポキシ樹脂組成物とすることが可能となる。そし
て、赤リン系難燃剤については、平均粒径1〜6μmの
微紛状赤リンの表面に熱硬化性樹脂層及び無機質層が被
覆されてなる被覆層付き赤リンを用いることが、被覆層
で赤リンの吸湿を防止できて、赤リンの安定化を維持で
きて、封止した半導体等に悪影響を及ぼすことがないの
で望ましい。
難燃剤を必須成分として使用する。このように、赤リン
系難燃剤を使用することで、アンチモン化合物やハロゲ
ン化合物を含有することなしに優れた難燃性を備える封
止用エポキシ樹脂組成物とすることが可能となる。そし
て、赤リン系難燃剤については、平均粒径1〜6μmの
微紛状赤リンの表面に熱硬化性樹脂層及び無機質層が被
覆されてなる被覆層付き赤リンを用いることが、被覆層
で赤リンの吸湿を防止できて、赤リンの安定化を維持で
きて、封止した半導体等に悪影響を及ぼすことがないの
で望ましい。
【0024】また、被覆層付き赤リンの配合割合につい
ては、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、0.0
5〜1.00重量%含有させるようにすることが好まし
い。0.05重量%未満であると、難燃性付与効果が少
なく、1.00重量%を超えると、耐湿性を悪化させる
問題を生じるからである。
ては、封止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、0.0
5〜1.00重量%含有させるようにすることが好まし
い。0.05重量%未満であると、難燃性付与効果が少
なく、1.00重量%を超えると、耐湿性を悪化させる
問題を生じるからである。
【0025】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物に、シ
リコーンレジンで被覆したシリコーンゴムパウダーを添
加すると、密着性を損なうことなく、片面封止型のパッ
ケージの反り低減を図ることができるので望ましい。シ
リコーンレジンで被覆したシリコーンゴムパウダーとし
ては、市販のものを用いることができ、平均粒径が0.
5〜20μmのものが好ましい。シリコーンレジンで被
覆したシリコーンゴムパウダーの添加量については、封
止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、0.3〜5.0
重量%の範囲であることがが好ましい。0.3重量%未
満では、密着性の維持効果が少なく、5.0重量%を超
えると、得られる硬化物自体の強度低下が大きく、リフ
ロー時にクラックが発生しやすくなる傾向がみられるか
らである。
リコーンレジンで被覆したシリコーンゴムパウダーを添
加すると、密着性を損なうことなく、片面封止型のパッ
ケージの反り低減を図ることができるので望ましい。シ
リコーンレジンで被覆したシリコーンゴムパウダーとし
ては、市販のものを用いることができ、平均粒径が0.
5〜20μmのものが好ましい。シリコーンレジンで被
覆したシリコーンゴムパウダーの添加量については、封
止用エポキシ樹脂組成物全体に対して、0.3〜5.0
重量%の範囲であることがが好ましい。0.3重量%未
満では、密着性の維持効果が少なく、5.0重量%を超
えると、得られる硬化物自体の強度低下が大きく、リフ
ロー時にクラックが発生しやすくなる傾向がみられるか
らである。
【0026】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、
上記のエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、シランカッ
プリング剤、硬化促進剤、難燃剤の他に、必要に応じ
て、離型剤、カーボンブラック、有機染料等の着色剤等
を適宜配合することができる。
上記のエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、シランカッ
プリング剤、硬化促進剤、難燃剤の他に、必要に応じ
て、離型剤、カーボンブラック、有機染料等の着色剤等
を適宜配合することができる。
【0027】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、前
述した各成分をミキサー、ブレンダー等によって均一に
混合した後、加熱ロール、ニーダー等によって混練する
ことで製造することができる。成分の配合順序は特に制
限はない。さらに、混練後に、冷却固化した後、粉砕し
てパウダー化したり、粉砕したものを打錠してタブレッ
ト化することも可能である。
述した各成分をミキサー、ブレンダー等によって均一に
混合した後、加熱ロール、ニーダー等によって混練する
ことで製造することができる。成分の配合順序は特に制
限はない。さらに、混練後に、冷却固化した後、粉砕し
てパウダー化したり、粉砕したものを打錠してタブレッ
ト化することも可能である。
【0028】(半導体装置)このようにして得られた封
止用エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形し
て、ベース基板に搭載した半導体素子を、半導体素子搭
載面側の片面から封止して片面封止型のパッケージ(B
GA)の中間製品を製造することができる。さらに、こ
の中間製品の半導体素子搭載面と反対側の面に、はんだ
ボールを載せて半導体装置であるBGAを製造すること
ができる。前記ベース基板としては、ガラス基材ビスマ
レイミド系樹脂基板、ガラス基材エポキシ樹脂基板等の
樹脂基板からなるプリント配線基板を使用することがで
きる。
止用エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形し
て、ベース基板に搭載した半導体素子を、半導体素子搭
載面側の片面から封止して片面封止型のパッケージ(B
GA)の中間製品を製造することができる。さらに、こ
の中間製品の半導体素子搭載面と反対側の面に、はんだ
ボールを載せて半導体装置であるBGAを製造すること
ができる。前記ベース基板としては、ガラス基材ビスマ
レイミド系樹脂基板、ガラス基材エポキシ樹脂基板等の
樹脂基板からなるプリント配線基板を使用することがで
きる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例と、本発明の範囲を
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。
【0030】実施例、比較例で使用した各成分の材料は
以下のとおりである。
以下のとおりである。
【0031】エポキシ樹脂としては、オルソクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、品
番ESCN195XL)、前記式(1)で示されるエポ
キシ樹脂(日本化薬(株)製、品番EPPN501H
Y)を用いた。
ノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、品
番ESCN195XL)、前記式(1)で示されるエポ
キシ樹脂(日本化薬(株)製、品番EPPN501H
Y)を用いた。
【0032】硬化剤としては、前記式(2)で示される
フェノールノボラック樹脂であって、2核体の含有比率
が15重量%であるフェノールノボラック樹脂(明和化
成(株)製、品番H−1)、前記式(2)で示されるフ
ェノールノボラック樹脂であって、2核体の含有比率が
4重量%であるフェノールノボラック樹脂(明和化成
(株)製、品番DL−92)。
フェノールノボラック樹脂であって、2核体の含有比率
が15重量%であるフェノールノボラック樹脂(明和化
成(株)製、品番H−1)、前記式(2)で示されるフ
ェノールノボラック樹脂であって、2核体の含有比率が
4重量%であるフェノールノボラック樹脂(明和化成
(株)製、品番DL−92)。
【0033】離型剤としてはカルナバワックスを用い、
赤リン系難燃剤としては、平均粒径2.5μmの微粉状
赤リン100重量部に水酸化アルミニウムによる無機質
層を約2重量部、さらにフェノール樹脂による熱硬化性
樹脂層を約5重量部の被覆量で被覆した平均粒径6μm
の燐化学工業社製の品番F5を使用した。
赤リン系難燃剤としては、平均粒径2.5μmの微粉状
赤リン100重量部に水酸化アルミニウムによる無機質
層を約2重量部、さらにフェノール樹脂による熱硬化性
樹脂層を約5重量部の被覆量で被覆した平均粒径6μm
の燐化学工業社製の品番F5を使用した。
【0034】硬化促進剤としては、トリフェニルホスフ
ィン(TPPと略す。)又はテトラフェニルホスホニウ
ム・テトラフェニルボレートとフェノールノボラック樹
脂との反応物(TPPK−Aと略す。)を使用した。使
用したTPPK−Aは、テトラフェニルホスホニウム・
テトラフェニルボレート25重量部と、3核体の含有比
率が69.7重量%、5核体以上の含有比率が4.6重
量%であるフェノールノボラック樹脂75重量部を、窒
素雰囲気下170〜180℃で、2時間加熱攪拌して均
一透明溶融物とし、その後冷却、粉砕して得たものを使
用した。
ィン(TPPと略す。)又はテトラフェニルホスホニウ
ム・テトラフェニルボレートとフェノールノボラック樹
脂との反応物(TPPK−Aと略す。)を使用した。使
用したTPPK−Aは、テトラフェニルホスホニウム・
テトラフェニルボレート25重量部と、3核体の含有比
率が69.7重量%、5核体以上の含有比率が4.6重
量%であるフェノールノボラック樹脂75重量部を、窒
素雰囲気下170〜180℃で、2時間加熱攪拌して均
一透明溶融物とし、その後冷却、粉砕して得たものを使
用した。
【0035】無機充填材としては、溶融シリカ(平均粒
径15μm)を用いた。また、カップリング剤としては
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、シリ
コーンゴムパウダーとしては、シリコーンレジンで表面
を被覆されているシリコーンゴムパウダー(信越化学工
業(株)製、平均粒径5μm、品番KMP−600)を
用いた。
径15μm)を用いた。また、カップリング剤としては
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、シリ
コーンゴムパウダーとしては、シリコーンレジンで表面
を被覆されているシリコーンゴムパウダー(信越化学工
業(株)製、平均粒径5μm、品番KMP−600)を
用いた。
【0036】(実施例1〜7及び比較例1〜4)各成分
を表1〜表2に示す配合量(重量部)で配合し、ミキサ
ーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練を行
い、冷却固化し、粉砕機で粉砕して封止用エポキシ樹脂
組成物を得た。
を表1〜表2に示す配合量(重量部)で配合し、ミキサ
ーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練を行
い、冷却固化し、粉砕機で粉砕して封止用エポキシ樹脂
組成物を得た。
【0037】また、各実施例及び各比較例の封止用エポ
キシ樹脂組成物を用いて次のようにしてBGAパッケー
ジとしての性能評価のための評価用パッケージを作成し
た。
キシ樹脂組成物を用いて次のようにしてBGAパッケー
ジとしての性能評価のための評価用パッケージを作成し
た。
【0038】評価用パッケージの作成:その上面に評価
用TEGチップ(サイズ:7.6mm×7.6mm×0.3
5mm)を搭載したガラス基材ビスマレイミドトリアジン
樹脂基板(サイズ:35mm×35mm×0.4mm)のチッ
プ搭載面側の片面から封止成形(トランスファ成形)し
て、図1に断面図が、図2に平面図が示される評価用パ
ッケージ1を得た。図1、図2において、2は樹脂基
板、3は評価用TEGチップ、4は封止樹脂を示してい
て、この封止樹脂厚みは0.8mmである。成形条件は、
170℃で80秒とし、アフターキュアーを175℃で
6時間の条件で行った。
用TEGチップ(サイズ:7.6mm×7.6mm×0.3
5mm)を搭載したガラス基材ビスマレイミドトリアジン
樹脂基板(サイズ:35mm×35mm×0.4mm)のチッ
プ搭載面側の片面から封止成形(トランスファ成形)し
て、図1に断面図が、図2に平面図が示される評価用パ
ッケージ1を得た。図1、図2において、2は樹脂基
板、3は評価用TEGチップ、4は封止樹脂を示してい
て、この封止樹脂厚みは0.8mmである。成形条件は、
170℃で80秒とし、アフターキュアーを175℃で
6時間の条件で行った。
【0039】そして、各実施例及び各比較例の封止用エ
ポキシ樹脂組成物及びその成形体の物性評価を以下のよ
うにして行った。
ポキシ樹脂組成物及びその成形体の物性評価を以下のよ
うにして行った。
【0040】耐リフロー性:前記の評価用パッケージを
用いて、125℃で24時間の前乾燥処理を行った後、
85℃、60%RHの条件に設定した恒温恒湿機中で1
68時間の吸湿処理を行い、その後にリフロー処理(2
45℃ピークの熱風併用式遠赤外線式リフロー炉で処
理)を行った。このリフロー処理後の評価用パッケージ
について、超音波顕微鏡((株)キャノン製M−700
II)で内部の観察を行い、封止樹脂とチップ表面の界
面、及び封止樹脂と樹脂基板の界面における剥離発生の
有無を調べた。なお、各実施例及び各比較例について、
それぞれ10個の評価用パッケージを用いて評価した。
用いて、125℃で24時間の前乾燥処理を行った後、
85℃、60%RHの条件に設定した恒温恒湿機中で1
68時間の吸湿処理を行い、その後にリフロー処理(2
45℃ピークの熱風併用式遠赤外線式リフロー炉で処
理)を行った。このリフロー処理後の評価用パッケージ
について、超音波顕微鏡((株)キャノン製M−700
II)で内部の観察を行い、封止樹脂とチップ表面の界
面、及び封止樹脂と樹脂基板の界面における剥離発生の
有無を調べた。なお、各実施例及び各比較例について、
それぞれ10個の評価用パッケージを用いて評価した。
【0041】BGAパッケージ反り:前記の評価用パッ
ケージについて、図2で矢印を付している2方向につい
て、表面粗さ計を用いて反り量を測定し、表面の高低差
の最大値をBGAパッケージ反り(単位μm)とした。
ケージについて、図2で矢印を付している2方向につい
て、表面粗さ計を用いて反り量を測定し、表面の高低差
の最大値をBGAパッケージ反り(単位μm)とした。
【0042】Tg及びα1:各実施例及び各比較例の封
止用エポキシ樹脂組成物を、前記評価用パッケージの成
形条件と同一の条件で硬化させた硬化物について、TM
A測定装置を用いてTg(膨張カーブの屈曲点から求め
た。)及び80〜120℃の熱膨張係数(線膨張係数)
を求めα1とした。
止用エポキシ樹脂組成物を、前記評価用パッケージの成
形条件と同一の条件で硬化させた硬化物について、TM
A測定装置を用いてTg(膨張カーブの屈曲点から求め
た。)及び80〜120℃の熱膨張係数(線膨張係数)
を求めα1とした。
【0043】耐炎性(難燃性):各実施例及び各比較例
の封止用エポキシ樹脂組成物を用い、前記評価用パッケ
ージの成形条件と同一の条件で硬化させて、UL94に
従って試験片を作製すると共に、UL94に基づいた耐
炎性試験を行い難燃性を測定した。表1、表2に得られ
た結果について、合格をPASS、不合格をNGとして
示すと共に、平均フレーミング時間(秒)を併記した。
の封止用エポキシ樹脂組成物を用い、前記評価用パッケ
ージの成形条件と同一の条件で硬化させて、UL94に
従って試験片を作製すると共に、UL94に基づいた耐
炎性試験を行い難燃性を測定した。表1、表2に得られ
た結果について、合格をPASS、不合格をNGとして
示すと共に、平均フレーミング時間(秒)を併記した。
【0044】以上の結果を表1、表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表1、表2にみるように、実施例の封止用
エポキシ樹脂組成物で封止した評価用パッケージは、B
GAパッケージ反りが小さく、且つ耐リフロー性が優れ
ていることが確認された。
エポキシ樹脂組成物で封止した評価用パッケージは、B
GAパッケージ反りが小さく、且つ耐リフロー性が優れ
ていることが確認された。
【0048】実施例1と比較例1の比較で明らかなよう
に、赤リン系難燃剤を使用している実施例1では、優れ
た難燃性を達成していることがわかる。
に、赤リン系難燃剤を使用している実施例1では、優れ
た難燃性を達成していることがわかる。
【0049】実施例1と比較例3の比較で明らかなよう
に、式(2)の構造であって、2核体の含有比率が4重
量%と低い含有比率のフェノールノボラック樹脂を使用
している実施例1では、比較例3よりも、BGAパッケ
ージ反りが小さく、且つ耐リフロー性が優れていること
がわかる。
に、式(2)の構造であって、2核体の含有比率が4重
量%と低い含有比率のフェノールノボラック樹脂を使用
している実施例1では、比較例3よりも、BGAパッケ
ージ反りが小さく、且つ耐リフロー性が優れていること
がわかる。
【0050】実施例2と比較例2の比較で明らかなよう
に、式(1)で示されるエポキシ樹脂を使用している実
施例2は、比較例2よりもBGAパッケージ反りが小さ
く、且つ耐リフロー性が優れている。
に、式(1)で示されるエポキシ樹脂を使用している実
施例2は、比較例2よりもBGAパッケージ反りが小さ
く、且つ耐リフロー性が優れている。
【0051】実施例2と、実施例3の比較で明らかなよ
うに、シリコーンレジンで表面を被覆されているシリコ
ーンゴムパウダーを使用している実施例3の方が実施例
2よりも、BGAパッケージ反りが小さくなっているこ
とがわかる。
うに、シリコーンレジンで表面を被覆されているシリコ
ーンゴムパウダーを使用している実施例3の方が実施例
2よりも、BGAパッケージ反りが小さくなっているこ
とがわかる。
【0052】実施例1と実施例3の比較で明らかなよう
に、硬化促進剤としてTPPK−Aを使用している実施
例1の方が、TPPを使用している実施例3よりも、B
GAパッケージ反りが小さくなっていることがわかる。
に、硬化促進剤としてTPPK−Aを使用している実施
例1の方が、TPPを使用している実施例3よりも、B
GAパッケージ反りが小さくなっていることがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように請求項1〜6に係
る発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて片面封止型
のパッケージを封止すれば、アンチモン化合物やハロゲ
ン化合物を含有することなしに優れた難燃性を備える封
止樹脂で封止されたパッケージであって、且つ、反りが
少なくて、耐リフロー性に優れる片面封止型のパッケー
ジが得られる。すなわち、請求項1〜6に係る発明の封
止用エポキシ樹脂組成物によれば、反りが少なくて、耐
リフロー性に優れる片面封止型半導体装置が得られると
共に、成形後ダイシング工程での排水のアンチモンフリ
ー化を達成することができる。
る発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて片面封止型
のパッケージを封止すれば、アンチモン化合物やハロゲ
ン化合物を含有することなしに優れた難燃性を備える封
止樹脂で封止されたパッケージであって、且つ、反りが
少なくて、耐リフロー性に優れる片面封止型のパッケー
ジが得られる。すなわち、請求項1〜6に係る発明の封
止用エポキシ樹脂組成物によれば、反りが少なくて、耐
リフロー性に優れる片面封止型半導体装置が得られると
共に、成形後ダイシング工程での排水のアンチモンフリ
ー化を達成することができる。
【0054】請求項2及び請求項3に係る発明の封止用
エポキシ樹脂組成物を用いて片面封止型のパッケージを
封止すれば、上記の効果に加えて、片面封止型のパッケ
ージの反りがより改善される。
エポキシ樹脂組成物を用いて片面封止型のパッケージを
封止すれば、上記の効果に加えて、片面封止型のパッケ
ージの反りがより改善される。
【0055】請求項4及び請求項5に係る発明の封止用
エポキシ樹脂組成物を用いると、被覆層で赤リンの吸湿
を防止できて、赤リンの安定化を維持できるので、封止
した半導体等に悪影響を及ぼすことがないという効果を
奏する。
エポキシ樹脂組成物を用いると、被覆層で赤リンの吸湿
を防止できて、赤リンの安定化を維持できるので、封止
した半導体等に悪影響を及ぼすことがないという効果を
奏する。
【0056】請求項6に係る発明の封止用エポキシ樹脂
組成物を用いると、ベース基板が樹脂基板からなる場合
の片面封止型のパッケージの反りがより改善されるとい
う効果を奏する。
組成物を用いると、ベース基板が樹脂基板からなる場合
の片面封止型のパッケージの反りがより改善されるとい
う効果を奏する。
【0057】請求項7に係る発明の半導体装置は、請求
項1から請求項6までのいずれかに記載のエポキシ樹脂
組成物を用いているので、アンチモン化合物やハロゲン
化合物を含有することなしに優れた難燃性を備える封止
樹脂で封止された片面封止型半導体装置であって、パッ
ケージ反りが少なくて、且つ、耐リフロー性に優れる片
面封止型半導体装置となる。
項1から請求項6までのいずれかに記載のエポキシ樹脂
組成物を用いているので、アンチモン化合物やハロゲン
化合物を含有することなしに優れた難燃性を備える封止
樹脂で封止された片面封止型半導体装置であって、パッ
ケージ反りが少なくて、且つ、耐リフロー性に優れる片
面封止型半導体装置となる。
【図1】評価用パッケージの構造を説明するための断面
図である。
図である。
【図2】反り量を測定する位置を説明するための評価用
パッケージの平面図である。
パッケージの平面図である。
1 評価用パッケージ 2 樹脂基板 3 評価用TEGチップ 4 封止樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/04 C08K 9/04 C08L 63/00 C08L 63/00 A B C 83/04 83/04 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 櫛田 孝則 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中村 正志 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 辻 隆行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4J002 CC033 CC043 CD052 CD062 CD071 CD072 CE003 CP034 DA058 DE146 DF016 DJ006 DJ016 EN067 EN107 EU117 EU137 EW147 EY007 FA014 FB078 FB264 FB268 FD016 FD138 FD143 FD157 GQ05 4J036 AA05 AB03 AD07 AD08 AE07 AF08 DC05 DC10 DC12 DC41 DC46 DD07 FA03 FA04 FA05 FB06 FB08 GA06 JA07 4M109 AA01 BA03 CA21 EA04 EB03 EB04 EB07 EB19 EC05 EC20
Claims (7)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、硬
化促進剤及び難燃剤を含有する封止用エポキシ樹脂組成
物において、エポキシ樹脂として下記式(1)のエポキ
シ樹脂を含有し、硬化剤として、下記式(2)で示され
るフェノールノボラック樹脂であって、2核体の含有比
率が0〜10重量%であるフェノールノボラック樹脂を
含有し、さらに、難燃剤として赤リン系難燃剤を含有し
ていることを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 シリコーンレジンで被覆したシリコーン
ゴムパウダーをも含有している請求項1記載の封止用エ
ポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 硬化促進剤として、テトラフェニルホス
ホニウム・テトラフェニルボレートとフェノールノボラ
ック樹脂との反応物を含有している請求項1又は請求項
2記載の封止用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 赤リン系難燃剤として、平均粒径1〜6
μmの微紛状赤リンの表面に熱硬化性樹脂層及び無機質
層が被覆されてなる被覆層付き赤リンを含有している請
求項1乃至請求項3の何れかに記載の封止用エポキシ樹
脂組成物。 - 【請求項5】 上記被覆層付き赤リンを、封止用エポキ
シ樹脂組成物全体に対して、0.05〜1.00重量%
含有している請求項4記載の封止用エポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項6】 得られる硬化物の熱膨張係数(α1)
が、0.7×10-5(1/℃)〜1.6×10-5(1/
℃)である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の封止
用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の
封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止されてなる片面
封止型半導体装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000038750A JP2001226456A (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000038750A JP2001226456A (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001226456A true JP2001226456A (ja) | 2001-08-21 |
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---|---|---|---|
JP2000038750A Pending JP2001226456A (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2001226456A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002241581A (ja) * | 2001-02-14 | 2002-08-28 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
JP2008214479A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 無機材料部品 |
JP2009275146A (ja) * | 2008-05-15 | 2009-11-26 | Nitto Denko Corp | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 |
JP2016148054A (ja) * | 2011-07-08 | 2016-08-18 | 日立化成株式会社 | コンプレッション成形用半導体封止樹脂材料及び半導体装置 |
-
2000
- 2000-02-16 JP JP2000038750A patent/JP2001226456A/ja active Pending
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