JP2001226362A - アミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬 - Google Patents

アミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シナプス形成促進活性を有し、低毒性で組織
移行性が改良されたアミノアルコール誘導体、その薬学
的な許容塩並びにそれらを含む医薬、特に神経疾患の治
療剤または脳保護剤を提供する。 【解決手段】式(I)で示されるアミノアルコール誘導
体又は薬学的に許容されるその塩。 【化1】 式中、*は不斉炭素を示し、Rは下記〜で示される
カルボン酸誘導体類の残基を表す。 (COCH2NH)mZの(ポリ)グリシンの残基(m:1
〜3、Z:アミノ基の保護基、アルカノイル基) CO−W−Yで示されるカルボン酸誘導体残基
(W:アルキレン基、シクロアルキレン基、Y:OH基、単糖残基、アリール
基、アルコキシ基等) CO−W−CO−Xで示されるジカルボン酸又はそ
の誘導体残基(ただし、W:アルキレン基、シクロアルキレン基、Xは
OH基、アルコキシ基、アルキル基、α-アミノ酸残基、またはNR1
2(R1,R2は:H、アルキル基、ヒト゛ロキシアルキル基等)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミド類縁体で
あるアミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬、
特に神経疾患の治療剤及び脳保護剤に関する。
【0002】
【従来の技術】スフィンゴ糖脂質(以下、GSLとい
う)は、哺乳動物細胞の細胞表面膜構成成分として存在
しており、生理活性物質のレセプター機能、細胞間相互
認識機能及び細胞間相互作用等を介して発生、増殖、分
化、癌化及び免疫反応等の細胞機能に重要な役割を果た
している。なかでもガングリオシドはシアル酸を含有す
るGSLで、末梢神経損傷や中枢神経障害等の神経疾患
の回復、すなわち神経の再生促進や神経伝達過程に活性
を持つといわれ、現在までに神経系の種々の病態モデル
に対する外因性ガングリオシドの有効性が検討されてい
る。既に、これを利用した薬剤としてイタリアでクロナ
シアル(CronassialTM)なる薬剤が上市され、関連する
特許も知られている(特公昭62−50450号)。
【0003】現在、ガングリオシドの機能を探る手法と
して最も多く使われているものは、実験系に外からガン
グリオシドを添加するというタイプのものであるが、そ
の場合内因性ガングリオシドとの関連が問題となる。つ
まり、細胞膜に存在する内因性ガングリオシドが種々の
細胞表面受容体等と既に複合体を形成している中に、更
にガングリオシドを添加して導きだされる結果は、内因
性ガングリオシドの真の細胞生理学的意義を常に反映し
ているとは限らないと考えられるからである。したがっ
て、ガングリオシドの細胞生理学上における本来の役割
を知るためには、内因性GSLの生合成を特異的に変化
させる方法が必要であった。
【0004】ところで、セラミドのアナログであるD−
トレオ−1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モ
ルホリノ−1−プロパノール(D−トレオ−PDMP)
がグルコシルセラミド生合成酵素を特異的に阻害し、グ
ルコシルセラミドを出発物質とする全てのGSLの細胞
内含量を著しく減少させることが報告され(J. Lipid.
Res., 28, p565-571, 1987)、更に、D−トレオ−PD
MPにより神経突起の伸展が抑制されることも報告され
ている(J. Biochem., 110, p96-103, 1991)。また、
D−トレオ−PDMPがシナプス機能を抑制し、この抑
制は種々のガングリオシドのなかでGQ1bにより特異
的に解除されることが見出されている(Biochem. Bioph
ys. Res. Commun., 222, p494-498, 1996)。これらの
結果より、ガングリオシドGQ1bはシナプス機能に必
須の活性分子であることが示唆され、内因性ガングリオ
シドの神経機能に及ぼす重要性が認識されている。
【0005】一方、D−トレオ−PDMPの光学対掌体
であるL−トレオ−PDMP(単に「L−PDMP」と
いうこともある)は、GSLの生合成を促進する可能性
が示唆されている(J. Cell. Physiol., 141,p573-583,
1989)。また、L−トレオ−PDMP等の2−アシルア
ミノプロパノール誘導体が、神経細胞のガングリオシド
生合成を促進し、神経突起伸展促進効果(J. Neuroche
m., 67,p1821-1830,1996)及びシナプス形成促進効果を
発揮し、神経疾患治療剤として有望であることも示され
ている(PCT国際公開WO95/05177)。
【0006】更に、L−トレオ−PDMPの神経栄養因
子様活性の作用機序の解明を目的とし、N−メチル−D
−アスパルテート(NMDA)や脳由来神経栄養因子
(Brain Derived Neurotrophic Factor;BDNF)等でシナ
プス伝達を持続的に亢進したときに活性化されるMAPキ
ナーゼ(MAPkinase;mitogen-activated proteinkinas
e)に対する、これらの物質の影響について検討した結
果、L−トレオ−PDMPはシナプス形成促進効果に比
例してMAPキナーゼを長時間活性化させることが判明
し、さらにL−トレオ−PDMPはGQ1b合成酵素活
性を上昇させることが見出されている(Biochem.Biophy
s.Res.Commun.,237,p595-600,1997)。しかし、L−ト
レオ−PDMPは、生体内で薬効を発揮するには、薬効
毒性比、組織移行性について更に改良の余地があると判
断された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、L−ト
レオ−PDMP等の2−アシルアミノプロパノール誘導
体のアシルアミノ基を改変することにより、該誘導体を
哺乳動物に投与した際、毒性が低く、誘導体の組織移行
性が著しく改善されることを見出し、これらの知見に基
づいて本発明を完成させるに到った。本発明の目的は、
シナプス形成促進活性および/または糖脂質生合成促進
活性を有し、毒性が低く、組織移行性が改良されたアミ
ノアルコール誘導体または薬学的に許容されるその塩を
提供することである。本発明の他の目的は、該アミノア
ルコール誘導体を含む医薬、特に神経疾患の治療剤また
は脳保護剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミド類縁
体であるアミノアルコール誘導体及びそれを含有する医
薬、特に神経疾患の治療剤及び脳保護剤に関するもので
あり、本発明の第1の要旨は、以下に示す通りである。 (1)式(I)で示されるアミノアルコール誘導体又は
薬学的に許容されるその塩。
【化1】
【0009】式中、*は不斉炭素を示し、Rは下記若
しくはで示されるモノカルボン酸誘導体の残基、又は
で示されるジカルボン酸またはその誘導体の残基を表
す。 (COCH2NH)mZで示されるグリシンまたはポ
リグリシンの残基(ただし、mは1〜3の整数を、Zはア
ミノ基の保護基またはアルカノイル基を示す) CO−W−Yで示されるカルボン酸誘導体の残基
(ただし、Wはアルキレン基またはシクロアルキレン
基、Yはヒドロキシル基、単糖残基、置換基を有し得る
アリール基、またはアルキル鎖中に酸素原子を含み得る
アルコキシ基を示す) CO−W−CO−Xで示されるジカルボン酸または
その誘導体の残基[ただし、Wはアルキレン基またはシ
クロアルキレン基、Xはヒドロキシル基、鎖状若しくは
環状のアルコキシ基、アルキル基、α-アミノ酸残基、
またはNR1 2(R1,R2はそれぞれ同一または異なる
水素原子、アルキル鎖中に酸素原子を含み得る鎖状若し
くは環状のアルキル基、アルキル鎖中に酸素原子を含み
得る鎖状若しくは環状のヒドロキシアルキル基を表す)
を示す]。
【0010】本発明の第2の要旨は、 (2)上記式(I)で示されるアミノアルコール誘導体
又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有す
る医薬に存する。なお、一般式(I)の化合物には4種
類の立体配置(1S,2S)、(1S,2R)、(1R,2S),(1R,2R)が存
在するが、神経疾患の治療剤または脳保護剤の有効成分
としては、立体配置が(1S,2S)であるL-トレオ体
が好ましい。
【0011】本発明の好適な態様として以下のアミノア
ルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を挙げる
ことが出来る。 (a)上記式(I)において、Rが下記乃至のいず
れかで表されることよりなる上記式(1)に記載のアミ
ノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩。 (COCH2NH)mZ(Zは炭素数8〜15のアラ
ルキルオキシカルボニル基および炭素数5〜7のアルコ
キシカルボニル基から選ばれるアミノ保護基または炭素
数4〜8のアルカノイル基を示す) CO−W−Y(Wは炭素数1〜12のアルキレン基
または炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、Yは
ヒドロキシル基、グルコース残基、ガラクトース残基、
N-アセチルグルコサミン残基、N-アセチルガラクトサミ
ン残基、マンノース残基、フコース残基、シアル酸残
基、置換基を有し得るフェニル基、炭素数1〜6のアル
コキシ基またはアルキル鎖中に1〜3個の酸素原子を含
む炭素数4〜12のアルコキシ基を示す) CO−W−CO−X[Wは炭素数1〜12のアルキ
レン基または炭素数4〜8のシクロアルキレン基であ
り、Xはヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシ
基、炭素数5〜8のシクロアルコキシ基、炭素数1〜6
のアルキル基、側鎖に反応性の官能基を有するα-アミ
ノ酸残基またはNR12(R1,R2はそれぞれ同一また
は異なる水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、シクロ
ヘキシル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基
を示す)を示す]。
【0012】(b)上記式(I)において、Rが下記
乃至のいずれかで表されることよりなる上記式(1)
に記載のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容され
るその塩。 (COCH2NH)mZ(Zはベンジルオキシカルボ
ニル基、t−ブトキシカルボニル基またはヘキサノイル
基を示す) CO−W−Y(Wは炭素数1〜9のアルキレン基、
Yはヒドロキシル基、グルコース残基、ガラクトース残
基、N-アセチルグルコサミン残基、N-アセチルガラクト
サミン残基、シアル酸残基、炭素数1〜3のアルコキシ
基で置換されたフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基またはアルキル鎖中に1個の酸素原子を含む炭素数6
〜8のアルコキシ基を示す) CO−W−CO−X[Wは炭素数2〜8のアルキレ
ン基またはシクロヘキシレン基であり、Xはヒドロキシ
ル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;シクロヘキシルオ
キシ基;メチル基;リジン、アルギニン、ヒスチジン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチン、システイ
ン、セリン、トレオニンおよびチロシンから選ばれるア
ミノ酸残基、あるいはNR12(R1,R2はそれぞれ同
一または異なる水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル
基、シクロヘキシル基またはヒドロキシエチル基を示
す)を示す]
【0013】(c)上記式(I)において、RはCO−
W−CO−Xで表され、且つ、Wは炭素数2〜8のアル
キレン基であり、Xはヒドロキシル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基またはメチル基であることよりなる上記式
(1)に記載のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許
容されるその塩。 (d)上記式(I)において、RはCO−W−CO−X
で表され、且つ、Wは炭素数4〜8のアルキレン基であ
り、Xはリジン残基またはオルニチン残基であることよ
りなる上記式(1)に記載のアミノアルコール誘導体又
は薬学的に許容されるその塩。
【0014】(e)上記式(I)において、RはCO−
W−CO−Xで表され、且つ、Wは炭素数4〜8のアル
キレン基またはシクロヘキシレン基であり、XはNR1
2(R1、R2はそれぞれ同一または異なる水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−
ヘキシル基、シクロヘキシル基またはヒドロキシエチル
基)であることよりなる上記式(1)に記載のアミノア
ルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩。
【0015】(f)上記式(I)において、RはCO−
W−Yで表され、且つ、Wはノニレン基であり、Yはヒ
ドロキシル基であることよりなる上記式(1)に記載の
アミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその
塩。 (g)上記式(I)において、RはCO−W−Yで表さ
れ、且つ、Wはメチレン基であり、Yはn−ブトキシ基
またはアルキル鎖中に1個の酸素原子を含む炭素数6〜
8のアルコキシ基であることよりなる上記式(1)に記
載のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるそ
の塩。
【0016】(h)上記式(I)において、RはCO−
W−Yで表され、且つ、Wはオクチレン基であり、Yは
シアル酸残基であることよりなる上記式(1)に記載の
アミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその
塩。
【0017】更に、本発明の好適な医薬の態様として上
記の(1)、(a)〜(h)のいずれかに記載のアミノ
アルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を有効
成分とする神経疾患の治療剤又は脳保護剤を挙げること
が出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の化合物は式(I)で示されるアミノアルコ
ール誘導体又は薬学的に許容されるその塩(以下、「本
発明化合物」ということもある。)であり、式中におけ
る置換基Rの定義〜は上記に示したとおりである
が、置換基〜に相応するこれらの具体例を以下に示
す。式(I)において、Rが(COCH2NH)mZであ
る本発明化合物としては、mは1〜3,好ましくは1ま
たは2であり、Zは炭素数8〜15のアラルキルオキシ
カルボニル基および炭素数5〜7のアルコキシカルボニ
ル基から選ばれるアミノ保護基または炭素数4〜8のア
ルカノイル基であるアミノアルコール誘導体又は薬学的
に許容されるその塩が挙げられる。
【0019】アミノ保護基としては、ウレタン型の保護
基が挙げられ、具体的にはベンジルオキシカルボニル
基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−ブロ
モベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジル
オキシカルボニル基、p−メトキシフェニルアゾベンジ
ルオキシカルボニル基、p−フェニルアゾベンジルオキ
シカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基またはシク
ロペンチルオキシカルボニル基が挙げられ、好ましくは
ベンジルオキシカルボニル基またはt−ブトキシカルボ
ニル基である。アルカノイル基としては好ましくはヘキ
サノイル基が挙げられる。Rが(COCH2NH)mZで
ある式(I)で示されるより具体的な化合物としては、
(1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルグリシ
ルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパ
ノール、(1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニ
ルグリシルグリシルアミノ−3−モルホリノ−1−フェ
ニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−(n-ブ
トキシ)カルボニルグリシルアミノ−3−モルホリノ−
1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2
−(n-ヘキサノイル)グリシルアミノ−3−モルホリノ−
1−フェニル−1−プロパノールが挙げられる。
【0020】式(I)において、RがCO−W−CO−
Xである本発明化合物としては、Wは炭素数1〜12の
アルキレン基または炭素数4〜8のシクロアルキレン基
であり、Xはヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキ
シ基、炭素数5〜8のシクロアルコキシ基、炭素数1〜
6のアルキル基、側鎖に反応性の官能基(例えば、アミ
ノ基、グアニジノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基)を有するα-アミノ酸残基またはNR12(R1,R
2はそれぞれ同一または異なる水素原子、炭素数1〜6
のアルキル基、シクロヘキシル基または炭素数2〜4の
ヒドロキシアルキル基を示す)であるアミノアルコール
誘導体又は薬学的に許容されるその塩が挙げられる。こ
れらの中より具体的には、Wは炭素数2〜8のアルキレ
ン基またはシクロヘキシレン基であり、Xはヒドロキシ
ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シクロヘキシルオ
キシ基、メチル基、またはリジン、アルギニン、ヒスチ
ジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチン、シ
ステイン、セリン、トレオニンおよびチロシンから選ば
れるアミノ酸残基あるいはNR12(R1,R2はそれぞ
れ同一または異なる水素原子、炭素数1〜6の直鎖アル
キル基、シクロヘキシル基またはヒドロキシエチル基を
示す)である化合物が挙げられる。
【0021】RがCO−W−CO−Xである式(I)の
具体的な化合物としては、(1S,2S)−2−(n-ブ
トキシ)ブタンジオイルアミノ−3−モルホリノ−1−
フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−エ
トキシヘキサンジオイルアミノ−3−モルホリノ−1−
フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−イ
ソプロポキシヘキサンジオイルアミノ−3−モルホリノ
−1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−
2−(n-ブトキシヘキサンジオイル)アミノ−3−モルホ
リノ−1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2
S)−2−メトキシデカンジオイルアミノ−3−モルホ
リノ−1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2
S)−2−(9-カルボキシノナノイル)アミノ−3−モル
ホリノ−1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2
S)−2−(7-オキソオクタノイル)アミノ−3−モル
ホリノ−1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2
S,12S)−2−(12-アミノ-7-アザ-6-オキソ-12-カル
ボキシドデカノイル)アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール、(1S,2S,16S)−2
−(16-アミノ-11-アザ-10-オキソ-16-カルボキシヘキサ
デカノイル)アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−
1−プロパノールが挙げられる。
【0022】更に、(1S,2S)−2−(3-ブチルカ
ルバモイル)プロピオニルアミノ−3−モルホリノ−1
−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−
(N-ブチル-N-メチルアミノ)ブタンジオイルアミノ−3
−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール、(1
S,2S)−2−(5-エチルカルバモイル)ペンタノイ
ルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパ
ノール、(1S,2S)−2−(5-シクロヘキシルカル
バモイル)ペンタノイルアミノ−3−モルホリノ−1−
フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−
(5-ヘキシルカルバモイル)ペンタノイルアミノ−3−
モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール、(1
S,2S)−2−(9-ブチルカルバモイル)ノナノイルア
ミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノー
ル、(1S,2S)−2−(9-ヘキシルカルバモイル)ノ
ナノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−
プロパノール、(1S,2S)−2−(N,N-ジエタノー
ルアミノ)デカンジオイルアミノ−3−モルホリノ−1
−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−
(シクロヘキサン−4−ヘキシルカルバモイル−1−カル
ボニル)アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−
プロパノールも挙げられる。
【0023】更に式(I)において、RがCO−W−Y
である本発明化合物としては、Wは炭素数1〜12のア
ルキレン基または炭素数4〜8のシクロアルキレン基で
あり、Yはヒドロキシル基、グルコース残基、ガラクト
ース残基、N-アセチルグルコサミン残基、N-アセチルガ
ラクトサミン残基、マンノース残基、フコース残基、シ
アル酸残基、置換基を有し得るフェニル基、炭素数1〜
6のアルコキシ基またはアルキル鎖中に1〜3個の酸素
原子を含む炭素数4〜12のアルコキシ基であるアミノ
アルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩が挙げ
られる。これらの中より具体的には、Wは炭素数1〜9
のアルキレン基、Yはヒドロキシル基、グルコース残
基、ガラクトース残基、N-アセチルグルコサミン残基、
N-アセチルガラクトサミン残基、シアル酸残基、炭素数
1〜3のアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数
1〜4のアルコキシル基またはアルキル鎖中に1個の酸
素原子を含む炭素数6〜8のアルコキシル基である化合
物が例示される。
【0024】RがCO−W−Yである一般式(I)の具
体的な化合物としては、(1S,2S)−2−(10-ヒド
ロキシデカノイル)アミノ−3−モルホリノ−1−フェ
ニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−(9-シ
アリルノナノイル)アミノ−3−モルホリノ−1−フェ
ニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−[4-(4-
メトキシフェニル)ブチリル]アミノ−3−モルホリノ−
1−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2
−(3-オキサヘプタノイル)アミノ−3−モルホリノ−1
−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−
(3,6-ジオキサデカノイル)アミノ−3−モルホリノ−1
−フェニル−1−プロパノール、(1S,2S)−2−
(3,6-ジオキサドデカノイル)アミノ−3−モルホリノ−
1−フェニル−1−プロパノールが挙げられる。
【0025】本発明化合物中、毒性が低く、シナプス形
成活性が高い化合物の具体例としては特に、上記式
(I)において、RがCO−W−CO−Xで示される化
合物又はRがCO−W−Yで示される化合物であり、W
およびX若しくはYで示される基がそれぞれ表−1に示
す以下の組合せからなる化合物が挙げられる。
【0026】
【表1】
【0027】式(I)で示される本発明のアミノアルコ
ール誘導体は、式(II)で示されるアミノアルコール誘
導体のアミノ基に、置換基Rに対応するカルボン酸又は
その反応性誘導体を用い、自体既知の方法であるペプチ
ド結合生成反応によりRを導入することによって得られ
るが、このような方法に限定されるものではない。
【化2】
【0028】Rに対応するカルボン酸誘導体に、反応性
の高い官能基が含まれる場合は、この官能基をあらかじ
め適当な保護基で保護し、所望のペプチド結合生成反応
を行った後、脱保護させてもよい。また、脱保護により
得られた反応性官能基(例えばアミノ基、カルボキシル
基)に自体既知の方法であるペプチド結合生成反応また
はエステル化反応を繰り返すことにより、所望の化合物
を得ることができる。
【0029】ペプチド結合生成方法としては、上記Rに
対応するカルボン酸と縮合剤を用いる方法、酸無水物を
用いる方法、酸ハロゲン化物を用いる方法等が例示され
る。具体的には、式(II)で示されるアミノアルコール
誘導体又はその酸付加塩(例、塩酸塩)を水、塩化メチ
レン、ピリジン、エタノール等の溶媒中、上記カルボン
酸と縮合剤[例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)や水溶性カルボジイミド(WSC)、より具体的
には1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(EDC)]と必要に応じてN-ヒドロキシス
クシンイミド等の活性化剤を用いて反応させる方法、酸
無水物又は酸ハロゲン化物(例えば、酸塩化物)と塩基
(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、
炭酸水素ナトリウムのような無機塩基)を用いて反応さ
せる方法等が例示される。なお、反応の際に使用する溶
媒は、ペプチド結合生成反応を阻害せず、上記アミノア
ルコール誘導体およびカルボン酸誘導体を溶解するもの
であれば、特に限定されるものではない。
【0030】ペプチド結合生成反応は、通常約0〜50
℃、好ましくは室温下(5〜35℃(JIS K005
0))、数時間〜数日間、好ましくは10時間〜2日間
行われるが、反応条件は当業者であれば予備実験によっ
て適宜に設定することができる。ペプチド結合生成反応
の後、酢酸エチル、クロロホルム等による溶媒抽出、各
種クロマトグラフィー(吸着クロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィー等)、結晶化等の自体既知の
精製手段を適宜に組み合わせて式(I)で表される本発
明化合物を精製・単離することができる。
【0031】本発明化合物の出発物質である式(II)の
化合物の製法としては、特開平9−216856号公報
に記載されているような公知の方法を適宜採用すること
ができる。具体的には次に示すように、式(III)で表
されるキラル化合物を出発物質として使用し、下記工程
の反応式に従い順次反応させることにより所望の立体配
置を有する化合物として得られる。
【0032】
【化3】
【0033】(工程式中、*は不斉炭素を表し、P1
アミノ基の保護基であり、例えばベンジルオキシカルボ
ニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンゼンスルホニ
ル基、フルオレニルメトキシカルボニル基等が挙げられ
る。Yはメタンスルホニル、トリハロゲノメタンスルホ
ニル、P−トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニル、
P−ブロモベンゼンスルホニル基等の脱離基を表す)
【0034】すなわち、式(III)で示されるアミノア
ルコール誘導体の1級水酸基のみに脱離基(Y)を導入
して式(IV)で示される化合物とした後、該化合物にモ
ルホリンを反応させて式(V)で示されるアミノアルコ
ール誘導体となし、該化合物よりP1を脱離させること
により、式(II)で示されるキラルなアミノアルコール
誘導体を得ることができる。このようにして得られた式
(II)の化合物は、上記の反応に従い式(I)の化合物
に誘導される。
【0035】本発明の式(I)で示される化合物の薬学
的に許容される塩としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸
等の無機酸塩、ギ酸、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ
酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、トリ
フルオロ酢酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、P−ト
ルエンスルホン酸(トシル酸)等の有機酸の塩をあげる
ことができる。このような塩の製造は自体既知の方法に
よって行うことができ、例えば式(I)で示される化合
物(遊離型)をアルコール等の適宜な溶媒に溶解し、通
常等モル程度の上記の酸を添加して反応させ、所望によ
り溶媒を留去すればよい。
【0036】本発明化合物の式(I)で示されるアミノ
アルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩は、糖
脂質の生合成の制御作用に関与する特性を有し、該特性
に基づく医薬としての有用性を有している。式(I)で
示される化合物のうちシナプス形成促進効果及び/又は
糖脂質(ガングリオシド等)生合成促進作用を有する化
合物は、神経突起伸展促進効果、神経細胞死防止効果、
MAPキナーゼ活性化効果を有すると予想され、このよう
な効果に基づく神経疾患治療剤として有用である。した
がって、本発明化合物の有効量を、末梢神経又は中枢神
経の障害に起因する神経疾患に罹患したヒトを含む哺乳
動物に投与することによって、該動物を治療することが
できる。代表的な疾患として、例えば脳卒中、脳梗塞、
脳血管障害後遺症、脳出血、脳外傷、記憶障害、老年痴
呆、アルツハイマー病やパーキンソン氏病等の、神経繊
維が再生されることによって治療効果が期待される種々
の中枢神経系疾患;並びに、例えば代謝障害性多発性神
経障害、機械的神経障害、毒性神経障害等の種々の末梢
神経系疾患が挙げられる。特にシナプス形成促進活性を
有する本発明化合物は、中枢神経系疾患治療剤、特に脳
保護剤若しくは脳神経賦活・保護剤として、例えば脳血
管障害後遺症の治療に有効である。
【0037】〔製剤化〕本発明の式(I)で示される化
合物およびその薬学的に許容される塩は、ヒトを含む哺
乳動物の各種疾患(例えば神経疾患)の治療に用いるこ
とができ、該化合物およびその塩を、担体、賦形剤、そ
の他の添加物と共に、経口又は非経口的に投与する製剤
とすることができる。経口製剤としては、散剤、顆粒
剤、カプセル剤、錠剤等の固形製剤;シロップ剤、エリ
キシル剤、乳剤等の液状製剤を挙げることができる。散
剤は、例えば乳糖、デンプン、結晶セルロース、乳酸カ
ルシウム、リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン
酸マグネシウム、無水ケイ酸等の賦形剤と混合して得る
ことができる。顆粒剤は、上記賦形剤のほか、必要に応
じて、例えば白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルピロリドン等の結合剤や、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の
崩壊剤を更に加え、湿式又は乾式で造粒して得ることが
できる。錠剤は、上記散剤又は顆粒剤をそのまま、又は
ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤を加えて
打錠して得ることができる。また、上記錠剤又は顆粒剤
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
メタクリル酸メチルコポリマー、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースサクシネート等の腸溶性基剤で被覆し、ある
いはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油、白色
セラック等で被覆し、これらを腸溶性又は持続性製剤に
することができる。
【0038】硬カプセル剤は、上記散剤又は顆粒剤を硬
カプセルに充填して得ることができる。また軟カプセル
剤は、本発明化合物を、グリセリン、ポリエチレングリ
コール、ゴマ油、オリーブ油等に溶解し、これをゼラチ
ン膜で被覆して得ることができる。シロップ剤は、白
糖、ソルビトール、グリセリン等の甘味剤と本発明化合
物とを、水に溶解して得ることができる。また、甘味剤
及び水のほかに、精油、エタノール等を加えてエリキシ
ル剤とするか、あるいはアラビヤゴム、トラガント、ポ
リソルベート類(ポリソルベート20、ポリソルベート
60、ポリソルベート80(トウィーン80)等)、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム等を加えて乳剤又
は懸濁剤にすることもできる。またこれらの液状製剤に
は必要に応じ、矯味剤、着色剤、保存剤等を加えること
ができる。
【0039】非経口製剤としては、注射剤、直腸投与
剤、ペッサリー、皮膚外用剤、吸入剤、エアゾール剤、
点眼剤等を挙げることができる。注射剤は、本発明化合
物に、必要に応じてポリソルベート類等の非イオン界面
活性剤;塩酸、水酸化ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウ
ム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム
等のpH調整剤;塩化ナトリウム、ブドウ糖等の等張化
剤;アミノ酸類等の安定化剤;及び注射用蒸留水又は生
理食塩水を加え、滅菌濾過した後、アンプルに充填して
得ることができる。また更にマンニトール、デキストラ
ン、ゼラチン等を加えて真空凍結乾燥し、用時溶解型の
注射剤とすることができる。その他、粉末充填型の注射
剤とすることもできる。また本発明化合物に、レシチ
ン、ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油、マクロゴール等の乳化剤を加えた後、水中で乳化さ
せた注射用乳剤にすることもできる。
【0040】また、注射剤としては、溶解性、目標臓器
への移行速度の改善が可能なリポソーム製剤やリピッド
マイクロスフェア等が挙げられる。特にナノスフェア−
リポソーム(脂質超微粒子)は網内系組織に取り込まれ
ることなく血中濃度を高め、薬効発現に必要な最小有効
投与量を低下させることができるだけでなく、脳血管関
門を10倍程度通過しやすくするので、脳の神経疾患の
治療に使用する場合に好適である。リポソーム製剤は公
知のリポソーム調製法(C.G. Knight, Liposomes: From
Physical Structure to Therapeutic Applications, p
p. 51-82, Elsevier, Amsterdam (1981); Proc. Natl.
Acad. Sci., U.S.A., Vol.75, 4194(1978))に従って調
製することができる。
【0041】すなわち、リポソーム膜を形成する両親媒
性物質としては、天然リン脂質(卵黄レシチン、大豆レ
シチン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルセリン、
ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシト
ール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジル
エタノールアミン、カルジオリピン等)、合成リン脂質
(ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイ
ルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジ
ルエタノールアミン等)等のリン脂質が使用される。ま
た、膜の安定性、流動性、薬剤の膜透過性を改善するた
めに、コレステロール類(コレステロール、エルゴステ
ロール、フィトステロール、シトステロール、スチグマ
ステロール等)、リポソームに負電荷を付与することが
知られている物質(ホスファチジン酸、ジセチルホスフ
ェート等)、正電荷を付与することが知られている物質
(ステアリルアミン、ステアリルアミンアセテート
等)、酸化防止剤(トコフェロール等)、油性物質(大
豆油、綿実油、ゴマ油、肝油等)等、公知の種々の添加
剤を使用してもよい。
【0042】リポソームの製造は、例えば、以下の方法
で行うことができる。上記両親媒性物質及び添加剤と、
本発明化合物を、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメ
タン、エタノール、メタノール、ヘキサン等の単独又は
混合溶媒)にそれぞれ溶解し、両溶液を混合し、フラス
コ等の容器中において不活性ガス(窒素ガス、アルゴン
ガス等)の存在下で有機溶媒を除去し、器壁に薄膜を付
着させる。次いで、この薄膜を適当な水性媒体(生理食
塩水、緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等)に加え、攪拌
機で攪拌する。小粒径のリポソームを得るためには、超
音波乳化機、加圧型乳化機、フレンチプレス細胞破砕機
等を用いて更に分散させる。このようにリポソーム化に
必要な両親媒性物質等と本発明誘導体が水性媒体に分散
した液をメンブランフィルター処理することによってリ
ポソーム化が進行し、粒径分布が制御されたナノスフェ
ア−リポソーム(脂質超微粒子;粒径25〜50nm程
度)を得ることができる。また、リポソームを限外濾
過、遠心分離、ゲル濾過等の分画処理に付し、担持され
なかった薬剤を除去してもよい。
【0043】また、膜形成物質として、上記両親媒性物
質、添加剤の他に、β−オクチルグルコシド、L−チロ
シン−7−アミド−4−メチルクマリン、フェニルアミ
ノマンノシド又はスルファチドを添加することによって
得られる、グルコース残基、チロシン残基、マンノース
残基又はスルファチドを膜上に有するリポソームに本発
明化合物である式(I)のアミノアルコール誘導体を担
持させることによって、脳血管関門を通過しやすくする
こともできる(方法自体は、特開平4−69332号参
照)。リピッドマイクロスフェアは、本発明化合物を大
豆油、ゴマ油等に溶解し、天然リン脂質、グリセリン、
水等を加え攪拌機で攪拌し、更に超音波乳化機、加圧型
乳化機、フレンチプレス細胞破砕機等を用いて分散させ
ることにより得られる。
【0044】直腸投与剤は、本発明化合物に、カカオ脂
肪酸のモノ、ジ又はトリグリセリド、ポリエチレングリ
コール等の坐剤用基剤を加えた後、加温して溶融し、こ
れを型に流し込んで冷却するか、あるいは本発明化合物
を、ポリエチレングリコール、大豆油等に溶解した後、
ゼラチン膜で被覆して得ることができる。皮膚外用剤
は、本発明化合物に、白色ワセリン、ミツロウ、流動パ
ラフィン、ポリエチレングリコール等を加え、必要に応
じ加温し、混練して得ることができる。
【0045】テープ剤は、本発明化合物に、ロジン、ア
クリル酸アルキルエステル重合体等の粘着剤を混練し、
これを不織布等に展延して得ることができる。吸入剤
は、例えば薬学的に許容される不活性ガス等の噴射剤
に、本発明化合物を溶解又は分散し、これを耐圧容器に
充填して得ることができる。本発明化合物を神経疾患の
治療剤、特に脳保護剤若しくは脳神経賦活・保護剤とし
て使用する場合は、注射剤が好ましく、静脈注射剤がよ
り好ましい。このような注射剤は本発明化合物の脳内移
行性を考慮して、リピッドマイクロスフェア製剤、界面
活性剤を含む製剤としてもよい。
【0046】〔投与方法〕本発明化合物を有効成分とし
て含有する薬剤の投与方法は、特に限定されないが、中
枢神経系の障害に起因する神経疾患の治療に使用する場
合、筋肉内注射、静脈内注射、皮下注射又は腹腔内注射
等の注射、経直腸投与、経肺投与、点眼、経口投与など
が好ましい。また、末梢神経系の障害に起因する神経疾
患の治療に使用する場合、筋肉内注射、経皮投与、点
眼、経口投与などが好ましい。投与量は、患者の年令、
健康状態、体重等に応じ適宜決定するが、一般には、本
発明化合物を0.25〜200mg/kg 、好ましくは0.
5〜100mg/kg を一日1回あるいはそれ以上に分けて
投与する。
【0047】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。 <合成例>本発明化合物の合成例を実施例1〜28に示
す。なお、本発明化合物の中間体の合成例は、調製例と
して示し、又反応温度について特に記載のないものは、
室温下にて反応を行った。更に、実施例および調製例に
おける生成物質の同定は核磁気共鳴吸収により行った。
本発明実施例で合成した化合物は全てL−トレオ体であ
り、下記式(I)'で表される。なお、式中*、Rは上記と
同義である。
【0048】
【化4】
【0049】下記実施例中における略号は、それぞれ下
記を意味する。 EDC :1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩 Z :ベンジルオキシカルボニル基 L-PDMP :(1S,2S)-1-フェニル-2-テ゛カノイルアミノ-3-モルホリノ-1-フ゜ロハ
゜ノール14 C-GaL:D-[1-14C]ガラクトース EDTA :エチレンジアミン四酢酸 PBS :ダルベッコりん酸緩衝塩類溶液 DMSO :ジメチルスルホキシド
【0050】実施例1 (1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルグリシ
ルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパ
ノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール716.5mg(3.04mmol)に塩化
メチレン(25ml)、Z-グリシン 635.4mg(3.04mmol)、
N-ヒドロキシスクシンイミド 699.3mg(6.08mmol)、ED
C 582.3mg(3.04mmol)を加え、18時間攪拌した後、Z-
グリシン 635.3mg(3.04mmol)、トリエチルアミン 846
μl(6.08mmol)を加え、さらに16時間攪拌した。反応
溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 70mlを加え、酢酸
エチル 100mlで抽出し、有機層を水70ml、飽和食塩水 7
0mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、
溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
20:1)で精製し、無色油状の標記物質494.0mg(収率3
8.1%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.39-7.25(10H,m,aromatic),6.43
(1H,brs,NH), 5.34(1H,brs,NH), 5.11(2H,m,COOCH2),4.
96(1H,d,J=2.93Hz,H-1),4.29(1H,m,H-2),3.76(2H,m,C
OCH2 -NH), 3.69(4H,m,(CH2)2O), 2.55(6H,m,CH2N(C
H2)2)13 C-NMR(CDCl3)δ: 169.2, 156.5,140.6, 136.0, 129.
1, 129.0, 128.6, 128.4, 128.3, 128.1, 127.8, 126.
6, 126.0, 75.1, 67.3, 66.9, 59.7, 54.4, 51.2, 44.7
【0051】実施例2(1S,2S)−2−ベンジルオキシカルボニルグリシ
ルグリシルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1
−プロパノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール232mg(0.98mmol)に塩化メ
チレン:メタノール=1:1(5ml)、トリエチルアミン
274μl(1.97mmol)を加え、溶液A2とした。一方、Z-グ
リシルグリシン262.0mg(0.98mmol)に、塩化メチレ
ン:メタノール=1:1(5ml)、1-ヒドロキシベンゾト
リアゾール263.9mg(0.99mmol)を加え、溶液B2とし
た。溶液A2と溶液B2を混合し、EDC 189.8mg(0.99mmo
l)を加え、18時間攪拌した後、Z-グリシルグリシン 26
0.0mg(0.98mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール2
64.6mg(1.00mmol)を追加し、さらに3時間攪拌した。
反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 70mlを加え、
酢酸エチル 100mlで抽出し、有機層を水 70ml、飽和食
塩水70mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=20:1)で精製し、無色油状の標記物質 90.0mg(収
率19.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.33-7.20(10H,m,aromatic),6.94
(1H,brs,NH), 6.05(1H,brs,NH), 5.04(2H,m,COOCH2),4.
88(1H,d,J=3.42Hz,H-1),4.28(1H,m,H-2),3.8(4H,m,CO
CH2 -NH), 3.62(4H,brs,(CH2)2O), 2.45(6H,m,CH2N(CH2)
2)13 C-NMR(CDCl3)δ: 169.8, 169.0, 156.7,141.0, 136.
0, 128.5, 128.2, 127.9, 127.6, 126.1, 74.2, 67.1,
66.7, 59.4, 54.0, 51.5, 44.3, 42.9
【0052】実施例3 (1S,2S)−2−(n-ブトキシ)カルボニルグリシル
アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノ
ールの合成 下記調製例1で得た(1S,2S)−2−グリシルアミ
ノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノー
ル、188.7mg (0.64mmol)にメタノール 3ml、トリエチル
アミン178μl (1.28 mmol)、クロロギ酸n-ブチル 100
μl (0.77 mmol)を加え、15時間攪拌した。反応溶液
に飽和炭酸水素ナトリウム溶液 35mlを加え、酢酸エチ
ル 50mlで抽出し、有機層を水 35ml、飽和食塩水 35ml
で順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒
を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル、酢酸エチル:メタノ
ール=20:1)で精製し、無色油状の標記物質 160.9mg
(収率 64.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.33-7.23(5H,m,aromatic),6.67(1
H,brs,NH), 5.61(1H,brs,NH), 4.91(1H,s,H-1),4.26(1
H,m,H-2),4.03(2H,t,COOCH2),3.70-3.66(6H,m,COCH2 -N
H及び(CH2)2O), 2.58-2.39(6H,m,CH2N(CH2)2), 1.58(2
H,m,COOCH2CH2 ),1.36(2H,m,CH2 -CH3), 0.92(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 169.5, 156.8,140.8, 128.2, 127.
5, 126.0, 74.3, 66.7, 65.2, 59.3, 54.0, 51.1, 44.
3, 30.8, 18.8, 13.6
【0053】調製例1 (1S,2S)−2−グリシルアミノ−3−モルホリノ
−1−フェニル−1−プロパノールの調製 実施例1で調製した(1S,2S)−2−ベンジルオキ
シカルボニルグリシルアミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 478.7mg(1.12mmol)をメタ
ノール10mlに溶かし、10%パラジウム炭素119.2mg
(10.0 mol%)を加え、水素雰囲気下、6時間攪拌し
た。パラジウム炭素をろ過除去し、ろ液を濃縮して標記
化合物を得た。
【0054】実施例4 (1S,2S)−2−(n-ヘキサノイル)グリシルアミノ
−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの
合成 調製例1で得た(1S,2S)−2−グリシルアミノ−
3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール、20
1.8mg (0.69mmol)にメタノール 3ml、トリエチルアミン
115μl (0.83 mmol)、n-ヘキサノイルクロリド 114μ
l (0.83 mmol)を加え、3時間攪拌した。反応溶液に飽
和炭酸水素ナトリウム溶液 35mlを加え、酢酸エチル 50
mlで抽出し、有機層を水 35ml、飽和食塩水 35mlで順次
洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧
留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で
精製し、無色油状の標記物質 120.9mg(収率 44.8%)を
得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.35-7.24(5H,m,aromatic),6.68(1
H,brs,NH), 6.39(1H,brs,NH), 4.97(1H,d,J=2.93Hz,H-
1),4.31(1H,m,H-2),3.79(2H,m,COCH2 -NH),3.71(4H,m,
(CH2)2O), 2.66-2.47(6H,m,CH2N(CH2)2), 2.18(2H,t,CO
CH2 CH2), 1.59(2H,m,COCH2CH2 ), 1.30(4H,m,(CH2 )2-C
H3), 0.89(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.8, 169.1, 140.9, 128.3, 127.
6, 126.0, 74.5, 66.9, 59.8, 54.3, 51.3, 43.2, 36.
2, 31.4, 25.2, 22.3, 13.9
【0055】実施例5(1S,2S)−2−(n-ブトキシ)ブタンジオイルアミ
ノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール
の合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 255.2mg(1.08mmol)に塩化
メチレン 5ml、トリエチルアミン300μl(2.16mmol)を
加え、溶液A5とした。一方、コハク酸モノ(n-ブチル)エ
ステル196.0mg(1.13mmol)に、塩化メチレン 5ml、N-
ヒドロキシスクシンイミド 263.9mg(2.16mmol)を加
え、溶液B5とした。溶液A5と溶液B5を混合し、EDC 207.
5mg(1.08mmol)を加え、18時間攪拌した。反応溶液に
飽和炭酸水素ナトリウム溶液 70mlを加え、酢酸エチル
100mlで抽出し、有機層を水 70ml、飽和食塩水 70mlで
順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を
減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:
1)で精製し、無色油状の標記物質 70.7mg(収率16.7
%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.37-7.26(5H,m,aromatic),6.06(1
H,d,J=7.32Hz,NH), 4.95(1H,d,J=3.90Hz,H-1),4.30(1
H,m,H-2),4.05(2H,t,COOCH2 ), 3.73(4H,m,(CH2) 2O),
2.66-2.35(10H,m,CH2N(CH2)2及びCOCH2 ), 1.59(2H,m,CO
OCH2CH2 ), 1.36(2H,m,CH2 -CH3), 0.93(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 172.9, 171.9, 140.8, 128.4, 127.
7, 126.1, 75.3, 66.9, 64.7, 59.7, 54.3, 51.1, 31.
0, 30.6, 29.4, 19.1, 13.7
【0056】実施例6 (1S,2S)−2−エトキシヘキサンジオイルアミノ
−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの
合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 2.858g(11.13mmol)に塩化
メチレン 40ml、アジピン酸モノエチルエステル1.986g
(11.40mmol)、EDC 2.227g(11.62mmol)を加え16時間
攪拌した。溶媒を減圧留去した後、飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液 90mlを加え、酢酸エチル 150mlで抽出し、有
機層を水 90ml、飽和食塩水 90mlで順次洗浄後、硫酸ナ
トリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、無色
油状の標記物質 3.855g(収率88.4%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.36-7.25(5H,m,aromatic),5.94(1
H,d,J=7.81Hz,NH),4.95(1H,d,J=3.42Hz,H-1),4.29(1H,
m,H-2), 4.11(2H,m,COO-CH2), 3.71(4H,m,(CH2)2O),
2.61-2.45(6H,m,N(CH2)3), 2.25(2H,t,O-CO-CH2), 2.11
(2H,t,NHCO-CH2),1.53(4H,m,COCH2-CH2 ), 1.25(3H,t,CH
3)
【0057】実施例7(1S,2S)−2−イソプロポキシヘキサンジオイル
アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノ
ールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)にアジ
ピン酸モノイソプロピルエステル 530.0mg(2.0mmo
l)、塩化メチレン 10ml、トリエチルアミン 700μl
(5.0mmol)、EDC 580mg(3.0mmol)を加え、一夜攪拌
した。反応溶媒に塩化メチレン 100mlを加え、有機層を
飽和炭酸水素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩
水 50mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:エタノー
ル=20:1)で精製し、無色油状の標記物質 416.0mg
(収率51.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),5.90(1
H,d,J=7.33Hz,NH),4.99(1H,m,CO-O-CH), 4.97(1H,d,J=
3.42Hz,H-1),4.30(1H,m,H-2), 3.72(4H,m,(CH2)2O),
2.61および2.50(2H,dd,H-3), 2.57(4H,m,N(CH2)2), 2.2
2(2H,m,O-CO-CH2), 2.12(2H,m,CO-CH2), 1.54(4H,m,CO-
CH2-CH2 ), 1.22(6H,d,J=6.35,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.1, 172.9, 140.9, 128.4, 127.
7, 126.0, 75.4, 67.6, 66.9, 59.8, 54.4, 51.2, 36.
2, 34.2, 24.9, 24.3, 21.8
【0058】実施例8(1S,2S)−2−(n-ブトキシヘキサンジオイル)ア
ミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノー
ルの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)にアジ
ピン酸モノ(n-ブチル)エステル 405mg(2.0mmol)、塩
化メチレン 12ml、トリエチルアミン 420μl(3.0mmo
l)、EDC 580mg(3.0mmol)を加え、一夜攪拌した。反
応溶媒に塩化メチレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸
水素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50ml
で順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒
を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:エタノール=20:
1)で精製し、無色油状の標記物質 308mg(収率37.0%)
を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),5.90(1
H,d,J=7.33Hz,NH),4.97(1H,d,J=3.90Hz,H-1),4.30(1H,
m,H-2), 4.06(2H,m,COO-CH2), 3.73(4H,m,(CH2)2O),
2.61および2.50(2H,dd,H-3), 2.57(4H,m,N(CH2)2), 2.2
6(2H,t,O-CO-CH2), 2.13(2H,t,NHCO-CH2), 1.60(2H,m,C
OO-CH2-CH2 ), 1.55(4H,m,CO-CH2-CH2 ), 1.37(2H,m,CH2 -
CH3), 0.93(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.5, 173.1, 140.9, 128.4, 127.
7, 126.0, 75.4, 67.0, 64.3, 59.8, 54.4, 51.2, 36.
2, 33.9, 30.7, 25.0, 24.3, 19.1, 13.2
【0059】実施例9(1S,2S)−2−(3-ブチルカルバモイル)プロピオ
ニルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロ
パノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 802.4mg(3.4mmol)に3-ブ
チルカルバモイルプロピオン酸 600mg(3.4mmol)、塩
化メチレン 25ml、トリエチルアミン 1.7ml(12.0mmo
l)、EDC 1.0g(5.1mmol)を加え、一夜攪拌した。反応
溶媒に塩化メチレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50mlで
順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を
減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:
1)で精製し、無色油状の標記物質 962mg(収率71.0%)
を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),6.28(1
H,d,J=7.81Hz,NH), 5.81(1H,brs,NH), 4.95(1H,d,J=3.4
2Hz,H-1),4.30(1H,m,H-2),3.73(4H,m,(CH2)2O), 3.19
(2H,m,CONH-CH2 ), 2.6-2.5(2H,dd,H-3), 2.56(4H,m,N(C
H2)2), 2.6-2.4(4H,m,CO-CH2),1.45(2H,m,CH2 -CH2-C
H3), 1.32(2H,m,CH2 -CH3),0.91(3H,t,CH3)
【0060】実施例10 (1S,2S)−2−(N-ブチル-N-メチルアミノ)ブタ
ンジオイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1
−プロパノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)にコハ
ク酸モノ(N-ブチル-N-メチル)アミド 370mg(2.0mmo
l)、塩化メチレン 10ml、トリエチルアミン 0.7ml(5.
0mmol)、EDC 580.0mg(3.0mmol)を加え、一夜攪拌し
た。反応溶媒に塩化メチレン 100mlを加え、有機層を飽
和炭酸水素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水
50mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:エタノー
ル=20:1)で精製し、無色油状の標記物質 532.9mg
(収率66.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),6.49(1
H,d,J=6.84Hz,NH), 4.93(1H,d,J=3.91Hz,H-1),4.30(1
H,m,H-2), 3.73(4H,m,(CH2)2O), 3.4-3.2(2H,m,CONH-C
H2 ), 2.94および2.89(3H,s,N-CH3), 2.6-2.5(2H,dd,H-
3), 2.56(4H,m,N(CH2)2), 2.6-2.4(4H,m,CO-CH2), 1.6-
1.4(2H,m,CH2 -CH2-CH3), 1.4-1.2(2H,m,CH2 -CH3), 0.94
および0.92(3H,m,CH2-CH3 )13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.1, 171.4, 141.0, 128.2, 127.
5, 126.2, 75.6, 66.9, 59.6, 54.3, 51.1, 49.6, 47.
7, 35.1, 33.5, 31.6, 31.5, 30.3, 29.4, 29.2, 28.5,
19.9, 13.8
【0061】実施例11(1S,2S)−2−(5-エチルカルバモイル)ペンタ
ノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プ
ロパノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 4.72g(20.0mmol)に5-エチ
ルカルバモイルペンタン酸 3.46g(20.0mmol)、塩化メ
チレン 160ml、トリエチルアミン 6.4ml(46.0mmol)、
EDC 4.98g(26.0mmol)を加え、一夜攪拌した。反応溶
媒に塩化メチレン 350mlを加え、有機層を飽和炭酸水素
ナトリウム溶液 250ml、水 250ml、飽和食塩水 250mlで
順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を
減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:
1)で精製し、無色油状の標記物質 1.02g(収率13.0%)
を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),6.03(1
H,d,J=7.33Hz,NH), 5.57(1H,brs,NH), 4.97(1H,d,J=3.9
0Hz,H-1),4.31(1H,m,H-2), 3.73(4H,m,(CH2)2O), 3.2
6(2H,m,CH2 -CH3), 2.61および2.50(2H,dd,H-3), 2.56(4
H,m,N(CH2)2), 2.1(4H,m,CO-CH2), 1.54(4H,m,CO-CH2-C
H2 ), 1.13(3H,t,CH3)
【0062】実施例12(1S,2S)−2−(5-シクロヘキシルカルバモイ
ル)ペンタノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニ
ル−1−プロパノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)に5-シ
クロヘキシルカルバモイルペンタン酸 546.0mg(2.4mmo
l)、塩化メチレン:メタノール=4:1の混合溶媒 10
ml、トリエチルアミン 620μl(4.4mmol)、EDC 460mg
(2.4mmol)を加え、一夜攪拌した。反応溶媒に塩化メ
チレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50mlで順次洗浄後、
硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製
し、無色油状の標記物質 607mg(収率68.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),6.04(1
H,d,J=7.81Hz,NH), 5.42(1H,d,J=7.81,NH), 4.97(1H,d,
J=3.91Hz,H-1),4.32(1H,m,H-2), 3.70(4H,m,(CH2)
2O), 2.61および2.50(2H,dd,H-3), 2.58(4H,m,N(C
H2)2), 2.1(4H,m,CO-CH2), 1.6-1.5(4H,m,CO-CH2-CH2 ),
1.4-1.3(4H,m,CH-CH2 ), 1.2-1.0(6H,m,(CH2)3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.3, 171.6, 141.0, 128.4, 127.
7, 126.1, 75.4, 67.0, 59.8, 54.4, 51.2, 48.2, 36.
3, 36.1, 33.2, 25.5, 24.9, 24.8
【0063】実施例13(1S,2S)−2−(5-ヘキシルカルバモイル)ペン
タノイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−
プロパノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 703.1mg(2.979mmol)に塩
化メチレン 20ml、5-ヘキシルカルバモイルペンタン酸
708.6mg(3.094mmol)、EDC 621.7mg(3.243mmol)を加
え18時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、飽和炭酸水
素ナトリウム溶液 30mlを加え、酢酸エチル 50mlで抽出
し、有機層を水 30ml、飽和食塩水 30mlで順次洗浄後、
硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製
し、無色油状の標記物質 292.2mg(収率21.9%)を得
た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.36-7.25(5H,m,aromatic),6.07(1
H,d,J=7.33Hz,NH), 5.65(1H,brs,NH), 4.96(1H,d,J=3.4
1Hz,H-1),4.31(1H,m,H-2),3.72(4H,m,(CH2)2O), 3.21
(2H,m,NH-CH2 ), 2.62-2.47(6H,m,CH2N(CH2)2), 2.13-2.
08(4H,m,COCH2),1.55-1.44(6H,m,COCH2-CH2 , NH-CH2C
H2 ), 1.29(6H,m,CH2(CH2 )3CH2), 0.89(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.2, 172.5, 141.0, 128.3, 127.
6, 126.0, 75.2, 66.9, 59.7, 54.3, 51.2, 39.5, 36.
0, 31.4, 29.5, 26.6, 24.8, 22.5, 14.0
【0064】実施例14(1S,2S)−2−(9-ブチルカルバモイル)ノナノイ
ルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパ
ノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 920.8mg(3.901mmol)に塩
化メチレン 20ml、9-(n-ブチル)カルバモイルノナン酸
1063.1mg(4.136mmol)、EDC 1546.1mg(8.065mmol)を
加え21時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、飽和炭酸
水素ナトリウム溶液 100mlを加え、酢酸エチル 100mlで
抽出し、有機層を水 100ml、飽和食塩水 100mlで順次洗
浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留
去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精
製し、無色油状の標記物質 442.3mg(収率23.9%)を得
た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.37-7.26(5H,m,aromatic),5.91(1
H,d,J=6.84Hz,NH), 5.50(1H,brs,NH), 4.96(1H,d,J=3.4
2Hz,H-1),4.28(1H,m,H-2),3.72(4H,m,(CH2)2O), 3.23
(2H,m,NH-CH2 ), 2.62-2.46(6H,m,CH2N(CH2)2), 2.11(4
H,m,COCH2), 1.60(2H,m,COCH2-CH2 ), 1.47(4H,m,COCH2-
CH2 , NH-CH2CH2 ), 1.34及び1.26(10H,m,CH2(CH2 )4CH2,
CH2 -CH3), 0.92(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.7, 173.0, 141.0, 128.4, 127.
6, 126.0, 75.5, 66.9, 59.8, 54.3, 51.2, 39.2, 36.
8, 36.7, 31.7, 29.1, 29.0, 25.7, 25.6, 25.5, 20.1,
13.7
【0065】実施例15(1S,2S)−2−(9-ヘキシルカルバモイル)ノナノ
イルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロ
パノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 732.1mg(3.102mmol)に塩
化メチレン 25ml、9-(n-ヘキシル)カルバモイルノナン
酸 908.2mg(3.187mmol)、エタノール 3ml、EDC 628.5
mg(3.278mmol)を加え、17時間攪拌した後、EDC 765.8
mg(3.995mmol)、トリエチルアミン 0.90ml(6.469mmo
l)を追加し、14時間攪拌した。溶媒を減圧留去した
後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液 100mlを加え、酢酸エ
チル 100mlで抽出し、有機層を水 100ml、飽和食塩水 1
00mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、
溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
20:1)で精製し、無色油状の標記物質 468.1mg(収率3
0.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.37-7.26(5H,m,aromatic),5.91(1
H,d,J=7.32Hz,NH), 5.49(1H,brs,NH), 4.96(1H,d,J=3.9
1Hz,H-1),4.29(1H,m,H-2),3.73(4H,m,(CH2)2O), 3.22
(2H,m,NH-CH2 ), 2.62-2.47(6H,m,CH2N(CH2)2), 2.15-2.
08(4H,m,COCH2),1.60(2H,m,NHCH2-CH2 ), 1.48(4H,m,COC
H2-CH2 ), 1.29-1.24(14H,m,CH2(CH2 )4CH2,(CH2 )3-CH3),
0.88(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.7, 173.0, 140.9, 128.4, 127.
6, 126.0, 75.4, 66.9, 59.8, 54.3, 51.2, 39.5, 36.
8, 36.7, 31.5, 29.6, 29.1, 29.0, 28.9, 26.6, 25.7,
25.5, 22.5, 14.0
【0066】実施例16(1S,2S)−2−(N,N-ジエタノールアミノ)デカン
ジオイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−
プロパノールの合成 セバシン酸モノ(ジエタノール)アミド 969.2mg(3.354m
mol)に塩化メチレン5ml、エタノール 5ml、N-ヒドロキ
シスクシンイミド 394.8mg(3.433mmol)を加え、溶液A
16とした。一方、(1S,2S)−2−アミノ−3−モ
ルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール 735.1mg
(3.115mmol)にエタノール 10mlを加え、溶液B16とし
た。溶液A16と溶液B16を混合し、EDC 760.8mg(3.969mm
ol)を加え、90分間攪拌した後、EDC 362.8mg(1.893mm
ol)を追加し、17時間攪拌した。溶媒を減圧留去した
後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液 20mlを加え、酢酸エ
チル50mlで抽出し、有機層を水 20ml、飽和食塩水 20ml
で順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒
を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル:メタ
ノール=9:10:1 および クロロホルム:メタノール=
20:1)で精製し、無色油状の標記物質 193.9mg(収率1
2.3%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.36-7.25(5H,m,aromatic),5.27(1
H,brs,NH), 5.06(1H,d,J=5.86Hz,NH),4.82(1H,d,J=4.88
Hz,H-1),4.16-4.07(1H,m,H-2),3.83(1H,t,CH2 -OH),3.
77(1H,t,CH2 -OH),3.70(4H,m,(CH2)2O), 3.55-3.35(6H,
m,CH2 -OH,CH2 CH2-OH), 2.57-2.26(10H,m,CH2N(CH2)2
びCOCH2 ), 1.61(4H,m,COCH2CH2 ), 1.30-1.23(8H,m,CH
2(CH2 )4CH2)13 C-NMR(CDCl3)δ: 175.6, 172.9, 141.2, 128.3, 127.
6, 126.4, 76.5, 66.8, 61.7, 60.8, 60.7, 60.2, 59.
8, 54.0, 52.1, 52.0, 50.5, 35.9, 34.6, 29.0, 25.1,
24.8
【0067】実施例17(1S,2S)−2−(シクロヘキサン−4-ヘキシルカ
ルバモイル−1−カルボニル)アミノ−3−モルホリノ
−1−フェニル−1−プロパノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)にシク
ロヘキサンジカルボン酸 1.72g(10.0mmol)、トリエチ
ルアミン 1.60ml(11.0mmol)、EDC 420mg(2.2mmol)
を加え、一夜攪拌した。反応溶媒を濃縮した後、飽和炭
酸水素ナトリウム溶液 50mlを加え濃縮し、クロロホル
ム:メタノール=5:1の混合溶媒 60mlを加え、不溶物
をろ過除去した後、ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマト
グラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1および
5:1)で精製し、中間生成物 152mgを得た。次に、中間
生成物135mg(0.35mmol)にヘキシルアミン 350mg(3.5
mmol)、トリエチルアミン 0.24ml(1.7mmol)、EDC 33
0mg(1.7mmol)を加え、一夜攪拌した。反応溶媒に塩化
メチレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50mlで順次洗浄
後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去
した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製
し、無色油状の標記物質 32.6mg(収率 19.7%)を得
た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),5.97(1
H,d,J=7.32Hz,NH), 5.53(1H,t,NH), 4.96(1H,d,J=3.42H
z,H-1),4.28(1H,m,H-2), 3.72(4H,m,(CH2)2O), 3.2(2
H,q,CONH-CH2 ), 2.60および2.49(2H,dd,H-3), 2.56(4H,
m,N(CH2)2), 2.0(2H,m,CO-CH), 1.9-1.7(8H,m,CH-CH2 ),
1.6-1.2(8H,m,CONH-CH2(CH2 )4), 0.88(3H,t,(CH2)3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 176.0, 175.3, 141.0, 128.4, 127.
7, 126.1, 75.3, 67.0, 59.8, 54.4, 51.1, 44.7, 44.
6, 39.4, 31.5, 29.6, 28.7, 28.6, 26.6, 22.6, 14.0
【0068】実施例18 (1S,2S)−2−(3-オキサヘプタノイル)アミノ−
3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合
(1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 944.0mg(4.0mmol)に3-オ
キサヘプタン酸 529.0mg(4.0mmol)、塩化メチレン 20
ml、トリエチルアミン 1.40ml(10.0mmol)、EDC 1.15g
(6.0mmol)を加え、一夜攪拌した。反応溶媒に塩化メ
チレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50mlで順次洗浄後、
硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:エタノール=30:1)で精製
し、無色油状の標記物質 825mg(収率59%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),6.95(1
H,d,J=7.81Hz,NH),4.99(1H,d,J=3.91Hz,H-1),4.35(1H,
m,H-2), 3.88および3.82(2H,d,CO-CH2), 3.74(4H,m,(C
H2)2O), 3.40(2H,t,O-CH2 -(CH2)2-CH3), 2.63および2.5
0(2H,dd,H-3), 2.59(4H,m,N(CH2)2), 1.55(2H,m,CH2 -CH
2CH3), 1.35(2H,m,CH2 -CH3), 0.93(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 170.3, 140.7, 128.4, 127.7, 126.
2, 75.6, 71.5, 70.1,67.0, 59.8, 54.4, 50.3, 31.6,
19.2, 13.9
【0069】実施例19(1S,2S)−2−(3,6-ジオキサデカノイル)アミノ
−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの
合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 944.0mg(4.0mmol)に3,6-
ジオキサデカン酸 705.0mg(4.0mmol)、塩化メチレン
20ml、トリエチルアミン 1.40ml(10.0mmol)、EDC 1.1
5g(6.0mmol)を加え、一夜攪拌した。反応溶媒に塩化
メチレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50mlで順次洗浄
後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去
した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:エタノール=30:1)で精製
し、無色油状の標記物質 815mg(収率52%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),7.06(1
H,d,J=7.82Hz,NH),4.99(1H,d,J=3.91Hz, H-1),4.38(1
H,m,H-2), 3.96および3.89(2H,d,CO-CH2), 3.73(4H,m,
(CH2)2O), 3.52(4H,m,O-CH2-CH2-O), 3.42(2H,t,O-CH2 -
(CH2)2-CH3), 2.63および2.50(2H,dd,H-3), 2.58(4H,m,
N(CH2)2), 1.54(2H,m,CH2 -(CH2)2-CH3), 1.34(2H,m,CH2
-CH3), 0.92(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 170.2, 140.9, 128.3, 127.6, 126.
2, 75.2, 71.3, 70.9,70.3, 69.7, 66.9, 59.6, 54.3,
50.4, 31.6, 19.2, 13.9
【0070】実施例20 (1S,2S)−2−[4-(4-メトキシフェニル)ブチリ
ル]アミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロ
パノールの合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)に4-(4-
メトキシフェニル)ブタン酸 388.0mg(2.0mmol)、塩化
メチレン 10ml、トリエチルアミン 0.70ml(5.0mmo
l)、EDC 580mg(3.0mmol)を加え、一夜攪拌した。反
応溶媒に塩化メチレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸
水素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50ml
で順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒
を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム:エタノール=20:
1)で精製し、無色油状の標記物質 549mg(収率66%)を
得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),7.02(2
H,d,J=8.79Hz,aromatic), 6.81(2H,m,aromatic), 5.80
(1H,d,J=7.32Hz,NH), 4.97(1H,d,J=3.41Hz,H-1),4.31
(1H,m,H-2), 3.79(3H,s,O-CH3), 3.72(4H,m,(CH2)2O),
2.61および2.49(2H,dd,H-3), 2.56(4H,m,N(CH2)2), 2.
48(2H,m,CO-CH2), 2.10(2H,m,CO(CH2)2CH2 ),1.82(2H,m,
COCH2-CH2 )13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.3, 157.9, 140.8, 133.3, 129.
3, 128.4, 127.7, 126.0, 113.8, 75.4, 66.9, 59.9, 5
5.3, 54.4, 51.2, 35.7, 34.0, 27.2
【0071】実施例21(1S,2S)−2−(3,6-ジオキサドデカノイル)アミ
ノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール
の合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 959.1mg(4.064mmol)に塩
化メチレン 40ml、3,6-ジオキサドデカン酸 1.086g(5.
325mmol)、EDC 1.167g(6.090mmol)を加え3時間攪拌
した後、EDC 719.3mg(3.752mmol)を追加し、3日間攪
拌した。溶媒を減圧留去した後、飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液 70mlを加え、酢酸エチル 100mlで抽出し、有機
層を水 70ml、飽和食塩水 70mlで順次洗浄後、硫酸ナト
リウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=30:1)で精製し、無色油状
の標記物質 812.3mg(収率47.4%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.37-7.25(5H,m,aromatic),7.05(1
H,d,J=8.31Hz,NH), 4.98(1H,d,J=3.91Hz,H-1),4.38(1H,
m,H-2),3.92(2H,m,CO-CH2-O), 3.73(4H,m,(CH2)2O),
3.52(4H,m,O(CH2 )2O), 3.41(2H,t,OCH2 (CH2)4), 2.66-
2.47(6H,m,CH2N(CH 2)2), 1.53(2H,m,CH2 (CH2)3CH3), 1.
29(6H,m,CH2(CH2 )3CH3),0.89(3H,t,CH3)13 C-NMR(CDCl3)δ: 170.2, 140.9, 128.3, 127.5, 126.
2, 75.2, 71.6, 71.0,70.4, 69.6, 66.9, 59.6, 54.3,
50.4, 31.6, 29.5, 25.7, 22.6, 14.1
【0072】実施例22(1S,2S)−2−(7-オキソオクタノイル)アミノ
−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの
合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 944.0mg(4.0mmol)に7-オ
キソオクタン酸 700mg(4.4mmol)、塩化メチレン:メ
タノール=9:1の混合溶媒 20ml、トリエチルアミン
1.40ml(10.0mmol)、EDC 1.15g(6.0mmol)を加え、一
夜攪拌した。反応溶媒に塩化メチレン 100mlを加え、有
機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽
和食塩水 50mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾
燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
エタノール=20:1)で精製し、無色油状の標記物質 89
0mg(収率59%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),5.88(1
H,d,J=7.33Hz,NH),4.96(1H,d,J=3.42Hz,H-1),4.28(1H,
m,H-2), 3.72(4H,m,(CH2)2O), 2.61および2.49(2H,dd,
H-3), 2.56(4H,m,N(CH2)2), 2.38(2H,t,CO-CH2), 2.12
(3H,s,CO-CH3), 2.10(2H,dt,CH3COCH2 ), 1.52(4H,m,COC
H2CH2 ), 1.18(2H,m,CO(CH2)2CH2 )13 C-NMR(CDCl3)δ: 209.4, 173.4, 141.0, 128.4, 127.
6, 126.0, 75.3, 67.0, 59.8, 54.4, 51.2, 43.3, 36.
4, 29.9, 28.4, 25.4, 23.2
【0073】実施例23(1S,2S)−2−(10-ヒドロキシデカノイル)アミ
ノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール
の合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 472.0mg(2.0mmol)に10-ヒ
ドロキシデカン酸 377mg(2.0mmol)、塩化メチレン 20
ml、トリエチルアミン 0.70ml(5.0mmol)、EDC 580mg
(3.0mmol)を加え、一夜攪拌した。反応溶媒に塩化メ
チレン 100mlを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩水 50mlで順次洗浄後、
硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去し
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:エタノール=20:1)で精製
し、無色油状の標記物質 508mg(収率62%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.26(5H,m,aromatic),5.88(1
H,d,J=7.32Hz,NH), 4.96(1H,d,J=3.42Hz,H-1),4.29(1
H,m,H-2), 3.73(4H,m,(CH2)2O), 3.62(2H,m,CH2 -OH),
2.60および2.49(2H,dd,H-3), 2.56(4H,m,N(CH2)2), 2.1
0(2H,m,CO-CH2),1.6-1.4(4H,m,CH2 -CH2-OH,CO-CH2-C
H2 ), 1.4-1.2(10H,m,(CH2)5)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.7, 140.9, 128.4, 127.7, 126.
0, 75.5, 66.9, 63.0, 59.8, 54.4, 51.2, 36.4, 32.7,
29.3, 29.1, 29.0, 25.6
【0074】実施例24(1S,2S)−2−メトキシデカンジオイルアミノ−
3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合
(1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 1.244g(5.27mmol)に塩化
メチレン 40ml、セバシン酸モノメチルエステル 1.13g
(5.23mmol)、EDC 1.51g(7.88mmol)を加え15時間攪
拌し、EDC 1.10g(5.73mmol)、トリエチルアミン1.0ml
(7.19mmol)を加え、22時間攪拌した。溶媒を減圧留去
した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液 70mlを加え、酢
酸エチル 100mlで抽出し、有機層を水 70ml、飽和食塩
水 70mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチ
ル:メタノール=9:10:1)で精製し、無色油状の標記
物質 1.89g(収率82.7%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.37-7.25(5H,m,aromatic),5.85(1
H,d,J=7.32Hz,NH), 4.96(1H,d,J=3.42Hz,H-1),4.28(1H,
m,H-2),3.72(4H,m,(CH2)2O), 3.67(3H,s,OCH3), 2.63-
2.47(6H,m,CH2N(CH2)2), 2.30(2H,m,COCH2), 2.09(2H,
m,COCH2), 1.60(2H,m,COCH2-CH2 ), 1.50(2H,m,COCH2-CH
2 ), 1.26(8H,m,CH2(CH2 )4CH2)
【0075】実施例25(1S,2S)−2−(9-カルボキシノナノイル)アミノ
−3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの
合成 (1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 316.2mg(1.34mmol)に塩化
メチレン 10ml、トリエチルアミン 190μl(1.37mmo
l)、無水セバシン酸 292.4mg(1.59mmol)を加え5時間
攪拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール=20:1 およびクロロホルム:メタノール=
9:1)で精製し、無色油状の標記物質 171.1mg(収率3
0.4%)を得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.36-7.25(5H,m,aromatic),6.50(1
H,d,J=7.82Hz,NH), 4.94(1H,d,J=3.91Hz,H-1),4.37(1H,
m,H-2),3.80-3.69(4H,m,(CH2)2O), 2.77-2.63(6H,m,CH
2N(CH2)2), 2.30(2H,m,COCH2), 2.09(2H,m,COCH2), 1.6
1(2H,m,COCH2-CH2 ), 1.48(2H,m,COCH2-CH2 ), 1.30-1.16
(8H,m,CH2(CH2 )4CH2)13 C-NMR(CDCl3)δ: 178.3, 174.1, 140.7, 128.4, 127.
7, 126.0, 75.1, 66.2, 59.3, 53.9, 51.0, 36.5, 34.
4, 28.9, 28.8, 25.4, 24.9, 24.8
【0076】実施例26(1S,2S,12S)−2−(12-アミノ-7-アザ-6-オキソ
-12-カルボキシドデカノイル)アミノ−3−モルホリノ
−1−フェニル−1−プロパノールの合成 実施例6で得た(1S,2S)−2−エトキシヘキサン
ジオイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−
プロパノールのエステル結合を加水分解し、(1S,2
S)−2−(5-カルボキシペンタノイル)アミノ−3−モ
ルホリノ−1−フェニル−1−プロパノール[中間生成
物(26-1)]とした後、該化合物のカルボキシル基とNα-
ベンジルオキシカルボニル-L-リジンメチルエステルの
アミノ基を常法にて縮合させ、最後に保護基を外すこと
により標記化合物を得た。具体的には、(1S,2S)
−2−エトキシヘキサンジオイルアミノ−3−モルホリ
ノ−1−フェニル−1−プロパノール 230.6mg(0.588mm
ol)にメタノール6ml、2N−水酸化ナトリウム溶液 588
μl(1.176mmol)を加えた後、40℃で一昼夜攪拌した。
【0077】次に、2N−塩酸 で中和した後、溶媒を
減圧留去し、ゲル濾過クロマトグラフィーで脱塩操作を
行った。得られた中間生成物(26-1)212.4mg(0.583mmo
l)に、Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-リジンメチル
エステル 202.9mg(0.690mmol)、塩化メチレン 9ml、エ
タノール 2ml、EDC 389.0mg(2.029mmol)を加え一昼夜攪
拌した。次に、反応溶媒を減圧留去し、酢酸エチル 70m
lを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液 30ml、
水 30ml、飽和食塩水 30mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウ
ム上で乾燥、ろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロ
ホルム:メタノール=20:1)で精製し、中間生成物26-
2を得た。次に中間生成物(26-2) 198.6mg(0.310mmol)に
メタノール 3ml、2N−水酸化ナトリウム溶液 320μl
(0.64mmol)を加え、40℃で3時間攪拌した後、2N−塩
酸 320μl(0.64mmol)を加え、一夜攪拌後、2N−塩酸
320μl(0.64mmol)、10%パラジウム炭素 47.3mgを加え水
素雰囲気下、一昼夜攪拌した。最後に溶媒を減圧留去
し、得られた粗生成物をゲル濾過クロマトグラフィー
(Sephadex LH-20(アマシャム ファルマシア ハ゛イオテク株式会社)、
クロロホルム:メタノール=2:1)で精製し、無色無晶
状の標記物質 160.6mgを得た。
【0078】NMR(中間生成物 26-2)1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.38-7.24(10H,m,aromatic),6.01
(1H,d,J=7.82Hz,NH),5.78(1H,brs,NH), 5.54(1H,d,J=8.
30Hz,NH), 5.09(2H,s,COOCH2), 4.96(1H,d,J=3.91Hz,H-
1),4.38-4.32(2H,m,H-2及びNH2-CH-CO),3.74-3.70(7H,
m,(CH2)2O,OCH3),3.22(2H,m,CONHCH2 ), 2.61-2.45(6H,
m,CH2N(CH2)2), 2.10(4H,m,COCH2 ), 1.83(1H,m,CH2),1.
69(1H,m,CH2),1.52(8H,m,CH2),1.37(2H,m,CH2) NMR(実施例26の標記化合物)1 H-NMR(CD3OD) δ: 7.42(2H,d,J=7.32Hz,aromatic),7.3
3(2H,m,aromatic),7.25(1H,m,aromatic), 4.93(1H,d,J
=2.93Hz,H-1),4.62(1H,m,NH2-CH-CO),4.06-3.92(4H,
m),3.82-3.76(2H,m), 3.54-3.46(3H,m), 3.35-3.16(4
H,m), 2.23-2.12(4H,m,COCH2), 2.02-1.86(2H,m,NH2CHC
H2 ), 1.61-1.30(8H,m,CH2)13 C-NMR(CD3OD)δ: 176.8, 176.0, 171.8, 142.5, 129.
3, 128.8, 127.3, 73.9, 64.8, 60.9, 58.3, 54.8, 53.
9, 53.8, 52.9, 51.2, 51.1, 39.9, 36.5, 36.4, 31.1,
29.9, 26.2, 25.8, 23.4
【0079】実施例27(1S,2S,16S)−2−(16-アミノ-11-アザ-10-オキ
ソ-16-カルボキシヘキサデカノイル)アミノ−3−モル
ホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合成 実施例24で得た(1S,2S)−2−メトキシデカン
ジオイルアミノ−3−モルホリノ−1−フェニル−1−
プロパノール 579.6mg(1.335mmol)にメタノール 14ml、
2N−水酸化ナトリウム溶液1335μl(2.670mmol)を加え
た後、40℃で16時間攪拌した。次に、2N−塩酸 1335
μl(2.670mmol)を加え10分間攪拌した後、溶媒を減圧濃
縮し、ゲル濾過クロマトグラフィーで脱塩操作を行っ
た。得られた中間生成物(27-1) 475.2mg(1.131mmol)
に、Nα-ベンジルオキシカルボニル-L-リジンメチルエ
ステル 394.2mg(1.341mmol)、塩化メチレン 12ml、EDC
491.0mg(2.562mmol)を加え、14時間攪拌した。次に、反
応溶媒を減圧留去し、酢酸エチル80mlを加え、有機層を
飽和炭酸水素ナトリウム溶液 50ml、水 50ml、飽和食塩
水 50mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=20:1)で精製し、中間生成物(27-2)を得た。次に
中間生成物(27-2)441.7mg(0.635mmol)にメタノール 6m
l、2N−水酸化ナトリウム溶液 640μl(1.28mmol)を加
え、40℃で3時間攪拌した後、2N−塩酸 640μl(1.28m
mol)を加え一昼夜攪拌した。次に、2N−塩酸 640μl
(1.28mmol)、10%パラジウム炭素 64.9mgを加え水素雰囲
気下、一昼夜攪拌した。最後に溶媒を減圧留去し、得ら
れた粗生成物をゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex
LH-20(アマシャム ファルマシア ハ゛イオテク株式会社)、クロロホル
ム:メタノール=2:1)で精製し、無色無晶状の標記物
質 366.7mgを得た。
【0080】NMR(中間生成物 27-2)1 H-NMR(CDCl3) δ: 7.53-7.25(10H,m,aromatic),5.91
(1H,d,J=7.33Hz,NH),5.64(1H,brs,NH), 5.46(1H,d,J=7.
81Hz,NH), 5.10(2H,s,COOCH2), 4.95(1H,d,J=3.90Hz,H-
1),4.35(1H,m), 4.28(1H,m),3.73(3H,s,OCH3), 3.72(4
H,m,(CH2)2O), 3.21(2H,m,CONHCH2 ), 2.61-2.45(6H,m,C
H2N(CH2)2), 2.10(4H,m,COCH2 ), 1.83(1H,m,CH2),1.68
(1H,m,CH2),1.59(2H,m,CH2),1.50(4H,m,CH2), 1.36(2H,
m,CH2), 1.24(8H,m,CH2)
【0081】NMR(実施例27の標記化合物)1 H-NMR(CD3OD) δ: 7.43(2H,d,J=7.33Hz,aromatic),7.3
3(2H,m,aromatic),7.25(1H,m,aromatic), 4.94(1H,d,J
=2.93Hz,H-1),4.61(1H,m,NH2-CH-CO),4.06-3.90(4H,
m),3.81-3.74(2H,m), 3.57-3.46(3H,m), 3.31-3.16(4
H,m), 2.22-2.13(4H,m,COCH2), 2.02-1.86(2H,m,NH2CHC
H2 ), 1.61-1.41(6H,m,COCH2CH2 ,CONHCH2CH2 ),1.37-1.21
(8H,m,CH2), 1.08(2H,m,CH2)13 C-NMR(CD3OD)δ: 177.3, 176.6, 171.8, 142.5, 129.
3, 128.7, 127.3, 73.8, 64.8, 61.1, 58.4, 54.8, 53.
9, 53.0, 51.2, 40.0, 37.1, 31.2, 30.3, 30.2, 30.1,
30.0, 29.9, 27.1, 26.5, 23.4
【0082】実施例28(1S,2S)−2−(9-シアリルノナノイル)アミノ−
3−モルホリノ−1−フェニル−1−プロパノールの合
(1S,2S)−2−アミノ−3−モルホリノ−1−フ
ェニル−1−プロパノール 358.0mg(1.517mmol)に 9-
(1-メトキシ-4,5,7,8,9-ペンタアセチルシアリル)ノナ
ン酸 976.4mg(1.508mmol)、塩化メチレン 15ml、EDC 34
8.4mg(1.817mmol)を加え、17時間攪拌した。次に、反応
溶媒を減圧留去し、酢酸エチル 100mlを加え、有機層を
飽和炭酸水素ナトリウム溶液 40ml、水 40ml、飽和食塩
水 40mlで順次洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=20:1)で精製し、中間生成物(28-1)を得た。次に
中間生成物(28-1) 1.00g(1.155mmol)にメタノール 5m
l、テトラヒドロフラン 5ml、ナトリウムメトキシド 11
2.4mg(2.081mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した後、
水 40μl(2.22mmol)、4N−水酸化ナトリウム 1156μl
(4.62mmol)を加え一夜攪拌した。最後に溶媒を減圧留去
し、得られた粗生成物をゲル濾過クロマトグラフィー[S
ephadex LH-20(アマシャム ファルマシア ハ゛イオテク株式会社)、ク
ロロホルム:メタノール=2:1]で精製し、無色無晶状
の標記物質 759.4mgを得た。
【0083】NMR(中間生成物 28-1)1 H-NMR(CDCl3) δ:7.37-7.26(5H,m,aromatic),5.87(1H,
d,J=7.33Hz,NH),5,41-5.37(1H,m),5.34及び5.32(1H,m),
5.18(1H,d,J=8.79Hz),4.97(1H,d,J=3.90Hz,H-1),4.84(1
H,m),4.32-4.26(2H,m),4.12-4.02(3H,m),3.79(3H,s,O-C
H3),3.73(4H,m,(CH2)2O),3.20(1H,m),2.62-2.48(7H,m,N
(CH2)3,H-3'eq), 2.14, 2.13, 2.04, 2.02(3HX4,sx4,OC
OCH3又はNHCOCH3 ), 2.1(2H,m,COCH2),1.95(1H,t,J=12.2
Hz,H-3'ax), 1.88(3H,s,NHCOCH3 又はOCOCH3), 1.51(4H,
m,CH2 (CH2)4CH2 ), 1.25(8H,m,CH2(CH2 )4CH2)13 C-NMR(CDCl3)δ: 173.6, 171.0, 170.7, 170.2, 170.
1, 170.0, 168.5, 140.9, 128.4, 127.6, 126.0, 98.7,
76.5, 75.5, 72.4, 69.2, 69.1, 68.6, 67.4,66.9, 6
5.0, 62.4, 62.3, 62.2, 59.8, 54.4, 52.6, 51.1, 49.
5, 38.1, 36.7,29.5, 29.2, 29.1, 29.0, 25.8, 25.6,
23.2, 21.1, 20.8
【0084】NMR(実施例28の標記化合物)1 H-NMR(CDCl3:CD3OD = 1:1) δ: 7.35-7.20(5H,m,aroma
tic), 4.90(1H,d,J=2.93Hz,H-1),4.28(1H,m,H-2),3.90-
3.43(13H,m),2.84(1H,dd,J=4.2,12.2Hz,H-3'eq),2.62-
2.42(6H,m,N(CH2)3), 2.11(2H,m,COCH2), 2.02(3H,s,NH
COCH3 ), 1.62-1.41(4H,m,CH2 (CH2)4CH2 ), 1.59(1H,t,J=
12.2Hz,H-3'ax), 1.37-1.22(8H,m,CH2(CH 2 )4CH2)13 C-NMR(CDCl3:CD3OD = 1:1)δ: 175.9, 175.4, 174.3,
143.3, 128.9, 128.1,127.1, 101.7, 79.3, 78.9, 78.
6, 74.1, 73.9, 70.2, 69.3, 67.8, 65.1, 60.6, 54.9,
54.0, 42.6, 37.0, 30.8, 30.3, 30.2, 29.9, 27.0, 2
6.8, 22.6
【0085】<in vitro活性> 試験例 1ラット胎児大脳皮質培養神経細胞に対するシナプス形成
促進活性測定 〔原理〕シナプス活動を示すと考えられる同期した自発
的な神経細胞の発火に伴う細胞内カルシウムイオンレベ
ルの変動を、カルシウムイオン蛍光指示薬fura-2を用い
た細胞内カルシウムイオン多点観察システムで測定する
ことにより、シナプス形成促進活性を測定した。
【0086】〔方法〕 (1) 初代培養 ラット胎児大脳皮質神経細胞の初代培養は、BankerとCo
wmanの方法(Brain Res.,126(1977),p397-425)を改変
して行った。具体的には、妊娠18日目のWister系ラッ
ト(日本SLC)より胎児を取り出した後、胎児の大脳
皮質を切り出し小片にした。次に、パパイン(Worthing
ton Biochemical社)で30分間(37℃)処理した後、5%
牛新生仔血清/5%馬血清含有Dulbecco改変Eagle培地に懸
濁し、CellStriner(70μm,FALCON社)で単一細胞に解離
した。次に、0.5%ポリエチレンイミンでコートしたフレ
キシパームプレートに播種し(1.0 x 106cells/500μl
/well)、37℃、7%CO2インキュベーター内で培養し、培
地交換を培養2日目、5日目、8日目に行った。この初
代培養系を用い、本発明化合物の活性測定を行った。化
合物の添加は培地交換時に行い、化合物の濃度が20μM
に保たれるようにした。アッセイは培養開始後10日目
に行った。
【0087】(2) シナプス形成促進活性測定 シナプス形成促進活性測定は、工藤らの方法(Br.J.Pha
rmacol.,89(1986)p191-198)に従って行った。具体的に
は、細胞を培養した各ウェルの培地を基礎塩類溶液(BS
S)で置き換えた後、カルシウムイオン蛍光指示薬fura-
2のDMSO溶液(1mg/ml)を3μl加え、37℃で1時間保温
した。次に、各ウェルをBSSで数回洗浄した後、BSSの入
った状態(37℃)で細胞内カルシウムイオンモニター装
置を用いて細胞内カルシウムイオンの変動を観察した。 〔結果〕 本発明化合物及びコントロール(供試化合物
無添加群)の値を、L−PDMPを100とした場合の
相対数値に変換して下記表−2に示した。なお、化合物
No.は、実施例番号に対応する。
【0088】
【表2】
【0089】試験例2ガングリオシドGM3合成酵素促進活性測定 〔原理〕マウスB16メラノーマ細胞が産生するガングリ
オシドは、ほとんどがガングリオシドGM3である。従っ
て、液層分配法により、総脂質抽出画分に取り込まれた
14C-Galの量を測定すれば、簡便的にガングリオシドGM3
合成酵素活性を測定することができる。
【0090】〔方法〕マウスB16メラノーマ細胞の細胞
浮遊液を10%牛胎児血清含有Dulbecco改変Eagle培地で調
製し、12穴プレートに2.0 x 105cells/ml/well播種
し、37℃、5%CO2インキュベーター内で培養した。培養
開始24時間後に培地を全量交換することにより、供試
化合物処理(24μM)および14C-Galの添加(22.2kBq/1
1.7nmol/6μl/well)を開始した。供試化合物処理開始2
4時間後に0.02%EDTA含有PBSおよび0.25%トリプシン含有
PBSで順次処理を行い、細胞を回収した。次に、細胞ペ
レットにクロロホルム:メタノール=2:1の混合溶媒
(3ml)を加え、30分間超音波処理した後、遠心上清を
回収した。さらに上清回収後の残ペレットにクロロホル
ム:メタノール=1:1の混合溶媒(3ml)を加え、同
様の操作を行い1回目の上清と合わせ、窒素気流下で乾
固させた。この総脂質画分に脱塩水(1.0ml)を加え、
1分間超音波処理を行った後、透析チューブに移し、水
に対して2日間透析を行った。透析の済んだサンプルを
液シンバイアルに移し、シンチレーターを加えシンチレ
ーションカウンターで14C-Galの取り込み活性を測定し
た。 〔結果〕表−3に本発明化合物の活性をコントロール
(供試化合物無添加群)の値を100とした場合の相対数
値で示した。
【0091】試験例3ガングリオシドGM3合成量測定 〔方法〕マウスB16メラノーマ細胞の細胞浮遊液を10%牛
胎児血清含有Dulbecco改変Eagle培地で調製し、カルチ
ャーフラスコ(175cm2)に0.8 x 107cells/20ml播種
し、37℃、5%CO2インキュベーター内で培養した。培養
開始24時間後に培地を3/4量交換することにより、供
試化合物処理(25μM)を開始した。供試化合物処理開
始24時間後に0.02%EDTA含有PBSおよび0.25%トリプシン
含有PBSで順次処理を行い、細胞を回収した。次に、細
胞ペレットにクロロホルム:メタノール=2:1の混合
溶媒(4ml)を加え、30分間超音波処理した後、一夜室
温放置し、遠心上清を回収した。さらに上清回収後の残
ペレットにクロロホルム:メタノール=1:1の混合溶
媒(4ml)を加え、同様の操作を行い1回目の上清と合
わせ、窒素気流下で乾固させた。この総脂質画分に0.1N
メタノール性水酸化ナトリウム溶液(2.0ml)を加え、4
0℃で2時間放置した後、1N-塩酸(0.2ml)を加え、1.5
時間放置した。
【0092】次にn-ヘキサン(2ml×2)で洗浄し、洗浄
後の下層を窒素気流下で乾固させた後、クロロホルム:
メタノール=2:1を流出溶媒としたゲル濾過クロマト
グラフィー[Sephadex LH-20(アマシャム ファルマシア ハ゛イオテク株
式会社),直径10mm,高さ120mm]で脱塩を行った。脱塩さ
れた溶出画分を窒素気流下で乾固させた後、クロロホル
ム:メタノール:水=30:60:8で平衡化した陰イオン交
換樹脂カラム(DEAE-Sephadex,直径10mm,高さ40mm)に
アプライし、溶出溶媒をクロロホルム:メタノール:1M
酢酸ナトリウム溶液=30:60:8として酸性脂質画分を得
た。次に、酸性脂質画分を樹脂カラムで同様に脱塩した
後、HPTLC(縦200mm×横100mm、展開溶媒;クロロホル
ム:メタノール:水=60:35:8)を行った。オルシノー
ル硫酸試薬をプレートに噴霧した後、110℃で5分間加熱
し、発色したガングリオシドGM3のスポットをデンシト
メーター(測定波長505nm)で定量化した。 〔結果〕表−3に本発明化合物の値をコントロール(供
試化合物無添加群)の値を100とした場合の相対数値で
示した。
【0093】
【表3】
【0094】以上の結果より、本発明化合物はコントロ
ールに比し、シナプス形成活性が高いことが証明され
た。さらに本発明化合物中の何例かは、L−PDMPに
比し糖脂質生合成促進活性が優れていることが確認され
た。
【0095】<安全性> 試験例 4マウス静脈内単回投与による安全性試験 5週齢の Crjマウスを用い、実施例の本発明化合物及び
L−PDMPの安全性を検討した。具体的には、供試薬
物濃度を20mg/mlとし、薬液媒体に5.0%Tween80 含有生
理食塩水を使用した。この条件で調製した薬液を尾静脈
より注入速度1ml/minで200mg/kg投与し、一般状態を観
察した。その結果、本発明化合物はL−PDMPに比し
安全性が高いことが確認された。
【0096】試験例 5ラットによる組織移行性試験 6〜8週齢のWistar系ラット(雄性)を用い、本発明化
合物(実施例19の化合物)とL−PDMPの組織移行
性を比較した。 <試験方法> 薬液投与方法;経口投与は、被検物質濃度20mg/m
lの生理食塩水溶液を100mg/5ml/kgで行
い、また静脈内投与は、被検物質濃度1.25mg/m
lの生理食塩水溶液を5mg/4ml/kgで頸静脈内
に投与することにより行った。 試料採取;薬液投与から所定の時間経過後、ラット頸静
脈から採取した血液に、3.8%クエン酸ナトリウム溶
液を1/10容量添加した後、遠心分離(3000rpm、
15分間)し、上清を血漿試料とした。また、薬液投与
から所定の時間経過後、骨格筋を両足大腿部より採取
し、氷冷水を添加(4ml/g骨格筋)後、ホモジナイ
ズし、更に同容量のアセトニトリルを加え激しく撹拌し
た後、遠心分離(4000rpm、10分間)し、上清を骨
格筋試料とした。
【0097】組織中濃度測定;血漿試料または骨格筋試
料をOASIS HLB固相抽出カラム(ウォーターズ社)で抽
出した後、HPLCで定量した。HPLC分析条件は下
記の通りである。 検出波長:218nm カラム :DAISO PACK SP-120-5-ODS-BP カラム温度:40℃ 移動相:0.1%トリフルオロ酢酸溶液:メタノール=36:64(L−PDMP) 0.1%トリフルオロ酢酸溶液:メタノール=48:52(実施例19の化合物) 流速:1.0ml/min
【0098】<結果>実施例19の化合物及びL−PD
MPの薬液投与から所定時間経過した後の、両化合物の
血漿中及び骨格筋内濃度を以下の表−4〜表−6に示
す。測定値は検体数2以上の平均値である。
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】 以上の結果から、本発明化合物(実施例19の化合物)
はL−PDMPに比し血漿中濃度及び骨格筋内濃度が高
く、従って組織移行性が高いことが判明した。
【0101】
【発明の効果】本発明化合物の式(I)で示されるアミ
ノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩は、
糖脂質の生合成の制御作用に関与する特性を有し、該特
性に基づく医薬としての有用性を有するので、本発明化
合物を含有する有効な医薬を提供することが出来る。特
に本発明化合物のうちシナプス形成促進効果及び/又は
糖脂質生合成促進作用を有する化合物は、神経突起伸展
促進効果、神経細胞死防止効果、MAPキナーゼ活性化効
果を有すると予想され、神経疾患治療剤として有望であ
り、中枢神経系疾患治療剤、特に脳保護剤若しくは脳神
経賦活・保護剤として、例えば脳血管障害後遺症の治療
に、また、末梢神経系疾患治療剤として、例えば代謝障
害性多発性神経障害、機械的神経障害、毒性神経障害等
の治療に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/16 A61P 25/16 25/28 25/28 // C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 BC73 MA01 NA14 ZA01 ZA02 ZA15 ZA16 ZA20 ZB22 ZC52

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で示されるアミノアルコール誘導
    体又は薬学的に許容されるその塩。 【化1】 上記式中、*は不斉炭素を示し、Rは下記若しくは
    で示されるモノカルボン酸誘導体の残基、又はで示さ
    れるジカルボン酸またはその誘導体の残基を表す。 (COCH2NH)mZで示されるグリシンまたはポ
    リグリシンの残基(但し、mは1〜3の整数を、Zはアミ
    ノ基の保護基またはアルカノイル基を示す) CO−W−Yで示されるカルボン酸誘導体の残基
    (但し、Wはアルキレン基またはシクロアルキレン基、
    Yはヒドロキシル基、単糖残基、置換基を有し得るアリ
    ール基、またはアルキル鎖中に酸素原子を含み得るアル
    コキシ基を示す) CO−W−CO−Xで示されるジカルボン酸または
    その誘導体の残基[但し、Wはアルキレン基またはシク
    ロアルキレン基、Xはヒドロキシル基、鎖状若しくは環
    状のアルコキシ基、アルキル基、α-アミノ酸残基、又
    はNR12(R1,R2はそれぞれ同一または異なる水素
    原子、アルキル鎖中に酸素原子を含み得る鎖状若しくは
    環状のアルキル基、アルキル鎖中に酸素原子を含み得る
    鎖状若しくは環状のヒドロキシアルキル基を表す)を示
    す]
  2. 【請求項2】式(I)において、Rが下記乃至のい
    ずれかで表されることを特徴とする請求項1記載のアミ
    ノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩。 (COCH2NH)mZ(Zは炭素数8〜15のアラ
    ルキルオキシカルボニル基および炭素数5〜7のアルコ
    キシカルボニル基から選ばれるアミノ保護基または炭素
    数4〜8のアルカノイル基を示す) CO−W−Y(Wは炭素数1〜12のアルキレン基
    または炭素数4〜8のシクロアルキレン基であり、Yは
    ヒドロキシル基、グルコース残基、ガラクトース残基、
    N-アセチルグルコサミン残基、N-アセチルガラクトサミ
    ン残基、マンノース残基、フコース残基、シアル酸残
    基、置換基を有し得るフェニル基、炭素数1〜6のアル
    コキシ基またはアルキル鎖中に1〜3個の酸素原子を含
    む炭素数4〜12のアルコキシ基を示す) CO−W−CO−X[Wは炭素数1〜12のアルキ
    レン基または炭素数4〜8のシクロアルキレン基であ
    り、Xはヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシ
    基、炭素数5〜8のシクロアルコキシ基、炭素数1〜6
    のアルキル基、側鎖に反応性の官能基を有するα-アミ
    ノ酸残基またはNR12(R1,R2はそれぞれ同一また
    は異なる水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、シクロ
    ヘキシル基または炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基
    を示す)を示す]。
  3. 【請求項3】式(I)において、Rが下記乃至のい
    ずれかで表されることを特徴とする請求項1記載のアミ
    ノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩。 (COCH2NH)mZ(Zはベンジルオキシカルボ
    ニル基、t−ブトキシカルボニル基またはヘキサノイル
    基を示す) CO−W−Y(Wは炭素数1〜9のアルキレン基、
    Yはヒドロキシル基、グルコース残基、ガラクトース残
    基、N-アセチルグルコサミン残基、N-アセチルガラクト
    サミン残基、シアル酸残基、炭素数1〜3のアルコキシ
    基で置換されたフェニル基、炭素数1〜4のアルコキシ
    基またはアルキル鎖中に1個の酸素原子を含む炭素数6
    〜8のアルコキシ基を示す) CO−W−CO−X[Wは炭素数2〜8のアルキレ
    ン基またはシクロヘキシレン基であり、Xはヒドロキシ
    ル基;炭素数1〜4のアルコキシ基;シクロヘキシルオ
    キシ基;メチル基;リジン、アルギニン、ヒスチジン、
    アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチン、システイ
    ン、セリン、トレオニンおよびチロシンから選ばれるア
    ミノ酸残基、あるいはNR12(R1,R2はそれぞれ同
    一または異なる水素原子、炭素数1〜6の直鎖アルキル
    基、シクロヘキシル基またはヒドロキシエチル基を示
    す)を示す]
  4. 【請求項4】式(I)において、RはCO−W−CO−
    Xで表され、且つ、Wは炭素数2〜8のアルキレン基で
    あり、Xはヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ
    基またはメチル基であることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項記載のアミノアルコール誘導体又は薬
    学的に許容されるその塩。
  5. 【請求項5】式(I)において、RはCO−W−CO−
    Xで表され、且つ、Wは炭素数4〜8のアルキレン基で
    あり、Xはリジン残基またはオルニチン残基であること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のアミ
    ノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩。
  6. 【請求項6】式(I)において、RはCO−W−CO−
    Xで表され、且つ、Wは炭素数4〜8のアルキレン基ま
    たはシクロヘキシレン基であり、XはNR12(R1
    2はそれぞれ同一または異なる水素原子、メチル基、
    エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル
    基、シクロヘキシル基またはヒドロキシエチル基)であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載
    のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその
    塩。
  7. 【請求項7】式(I)において、RはCO−W−Yで表
    され、且つ、Wはノニレン基であり、Yはヒドロキシル
    基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項記載のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容され
    るその塩。
  8. 【請求項8】式(I)において、RはCO−W−Yで表
    され、且つ、Wはメチレン基であり、Yはn−ブトキシ
    基またはアルキル鎖中に1個の酸素原子を含む炭素数6
    〜8のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1項記載のアミノアルコール誘導体又は
    薬学的に許容されるその塩。
  9. 【請求項9】式(I)において、RはCO−W−Yで表
    され、且つ、Wはオクチレン基であり、Yはシアル酸残
    基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項記載のアミノアルコール誘導体又は薬学的に許容され
    るその塩。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか1項記載のア
    ミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を
    有効成分として含有する医薬。
  11. 【請求項11】式(I)において、Rがで表されるア
    ミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を
    有効成分として含有する請求項10記載の医薬。
  12. 【請求項12】式(I)において、Rがで表されるア
    ミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を
    有効成分として含有する請求項10記載の医薬。
  13. 【請求項13】式(I)において、Rがで表されるア
    ミノアルコール誘導体又は薬学的に許容されるその塩を
    有効成分として含有する請求項10記載の医薬。
  14. 【請求項14】神経疾患の治療剤である請求項10乃至
    13のいずれか1項記載の医薬。
  15. 【請求項15】脳保護剤である請求項10乃至13のい
    ずれか1項記載の医薬。
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