JP2001225720A - シートベルト巻取装置 - Google Patents

シートベルト巻取装置

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JP2001225720A
JP2001225720A JP2000322788A JP2000322788A JP2001225720A JP 2001225720 A JP2001225720 A JP 2001225720A JP 2000322788 A JP2000322788 A JP 2000322788A JP 2000322788 A JP2000322788 A JP 2000322788A JP 2001225720 A JP2001225720 A JP 2001225720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻取り時には十分に大きな巻取力により確実
にシートベルトを巻き取ると共に、正常装着時には人間
に圧迫感を与えることがないシートベルト巻取装置を提
供する。 【解決手段】 リターンスプリング10による巻取力は
人間に圧迫感を与えることがない程度に設定されてお
り、常に巻取に使用されている。モーター2による巻取
力はこれより大きな値に設定されているが、その動力が
伝達されるLギア4の中に収納された、Sギア5、保持
部材6、ローラー7からなるクラッチ機構を介して巻取
機の軸を駆動するようになっている。このクラッチ機構
は、外力によりシートベルトが引き出される方向に駆動
されたとき、又はモーター2がシートベルトを巻き取る
方向に駆動されていないときには、モータ2とシートベ
ルトとの間の機械的な動力伝達経路を切り離すように構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の車両に装
備されるシートベルト巻取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等に装備されるシートベルト巻取
装置は、乗員が着席してシートベルトを引き出し、タン
グをバックル装置に締結した際に、その余分な引き出し
分を吸収する機能を有している。この機能を実現するた
めに、従来のシートベルト巻取装置においては単一のリ
ターンスプリングが使用されている。シートベルトの装
着の際には、人間がこのリターンスプリングの付勢力に
抗してシートベルトを引き出し、タングをバックルに係
合させてから手を離すと、リターンスプリングの力によ
り、余分に引き出された部分が、人間の体にフィットす
るまでシートベルト巻取装置に引き込まれる。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】以上説明したように、シ
ートベルト巻取装置においては、 (1)余分に引き出されたシートベルトを、人間の体に
フィットするまで確実に巻き取ること、また、人間が装
着しない場合においては、引き出されたシートベルトを
確実に収納部に収納するまで巻き取ること (2)正常装着した状態で乗員の胸部等に不必要な圧追
感を与えないようにすること を同時に満足することが必要とされる。しかしながら、
単一のリターンスプリングの付勢力を利用したシートベ
ルト巻取装置においては、装着時における乗員の胸部へ
の圧迫感を小さくするために付勢カの弱いスプリングを
使用すると、ベルト巻取り時(収容時)の巻込み力が弱
くなり、操作性、格納性が低下する。反対に、巻取り時
に充分な巻取り力を発揮するために付勢力の強いスプリ
ングを使用すると、正常装着時における乗員の胸部への
圧追感が大きくなってしまうという問題があった。
【0004】また、従来のシートベルト巻取装置では、
単一のリターンスプリングが内蔵されているので、シー
トベルトの引き出し量が増すにつれてリターンスプリン
グが巻回されてその付勢力が増大し、シートベルトの引
き出し量が増すにつれて、引き出しカも増大するという
問題もあった。
【0005】このような問題点を解決する1手段とし
て、本出願人の出願に係る発明が、特開平3−552号
公報に開示されている。これは、リターンスプリングと
して、主スプリングと付加スプリングの2つのスプリン
グを使用し、シートベルトのタングとバックルが係合し
たことを検出器により検出し、タングとバックルが係合
していない状態においては主スプリングと付加スプリン
グの両方の付勢力を、タングとバックルが係合している
場合においては主スプリングのみの付勢力を、巻取機構
に伝達することにより、ベルト巻取り時の巻き込み力を
確保しながら、正常装着時における乗員の圧迫感を低減
しようとするものである。
【0006】しかしながら、この場合においても、シー
トベルトの引き出し量が増すにつれて引き出し力が増大
するという問題は避けられず、かつ、シートベルトを外
すときに、タングとバックルの係合を外したとたんに急
激に巻取り力が強くなり、乗員に対して違和感を与える
という、別の事象も発生していた。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、巻取り時には十分に大きな巻取力により確実に
シートベルトを巻き取ると共に、正常装着時には人間に
圧迫感を与えることがなく、かつ、巻取時に発生する違
和感をなくすことができ、さらに、人間がシートベルト
を引き出す際には、大きな力を要しないシートベルト巻
取装置を提供することを課題とする。
【0008】
【発明を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、乗員がシートベルトを装着したときに
乗員に圧迫感を与えない程度の弱い巻取力を発生するば
ね部材と、シートベルトを巻き取る方向にのみ駆動さ
れ、前記ばね部材よりも強い巻取力を発生するモーター
を併せ有することを特徴とするシートベルト巻取装置
(請求項1)である。
【0009】本手段においては、シートベルトが正常に
装着されている場合には、ばね部材により巻取力を与え
るようにし、タングとバックルが係合していない状態で
のシートベルトの巻取時には、これにモーターによる巻
取力を付加した巻取力又はモーター単独の巻取力をシー
トベルトに与えるようにすることができる。よって、正
常装着時には人間に圧迫感を与えない巻取力で人間にシ
ートベルトをフィットさせることができ、巻取時には大
きな巻取力で巻き取ることができる。また、大きな巻取
力をモーターにより発生させているので、タングとバッ
クルの係合が外れた際に急に大きな巻取力がかかって
も、タングが窓等にぶつかるような事態が発生しない。
正常装着時か巻取時かの判断は、従来と同じように、タ
ングとバックルの係合が解除されてから所定時間の間は
巻取時とし、その他の場合は、シートベルトの引き出し
時を含めて正常装着時とするような例が考えられる。
【0010】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、前記モーターは、シートベル
トに取り付けられたタングとバックルが係合していない
ときのみに駆動力を与えられるものであることを特徴と
するもの(請求項2)である。
【0011】本手段においては、タングとバックルが係
合しているときは、人間がシートベルトの装着を完了し
ているものとし、モーターの駆動を行なわない。よっ
て、シートベルトの弛みの吸収と人間へのフィットは、
ばね部材の付勢力のみによって行われるので、これらの
過程において人間に圧迫感を与えることがない。
【0012】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第2の手段であって、前記モーターは、シートベル
トが引き出される方向に駆動されたときには、駆動力を
与えられないものであることを特徴とするもの(請求項
3)である。
【0013】本手段においては、タングとバックルが係
合していない状態においても、人間等により、シートベ
ルトが引き出される方向に駆動されたときには、モータ
ーの駆動を停止している。よって、人間がシートベルト
を引き出す場合に、モーターの駆動力に逆らって引き出
す必要がないので、軽く引出すことができる。シートベ
ルトが引き出す方向に駆動されたかどうかの判定は、例
えば後述の実施の形態に示されるような、シートベルト
駆動機構の駆動軸の回転方向を検出するスイッチによっ
て行なうことができる。
【0014】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第1の手段又は第3の手段であって、タングとバッ
クルの係合が検知されてから所定時間、又は所定回転数
だけ、モーターによる巻取を行なうことを特徴とするも
の(請求項4)である。
【0015】本手段においては、シートベルトが装着さ
れてタングとバックルの係合が検知されてから所定時
間、又は所定回転数だけモーターによる巻取を行なって
ほとんどの弛みを迅速にとることができる。その後は、
モーターによる巻取でなく、ばね部材による巻取を行な
うので、人間に圧迫感を与えることがない。
【0016】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第1の手段から第4の手段のいずれかであって、シ
ートベルトを巻きつけるスプールの回転方向を検知する
検出器が設けられていることを特徴とするもの(請求項
5)である。
【0017】本手段においては、例えば、手動でシート
ベルトを引き出した場合、その回転を検出して、モータ
ーの回転を停止する等の制御を行なうことができる。
【0018】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第1の手段から第5の手段のいずれかであって、前
記ばね部材と前記モーターの巻取力をシートベルトに伝
達する動力伝達機構を有し、当該動力伝達機構は、外力
によりシートベルトが引き出される方向に駆動されたと
き、又は前記モーターがシートベルトを巻き取る方向に
駆動されていないときには、前記モーターとシートベル
トとの間の機械的な動力伝達経路を切り離すクラッチ機
構を有するものであることを特徴とするシートベルト巻
取装置(請求項6)である。
【0019】本手段においては、外力によりシートベル
トが引き出される方向に駆動されたときには、クラッチ
機構により、モーターとシートベルトとの間の機械的な
動力伝達経路が切り離される。よって、モーターが引き
出し力の負荷とならないので、小さな力でシートベルト
を引き出すことができる。また、モーターがシートベル
トを巻き取る方向に駆動されていないときにも、クラッ
チ機構により、モーターとシートベルトとの間の機械的
な動力伝達経路が切り離される。よって、モーターがば
ね部材による巻取力の負荷とならないので、ばね部材の
付勢力が小さくても、シートベルトの弛みを確実に吸収
することができる。
【0020】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第6の手段であって、前記クラッチ機構が、モータ
ーの駆動力をシートベルトに伝達する回転部材の内部に
組み込まれていることを特徴とするシートベルト巻取装
置(請求項7)である。
【0021】本手段においては、クラッチ機構が、モー
ターの駆動力をシートベルトに伝達する回転部材(例え
ばギア、プーリー)の内部に組み込まれているので、装
置全体をコンパクトにすることができる。
【0022】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第6の手段又は第7の手段であって、クラッチ機構
が、シートベルトを巻きつけるスプールに直結している
ことを特徴とするもの(請求項8)である。
【0023】外力によりシートベルトが引き出される方
向に駆動され、クラッチ機構によりモーターとシートベ
ルト巻取器(スプール)との機械的な動力伝達経路が切
り離される際に、部品間に若干の摩擦があるため、その
摩擦抵抗により引き出し時のフィーリングが悪くなるこ
とがある。モーターとスプールの間の減速機構中にクラ
ッチ機構を設置すると、スプール側から見たこの摩擦力
が減速比に応じて大きなものとなり、フィーリングを特
に悪くする。本手段においては、クラッチ機構をシート
ベルトを巻きつけるスプールに直結しているので、スプ
ール側から見た摩擦力の影響は小さくなり、フィーリン
グの悪化を最低限に抑えることができる。
【0024】前記課題を解決するための第9の手段は、
外側部材と内側部材の間にローラーを挟んで構成され、
内側部材の周辺には突出部が形成されると共に、突出部
が形成されていない内側部材の周辺と外側部材の内周と
の間隔が、ある部分では前記ローラーの直径より広く、
それに続く部分では前記ローラーの直径より狭い楔状と
なっており、前記ローラーが、内側部材の周辺と外側部
材の内周の間隔が前記ローラーの直径より狭い部分に噛
み込んで楔作用をすることによりクラッチが連結された
状態となり、前記ローラーが、内側部材の周辺と外側部
材の内周の間隔が前記ローラーの直径より広い部分に位
置することにより、クラッチが切り離された状態となる
構造を有することを特徴とするクラッチ(請求項9)で
ある。
【0025】本手段においては、内側部材の周辺と外側
部材の内周及び内側部材の突出部との間にローラーを挟
み、その玉が内側部材の周辺と外側部材の内周の間隔が
前記ローラーの直径より狭い部分に位置するか広い部分
に位置するかによってクラッチの入り切りを行なうこと
ができる。よって、クラッチの入り切りに電磁力や機械
的な外力等を必要とせず、回転方向に従ってクラッチが
自然に入り切りできるようになる。
【0026】なお、本明細書において「ローラー」とい
うのは、必ずしも円筒状のものに限定されず、球状のも
のであってもよい。
【0027】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第9の手段であって、第1の回転部材の内側
に、第1の回転部材と同軸に設けられた第2の回転部材
と、第1の回転部材の内側に第1の回転部材と同軸に設
けられた保持部材とを有してなり、第2の回転部材はそ
の軸方向に延設されたローラー保持部を有し、当該ロー
ラー保持部にはローラーが第1の回転部材の内周に当接
して回転自在に保持されており、保持部材には前記ロー
ラーを収容する切り欠き部が設けられ、当該切り欠き部
の形状は、軸方向から見たとき、当該切り欠き部と第1
の回転部材の内周で囲まれた空間が、その円周方向の1
端側では前記ローラーの直径より狭く、多端側では前記
ローラーの直径より広く形成されており、かつ、第2の
回転部材と保持部材との相対的な回転を所定量だけのみ
許容する機構が、第2の回転部材及び保持部材に設けら
れていることを特徴とするもの(請求項10)である。
【0028】本手段の作動を、例えばシートベルト巻取
装置において、第1の回転部材にモーターが結合され、
第2の回転部材にばね部材やシートベルトを巻きつける
スプールが結合されている場合を例にとって説明する。
本手段においては、後に実施の形態で詳しく例示するご
とく、定常状態では、ばね部材の付勢力により、第2の
回転部材が例えば反時計回りに回転するように付勢され
ている。
【0029】これにより、前記ローラーもローラー保持
部と共に反時計周りに公転するように付勢され、保持部
材の延設部を反時計回りに押す。従って、保持部材も反
時計周りに回転し、第1の回転部材の中で第2の回転部
材と保持部材が共に回転することになって、その回転力
は第1の回転部材に伝わらない。よって、例えば、ばね
部材及びシートベルトとモーターとの間の機械的な動力
伝達経路が切り離された状態になり、モーターがばね部
材の負荷とならない。
【0030】モーターがシートベルトを巻取る方向に駆
動される等により、第1の回転部材が反時計周りに駆動
されると、前記ローラーが、第1の回転部材の内周と保
持部材の切り欠き部との間に挟まる(ローラーの直径よ
り狭い空間を有する端において)。よって、ローラーと
第1の回転部材の内周との間のフリクションにより、ロ
ーラーが反時計回りの公転力を受け、ローラー保持部を
介して第2の回転部材も反時計回りの力を受ける。
【0031】ローラーは保持部材の切り欠き部の端に当
接して保持部材を押すので、保持部材が反時計回りに回
転して逃げようとするが、保持部材と第2の回転部材と
の相対的な回転量には制限が設けられているので、保持
部材の逃げ量は制限され、結局、保持部材と第2の回転
部材の相対回転量が制限一杯になった状態で、ローラー
が第1の回転部材の内周と保持部材の切り欠き部との間
に挟まって、第1の回転部材と共に回転し、その駆動力
を第2の回転部材に伝達することになる。この状態で
は、例えば、ばね部材及びシートベルトとモーター軸と
の間の動力伝達経路は機械的に結合された状態になる。
【0032】例えば、人間がシートベルトを引き出した
りすることにより、シートベルトが引き出し方向に駆動
され、第2の回転部材が時計回りに駆動されると、ロー
ラー保持部を介してローラーも反時計回りに公転し、保
持部材の切り欠き部の端(前述の端とは逆の端)に当た
って、保持部材を時計回りに押す。このとき、ローラー
は、第1の回転部材の内周と保持部材の切り欠き部とで
形成される空間のうち、ローラーの直径より広く形成さ
れた端に位置する。よって、第2の回転部材の回転力は
第1の回転部材に伝わらない。よって、例えば、ばね部
材及びシートベルトとモーターとの間の機械的な動力伝
達経路が切り離された状態になる。よって、例えばシー
トベルトを引き出すとき、モーターが引き出し力の負荷
とならず、容易に引き出しを行なうことができる。
【0033】前記課題を解決するための第11の手段
は、前記第9の手段であって、第1の回転部材の内側
に、第1の回転部材と同軸に設けられ、シートベルトを
巻き取るスプール及び前記ばね部材と機械的に結合され
た回転部材(第2の回転部材)と、第1の回転部材の内
側に第1の回転部材と同軸に設けられた保持部材と、ロ
ーラーとを有してなり、第2の回転部材はその片側に凸
部を有しており、保持部材は、その中心部からの距離が
連続的に変化する周辺部と、周辺部の一部が張り出して
形成された突出部と、ばね部材とを有しており、第2の
回転部材と保持部材とローラーとが第1の回転部材に組
み込まれたとき、ローラーが第1の回転部材の内周部
と、保持部材の周辺部と、保持部材の突出部と、第2の
回転部材の凸部との間に挟まるような位置に置かれ、第
1の回転部材の内周部と保持部材の周辺部との間隔は、
その広い部分ではローラーの直径よりも大きく、その狭
い部分ではローラーの直径よりも広くされており、前記
ばね部材は、ローラーを、第1の回転部材の内周部と保
持部材の周辺部との間隔が狭まる方向に付勢するように
配置されていることを特徴とするもの(請求項11)で
ある。
【0034】本手段の作動を、例えばシートベルト巻取
装置において、第1の回転部材にモーターが結合され、
第2の回転部材にばね部材やシートベルトを巻きつける
スプールが結合されている場合を例にとって説明する。
本手段においては、後に発明の実施の形態の欄で詳しく
説明するごとく、例えば、定常状態では、ばね部材の付
勢力により、第2の回転部材が例えば反時計回りに回転
するように付勢されているとすると、このとき、第1の
回転部材の内周部と保持部材の周辺部との間隔が、時計
回り方向に行くほど広くなるようにされている。
【0035】第2の保持部材が反時計回りに回転する
と、その凸部が保持部材の突出部にぶつかり、保持部材
を反時計方向に回転させる。すると、ローラーは、スプ
リングの付勢力に反発して保持部材に対して相対的に時
計方向に移動し、第1の回転部材の内周部と保持部材の
周辺部との間隔がローラーの直径より大きな部分に位置
するようになる。よって、保持部材と第1の回転部材の
間の機械的な結合が離れ、保持部材の回転力が第1の回
転部材に伝わらなくなる。すなわち、第2の回転部材の
回転力が第1の回転部材に伝わらないので、例えば、ば
ね部材及びシートベルトとモーターとの間の機械的な動
力伝達経路が切り離された状態になり、モーターがばね
部材の負荷とならない。
【0036】例えば、モーターがシートベルトを巻取る
方向に駆動されて、第1の回転部材が反時計周りに駆動
されると、ローラーは、スプリングの付勢力により、第
1の回転部材の内周部と保持部材の周辺部との間隔がロ
ーラーの直径に等しくなる部分まで反時計方向に押され
ているが、第1の回転部材の回転により、ますます反時
計方向に押されることになる。すると、第1の回転部材
の内周部と保持部材の周辺部との間隔がローラーの直径
より狭くなる方向に押され、ローラーが楔となって、第
1の回転部材の内周部と保持部材の周辺部との間にしっ
かりと挟まり、第1の回転部材の回転力を保持部材に伝
達するので、保持部材とローラーは第1の回転と共に回
転する。
【0037】ローラーが第1の回転部材及び保持部材と
共に回転(公転)していくと、第2の回転部材の凸部に
ぶつかり、凸部を反時計方向に押す。よって、この力に
より第2の回転部材は、第1の回転部材と共に反時計方
向に回転することになる。すなわち、この場合は、第1
の回転部材と第2の回転部材がクラッチ結合されてお
り、例えばモーターの回転力が、ばね部材及びシートベ
ルトのスプールに伝達されることになる。
【0038】例えば人間がシートベルトを引き出したり
することにより、シートベルトが引き出し方向に駆動さ
れ、第2の回転部材が時計回り方向に駆動されると、第
2の回転部材の凸部がローラーにぶつかり、スプリング
の付勢力に打ち勝って、ローラーを時計方向に移動させ
る。これにより、ローラーは保持部材の突出部にぶつか
り、保持部材を時計方向に回転させる。
【0039】前述のように、第1の回転部材の内周部と
保持部材の周辺部との間隔は、時計回り側に行くに従っ
て広くなっているので、ローラーが反時計方向に移動す
ると、第1の回転部材の内周部と保持部材の周辺部との
間隔がローラーの直径より大きな部分に位置するように
なる。よって、保持部材と第1の回転部材の間の機械的
な結合が離れ、保持部材の回転力が第1の回転部材に伝
わらなくなる。すなわち、第2の回転部材の回転力が第
1の回転部材に伝わらないので、例えば、ばね部材及び
シートベルトとモーターとの間の機械的な動力伝達経路
が切り離された状態になり、モーターがシートベルト引
き出し力の負荷とならないので容易に引き出しを行なう
ことができる。
【0040】前記課題を解決するための第12の手段
は、前記第9の手段から第11の手段のうちいずれかを
有してなることを特徴とするシートベルト巻取装置(請
求項12)である。
【0041】本手段においては、特別な制御や動力を用
いることなく、モーターの回転力を巻取装置に伝達でき
ると共に、モーターがばね部材やシートベルト引き出し
時の負荷とならないようにすることができる。第10の
手段、第11の手段を用いる場合は、第1の回転部材を
モーター側に結合し、第2の回転部材をシートベルトを
巻き取るスプール側に結合することは言うまでもない。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1
例であるシートベルト巻取装置の分解斜視図、図2はそ
の組立図である。図1、図2において、1はリテーナ
ー、2はモーター、3はモーターギア、4はLギア(特
許請求の範囲の第1の回転部材に相当)、5はSギア
(特許請求の範囲の第2の回転部材に相当)、5aはロ
ーラー保持部、6は保持部材、7はローラー、8はコネ
クトギア、9はブッシュギア、9aは摺動部、9bはス
プライン部、10はリターンスプリング、11はスプリ
ングカバー、12は回転方向検出スイッチ、12aはス
イッチプレート、12bはスイッチスプリング、13は
リミットスイッチ、14はカバーである。図2(a)は
カバー14を外した状態でカバー14側から見た正面
図、(b)は(a)における切断線A−A’に沿って切
断した断面を示す。
【0043】リテーナー1に取り付けられたモーター2
の駆動力は、モーターギア3からLギア4に伝達され
る。そして、後に述べるように、Sギア5、保持部材
6、ローラー7で構成されるクラッチ機構を介してSギ
ア5に伝達され、Sギア5からコネクトギア8を介して
ブッシュギア9に伝達される。図2に示されるように、
ブッシュギア9の回転軸にはリターンスプリング10が
結合されており、ブッシュギア9の回転を、シートベル
トの巻取方向に付勢している。なお、実際のシートベル
ト巻取装置においては、ブッシュギア9のスプライン部
9bに、シートベルトを巻き付けるスプールが結合され
ているが、図1、図2においてはこの部分の図示を省略
している。なお、Lギア4、Sギア5、保持部材6はリ
テーナー1に設けられた回転軸に同軸状に保持され、コ
ネクトギア8はリテーナー1に設けられた別の回転軸に
保持されている。ブッシュギア9はカバー14に設けら
れた回転軸に保持されている。
【0044】ブッシュギア9には摺動部9aが設けら
れ、その外周部に回転方向検出スイッチ12のスイッチ
スプリング12bが弾接している。そして、ブッシュギ
ア9の回転方向に応じて、スイッチプレート12aが時
計回り又は反時計周りに回動する。ブッシュギア9がシ
ートベルトが引き出される方向に回転したとき、スイッ
チプレート12aのストライカー部がリミットスイッチ
13の接点をオンとするように作動させるようになって
いる。このリミットスイッチプレート12aも、リテー
ナー1に保持されている。モーター2は1方向回転のモ
ーターであり、シートベルトを巻き取る方向、すなわ
ち、リターンスプリング10の付勢方向と同一方向に駆
動されるようになっている。
【0045】図3にLギア4の構造図を示す。以下の図
面においても、前出の図面に表された部位には同じ符号
を付してその説明を省略する。Lギア4は外周にモータ
ーギア3と噛み合う歯車が切られたドーナツ型をしてお
り、その内部に、Sギア5、保持部材6の一部とローラ
ー7を収納するようになっている。さらに詳しく説明す
ると、内径部の断面は図に示すようにT字型をしてお
り、両側の内径の大きい部分に、それぞれSギア5と保
持部材6が嵌まり込み、中央部の径の小さい部分がロー
ラー7と接する部分となっている。
【0046】図4にSギア5の構造図を示す。図4にお
いて、5bはギア部、5cは拡径部である。Sギア5
は、コネクトギア8と噛み合うギア部5bと、それに隣
接しLギア4の内径よりわずかに小さい外径を有する拡
径部5cを主要部としてなり、拡径部5cには、3個の
ローラー保持部5aが設けられている。拡径部5bがL
ギア4の内径の大きな部分に内部に嵌まり込む。ローラ
ー保持部5aにはローラー7が嵌め込まれて、このロー
ラー7は、Lギア4の内径の小さい部分と、後述する保
持部材6の切り欠き部との間に収納されるようになって
いる。さらに、ローラー保持部5aの先端は、後述する
保持部材6に設けられた円弧状の長穴に嵌まり込むよう
になっている。
【0047】図5に保持部材6の構造図を示す。図5に
おいて、6aは切り欠き部、6bは長穴、6cは突出部
である。保持部材6の外径は、Lギア4の内径の大きな
部分の内径よりわずかに小さくされており、Lギア4の
内径の大きな部分中に嵌まり込むようになっている。さ
らにSギア5には、Lギア4の内径の小さい部分の内径
よりわずかに小さい外径を有する、扇風機の羽根状の突
出部6cが設けられている。そして、これにより、突出
部6cが設けられていない部分には、3個の切り欠き部
6aが形成されている。切り欠き部6aには、円弧状の
長穴6bがそれぞれ形成されており、この長穴6bに
は、前述のようにSギア4のローラー保持部5aが嵌ま
り込むようになっている。
【0048】Sギア5のローラー保持部5aに保持され
たローラー7は、Lギア6の内径の小さい部分と切り欠
き部6aの間に収納される。図5に示すように、切り欠
き部6aの形状は、その1端(図では反時計回り側の
端)では、Lギア6の内径部と突出部6cで挟まれる切
り欠き部6aの空間が、ローラー7の直径よりも小さく
なり、他端(図では時計回り側の端)では、この空間が
ローラー7の直径よりも大きくなるようになっている。
【0049】ローラー7は、Sギア5の回転に伴って、
ローラー保持部5aに保持されて、保持部材6の軸(L
ギア4とSギア5の軸でもある)を中心にして公転する
が、この際、ローラー7の外周部がLギア4の内径の小
さい部分に当接して自転又は滑動しながら、ローラー7
が公転するように、ローラー保持部5aの位置が決定さ
れている。
【0050】このように構成されたSギア5、保持部材
6、ローラー7がLギア4の内部に収納されてクラッチ
機構を構成するが、その作動を図6を使用して説明す
る。図6においては、説明を分かりやすくするために、
断面図を除いて、各部品が透明であると仮定してその主
要部を表している。図6(a)は組立図を示すものであ
る。Lギア4の内径の大きな部分に、右側からSギア5
が、左側から保持部材6が嵌まり込み、ローラー保持部
5aに回転自在に保持されたローラー7が、Lギア3の
内径の小さい部分の内周に当接している。ローラー保持
部5aは、保持部材6に設けられた長穴6bに嵌まり込
んでいる。
【0051】モーター2が駆動されず、かつシートベル
トに引き出し力がかけられていない状態では、リターン
スプリング10の付勢力が働いてシートベルトを巻き取
る。このときの巻取力が、人間に圧迫感を与えないよう
な弱い力に設定されている。この付勢力によりブッシュ
ギア9が回転すると、その回転はSギアに伝達され、S
ギアが反時計回りに回転する。
【0052】すると、ローラー保持部5aに保持された
ローラーがLギア4の内周面とのフリクションにより自
転しながら、Sギア5の軸を中心として公転して移動
し、保持部材6の突出部6cにぶつかり、保持部材6に
反時計回りの回転力を与える。保持部材6は、その軸に
回転自在に保持されているため、ローラー7から回転力
を与えられるとほとんど抵抗なく回転する。
【0053】最終的には、ローラー7がLギア4の内周
部と保持部材6の突出部6cとの間に挟まることになる
が、保持部材6がほとんど抵抗なくSギア5と共に回転
することになるので、ローラー7とLギア4の内周面と
のフリクションは増加しない。従って、Sギア5が回転
したとき、ローラー7はLギア4の内周面に沿って滑動
又は回転し、Lギア4にはSギア5の回転力は伝達され
ない。逆にいえば、リターンスプリング10のみによっ
てシートベルトの巻取が行われているときには、モータ
ー2は、その負荷とならないことになる。よって、小さ
なトルクによって、シートベルトを巻き取ることが可能
となる。
【0054】図6(b)は、外力によりシートベルトの
引き出しが行われた場合の動作を示す図である。この場
合、Sギア5は、矢印のように反時計回りに駆動され
る。すると、ローラー保持部5aに保持されたローラー
がLギア4の内周面とのフリクションにより自転しなが
ら、Sギア5の軸を中心として公転して移動し、保持部
材6の突出部6cにぶつかり、保持部材6に時計回りの
回転力を与える。保持部材6は、その軸に回転自在に保
持されているため、ローラー7から回転力を与えられる
とほとんど抵抗なく回転する。
【0055】この場合は、前記(a)で説明した場合と
異なり、ローラー7は、Lギア6の内径部と突出部6c
で挟まれる切り欠き部6aの空間が、ローラー7の直径
よりも大きくされている側で突出部6cにぶつかる。よ
って、ローラー7がLギア6の内径部と突出部6cで挟
まれることがないので、ローラー7のフリクションが増
すことがない。
【0056】従って、Sギア5が回転したとき、ローラ
ー7はLギア4の内周面に沿って滑動又は回転し、Lギ
ア4にはSギア5の回転力は伝達されない。逆にいえ
ば、外力によってシートベルトの引き出しが行われてい
るときには、モーター2は、その負荷とならないことに
なる。よって、人間がシートベルトを引き出す場合に
も、モーター2がその負荷とならないので、小さな力で
引き出しが可能となる。また、上記の動作はモーター2
の駆動中でも行われるので、モーター2の駆動中におい
ても、容易にシートベルトを引き出すことができる。
【0057】図6(c)は、外部からシートベルトの引
き出しが行われていない状態で、モーター2による巻取
駆動が行われている状態を示すものである。(a)で説
明したように、初期状態においては、リターンスプリン
グ10の付勢力により、ローラー7はLギア4の内周部
と保持部材6の突出部6cとの間に、フリクションを増
大させない状態で挟まっている。
【0058】この状態において、Lギア4が矢印のよう
に反時計方向に駆動されると、ローラー7をLギア4の
内周部と保持部材6の突出部6cとの間にさらに挟み込
むような力が作用する。この力はローラー7を介して突
出部6cを押すことになるので、保持部材6がSギア5
に対して相対的に反時計回りに回転し、ローラー7が挟
み込まれる空間を広げようとする。しかしながら、Sギ
ア5のローラー保持部5aが保持部材6の長穴6b中に
嵌まり込んでいるため、Sギア5と保持部材6との相対
的な回転量は長穴6bの寸法によって規制され、所定値
以上にはならない。
【0059】よって、この相対的な回転量が最大値に達
した状態で、ローラー7がLギア4の内周部と保持部材
6の突出部6cとの間に挟み込まれ、ローラー7とLギ
ア4の内周面とのフリクションが大きくなる。よって、
ローラー7は滑動も回転もできなくなり、Lギア4の回
転力がローラー7とローラー保持部材5aを介してSギ
ア5に伝達される。この回転力は最終的にはブッシュギ
ア9に伝達され、シートベルトの巻取が行われる。モー
ター2のシートベルト巻取力は、リターンスプリング1
0のシートベルト巻取力より大きく設定されているの
で、モーター2を駆動したときは、大きな巻取力でシー
トベルトの巻取を行なうことができる。
【0060】以上の説明をまとめると、このクラッチ機
構は、外力によりシートベルトが引き出される方向に駆
動されたとき、又はモーターがシートベルトを巻き取る
方向に駆動されていないときには、モーターとシートベ
ルトとの間の機械的な動力伝達経路を切り離す機能を有
しているものである。
【0061】このような動作を行なうクラッチ機構の別
の例を図7に、その動作を図8に示す。これらの図にお
いて、2aはモーター軸、15はホールドスプリング、
15aは端部、15b、15cは支点部、16はレバ
ー、17、18はレバー16に保持されたギアである。
【0062】図7に示すように、モーター2のモーター
軸2aには、それを両側から挟み込むようにホールドス
プリング15が当接しており、ホールドスプリングの1
端部15cは、リテーナー1に固定されている。レバー
16はモーター2と同心の回転軸を有し、支点部15
b、15cにおいて、リターンスプリング15に結合さ
れている。モーターギア3はギア17に結合され、ギア
17は図示を省略した2つの歯車を介してギア18に結
合されている。
【0063】モーター2が駆動されていない状態におい
ては、図7に示すように、ギア18とブッシュギア9と
が歯合しないように、ホールドスプリング15がレバー
16を付勢している。よって、モーター2が駆動されて
いない状態では、モーター2とシートベルトとの間の機
械的な動力伝達経路は切り離されており、モーター2
は、リターンスプリングやシートベルトを引き出す力の
負荷にはならない。
【0064】この状態で、モーター2が駆動され、時計
方向に回転すると、図8(a)に示すように、モーター
軸2aより、ホールドスプリング15が図に矢印で示す
ような時計回りの力を受ける。これにより、レバー16
も時計回りの力を受けて回転し、(b)に示すように、
ギア18とブッシュギア9が歯合して、モータートルク
がブッシュギア9に伝達され、シートベルトの巻取がモ
ーター2により行われることになる。一度ギア18とブ
ッシュギア9が歯合すると、そのトルクは歯合を助長す
るように働くので、安定した動力の伝達が行われる。よ
って、最初の歯合を行なわせるためにホールドスプリン
グ15に与える力は、極弱いもので十分である。モータ
ー2の回転が停止すると、再びホールドスプリング15
の付勢力によりレバー16が反時計方向に回転し、ギア
18とブッシュギア9の歯合が外れる。
【0065】図8(c)は、モーター2の回転中に外力
によりシートベルトが引き出されたときの状態を示すも
のである。このとき、図に示すようにブッシュギア9は
時計方向の回転力を受けるが、ギア18も時計方向に駆
動されており、両者の間に、ギア18を反時計回りに押
す力が発生する。前述のように、レバー16を時計方向
に回転させているモーター軸2aからの力は極弱いもの
であるので、このような状態が発生したときには、レバ
ー16は反時計回りに回転し、ギア18とブッシュギア
9の歯合が外れる。よって、モーター2とシートベルト
との間の機械的な動力伝達経路は切り離され、モーター
2がシートベルト引き出し力の負荷となることが防止さ
れる。
【0066】図9に、本発明の実施の形態の他の例であ
るシートベルト巻取装置の分解斜視図を示す。図9にお
いて、21はブッシュシャフト、22はホールドブロッ
ク、23はクラッチスプリング、24はローラー、25
はブッシュカバー、26、27はコネクトギアである。
【0067】この実施の形態においては、リターンスプ
リングはリテーナー1の右側(図示せず)に設けられる
シートベルトを巻き取る部分側(スプール側)に設けら
れるようになっている。リテーナー1に取り付けられた
モーター2の駆動力は、モーターギア3からコネクトギ
ア26、27を介してLギア4に伝達される。そして、
後に述べるように、ブッシュシャフト21、ホールドブ
ロック22、クラッチスプリング23、ローラー24、
ブッシュカバー25で構成されるクラッチ機構を介して
ブッシュシャフト21に伝達される。ブッシュシャフト
21の中心部には、スプライン孔が設けられており、こ
れに、リテーナー1の右側に設けられるシートベルト巻
取部のスプラインシャフトが嵌合して回転するようにな
っている。スイッチプレート12a、スイッチスプリン
グ12b、リミットスイッチ13の役割は、図1に示し
た実施の形態と同様である。
【0068】図10にLギア4の構造図を示す。Lギア
4の外周の大きい部分には、コネクトギア27と噛み合
う歯車が切られており、その内周部は断面は図に示すよ
うにT字型をしており、両側の内径の大きな部分にそれ
ぞれブッシュシャフト21とブッシュカバー25が嵌ま
り込み、内径の小さな部分には、ホールドブロック2
2、ローラー24、およびクラッチスプリング23が入
るようになっている。
【0069】図11にブッシュシャフト21の構造図を
示す。ブッシュシャフト21は、中心部にスプラインシ
ャフトが入る幅広部を有するシルクハット状の円板を基
本形状としており、その片面に凸部21aが6個等間隔
で設けられている。また、その中心部近くには、ホール
ドブロック22を貫通してブッシュカバー25の穴と嵌
合する突起21bが3個等間隔で設けられている。さら
に、その中心部の、幅広部に対応する部分には、スプラ
インシャフトが嵌合するスプライン穴21cが開けられ
ている。
【0070】図12にホールドブロック22の構造図を
示す。ホールドブロック22は図に示すような構造をし
ており、等間隔に6個の突出部22aを有している。ま
た、その中心部付近には、ブッシュシャフト21の突起
21bが貫通する長穴22bが、円周に沿って開けられ
ている。また、突出部22aの反時計回り方向側には、
突起部22aに沿って、クラッチスプリング23を収納
するための凹部22cが設けられている。
【0071】ホールドブロック22の突出部22aを除
く周部22dは、ホールドブロック22の中心とは離れ
た位置に中心を有する円弧から形成されている。従っ
て、周部22dとホールドブロック22の中心間の距離
は、周部22dの時計回り側で小さく、反時計回り側で
大きくなるようになっている。
【0072】図13にブッシュカバー25の構造図を示
す。ブッシュカバー25は図に示すようにシルクハット
状の形状をしており、その中心部付近には、ブッシュシ
ャフト21の突起21bが嵌合して係止される孔25a
が3個等間隔に開けられている。
【0073】図14に、Lギア4、ブッシュシャフト2
1、ホールドブロック22、クラッチスプリング23、
ローラー24、ブッシュカバー25の組立図を示す。ク
ラッチスプリング23はホールドブロック22の凹部2
2cに収納され、その先端部はホールドブロック22の
周部22dより飛び出すようになっている。ローラー2
4は、ブッシュシャフト21の凸部21aとホールドブ
ロック22の突出部22aの間に挟まるように配置さ
れ、クラッチスプリング23により、反時計方向に付勢
されるようになっている。
【0074】ホールドブロック22、クラッチスプリン
グ23、ローラー24をこのような状態でブッシュシャ
フト21とブッシュカバー25の間に挟みこんでLギア
4内に収納し、ブッシュシャフト21の突起21bを、
ブッシュカバー25の孔25aないに貫通させて係止
し、クラッチ機構が完成する。
【0075】このようなクラッチ機構の作動を図15に
基づいて説明する。図15において、(a)はLギア4に
反時計方向の回転力がかかった状態を示すもので、この
ような状態は、モーター2によりLギア4が回転力を受
けた状態に発生する。
【0076】前述のように、ローラー24はクラッチス
プリング23で図の左方向に付勢されている。また、前
述ように、ホールドブロック22の周部22dの中心か
らの距離は、図の左に行くほど大きくなっているので、
ホールドブロック22の周部22dとLギア4の内周と
の間隔は、図の左に行くほど狭くなっている。従って、
ローラー24は、クラッチスプリング23の付勢力によ
り、ホールドブロック22の周部22dとLギア4の内
周との間隔が、ローラー24の直径に等しくなる位置ま
で図の左側に押し付けられている。
【0077】よって、Lギア4が反時計方向に回転しよ
うとすると、Lギア4の内周とホールドブロック22の
周部22dの間にローラー24が挟み込まれ、Lギア4
の回転は、ローラー24をますます間隔の狭い部分に押
すような力を与える。よって、ローラー24が、Lギア
4とホールドブロック22の間で楔作用を生じ、Lギア
4の回転力がローラー24を介してホールドブロック2
2に与えられるので、ホールドブロック22とローラー
24は、Lギア4と共に回転する。
【0078】すると、ローラー24がブッシュシャフト
21の凸部21aにぶつかり、凸部21aを反時計方向
に押すので、ブッシュシャフト21もLギア4と共に回
転する。ブッシュシャフト21の中心部のスプライン穴
21cには、巻取部のスプランシャフトが嵌合している
ので、この回転力は巻取部に伝達される。
【0079】(b)はブッシュシャフト22に反時計回り
の回転力がかかった場合の状態を示す図であり、このよ
うな状態は、モーター2が停止しており、リターンスプ
リングの力だけでシートベルトの巻取が行なわれている
場合に発生する。ブッシュシャフト22が反時計回りに
回転しようとすると、図に示すように、その凸部21a
がホールドブロックの突出部22aにぶつかり、ホール
ドブロック22を反時計方向に回転させる。すると、ロ
ーラー24は、クラッチスプリング24の付勢力に抗し
て相対的にホールドブロック22の右側に移動する。
【0080】前述のように、ホールドブロック22の周
部22dとLギア4の内周の間隔は、図の右側で広くな
っているので、ローラー24がホールドブロック22の
右側に移動すると、Lギア4の内周−ローラー24−ホ
ールドブロック22の周部24の間に隙間ができ、ロー
ラー24が楔としての役割を果たさなくなる。よって、
ブッシュシャフト21とホールドブロック22は反時計
回りに回転するが、その回転力はLギア4には伝達され
ない。すなわち、Lギア4に結合されるモーター2が、
この回転力の負荷となることはない。
【0081】(c)は、ブッシュシャフト22に時計回り
の回転力がかかった場合の状態を示す図であり、このよ
うな状態は、シートベルトが手動で引き出されているよ
うな場合に発生する。ブッシュシャフト22が時計方向
に回転すると、その凸部21aがローラー24を押し
て、図の右側に移動させる。
【0082】ホールドブロック22の周部22dとLギ
ア4の内周の間隔は、図の右側で広くなっているので、
ローラー24がホールドブロック22の右側に移動する
と、Lギア4の内周−ローラー24−ホールドブロック
22の周部24の間に隙間ができ、ローラー24が楔と
しての役割を果たさなくなる。よって、ブッシュシャフ
ト21とホールドブロック22は反時計回りに回転する
が、その回転力はLギア4には伝達されない。すなわ
ち、Lギア4に結合されるモーター2が、この回転力の
負荷となることはない。
【0083】以上のいずれの実施の形態においても、モ
ーターがシートベルト巻取方向に駆動されている時にベ
ルトが外力により引き出された場合には、モーターとシ
ートベルト巻取軸との機械的な動力伝達経路が断たれ、
モーターの駆動力がシートベルト引き出しの妨げになら
ないようにされている。しかしながら、シートベルトの
引き出し時には、モーターが停止するようにしておくこ
とが好ましい。特に、図7、図8に示した実施の形態に
おいては、モーターが回転していると、ギア18とブッ
シュギア9を噛み合わせるような力が働いているので、
最悪の場合、ギア同士が擦り合って磨耗する可能性があ
る。また、図6、図15に示したような実施の形態の場
合においても、引き出しが終わったとたんにモーターに
よる巻取が再開されてしまうので、操作性に問題があ
る。
【0084】これらの問題点を解消するために、モータ
ーによる巻取が行われている間であっても、一旦、シー
トベルトの引き出しが検出された場合には、モーターに
よる巻取を停止することが好ましい。このために、図1
に示される回転方向検出スイッチ12とリミットスイッ
チ13が用いられている。前述のように、回転方向検出
スイッチ12は、ブッシュギア9の回転方向に応じて、
スイッチプレート12aが時計回り又は反時計周りに回
動し、ブッシュギア9がシートベルトが引き出される方
向に回転したとき、そのストライカー部がリミットスイ
ッチ13の接点をオンとするように作動させるようにな
っている。よって、モーター2が回転中であっても、リ
ミットスイッチ13の接点がオンとなった場合にはモー
ターの駆動を停止するようにすればよい。
【0085】また、シートベルトのタングとバックルが
係合している場合には、人間がシートベルトを装着して
いる状態であるとして、モーターは作動させず、リター
ンスプリングのみによる巻取を行なうことが好ましい。
シートベルトのタングとバックルが係合しているかどう
かは、公知のバックルスイッチにより検出することがで
きる。
【0086】図16に、このようなモーターの制御フロ
ーを示す。このルーチンは、スタートから開始し、エン
ドで終わった後、所定時間(例えば100ms)後に、再び
スタートから開始する動作を繰り返している。まず、ス
テップS1において、バックルスイッチがオンとなって
いるか、すなわちタングとバックルが係合しているかど
うかを判断する。バックルスイッチがオンとなっている
場合には、タングとバックルが係合しているので、人間
がシートベルトを装着しているものとみなして、何もし
ないで(モーターを駆動しないで)処理を終了する。
【0087】バックルスイッチがオフ場合は、ステップ
S2においてバックルスイッチの立下りかどうかを判断
する。これは、このルーチンが直前に走ったときにバッ
クルスイッチがオンであったかどうかで判断できる。バ
ックルスイッチの立下りであるときは、バックルスイッ
チの係合が外れたことを意味するので、ステップS3に
移行してモーターをオンとし、モーターによる巻取を開
始する。
【0088】モーターがオンとされている途中で、シー
トベルト引き出しを検出するスイッチ(図1における回
転方向検出スイッチ12とリミットスイッチ13の組み
合わせに相当)がオンとなったとき、すなわちシートベ
ルトが引き出されたときは、ステップS4よりステップ
S6に飛んで、モーターを直ちにオフとする。シートベ
ルト引き出し検出スイッチがオフであれば、ステップS
5でタイマー時間が経過したかを判断し、タイマー時間
が経過していなければステップS3に戻ってモーターの
駆動を続ける。タイマー時間が経過した場合は、ステッ
プS6に移行してモーターをオフとする。
【0089】その後、ステップS7で、ベルト引き出し
検出スイッチの立下りであるかどうかを判定する。これ
は、このルーチンが直前に走ったときのベルト引き出し
検出スイッチの状態と現在のベルト引き出し検出スイッ
チの状態を比較することにより行なう。ベルト引き出し
検出スイッチの立下りである場合には、ステップS8で
タイマー時間(ステップS5のタイマー時間とは一致す
る必要はない)が経過するまで待機し、タイマー時間経
過後、ステップS3に移行してモーターをオンとする。
ベルト引き出し検出スイッチの立下りでない場合には、
処理を終了する。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、正常装着時には人間に圧迫
感を与えない巻取力で人間にシートベルトをフィットさ
せることができ、巻取時には大きな巻取力で巻き取るこ
とができる。また、タングとバックルの係合が外れた際
に急に大きな巻取力がかかっても、タングが窓等にぶつ
かるような事態が発生しない。
【0091】請求項2に係る発明においては、これらの
効果に加え、シートベルトの弛みの吸収と人間へのフィ
ットは、ばね部材の付勢力のみによって行われるので、
これらの過程において人間に圧迫感を与えることがな
い。
【0092】請求項3に係る発明においては、これらの
効果に加え、人間がシートベルトを引き出す場合に、モ
ーターの駆動力に逆らって引き出す必要がないので、軽
く引出すことができる。
【0093】請求項4に係る発明においては、これらの
効果に加え、ほとんどの弛みを迅速にとることができ、
その後は、モーターによる巻取でなく、ばね部材による
巻取を行なうので、人間に圧迫感を与えることがない。
【0094】請求項5に係る発明においては、これらの
効果に加え、例えば、手動でシートベルトを引き出した
場合、その回転を検出して、モーターの回転を停止する
等の制御を行なうことができる。
【0095】請求項6に係る発明においては、これらの
効果に加え、ばね部材の付勢力が小さくても、シートベ
ルトの弛みを確実に吸収することができる。請求項7に
係る発明においては、これらの効果に加え、装置全体を
コンパクトにすることができる。請求項8に係る発明に
おいては、ベルト引き出し時に、クラッチ機構の摩擦負
荷の影響を最小にすることができる。
【0096】請求項9に係る発明、請求項10に係る発
明、請求項11に係る発明においては、種々の回転モー
ドに対して、動力や制御装置を必要とせず、自動的にク
ラッチの入り切りを行なうことができる。
【0097】請求項12に係る発明においては、特別な
制御や動力を用いることなく、モーターの回転力を巻取
装置に伝達できると共に、モーターがばね部材やシート
ベルト引き出し時の負荷とならないようにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例であるシートベルト
巻取装置の分解斜視図である。
【図2】図1に示したシートベルト巻取装置の組立図図
である。
【図3】図1に示したLギアの構造図である。
【図4】図1に示したSギアの構造図である。
【図5】図1に示した保持部材の構造図である。
【図6】図1に示したクラッチ機構の動作を示す図であ
る。
【図7】クラッチ機構の別の例を示す図である。
【図8】図7に示したクラッチ機構の動作を示す図であ
る。
【図9】本発明の実施の形態の他の例であるシートベル
ト巻取装置の分解斜視図である。
【図10】図9に示したLギアの構造図である。
【図11】図9に示したブッシュシャフトの構造図であ
る。
【図12】図9に示したホールドブロックの構造図であ
る。
【図13】図9に示したブッシュカバーの構造図であ
る。
【図14】図9に示したクラッチ機構の組立図である。
【図15】図14に示したクラッチ機構の作動を示す図
である。
【図16】モーターの制御フローを示す図である。
【符号の説明】
1…リテーナー、2…モーター、2a…モーター軸、3
…モーターギア、4…Lギア、5…Sギア、5a…ロー
ラー保持部、5b…ギア部、5c…拡径部、6…保持部
材、6a…切り欠き部、6b…長穴、6c…突出部、7
…ローラー、8…コネクトギア、9…ブッシュギア、9
a…摺動部、9b…スプライン部、10…リターンスプ
リング、11…スプリングカバー、12…回転方向検出
スイッチ、12a…スイッチプレート、12b…スイッ
チスプリング、13…リミットスイッチ、14…カバ
ー、15…ホールドスプリング、15a…端部、15
b、15c…支点部、16…レバー、17、18…ギ
ア、21…ブッシュシャフト、21a…凸部、21b…
突起、21c…スプライン穴、22…ホールドブロッ
ク、22a…突出部、22b…長穴、22c…凹部、2
2d…周部、23…クラッチスプリング、24…ローラ
ー、25…ブッシュカバー、25a…孔、26、27…
コネクトギア

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員がシートベルトを装着したときに乗
    員に圧迫感を与えない程度の弱い巻取力を発生するばね
    部材と、シートベルトを巻き取る方向にのみ駆動され、
    前記ばね部材よりも強い巻取力を発生するモーターを併
    せ有することを特徴とするシートベルト巻取装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシートベルト巻取装置
    であって、前記モーターは、シートベルトに取り付けら
    れたタングとバックルが係合していないときのみに駆動
    力を与えられるものであることを特徴とするシートベル
    ト巻取装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシートベルト巻取装置
    であって、前記モーターは、シートベルトが引き出され
    る方向に駆動されたときには、駆動力を与えられないも
    のであることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項3のうちいずれか1
    項に記載のシートベルト巻取装置であって、タングとバ
    ックルの係合が検知されてから所定時間、又は所定回転
    数だけ、モーターによる巻取を行なうことを特徴とする
    シートベルト巻取装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のうちいずれか1
    項に記載のシートベルト巻取装置であって、シートベル
    トを巻きつけるスプールの回転方向を検知する検出器が
    設けられていることを特徴とするシートベルト巻取装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちいずれか1
    項に記載のシートベルト巻取装置であって、前記ばね部
    材と前記モーターの巻取力をシートベルトに伝達する動
    力伝達機構を有し、当該動力伝達機構は、外力によりシ
    ートベルトが引き出される方向に駆動されたとき、又は
    前記モーターがシートベルトを巻き取る方向に駆動され
    ていないときには、前記モーターとシートベルトとの間
    の機械的な動力伝達経路を切り離すクラッチ機構を有す
    るものであることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のシートベルト巻取機構
    であって、前記クラッチ機構が、モーターの駆動力をシ
    ートベルトに伝達する回転部材の内部に組み込まれてい
    ることを特徴とするシートベルト巻取装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載のシートベ
    ルト巻取装置であって、クラッチ機構が、シートベルト
    を巻きつけるスプールに直結していることを特徴とする
    シートベルト巻取装置。
  9. 【請求項9】 外側部材と内側部材の間にローラーを挟
    んで構成され、内側部材の周辺には突出部が形成される
    と共に、突出部が形成されていない内側部材の周辺と外
    側部材の内周との間隔が、ある部分では前記ローラーの
    直径より広くそれに続く部分では前記ローラーの直径よ
    り狭い楔状となっており、前記ローラーが、内側部材の
    周辺と外側部材の内周の間隔が前記ローラーの直径より
    狭い部分に噛み込んで楔作用をすることによりクラッチ
    が連結された状態となり、前記ローラーが、内側部材の
    周辺と外側部材の内周の間隔が前記ローラーの直径より
    広い部分に位置することにより、クラッチが切り離され
    た状態となる構造を有することを特徴とするクラッチ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のクラッチであって、
    第1の回転部材の内側に、第1の回転部材と同軸に設け
    られた第2の回転部材と、第1の回転部材の内側に第1
    の回転部材と同軸に設けられた保持部材とを有してな
    り、第2の回転部材はその軸方向に延設されたローラー
    保持部を有し、当該ローラー保持部にはローラーが第1
    の回転部材の内周に当接して回転自在に保持されてお
    り、保持部材には前記ローラーを収容する切り欠き部が
    設けられ、当該切り欠き部の形状は、軸方向から見たと
    き、当該切り欠き部と第1の回転部材の内周で囲まれた
    空間が、その円周方向の1端側では前記ローラーの直径
    より狭く、他端側では前記ローラーの直径より広く形成
    されており、かつ、第2の回転部材と保持部材との相対
    的な回転を所定量だけのみ許容する機構が、第2の回転
    部材及び保持部材に設けられていることを特徴とするク
    ラッチ。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のクラッチであって、
    第1の回転部材の内側に、第1の回転部材と同軸に設け
    られた第2の回転部材と、第1の回転部材の内側に第1
    の回転部材と同軸に設けられた保持部材と、ローラーと
    を有してなり、第2の回転部材はその片側に凸部を有し
    ており、保持部材は、その中心部からの距離が連続的に
    変化する周辺部と、周辺部の一部が張り出して形成され
    た突出部と、ばね部材とを有しており、第2の回転部材
    と保持部材とローラーとが第1の回転部材に組み込まれ
    たとき、ローラーが第1の回転部材の内周部と、保持部
    材の周辺部と、保持部材の突出部と、第2の回転部材の
    凸部との間に挟まるような位置に置かれ、第1の回転部
    材の内周部と保持部材の周辺部との間隔は、その広い部
    分ではローラーの直径よりも大きく、その狭い部分では
    ローラーの直径よりも広くされており、前記ばね部材
    は、ローラーを、第1の回転部材の内周部と保持部材の
    周辺部との間隔が狭まる方向に付勢するように配置され
    ていることを特徴とするクラッチ。
  12. 【請求項12】 請求項9から請求項11のうちいずれ
    か1項に記載のクラッチを有してなることを特徴とする
    シートベルト巻取装置。
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