JP2001225140A - 鍛造製品の縦バリ除去装置 - Google Patents

鍛造製品の縦バリ除去装置

Info

Publication number
JP2001225140A
JP2001225140A JP2000036529A JP2000036529A JP2001225140A JP 2001225140 A JP2001225140 A JP 2001225140A JP 2000036529 A JP2000036529 A JP 2000036529A JP 2000036529 A JP2000036529 A JP 2000036529A JP 2001225140 A JP2001225140 A JP 2001225140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vertical
forged product
burr
die
forging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000036529A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Matsuoka
直樹 松岡
Katsumi Sanpei
勝巳 三瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000036529A priority Critical patent/JP2001225140A/ja
Publication of JP2001225140A publication Critical patent/JP2001225140A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forging (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】金属材料の鍛造時にその鍛造押圧端面の外周面
に鍛造方向と平行に突出した縦バリは、従来二工程で切
断しており、コスト面でも手間の面でも無駄が大きかっ
た。これを考慮して、本発明は、縦バリをなるべく少な
い個数の型部材で、しかも極力少ない手間により一工程
で切断除去できる縦バリ除去装置を提供することを課題
とする。 【解決手段】上記課題を達成するために、本発明の縦バ
リ除去装置は、縦バリ42が挿入されるスリット26を
形成して互いに対向する溝形成切刃12,18を有し縦
バリが両溝形成切刃間のスリット26に挿入された状態
で鍛造製品40を支持する支持部材10,15と、該支
持部材に沿って鍛造製品を移動させ縦バリを溝形成切刃
によって切断除去する移動手段30,36と、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍛造製品の鍛造押
圧端面の外周縁に沿い鍛造方向と平行に突出する縦バリ
を除去する縦バリ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9(a)に示すように、鍛造型は通
常、鋼材等の鍛造されるべき金属材料80を収納する凹
部71を有する固定型(ダイス)70と、該固定型70
に接近・離間する移動型(パンチ)74とから成る。ダ
イス71の凹部71の内周面71aとパンチ74の外周
面74aとの間には、パンチ74の円滑な移動を可能に
するために環状のクリアランス75が設けられている。
従って、パンチ74がダイス70に向かって下降して金
属材料80を鍛造する際、加圧された金属材料80がこ
のクリアランス75内に入り込むことがある。
【0003】その結果、図9(b)に示すように、完成
した鍛造製品82は、その鍛造押圧端面83の外周縁に
リング状の縦バリ84(鍛造押圧端面83の外周縁から
鍛造方向、即ち鍛造製品82の縦(軸)方向に発生する
バリ)が形成されることになる。この縦バリ84は一般
に、鍛造製品82の鍛造押圧端面83から離れるにつれ
て先端の直径が小さくなるように、即ち半径方向内向き
に傾斜して形成される(図9(b)参照)。
【0004】これを考慮して、特開平7−256380
号公報に開示された鍛造製品の製造方法は、まず縦バリ
の先端部を半径方向外向きに拡径し、その後切断する。
即ち、図9(b)に示すように、縦バリ拡径用の型部材
は、固定された下型85と、下面87aから離れるにつ
れて半径が大きくなるように傾斜した円錐形状の傾斜面
87bを有し、該下型85に接近・離間する移動可能な
上型87とから成る。下型85と上型87とで鍛造製品
82を上下から挟持し、上型87の傾斜面87aによっ
て縦バリ84の先端部を半径方向外向きに拡径するので
ある。
【0005】この縦バリ84を拡径した鍛造製品82
を、その後、例えば図10(a)に示す縦バリ切断用の
型部材に移す。この型部材は、環状のバリ押さえ91
と、上下方向において該押さえ91と対向する環状の切
刃93と、バリ押さえ91の中空部に挿通されたパンチ
93とから成る。図10(a)に示すように、バリ押さ
え91と切刃93とで縦バリ84を上下両側からを挟持
しておき、図10(b)に示すようにパンチ95を下降
させて鍛造製品82を下方に移動させることにより、パ
ンチ95と切刃93とで縦バリ84を鍛造方向即ち鍛造
製品82の軸方向に切断するのである。
【0006】
【発明が解決すべき課題】上述したように、上記特開平
7−256380号公報の鍛造製品の製造方法は、拡径
工程において上型87で縦バリ84の先端部を半径方向
外向きに開き、その後切断工程でパンチ95と切刃93
とにより縦バリ84を切断する。即ち、この鍛造製品の
製造方法は、鍛造製品82の縦バリ84を二組の型部材
により、二つの工程で切断する。
【0007】その結果、図9(b)に示す縦バリ拡径用
の下型85及び上型87と、図10(a)及び(b)に
示す縦バリ切断用のパリ押さえ91、切刃93及びパン
チ95とを別々に準備することが必要となり、縦バリ8
4の切断のためのコストひいては鍛造製品82の製造コ
ストが上昇する。また、図9(b)に示す下型85及び
上型87に対する鍛造製品82の取付け、縦バリ84の
拡径及び鍛造製品82の取外しと、図10(a)及び
(b)に示すバリ押さえ91、切刃93及びパンチ95
に対する鍛造製品82の取付け、縦バリ84の切断及び
鍛造製品82の取外しが必要である。その結果、縦バリ
84の切断のために多くの時間及び手間がかかる上に、
二工程必要になる。
【0008】本発明は、上記従来例における事情を考慮
してなされたもので、金属材料の鍛造時にその鍛造押圧
端面の外周縁に沿って鍛造方向と平行に突出する縦バリ
を、なるべく少ない個数の型部材で、しかも極力少ない
時間及び手間により一工程で切断除去できる縦バリ除去
装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、金属部材
の鍛造時にその鍛造押圧端面の外周縁に沿って鍛造方向
と平行に突出する縦バリを一組の型部材で、しかも一工
程で、切断除去できる縦バリ除去装置について鋭意研究
した。その結果、縦バリに溝を形成して切断する溝形成
切刃を、鍛造製品の軸方向即ち縦バリの突出方向とほぼ
直交する方向に切断することを思い付いて本発明を完成
したのである。
【0010】即ち、本発明は、鍛造製品の鍛造押圧端面
の外周縁に沿い鍛造方向と平行に突出する縦バリを除去
する縦バリ除去装置であって、縦バリが挿入されるスリ
ットを形成して互いに対向する溝形成切刃を有し縦バリ
が両溝形成切刃間のスリットに挿入された状態で鍛造製
品を支持する支持部材と、該支持部材に沿って鍛造製品
を移動させ縦バリを溝形成切刃によって切断除去する移
動手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】本発明の鍛造製品の縦バリ除去装置は、鍛
造押圧端面の外周縁に沿って鍛造方向と平行に突出する
縦バリを支持部材の溝形成切刃間のスリットに挿入した
状態で、移動手段により鍛造製品を鍛造方向とほぼ直交
する方向に移動させるのみで即ち一工程で、縦バリは溝
形成切刃により突出方向とほぼ直交する方向に切断され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】<支持部材>本発明の鍛造製品の
縦バリ除去装置を構成する支持部材は、縦バリが挿入さ
れるスリットを形成して互いに対向する一対の溝形成切
刃を有することができ、縦バリが溝形成切刃間のスリッ
トに挿入された状態で鍛造製品を支持する。支持部材の
溝形成切刃やスリットの具体的な形状、配置等は、鍛造
製品の縦バリの形状等との関係で決まる。
【0013】例えば、図8(a)に示すように、縦バリ
A1が鍛造押圧端面の外周縁E1に直線状に形成される
場合、支持部材の互いに対向する溝形成切刃の一方は縦
バリA1の一側(左側)に位置する直線状の溝形成切刃
B1で構成し、他方は縦バリA1の他側(右側)に位置
し一方の溝形成切刃B1と平行でかつこれに対向する溝
形成切刃C1で構成することができる。その結果、一方
の溝形成切刃B1と他方の溝形成切刃C1との間にほぼ
一定幅で直線状のスリットD1が形成される。この場
合、支持部材は、一方の溝形成切刃B1が形成された部
分及び/又は他方の溝形成切刃C1が形成された部分で
鍛造製品を支持することができる。
【0014】また、図8(b)に示すように、鍛造押圧
端面の外周縁E2の縦バリA2が、互いに所定角度(例
えば直角)を成す第1の直線部分A21と第2の直線部
分A22とから成ってL字形状を有することがある。こ
の場合、支持部材の互いに対向する溝形成切刃の一方
は、縦バリA2の内側(右斜め下方)に位置する溝形成
切刃B2で構成し、他方は縦バリA2の外側(左斜め上
方)に位置する溝形成切刃C2で構成することができ
る。そして、一方の溝形成切刃B2は直線状の第1の切
刃部B21と、直線状で第1の切刃部B21と所定角度を
成す第2の切刃部B22とで構成し、他方の溝形成切刃
C2は直線状で上記第1の切刃部B21と平行な第1の
切刃部C21と、直線状で該第1の切刃部C21と所定角
度を成し、かつ上記第2の切刃部B22と平行な第2の
切刃部C22とで構成することができる。その結果、一
方の溝形成切刃B2と他方の溝形成切刃C2との間にL
字形状のスリットD2が形成される。この場合、支持部
材は、一方の溝形成切刃B2が形成された部分及び/又
は他方の溝形成切刃C2が形成された部分で鍛造製品を
支持することができる。
【0015】更に、図8(c)に示すように、鍛造押圧
端面の外周縁E3の縦バリA3が半リング状に(右半
分)形成されている場合、支持部材の互いに対向する溝
形成切刃の一方は縦バリA3の内側(左側)に位置する
半リング状の溝形成切刃B3で構成し、他方は縦バリA
3の外側(右側)に位置する半リング状の第2の溝形成
切刃C3で構成することができる。その結果、一方の溝
形成切刃B3と他方の溝形成切刃C3との間に半円形状
のスリットD3が形成される。
【0016】尚、上記半リング状の縦バリA3と左右対
称なリング状(左半分)の縦バリを切断する場合は、一
方及び他方の溝形成切刃は上記一方及び他方溝形成切刃
B3及びC3と左右対称に配置することができる。ま
た、縦バリがリング状の場合は、支持部材は、断面円形
の中空部を有する固定型と、該中空部に収納されその上
端で鍛造製品を支持する円柱状の支持型とを含み、固定
型と支持型との間にリング状のスリットを形成すること
ができる。この場合、支持型の外周縁の一方の溝形成切
刃が縦バリの内側に位置し、固定型の内周縁の他方の溝
形成切刃が縦バリの外側に位置する。このようにすれ
ば、対向する一対のリング状の溝形成切刃により、リン
グ状の縦バリを容易に切断できることができる。
【0017】また、上記支持部材の支持型は、固定傾斜
面を持つ固定部と、該固定傾斜面上を上下方向に摺動す
る摺動傾斜面と外周端の上端に一方の溝形成切刃を持つ
とともに上端より延びる少なくとも一つのスリットを有
する、筒状で固定部の固定傾斜面に沿って下方に移動す
ることにより上端部が開く可動円筒部と、該可動円筒部
を上方に付勢する付勢部材と、を含むことができる。こ
のようにすれば、可動円筒部が固定型に沿って下降する
つれて、その上端部が開いて一方の溝形成切刃が縦バリ
に径方向内側から対向又は接触し、これにより鍛造製品
が支持型上において上端と平行な方向において位置決め
される。
【0018】尚、上記支持型の上端の形状は鍛造押圧端
面の形状に対応させることが望ましい。例えば、鍛造押
圧端面が平坦であれば支持型の上端も平坦とし、鍛造押
圧端面に凹部又は凸部が形成されていれば支持型の上端
には凸部又は凹部を形成する。このようにすれば、支持
型の上端で鍛造押圧端面を支持したとき、縦バリが第1
及び/又は第2の溝形成切刃から浮いたり離れたりする
ことが防止される。
【0019】尚、本願明細書において縦バリの「リング
状」とは、円の他、円に近似する楕円及び多角形等を含
む。また、縦バリが完全にリング状に形成されておらず
その一部が欠けている場合も、ここではリング状に含め
て考える。更に、リング状の縦バリは単一半径から成っ
ても良いし、二つ以上の半径から成っても良い。そし
て、縦バリが二つ以上の半径から成る場合、半径方向内
側のバリ部分と外側のバリ部分とは、半径方向に延びる
バリ部分で相互に連結されている場合もあるし(後述す
る図7(a)参照)、連結されていない場合もある(次
述する図8(d)参照)。
【0020】また、図8(d)に示すように、鍛造押圧
端面の外周縁E4の縦バリA4が径方向外側(上側)に
位置する第1の円弧状部分A41と、該第1の円弧状部
分に対して周方向に位相がずれかつ径方向内側(下側)
に位置する第2の円弧状部分A42とから成ることがあ
る。この場合、支持部材の互いに対向する溝形成切刃の
一方は縦バリA4の径方向内側に位置する円弧状の溝形
成切刃B4で構成し、他方は縦バリA4の径方向外側に
位置する円弧状の溝形成切刃C4で構成することができ
る。その結果、一方の溝形成切刃B4と他方の溝形成切
刃C4との間に円弧状のスリットD4が形成される。こ
の場合、支持部材は、一方の溝形成切刃C4が形成され
た部分及び/又は他方の溝形成切刃D4が形成された部
分で鍛造製品を支持することができる。<移動手段>本
発明の鍛造製品の縦バリ除去装置を構成する移動手段
は、支持部材の上端に沿って即ち鍛造押圧端面とほぼ平
行に鍛造製品を一方向に移動させ、対向する一対の溝形
成切刃の一方又は両方により縦バリを切断除去すること
ができる。
【0021】例えば、移動手段は、上記図8(a)の縦
バリA1を一方又は他方の溝形成切刃B1又はC1で除
去する場合は、鍛造製品をX1方向において左方向又は
右方向に移動させる。
【0022】また、移動手段は、上記図8(b)の縦バ
リA2を一方又は他方の溝形成切刃B2又はC2で除去
する場合は、鍛造製品をX2方向において内方又は外方
に移動させる。これにより、縦バリA2は、一方の溝形
成切刃B2の第1の切刃部B21及び第2の切刃部B22
により、又は他方の溝形成切刃C2の第1の切刃部C2
1及び第2の切刃部C22により切断される。
【0023】更に移動手段は、上記図8(c)の右半分
の半リング状の縦バリA3を径方向内側(左側)の一方
の溝形成切刃B3又は外側(右側)の他方の溝形成切刃
C3で除去する場合、鍛造製品をX3方向において内側
又は外側に移動させる。尚、縦バリが左半分の半リング
状の場合も、移動手段による鍛造製品の移動方向はX3
方向である。これに対して、縦バリがリング状の場合、
移動手段が鍛造製品をX3方向において左方向又は右方
向に移動させると、リング状の縦バリの右半分と左半分
とは一方及び他方の溝形成切刃により切断される。
【0024】また、移動手段は、上記図8(d)の縦バ
リA4を径方向内側(下側)の一方の溝形成切刃B4及
び外側(上側)の他方の溝形成切刃C4で除去する場
合、鍛造製品をX4方向において内側及び外側に移動さ
せる。これにより、縦バリA4の第1のリング部分A4
1が内側の一方の溝形成切刃B4により、第2のリング
部分A42 が外側の他方の溝形成切刃C4によりそれぞ
れ切断される。
【0025】尚、移動手段は、鍛造製品の上方を保持し
押圧する保持部材と、該保持部材を横方向に駆動する駆
動部材とを含むことができる。このようにすれば、駆動
部材が保持部材の軸方向と直交する方向に出っ張らず、
移動手段を小さなスペース内に配置することができる。
<鍛造製品>尚、鍛造製品は、鋼等通常の金属材料の熱
間鍛造又は冷間鍛造による型鍛造により得たものであ
る。尚、鍛造製品の押圧端面の外周縁に沿って鍛造方向
と平行に突出して形成される縦バリについては上述した
通りである。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を、添付図面を基にし
て説明する。 <実施例>図1から図5に本実施例による縦バリ除去装
置を示す。図1は縦バリ除去装置の正面断面図(縦バリ
の切断時)、図2は図1の要部拡大した断面図(但し、
鍛造製品のセット時)、図3は図2における3−3矢視
図(但し、一部省略)、図4は図1の要部拡大図、図5
は内刃及び外刃を概念的に示す説明図である。
【0027】図1に示すように、鍛造製品の縦バリ除去
装置は、凹部11の内周縁に外刃12を有する固定型1
0、凹部11内に収納され内刃18を有し鍛造製品40
を支持する支持型15、及び鍛造製品40を移動させる
移動型30等を含む。以下、個々の部材について説明す
る。
【0028】図2に示すように、固定型10の中心部に
は断面円形で一定深さの凹部11が形成され、凹部11
の上縁には半径方向内向きの外刃12が全周に亘って円
形状に形成されている。
【0029】固定型10の凹部11内に収納された支持
型15は、円形の底壁部16と、その周縁からほぼ垂直
に立ち上がる円筒形の周壁部17とから成り、上端が開
口した有底円筒形状を有する。周壁部17の環状の上端
面が鍛造製品40の縦バリ42で囲まれた鍛造押圧端面
(下面)40aを支持する支持面17aとなっている。
図3に示すように、周壁部17の上端の外周縁には半径
方向外向きの内刃18が全周に亘って円形状に形成され
ている。
【0030】図2及び図3に示すように、周壁部18に
は上端から途中まで軸方向に延びる二本のスリット19
が直径方向に形成されており、これにより周壁部17の
上端部は半径が増大する方向に拡径可能である。支持型
15の周壁部17の中空部にはテーパ部材21(固定
部)が周壁部17と同心的に配置され、底壁部16の貫
通孔16aを貫通する固定部材23によって固定されて
いる。このテーパ部材21は全体として円柱状で断面円
形状であるが、外周面は下端から上端に向かって外径が
漸減するようなテーパ面(固定傾斜面)21aとされて
いる。このテーパ面21aの角度及び長さは、周壁部1
7の内刃18を鍛造製品40の縦バリ42に向かって移
動させるのに十分な値にされている。
【0031】支持型15の周壁部17の開口した上端部
の内周面には環状の案内部材22が取り付けられてい
る。この案内部材22は、テーパ面21aに係合すべく
下端から上端に向かって内径が漸減するテーパ面(摺動
傾斜面)22aを有する。
【0032】支持型15はその外周面を案内部材(不図
示)により案内されて上下方向に移動可能であり、その
下方に配置された付勢装置24(図1参照)により常時
上方に付勢されている。案内部材22が取り付けられた
支持型15が可動円筒部を構成する。図2に示すよう
に、鍛造製品40のセットのために支持型15が付勢装
置24によって上昇されたとき、その内刃18は上下方
向において固定型10の外刃12よりも上方に位置し、
また周壁部17はテーパ部材21による拡径作用を殆ん
ど受けない。
【0033】支持型15の周壁部17の外周面と固体型
10の凹部11の内周面との間には上下方向に延びる環
状空間(スリット)26が形成され、この環状空間26
は支持型15の下方に配置されたコンベヤ28に連通し
ている。
【0034】上記外刃12を有する固定型10と、内刃
18を有する全体として円筒状の支持型15とにより、
環状のスリット28を間にして互いに対向する一対の溝
形成切刃12,18を有する支持部材が構成される。
【0035】図1に示すように、移動型(保持部材)3
0は上記支持型15の直上方にこれと対向して配置さ
れ、支持型15と対向する対向面(下面)30aの中央
部に鍛造製品40を保持するための凹部31を有する。
移動型30は固定型10の上面10aに案内されて鍛造
押圧端面40a即ち支持型15の支持面17aと平行な
方向(図1において左右方向)に移動可能であり、移動
型30と壁部34との間に配置された圧縮ばね33によ
り常時右方向に付勢されている。また、移動型30は、
鍛造製品40のセット時及び取外時は後述する駆動装置
37により上昇され、縦バリ42の切断時には後述する
駆動部材36により下降される。
【0036】移動型30の上方には駆動部材36が裁置
されている。移動型30の上面には上下方向に対して所
定角度を成すカム面30bが形成され、駆動部材36の
下面にはこのカム面30bと係合するカム面36aが形
成されている。駆動部材36は、鍛造製品40のセット
時及び取外時は駆動装置37により上昇され、縦バリ4
2の切断時には駆動装置37により下降される。駆動部
材36が下降すると、カム面36aと30bとの係合に
より、移動型30が固定型10の上面10aに案内され
つつ圧縮ばね33の付勢力に抗して左方に移動される。
【0037】上記移動型30、ばね33及び駆動部材3
6等により移動手段が構成される。
【0038】次に、本実施例の縦バリ除去装置による縦
バリの切断について図1から図5を参照しつつ説明す
る。
【0039】図2に示すように、前行程でほぼ最終形状
に加工された円環状の鍛造製品40は、大径部41a
と、反対側の小径部部41bとから成り、鍛造押圧端面
40aの外周縁に沿って円形状の縦バリ42が形成され
ている。縦バリ42は、鍛造押圧端面40aの外周縁か
ら鍛造方向と平行(下向き)に突出し、その先端が内向
きになるように傾斜している。
【0040】鍛造製品40の支持型15へのセット時に
は、移動型30及び駆動部材36を駆動装置37により
上方に後退させ、支持型15の上方空間を開放してお
く。これにより、支持型15は付勢装置24により付勢
されて上向きに移動し、その内刃18が固定型10の外
刃12よりも上方に位置している。この状態で、鍛造製
品40を鍛造押圧端面40aを下向きにして支持型15
上にセットとする。これにより、鍛造押圧端面40aは
支持型15の支持面17aより下方から支持され、縦バ
リ42と内刃18との間には環状の隙間がある。また、
縦バリ42は外刃12よりも上方にある。
【0041】次に、駆動装置37を作動して駆動部材3
6を下降させると、カム面36aとカム面30bとの係
合により、移動型30が駆動部材36によって下降され
るとともに、圧縮ばね33の付勢力に抗して左方に移動
される(いわゆる「寄せカム」の原理)。
【0042】移動型30の下降により、鍛造製品40を
介して支持型15が付勢装置24の付勢力に抗して下降
される。すると、周壁部17の内周面に取り付けられた
案内部材22のテーパ面22aがテーパ部材21のテー
パ面21aに案内されて周壁部17は上端部がその外径
が増加するように変形する。このとき、周壁部17のス
リット19の隙間が大きくなる。そして、図4に示すよ
うに、移動型15がその内刃18が外刃12に対向する
高さまで移動型30により下降されると、内刃18及び
外刃12はスリット26に挿入された縦バリ42を間に
して、それぞれ半径方向内側及び外側から縦バリ42の
付け根部分に対向又は当接する。
【0043】一方、上記移動型30の左方への移動によ
り、移動型30の凹部31内に収納された鍛造製品40
は、支持型15の支持面17a上において僅かに左方に
移動され、縦バリ42が内刃18及び外刃12に対して
相対移動する。その結果、図3及び図5において、円形
の縦バリ42のうち右側の半円形部分42aは主に支持
型15の内刃18の右側の半円形部分18aにより半径
方向内側から外側へ切断され、左側の半円形部分42b
は主に固定型10の外刃12の左側の半円形部分12a
により半径方向外側から内側へ切断される。
【0044】尚、内刃18によるバリ部分42aの切断
と、外刃12によるバリ部分42bとの切断とは、ほぼ
同時に行われても良いし、相前後して行われても良い
(バリ部分42aと42bとが同時に切断されるか相前
後して切断されるかは、縦バリ42、内刃18及び外刃
12の相対位置関係に依存する)。このように、内刃1
8は右側の半円部分18aが、外刃12は左側の半円部
分12aが実質的に切刃として作用する。尚、本実施例
において内刃18及び外刃12とも円形状に形成したの
は切刃の製作上の理由による。こうして切断された縦バ
リ12は、支持型15と固定型10との間の環状空間2
6内を落下し、コンベヤ28によって搬出される。
【0045】内刃18及び外刃12による縦バリ42の
切断が終了すると、支持型30及び駆動部材36が駆動
装置37により上昇される。これに伴い、移動型30が
圧縮ばね33の付勢力により右方に後退するとともに、
支持型15が付勢装置24より上昇される。その後、鍛
造製品40を支持型15から取り出す。
【0046】このように、本実施例の縦バリ除去装置に
よれば、鍛造製品40の鍛造押圧端面40aの外周縁に
沿って上下方向に突出した円形状の縦バリ42が、移動
型30により鍛造製品40をその軸方向とほぼ直交する
方向に移動させるのみで、円形状の内刃18及び外刃1
2により半径方向に切断される。即ち、この縦バリ除去
装置は、一つの工程のみで縦バリ42を切断することが
できる。
【0047】従って、縦バリ42の切断のために必要な
型部材は、外刃12を有する固定型10、支持面17a
及び内刃18を有する支持型15、及び移動型30等に
過ぎず、図9及び図10に示した従来例に比べて、型部
材の個数が半減する。加えて、縦バリ42の切断のため
に必要な作業は、鍛造製品40の固定型10,支持型1
5及び移動型30へのセット、内刃18及び外刃12に
よる縦バリ42の切断、及び鍛造製品40の固定型1
0,支持型15及び移動型30からの取外しのみであ
り、上記従来例に比べて、縦バリ42の切断に要する時
間及び手間も半減する。
【0048】また、本実施例では、内刃18を支持型1
5に形成したので、両者を別々に設ける場合に比べて、
縦バリ除去装置の部品点数が減少して、構造が簡単にな
る。更に、周壁部17の上端部は拡径可能としたので、
内刃18を縦バリ42の付け根に接触又は対向させた状
態で移動型30により鍛造製品40を半径方向に移動さ
せることができ、内刃18と外刃12の共同により縦バ
リ42を付け根又はその付近から確実に切断することが
できる。
【0049】加えて、図3に示すように、周壁部17の
二本のスリット19は、周壁部17上において移動型3
0の移動方向Aと平行な直径方向に対向する部分に形成
した。これにより、スリット19が存在するために内刃
18のみでは切断の困難な縦バリ部分42cは、主に外
刃12により切断される。また、鍛造押圧端面40aの
中心Oに対して上記縦バリ部分42cとほぼ直角を成す
位置にあり外刃12のみによる切断は困難な縦バリ部分
42dは、主に内刃18により切断される(内刃18の
縦バリ部分42dに対応する部分にはスリットを形成し
ていない)。
【0050】尚、上記鍛造製品40の鍛造押圧端面40
aは平坦であり、それ故に支持型15の支持面17aも
平坦にされていた。但し、鍛造押圧端面が平坦でなく、
例えば図6に示すように、鍛造押圧端面40aの中心部
に盛上り部部45を有することもある。本実施例の支持
型15は周壁部17の上端が開口しているので、図6に
示すように、支持面17aの中央部に鍛造押圧端面40
aの盛上り部45を嵌合させることができる。これによ
り、鍛造製品40’を支持面17aからの浮上がりを防
止しつつ支持することができる。<変形例>図7(a)
及び(b)に内刃及び外刃の変形例を示す。
【0051】上記実施例では縦バリ42が単一半径から
成る円形状に形成されていたので、内刃18及び外刃1
2も単一半径から成る円形状に形成し、実質的にはその
内の半円形部分を利用していた。これに対して、図7
(a)に示すように、縦バリ51が全体としては円形状
であるが、細かく見ると円周方向において交互に位置す
る比較的半径の大きい大径部分52a及び比較的半径の
小さい小径部分52bと、両者を連結する半径方向の連
結部52cとから成る場合がある。
【0052】このような縦バリ51を切断するために
は、図7(a)に示すように、内刃53及び外刃55の
形状も縦バリ51の形状に対応させる必要がある。即
ち、内刃53は全体として半円形状で、円周方向におい
て交互に位置する比較的半径の大きい大径部分54a及
び比較的半径の小さい小径部分54bと、両者を連結す
る半径方向の連結部54cとから成る。外刃55も同様
に全体として半円形状で、円周方向において交互に位置
する大径部分56a及び小径部分56bと、両者を連結
する半径方向の連結部56cとから成る。その他の点
は、基本的に上記実施例と同じである。
【0053】また、図7(b)に示すように、鍛造製品
の端面に縦バリ57が六つの辺58aから58fから成
る六角形状に形成されることもある。この縦バリ57を
切断するためには、内刃59及び外刃61はそれぞれ六
角形状を二分した形状にする必要がある。即ち、内刃5
9は、第1部分60aと、該第1部分60aに対してそ
れぞれ所定の角度を成して互いに対称な第2部分60b
及び第3部分60cとから成り、一方外刃61は、第1
部分62aと、該第1部分62aに対してそれぞれ所定
の角度を成して互いに対称な第2部分62b及び第3部
分62cとから成る。その他の点は、基本的に上記実施
例と同じである。
【0054】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の縦バリ
除去装置は、縦バリが挿入されるスリットを形成して互
いに対向する溝形成切刃を有し縦バリが両溝形成切刃間
のスリットに挿入された状態で鍛造製品を支持する支持
部材と、該支持部材に沿って鍛造製品を移動させ縦バリ
を溝形成切刃によって切断除去する移動手段と、から成
る。そして、鍛造押圧断面の外周縁から鍛造方向と平行
に突出した縦バリを、スリットを形成して対向する支持
部材の溝形成切刃間に挿入した状態で、移動手段により
鍛造製品を移動させるのみで鍛造方向とほぼ直交する方
向に切断する。
【0055】従って、本発明の縦バリ除去装置は、縦バ
リを一工程で切断除去することができるので、従来の縦
バリ除去装置に比べて、縦バリの切断除去のための型部
材の個数及び縦バリの切断除去のための手間が半減し、
一工程で除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による縦バリ除去装置の正面断
面図である。
【図2】図2は図1の要部拡大図である。
【図3】図2における3−3矢視図である。
【図4】縦バリの切断を説明する説明図である。
【図5】内刃及び外刃を概念的に示す説明図である。
【図6】上記実施例の縦バリ除去装置に別の鍛造製品を
セットした状態を示す断面図である。
【図7】(a)及び(b)は、上記実施例とは異なるリ
ング形状の縦バリを切断する内刃及び外刃の説明図であ
る。
【図8】(a)、(b)、(c)及び(d)は、本発明
の異なる実施の形態を説明するための説明図である。
【図9】(a)は鍛造時に縦バリができる理由を説明す
る説明図、(b)は従来の縦バリ切断方法における縦バ
リの拡径を示す説明図である。
【図10】(a)及び(b)は従来の縦バリ切断方法に
おける縦バリの切断を説明する説明図である。
【符号の説明】
10,15:支持部材 10:固定型 12:外刃(溝形成切刃) 17:筒状部 18:内刃(溝形成切刃) 26:環状空間(スリット) 30,36:移動手段 30:移動型 36:駆動部材 40:鍛造製品 40a:鍛造押圧端面 42:縦バリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍛造製品の鍛造押圧端面の外周縁に沿い
    鍛造方向と平行に突出する縦バリを除去する縦バリ除去
    装置であって、 前記縦バリが挿入されるスリットを形成して互いに対向
    する溝形成切刃を有し、該縦バリが該溝形成切刃間の該
    スリットに挿入された状態で前記鍛造製品を支持する支
    持部材と、 該支持部材に沿って前記鍛造製品を移動させ、前記縦バ
    リを前記溝形成切刃によって切断除去する移動手段と、
    から成ることを特徴とする鍛造製品の縦バリ除去装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、断面円形の中空部を有
    する固定型と、該中空部に収納されその上端で前記鍛造
    製品を支持する円柱状の支持型とを含み、該固定型と該
    支持型との間にリング状の前記縦バリを挿入するリング
    状の前記スリットが形成されている請求項1記載の鍛造
    製品の縦バリ除去装置。
  3. 【請求項3】 前記支持型は、固定傾斜面を持つ固定部
    と、該固定傾斜面上を上下方向に摺動する摺動傾斜面と
    上端の外周端に一方の前記溝形成切刃を持つとともに該
    上端より延びる少なくとも一つのスリットとを有する筒
    状で該固定部の該固定傾斜面に沿って下方に移動するこ
    とにより上端部が開く可動円筒部と、該可動円筒部を上
    方に付勢する付勢部材とを含む請求項2記載の鍛造製品
    の縦バリ除去装置。
  4. 【請求項4】前記移動手段は、前記鍛造製品の上方を保
    持し押圧する保持部材と、該保持部材を横方向に駆動す
    る駆動部材とを含む請求項2記載の鍛造製品の縦バリ除
    去装置。
JP2000036529A 2000-02-15 2000-02-15 鍛造製品の縦バリ除去装置 Pending JP2001225140A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000036529A JP2001225140A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 鍛造製品の縦バリ除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000036529A JP2001225140A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 鍛造製品の縦バリ除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001225140A true JP2001225140A (ja) 2001-08-21

Family

ID=18560569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000036529A Pending JP2001225140A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 鍛造製品の縦バリ除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001225140A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114536020A (zh) * 2022-02-15 2022-05-27 大田县鹏威机械制造有限公司 一种消防器材铸件生产用飞边去除装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114536020A (zh) * 2022-02-15 2022-05-27 大田县鹏威机械制造有限公司 一种消防器材铸件生产用飞边去除装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3765880B2 (ja) 内高圧・変形法によって二重壁の貫通部を有する構成部材を製造する方法並びに装置
JP4990756B2 (ja) ワーク周壁における貫通孔の穿設装置
JP5325934B2 (ja) ピアスナットの製造装置
JP5920485B2 (ja) 鋼板加工方法、および鋼板加工装置
EP1876365A1 (en) Retainer for radial needle bearing, method of manufacturing the same, and radial needle bearing
JP5741138B2 (ja) フランジ一体型波付管の製造方法、フランジ一体型波付管、および前記製造方法に用いられる波付管用の切断装置
WO2006117946A1 (ja) 傘歯車の鍛造成形方法及び装置
JP2007038260A (ja) パイプ端部のプレスカット方法及びその装置
JPH1029029A (ja) 基部外面上に円筒部が一体形成されてなる金属成形品の成形装置並びにかかる金属成形品の成形方法
US7127924B1 (en) Double action punch assembly for hydroforming die
JP2001225140A (ja) 鍛造製品の縦バリ除去装置
US4138776A (en) Method for fabricating pulleys
JP2005273755A (ja) スラスト円筒ころ軸受用保持器とその製造方法
JP2007009989A (ja) 円錐ころ軸受用保持器及びその製造方法
JPH057944A (ja) 絞り加工方法
JP4514539B2 (ja) パイプ切断装置及び切断方法
JPH07214193A (ja) プレス機械の精密せん断金型
JPH05277615A (ja) 転がり軸受の軌道輪製造方法
JPH11724A (ja) バーリング加工用パンチ
JP2004314169A (ja) パイプ材の溝部成形方法
JP5534804B2 (ja) 保持器の製造方法、保持器、および針状ころ軸受
JP2005321027A (ja) ころ軸受用保持器およびその製造方法
JP2000071047A (ja) スリーブ弁部材の製造方法
JP4450447B2 (ja) センサリングのフランジ部加工方法
JP2003191012A (ja) 金属管及びその製造方法