JP2001224955A - O/w型エマルジョンの製造方法 - Google Patents

O/w型エマルジョンの製造方法

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JP2001224955A
JP2001224955A JP2000036628A JP2000036628A JP2001224955A JP 2001224955 A JP2001224955 A JP 2001224955A JP 2000036628 A JP2000036628 A JP 2000036628A JP 2000036628 A JP2000036628 A JP 2000036628A JP 2001224955 A JP2001224955 A JP 2001224955A
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oil
emulsion
polyhydric alcohol
phase
oil phase
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JP2000036628A
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English (en)
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Atsushi Yokomaku
敦司 横幕
Makoto Egawa
真 江川
Yoshihiro Tokunaga
義弘 徳永
Masahiko Matsubara
雅彦 松原
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Lion Corp
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Lion Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 油性成分及び非イオン界面活性剤を含有
する油相と油相用多価アルコールとからなる系を混合し
て、上記油相用多価アルコールを連続相とするエマルジ
ョンを形成させた後、該エマルジョンに水相用多価アル
コール及び/又は低級アルコールを含有する水相を添加
して連続相が上記油相用多価アルコールを含む水相にな
るように転相させることによりO/W型エマルジョンを
調製することを特徴とするO/W型エマルジョンの製造
方法。 【効果】 本発明の製造方法によれば、粒子径が極めて
微細なO/W型エマルジョンが得られ、例えば平均粒子
径を0.5μm以下とすることができ、きめ、艶の良い
O/W型エマルジョンを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、O/W型エマルジ
ョンの製造に関し、更に詳細には、高エネルギーの機械
的剪断力を用いなくても、極めて微細な粒子径のO/W
型エマルジョンが得られるO/W型エマルジョンの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、O/W型エマルジョンの製造方法としては、例えば
親水性溶媒中に非イオン界面活性剤を添加し、これに更
に油分を添加して、これを水に分散させる方法(特公昭
57−29213号公報)、油相の融点以上の温度にし
た水溶性溶媒中に界面活性剤を溶解させた油相を添加し
た後、これに水を添加する方法(特開昭60−1252
44号公報)等が提案されているが、これらの提案の場
合、いずれも得られるO/W型エマルジョンの乳化粒子
の粒子径は1〜2μm程度であり、非常に微細な粒子径
のO/W型エマルジョンを製造するのは困難であった。
【0003】そのため、近年では、より一層微細な粒子
径のエマルジョン粒子を有するO/W型エマルジョンが
得られる製造方法が種々提案されており、例えばノズル
から油相と水相とをそれぞれ高速噴射して、向流で二液
を衝突させることにより、油相粒子を微粒化すると共
に、該油相粒子を水相に分散させる方法(特公昭59−
15005号公報)、液−壁衝突及び流路変化によっ
て、油相粒子を微粒化すると共に、該油相粒子を水相に
分散させる方法(特開昭52−151676号公報)、
油相と多価アルコールを混合し、多価アルコール中に油
相の微滴を分散させて油/多価アルコール型エマルジョ
ンを形成させ、次いで、予備乳化工程として上記油/多
価アルコール型エマルジョンに水相を添加して連続相が
上記多価アルコールを含む水相になるように転相させる
ことにより、前工程で微滴化した油相が容易に微細化し
て微細、且つ均一な粒子径のO/W型エマルジョンが予
備乳化物として得られ、更にこの予備乳化物を高圧ホモ
ジナイザーを用いて高圧乳化(二次乳化)することによ
り、極めて微細な粒子径のO/W型エマルジョンを得る
方法(特開平11−90211号公報)などが提案され
ている。
【0004】しかしながら、これらの提案の場合、いず
れも高エネルギーの機械的剪断力を使用する必要がある
ため、使用する装置が制限されてしまい、特に工業的に
見た場合には、製造コストを引き上げることになるとい
う問題があった。そこで、微粒化された油相粒子を含有
するO/W型エマルジョンを製造するにあたり、上記の
ような高エネルギーの機械的剪断力を使用しなくても、
低エネルギーの剪断力で微細な粒子径のO/W型エマル
ジョンを製造できる方法が望まれていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、極めて微細な粒子径のO/W型エマルジョンを、高
エネルギーの機械的剪断力がなくても調製することが可
能なO/W型エマルジョンの製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ね
た結果、まず、油相と油相用多価アルコールとを混合
し、該多価アルコール中に油相の微滴を分散させて油/
多価アルコール型エマルジョンを形成させ、次いで、上
記油/多価アルコール型エマルジョンに、水相用多価ア
ルコール及び/又は低級アルコールを含有する水相を添
加して、連続相が上記油相用多価アルコールを含む上記
水相となるように転相させることにより、油相が容易に
微細化して、極めて微細な粒子のO/W型エマルジョン
が得られる上、水相添加時に水相中の多価アルコール及
び/又は低級アルコールが油/多価アルコール型エマル
ジョンの乳化膜の構造をルーズにすると共に、非イオン
界面活性剤が油−水界面へ集中的に配向して界面張力が
より低下するので、非イオン界面活性剤の添加量が少量
でも、また、界面張力低下能の小さい非イオン界面活性
剤を使用しても、低エネルギーの機械的剪断力で油相が
極めて微細化されたエマルジョンが得られることを見出
し、本発明をなすに至った。
【0007】即ち、本発明は、油性成分及び非イオン界
面活性剤を含有する油相と油相用多価アルコールとから
なる系を混合して、上記油相用多価アルコールを連続相
とするエマルジョンを形成させた後、該エマルジョンに
水相用多価アルコール及び/又は低級アルコールを含有
する水相を添加して連続相が上記油相用多価アルコール
を含む上記水相になるように転相させることによりO/
W型エマルジョンを調製することを特徴とするO/W型
エマルジョンの製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のO/W型エマルジョンの製造方法は、油性成分及び
非イオン界面活性剤を含有する油相と油相用多価アルコ
ールと水相用多価アルコール及び/又は低級アルコール
を含有する水相とを用いるものである。
【0009】ここで、油性成分としては、O/W型エマ
ルジョンの種類、目的に応じて衣料用仕上げ剤、化粧
料、医薬品、洗浄剤、食品などの各種分野の製品に使用
されている疎水性の油性成分を使用することができ、こ
のような油性成分として、具体的には、アボガド油、ツ
バキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、
ゴマ油、小麦胚芽油、パーム油、サザンカ油、ヒマシ
油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、落花
生油、茶実油、ホホバ油、ヤシ油、大豆油、米ぬか油、
コーン油、オリーブスクアランなどの植物油、サメスク
アラン、馬脂、ラノリンなどの動物油、パラフィンなど
の鉱物油、イソプロピルミリステート、イソプロピルパ
ルミテート、ミリスチン酸オクチルドデシル、ポリシロ
キサン系などの合成油等を挙げることができ、これらは
1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用するこ
とができる。
【0010】上記油性成分の配合量は、その種類、O/
W型エマルジョンの目的、用途等により適宜選定するこ
とができるが、通常O/W型エマルジョン全量に対し
て、0.01〜50%(質量%、以下同様)、特に0.
1〜30%程度が望ましい。油性成分の配合量が多すぎ
るとエマルジョンの形成が困難となる場合がある。一
方、油性成分の配合量が少なすぎると油性成分配合の効
果が十分に得られない場合がある。
【0011】本発明の非イオン界面活性剤としては、上
記各種分野において使用されているものであればよく、
そのような非イオン界面活性剤としては、例えばアルキ
ル及びアルキルアリルポリオキシエチレンエーテル、ア
ルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレン
エーテル、ポリオキシプロピレンを親水基とするブロッ
クポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルなどのエーテル型非イオン界面活性剤、グリ
セリン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、
ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテ
ル、ソルビット脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエ
ーテルなどのエーテルエステル型非イオン界面活性剤、
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステルなどのエステル型非イオン界面活性剤、
脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオ
キシドなどの含窒素型非イオン界面活性剤などを使用す
ることができ、これらの中でも特にエステル型非イオン
界面活性剤、エーテル型非イオン界面活性剤、エーテル
エステル型非イオン界面活性剤等がより好適である。
【0012】より具体的には、例えば酸化エチレンの付
加モル数が5〜15、脂肪酸の炭素数が12〜18のポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリ
ンの重合度が4〜10、脂肪酸の炭素数が12〜18の
ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレンの付加モ
ル数が6〜20、脂肪酸の炭素数が12〜18のポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、酸化エチレン
の付加モル数が3〜60、脂肪酸の炭素数が12〜18
のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、酸化
エチレンの付加モル数が3〜60のポリオキシエチレン
ひまし油・硬化ひまし油、酸化エチレンの付加モル数が
2〜50、脂肪酸の炭素数が12〜18のポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、酸化エチレンの付加モル数
が2〜150、アルキルの炭素数が12〜22のポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、酸化エチレンの付加モ
ル数が1〜30、酸化プロピレンの付加モル数が4〜
8、アルキルの炭素数が12〜22のポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が好適に使
用され、これらは、その1種を単独で又は2種以上を適
宜組み合わせて使用することができる。
【0013】上記非イオン界面活性剤の配合量は、その
種類等により適宜選定することができるが、通常O/W
型エマルジョン全量に対して、0.01〜40%、特に
0.1〜20%程度が望ましい。非イオン界面活性剤の
量が少なすぎるとエマルジョンの形成が困難となる場合
があり、配合量が多すぎるとゲル化して取り扱いが困難
となる場合がある。
【0014】また、上記油性成分との配合割合は、特に
制限されるものではないが、油性成分:非イオン界面活
性剤(質量比)=1:0.1〜1:5、特に1:0.5
〜1:2であることが望ましく、非イオン界面活性剤の
配合割合が大きすぎると、油性成分の持つ効果に対し
て、非イオン界面活性剤の持つべとつき感が増し、商品
価値が損なわれる場合がある。非イオン界面活性剤の配
合割合が小さすぎると、微細エマルジョンを形成できな
くなる場合がある。
【0015】本発明における油相は、上記非イオン界面
活性剤及び油性成分以外に、本発明の効果を妨げない限
り、必要に応じて油溶性防腐剤、油溶性抗菌剤、油溶性
香料、目的に応じた各種薬効成分等の添加剤を通常の使
用量で配合することもできる。
【0016】次に、本発明の油相を微滴状に分散させる
際に用いる油相用多価アルコールとしては、分子中に2
〜6個の水酸基を有するアルコールを好適に使用するこ
とができ、このような多価アルコールとして、具体的に
はグリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリ
コール、イソプロピレングリコール、ソルビトール、
1,4−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、
1,5−ペンタンジオール等を挙げることができ、これ
らの中でも特にグリセリン、エチレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プ
ロピレングリコール等がより好適に使用され、これら
は、その1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて
使用することができる。
【0017】上記油相用多価アルコールの配合量は、そ
の種類等により適宜選定することができるが、通常O/
W型エマルジョン全量に対して、0.01〜40%、特
に0.1〜20%程度が望ましい。多価アルコールの配
合量が少なすぎると、界面張力が下げられないため微細
化できない場合があり、配合量が多すぎると、エマルジ
ョンを形成できない場合がある。
【0018】また、上記非イオン界面活性剤との配合割
合は、特に制限されるものではないが、非イオン界面活
性剤:油相用多価アルコール(質量比)=1:0.1〜
1:2、特に1:0.5〜1:1.5であることが望ま
しく、上記範囲以外では微細化が困難となる場合があ
る。なお、同様の理由により、油性成分との配合割合
は、特に制限されるものではないが、油性成分:油相用
多価アルコール(質量比)=1:0.1〜1:5、特に
1:0.3〜1:2であることが望ましい。
【0019】そして、上記油性成分、非イオン界面活性
剤及び油相用多価アルコールの合計配合量は、適宜選定
することができるが、通常O/W型エマルジョン全量に
対して70%以下、好ましくは50%以下程度であるこ
とが望ましい。合計配合量が多すぎると乳化効率が悪く
なり、微細化が困難となる場合がある。なお、配合量の
下限値は、O/W型エマルジョンの使用目的等に合わせ
て適宜選定することができ、特に制限されるものではな
いが、通常0.05%程度が好適である。
【0020】本発明の水相に配合する水相用多価アルコ
ールとしては、上記油相用多価アルコールと同様の多価
アルコールを挙げることができ、油相用多価アルコール
と水相用多価アルコールとは、同一であっても異なって
いても良い。また、低級アルコールとしては、例えば炭
素数4以下のアルコールを好適に使用することができ、
炭素鎖は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよく、
また、不飽和の有無に制限されるものではない。このよ
うな低級アルコールとして、より具体的には、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール等を挙げることができ、これらの中でも特にエ
タノールが好適に使用される。
【0021】これらの水相用多価アルコール、低級アル
コールは、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせ
て使用することができ、配合量は油性成分、非イオン界
面活性剤、水相用多価アルコール、低級アルコールの種
類等により適宜選定することができるが、通常水相全量
に対して0.5〜50%、特に1〜30%であることが
望ましい。なお、2種以上を併用する場合、合計配合量
が上記範囲となることが望ましい。配合量が少なすぎる
と油相粒子を微細化できなくなる場合があり、多すぎる
と乳化できなくなる場合がある。また、同様の理由によ
り、通常O/W型エマルジョン全量に対して、0.15
〜50%、特に0.5〜30%程度が望ましい。
【0022】本発明の水相には、水相成分として本発明
の効果を妨げない範囲で必要に応じて、水溶性高分子物
質、水溶性防腐剤、水溶性抗菌剤等の各種水溶性有効成
分等を通常の使用量で配合することができる。なお、本
発明の製造方法により製造したO/W型エマルジョン
は、用途に応じて更に水等で希釈することもできる。
【0023】本発明の製造方法は、上記油性成分及び非
イオン界面活性剤を含有する油相と油相用多価アルコー
ルとからなる系を混合して、油相用多価アルコール中で
油相を微滴化する油/多価アルコール型エマルジョン形
成工程と、上記エマルジョンに水相用多価アルコール及
び/又は低級アルコールを含有する水相を添加、混合し
て、連続相を上記油相用多価アルコールを含む上記水相
に転相させることによって油相粒子を微細化してO/W
型エマルジョンを形成させる工程とを行うことによっ
て、目的とするO/W型エマルジョンを製造するもので
ある。以下、本発明の製造方法を、油/多価アルコール
型エマルジョン形成工程とO/W型エマルジョン形成工
程とに分けて説明する。
【0024】本発明の油/多価アルコール型エマルジョ
ン形成工程は、上述したように油性成分及び非イオン界
面活性剤を含有する油相と油相用多価アルコールとから
なる系を混合して、多価アルコール中に微滴化した油相
を分散させたエマルジョンを形成するものである。
【0025】ここで、油相を調製する際の諸条件は適宜
選定されるが、上記油性成分と非イオン界面活性剤とを
均一に混合溶解させるには、油性成分に非イオン界面活
性剤を添加し、これらを40〜90℃、特に50〜80
℃で混合溶解させることが望ましい。温度が低すぎると
非イオン界面活性剤の親水性が増して油性成分との混合
溶解が困難となる場合があり、温度が高すぎると油性成
分及び非イオン界面活性剤が分解しやすくなる。
【0026】ここで、本発明の油相調製工程における油
性成分と非イオン界面活性剤との混合溶解を行う装置
は、特に制限されず、従来より使用されている撹拌装置
を使用することができるが、非イオン界面活性剤の種類
によっては系の粘度が上昇することもあるので、アジホ
モミキサー等の掻き取り羽根を備えた乳化釜で行うこと
が好ましく、この際の撹拌条件は、これら装置の通常の
使用範囲にて行い、全体が均一に混合溶解するまで撹拌
を続けることが望ましい。
【0027】なお、本発明において使用される乳化釜
は、温度コントロール機能を備えたものが望ましく、温
度コントロール機能としては、具体的には、外部熱交換
によるリサイクルライン、コイル、槽外側のジャケット
等が挙げられるが、効率を考えるとこれらの中でもジャ
ケットを用いることが好ましい。
【0028】そして、この油相と油相用多価アルコール
とを混合して、油/多価アルコール型エマルジョンを形
成させるが、この場合、これらを添加する順序は特に制
限されず、例えば全部を同時に添加することもでき、ま
た、これらを加温する必要がある場合、その加温の方法
も特に制限されず、例えば油相と油相用多価アルコール
とを撹拌槽に仕込んだ後にこれらを同時に加温すること
もできるが、作業性を考慮すれば、予め油相は加温した
状態にあるので、ここに所定温度に加温した油相用多価
アルコールを添加して、混合することが望ましい。
【0029】ここで、油/多価アルコール型エマルジョ
ンを調製する際の条件は主に温度に支配され、混合時の
温度を例えば40〜90℃、特に50〜80℃とするこ
とにより、容易に油/多価アルコール型エマルジョンを
調製することができる。
【0030】この油/多価アルコール型エマルジョンを
調製する装置は、特に制限されず、従来より使用されて
いる撹拌装置を使用することができるが、使用する多価
アルコールと油相の種類の組み合わせによっては系の粘
度が高くなる場合があり、また、全体混合ができる程度
以上の混合力があることが望ましいため、上記油相調製
工程と同様の装置が好適に使用され、例えばアジホモミ
キサー等の掻き取り羽根を備えた乳化釜で行うことが好
ましい。
【0031】この際の撹拌条件は、これら装置の通常の
使用範囲にて行い、全体が均一な透明状態又は白濁状態
となるまで混合、撹拌を行うことが望ましい。なお、こ
の工程において使用される撹拌槽(乳化釜)も上記油相
調製工程と同様の温度コントロール機能を備えることが
望ましい。
【0032】次に、本発明のO/W型エマルジョン形成
工程は、上記油/多価アルコール型エマルジョンに、水
相用多価アルコール及び/又は低級アルコール、及び必
要に応じて上記水溶性有効成分などを混合、溶解させて
おいた水相を添加、混合することによって、油/多価ア
ルコール型エマルジョンを転相させて、油相用多価アル
コールと水相用多価アルコール及び/又は低級アルコー
ルを含有する水相とからなる連続相(分散媒中)に微細
化した油相粒子が分散したO/W型エマルジョンを得る
ものであり、エマルジョンの平均粒子径は0.5μm以
下が好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
【0033】この工程により微細なO/W型エマルジョ
ンを得るためには、予め油/多価アルコール型エマルジ
ョンを好ましくは25〜70℃、より好ましくは30〜
60℃に冷却しておく必要がある。これにより、非イオ
ン界面活性剤が親水的になり、転相時に非イオン界面活
性剤が油−水界面に集中的に配向し、界面張力がより低
下するので、低エネルギーの機械的剪断力で容易に乳化
してO/W型エマルジョンを得ることができる。
【0034】ここで、この工程における水相の温度は2
5〜70℃、特に30〜60℃で上述したように油/多
価アルコール型エマルジョンを冷却した上記温度と同程
度が好ましい。上記温度が低すぎると、転相乳化がうま
くいかず、ゲル化する場合がある。また、温度が高すぎ
ると、非イオン界面活性剤の親水性が弱く、細かい粒子
を形成できない場合があり、また水相に配合された低級
アルコール等が蒸発するため、その配合による効果が得
られなくなることがある。
【0035】水相と油/多価アルコール型エマルジョン
の添加順序は、特に制限されないが、水相中に油/多価
アルコール型エマルジョンを添加するか、油/多価アル
コール型エマルジョンに水相を短時間に一気に添加する
方法が、より細かい粒子形成ができるので好ましい。
【0036】本発明のO/W型エマルジョン形成工程に
おける乳化の程度は、使用する界面活性剤の種類等によ
りその程度は異なるが、油相が微細化されて上述したよ
うに平均粒子径0.5μm以下、好ましくは平均粒子径
0.1μm以下となるように乳化されていることが望ま
しい。
【0037】このような乳化を行う装置は、特に制限さ
れず、従来より使用されている乳化撹拌装置を使用する
ことができるが、乳化時間を短時間で効率よく行うため
には、集中剪断乳化機と全体混合翼とを併用することが
望ましく、上記工程と同様の撹拌装置(乳化釜)を好適
に使用することができ、撹拌条件はこれら装置の通常の
使用範囲にて行い、系全体が均一な状態となるまで撹拌
を継続することが望ましい。なお、この工程において使
用される撹拌槽(乳化釜)も上記工程と同様の温度コン
トロール機能を備えることが望ましい。
【0038】本発明の製造方法により得られたO/W型
エマルジョンは、本発明の効果を損なわない限り、例え
ばこれを予備乳化物とし、更に高圧ホモジナイザー等の
高剪断型の撹拌装置を用いて高圧乳化(二次乳化)し
て、油相粒子をより一層微細化することもでき、用いる
高圧ホモジナイザー等の種類は特に制限されるものでは
ない。この場合、本発明により得られるO/W型エマル
ジョンの粒子径が非常に微細であるため、従来の方法に
比べて効率的により微細なエマルジョンを得ることがで
きる。
【0039】本発明の製造方法により得られるO/W型
エマルジョンは、例えば油相粒子の平均粒子径が0.5
μm以下というように非常に微細化されているため、き
め、艶が良く、安定性が良好なエマルジョンであり、例
えばローション類などのスキンケア,フェイスケア製
品、シャンプー,リンス等の頭皮頭髪用化粧料、ボディ
ーソープ、衣料用仕上げ剤、エアゾール製品、医薬品液
剤などの香粧品、医薬品、繊維処理製品等の各種分野の
製品に使用することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、非常に粒子
径が細かいO/W型エマルジョンが得られ、例えば平均
粒子径を0.5μm以下とすることができ、きめ、艶が
良く、安定性が良好なO/W型エマルジョンを得ること
ができる。従って、本発明の製造方法により得られるO
/W型エマルジョンは、特にローション類などのスキン
ケア、フェイスケア製品、シャンプー,リンス等の頭皮
頭髪用化粧料、ボディーソープ、衣料用仕上げ剤、エア
ゾール製品、医薬品液剤などの香粧品、医薬品、繊維処
理製品等の各種分野の製品として好適に利用することが
できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。なお、表中の%は質量%である。
【0042】[実施例1〜9]表1及び表2に示す油性
成分及び非イオン界面活性剤を表1及び表2に示す濃度
となるようにアジホモミキサー及び掻き取り羽根を備え
た乳化釜に仕込み、これらを80℃で均一に混合溶解さ
せて油相を調製した後、表1及び表2に示す油相用多価
アルコールを表1及び表2に示す濃度となるように添加
して、80℃で5分間混合して油/多価アルコール型エ
マルジョンを形成させ、15分かけて50℃まで冷却し
た後、該エマルジョンに表1及び表2に示す水相用多価
アルコール及び/又は低級アルコールが表1及び表2に
示す濃度で配合され、更に適宜量の防腐剤を含む水相を
添加して、50℃で5分間混合して実施例1〜9のO/
W型エマルジョンを得た。
【0043】[実施例10]上記実施例9において、上
記O/W型エマルジョン形成工程に代えて、50℃に冷
却した油/多価アルコール型エマルジョンを50℃の水
相に短時間で添加し、5分間混合してO/W型エマルジ
ョンを調製した以外は、実施例9と同様にして実施例1
0のO/W型エマルジョンを得た。
【0044】[比較例1]上記実施例9において、80
℃に保温した油性成分及び非イオン界面活性剤を混合し
て、50℃まで冷却した後、これに油相用多価アルコー
ルを溶解させた50℃の上記水相を徐々に加えて5分間
撹拌してO/W型エマルジョンを調製した以外は、実施
例9と同様にして比較例1のO/W型エマルジョンを得
た。
【0045】[比較例2]上記実施例10において、8
0℃に保温した油性成分及び非イオン界面活性剤を混合
し、50℃まで冷却した後、これを油相用多価アルコー
ルを溶解させた50℃の上記水相に短時間で添加し、5
分間撹拌してO/W型エマルジョンを調製した以外は、
実施例10と同様にして比較例2のO/W型エマルジョ
ンを得た。
【0046】[比較例3〕上記実施例9において、上記
O/W型エマルジョン形成工程に代えて、50℃に冷却
した油/多価アルコール型エマルジョンに、50℃の水
を徐々に加えて5分間撹拌してO/W型エマルジョンを
調製した後、表3に示す水相用多価アルコール及び低級
アルコールを表3に示す濃度となるように添加し、更に
5分間撹拌した以外は、実施例9と同様にして比較例3
のO/W型エマルジョンを得た。
【0047】[比較例4]上記実施例10において、上
記O/W型エマルジョン形成工程に代えて、50℃に冷
却した油/多価アルコール型エマルジョンを、50℃の
水に短時間で添加し、5分間撹拌してO/W型エマルジ
ョンを調製した後、表3に示す水相用多価アルコール及
び低級アルコールを表3に示す濃度となるように添加
し、更に5分間撹拌した以外は、実施例10と同様にし
て比較例4のO/W型エマルジョンを得た。
【0048】[比較例5]上記実施例9において、水相
成分として、水相用多価アルコール及び低級アルコール
を配合しなかった以外は、実施例9と同様にして比較例
5のO/W型エマルジョンを得た。
【0049】<平均粒子径の測定>各O/W型エマルジ
ョンの平均粒子径を日機装(株)製の粒度分布計(マイ
クロトラックUPA)を用いて測定した。結果を表1〜
3に併記する。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 義弘 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 松原 雅彦 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA17 DD08 DD37 DD38 EE53 4C083 AA122 AC022 AC102 AC112 AC122 AC182 AC402 AC422 AC442 AD042 AD152 BB04 DD33 EE01 FF01 4G065 AA01 AB03X AB05X AB32X AB33X BA06 BB01 CA03 DA01 DA02 DA08 FA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油性成分及び非イオン界面活性剤を含有
    する油相と油相用多価アルコールとからなる系を混合し
    て、上記油相用多価アルコールを連続相とするエマルジ
    ョンを形成させた後、該エマルジョンに水相用多価アル
    コール及び/又は低級アルコールを含有する水相を添加
    して連続相が上記油相用多価アルコールを含む上記水相
    になるように転相させることによりO/W型エマルジョ
    ンを調製することを特徴とするO/W型エマルジョンの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005194229A (ja) * 2004-01-06 2005-07-21 Shiseido Co Ltd O/w超微細エマルション外用剤及びその製造方法
JP2007509954A (ja) * 2003-10-27 2007-04-19 ダウ コーニング コーポレーション 局所的な適用のための徐放性の組成物及び基体へ活性な作用薬を配送する方法
JP2010241729A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Lion Corp 皮膚化粧料の製造方法

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