JP2001224243A - 人工緑化方法および人工緑地 - Google Patents

人工緑化方法および人工緑地

Info

Publication number
JP2001224243A
JP2001224243A JP2000036563A JP2000036563A JP2001224243A JP 2001224243 A JP2001224243 A JP 2001224243A JP 2000036563 A JP2000036563 A JP 2000036563A JP 2000036563 A JP2000036563 A JP 2000036563A JP 2001224243 A JP2001224243 A JP 2001224243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
area
artificial
greening method
artificial greening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000036563A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsumi Sudo
達美 須藤
Masayoshi Kitazume
昌義 北詰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
Priority to JP2000036563A priority Critical patent/JP2001224243A/ja
Publication of JP2001224243A publication Critical patent/JP2001224243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビオトープの水源に、川や沢水、水道水や井
戸水などを使用しないようにすること。 【解決手段】 止水域1の周囲に水位変動域2aを設
け、この水位変動域2aに植物推移帯2を設ける。水位
変動域2aには、流水域を接続させ、過剰の流入水を流
水域に越流させて、植物推移帯2を限度として水位変動
域2aの許容上限水位の制御を行う。さらに流水域は、
下流側と上流側とが、下流側に設けた流水貯留槽6から
上流側に水を送る送水手段で連絡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生態系の定着を目
的として、止水域と植物推移帯とを有するビオトープを
造成する人工緑化技術に関し、水源に川や井戸水、水道
水などを使用することなく、生活廃水の処理水などの中
水や人工緑化区域にて集水した雨水を水源とする技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】人工的に整備された都市空間などでは、
樹木を植えた緑化空間を適宜設けて、積極的な緑化が図
られている。近年、かかる緑化に際しては、単に樹木な
どの植物を植えるばかりではなく、積極的に植栽部分と
水域部分とを併せ持ち、昆虫や、小魚などの小動物が生
息する環境を創出したビオトープ(バイオトープともい
う)の設置が求められている。
【0003】ビオトープとは、例えば、生態学辞典(増
補改定版、築地書館、1993年4月発行)には、「特
定の生物群集が生存できるような、特定の環境条件を備
えた均質なある限られた地域。」と定義されている。本
明細書では、以下、ビオトープ(バイオトープ)を、上
記定義に倣って、「生物群集が生存できるように人工的
に構築した緑化地域」の意味で使用することとする。
【0004】従来、都市空間の一部に設けられたビオト
ープでは、併設する水域の水源として、川や沢水などの
自然の水を利用したり、あるいは井戸水や水道水などを
補給水として利用する構成が知られている。さらには、
自然の川や、池などをそのまま、あるいは適宜一部改変
して取り込んだ構成が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ビオトープを
構築するに際して、水源に自然の川や沢水を利用する構
成では、近くに適当な川や沢水の存在が必要となり、ビ
オトープの計画がかかる立地条件の制約を大きく受ける
こととなる。人工的構築物が主体となりやすい都市空間
で、かかる立地条件を見出すことは難しい。
【0006】そのため、水道水や井戸水などを水源とし
て使用する構成のビオトープが提案されている。しか
し、かかる構成でも、以下に例示するような種々の制約
があり、簡単には水源確保が行なえないのが現状であ
る。
【0007】例えば、井戸水を使用する場合には、取水
工事が必要となり、併せて井戸の新設には取水量によっ
ては許可申請が必要となるなど、水源確保が簡単には行
なえない。特に、井戸水の使用に際しては、取水量によ
っては、地盤沈下や地下水脈に影響を及ぼすなど周辺環
境の二次的破壊の虞も十分考えられ、かかる問題点を予
め解決する必要がある。
【0008】一方、水道水を使用する場合には、上記地
盤沈下などの問題点はないものの、殺菌用に混入された
遊離塩素がビオトープの構成に不可欠な小動物などに対
して毒性を示し、満足できる生態系の定着に結びつかな
い場合もある。さらには維持、管理という面からは、長
年に亙って水道使用料の計上が必要となる。昨今の財政
支出の倹約が求められるなかでは、かかる点が主要因と
なって、ビオトープの計画が中止される場合も見られ
る。
【0009】そこで、本発明者は、上記川や沢水などの
自然水や、水道水や井戸水などの上水を使用しないビオ
トープの技術開発が必要であると考えた。
【0010】また、ビオトープの設計に際しては、環境
の多様性を向上させて極力自然環境に近い環境を創出
し、多様な生物の生息を促すことにより生態系の定着を
図ろうとするため、水を常に溜め、その水の流れが発生
しないように制御された区域(以下、かかる区域を止水
域という。)がその構成要素として重要である。従来の
ビオトープの構成では、止水域の周辺の植栽は景観的配
慮が優先されることが多く、止水域の水位が変動した場
合の水際周辺の動植物への影響については考慮されてい
ないのが現状である。
【0011】そのため、豪雨や洪水などにより長時間止
水域周辺が冠水した場合には、止水域の周辺に生息させ
ていた小動物が死滅したり、あるいは水際の植生が枯死
するなどして、折角定着させた生態系が破壊される場合
も見られる。そのため、かかる水位変動が予想される調
整池や遊水池に止水域を設ける構成のビオトープの計画
は避けられていた。
【0012】一方、調整池や遊水池は、日常的には空き
地となって通常の使用効率が低い場所である。さらに、
かかる施設は、住宅地に隣接して設けられ、且つ、まと
まった面積を有する公共施設であるため、かかる調整池
や遊水池を止水域構築地として取り込むことができれ
ば、普段の住環境の中に、住民が手軽に利用できるビオ
トープを構築することができる。
【0013】しかし、止水域の水位変動に対する考慮が
払われていない従来構成のビオトープでは、豪雨などの
状況下では水位が大きく変動する可能性のある上記調整
池や、遊水池を止水域構築地としてビオトープに取り込
むことはできない。
【0014】また、かかる調整池や遊水池は、豪雨など
に起因する異常出水時などに付近の住環境の着水を防ぐ
目的で設けられているため、調整池や遊水池をビオトー
プの止水域構築地として取り込むに際しては、その本来
的な雨水調節機能を損なうことなく、且つ、水位変動に
際しても生息生物の死滅を防止できるような技術の開発
が必要である。
【0015】本発明の目的は、ビオトープの止水域の水
源に自然の川や沢水、井戸水や水道水などを使用しない
ようにすることにある。
【0016】本発明の目的は、ビオトープを構成する止
水域構築地として、水位変動が予想される調整池や遊水
池を使用できるようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の人工緑化方法
は、常時水が貯留され、貯留された水の流れが抑制され
た止水域と、前記止水域の周囲に設けられ、水位が変動
する水位変動域と、前記水位変動域の周囲に設けられ、
冠水しない水際域とを、人工緑化区域内に設け、前記水
位変動域内に、前記止水域から前記水際域に向けて、植
生の移り行きが見られる植物推移帯を設けて、前記人工
緑化区域内に動植物の生態系を定着させることを特徴と
する。前記人工緑化区域内には、流水域が設けられてい
ることを特徴とする。
【0018】前記水位変動域は、流水域に、あるいは排
水設備に、または流水域と排水設備との双方に接続さ
れ、前記水位変動域の上限水位を上回る過剰流入水を、
前記流水域に、あるいは排水設備に、または流水域と排
水設備との双方に、越流させることにより水位変動域の
水位上昇を制御することを特徴とする。前記流水域で
は、下流側と上流側とが、前記下流側で受けた流水を前
記上流側に送水する送水手段で連絡されていることを特
徴とする。
【0019】前記流水域は、凹部に水を流す人工水路で
あって、前記凹部の内面上には、荒木田土などの粘性土
を張り付けることを特徴とする。前記凹部の内面上に前
記粘性土を張り付けるに際しては、前記内面上にベント
ナイトと現地発生土とを混合したベントナイト混合土層
を設け、前記ベントナイト混合土層の上に前記粘性土を
張り付けたことを特徴とする。前記ベントナイト混合土
層の上に前記粘性土を張り付けるに際しては、前記ベン
トナイト混合土層の上にゴムシートなどの防水シートを
設け、前記防水シートの上に前記粘性土を設けたことを
特徴とする。
【0020】前記流水域は、凹部に水を流す人工水路で
あって、前記凹部の内面上には、ベントナイトと現地発
生土とを混合したベントナイト混合土層を設け、前記ベ
ントナイト混合土層の上に砕石層を設け、前記砕石層の
上に防水モルタルを設けたことを特徴とする。
【0021】前記水際域は、0〜100%の勾配の傾斜
が設けられていることを特徴とする。より好ましくは、
上記勾配の傾斜は0〜50%である。水際域に設ける傾
斜勾配が100%を越える場合には、山椒魚や蛙などの
両生類や、蛍や蜻蛉などの昆虫類などの小動物が往来で
きにくくなるが、0%を含まない100%以下に設定す
れば、比較的その往来を確保することができる。小動物
にとっては、勾配の程度は、我々人間が考える以上に、
その往来の容易さに大きな影響を与えることとなり、本
発明者らは、実際の上記小動物を使用した実験を通し
て、上記適切な勾配を見出したもので、従来はかかる小
動物の往来という観点からの水際の適切勾配の数値は見
出されていなかった。
【0022】より好ましくは、0%を含まない50%以
下の勾配に設定すればよく、かかる勾配に設定しておけ
ば、50%よりも大きい勾配に設定した場合に比べて、
水中と陸とを往来する上記両生類や昆虫類の種類を多く
確保することができるので、それだけ多種多様な生態系
の定着が図れることとなる。
【0023】他の本発明の人工緑化方法は、常時水が貯
留され、貯留された水の流れが抑制された止水域と、前
記止水域の周囲に設けられ、水位が変動する水位変動域
とを、調整池に、あるいは遊水池に、または調整池と遊
水池との双方に設けて人工緑化区域を形成し、前記止水
域から前記水位変動域にかけて、前記人工緑化区域の予
想降水量と予想排水量とに基づく冠水頻度に応じた複数
域に区分し、前記複数域に前記冠水頻度に応じた冠水耐
性を有する植物を、植生の移り行きが見られるように植
栽して植物推移帯を形成し前記人工緑化区域内に動植物
の生態系を定着させることを特徴とする。
【0024】前記複数域は、植えた植物が常時冠水する
常時冠水域と、植えた植物が前記止水域の水位変動によ
り冠水と非冠水とを繰り返す頻繁冠水域と、植えた植物
が前記止水域の水位変動によっても稀にしか冠水しない
稀冠水域とに区分され、前記常時冠水域には、浮葉植物
を、あるいは沈水植物を、または浮葉植物と沈水植物と
の双方を、前記頻繁冠水域には、沈水植物を、あるいは
湿性植物を、または沈水植物と湿性植物との双方を、前
記稀冠水域には、水辺林用植物を、あるいは地上性植物
を、または水辺林用植物と地上性植物との双方を、植え
ることを特徴とする。
【0025】前記止水域は、前記止水域に貯留した水に
温度成層を形成するように、階段状に水深が深くなるよ
うに形成されていることを特徴とする。前記水位変動域
は、前記止水域の水位変動に伴い乾燥と湿潤が繰り返さ
れ、0〜20%の勾配の傾斜が設けられていることを特
徴とする。より好ましくは、上記勾配の傾斜は0〜10
%である。
【0026】かかる水位変動域の傾斜勾配が20%を越
える場合には、植物推移帯の定着、形成が促進し難いこ
とが分かった。0を含まない20%以下に、より好まし
くは10%以下に設定すれば、かかる勾配設定をしない
場合よりも、植物推移帯の定着、形成が促進されること
を本発明者らは実験、観察を通して初めて見出した。
【0027】前記止水域は、凹部に水を溜める人工池に
設けられ、前記凹部の内面上には、荒木田土などの粘性
土を張り付けることを特徴とする。前記凹部の内面上に
前記粘性土を張り付けるに際しては、前記内面上にベン
トナイトと現地発生土とを混合したベントナイト混合土
層を設け、前記ベントナイト混合土層の上に前記粘性土
を張り付けたことを特徴とする。前記ベントナイト混合
土層の上に前記粘性土を張り付けるに際しては、前記ベ
ントナイト混合土層の上にゴムシートなどの防水シート
を設け、前記防水シートの上に前記粘性土を設けたこと
を特徴とする。
【0028】前記止水域は、凹部に水を溜める人工池に
設けられ、前記凹部の内面上には、ベントナイトと現地
発生土とを混合したベントナイト混合土層を設け、前記
ベントナイト混合土層の上に砕石層を設け、前記砕石層
の上に防水モルタルを設けたことを特徴とする。
【0029】前記いずれかの構成において、樹林と、前
記樹林により地表に到達する日射量を抑えて日陰で多湿
な環境に制御される林床部とを有する植栽部が設けられ
ていることを特徴とする。前記止水域の水源には、腐敗
防止剤を添加して貯留した雨水から前記腐敗防止剤を除
去した水、事業所系廃水を川や湖などの公共用水域に放
流可能な水質にまで浄化した水、生活系廃水を浄化槽で
前記公共用水域に放流可能な水質にまで浄化した後、E
WPなどの浄化手段でさらに浄化した水の少なくともい
ずれかの水が使用されていることを特徴とする。
【0030】他の本発明は、常時水が貯留され、貯留さ
れた水の流れが抑制された止水域と、前記止水域の周囲
に設けられ、水位が変動する水位変動域とを有する人工
緑化区域に、動植物の生態系を定着させる人工緑地であ
って、前記人工緑地が、上述のいずれかの構成の人工緑
化方法により施工されていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の人工緑化方
法により構成されたビオトープとしての人工緑地であ
る。図2は、本発明のビオトープの構成を示す断面図で
ある。図3(A)は図1に示す人工緑地をA−A線、
(B)はB−B線、(C)はC−C線でそれぞれ切断し
た断面図である。
【0032】本発明の人工緑地は、図1、2に示すよう
に、止水域1を中心に設けた人工池を形成し、この止水
域1の周囲の水位変動域2aに植物推移帯2を設け、そ
の周囲に植栽部3を配置し、さらに人工水路で小川に構
成した流水域4を水位変動域2aに接続して構築された
人工緑化区域Zに構成されている。図中、人工緑化区域
Zと周囲環境Yとの境を境界線5で明示した。
【0033】止水域1は、図2、3に示すように、計画
地の止水域配置箇所を掘削した凹部1aに水を満たして
なる人工池の常時水を満たしている範囲に設定すればよ
い。かかる止水域1の凹部内面は、図3(B)に示すよ
うに、段階状に深くなるように形成され、各段階に合わ
せて止水域1に満たされた水の温度成層が形成されるよ
うになっている。
【0034】温度成層の形成は、止水域1の水温および
水深に応じた生物分布を多様にし、生物の棲み分けを連
続的に推移できるようにするためである。かかる構成に
より、階段状に構成しない場合に比べて、より多くの生
物を生息させ、且つ定着させることができる。
【0035】温度成層は、水面を渡る風に起因する波に
より破壊されやすいため、階段状に水深が深くなる構造
とすることにより、波による温度成層の拡散の影響を少
なくすることができる。かかる温度成層の形成に当たっ
ては、例えば、水域面積が100m2 以下の小規模な止
水域では、階段状に構成して温度成層を多層化するに際
しては、2、3段程度が好ましい。
【0036】一方、止水域1を1ha以上の大規模止水
域に構成する場合、あるいは、止水域の水質が富栄養化
している場合などには、水の拡散を極力防止して温度成
層を形成することが、貧酸素水塊の形成を促し、生物相
を貧弱化する虞がある。そのため、現場状況に合わせ
て、上記階段状構成を適宜選択採用することが必要であ
る。
【0037】かかる構成の止水域1の周囲の水位変動域
2aには、図2に示すように、20%程度以下の緩やか
な勾配に形成され、植生が止水域1から徐々に勾配に沿
って推移するように植物推移帯2が設けられている。2
0%以下の勾配に設定することにより、生物多様性に富
む植物推移帯2の定着、形成が促進され、安定的に維持
される。より好ましくは、10%以下の勾配に設定すれ
ばよい。10%以下に設定すれば、傾斜がそれよりも急
峻な場合に比べて、同一の水位変動に対して、より広い
植物推移帯2が確保され、併せて、植物推移帯2の土壌
の乾燥、湿潤の変化がより緩慢になる。土壌の乾燥、湿
潤が、水位変動に敏感に対応して急激に変化するといっ
た極端な環境変化をなくすことができ、生態系の定着に
好ましいことが本発明者らにより確認された。
【0038】止水域1周囲の植物推移帯2が設けられた
水位変動域2aでは、水の水位変動により、乾燥と湿潤
を繰り返す。かかる構成の水位変動域2aには、図1に
示すように、流水域4が接続され、予め設定しておいた
許容上限水位を上回る過剰流入水が流れ込んだ場合に
は、流水域4に越流して、水位変動域2aの許容上限水
位を越えないように制御されている。
【0039】このように、止水域1の周囲に許容上限水
位の制御が行える水位変動域2aを設けておくことによ
り、止水域1には、通常流入水による流れが発生しない
ように制御することができる。そのため、池などに設け
られた止水域1を生息場とする生物を生息させることが
できる。
【0040】さらに、植物推移帯2の外周の水際域2b
には、山椒魚や蛙などの両生類、あるいは蛍や蜻蛉など
の昆虫類などの小動物が往来できるように、勾配を10
0%以下に設定した傾斜が設けられている。勾配が10
0%を越える場合には、上記小動物の往来の確保が難し
くなり、100%以下であれば、上記小動物の大半の往
来の確保が期待できる。また、勾配に形成することによ
り、段差のある階段状に構成する場合とは異なり、上記
小動物の行き来の確保が行なえる。
【0041】かかる勾配は、より好ましくは、0を含ま
ない50%以下に設定すればよい。かかる50%以下に
設定すれば、盛土においても土砂の崩壊が防げると共
に、1:2の勾配となり施工が容易である。併せて、登
坂能力の比較的低い両性類などでも往来が可能となる。
【0042】人工池に設けた止水域1には、周囲地盤へ
の漏水を防止するための漏水処理が施されている。漏水
処理としては、例えば、周辺の地下水位が高く、漏水の
可能性が低い場合には、凹部内面に荒木田土などの粘性
土の張り付けを行なうだけで済む。
【0043】地下水位および止水域1を設ける地盤の土
質条件によっては、ベントナイトと掘削した際に発生し
た現地発生土とを1:3程度の割合で混合したベントナ
イト混合土を、凹部1aの内面上に10〜20cm程度
敷き均して転圧し、その上に粘性土を張り付けるように
してもよい。現地発生土を使用することにより、現地環
境に生息していた土中生物をそのまま生息させることも
でき、ビオトープに必要な生態系の地中規模での寄与が
可能となるためである。また、ベントナイトを使用する
ことにより、防水効果の向上に加え、漏水箇所の自己補
修の効果が得られる。
【0044】さらに、止水域1の漏水の可能性が非常に
高い場合には、上記ベントナイト混合土層の上に伸縮性
に優れたゴムシートなどの防水シートを敷設し、その防
水シートの上に粘性土を張り付けるようにすればよい。
防水シートにより、水の漏出を遮断することができる。
防水シートには、必要に応じて、表面に凹凸を設けて、
ベントナイト混合土層の張り付けが行い易いように構成
してもよい。
【0045】また、止水域1の施工完了後に、メンテナ
ンスなどにより止水域1内の作業を行なう必要が予想さ
れる場合には、作業性を考慮して、上記構成のベントナ
イト混合土層の上にモルタル層の下地として砕石層を設
け、砕石層の上に防水モルタル層を設けた3層構造とし
てもよい。
【0046】かかる3層構造とすることにより、長期間
に蓄積した落葉や底泥浚渫や、モニタリングのための生
物調査が止水域1内からできるため、メンテナンスの作
業が行い易くなる。
【0047】水位変動域2aに接続された流水域4は、
図3(C)に示すように、地盤掘削により凹部4aを水
路状に形成し、かかる凹部4aに水を流して、人工水路
の小川を構成する。流水域4の漏水処理は、前記止水域
1の漏水処理と同様に行なえばよく、例えば、周辺の地
下水位が高く、漏水の可能性が低い場合には、凹部内面
に荒木田土などの粘性土の張り付けのみとすればよい。
地下水位および地盤の土質条件によっては、ベントナイ
トと現地地盤を掘削した際に発生する現地発生土とを
1:3程度の割合で混合したベントナイト混合土を、凹
部内面上に10〜20cm程度敷き均して転圧し、その
上に粘性土を張り付けるようにすればよい。
【0048】流水域4の漏水の可能性が非常に高い場合
には、上記ベントナイト混合土層の上に伸縮性に優れた
ゴムシートなどの防水シートを敷設し、その防水シート
の上に粘性土を張り付けるようにすればよい。さらに、
流水域4の施工完了後に、メンテナンスなどにより流水
域1内の作業を行なうことが予想される場合には、作業
性を考慮して、上記構成のベントナイト混合土層の上に
砕石層を設け、砕石層の上に防水モルタル層を設けた3
層構造とすることもできる。なお、図3(C)に示す構
成では、凹部内面にベントナイト混合土層4b、防水シ
ート4c、粘性土層4dを順に設け、さらに川床に玉石
層4eを設けた流水域4の構成を示した。
【0049】このようにして漏水処理が施された流水域
4の川床に相当する部分は、流水域4を流れる水の流速
に合わせて適宜の仕上げを行なうことが好ましい。例え
ば、流速の早い側から、礫仕上げ、小石仕上げ、砂仕上
げの順に仕上げればよい。流速に合わせた川床の仕上げ
を行なうことにより、流速、川床仕上げのそれぞれに応
じた生物種が生息することとなり、多種多様な生物種の
生息環境を人工的に創出することができる。かかる構成
は、生態系を定着させるビオトープの構成に有効であ
る。
【0050】流水域4は、前述の如く、止水域1の周辺
に設けた水位変動域2aの許容上限水位で接続されてい
るため、かかる接続位置を溢水部として、例えば、雨水
などにより水位変動域2a内の水位が上昇しても、溢水
部を越流して植物推移帯2の上限を越えるまで水位は上
昇することがない。流水域4を設けることができない場
合には、下水道へ放流するための排水設備に接続すれば
よい。
【0051】流水域4を設けた場合には、越流した水
は、人工水路に形成した流水域4に流れ、流水域4の下
流側に設けた流水貯留槽6に貯留される。流水貯留槽6
と流水域4の上流側とは、例えば、ポンプ7を介した配
管などの送水手段で連絡され、止水域1内の水の越流が
ない場合でも、流水域4の水が涸れないように水を循環
して流すようにする。
【0052】ポンプ7としては、水中ポンプ、あるいは
揚水ポンプなど給水ポンプを現場状況に合わせて適宜選
択して使用すればよい。このように、流水域4に水を流
し続けることにより、流水域4を生息場とする魚類やカ
ゲロウやカワゲラなどの流水域特有の水性昆虫類などの
生物の生息場を確保することができる。なお、流水域4
は、下水道に繋がる汚水桝に接続して、必要に応じて排
水できるように構成しておけばよい。
【0053】上記構成では、送水手段を使用して、流水
域4の水涸れを防止するようにしたが、止水域1の水涸
れも、同様な構成で防止するようにすることもできる。
かかる構成は、人工緑化区域内に設けた雨水貯留槽や生
活系廃水などを水源とする人為的な補給水の供給が可能
な場合には、図4に示すように、止水域1の水位変動を
確認する水位センサ8に給水ポンプ9を接続し、止水域
1に満たされた水が許容水位の下限である給水レベルに
達した時に、上記水源から水の補給ができるようにして
もよい。
【0054】給水ポンプ9の代わりに、吸水と給水とを
選択的に行えるポンプを使用することにより、水位セン
サ8の水位検知により、止水域1の上限水位以下になっ
た場合には水を供給し、水位変動域2aの許容水位上限
を越える場合には、吸水するようにしてもよい。
【0055】かかる構成を採用することにより、水位変
動域2aの水位を植物推移帯2以下にならないように制
御して、植物推移帯2が乾燥して湿地としての環境が保
持できなくなるのを防止することができる。
【0056】雨水貯留槽に溜めた水を使用する場合に
は、その水には溜めた水が腐敗しないように塩素系殺菌
剤などが雨水の腐敗防止剤として投入されているため、
貯留雨水の使用は、かかる雨水腐敗防止剤を除去した後
で使用することが必要である。例えば、塩素系殺菌剤で
は、雨水貯留槽に溜めた水をさらに小型貯留槽に移し、
数日間放置して自然に塩素を飛ばすか、紫外線で塩素を
分解するか、エアレーションを行い強制的に塩素を除去
する方法が考えられる。あるいは、土壌や植物の植え込
み部分に散布して、地中内の自然濾過により塩素除去を
行う方法も考えられる。さらには、かかる土壌や植生を
利用した濾過装置を別途併設することにより、そこで貯
留雨水の浄化を行うこともできる。
【0057】工場の生産過程などで発生する廃水や、冷
却水、洗浄水などの事業所系廃水も、その水質浄化を行
うことにより、本発明のビオトープの水源として使用す
ることもできる。例えば、工場の生産過程で発生する廃
水は、川や湖などの公用水域に放流する場合には、定め
られた水質基準までの浄化が求められるが、かかる公用
水域に放流可能なまでに水質浄化が行われた処理水なら
ば使用することができる。
【0058】しかし、かかる事業所系廃水については、
重金属などの有害金属については、公用水域への排出基
準で厳しく規制されているため許容値以上に含まれる心
配はないが、窒素や燐などについては別途必要に応じて
独自に水質検査を行い、特に水の流れが抑えられた止水
域1の富栄養化を防いで、異臭やアオコの発生などが起
きないように注意する必要がある。
【0059】また、トイレから排出される汚水や、台
所、洗面所、さらには食堂などから排出される雑排水な
どの所謂生活系廃水については、一旦合併浄化槽などで
浄化した後、さらに、EWP(ヨシの湿地)に通して自
然濾過により浄化して使用すればよい。合併浄化槽の通
過後の再度の浄化には、例えば、機械的な高度処理装置
などの上記EWP以外の浄化手段を使用してもよい。
【0060】このように工場や事業所の放流水を水源と
する場合には、浄化用の湿地を併設することにより、従
来廃棄するのみであった廃水の有効活用が可能となる。
かかる活用を図ることにより、補給水の維持費用が不要
になる。さらに、水源確保のための流域も必要としない
ため、必要な水域を確保する場合に比べて、イニシャル
コスト、維持管理費が比較的に少ない小規模ビオトープ
の計画に有効である。
【0061】ビオトープからビオトープ外に排出される
排水は、ビオトープ内で浄化作用により、SS(浮遊物
質量)、BOD(生物学的酸素必要量)、N(窒素)含
有量、P(リン)含有量などの点において水質向上がな
されるため、排水に関わる公共用水域への汚濁負担の軽
減が図れる。
【0062】植栽部3は、例えば、図1の凡例に示すよ
うに、種々の樹径(円の大きさで区別)の地域の潜在自
然植生を考慮し、多様な樹木(樹木種は円形内の線種で
区別)で構成すればよい。ここでは樹木としては、シラ
カシ、ケヤキ、コナラ、クスノキ、スダジイ、タブノキ
などが使用されている。既存の樹林は、生物の定着を阻
害しないと思われる場合は、そのまま残しておいてもよ
い。図中、樹径は、5cm未満、5cm以上10cm未
満、10cm以上15cm未満、15cm以上で区別し
た。かかる樹径は植樹時の樹径である。
【0063】上記構成の植栽部3は、図2に示すよう
に、さらに、植樹したり、あるいは緑化するまで現地に
あった林などを伐採せずに保存して利用することにより
構成する樹林3aと、樹林3aの地上側である林床部3
bとから構成される。樹林3aの樹木を植樹したり、あ
るいは増殖したりすることにより、地表に到達する日射
量を抑え、日陰で多湿な自然界に存在する林床部を再現
する。かかる林床部3bには、樹木のない草地や花壇な
どと異なる林床特有の動植物を生息させることができ
る。
【0064】上記のように止水域1、植物推移帯2、植
栽部3、流水域4などから構成されたビオトープとして
の人工緑地の計画に当たっては、水源を、雨水とする場
合には、例えば、人工緑地の水域の貯水容量と、オーバ
ーフローや、蒸発散などに基づく損失水量と、アメダス
データなどの気象データに基づく平均降水量とをそれぞ
れ算出し、平均降水量から得られた水量が損失水量に見
合うように、流出係数および安全係数を考慮して集水に
必要な水域面積を求めておけばよい。
【0065】しかし、流域からの雨水の直接流入が困難
な場合には、前述の如く雨水貯留施設を必要に応じて設
け、水中ポンプなどのポンプを使用した送水手段によ
り、随時必要に応じて水域に貯留雨水を供給するなどの
方法を適宜選択して使用すればよい。
【0066】図5には、調整池10に止水域1を設ける
構成を示す。調整池10は、一般的には、図5(A)で
破線表示(現状地盤)するように、周囲地盤より低く掘
り下げられて、調整池底部10aが平らな器状に構成さ
れ、豪雨などの周囲環境の異常出水時には一時的に貯水
できるように構成されている。
【0067】調整池10に止水域1を設けるには、先
ず、調整池底部10aを掘削して、凹部11を形成す
る。凹部11は、底部11aと、その周囲を傾斜法面1
1bで略すり鉢状に囲んで調整池底部10aに繋がるよ
うに構成されている。かかる構成の凹部11に水を常時
満たした区域を常時冠水域Aとする。この場合には、常
時冠水域Aが、止水域1と一致することとなる。常時冠
水域Aには、例えば、ヒシ類やアサザなどの浮葉植物、
沈水植物を植えておく。
【0068】調整池底部10aには、凹部11の周囲に
平坦部分を残して、階段状に盛土12aを設ける。盛土
12aの一段目の高さは、例えば、異常冠水状況を除い
て、月に数回程度の冠水状況下の平均水位より少し高め
に設定しておけばよい。常時冠水域Aから盛土12aの
構築位置までを、図5(A)に示すように、頻繁冠水域
Bとして設定し、この頻繁冠水域Bには、例えば、ガマ
やヨシなどの抽水植物、ヤナギ類やショウブなどの湿性
植物を植えておけばよい。
【0069】階段状に形成した盛土12aの平坦部分1
2bには、冠水に弱い植物や、ハルニレ、コナラなどの
水辺林を構成する硬木を植えればよい。かかる平坦部分
12bから頻繁冠水域Bまでを、稀冠水域Cとして設定
した。稀冠水域Cでは、稀に発生する可能性がある異常
豪雨などの場合には冠水するが、通常の調整池10の利
用範囲では冠水しない。通常の調整池10の利用状況下
では、頻繁冠水域Bが冠水することとなる。
【0070】さらに、本発明では、上記異なる区域に植
えた浮葉植物、沈水植物、抽水植物、湿性植物、水辺林
を構成する硬木などの水辺林用植物、地上性植物など
が、常時水のある止水域1から、水位変動域2aを経て
地上側にまで、漸次植生の移り行きが見られる植物推移
帯に形成されている。
【0071】かかる構成では、調整池10の調整池底部
10aを掘削するとともに、その周囲を階段状に盛土し
て、冠水頻度により常時冠水域A、頻繁冠水域B、稀冠
水域Cを設けているため、冠水を想定せずに一律に冠水
に弱い植物を設ける従来のビオトープの構成とは異な
り、雨水調節機能を発揮することにより水位変動が生じ
ても、植物が死滅する虞がない。
【0072】上記構成の調整池と止水域との両機能を併
有させる構成は、例えば、対象地域のアメダスなどの気
象データを利用した降水量解析と、人工緑化区域内の排
水計画とに基づき調整池内の冠水頻度と水位との関係を
シミュレーションして、冠水頻度を常時冠水域、頻繁冠
水域(例えば、月に数回冠水)、稀冠水域(年に一回程
度冠水)に区分する。
【0073】実験では、上記構成の止水域を設けたビオ
トープを構成し、上記構成を設けない場合と比較した結
果、造成後半年経過した時点での植物調査では、上記構
成の冠水頻度により区分を施した場合の方が、かかる構
成を採用しない場合に比べて、植物種の増加傾向が著し
いことが確認された。さらには、当初植えつけた植物種
の衰退や、消滅も確認されず、本発明に係る上記構成が
生態系の定着に有効であることが分かった。
【0074】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更してもよい。
【0075】例えば、上記構成では、調整池に止水域を
設けた場合について説明したが、ビオトープの構成規模
が大きく、その人工緑化区域内に複数の調整池、遊水池
を含む場合には、これらを複数併用してもよい。
【0076】また、ビオトープの水源や、止水域や流水
域への補給水などに、雨水貯留槽に溜めた水を使用する
場合には、前述のように、溜めた水が腐敗しないように
貯留雨水に投入されている塩素系殺菌剤などの雨水の腐
敗防止剤を除去した後で使用すればよい。
【0077】例えば、塩素系殺菌剤では、雨水貯留槽に
溜めた水をさらに小型貯留槽に移し、数日間放置して自
然に塩素を飛ばすか、紫外線で塩素を分解するか、エア
レーションを行い強制的に塩素を除去する方法が考えら
れる。あるいは、土壌や植物の植え込み部分に散布し
て、地中内の自然濾過により塩素除去を行う方法も考え
られる。さらには、かかる土壌や植生を利用した濾過装
置を別途併設することにより、そこで貯留雨水の浄化を
行ってもよい。
【0078】工場の生産過程などで発生する廃水や、冷
却水、洗浄水などの事業所系廃水も、その水質浄化を行
うことにより、本発明のビオトープの水源などに使用す
ることができる。例えば、工場の生産過程で発生する廃
水は、川や湖などの公用水域に放流するためには、定め
られた水質基準にまで浄化する必要があるが、かかる浄
化後の処理水を水源などに使用すればよい。
【0079】かかる事業所系廃水については、重金属な
どの有害金属については、公用水域への排出基準で厳し
く規制されているため許容値以上含まれる心配はない
が、窒素や燐などについては別途必要に応じて独自に水
質検査を行い、特に水の流れが抑えられた止水域の富栄
養化を防いで、異臭やアオコの発生などが起きないよう
にする必要がある。
【0080】トイレから排出される汚水や、台所、洗面
所、さらには食堂などから排出される雑排水などの所謂
生活系廃水については、一旦合併浄化槽などで浄化した
後、さらに、EWP(ヨシの湿地)に通して自然濾過に
より浄化して使用することができる。合併浄化槽の通過
後の再度の浄化には、上記EWP以外にも、例えば、機
械的な高度処理装置などの浄化手段を使用することがで
きる。
【0081】このように事業所系廃水や生活系廃水を必
要に応じて浄化することにより、従来は排水するだけで
あった廃水も、本発明では、ビオトープの水源として、
あるいは補給水として有効活用が可能となる。かかる活
用を図ることにより、補給水の維持費用が不要になる。
さらに、水源確保のための流域も必要としないため、必
要な水域を確保する場合に比べて、イニシャルコスト、
維持管理費が比較的に少ない小規模ビオトープの計画に
有効である。
【0082】ビオトープからビオトープ外に排出される
排水は、ビオトープ内での浄化作用により、SS(浮遊
物質量)、BOD(生物学的酸素必要量)、N(窒素)
含有量、P(リン)含有量などの点において水質向上が
なされるため、排水に関わる公共用水域への汚濁負担の
軽減を図ることができる。
【0083】また、前記説明では、冠水頻度を、常時冠
水域、頻繁冠水域、稀冠水域と区別したが、調整池など
の設置状況の降水量などに基づき、頻繁冠水域、稀冠水
域を構成する水位変動の高さを変更してもよい。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、人工緑地の水域の維持
に必要な補給水を、流域から直接あるいは貯留槽を経由
して集水する構成としているため、水道水を使用する場
合とは異なり、自然に近い水質の水を供給することがで
きる。そのため、多様な小動物をその生態系の中に取り
込む必要のあるビオトープの構成に有効である。川や水
道水などの水源を必要としないため、立地条件や維持費
用などの面からも水源確保が楽に行なえ、ビオトープの
計画がし易い。
【0085】本発明によれば、従来とは異なり、事業所
系廃水や、生活系廃水をビオトープの水源などに使用す
ることができ、ビオトープの水源に立地条件や維持費用
などの問題点の解消が図れる。
【0086】本発明によれば、冠水頻度に応じた植栽計
画を行なうことができ、止水域の植物水位帯の水位変動
に対する耐性を向上することができる。また、かかる構
成の植物推移帯は、常時冠水下で生育できる浮葉植物、
沈水植物と、頻繁冠水域下である程度の冠水には耐性を
有する沈水植物、湿性植物と、稀冠水域で生育する冠水
には弱い水辺林、地上性植物とが、段階的に移りゆく構
成とされるため、より自然に近い配置構成が達成でき
る。そのため、種が定着し易く、長期間安定した生態系
の構成を促進することができる。
【0087】また、冠水頻度に応じた植物推移帯を設け
ることにより、植生の配置に強く影響される小動物の冠
水頻度に応じた棲み分けが促進され、結果として定着性
の強い動植物相が構成され、多様な生態系内包した優れ
たビオトープを創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工緑化方法により構成されたビオト
ープとしての人工緑地を示す平面図である。
【図2】本発明を適用したビオトープの構成を示す断面
図である。
【図3】(A)は図1に示す人工緑地をA−A線、
(B)はB−B線、(C)はC−C線でそれぞれ切断し
た場合の断面図を示す。
【図4】止水域の水位維持の構成を示す断面説明図であ
る。
【図5】(A)は調整池に止水域を設けた場合の断面図
であり、(B)はその平面図である。
【符号の説明】
1 止水域 1a 凹部 2 植物推移帯 2a 水位変動域 2b 水際域 3 植栽部 4 流水域 4a 凹部 4b ベントナイト混合土層 4d 粘性土層 4e 玉石層 5 境界線 6 流水貯留槽 7 ポンプ 8 水位センサ 10 調整池 10a 調整池底部 11 凹部 11a 底部 11b 傾斜法面 12a 盛土 12b 平坦部分 A 常時冠水域 B 頻繁冠水域 C 稀冠水域 Y 周辺環境 Z 人工緑化区域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E02B 7/02 E02B 7/02 A

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常時水が貯留され、貯留された水の流れ
    が抑制された止水域と、前記止水域の周囲に設けられ、
    水位が変動する水位変動域と、前記水位変動域の周囲に
    設けられ、冠水しない水際域とを、人工緑化区域内に設
    け、 前記水位変動域内に、前記止水域から前記水際域に向け
    て、植生の移り行きが見られる植物推移帯を設けて、前
    記人工緑化区域内に動植物の生態系を定着させることを
    特徴とする人工緑化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の人工緑化方法において、 前記人工緑化区域内には、流水域が設けられていること
    を特徴とする人工緑化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の人工緑化方法において、 前記水位変動域は、流水域に、あるいは排水設備に、ま
    たは流水域と排水設備との双方に接続され、前記水位変
    動域の上限水位を上回る過剰流入水を、前記流水域に、
    あるいは排水設備に、または流水域と排水設備との双方
    に、越流させることにより水位変動域の水位上昇を制御
    することを特徴とする人工緑化方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の人工緑化方法に
    おいて、 前記流水域では、下流側と上流側とが、前記下流側で受
    けた流水を前記上流側に送水する送水手段で連絡されて
    いることを特徴とする人工緑化方法。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれか1項に記載
    の人工緑化方法において、 前記流水域は、凹部に水を流す人工水路であって、前記
    凹部の内面上には、荒木田土などの粘性土を張り付ける
    ことを特徴とする人工緑化方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の人工緑化方法において、 前記凹部の内面上に前記粘性土を張り付けるに際して
    は、前記内面上にベントナイトと現地発生土とを混合し
    たベントナイト混合土層を設け、前記ベントナイト混合
    土層の上に前記粘性土を張り付けたことを特徴とする人
    工緑化方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の人工緑化方法において、 前記ベントナイト混合土層の上に前記粘性土を張り付け
    るに際しては、前記ベントナイト混合土層の上にゴムシ
    ートなどの防水シートを設け、前記防水シートの上に前
    記粘性土を設けたことを特徴とする人工緑化方法。
  8. 【請求項8】 請求項2ないし4のいずれか1項に記載
    の人工緑化方法において、 前記流水域は、凹部に水を流す人工水路であって、前記
    凹部の内面上には、ベントナイトと現地発生土とを混合
    したベントナイト混合土層を設け、前記ベントナイト混
    合土層の上に砕石層を設け、前記砕石層の上に防水モル
    タルを設けたことを特徴とする人工緑化方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の人工緑化方法において、 前記水際域は、0〜100%の勾配の傾斜が設けられて
    いることを特徴とする人工緑化方法。
  10. 【請求項10】 常時水が貯留され、貯留された水の流
    れが抑制された止水域と、前記止水域の周囲に設けら
    れ、水位が変動する水位変動域とを、調整池に、あるい
    は遊水池に、または調整池と遊水池との双方に設けて人
    工緑化区域を形成し、 前記止水域から前記水位変動域にかけて、前記人工緑化
    区域の予想降水量と予想排水量とに基づく冠水頻度に応
    じた複数域に区分し、前記複数域に前記冠水頻度に応じ
    た冠水耐性を有する植物を、植生の移り行きが見られる
    ように植栽して植物推移帯を形成し前記人工緑化区域内
    に動植物の生態系を定着させることを特徴とする人工緑
    化方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の人工緑化方法におい
    て、 前記複数域は、植えた植物が常時冠水する常時冠水域
    と、植えた植物が前記止水域の水位変動により冠水と非
    冠水とを繰り返す頻繁冠水域と、植えた植物が前記止水
    域の水位変動によっても稀にしか冠水しない稀冠水域と
    に区分され、 前記常時冠水域には、浮葉植物を、あるいは沈水植物
    を、または浮葉植物と沈水植物との双方を、 前記頻繁冠水域には、沈水植物を、あるいは湿性植物
    を、または沈水植物と湿性植物との双方を、 前記稀冠水域には、水辺林用植物を、あるいは地上性植
    物を、または水辺林用植物と地上性植物との双方を、植
    えることを特徴とする人工緑化方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法において、 前記止水域は、前記止水域に貯留した水に温度成層を形
    成するように、階段状に水深が深くなるように形成され
    ていることを特徴とする人工緑化方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法において、 前記水位変動域は、前記止水域の水位変動に伴い乾燥と
    湿潤が繰り返され、0〜20%の勾配の傾斜が設けられ
    ていることを特徴とする人工緑化方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法において、 前記止水域は、凹部に水を溜める人工池に設けられ、前
    記凹部の内面上には、荒木田土などの粘性土を張り付け
    ることを特徴とする人工緑化方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の人工緑化方法におい
    て、 前記凹部の内面上に前記粘性土を張り付けるに際して
    は、前記内面上にベントナイトと現地発生土とを混合し
    たベントナイト混合土層を設け、前記ベントナイト混合
    土層の上に前記粘性土を張り付けたことを特徴とする人
    工緑化方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の人工緑化方法におい
    て、 前記ベントナイト混合土層の上に前記粘性土を張り付け
    るに際しては、前記ベントナイト混合土層の上にゴムシ
    ートなどの防水シートを設け、前記防水シートの上に前
    記粘性土を設けたことを特徴とする人工緑化方法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし13のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法において、 前記止水域は、凹部に水を溜める人工池に設けられ、前
    記凹部の内面上には、ベントナイトと現地発生土とを混
    合したベントナイト混合土層を設け、前記ベントナイト
    混合土層の上に砕石層を設け、前記砕石層の上に防水モ
    ルタルを設けたことを特徴とする人工緑化方法。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし17のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法において、 樹林と、前記樹林により地表に到達する日射量を抑えて
    日陰で多湿な環境に制御される林床部とを有する植栽部
    が設けられていることを特徴とする人工緑化方法。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法において、 前記止水域の水源には、腐敗防止剤を添加して貯留した
    雨水から前記腐敗防止剤を除去した水、事業所系廃水を
    川や湖などの公共用水域に放流可能な水質にまで浄化し
    た水、生活系廃水を浄化槽で前記公共用水域に放流可能
    な水質にまで浄化した後、EWPなどの浄化手段でさら
    に浄化した水の少なくともいずれかの水が使用されてい
    ることを特徴とする人工緑化方法。
  20. 【請求項20】 常時水が貯留され、貯留された水の流
    れが抑制された止水域と、前記止水域の周囲に設けら
    れ、水位が変動する水位変動域とを有する人工緑化区域
    に、動植物の生態系を定着させる人工緑地であって、 前記人工緑地が、請求項1ないし19のいずれか1項に
    記載の人工緑化方法により施工されていることを特徴と
    する人工緑地。
JP2000036563A 2000-02-15 2000-02-15 人工緑化方法および人工緑地 Pending JP2001224243A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000036563A JP2001224243A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 人工緑化方法および人工緑地

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000036563A JP2001224243A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 人工緑化方法および人工緑地

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001224243A true JP2001224243A (ja) 2001-08-21

Family

ID=18560594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000036563A Pending JP2001224243A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 人工緑化方法および人工緑地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001224243A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007244203A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Fujita Corp ヨシ群落の植生基盤造成方法
JP2013194390A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Taisei Corp 調整池
CN103936163A (zh) * 2014-04-25 2014-07-23 中国矿业大学 高潜水位采煤沉陷区水资源梯级调控及水质生态净化方法
CN112081071A (zh) * 2020-09-11 2020-12-15 中国科学院、水利部成都山地灾害与环境研究所 山洪泥石流沟道形成区的拦砂坝生态组合
CN112470839A (zh) * 2020-11-27 2021-03-12 武汉市洪山区萤火文化创意工作室 一种栖息地修复种植萤火虫水稻的方法
CN113545277A (zh) * 2021-07-19 2021-10-26 广西建设职业技术学院 一种基于康养景观的植物群落构建结构
CN113979543A (zh) * 2021-10-25 2022-01-28 国家林业和草原局泡桐研究开发中心 一种水陆两生净化水体植物群落构建方法
KR20220059970A (ko) * 2020-10-30 2022-05-11 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 옥상 녹화 습지 서식처 조성 방법
KR20220059971A (ko) * 2020-10-30 2022-05-11 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 옥상 녹화 습지 서식처 자동 관리 시스템
CN114508076A (zh) * 2022-02-24 2022-05-17 中水北方勘测设计研究有限责任公司 一种植被茂密地区水下边坡的治理方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10298947A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sagamiharashi 調整池の排水流量制御システム

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10298947A (ja) * 1997-04-28 1998-11-10 Sagamiharashi 調整池の排水流量制御システム

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007244203A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Fujita Corp ヨシ群落の植生基盤造成方法
JP2013194390A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Taisei Corp 調整池
CN103936163A (zh) * 2014-04-25 2014-07-23 中国矿业大学 高潜水位采煤沉陷区水资源梯级调控及水质生态净化方法
CN112081071B (zh) * 2020-09-11 2022-04-05 中国科学院、水利部成都山地灾害与环境研究所 山洪泥石流沟道形成区的拦砂坝生态组合
CN112081071A (zh) * 2020-09-11 2020-12-15 中国科学院、水利部成都山地灾害与环境研究所 山洪泥石流沟道形成区的拦砂坝生态组合
KR20220059971A (ko) * 2020-10-30 2022-05-11 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 옥상 녹화 습지 서식처 자동 관리 시스템
KR20220059970A (ko) * 2020-10-30 2022-05-11 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 옥상 녹화 습지 서식처 조성 방법
KR102573427B1 (ko) * 2020-10-30 2023-09-01 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 옥상 녹화 습지 서식처 조성 방법
KR102615814B1 (ko) * 2020-10-30 2023-12-21 단국대학교 천안캠퍼스 산학협력단 옥상 녹화 습지 서식처 자동 관리 시스템
CN112470839A (zh) * 2020-11-27 2021-03-12 武汉市洪山区萤火文化创意工作室 一种栖息地修复种植萤火虫水稻的方法
CN113545277A (zh) * 2021-07-19 2021-10-26 广西建设职业技术学院 一种基于康养景观的植物群落构建结构
CN113545277B (zh) * 2021-07-19 2024-02-27 广西建设职业技术学院 一种基于康养景观的植物群落构建结构
CN113979543A (zh) * 2021-10-25 2022-01-28 国家林业和草原局泡桐研究开发中心 一种水陆两生净化水体植物群落构建方法
CN114508076A (zh) * 2022-02-24 2022-05-17 中水北方勘测设计研究有限责任公司 一种植被茂密地区水下边坡的治理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140042064A1 (en) Ecological Biotope Water Purification System Utilizing a Multi-Cell and Multi-Lane Structure of a Constructed Wetland and Sedimentation Pond
KR101578551B1 (ko) 우수 오염 방지와 건강한 도시환경 조성을 위한 식생체류지
US11214952B2 (en) System for treatment of water
KR20160139594A (ko) 생태적 추이대 기능 및 수질환경 정화효율을 극대화한 순환형 생태환경복원 시스템
KR100375052B1 (ko) 인공습지를 이용한 자연정화 촉진방법 및 그 장치
CN211972073U (zh) 一种城镇生态河道断面
JP2001224243A (ja) 人工緑化方法および人工緑地
KR100444972B1 (ko) 생태공원으로 활용가능한 점.비점 오염원 처리용 다단계셀인공습지 시스템 및 오염원 처리 방법
Tanner et al. Constructed Wetland Practitioner Guide: Design and Performance Estimates
KR20100089449A (ko) 생태적 수질정화 투수조절 시스템
Abdullahi et al. Design of waste stabilization pond for sewage treatment at Nigerian defence academy staff quarters, permanent site Mando Kaduna
KR200417720Y1 (ko) 습지를 이용한 완충 저류시설
JP3550542B2 (ja) 循環型水路
Sullivan et al. Environmental guidelines for coastal tourism development in Sri Lanka
KR100515189B1 (ko) 도심지 하천설비와 도심지 하천 복원 공법
Sabbion et al. Green and Blue Infrastructure–Vegetated Systems
Agarwal Water Conservation Techniques in Rural India
KR200251872Y1 (ko) 인공습지를 이용한 자연정화 장치
US11795646B2 (en) System for reducing contaminants in a body of water
KR100451983B1 (ko) 자연식생형 유수천변구조
JP2013194390A (ja) 調整池
Aulenbach et al. Lake restoration using dissolved air flotation
KR100468813B1 (ko) 자연식생형 유수천변구조
Nierstedt et al. Wastewater management in coastal North Carolina
ARMY ENGINEER DISTRICT LOUISVILLE KY Grand Lake Saint Marys, Ohio, Survey Report for Flood Control and Allied Purposes. Volume 1.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100330