JP2001223555A - 圧電部品 - Google Patents

圧電部品

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JP2001223555A
JP2001223555A JP2000030063A JP2000030063A JP2001223555A JP 2001223555 A JP2001223555 A JP 2001223555A JP 2000030063 A JP2000030063 A JP 2000030063A JP 2000030063 A JP2000030063 A JP 2000030063A JP 2001223555 A JP2001223555 A JP 2001223555A
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cavity
width
electrode
piezoelectric
piezoelectric substrate
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JP2000030063A
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Tomohisa Azuma
智久 東
Amele Latour
アメール ラトール
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型圧電部品において、特性を確保したまま、
空洞形成層のベース板や天板との十分な貼りつけ面積が
確保できる構造のものを提供する。 【解決手段】平面形状が長方形をなす圧電基板1の表裏
面に電極2、3を形成して圧電素子4を構成する。圧電
素子の表裏面に振動電極2a、3aを囲むように空洞形
成層5、6を設ける。空洞形成層5、6は、振動電極2
a、3aを囲むように形成されてベース板9および天板
7に固着されることにより、内部に密封された振動空間
である空洞を形成する。振動電極2a、3aと空洞の形
状を、圧電基板1の長手方向の幅である横幅が縦幅より
長い形状にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフィルタ、
共振子または発振子として使用される圧電部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電部品は、圧電基板の表裏面の
各中央部に、互いに対向する振動電極を設け、また、各
振動電極を圧電部品の側面に設ける端子電極に接続する
ためのリード電極および端部電極を設け、振動電極の回
りには密閉された振動空間を樹脂により形成して構成さ
れる。従来の圧電部品においては、前記振動電極は円形
に構成されている。また、特開平10−178329号
公報に開示されているように、振動電極を、リード電極
の引き出し方向に対して直角の方向に長い楕円形状に形
成した例もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記円形の振動電極と
その振動空間の形成方法の一例として、本出願人は既に
図8(A)に示す構造のものを開発している。これは、
圧電基板30の表裏面に振動電極31とリード電極32
と端部電極33とを、振動電極31どうしが圧電基板3
0を挟んで互いに対向するように形成する。そして振動
電極31を囲むように樹脂でなる空洞形成層34を形成
し、ベース板35と天板36とを、樹脂でなる封止層
(接着層)37を介して空洞形成層34に重ねて固着す
る。これにより、振動電極31の周囲には、振動空間と
なる空洞が形成される。
【0004】このような構成の圧電部品は、圧電基板の
表裏面に空洞形成層を形成し、硬化させた後に天板やベ
ース板を固着することで、空洞位置や空洞の周囲の壁の
厚み精度が高く、気密性の優れたものとすることができ
る。気密性の確保は、異物の混入を防ぎ、特性を維持す
る上で重要である。
【0005】このような圧電部品において、従来技術を
踏襲して、振動電極31を円形に構成した場合、図8
(B)に示すように、振動電極31と空洞形成層34の
壁34aの間の間隔W1は特性を確保する上で所定値以
上に設定する必要がある。一方、小型化の要求に応え、
振動電極31の面積を確保しながら、前記間隔W1を所
定値以上に設定しようとすると、空洞形成層34の壁幅
W2を狭くせざるを得なくなる。しかし、壁幅W2を狭
くすると、空洞形成層34の十分な貼りつけ面積が確保
できず、気密性の破綻を生じやすくなる。
【0006】一方、特開平10−178329号公報に
おいて開示された図8(C)に示す構造、すなわち振動
電極39をリード電極32の引き出し方向(圧電基板3
0の長手方向)に直角をなす方向、すなわち縦方向に長
い楕円形にしたものを、図8(B)に示すように前記空
洞形成層34による空洞形成構造の圧電部品に適用した
場合、振動電極39と壁34aとの間隔W1がさらに確
保しにくくなり、同時に壁幅W2もさらに確保しにくく
なり、所望のQ特性が得がたくなる。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
小型圧電部品において、特性を確保したまま、空洞形成
層のベース板や天板との十分な貼りつけ面積が確保でき
る構造のものを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の圧電部品は、
平面形状が長方形をなす圧電基板の表裏面に電極を形成
した圧電素子と、該圧電素子の表裏面に固着した空洞形
成層と、天板およびベース板とを備え、前記電極は、圧
電基板の表裏面において圧電基板を挟んで互いに対向す
るように形成された振動電極と、各振動電極から互いに
反対方向に、かつ圧電基板の長手方向に形成されたリー
ド電極と、各リード電極に接続されると共に、圧電基板
の端部に設けられた接続用端部電極とを含み、前記空洞
形成層は、前記振動電極を囲むように形成されて前記ベ
ース板および前記天板に固着されることにより、内部に
密封された振動空間である空洞を形成し、前記振動電極
と前記空洞の形状を、前記圧電基板の長手方向の幅であ
る横幅が縦幅より長い形状にしたことを特徴とする。
【0009】このように、前記空洞、前記振動電極の形
状を、縦幅より横幅が長い形状とすることにより、長方
形の圧電基板において、振動電極の所定の面積を得よう
とした場合、振動電極とその周囲の空洞形成層の壁との
間隔を確保しやすくなり、Q特性が確保しやすくなる。
また、振動電極とその周囲の空洞形成層の壁との間の間
隔が確保し易いということは、空洞形成層の壁幅を広く
確保しやすくなるということであり、したがって空洞形
成層のベース板や天板に対する貼りつけ面積が確保しや
すくなり、気密性が向上する。
【0010】請求項2の圧電部品は、請求項1におい
て、前記振動電極の横幅をX1、その縦幅をY1、圧電
基板の横幅をX2、その縦幅をY2とし、前記振動電極
の横幅対縦幅比をr1=X1/Y1、圧電基板の横幅対
縦幅の比をr2=X2/Y2として、 1<r1≦1.5×r2 に設定したことを特徴とする。
【0011】空洞形成層により空洞を形成する場合、振
動電極の横幅対縦幅比r1が、圧電基板の外形寸法の横
幅対縦幅比r2の1.5倍より大きいと、十分な振動電
極の確保ができない場合や、振動電極の先端が空洞の周
囲の壁に近づいてQ特性が確保できない場合が生じる。
【0012】請求項3の圧電部品は、請求項1または2
において、前記空洞の横幅をX3、その縦幅をY3、そ
の横幅対縦幅の比をr3=X3/Y3、前記圧電基板の
幅X2、Y2の単位をmmとして、 1<r3≦1.2×(X2−0.5)/(Y2−0.
5) に設定したことを特徴とする。
【0013】空洞形成層により空洞を形成する場合、空
洞形成層をベース板や天板に貼りつけるための強度を確
保するため、圧電部品のサイズにもよるが、例えば3.
1mm×3.7mmのサイズのものでは、壁幅は少なく
とも0.25mm以上に形成することが好ましい。従っ
て、この場合、空洞の横幅X3、縦幅Y3はそれぞれ好
ましくは、 X3=X2−0.25×2=X2−0.5 Y3=Y2−0.25×2=Y2−0.5 である。ただし、横方向の両端における壁すなわち端部
の壁は、圧電基板の端部の電極上に形成され、側部の幅
に比較して広幅に形成されるため、前記横幅X3はX2
−0.5以下に設定することが好ましい。このため、前
記比r3は(X2−0.5)/(Y2−0.5)以下に
することが好ましい。さらに空洞形成層5、6の端部、
側部の幅を考慮して(X2−0.5)/(Y2−0.
5)に1.2を乗じた値をr3の上限値とすることが好
ましい。
【0014】請求項4の圧電部品は、請求項1から3ま
でのいずれかにおいて、前記振動電極および空洞の形状
を、長方形、長円または角丸長方形のいずれかとしたこ
とを特徴とする。
【0015】ここで、長円とは、長方形の短辺部の代わ
りに、外側に膨出した弧状部を有する形状である。ま
た、角丸長方形とは、長方形のコーナ−部が弧状をなす
形状である。いずれの形状にしても、振動電極の側辺
(長辺)が、空洞形成層の側壁に平行となり、振動電極
の側辺と空洞形成層の側壁との間隔の確保が容易とな
り、振動電極の面積の確保が容易となり、Q値の向上が
図れる。
【0016】請求項5の圧電部品は、請求項1から4ま
でのいずれかにおいて、前記空洞形成層が、熱硬化性樹
脂を印刷または転写により塗布し硬化したものであるこ
とを特徴とする。
【0017】このように、空洞形成層を熱硬化性樹脂の
印刷、転写により塗布し、硬化させたものを用いること
により、空洞の位置や厚み精度が高く、圧電部品の実装
の際の熱に耐え得る圧電部品が得やすくなる。
【0018】請求項6の圧電部品は、請求項1から5ま
でのいずれかにおいて、前記圧電基板の両裏面の空洞形
成層と前記天板またはベース板との間に封止層を有し、
該封止層が、熱半硬化性樹脂を印刷または転写により塗
布し半硬化したものであることを特徴とする。
【0019】このように、空洞形成層を熱半硬化性樹脂
でなる封止層により天板やベース板に固着させる構成と
すれば、空洞形成層の印刷等による形成後に空洞形成層
を硬化させておき、その後、半硬化させた封止層を介し
て圧電基板に天板、ベース板を熱圧着させて封止層を硬
化させ、全体を一体化する工程をとることができる。こ
のような工程を採用すれば、空洞形成層を熱圧着する際
には、空洞形成層は既に硬化しているので、空洞形成層
の圧力による拡がりもなく、正確な位置、面積に空洞を
形成することができる。このような封止層は、空洞とな
る部分を覆うように、天板やベース板の全面に施しても
よいが、形成層空洞形成層と同じ形状に印刷または転写
することが、封止層の熱圧着の際の封止層の空洞内への
漏れの可能性が減少する上で好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明による圧電部品の一
実施の形態を示す分解斜視図、図2(A)はその製品の
側面図、図2(B)はその断面図、図3(A)はその圧
電基板の表面に形成される電極形状を示す平面図、図3
(B)はさらにその上に空洞形成層を形成した状態を示
す平面図である。
【0021】図1、図2(A)、(B)において、1は
セラミック製の圧電基板、2、3はそれぞれその表面、
裏面に形成された電極である。圧電基板1と電極2、3
により圧電素子4を構成する。本実施の形態の圧電素子
4は、厚み縦の3倍波を利用するもので、インダクタと
して利用するものである。前記電極2、3は、圧電基板
1を挟んで互いに対向するように形成された振動電極2
a、3aと、圧電基板1の表面、裏面の各端部に後述の
端子電極11、12との接続のために形成された端部電
極2b、3bと、それぞれ振動電極2a、3aと端部電
極2b、3bとの間を接続するリード電極2c、3cと
からなる。図3(A)に示すように、本実施の形態にお
いては、振動電極2a、3aは長円形に形成される。
【0022】5、6はそれぞれ前記振動電極2a、3a
を間隔を有して囲むように、圧電基板1の表面、裏面に
形成された樹脂でなる空洞形成層である。図3(B)に
示すように、本実施の形態においては、空洞形成層5、
6の開口部5a、6a(図1参照)により形成される空
洞20は角丸長方形に形成される。その他、図3(C)
に示すように、振動電極2a、3aを長方形に形成した
り、図3(D)に示すように、振動電極2a、3aを角
丸長方形に形成することができる。また、空洞20は、
図3(C)に示すように、長方形に形成したり、長円に
形成することが可能である。
【0023】7はセラミック製の天板であり、該天板7
は圧電基板1の表面の空洞形成層5に樹脂でなる封止層
8を介して固着される。9はセラミック製のベース板で
あり、該ベース板9は圧電基板1の裏面の空洞形成層6
に樹脂でなる封止層10を介して固着される。
【0024】本実施の形態においては、前記ベース板9
はプリント回路基板への実装部材として利用するのみで
なく、コンデンサを構成するものとしても兼用される。
このため、ベース板9の下面には、コンデンサ電極1
3、14と、これらの間に介在せるコンデンサ電極であ
るグランド電極15とを有している。コンデンサ電極1
3、14は、それぞれ前記電極2、3に圧電部品の側面
の端子電極11、12を介して接続される。16は圧電
部品の側面に設けられたグランド電極であり、ベース板
9の下面の前記グランド電極15に接続される。
【0025】図1において、17、18、19はそれぞ
れ側面の端子電極11、12、16の固着強度を増大さ
せるために設けられた電極である。なお、ベース板9に
設ける電極13〜15は天板7上の電極17〜19のよ
うに、縦幅方向に分散して形成してもよい。また、天板
7上の電極17〜19もベース板9上の電極13〜15
のように縦幅方向の全幅にわたって形成してもよい。
【0026】前記圧電基板1としては、SrBiTi
15を主成分とするビスマス層状化合物、チタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PT)、水晶、
ランガサイト構造を有する化合物、タンタル酸化合物、
タングステン−ブロンズ化合物あるいは(Bi1/2
1/2)TiO構造を有する化合物のいずれかを分
極させて用いることができる。
【0027】前記電極2、3としては、Ag、Cu、A
l、Au、Cr、Ni、Sn、Pd、Pt、W、Mo、
Cのいずれかからなる単体、または2種以上のものから
なる合金、あるいは前記単体または合金を複数層に積層
したもの等が用いられる。これらの電極2、3は、圧電
基板1の素材であるウェハー上に均等な間隔で配置す
る。また、電極2、3の形成方法として、例えばスパッ
タリング、蒸着、めっき等の薄膜法を用いることができ
る。
【0028】天板7は未分極のSrBiTi15
を主成分とするビスマス層状化合物やその他の未分極の
圧電基板、フォルステライト、ステアライト、BaTi
系セラミックや、アラミド樹脂等を用いることがで
きる。また、ベース板9としては天板7と同様の材質の
ものを用いることができる。コンデンサを構成する場合
は、前記SrBiTi15や、BaTiOその
他の誘電体材料を用いることができる。
【0029】前記空洞形成層5、6は例えばエポキシ樹
脂等の熱硬化性樹脂が用いられる。空洞形成層5、6は
圧電基板1の表裏面に、振動電極2a、3aの振動を妨
げない厚みに形成される。具体的には、印刷、硬化によ
り、好ましくは10μm〜80μmの厚みに形成され
る。前記封止層8、10には熱半硬化性樹脂であるエポ
キシ樹脂が用いられる。該封止層8、10は空洞形成層
5、6上もしくは天板7やベース板9上に、印刷後半硬
化させた後、空洞形成層5、6と天板7やベース板9と
の間で熱圧着、硬化されて内部に空洞を形成する。該封
止層8、10は好ましくは3μm〜50μmの厚みに形
成される。本実施の形態においては、封止層8、10と
して、空洞形成層5、6の空洞形成用の開口部5a、6
aに合致する開口部8a、10aを有しているが、これ
らの開口部8a、10aを有しない構造も採用できる。
ただし、空洞形成層5、6と同じく開口部8a、10a
を有する形状に印刷または転写することが、封止層の熱
圧着の際の封止層の空洞内への漏れの可能性が減少する
上で好ましい。
【0030】
【実施例】圧電基板1としてSrBiTi15
主成分とするビスマス層状化合物でなるセラミックを用
いた。圧電基板1の分極は、シリコンオイル中で9kV
/mmの条件で行い、0.410mmの厚みに研磨し
た。また、電極2、3の下地層として、圧電基板1のウ
ェハー上に、スパッタリングによりCrを10nmの厚
みに形成し、その上にAgをスパッタリングにより1.
6μmの厚みとなるように形成した。
【0031】天板7およびベース板9としてSrBi
Ti15を主成分とするビスマス層状化合物のセラ
ミックを用いた。また、ベース板9に設ける電極13〜
15と、天板7に設ける電極17〜19は、銀ペースト
の印刷、焼成により形成した。
【0032】前記空洞形成層5、6は、エポキシ樹脂を
印刷し、封止層8、10により貼りつける前に硬化させ
た。また、封止層8、10は、熱半硬化性のエポキシ樹
脂を用い、天板7およびベース板9の片面に印刷(転写
でもよい)により塗布し、貼り合わせ前に半硬化させ
た。
【0033】電極2、3の形状や厚みは、表1に示すよ
うに設定した。振動は、3倍波モードを利用し、厚み縦
基本波を抑圧できるように設計した。貼り合わせは、封
止層8形成後の天板7の上に空洞形成層5、6を形成硬
化させた圧電基板1を重ね、その上に封止層10を設け
たベース板9を重ね、熱プレスを用いて熱圧着すること
により行った。
【0034】
【表1】
【0035】その後、ウェハーを切断して3.1mm×
3.7mm角のチップを得、バレル研磨を行った。そし
て、端子電極11、12、16を、スパッタリング等の
薄膜法により、Crを10nm、その上のCuを1.5
μmの厚みに形成した。試作品の抵抗Rやリアクタンス
Xの測定はインピーダンスアナライザを用いて行い、3
倍波、基本波のQ値を、Q=|X|/Rにより求めた。
【0036】表1において、振動電極の横幅とは、図3
(A)におけるリード電極2cの引き出し方向の長さX
1である。また、振動縦幅とはリード電極2cの引き出
し方向に直角をなす方向の長さY1である。またRと
は、円形の場合は直径、長円の場合は振動電極2a、3
aの端部の弧状部の直径、空洞の角丸長方形のRはコー
ナー部の弧状部の直径である。
【0037】また、電極の縦横比とは、振動電極2a、
3aの前記横幅X1と、前記縦幅Y1との比r1=X1
/Y1である。また、対外形縦横比とは、図3(A)の
圧電基板1の横幅X2対縦幅Y2の比r2=X2/Y2
により、前記比r1を除算した値(=r1/r2)であ
る。また、空洞における縦横比とは、図3(B)におけ
る空洞20の横幅X3と縦幅Y3との比r3=X3/Y
3である。
【0038】また、最小壁幅とは、図3(B)における
空洞形成層5、6の壁の幅の最小値であり、実質的に
は、空洞形成層5、6の側壁の幅W2である。また、空
洞形成層5(または6)と封止層8(または10)との
厚みの合計は、試料No.31以外はすべて0.050
mmとした。
【0039】表2は、表1の各試料について測定した3
倍波のQの最大値をQmax3rd、基本波のQの最大
値Qmax1stで示す。また、Q値の可否について、
ax3rdが4以上である場合は〇、4未満の場合
は×で示す。また、基本波の抑圧程度は、Q
max1stが2以下である場合は〇、2を超える場合
は×で示す。また、空洞形成層5、6の壁幅W2が0.
25以上の場合は〇、0.25未満の場合は×で示す。
【0040】No.1〜11の試料は、比較例であっ
て、表1に示すように、振動電極2a、3aが円形であ
り、空洞20が円形であるものである。これらの比較例
の試料1〜6は、振動電極2a、3aが円形で直径φが
1.42mmである場合であり、空洞20の直径は2.
90mm〜2.40mmと1mmずつ変化させ、これに
伴い、壁幅W2を0.10mm〜0.35mmの範囲で
変化させて特性を測定した。また比較例の試料7〜11
は、振動電極2a、3aが円形で直径φが1.65mm
である場合であり、空洞20の直径は2.90mm〜
2.40mmと1mmずつ変化させ、これに伴い、壁幅
W2を0.10mm〜0.35mmの範囲で変化させて
特性を測定した。
【0041】表1に示すように、試料No.1〜4の場
合、空洞20の直径が2.60mm以上であれば、3倍
波のQの最大値は4以上となり、3倍波については良好
な特性が得られるものの、基本波のQの最大値が2以上
となるので、基本波の抑圧が十分でなく、良好な特性が
得られない。また、試料No.1〜3は壁幅W2が0.
25mm未満であるため、貼りつけ面積も不十分であ
る。
【0042】一方、試料No.5、6の場合、基本波の
Qの最大値が2以下となるものの、3倍波のQの最大値
は4未満となるので、特性の面で不十分である。
【0043】また、振動電極2a、3aの直径が1.6
2mmである場合、試料No.7〜9においては、3倍
波のQの最大値、基本波のQの最大値共に満足できる値
となるものの、壁幅W2が0.25mm未満であるた
め、貼りつけ面積が不十分である。
【0044】
【表2】
【0045】一方、振動電極2a、3aの直径が1.6
2mmであって、試料No.10、11のように、壁幅
W2が0.25mm以上になると、貼りつけ面積は十分
となるが、3倍波のQの最大値、基本波のQの最大値共
に不満足な値となってしまう。
【0046】前記振動電極2a、3aを長円または長方
形とし、空洞を長方形または角丸長方形とした試料12
〜31(グループI〜VIII)の試料においては、3倍波
のQの最大値はすべて4以上となり、基本波のQの最大
値は2以下となった。各グループI〜VIIIの試料と、前
記比較例である円形の振動電極を有する場合の3倍波の
Qの最大値を図4に示す。図4から、本発明によるグル
ープI〜VIIIの試料の場合、高い3倍波のQの最大値が
得られることが分かる。
【0047】また、グループI〜VIIIの試料と、前記比
較例である円形の振動電極を有する場合の基本波のQの
最大値を図5に示す。図5から、本発明によるグループ
I〜VIIIの試料の場合、基本波のQ値が良好に抑制され
ることが分かる。
【0048】図6(A)は振動電極2a、3aの形成位
置をリード電極2c、3cの引き出し方向について変化
させることにより、図3(B)における振動電極2a、
3aの先端と空洞形成層5、6の壁との間の間隔W3を
変化させ、3倍波のQの最大値を求めた結果を示す。ま
た、図6(B)は同様に、振動電極2a、3aと空洞形
成層5、6の壁との間の間隔W3と、3倍波のQの最大
値との関係を示す。ただし比較例の場合は、空洞形成層
5、6の内部の円形の空洞20のサイズを変えることに
より、振動電極と壁との間隔を変えた場合について示
す。
【0049】図6(A)から分かるように、振動電極2
a、3aが円形の場合、振動電極と壁との間の間隔W3
が狭くなるほど3倍波のQの最大値が小さくなるが、本
発明によるグループの場合、この間隔W3が狭くなって
も3倍波のQの最大値の変化の度合いが小さくなる。
【0050】また、図6(B)から分かるように、振動
電極が円形の場合、振動電極と壁との間の間隔W3が大
きくなるほど基本波のQの最大値が大きくなるが、本発
明によるグループの場合、この間隔が大きくなっても基
本波のQの最大値は殆ど増大しない。
【0051】図7(A)は振動電極がφ1.65の円形
である場合における電極とその近傍における厚み縦3倍
波の共振点(16.87MHz)付近の振動分布図であ
り、破線は振動電極の外形を示す。また、図7(B)は
1.3mm×1.9mmの長円形状の振動電極における
前記共振点(16.87MHz)付近の振動分布図であ
り、前記同様に破線は振動電極の外形を示す。図7
(A)、(B)の対比から分かるように、振動分布は振
動電極の外形に依存し、(B)の場合、空洞壁との距離
が確保しやすいため、良好なQ値が得られる。一方
(A)の場合は、振動分布が円形となるため、空洞壁と
の距離が十分保てないので、良好なQ値が得られない。
【0052】前述のように、振動電極2a、3aの横幅
対縦幅比r1は、小型でかつ最大限の振動電極面積を得
る上で、圧電基板1の縦横比r2=X2/Y2により制
限を受ける。表1における比r1の最大値は1.62で
あり、また、r2は3.7mm/3.1mm=1.19
であり、k=r1/r2=1.36である。このkの値
は、1.5以下とすべきである。なぜならば、kの値が
1.5より大きいと、振動電極2a、3aの縦幅Y1が
狭くなり、十分な振動電極の面積が得がたくなるからで
ある。また、振動電極の面積を得ようとすると、振動電
極の端部が空洞形成層5、6の端部の壁に近づき過ぎる
からである。
【0053】また、空洞20の縦横比r3=X3/Y3
について考慮すると、圧電基板1の空洞形成層5、6の
壁の幅W2を0.25mm以上確保することが好まし
く、 1<r3≦m(X2−0.25×2)/(Y2−0.2
5×2)=m(X2−0.5)/(Y2−0.5) である。ここで、mは空洞形成層5、6の端部、側部の
幅を考慮して設定される値であり、m=1.2程度に設
定することが好ましい。また、理想的な壁幅を考えた場
合、m=1とすることがさらに好ましい。
【0054】なお、圧電基板1がさらに小型化され、
2.5mm×2.0mm、2.0mm×1.2mm等の
圧電部品も製造されるから、それに応じて前記幅W2の
設定は変化させてもよい。
【0055】
【発明の効果】請求項1によれば、空洞および振動電極
の形状を、縦幅より横幅の長い形状としたので、振動電
極の所定の面積を得ようとした場合、振動電極とその周
囲の空洞形成層の壁との間隔を確保しやすくなり、Q特
性が確保しやすくなる。また、ベース板や天板との固着
部である空洞形成層の壁幅を広く確保しやすくなり、気
密性が確保される。
【0056】請求項2によれば、振動電極の前記比r1
を1.5×(圧電基板の横幅/縦幅)以下にしたので、
十分な振動電極の確保が可能である。また、振動電極が
空洞に近づいてQ特性が劣化することを防止することが
できる。
【0057】請求項3によれば、空洞の前記比r3を
1.2×(圧電基板の横幅(mm)−0.5)/(圧電
基板の縦幅(mm)−0.5)以下にしたので、圧電基
板の形状に応じた空洞形成層の壁幅の設定が可能とな
り、壁幅の確保が容易となる。
【0058】請求項4によれば、前記振動電極および空
洞の形状を、長方形、長円または角丸長方形のいずれか
としたので、振動電極の側辺が、空洞形成層の側壁に平
行となり、振動電極の側辺と空洞形成層の側壁との間隔
の確保が容易となり、振動電極の面積の確保が容易とな
り、Q値の向上が図れる。
【0059】請求項5によれば、前記空洞形成層が、熱
硬化性樹脂を印刷または転写により塗布し硬化したの
で、空洞の位置や厚み精度が高く、圧電部品の実装の際
の熱に耐え得る圧電部品が得やすくなる。
【0060】請求項6によれば、前記圧電基板の両裏面
の空洞形成層と前記天板またはベース板との間に封止層
を有し、該封止層が、熱半硬化性樹脂を印刷または転写
により塗布し半硬化したので、空洞形成層を封止層を介
して天板やベース板に熱圧着する際には、空洞形成層は
既に硬化しているので、空洞形成層の圧力による拡がり
もなく、正確な位置、面積に空洞を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧電部品の一実施の形態を示す分
解斜視図である。
【図2】(A)は本実施の形態の圧電部品の側面図、
(B)はその断面図である。
【図3】(A)は本実施の形態の電極形状を示す圧電基
板の平面図、(B)は同じく電極と空洞とを示す圧電基
板の平面図、(C)、(D)は本発明による電極および
空洞形成層の別の例を示す圧電基板の平面図である。
【図4】本発明による圧電部品と比較例の圧電部品の共
振点付近における3倍波のQの最大値を、空洞形成層の
壁幅との関係において示すグラフである。
【図5】本発明による圧電部品と比較例の圧電部品の共
振点付近における基本波のQの最大値を、空洞形成層の
壁幅との関係において示すグラフである。
【図6】(A)は比較例および本発明による各試料にお
いて、振動電極と空洞形成層の壁との間隔を変化させ、
共振点付近の3倍波のQの最大値を求めた結果を示すグ
ラフ、(B)は同様に、前記間隔を変化させて基本波の
Qの最大値を求めた結果を示すグラフである。
【図7】(A)は比較例の共振点付近における振動分布
図、(B)は本発明の一実施の形態における共振点付近
における振動分布図である。
【図8】(A)は空洞形成層および封止層を有する圧電
部品の分解斜視図、(B)は円形の振動電極を有する圧
電部品の平面図、(C)はリード電極の引き出し方向に
対して直角をなす方向に長い楕円形に振動電極を形成し
た従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
1:圧電基板、2、3:電極、2a、3a:振動電極、
2b、3b:端部電極、2c、3c:リード電極、4:
圧電素子、5、6:空洞形成層、7:天板、8、10:
封止層、11、12:端子電極、13、14:電極、1
5、16:グランド電極、17〜19:電極、20:空

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面形状が長方形をなす圧電基板の表裏面
    に電極を形成した圧電素子と、 該圧電素子の表裏面に固着した空洞形成層と、 天板およびベース板とを備え、 前記電極は、圧電基板の表裏面において圧電基板を挟ん
    で互いに対向するように形成された振動電極と、各振動
    電極から互いに反対方向に、かつ圧電基板の長手方向に
    形成されたリード電極と、各リード電極に接続されると
    共に、圧電基板の端部に設けられた接続用端部電極とを
    含み、 前記空洞形成層は、前記振動電極を囲むように形成され
    て前記ベース板および前記天板に固着されることによ
    り、内部に密封された振動空間である空洞を形成し、 前記振動電極と前記空洞の形状を、前記圧電基板の長手
    方向の幅である横幅が縦幅より長い形状にしたことを特
    徴とする圧電部品。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記振動電極の横幅をX1、その縦幅をY1、圧電基板
    の横幅をX2、その縦幅をY2とし、前記振動電極の横
    幅対縦幅比をr1=X1/Y1、圧電基板の横幅対縦幅
    の比をr2=X2/Y2として、 1<r1≦1.5×
    r2に設定したことを特徴とする圧電部品。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記空洞の横幅をX3、その縦幅をY3、その横幅対縦
    幅の比r3=X3/Y3、前記圧電基板の幅X2、Y2
    の単位をmmとして、 1<r3≦1.2×(X2−0.5)/(Y2−0.
    5) に設定したことを特徴とする圧電部品。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかにおいて、 前記振動電極および空洞の形状を、長方形、長円または
    角丸長方形のいずれかとしたことを特徴とする圧電部
    品。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかにおいて、 前記空洞形成層が、熱硬化性樹脂を印刷または転写によ
    り塗布し硬化したものであることを特徴とする圧電部
    品。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかにおいて、 前記圧電基板の両裏面の空洞形成層と前記天板またはベ
    ース板との間に封止層を有し、該封止層が、熱半硬化性
    樹脂を印刷または転写により塗布し半硬化したものであ
    ることを特徴とする圧電部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006270548A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Tdk Corp 圧電共振部品
WO2008102481A1 (ja) * 2007-02-21 2008-08-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. 圧電共振子の製造方法及び圧電共振子

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