JP2001221924A - 光導波路およびそれを用いた光回路 - Google Patents

光導波路およびそれを用いた光回路

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JP2001221924A
JP2001221924A JP2000030762A JP2000030762A JP2001221924A JP 2001221924 A JP2001221924 A JP 2001221924A JP 2000030762 A JP2000030762 A JP 2000030762A JP 2000030762 A JP2000030762 A JP 2000030762A JP 2001221924 A JP2001221924 A JP 2001221924A
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optical waveguide
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Toshimi Kominato
俊海 小湊
Akio Sugita
彰夫 杉田
Mikitaka Itou
幹隆 井藤
Akemasa Kaneko
明正 金子
Katsunari Okamoto
勝就 岡本
Manabu Oguma
学 小熊
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折を低減あるいは解消できる光導波路お
よびそれを用いた偏波依存性を低減あるいは解消できる
光回路を提供すること。 【解決手段】 シリコン基板からなる基板21上に、石
英系ガラスによりクラッド22及びコア23を形成し、
コア23を、屈折率の異なる第1コア層23a及び第2
コア層23bをそれぞれ複数、交互に積層した多層構造
とすることにより、構造複屈折を生じさせ、これによっ
て残留熱応力等により生じた複屈折を補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導波型光回路を構
成する光導波路の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インターネット利用の世界的な広がりに
より、画像や映像情報等の大容量データを高速に伝達で
きる光波長多重(WDM)技術等を用いた光通信システ
ムの研究開発に拍車がかかっており、米国を中心に商用
導入が始まっている。光通信システムを構成する光回路
の実現形態として期待されている導波型光回路は、LS
I微細加工技術等を応用して平面基板上に光導波路を一
括形成することから集積性、量産性に優れ、複雑な回路
構成を有する高機能回路を実現できる。
【0003】種々の材料で導波型光回路の研究開発が行
われているが、シリコン基板等の基板上に石英系ガラス
にて形成された石英系光導波路は、石英系光ファイバと
の整合性が良く、動作特性が安定で、高い信頼性を有す
る光回路を作製できることから、他の導波路材料に比較
して研究実用化が進んでいる。
【0004】図1は従来の石英系光導波路の構造を示す
もので、基板1にはシリコン基板や石英基板等が用いら
れ、クラッド2及びコア3は石英系ガラスで形成されて
いる。基板1としてシリコン基板を用いることは、受光
素子、発光素子等をハイブリッド実装するためのプラッ
トホームとして有用であり、圧縮応力がクラッド2及び
コア3に働くことでひび割れや亀裂等を防止し、信頼性
を向上させている。圧縮応力は石英系ガラスとシリコン
基板との熱膨張係数差に起因する残留熱応力により生じ
ている。
【0005】しかしながら、このような残留熱応力は、
基板と垂直な電界を有するモード(TMモード)と、水
平方向に電界を有するモード(TEモード)とで異なる
実効屈折率を感じる導波路複屈折を生じさせる。シリコ
ン基板上に作製した石英系光導波路では、TEモードに
比較してTMモードの感じる実効屈折率が10-4オーダ
ーと大きい。導波路複屈折は、導波路と基板の熱膨張係
数差に起因して生じることから、導波路と基板のホスト
材料が同種であっても、ドーパントの種類や濃度により
大きな値となることがある。
【0006】導波路複屈折は、光回路の光学特性に偏波
依存性を与える。例えば、代表的な光回路として波長の
異なる複数の光を合分波する光波長合分波器では、入射
光(信号光)の偏波方向により、損失やクロストーク
(漏話)が異なる。実用システムにおいて、光ファイバ
を通して伝送される信号光の偏波方向は不確定であり、
時間とともに変動する。それゆえ、光合分波器を通過し
た信号光の損失やクロストークが揺らぎ、信号の信頼性
を劣化させることになる。
【0007】図2に光合分波器の代表としてアレー導波
路格子を示す。アレー導波路格子10は、2つのスラブ
導波路11,12間に導波路アレー13を接続し、入力
導波路14及び出力導波路15をそれぞれ別のスラブ導
波路11,12に接続した構成を備えている。
【0008】図3に石英系光導波路にて作製した合分波
間隔0.8nmのアレー導波路格子の損失スペクトルを
示す。TEモードとTMモードで最も損失が低くなるピ
ーク波長が約0.25nmシフトしており、それぞれの
モードのピーク波長での他方のモードの損失は10〜1
5dB大きくなっている。
【0009】この波長シフトは、導波路アレー13がT
Eモードに比較してTMモードの実効屈折率が(2−
3)×10-4大きいためである。複屈折値BをTMモー
ドの実効屈折率からTEモードの実効屈折率を引いた値
とすると、波長シフトから複屈折値Bは2.3×10-4
と見積もれる。この値は、クラッド2に含まれるドーパ
ントの種類、濃度により異なる。このような光回路の偏
波依存性を解消することは実用化のために不可欠な課題
であった。
【0010】光回路の偏波依存性を解消する方法とし
て、(1)導波路の両脇に溝を形成し、導波路にかかる
応力を低減し、導波路複屈折を解消する方法、(2)導
波路上にa−Si等の応力付与膜を形成した後、光回路
特性をモニターしながら応力付与膜をトリミングするこ
とで複屈折を制御し、光回路全体の偏波依存性を解消す
る方法、(3)光回路特性をモニターしながら導波路へ
紫外線照射することで複屈折を制御し、光回路全体で偏
波依存性を解消する方法、(4)光回路内に1/2波長
板を挿入し、偏波モードを入れ替えることで光回路全体
で偏波依存性を解消する方法、(5)コアを覆うクラッ
ドにGeO2、B23、P25等の熱膨張係数を大きく
する材料をドープし、基板の熱膨張係数に近づけること
で複屈折を解消する方法等がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法により偏
波無依存な光回路が実現されているが、実用化には次の
ような課題があった。
【0012】即ち、(1)の方法では、複屈折が溝の位
置、深さに強く依存するため、作製精度に敏感であり、
歩留まりが落ちる傾向があり、また、工程が増加する。
また、(2)の方法では、作製精度は緩いが、光回路を
個別に特性をモニターしながらトリミングをするため、
量産性に乏しい。また、(3)の方法も、同様に、光回
路を個別に特性をモニターしながら調整する必要がある
ので、量産性に乏しい。また、(4)の方法では、十数
ミクロンから数十ミクロンの波長板の厚み分以上の導波
路を切断するため、損失が増加する。また、(5)の方
法では、クラッドにかかる応力が引っ張り応力になると
クラッドガラスに亀裂が入り易くなり、ドーパントの高
濃度ドープにより耐候性が悪くなり、信頼性を落とすこ
とになる。
【0013】本発明の目的は、これらの歩留まり、量産
性、光学特性、信頼性に対する課題を解決し、複屈折を
低減あるいは解消できる光導波路およびそれを用いた偏
波依存性を低減あるいは解消できる光回路を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1では、基板上にクラッド及びコ
アが形成されてなる光導波路において、コアを、基板面
におおよそ平行で、少なくとも3層以上から成り、隣接
する層の屈折率が互いに異なる多層構造とした光導波路
を提案する。
【0015】また、本発明の請求項2では、基板がシリ
コン基板であり、光導波路が石英系ガラスである請求項
1記載の光導波路を提案する。
【0016】また、本発明の請求項3では、基板上にク
ラッド及びコアが形成されてなる光導波路において、コ
アを、基板面におおよそ垂直で、少なくとも3層以上か
ら成り、隣接する層の屈折率が互いに異なる多層構造と
した光導波路を提案する。
【0017】また、本発明の請求項4では、基板が石英
基板であり、光導波路が石英系ガラスである請求項3記
載の光導波路を提案する。
【0018】また、本発明の請求項5では、屈折率が高
い層と低い層とを交互に配置した多層構造とした請求項
1乃至4いずれか記載の光導波路を提案する。
【0019】また、本発明の請求項6では、請求項1乃
至5いずれか記載の光導波路により形成された光回路を
提案する。
【0020】また、本発明の請求項7では、光合分波器
である請求項6記載の光回路を提案する。
【0021】コアを、屈折率が異なる層の多層構造とす
ることで、層と平行な方向の実効屈折率が高くなる構造
複屈折を生じる。それゆえ、残留熱応力等により生じた
複屈折を補償する方向に多層構造となるコアを形成する
ことにより、本発明の目的である、複屈折の低減あるい
は解消した光導波路及び偏波依存性の低減あるいは解消
した光回路を提供できる。
【0022】また、光導波路が石英系ガラスである場
合、基板がシリコンでは、応力により屈折率が基板に垂
直な方向で大きくなるため、基板に水平な方向に多層構
造とし、基板が石英では、応力により屈折率が基板に水
平な方向で大きくなるため、基板に垂直な方向に多層構
造とすることで、応力複屈折と構造複屈折とが打ち消し
合い、光導波路の複屈折の低減あるいは解消及び光回路
の偏波依存性の低減あるいは解消ができる。
【0023】また、屈折率が高い層と低い層とを交互に
配置した多層構造とすることで、従来の構造とほぼ同じ
形状、サイズの電磁界分布を維持したまま、光導波路の
複屈折の低減あるいは解消及び光回路の偏波依存性の低
減あるいは解消ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について述べる。
【0025】[実施の形態1]図4は本発明の光導波路
の第1の実施の形態を示すもので、基板21にはシリコ
ン基板を用い、クラッド22及びコア23は石英系ガラ
スにより形成している。ここで、コア23は、第1コア
層23a及び第2コア層23bをそれぞれ複数、交互に
積層した多層構造を備えている。
【0026】クラッド22の屈折率に対してコア23の
平均比屈折率差が0.75%、寸法が6μm×6μm、
多層構造による複屈折値Bが−2.3×10-4となるよ
うに、第1コア層23a及び第2コア層23bの屈折
率、層厚、層数を導波路のモード解析により求めた。こ
こで、平均比屈折率差とは、コアの長手方向に垂直な断
面におけるコアの比屈折率差の面積平均のことである。
【0027】本実施の形態で用いた屈折率、層厚t、層
数Nは 第1コア層23a Δ=2%、t=0.45μm、N=5 第2コア層23b Δ=0%、t=0.94μm、N=4 である。なお、屈折率は、クラッド22の屈折率に対す
る比屈折率差Δとして表した。
【0028】図5は本実施の形態の光導波路の製造工程
を示すもので、以下、工程順に説明する。
【0029】(a)基板21としてシリコン基板を用
い、基板21上に下部クラッド22−1と、第1コア層
203a及びと第2コア層203bを交互に積層したコ
ア203とを、火炎堆積法により形成する。火炎堆積法
は、SiCl4を主成分とするガラス形成原料ガスよ
り、酸水素バーナーの火炎内でSiO2を主成分とする
ガラス微粒子を形成し、基板にガラス微粒子層を堆積す
る方法であり、堆積したガラス微粒子層を基板とともに
電気炉で加熱して、透明なガラス膜を形成する。
【0030】始めに、基板21上に下部クラッド22−
1用ガラス微粒子層を堆積し、第1コア層203a用ガ
ラス微粒子層と第2コア層203b用ガラス微粒子層と
を交互に堆積した後、電気炉にて透明ガラス化した。第
1コア層203a用ガラス微粒子層には、屈折率を高く
するためにGeO2をドープしている。
【0031】(b)コア203の不要部分を反応性イオ
ンエッチング法により除去して、リッジ状の第1コア層
23a及び第2コア層23bからなるコア23を形成す
る。
【0032】(c)コア23を覆うように下部クラッド
22−1と同等の屈折率を有する上部クラッド22−2
を形成する。上部クラッド22−2の形成には、再度、
火炎堆積法によりガラス微粒子層を堆積し、電気炉で加
熱した。
【0033】この光導波路により、図2に示したアレー
導波路格子を作製した場合の損失スペクトルを図6に示
す。TEモードとTMモードの損失スペクトルがほぼ一
致しており、TEモードに比べてTMモードの方が長波
長に位置し、TEモードとTMモードの最も損失が低く
なるピーク波長のシフトは0.03nm以下となってい
る。それぞれのモードのピーク波長での他方のモードの
損失増加が測定誤差程度の0.1dBである。波長シフ
トから複屈折値Bは3×10-5以下と見積もれ、本発明
の導波路構造にて導波路の複屈折を十分小さくできるこ
とがわかる。
【0034】[実施の形態2]本発明の第2の実施の形
態では、第1の実施の形態におけるコアの層数を約2倍
とし、コア形成にECR−CVD装置を用いた。
【0035】図4に示すコア23の平均比屈折率差が
0.75%、寸法が6μm×6μm、多層構造による複
屈折値Bが−2.3×10-4となるように、導波路のモ
ード解析を行い、第1コア層23a及び第2コア層23
bの比屈折率Δ、層厚t、層数Nを 第1コア層23a Δ=2%、t=0.205μm、N=11 第2コア層23b Δ=0%、t=0.375μm、N=10 と設定した。
【0036】導波路の製造工程は、図5の(a)におい
て基板21としてシリコン基板を用い、基板21上に下
部クラッド22−1を火炎堆積法により形成した後、第
1コア層203a及び第2コア層203bを交互にEC
R−CVDにより堆積した。第1コア層203aには、
屈折率を高くするためにGeO2をドープしている。
(b)及び(c)の工程は第1の実施の形態の場合と同
じである。
【0037】第1の実施の形態と同様に、図2に示した
アレー導波路格子を作製し、損失スペクトルを測定し
た。損失スペクトルは、第1の実施の形態の場合と同様
にTEモードとTMモードの損失スペクトルがほぼ一致
していた。TEモードに比べてTMモードの方が若干長
波長側に位置し、TEモードとTMモードで最も損失が
低くなるピーク波長のシフトは0.01nm以下となっ
ていた。波長シフトから複屈折値Bは1×10-5以下と
見積もれ、本発明の導波路構造にて導波路の複屈折をほ
ぼ解消できることがわかる。
【0038】[実施の形態3]本発明の第3の実施の形
態では、第1の実施の形態におけるコアの平均比屈折率
差を1.51%とし、コア形成にスパッタ装置を用い
た。
【0039】図4に示すコア23の比屈折率差が1.5
1%、寸法が4×4μm、多層構造による複屈折値Bが
−2.3×10-4となるように、導波路のモード解析を
行い、第1コア層23a及び第2コア層23bの比屈折
率Δ、層厚t、層数Nを 第1コア層23a Δ=1.91%、t=0.420μm、N=7 第2コア層23b Δ=0.37%、t=0.177μm、N=6 と設定した。
【0040】導波路の製造工程は、図5の(a)におい
て基板21としてシリコン基板を用い、基板21上に下
部クラッド22−1を火炎堆積法により形成した後、第
1コア層23a及び第2コア層23bを交互にスパッタ
により堆積した。第1コア層23aには、屈折率を高く
するためにGeO2をドープしている。(b)及び
(c)の工程は第1の実施の形態の場合と同じである。
【0041】第1の実施の形態と同様に、図2に示した
アレー導波路格子を作製し、損失スペクトルを測定し
た。損失スペクトルは、第1、第2の実施の形態の場合
と同様にTEモードとTMモードの損失スペクトルがほ
ぼ一致していた。TMモードに比べてTEモードの方が
若干長波長側に位置し、TEモードとTMモードで最も
損失が低くなるピーク波長のシフトは0.01nm以下
となっていた。波長シフトから複屈折値Bは1×10-5
以下と見積もれ、コアの平均比屈折率差に関係なく、本
発明の導波路構造にて導波路の複屈折をほぼ解消できる
ことがわかる。
【0042】[実施の形態4]本発明の第4の実施の形
態では、基板に石英基板を用い、コアを基板に垂直とな
る方向で多層構造となるようにした。石英基板上に図1
に示した従来の導波路を作製した場合、TEモードと比
較したTMモードの実効屈折率の値は、上記実施の形態
とは逆に小さくなっており、複屈折値Bが−2.1×1
-4となる負の値であった。また、図2に示したアレー
導波路格子を作製すると、損失スペクトルはTMモード
に比べてTEモードが長波長側にシフトした。それゆ
え、コアを基板に垂直となる方向に多層化した。
【0043】図7は本発明の光導波路の第4の実施の形
態を示すもので、基板31には石英基板を用い、クラッ
ド32及びコア33は石英系ガラスにより形成してい
る。ここで、コア33は、第1コア層33a及び第2コ
ア層33bをそれぞれ複数、基板31に対して垂直に交
互に積層した多層構造を備えている。
【0044】コア33の平均比屈折率差が0.75%、
寸法が6μm×6μm、多層構造による複屈折値Bが+
2×10-4となるように導波路のモード解析を行い、コ
ア33の第1コア層33a及び第2コア層33bの比屈
折率Δ、層厚t、層数Nを 第1コア層33a Δ=2%、t=0.75μm、N=3 第2コア層33b Δ=0%、t=1.88μm、N=2 と設定した。
【0045】図8は本実施の形態の光導波路の製造工程
を示すもので、以下、工程順に説明する。
【0046】(a)基板31として石英基板を用い、基
板31上に下部クラッド32−1用ガラス微粒子層及び
第1コア層303a用ガラス微粒子を火炎堆積法により
堆積し、電気炉にて透明ガラス化した。
【0047】(b)第1コア層303aの不要部分を反
応性イオンエッチング法により除去して、短冊状の第1
コア層33aを形成する。
【0048】(c)第1コア層33aを覆うように下部
クラッド32−1と同等の屈折率を有する上部クラッド
32−2を形成する。上部クラッド32−2の形成に
は、再度、火炎堆積法によりガラス微粒子層を堆積し、
電気炉で加熱した。上部クラッド32−2を形成するこ
とで短冊状の第1コア層33aが埋め込まれ、第2コア
層33bが形成され、コア33が多層構造となる。
【0049】この光導波路により、図2に示したアレー
導波路格子を作製し、損失スペクトルを測定した。TE
モードとTMモードの損失スペクトルはほぼ一致し、T
Mモードに比べてTEモードの方が若干長波長側に位置
し、TEモードとTMモードで最も損失が低くなるピー
ク波長のシフトは約0.05nmであった。それぞれの
モードのピーク波長での他のモードの損失増加は約0.
5dBであった。波長シフトから複屈折値Bは約5×1
-5と見積もれ、本発明の導波路構造にて導波路の複屈
折を小さくできることがわかる。
【0050】本実施の形態では、基板31として石英基
板を用いているので、図9に示すように、コア33を基
板31上に直接形成するようになしても同様な効果が得
られる。この場合、クラッド32’は前述した製造工程
における上部クラッド32−2のみから構成されること
になり、製造工程において下部クラッドを形成する必要
はない。
【0051】本発明では、コアの平均屈折率、寸法、多
層構造による複屈折値を、コアの各層の屈折率、厚さ、
層数により調整すれば良い。それゆえ、上述した実施の
形態のコアの平均屈折率、寸法、多層構造による複屈折
値、コアの各層の屈折率、厚さ、層数に限定されるもの
でない。
【0052】上記実施の形態では、導波路の複屈折の絶
対値が1〜5×10-5となるようにしたが、実施の形態
で用いたアレー導波路格子において、一方のモードで最
も損失が低くなるピーク波長での他方のモードの損失増
加を従来の1/10程度以下とすれば、複屈折の絶対値
を1×10-4以下となるようにすれば良い。
【0053】また、上記実施の形態では、火炎堆積、E
CR−CVD、スパッタによりコアを形成したが、作製
法に限定されるものではなく、他の石英ガラスによる多
層構造を形成できる手段、例えばプラズマCVD等によ
り形成しても導波路複屈折を低減・解消できる。また、
屈折率を調整するのにGeO2を用いたが、屈折率を所
望の値に設定できれば良いので、TiO2等、他のドー
パントを適用しても良い。さらに、導波路材料として石
英系ガラスを用いたが、屈折率の異なる層を多層化でき
れば良く、他のガラス系材料、高分子材料等にも適用で
きる。
【0054】また、上記実施の形態では、コアの多層構
造のみで、従来の構造で生じていた導波路複屈折を低減
しているが、従来の技術で述べたコアを覆うクラッドの
ドーパント材料・ドープ量を調整した導波路の複屈折の
低減方法と組み合わせることもできる。
【0055】また、上記実施の形態では、光回路として
アレー導波路格子を用いたが、Y分岐、方向性結合器、
MMI、マッハ・ツェンダ干渉計型光合分波器等、従来
の導波路構造にて形成できる全ての光回路に、本発明の
導波路構造を適用できることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導波路複屈折を解消あるいは小さくでき、光回路の偏波
依存性を解消あるいは小さくすることができる。また、
上述したように、本発明ではコアを多層構造とするのみ
で、従来の導波路の製造方法を適用することができるの
で、従来の他の偏波依存性の解消技術の課題であった製
造歩留まり、量産性、光学特性、信頼性を落とすことな
く光回路を作製でき、低価格、高性能、高信頼性の実用
的な光回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光導波路の構造を示す説明図
【図2】アレー導波路格子の構成図
【図3】従来の導波路構造で作製したアレー導波路格子
の損失スペクトルを示す図
【図4】本発明の光導波路の第1、第2及び第3の実施
の形態を示す説明図
【図5】本発明の光導波路の第1、第2及び第3の実施
の形態における製造工程を示す説明図
【図6】本発明の第1の実施の形態によるアレー導波路
格子の損失スペクトルを示す図
【図7】本発明の光導波路の第4の実施の形態を示す説
明図
【図8】本発明の光導波路の第4の実施の形態における
製造工程を示す説明図
【図9】本発明の光導波路の第4の実施の形態の変形例
を示す説明図
【符号の説明】
21,31:基板、22,32,32’:クラッド、2
3,33:コア、23a,33a:第1コア層、23
b,33b:第2コア層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井藤 幹隆 東京都千代田区大手町2丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 金子 明正 東京都千代田区大手町2丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 岡本 勝就 東京都千代田区大手町2丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小熊 学 東京都千代田区大手町2丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 LA18 QA02 QA04 TA00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にクラッド及びコアが形成されて
    なる光導波路において、 コアを、基板面におおよそ平行で、少なくとも3層以上
    から成り、隣接する層の屈折率が互いに異なる多層構造
    としたことを特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】 基板がシリコン基板であり、光導波路が
    石英系ガラスであることを特徴とする請求項1記載の光
    導波路。
  3. 【請求項3】 基板上にクラッド及びコアが形成されて
    なる光導波路において、 コアを、基板面におおよそ垂直で、少なくとも3層以上
    から成り、隣接する層の屈折率が互いに異なる多層構造
    としたことを特徴とする光導波路。
  4. 【請求項4】 基板が石英基板であり、光導波路が石英
    系ガラスであることを特徴とする請求項3記載の光導波
    路。
  5. 【請求項5】 屈折率が高い層と低い層とを交互に配置
    した多層構造としたことを特徴とする請求項1乃至4い
    ずれか記載の光導波路。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれか記載の光導波路
    により形成されたことを特徴とする光回路。
  7. 【請求項7】 光合分波器であることを特徴とする請求
    項6記載の光回路。
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