JP2001220366A - ヒドロキシエステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシエステルの製造方法

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JP2001220366A JP2000272224A JP2000272224A JP2001220366A JP 2001220366 A JP2001220366 A JP 2001220366A JP 2000272224 A JP2000272224 A JP 2000272224A JP 2000272224 A JP2000272224 A JP 2000272224A JP 2001220366 A JP2001220366 A JP 2001220366A
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Naoki Hirayama
直樹 平山
Katsuhiro Shibayama
勝弘 柴山
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ケトエステルを還元し、ヒドロキシエステルを
製造する。 【解決手段】式(1)、または、式(2) M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、R1
R2、およびR3はアリール基、または、アルキル基を表
し、R4およびR5は水素、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、アルキルカルボニル基、または、アリ
ールカルボニル基のいずれかを表し、Aはアルキル基、
または、アリール基で置換されたエチレン基を表し、n
とmは1または2を表し、Lは2座のホスフィン化合物を表
す。)で示される錯体を触媒としてケトエステルを還元
する際に50℃以上で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホスフィン、第VI
II族遷移金属、及び、含窒素化合物の3成分からなる錯
体を用いて、高温でケトエステル類を還元することを特
徴とするヒドロキシエステル類の製造法を提供する。ヒ
ドロキシエステル類は、医農薬中間体など、各種化学製
品の原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,
1'-ビナフチル(以降はBINAPと称する。)に代表される
2座ホスフィン化合物とルテニウムから構成され、窒素
化合物を含有しない錯体、もしくは、[Ru2Cl4(BINAP)2
・Et3N]に代表される、1当量のトリエチルアミンを含
有するルテニウム2量体からなる錯体(以後、旧錯体と
呼ぶ。)を用いて、β−ケトエステルを不斉還元してβ
−ヒドロキシエステルを製造する方法が知られている
(テトラへドロンレターズ、29、1555頁(1988)、特開平
1-211551、テトラヘドロン エーシンメトリー、5、675
(1994))。
【0003】上記錯体の発明者らは、更に改良を重ね、
BINAPに代表される光学活性なホスフィン、ルテニウ
ム、及び、光学活性なジアミン(3成分とも全て1当
量)の3成分からなる錯体を報告している。この錯体
(以後、新錯体と呼ぶ)は、旧錯体よりも還元性能を高
め、さらに水酸化カリウム等の塩基を3成分錯体ととも
に反応系中に共存させることにより、還元性能を更に高
めたと報告している(アメリカ化学会誌、117、2675頁
(1995)、有機合成化学協会誌、54、19頁(1996)、特開平
11-189600、特許第2935453号、特許第2731
377号)。さらに、分子内に不飽和二重結合を有する
ケトンを還元すると、旧錯体ではケトンと不飽和結合の
両方を還元した飽和アルコールを与えるが、新錯体では
ケトンのみを還元した(有機合成化学協会誌、54、26
頁、スキーム12(1996))。このように、新錯体と旧錯体
では、錯体構造が異なる異種化合物であるのみでなく、
還元能力にも差異を示す。
【0004】また、新錯体は旧錯体と比較して、錯体の
安定性も向上し、取扱い易くなっている。旧錯体では、
錯体の調製時と還元反応時に無水条件の作成を必要とし
た(オーガニックシンセシス、71、1頁(1993))が、
新錯体では厳密に水分を除去する必要がなく、耐湿製が
向上している。
【0005】新触媒は、還元性能の向上、二重結合を還
元しない還元能力の差異、及び錯体の安定化が確認され
たが、旧錯体よりも還元できるケトンの種類が限定され
る欠点がある。旧錯体では還元反応を進行させたβ−ケ
トエステルに対して、残念ながら、新錯体は無効であっ
たと記述がある(アメリカ化学会誌、117、2675(199
5))。
【0006】新錯体並の取扱いの容易さと安定性があ
り、かつ、触媒活性が高く低い水素圧でも収率よくケト
エステル類を還元できる触媒が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】安定性が高く低水素圧
でもケトエステルの水素添加還元を収率よく行うことが
できる触媒を見出し、ケトエステルを高収率で還元して
ヒドロキシエステルを得る方法を見出す。
【0008】
【課題を解決するための手段】安定な触媒による穏和な
条件下でのケトエステルの還元を目標にして、ケトンの
還元触媒を鋭意検討した。その結果、ホスフィン化合
物、ルテニウム、光学活性アミンの3成分からなる新錯
体は、文献に記載通り40℃ではβ−ケトエステルの還元
を全く進行させないが、50℃以上で反応させることに
より、ケトエステルを高収率で還元できることを見出し
た。
【0009】該錯体の発明者は、還元反応を常に室温付
近で行っていた。一般に高温で不斉反応を行うと、不斉
選択性が低下することが通説である。また、高温では、
原料ケトンが分解したり、錯体からの配位子の脱離等に
よる錯体の分解が低温よりも顕著であり、触媒活性が消
失する懸念もある。これらの理由から高温での還元反応
を試みなかったと推定している。
【0010】我々は、分解等の懸念を承知で敢えて高温
で、ホスフィンとアミン、または、アミドを配位子とす
る第VIII族遷移金属錯体を用いてケトエステルの還元を
試みた。その結果、ケトエステルの還元に成功し、上記
課題を解決することができた。次のとおりのヒドロキシ
エステルの製造条件を提供する。
【0011】すなわち、本発明は、式(1)、または、
式(2) M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R1
R2、およびR3はアリール基、または、アルキル基を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R4
よびR5は水素、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルカルボニル基、または、アリールカル
ボニル基のいずれかを表し、それぞれ同一であっても異
なっていてもよく、Aはアルキル基、または、アリール
基により置換されたエチレン基を表し、nとmは各々1ま
たは2を表し、Lは2座のリン化合物を表す。)で示され
る第VIII族遷移金属錯体を触媒としてケトエステルを還
元する際に50℃以上で反応させることを特徴とするヒ
ドロキシエステルの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、触媒として式
(1)、または式(2) M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R1
R2、およびR3はアリール基、または、アルキル基を表
し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R4
よびR5は水素、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルキルカルボニル基、または、アリールカル
ボニル基のいずれかを表し、それぞれ同一であっても異
なっていてもよく、Aはアルキル基、または、アリール
基で置換されたエチレン基を表し、nとmは各々1または2
を表し、Lは2座のリン化合物を表す。)で示される第V
III族遷移金属錯体を用いる。
【0013】ここで、好ましくは第VIII族遷移金属はル
テニウムであり、さらに好ましくは、錯体が式(5)、
または、式(6) Ru X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (5) Ru X Y L (NHR4-A-NHR5)m (6) (式中、XおよびYは水素原子、塩素原子、臭素原子、ま
たは、ヨウ素原子を表し、それぞれ同一であっても異な
っていてもよく、PR1R2R3はトリフェニルホスフィン、
または、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン
を表し、NHR4-A-NHR5は1,2-ジアミノシクロヘキサン、
1,2-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、1,2-ジアミノ-1,
2-ジ-t-ブチルエタン、1,1-(p-メトキシフェニル)-2-
イソプロピルエタン-1,2-ジアミン、2,2'-ジアミノ-1,
1'-ビナフチル、及び、これらのジアミンの少なくとも
1ヶ所がトリフルオロメタンスルホニル基、メタンスル
ホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル
基、アセチル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル
基により置換されたアミドを表し、Lは2,2'-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、1,2-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)ベンゼン、1,3-ビス(ジフェニル
ホスフィノ)プロパン、2,2'-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)-1,1'-ビフェニル、4,5-ビス(ジフェニルホスフ
ィノメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、2,3-ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-エタンジイル
ビス[(o−メトキシフェニル)フェニルホスフィ
ン]、ビス(2,5-ジエチルホスホラニル)ベンゼン、ま
たは、N-(t-ブトキシカルボニル)-2-(ジフェニルホス
フィノメチル)-4-ジフェニルホスフィノ-ピロリジンを
表し、nとmは各々1または2を表す。)で示されるルテニ
ウム錯体である。
【0014】本発明におけるアルキル基とは、炭素数が
1〜10の直鎖、または、分枝した炭化水素基を示し、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ基、アリール基、ま
たは、置換アミノ基が置換していてもよく、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基な
どが挙げられる。
【0015】アルコキシル基とは酸素原子に上記アルキ
ル基が結合した基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ
基などが挙げられる。アリール基とはフェニル基、ナフ
チル基、もしくは、ピリジル基を表し、アルキル基、ア
ルコキシル基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素、シアノ基、または、置換アミノ基により置換されて
いてもよく、例えば、フェニル基、4-(ジメチルアミ
ノ)フェニル基、3-フッ化ピリジル基などが挙げられ
る。
【0016】置換アミノ基とは、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アルキルカルボニル基、ア
リールカルボニル基、アルキル基により置換されたアミ
ノ基を示し、例えばN-アセチルアミノ基、N-トルエンス
ルホニルアミノ基等が例示される。
【0017】アルキルスルホニル基は、上記定義のアル
キル基がスルホニル基と結合したものを示し、例えば、
メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、トリフルオ
ロメタンスルホニル基等が挙げられる。
【0018】アリールスルホニル基とは、上記定義のア
リール基がスルホニル基と結合したものを示し、例え
ば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基など
が挙げられる。
【0019】アルキルカルボニル基とは、上記定義のア
ルキル基がカルボニル基と結合したものを示し、例え
ば、アセチル基、トリフルオロアセチル基などが挙げら
れる。アリールカルボニル基とは、上記定義のアリール
基がカルボニル基と結合したものを示し、例えば、ベン
ゾイル基、p-メトキシベンゾイル基などが挙げられる。
【0020】Mは第VIII族遷移金属であるが、ルテニウ
ム、ロジウム、白金、パラジウム、イリジウムが挙げら
れ、好ましくはルテニウムである。
【0021】PR1R2R3の具体例として、トリフェニルホ
スフィン、トリメチルホスフィン、トリ(ペンタフルオ
ロフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィ
ンジフェニルメチルホスフィン等が挙げられる。
【0022】NHR4-A-NHR5の具体例として、1,2-ジアミ
ノシクロヘキサン、1,2-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタ
ン、1,2-ジアミノ-1,2-ジ(t-ブチル)エタン、1,1-(p-
メトキシフェニル)-2-イソプロピルエタン-1,2-ジアミ
ン、2,2'-ジアミノ-1,1'-ビナフチル、N,N'-ビス(トリ
フルオロメタンスルホニル)-1、2-シクロヘキサンジア
ミド、N,N'-ビス(メタンスルホニル)-1、2-シクロヘキ
サンジアミド、N,N'-ビス(ベンゼンスルホニル)-1、2-
シクロヘキサンジアミド、N,N'-ビス(トルエンスルホ
ニル)-1、2-シクロヘキサンジアミド、N,N'-ビス(トリ
フルオロメタンスルホニル)-1,2-ジフェニルエタン-1、
2-ジアミド、N,N'-ビス(メタンスルホニル)-1,2-ジフ
ェニルエタン-1、2-ジアミド、N,N'-ビス(ベンゼンスル
ホニル)-1,2-ジフェニルエタン-1、2-ジアミド、N,N'-
ビス(トルエンスルホニル)-1,2-ジフェニルエタン-1、
2-ジアミド、N,N'-ビス(メタンスルホニル)-1,2-ジ
(t-ブチル)エタン-1、2-ジアミド、N,N'-ビス(ベンゼ
ンスルホニル)-1,2-ジ(t-ブチル)エタン-1、2-ジアミ
ド、N,N'-ビス(トルエンスルホニル)-1,2-ジ(t-ブチ
ル)エタン-1、2-ジアミド、N,N'-ビス(メタンスルホニ
ル)-1,1-(p-メトキシフェニル)-2-イソプロピルエタ
ン、N,N'-ビス(ベンゼンスルホニル)-1,1-(p-メトキ
シフェニル)-2-イソプロピルエタン-1,2-ジアミド、N,
N'-ビス(トルエンスルホニル)-1,1-(p-メトキシフェ
ニル)-2-イソプロピルエタン-1,2-ジアミド、N,N'-ビ
ス(メタンスルホニル)-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジアミ
ド 、N,N'-ビス(ベンゼンスルホニル)-1,1'-ビナフチ
ル-2,2'-ジアミド、N,N'-ビス(トルエンスルホニル)-
1,1'-ビナフチル-2,2'-ジアミド等が挙げられる。
【0023】Lは同一分子内に2つのホスフィンを有す
る物質であるが、その具体例として、2,2'-ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、1,2-ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)ベンゼン、1,3-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)プロパン、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)-1,1'-ビフェニル、4,5-ビス(ジフェニルホスフィ
ノメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、2,3-ビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-エタンジイルビ
ス[(o−メトキシフェニル)フェニルホスフィン]、
ビス(2,5-ジエチルホスホラニル)ベンゼン、または、
N-(t-ブトキシカルボニル)-2-(ジフェニルホスフィノ
メチル)-4-ジフェニルホスフィノ-ピロリジン等が挙げ
られる。これらの化合物の構造は、化学総説19巻「金属
反応剤を用いる不斉化学合成」(学会出版センター刊、
1993年)、または、J.D.Morrison著「Asymmetric synth
esis」Academic Press,5(1985)などに記載がある。
【0024】そしてまた、本発明は、式(1)、式
(2)、式(5)、または、式(6)で示される以上の
第VIII族遷移金属錯体において、ホスフィン化合物、ア
ミン化合物、または、アミド化合物の少なくともひとつ
が光学活性である、ルテニウム錯体を用いることもでき
る。
【0025】さらに、以上の第VIII族遷移金属錯体は、
錯体の調製後にそのまま溶液として用いることもできる
し、及び、調製した錯体溶液を減圧下に溶媒を留去する
などして、錯体を単離して使用するすることもできる
し、単離した錯体が固体ならば、洗浄、再結晶などの精
製を行って用いることもできる。
【0026】本発明において、原料であるケトエステル
とは主に脂肪族炭素鎖にカルボニル基とエステル基を有
する化合物を示し、好ましくは、式(3)
【0027】
【化3】
【0028】(式中、R6、R7、R8、及び、R9は水素、ア
ルキル基、アルコキシル基、シアノ基、アリール基、臭
素、塩素、フッ素、置換アミノ基を表し、R10はアルキ
ル基を表す。)で示されるβ−ケトエステル、または、
式(4)
【0029】
【化4】
【0030】(式中、R6、R7、R8、R9、及び、R10は、
上記定義と同一である。)で示されるγ−ケトエステル
である。具体例として、β−ケトエステルでは4-クロロ
-3-ケトブタン酸エチルエステル、3-ケトペンタン酸メ
チルエステル、テトロン酸、ベンゾイル酢酸エチル、シ
クロペンタノン-2-カルボン酸エチルエステル、シクロ
ヘキサノン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(N-アセ
チルアミノ)-3-ケトブタン酸プロピルエステル、2-ク
ロロベンゾイル酢酸エチル、α−アシルアミノメチルア
セト酢酸 エチルエステルなどが挙げられる。γーケト
エステルの具体例としては、4-ケトヘプンタン酸メチル
エステル、シクロペンタノン-3-カルボン酸エチルエス
テル、ベンゾイル酪酸エチルエステルなどが挙げられ
る。γーケトエステルは、還元反応の進行と同時にラク
トン環化する場合もあるが本発明はこの場合も含有す
る。
【0031】式(3)、式(4)、または、それらの還
元体であるヒドロキシエステルが不斉炭素を有する場
合、ラセミ、メソ体、光学活性体が存在するが、本発明
はこれら全てを包含する。
【0032】本発明は、50℃以上の高温で反応させる
ことが重要である。50℃以上の高温で反応することに
より、従来は反応が進行しないと考えられていたケトエ
ステル類の還元反応も収率よく進行させることができ
た。より好ましくは100℃を超える温度であり250
℃以下の反応温度が良い。
【0033】反応に用いる溶媒は反応に支障をきたさな
ければ特に限定されないが、例えばメタノール、エタノ
ール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトニト
リル、DMF、DMSOなどのヘテロ元素含有溶媒、もしく
は、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒などが挙
げられる。溶媒の量は特に限定されない。
【0034】式(1)、または、式(2)で示される錯
体の使用量は特に限定されないが、例えば、式(3)、
または、式(4)で示されるケトエステルに対して、1/
100から1/5,000,000当量の使用量が好ましい。
【0035】還元反応時の水素圧は1〜200気圧が好まし
く、より好ましくは2〜20気圧がよい。
【0036】反応時間は5分から36時間が好ましいが、
さらに長時間になっても構わない。
【0037】反応時の攪拌は激しく行うことが好まし
い。
【0038】本発明では塩基を共存させることが望まし
いが、用いる塩基としてはアルカリ金属、または、アル
カリ土類金属などの塩基が好ましく、具体例としては水
酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、カリウ
ム t-ブトキシド、ナトリウムメトキシドなどが挙げら
れる。塩基の添加量は式(1)、または、式(2)で示
される錯体に対して0.5〜500当量が好ましい。
【0039】本発明の還元反応は、バッチ式、連続式い
ずれでも実施できる。
【0040】
【実施例】以下、詳細は実施例で説明する。 参考例(ルテニウム錯体の製造) 以下の4種の錯体を合成し、固体状で錯体を得た。 (イ)(PPh3)2RuCl2(S,S)-DACH、(ロ)(PPh3)2RuCl2
(S,S)-Bis-Tf-DACH 、(ハ)(s)-BINAP RuCl2(S,S)-DAC
H 、(ニ)(s)-BINAP RuCl2(S,S)-Bis-Tf-DACH であ
る。(S,S)-Bis-Tf-DACHとは、N,N'-ビス(トリフルオロ
メタンスルホニル)-1、2-シクロヘキサンジアミドであ
る。製造は、オーガニックシンセシス、71、1頁(199
3)、あるいは、「新しい金属錯体を用いた最近の水素
化反応講演要旨集」;触媒学会有機金属研究会発行;平
成10年5月29日刊、もしくは、アメリカ化学会誌(J.Am.
Chem.Soc.)117,2675-2676(1995)などに記載されている
方法を参考にした。(イ)、または(ロ)の錯体の製造
は、トリス(トリフェニルホスフィノ)ルテニウム塩化
物とジアミン、もしくは、ジアミドを有機溶媒中で混合
し調製した。N,N-ジメチルホルムアミド中で25℃で1時
間攪拌して調製した。(ハ)、または(ニ)の錯体は、
ベンゼンルテニウム塩化物2量体と2座リン化合物をN,
N-ジメチルホルムアミド等の溶媒中で100℃で1時間攪拌
し、その後、ジアミン、もしくは、ジアミドを25℃で1
時間攪拌して調製した。(イ)〜(ニ)の錯体のDMF溶
液を減圧下に濃縮すると、粘性固体が得られた。アルゴ
ン雰囲気下で、得られた固体にシクロヘキサンとトルエ
ンを添加し、析出した固体をろ過して、シクロヘキサン
により洗浄し、減圧下に乾燥する方法により、固体とし
て(イ)〜(ニ)の錯体を得た。
【0041】31P-NMR(CDCl3)を用いて、(イ)〜(ニ)
の錯体の構造を解析した。NMR分析の標準物質としてト
リフェニルホスフィンを用いた。
【0042】
【表1】
【0043】(PPh3)2RuCl2(S,S)-DACHの40ppmはcis-pho
sphine-trans-Cl錯体と推定し、55ppmは、cis-phosphin
e-cis-Cl錯体と推定した。(イ)錯体は両構造の混合物
であることが解った。(ロ)(PPh3)2RuCl2 (S,S)-Bis-T
f-DACHでは、40ppmのみ観測され、cis-phosphine-trans
-Cl錯体のみが合成出来たと推定している。(ハ)(s)-B
INAP RuCl2(S,S)-DACHでは、44ppmのみ観測され、cis-p
hosphine-trans-Cl錯体のみが合成出来たと推定してい
る。(ニ)(s)-BINAP RuCl2(S,S)-Bis-Tf-DACHでは、40
ppmと50ppmが2 peaksずつの合計4ヒ゜ークが観測された。c
is-phosphine-trans-Cl錯体とcis-phosphine-cis-Cl錯
体の混合物と推定している。各々の構造の中でトリフル
オロメタンスルホニル基の配向の異なる異性体が形成さ
れたために、更にヒ゜ークが分裂したと推定している。
【0044】比較例1(従来の技術記載の新錯体) (ハ)錯体の製造法と同様にして、(S)-2,2'-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(BINAP、東京化
成製)、(S,S)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン(環境
科学センター製,(S,S)-DPEN)、及び、ベンゼン塩化物
ルテニウム2量体(アルドリッチ社製)を用いて、RuCl
2[(S)-BINAP][(S,S)-DPEN]を調製した。20mgの上記錯体
と3.80gの4-クロロ-3-ケトブタン酸 エチルエステル
(東京化成製)、14mgの水酸化カリウム(和光純薬
製)、及び、30mlのエタノール(東京化成製)をオート
クレーブ中に添加し、10気圧の水素雰囲気下、40℃で4
時間攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィーにより
分析すると、原料である4-クロロ-3-ケトブタン酸 エ
チルエステルのみが観察され、還元体である4-クロロ-3
-ヒドロキシブタン酸 エチルエステルは、全く生成し
ていなかった。
【0045】反応収率測定条件 GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;CBP-20,50m×0.25mm,0.4μm(SHIMADZU),カラム
圧;1.5kgf/cm2 温度条件;120℃→0.5℃/min→140℃(20min) 4-クロロ-3-ケトブタン酸 エチルエステル:19分 4-クロロ-3-ヒドロキシブタン酸 エチルエステル:2
7分 比較例2 比較例1と同一の還元反応を、RuCl2[(S)-BINAP][(S,S)
-DACH]錯体(参考例(ロ)錯体)で4-クロロ-3-ケトブ
タン酸 メチルエステルを基質にメタノール溶媒中、水
酸化カリウム存在下、10気圧の水素雰囲気下、40℃で4
時間攪拌したが、還元反応は進行しなかった。(S,S)-DA
CHとは、(S,S)-1,2-ジアミノシクロヘキサンであり、以
降、(S,S)-DACHと称して記述する。
【0046】比較例3 比較例2の錯体を用いてシクロペンタノン-2-カルボン
酸 エチルエステルに対して、エタノール溶媒中、水酸
化カリウム存在下、10気圧の水素雰囲気下、40℃で4時
間攪拌する反応条件下に還元反応を試みたが、還元反応
は進行しなかった。
【0047】実施例1 乾燥した300mlオートクレーブに参考例の(イ)錯体(D
MF溶液:錯体のモル比はケトエステルに対して1/500
倍)、3.66gの4-クロロ-3-ケトブタン酸 メチルエステ
ル、40mgの水酸化カリウム、40mlの脱水メタノール(片
山化学製)をアルゴン雰囲気下に添加した。10気圧の水
素雰囲気下、110℃で4時間攪拌した後に、反応液を冷却
し、GCにより反応液を分析すると、4-クロロ-3-ケト
ブタン酸 メチルエステルが全て消費されて、4-クロロ
-3-ヒドロキシブタン酸 メチルエステルの生成が確認
された(反応収率>99%)。反応液から4-クロロ-3-ヒド
ロキシブタン酸 メチルエステルをシリカゲルクロマト
グラフィーにより単離し、これを20mlのクロロホルム
(東京化成製)に溶解させて、室温下に2mlのトリエチ
ルアミン(東京化成製)と2mlの無水酢酸(東京化成
製)を滴下した。4時間攪拌後、反応液を水に添加し
て、クロロホルムにより抽出した。有機層を硫酸ナトリ
ウムにより乾燥後、濃縮して、4-クロロ-3-アセトキシ
ブタン酸 メチルエステルを得た。以下の分析条件を用
いて4-クロロ-3-アセトキシブタン酸 メチルエステル
の光学純度を測定した(16%ee)。
【0048】光学純度の分析条件 GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;Chiradex-BTA,40m×0.25mm,0.4μm,カラム圧;
1.5kgf/cm2 温度条件;120℃ (R)-4-クロロ-3-アセトキシブタン酸 メチルエステ
ル:37分 (S)-4-クロロ-3-アセトキシブタン酸 メチルエステ
ル:42分 生成物のGC保持時間の確認のため、別途水素化ホウ素
ナトリウムを用いてケトエステルを還元してヒドロキシ
エステルを合成した。
【0049】実施例2 参考例の(ロ)錯体(DMF溶液:錯体のモル比はケトエス
テルに対して1/500倍)を用いて、実施例1と同一の反
応条件で4-クロロ-3-ケトブタン酸 メチルエステルの
還元反応を行った。反応収率と不斉収率の測定は実施例
1に準じた。
【0050】反応収率:>99% 不斉収率:ラセミ体 実施例3 参考例に記載した(ハ)錯体(DMF溶液:錯体のモル比は
ケトエステルに対して1/500倍)により、実施例1と同
一の反応条件下に4-クロロ-3-ケトブタン酸 メチルエ
ステルの還元反応を行った。
【0051】反応収率:97% 不斉収率:94%ee 実施例4 参考例に記載した(ニ)錯体(単離固体)を用いて実施
例1と同一の反応を行った。乾燥した300mlオートクレ
ーブに、5mgの(ニ)錯体の固体、3.66gの4-クロロ-3-
ケトブタン酸 エチルエステル、40mgの水酸化カリウ
ム、40mlのエタノール(片山化学製)をアルゴン雰囲気
下に添加した。10気圧の水素雰囲気下、110℃で4時間攪
拌し、実施例1、比較例1と同様にして、反応収率と不
斉収率を算出した。
【0052】反応収率:>99% 不斉収率:63%ee 実施例5 実施例1と同様にして、4-クロロ-3-ケトブタン酸 メ
チルエステルの代わりにシクロペンタノン 2-カルボン
酸エチル(東京化成製)を用い、メタノールの代わりに
エタノールを用いて、(ロ)錯体を用いて還元反応を行
った。10気圧の水素雰囲気下に100℃で4時間攪拌した。
反応液をガスクロマトグラフィーにより分析すると、原
料がほぼ消費され、1-シクロペンタノール 2-カルボン
酸エチルの生成が確認された。反応収率は99%以上であ
り、ジアステレオ比は>99.9対<0.1(トランス:シス、9
9.8%de、GC分析)であった。
【0053】反応収率とジアステレオ比の測定条件を以
下に記載した。
【0054】GC(ガスクロマトグラフィー): カラム;CBP-20,50m×0.25mm,0.4μm(SHIMADZU),カラム
圧:1.5kgf/cm2 温度条件;120℃→0.5℃/min→140℃(20min) シクロペンタノン 2-カルボン酸エチル;15.6min、 cis-1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル;14.6m
in、 trans-1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル;22.
1min 分析結果;シクロペンタノン 2-カルボン酸エチル(原
料): cis-1-シクロペンタノール 2-カルボン酸エチル: trans-1-シクロペンタノール2-カルボン酸エチル=0.2
(原料):0.1以下(シス):99.8(トランス) 日本化学会誌(Bull.Chem.Soc.Jpn.)68,36-55(1995)に
記載された方法に準じて、不斉収率を測定し、不斉収率
は9%eeであった。生成物のGC保持時間確認のため、別
途水素化ホウ素ナトリウムを用いてケトエステルを還元
し、ラセミのヒドロキシエステルを合成した。
【0055】実施例8 実施例5と同様にして、シクロペンタノン 2-カルボン
酸エチルの代わりにフェニル酢酸エチルを用いて、
(ヘ)錯体を用いる反応を行った。反応収率と光学純度
の算出条件は実施例1に記載の条件と同一である。生成
物のGC保持時間確認のため、別途水素化ホウ素ナトリ
ウムを用いて還元したヒドロキシエステルを合成し、G
C確認に用いた。
【0056】反応収率:>99% 実施例9 50mgのRuCl2[(S)-BINAP][(S,S)-DPEN](関東化学製)、
1.00gの4-オキソ-2-メチルペンタン酸 エチルエステル
(東京化成製の4-オキソ-2-メチルペンタン酸をエタノ
ールによりエチルエステル化して合成)、10mgの水酸化
カリウム(和光純薬製)、20mlのエタノールを乾燥した
オートクレーブ中にアルゴン雰囲気下に添加した。15気
圧の水素雰囲気下、140℃で7.5時間攪拌した。反応液を
ガスクロマトグラフィーにより分析すると、面積比で原
料ケトンが33%残存し,4-ヒドロキシ-2-メチルペンタン
酸 エチルエステルの生成が確認された(67%GC面積比
収率)。その他の物質は溶媒以外検出されなかった。G
C分析条件は実施例1と同一である。4-ヒドロキシ-2-
メチルペンタン酸 エチルエステルのジアステレオ比
は、1.5:1(シン、アンチの特定は未確認)であった。
生成物のGC保持時間確認のため、別途4-オキソ-2-メ
チルペンタン酸 エチルエステルを水素化ホウ素ナトリ
ウムを用いてラセミ体の4-ヒドロキシ-2-メチルペンタ
ン酸 エチルエステルを合成し、GC確認に用いた。
【0057】GC保持時間 原料ケトン:11.2分、アルコール:11.8分、12.1分(高
さ比;1.5:1) 実施例10 実施例1と同様にして4-クロロ-3-ケトブタン酸 メチ
ルエステルの代わりにアセト酢酸メチルエステルを用い
て還元反応を行った。10気圧の水素雰囲気下、100℃で4
時間攪拌した後に、反応液を冷却し、GCにより反応液
を分析すると、4-クロロ-3-ケトブタン酸 メチルエス
テルのピークがほぼなくなり、新たに4-ヒドロキシブタ
ン酸 メチルエステルの生成が確認された。分析条件は
実施例1と同一である。
【0058】4-ヒドロキシブタン酸 メチルエステルの
GCでの肘時間確認のため、アセト酢酸メチルエステル
をメタノール溶液中で水素化ホウ素ナトリウムを用いて
還元し、4-ヒドロキシブタン酸 メチルエステルを合成
した。
【0059】
【発明の効果】本発明により、従来ではホスフィンとア
ミンを配位子とする第VIII族遷移金属錯体では還元反応
が進行しないとされたケトエステルに対しても、高温で
反応することにより、低水素圧下でも還元反応を進行さ
せることができた。取り扱い易く、安定性の高い上記錯
体を用いながら、一般設備で対応できる低水素圧下の還
元反応条件下に収率よくヒドロキシエステルを製造する
ことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BB05A BB05B BC01A BC03B BC08A BC65A BC69A BC70A BC70B BD01A BD12A BD12B BD13A BD14A BE06A BE14A BE14B BE22A BE22B BE26A BE26B BE33A BE34B BE36A BE36B BE37A BE37B CB02 DA02 FA01 4H006 AA02 AC41 BA02 BA06 BA18 BA23 BA46 BA48 BC10 BE20 BJ20 BN10 BN20 KA31 4H039 CA62 CB20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)、または、式(2) M X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (1) M X Y L (NHR4-A-NHR5)m (2) (式中、Mは第VIII族遷移金属を表し、XおよびYは水素
    原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子を表
    し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R1
    R2、およびR3はアリール基、または、アルキル基を表
    し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、R4
    よびR5は水素、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
    ニル基、アルキルカルボニル基、または、アリールカル
    ボニル基 のいずれかを表し、それぞれ同一であっても
    異なっていてもよく、Aはアルキル基、または、アリー
    ル基で置換されたエチレン基を表し、nとmは各々1また
    は2を表し、Lは2座のホスフィン化合物を表す。)で示
    される第VIII族遷移金属錯体を触媒としてケトエステル
    を還元する際に、50℃以上で反応させることを特徴と
    するヒドロキシエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】100℃を越えて250℃以下の温度で反
    応させることを特徴とする、請求項1に記載のヒドロキ
    シエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】式(1)、または、式(2)において、M
    がルテニウムである請求項1または2に記載のヒドロキ
    シエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】ケトエステルが式(3) 【化1】 (式中、R6、R7、R8、及び、R9は水素、アルキル基、ア
    ルコキシル基、シアノ基、アリール基、ヨウ素、臭素、
    塩素、フッ素、置換アミノ基を表し、R10はアルキル基
    を表す。)で示されるβ−ケトエステル、または、式
    (4) 【化2】 (式中、R6、R7、R8、及び、R9は水素、アルキル基、ア
    ルコキシル基、シアノ基、アリール基、ヨウ素、臭素、
    塩素、フッ素、置換アミノ基を表し、R10はアルキル基
    を表す。)で示されるγ−ケトエステルであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のヒドロキシ
    エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】錯体が式(5)、または、式(6) Ru X Y (PR1R2R3)n(NHR4-A-NHR5)m (5) Ru X Y L (NHR4-A-NHR5)m (6) (式中、XおよびYは水素原子、塩素原子、または、臭素
    原子を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
    く、PR1R2R3はトリフェニルホスフィン、もしくは、ト
    リス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンであり、NH
    R4-A-NHR5は1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミ
    ノ-1,2-ジフェニルエタン、1,2-ジアミノ-1,2-ジ-t-ブ
    チルエタン、1,1-(p-メトキシフェニル)-2-イソプロピ
    ルエタン-1,2-ジアミン、2,2'-ジアミノ-1,1'-ビナフチ
    ル、及び、これらのジアミンの少なくとも1ヶ所がトリ
    フルオロメタンスルホニル基、メタンスルホニル基、ベ
    ンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、アセチル
    基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基により置換
    されたアミドであり、Lは2,2'-ビス(ジフェニルホス
    フィノ)-1,1'-ビナフチル、1,3-ビス(ジフェニルホス
    フィノ)プロパン、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィ
    ノ)-1,1'-ビフェニル、4,5-ビス(ジフェニルホスフィ
    ノメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、2,3-ビス
    (ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-エタンジイルビ
    ス[(o−メトキシフェニル)フェニルホスフィン]、
    ビス(2,5-ジエチルホスホラニル)ベンゼン、または、
    N-(t-ブトキシカルボニル)-2-(ジフェニルホスフィノ
    メチル)-4-ジフェニルホスフィノ-ピロリジンであり、
    nとmは各々1または2を表す。)であることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか1項記載のヒドロキシエス
    テルの製造方法。
  6. 【請求項6】塩基を共存させることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項記載のヒドロキシエステルの製造
    方法。
  7. 【請求項7】塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類金
    属である請求項6記載のヒドロキシエステルの製造方
    法。
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