JP2001215229A - 糖化蛋白質測定試薬 - Google Patents

糖化蛋白質測定試薬

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JP2001215229A JP2000024916A JP2000024916A JP2001215229A JP 2001215229 A JP2001215229 A JP 2001215229A JP 2000024916 A JP2000024916 A JP 2000024916A JP 2000024916 A JP2000024916 A JP 2000024916A JP 2001215229 A JP2001215229 A JP 2001215229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全血、血清、血漿、尿等の生体試料中に存在
する特定の糖化蛋白質の測定方法及びこれらの方法に用
いられる測定用試薬を提供することを目的とする。 【解決手段】 生体由来試料中の特定の糖化蛋白質の測
定に際し、当該特定の糖化蛋白質以外の糖化蛋白質がプ
ロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する物質を共存
させることにより、生体試料中の特定の糖化蛋白質を特
異的に測定する方法、及びこれらに用いられる測定用試
薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は全血、血清、血漿、尿等
の生体試料中に存在する特定の糖化蛋白質の測定法に関
する。
【0002】
【発明の背景】糖化蛋白質とは、蛋白質がグルコースと
非酵素的に結合したものであり、全血、血清、血漿、尿
等の生体試料中には、例えば、アルブミンとグルコース
が結合した糖化アルブミン(以下GAと略記する)、グロ
ブリンとグルコースが結合した糖化グロブリン、リポ蛋
白質とグルコースが結合した糖化高比重リポタンパク
(以下、糖化HDLと略記する)、糖化低比重リポ蛋白
(以下、糖化LDLと略記する)、ヘモグロビンとグル
コースが結合した糖化ヘモグロビン、トランスフェリン
とグルコースが結合した糖化トランスフェリン等が存在
する。また、これらのうち血清中に存在するものを総称
してフルクトサミンという場合もある。
【0003】糖化蛋白質は、その量が先行期間の血糖値
を反映するため、糖尿病のマーカーとして有用とされて
おり、現在臨床検査の分野でも、糖化ヘモグロビン、G
A、フルクトサミン等の測定が行われている。中でも、G
Aは、血漿蛋白質であるアルブミンが糖化したものであ
り、血球蛋白質であるヘモグロビンが糖化した糖化ヘモ
グロビンとは異なり他の生化学的検査項目と同時に測定
可能であり、また、糖化蛋白質中の濃度が高く、種々の
血清糖化蛋白質の混合物であるフルクトサミンと比較し
蛋白質部分の構造が明らかになっているため、糖尿病マ
ーカーとして好ましいものの一つとなっている。
【0004】また、どの時期の血糖値の指標となるか
は、それぞれの蛋白質部分の半減期により異なり、GAは
糖化ヘモグロビンより半減期が短いため、短期間の血糖
値の指標としてその測定は有用であるといえる。
【0005】従来、糖化蛋白質の測定法としては、チオ
バルビツール酸法、フロシン法、アフィニティクロマト
グラフィ−法、RIA法、ELISA法等様々な方法が報告され
ているが、測定手技の繁雑さ、測定精度の面で臨床検査
法としては普及していない。
【0006】近年、上記した如き問題点を解消するため
に、プロテアーゼ及びフルクトシルアミノ酸オキシダー
ゼ等を用いる糖化蛋白質測定法、いわゆる酵素的測定法
が開発されている(例えば特開平2-195899号公報、特開
平2-195900号公報、特開平 5-192193号公報、特開平6-4
6846号公報、特開平7-289253号公報、特開平8-154672号
公報、特開平8-336386号公報などに記載の方法)。しか
しながら、糖化蛋白質の糖化部位はN末端アミノ基又は
リジン残基のεアミノ基にあり、フルクトシルアミノ酸
オキシダーゼ等は当該部位の認識はできるが糖化蛋白質
を識別することが出来ないため、酵素的測定法を用いて
も、アルブミン、グロブリン、トランスフェリン、リポ
蛋白質等の各種血清蛋白質由来の糖化蛋白質が共存する
試料中において特定の糖化蛋白質を特異的に測定するこ
とができない等の問題がある。
【0007】また、上記酵素法以外に用いられている一
般的な方法として、高速液体クロマトグラフィー法があ
るが、この方法は、糖化蛋白質測定用の専用機を用いな
ければならず、また、測定に時間がかかる等の問題があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した如き状況に鑑
み、本発明が解決しようとする課題は、生体試料中の特
定の糖化蛋白質を特異的に測定する事を可能とする方法
の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、「生体由来試料を、当
該試料中の特定の糖化蛋白質以外の糖化蛋白質がプロテ
アーゼとの反応に関与するのを阻害する物質(以下、特
定阻害物質と略記する)の存在下、プロテアーゼと接触
させ、生成した糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプチドの
量に基づいて特定の糖化蛋白質量を測定することを特徴
とする、生体由来試料中の特定の糖化蛋白質の測定方
法。」、及び「特定阻害物質とプロテアーゼとを含んで
なる、特定の糖化蛋白質測定用試薬。」に関する。
【0010】即ち、本発明者らは、生体試料中の特定の
糖化蛋白質を特異的に測定する事を可能とする方法を見
出すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の酵素的測定法に
特定阻害物質を添加することにより、特定の糖化蛋白質
のみをプロテアーゼと反応させ、生成した糖化アミノ酸
又は/及び糖化ペプチドの量を測定することにより特定
の糖化蛋白質量の測定が可能となることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】本発明の測定方法は、全血、血清、血漿、
尿等に含まれる糖化蛋白質の何れにも適用することがで
き、具体的には例えばGA、糖化グロブリン、糖化トラン
スフェリン、糖化HDL、糖化LDL、糖化アンチトリ
プシン等の測定、中でも血漿、血清中に多量に含まれる
GAや糖化グロブリン、就中、GAの測定に有利に適用する
ことが出来る。
【0012】本発明に於いて用いられる特定阻害物質と
しては、例えば特定の糖化蛋白質以外の糖化蛋白質に対
する抗体、水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0013】特定阻害物質としての特定の糖化蛋白質以
外の糖化蛋白質に対する抗体としては、糖化蛋白質の糖
鎖部分に結合する抗体でも蛋白質部分に結合する抗体で
も、或いは糖鎖と蛋白質との結合部分に結合する抗体の
何れでもよく、中でも抗全血清抗体から特定の糖化蛋白
質に対する抗体を除いたものが好ましいが、血清中の含
量が比較的多い糖化蛋白質に対する抗体、例えば、抗ア
ルブミン抗体、抗グロブリン抗体、抗高比重リポ蛋白抗
体、抗低比重リポ蛋白抗体、抗トランスフェリン抗体、
抗アンチトリプシン抗体の中から目的に応じて適宜選択
して用いることもでき、これら抗体は単独でも、適宜組
み合わせて用いてもよい。例えば、特定の糖化蛋白質が
GAの場合、特定阻害物質としての抗体としては、抗アル
ブミン抗体を除いた抗全血清抗体を用いることが好まし
いが、抗グロブリン抗体、抗高比重リポ蛋白抗体、抗低
比重リポ蛋白抗体、抗トランスフェリン抗体、抗アンチ
トリプシン抗体等の中から選択したもの、例えば、これ
ら抗体の混合物や抗グロブリン抗体を単独で用いてもよ
い。
【0014】その濃度は、特定阻害物質と反応する糖化
蛋白質がプロテアーゼと反応しなくなる濃度であればよ
いが、例えば、測定時の反応液中の濃度が、通常0.01〜
10mgAb/ml、好ましくは0.01〜1mgAb/mlとなるように
使用される。また、特定阻害物質を添加する時期として
は、プロテアーゼ反応と同時又はそれ以前が好ましい。
これら抗体は、通常この分野で使用されているものであ
ればポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の区別な
く全て使用可能であり、市販品でも、自体公知の調製方
法(例えば、エンザイムイムノアッセイ、石川栄治著,
1989,東京化学同人等に記載の方法)に準じて、調
製されたものでもよい。また、必要に応じて、硫安分
画、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の方
法により精製したものを用いてもよい。
【0015】特定阻害物質としての水溶性ポリマーとし
ては、例えばポリエチレングリコール,ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール、ポリビニル
ピロリドン,ポリビニルアルコール等の合成高分子化合
物、並びに例えばデキストラン,デキストラン硫酸又は
その塩,コンドロイチン硫酸又はその塩等の多糖類が挙
げられるが、中でもポリエチレングリコール、デキスト
ラン等が好ましい。また、その使用濃度は、特定の糖化
蛋白質の種類により異なるが、測定時の反応液中の濃度
として、通常5〜40%、好ましくは5〜20%であ
る。また、これらは、自体公知の方法に従い調製したも
のを用いても、市販品を用いてもよい。
【0016】本発明に於いて用いられるプロテアーゼと
しては、糖化蛋白質から、過酸化水素を生成させる性質
を有する酵素(以下、過酸化水素生成酵素と略記する)
の基質となり得る糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプチド
を遊離させるものであれば特に限定されないが、通常こ
の分野で使用されているもの、例えば、トリプシン、リ
シルエンドペプチダーゼ、プロテイナーゼA、ズブチリ
シン、ヒトカテプシン、プロテアーゼP、プロテアーゼ
N、プロナーゼ、プロナーゼE、プロテイナーゼK、プ
ロレザー、パパイン、プロテアーゼA、プロメラインF
等は全て使用可能であり、中でも、プロナーゼ、プロテ
イナーゼK等が好ましい。また、これらは適宜組み合わ
せて用いてもよい。
【0017】これらの使用量としては、特に制約はされ
ないが、例えば、反応液中の濃度として、通常0.1〜100
mg/ml、好ましくは0.1〜10mg/mlである。
【0018】本発明の生体由来試料中の特定の糖化蛋白
質の測定法は、例えば以下の如く実施される。即ち、生
体由来試料を、特定阻害物質の存在下、プロテアーゼと
反応させ、糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプチドを生成
させる。その糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプチドの量
に基づいて特定の糖化蛋白質量を測定する。より具体的
には、例えば以下の如く実施すればよい。
【0019】生体由来試料を、特定阻害物質の存在下、
プロテアーゼと反応させ、糖化アミノ酸又は/及び糖化
ペプチドを生成させる。次いで、生成した糖化アミノ酸
又は/及び糖化ペプチドと過酸化水素生成酵素とを反応
させて過酸化水素を生成させ、生成した過酸化水素にペ
ルオキシダーゼ(以下、PODと略記する)と被酸化性
呈色試薬(例えばカップラーとデベロッパーとの組合
せ、酸化によってそれ自体が発色する発色剤等)を作用
させて色素を生成させ、生成した色素量を吸光度として
測定し、得られた吸光度に基づいて生体由来試料中の特
定の糖化蛋白質量を算出する。尚、被酸化性呈色試薬に
より色素を生成させ生体由来試料中の特定の糖化蛋白質
量を算出する代わりに、公知の電極法により、POD反
応の結果生成する過酸化水素量又は減少する酸素量を測
定し、その結果に基づいて生体由来試料中の特定の糖化
蛋白質量を算出しても良い。
【0020】本発明に於いて用いられる過酸化水素生成
酵素としては、通常この分野で使用されているものは全
て使用可能であるが、具体的には、フルクトシルアミノ
酸オキシダーゼ等があげられ、フルクトシルアミノ酸オ
キシダーゼとしては、例えば、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium)属(特公平5-33997号公報、特公平6-65
300号公報)、アスペルギルス(Aspergills)属(特願
平9-520371号再公表特許公報)、フサリウム属(特開平
7-289253号公報)、カンジダ属(特開平6-46846号公
報)等の微生物に由来するもの等が挙げられる。
【0021】また、その濃度は、試液中の濃度として、
通常10〜50U/L、好ましくは10〜50U/Lであり、反応液中
の濃度として、通常0.25〜200 U/L、好ましくは2.5〜20
U/Lである。
【0022】本発明に於いて用いられるPODとして
は、例えば、西洋ワサビ、大根等の植物に由来するも
の、カビ、酵母等の微生物に由来するもの、動物の白血
球、甲状腺等に由来するもの等が挙げられる。PODの
使用量としては、例えば試液中の濃度として、通常0.1
〜1000u/ml、好ましくは0.25〜400u/ml、より好まし
くは0.5〜200u/mlであり、また、最終反応液中の濃度
として、通常0.1〜250u/ml、好ましくは0.25〜100u/m
l、より好ましくは0.5〜50u/mlである。
【0023】本発明に於いて用いられる被酸化性呈色試
薬としては、PODの存在下、過酸化水素と反応して呈
色するものであればよいが、例えば4−アミノアンチピ
リン(以下、4−AAと略記する)等のカップラー及
び、該カップラーと酸化縮合して色素を生ずるデベロッ
パーとの組合せ、即ち、例えば4−AAとフェノール系
化合物、ナフトール系化合物若しくはアニリン系化合物
の組合せ、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラ
ゾンとアニリン系化合物の組合せ等や、例えば2,2’
−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スル
ホン酸)、トリフェニルメタン系ロイコ色素、ジフェニ
ルアミン誘導体、ベンチジン誘導体、トリアリルイミダ
ゾール誘導体、ロイコメチレンブルー誘導体、o−フェ
ニレンジアミン誘導体等の酸化によってそれ自体が発色
する発色剤等が挙げられる。
【0024】カップラーとデベロッパーとの組合せを用
いる場合、カップラーの使用量としては、用いるカップ
ラーの種類や組み合わせるデベロッパーの種類等により
異なるが、例えば試液中の濃度として、通常0.01〜400m
M、好ましくは0.1〜40mMであり、最終の反応液中の濃度
として、通常0.01〜100mM、好ましくは0.1〜10mMの範囲
である。
【0025】本発明の特定の糖化蛋白質測定用試薬は、
従来の糖化蛋白質の酵素的測定用試薬に本発明に係る特
定阻害物質を含有させたものであり、上記した如き生体
試料中の糖化蛋白質を測定する方法に使用される試薬
類、例えば特定阻害物質、プロテアーゼ、過酸化水素生
成酵素、POD及び被酸化性呈色試薬等を、通常使用され
る濃度範囲で含有するように調製されたものであればよ
く、それらの構成要件の好ましい実施態様や使用濃度等
は上で述べたとおりである。また、当該試薬に、両性界
面活性剤、陰性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の
界面活性剤を含むものを用いてもよい。
【0026】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0027】
【実施例】実施例1 GAおよび血清の測定 〔 試料 〕試料としてのGA標準液は、ヒトアルブミンよ
り臨床検査 34 493 1990記載の方法に従って調製したGA
を用いて、5種の濃度(1:200μmol/l、2:304μmol
/l、3:407μmol/l、4:510μmol/l、5:611μmol/
l)のものを調製した。ヒト血清5検体も試料として用
いた。
【0028】〔 試薬 〕第一試薬は、8mM 4-アミノアン
チピリン、15IU/l ペルオキシダーゼ、5IU/lアスコル
ビン酸オキシダーゼ、5000PU/ml プロナーゼ、30IU/ml
アルカリプロテアーゼ、及び所定の抗体(抗ヒトIg
(G+A+M)、抗ヒトIgG <MCA>、抗ヒトアルブミ
ン抗体吸収済み抗ヒト全血清)を含む10mM HEPES(2-[4
-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホ
ン酸)緩衝液(pH 8.0)である。第二試薬は、24IU/l
フルクトシルアミンオキシダーゼ、及び12mM N-エチル
-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジンを
含む150mM HEPES緩衝液(pH 7.5)である。
【0029】〔 測定方法 〕日立自動分析装置7070形を
用い、以下の測定条件で実験を行った。その結果を表1
に示す。尚、GA濃度(μmol/l)は、各試薬系で得られ
たGA標準液2(GAを304μmol/l含有)の吸光度を標準と
して求めた。
【0030】〔測定条件〕 測定方法 2ポイントエンド法 試料量 9μl 試薬量 第一試薬 240μl、第二試薬 90μl 測定波長 主波長 570nm、副波長 700nm 測定温度 37℃
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、GAの測定値はGAの濃度に
かかわらず、抗体を添加した場合と添加しない場合とで
差がないこと、言い換えれば、抗体添加によるGA測定へ
の影響はないことが判る。また、血清に抗体を添加する
と、添加しない場合と比較して測定値が低値となること
から、抗体を添加することによりGAの測定値に誤差を与
える可能性のある物質(例えば、糖化グロブリン等)の
影響を回避し得ることが判る。
【0033】実施例2血清中GAの測定 実施例1と同様にして得られたGA測定値から下記の如く
して求めたGA値<%>とHPLC法により得られたGA値<%
>を比較した。 〔 試料 〕 試料は、ヒト血清35検体を用いた。 〔 本発明によるGA値<%>の算出 〕実施例1で使用し
た抗体添加系試薬及び抗体無添加系試薬を用いて試料
中のGA濃度(μmol/l)を、また、アルブミンII-HAテス
トワコー(BCG法、和光純薬工業(株)製)を用いて同
一検体の総アルブミン濃度(μmol/l)を、夫々求め、
両者よりGA値<%>[(GA濃度/総アルブミン濃度)×
100)]を算出した。 〔 HPLC法によるGA値<%>の算出 〕自動グリコアルブ
ミン測定装置GAA-2000(京都第一科学社製)を用いて、
GA値<%>を求めた。 〔 結果 〕抗体添加系試薬を用いて得られたGA値<%
>とHPLC法により得られたGA<%>値との相関図を図1
に、抗体無添加系試薬を用いて得られたGA<%>値とHP
LC法により得られたGA値<%>との相関図を図2に夫々
示す。
【0034】図1及び図2の結果から、抗体添加系試
薬を用いて得られるGA値<%>は、抗体無添加系試薬を
用いて得られるGA値<%>と比較して、HPLC法により得
られる測定値とより良好な相関関係を示し、本発明の方
法によりGAの測定値に誤差を与える物質の影響を回避で
き、より精度の高いGA測定が出来ることが判る。 実施例3 〔 試料 〕試料としてのGA標準液は、ヒトアルブミンよ
り臨床検査 34 493 1990記載の方法に従って調製したGA
を用いて、5種の濃度(1:248μmol/l、2:335μmol
/l、3:437μmol/l、4:558μmol/l、5:670μmol/
l)のものを調製した。また、ヒト血清5検体も試料と
して用いた。
【0035】〔 試薬 〕第一試薬は、8mM 4-アミノアン
チピリン、15IU/l ペルオキシダーゼ、5IU/lアスコル
ビン酸オキシダーゼ、5000PU/ml プロナーゼ、30IU/ml
アルカリプロテアーゼ、及び所定の水溶性ポリマーを所
定濃度含む10mM HEPES(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-
ピペラジニル]エタンスルホン酸)緩衝液(pH 8.0)で
ある。尚、水溶性ポリマーとしては以下のものを用い
た。 ポリエチレングリコール6000(PEG6000;平均分子量7
500、和光純薬工業(株)製) デキストラン100000-200000(和光純薬工業(株)
製)) 第二試薬は、24IU/l フルクトシルアミンオキシダー
ゼ、及び12mM N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプ
ロピル)-m-トルイジンを含む150mM HEPES緩衝液(pH
7.5)である。
【0036】測定条件は実施例1と同様にして行った。
その結果を表2に示す。尚、GA濃度(μmol/l)は、各試
薬系で得られたGA標準液2(GAを335μmol/l含有)の吸
光度を標準として、試料中のGA濃度(μmol/l)を求め
た。
【0037】
【表2】
【0038】表2の結果から、GAの測定値はGAの濃度に
かかわらず、水溶性ポリマーを添加した場合と添加しな
い場合とで差がないこと、言い換えれば、水溶性ポリマ
ーによるGA測定への影響はないことが判る。また、血清
に水溶性ポリマーを添加すると、添加しない場合と比較
して測定値が低値となることから、水溶性ポリマーを添
加することによりGAの測定値に誤差を与える可能性のあ
る物質(例えば、糖化グロブリン等)の影響を回避し得
ることが判る。
【0039】
【発明の効果】本発明は、全血、血清、血漿、尿等の生
体試料中に存在する特定の糖化蛋白質の測定をするに際
し、従来の酵素的測定法に特定阻害物質を添加すること
を特徴とする発明であり、本発明によれば、特定の糖化
蛋白質のみをプロテアーゼと反応させ、生成した糖化ア
ミノ酸又は/及び糖化ペプチドの量を測定することによ
り特定の糖化蛋白質量を簡便・高精度に測定出来、且
つ、従来の専用機を用いるHPLC法と比較し、汎用性があ
り、また短時間で測定できる点に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗体添加系試薬を用いて得られたGA値<%>
とHPLC法により得られたGA<%>値との相関図を表した
図である。
【図2】抗体無添加系試薬を用いて得られたGA<%>値
とHPLC法により得られたGA値<%>との相関図表した図
である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体由来試料を、当該試料中の特定の糖化
    蛋白質以外の糖化蛋白質がプロテアーゼとの反応に関与
    するのを阻害する物質の存在下、プロテアーゼと接触さ
    せ、生成した糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプチドの量
    に基づいて特定の糖化蛋白質量を測定することを特徴と
    する、生体由来試料中の特定の糖化蛋白質の測定方法。
  2. 【請求項2】生成した糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプ
    チドの量を、これらと、これらを基質として過酸化水素
    を生成させる性質を有する酵素とを反応させ、生成した
    過酸化水素量に基づいて求める、請求項1に記載の測定
    方法。
  3. 【請求項3】特定の糖化蛋白質が糖化アルブミン、糖化
    グロブリン、糖化トランスフェリン、糖化高比重リポ蛋
    白質、糖化低比重リポ蛋白質又は糖化アンチトリプシン
    である請求項1又は2に記載の測定方法。
  4. 【請求項4】当該試料中の特定の糖化蛋白質以外の糖化
    蛋白質がプロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する
    物質が、特定の糖化蛋白質以外の糖化蛋白質に対する抗
    体、又は水溶性ポリマーである請求項1から3の何れか
    に記載の測定方法。
  5. 【請求項5】特定の糖化蛋白質以外の糖化蛋白質に対す
    る抗体が、抗全血清抗体から当該特定の糖化蛋白質に対
    する抗体を除去したものである請求項4に記載の測定方
    法。
  6. 【請求項6】水溶性ポリマーが、ポリアルキレングリコ
    ール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又
    は水溶性の多糖類である請求項4に記載の測定方法。
  7. 【請求項7】水溶性の多糖類が、デキストラン、デキス
    トラン硫酸又はその塩、或いはコンドロイチン硫酸又は
    その塩である請求項6に記載の測定方法。
  8. 【請求項8】特定の糖化蛋白質が糖化アルブミンであ
    り、当該試料中の糖化アルブミン以外の糖化蛋白質がプ
    ロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する物質が、抗
    全血清抗体から抗アルブミン抗体を除去したものであ
    る、請求項1又は2に記載の測定法。
  9. 【請求項9】特定の糖化蛋白質が糖化アルブミンであ
    り、当該試料中の糖化アルブミン以外の糖化蛋白質がプ
    ロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する物質が、抗
    グロブリン抗体、抗高比重リポ蛋白抗体、抗低比重リポ
    蛋白抗体、抗トランスフェリン抗体及び抗アンチトリプ
    シン抗体から選ばれた少なくとも1種である、請求項1
    又は2に記載の測定法。
  10. 【請求項10】特定の糖化蛋白質が糖化アルブミンであ
    り、当該試料中の糖化アルブミン以外の糖化蛋白質がプ
    ロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する物質が、抗
    グロブリン抗体、抗高比重リポ蛋白抗体、抗低比重リポ
    蛋白抗体、抗トランスフェリン抗体及び抗アンチトリプ
    シン抗体の混合物である、請求項1又は2に記載の測定
    法。
  11. 【請求項11】特定の糖化蛋白質が糖化アルブミンであ
    り、当該試料中の糖化アルブミン以外の糖化蛋白質がプ
    ロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する物質が、ポ
    リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
    リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキスト
    ラン、デキストラン硫酸又はその塩、コンドロイチン硫
    酸又はその塩から選ばれた少なくとも1種であるであ
    る、請求項1又は2に記載の測定法。
  12. 【請求項12】試料中の特定の糖化蛋白質以外の糖化蛋
    白質がプロテアーゼとの反応に関与するのを阻害する物
    質と、プロテアーゼとを含んでなる、特定の糖化蛋白質
    測定用試薬。
  13. 【請求項13】更に、糖化アミノ酸又は/及び糖化ペプ
    チドを基質として過酸化水素を生成させる性質を有する
    酵素を含んでなる、請求項12に記載の試薬。
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