JP2001215156A - 接触式温度測定装置 - Google Patents

接触式温度測定装置

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JP2001215156A
JP2001215156A JP2000025451A JP2000025451A JP2001215156A JP 2001215156 A JP2001215156 A JP 2001215156A JP 2000025451 A JP2000025451 A JP 2000025451A JP 2000025451 A JP2000025451 A JP 2000025451A JP 2001215156 A JP2001215156 A JP 2001215156A
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Toshiaki Fukuyama
稔章 福山
Toru Nunoi
徹 布居
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温状態で移動または回転する被測温体の表
面に面接触してその表面温度を連続的に精度よく測定す
る。 【解決手段】 耐熱性に優れた2種類の金属の接合部か
らなる熱電対と、熱電対の接合部を露出し熱電対の二つ
の導線部分を夫れ夫れ個別に嵌挿する耐熱性及び絶縁性
に優れた材質からなる絶縁部と、所定の中空領域を有
し、その中空領域に熱電対の接合部を固定しかつ絶縁部
の一端面に当着する耐熱性及び絶縁性に優れた材質から
なる保護部と、高温状態で連続して移動または回転する
被測温体の表面に面接触する接触部を形成し、絶縁部の
一部分及び保護部の全体を嵌装する熱伝導性に優れた材
質からなる熱伝導部と、熱伝導部から熱電対の接合部に
伝導された熱エネルギーにより発電する熱起電力に基づ
いて被測温体の表面温度を測定する温度測定部とから構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体や太陽電池
などを製造する装置の自動制御に適用され、高温で移動
または回転する被測温体の表面を連続的に測定する接触
式温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度測定には、温度計の感温部
(センサ部分)を被測温体の内部に挿入または表面に接
触させて、原則的には感温部を被測温体の温度と同一温
度にして測定を行う接触方式と、感温部を被測温体から
の熱放射を測定して熱放射源の温度を測定する非接触方
式とがある。
【0003】例えば、電気加熱の分野で最も普通に用い
られる接触式温度計として、熱電対の熱起電力が熱接点
と冷接点の温度差にほぼ比例して規則的に生じるゼーベ
ック効果を利用した熱電対温度計や、白金、銅、ニッケ
ルなどの純粋の金属、またはサーミスタのような半導体
の抵抗率が温度によって規則的に変化するのを利用した
抵抗温度計がある。
【0004】また、非接触式温度計として、被測温体の
輝度と基準となる電球のフィラメントの輝度とを視覚で
比較し、輝度が一致したフィラメントの電流値によって
温度測定する光高温計や、被測温体からの全放射エネル
ギーを受熱板に集めて、その温度上昇を熱起電力や抵抗
値に変換して測温する放射温度計がある。
【0005】しかしながら、光高温計は、人間の視野に
頼るので、電気加熱設備の自動制御などに利用すること
ができないという問題がある。また、放射温度計は、炉
内、鋳造物などの高温度測定に用いる場合、測定対象物
の放射率が判明していないと正確な温度が測定できず、
測定点周囲の雰囲気により測定誤差が生じるという問題
がある。また、中空構造の内部の表面温度を測定するこ
とができないという問題がある。
【0006】この問題を改善する従来技術として、例え
ば、ロケット推進装置の燃焼室を構成する中空構造体の
表面温度を的確に測定する接触式温度計として、特開平
9−113370号公報には、二つの異なる耐熱性に優
れた金属からなる熱電対本体を耐熱性セラミックス被覆
部材により被覆した熱電対と、内部に高温流体が流通す
る中空構造体の外周面に前記熱電対の先端部を固縛する
耐熱性セラミックスワイヤと、耐熱性セラミックスワイ
ヤ及び前記熱電対の先端部を中空構造体の外周面に対し
て固着する耐熱性セラミックス接着剤層とを備えた接触
式の高温測定センサが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−113370号公報に記載の高温測定センサでは、
熱電対の先端部を中空構造体の外周面に耐熱性セラミッ
クスワイヤで固縛し、さらに耐熱性セラミックス接着剤
で固着しているため、例えば、特開平10−29895
号公報に記載されているようなシリコンリボンの製造装
置の中空回転冷却体の表面温度を測定することはできな
い。
【0008】また、特開平10−29895号公報に記
載のシリコンリボンの製造装置は、シリコンの加熱溶解
部と耐熱材からなる中空回転冷却体とで構成され、カー
ボンネットの一端部が予め巻き付けた回転冷却体をシリ
コン融液に接触させることによって、中空回転冷却体の
表面にシリコンリボンを形成するものである。そして、
中空回転冷却体を回転させると同時に巻き付けられたカ
ーボンネットを引き出すことによって、カーボンネット
に固着されたシリコンをシリコンリボンとして連続的に
取り出す。このように製造されたシリコンリボンは、例
えば、太陽電池用基板として用いられる。
【0009】このシリコンの成長速度は、シリコンを溶
融状態に保持するためのヒータ温度、中空回転冷却体の
温度(つまり回転冷却体内を循環している冷却ガスの種
類とその流量)、中空回転冷却体の回転速度、回転冷却
体の浸漬深さで制御されている。また、中空回転冷却体
の表面で製造される太陽電池用シリコンリボンの形状
(例えば、リボンの厚さ、表面平滑性・平坦性)は、中
空回転冷却体の温度により大きく影響を受けるので、中
空回転冷却体の温度測定は重要な製造条件の要素とな
り、シリコンリボンを形成するための中空回転冷却体の
温度を正確に測定する接触式温度測定装置が望まれてい
る。
【0010】図5は従来技術による接触式温度測定装置
の構成を示す断面図である。図5において、11は熱電
対を示し、構成材料JIS・B(+脚側:30%ロジウ
ム・白金、−脚側:6%ロジウム・白金)を使用してい
る。12は熱電対11の2本の導線を絶縁する絶縁管を
示し、アルミナで構成されている。13は熱電対11の
接合部11aを保護する保護管を示し、窒化ホウ素で構
成されている。
【0011】図5に示すように、熱電対11を絶縁管1
2に挿通し、熱電対11及び絶縁管12を保護管13に
嵌め込んで、高温状態で移動または回転する被測温体2
2(中空回転冷却体)の摩擦から熱電対11の接合部1
1aを保護している。このように、保護管13に挿入し
た熱電対11の接合部11aを、高温状態で移動または
回転する被測温体14の外周面14aに接触して温度を
測定する。
【0012】しかしながら、図5に示す接触式温度測定
装置は、例えば、被測温体と雰囲気の温度差が500℃
以上ある場合には、保護管13が放熱管として作用する
ため実際の被測温体の温度より低く測定される。逆に、
被測温体が低温の場合には保護管13が保温管として作
用するため実際の被測温体の温度より高く測定されると
いう問題があった。
【0013】また、保護管13は被測温体との接触面積
が点接触のため、この測定誤差をさらに大きくしてい
た。特に、シリコンリボンの製造装置の中空回転冷却体
の表面温度の測定に利用する場合、高温状態で移動また
は回転する被測温体である中空回転冷却体の表面の常に
当接し、その表面から正確に熱伝導され、連続的に精度
よく表面温度を測定することが可能な接触式温度測定方
法が切望されていた。
【0014】本発明の以上の事情を考慮してなされたも
のであり、高温状態で移動または回転する被測温体の表
面に面接触して表面温度を連続的に精度よく測定する接
触式温度測定装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱性に優れ
た2種類の金属の接合部からなる熱電対と、熱電対の接
合部を露出し熱電対の二つの導線部分を夫れ夫れ個別に
嵌挿する耐熱性及び絶縁性に優れた材質からなる絶縁部
と、所定の中空領域を有し、その中空領域に熱電対の接
合部を固定しかつ絶縁部の一端面に当着する耐熱性及び
絶縁性に優れた材質からなる保護部と、高温状態で連続
して移動または回転する被測温体の表面に面接触する接
触部を形成し、絶縁部の一部分及び保護部の全体を嵌装
する熱伝導性に優れた材質からなる熱伝導部と、熱伝導
部から熱電対の接合部に伝導された熱エネルギーにより
発電する熱起電力に基づいて被測温体の表面温度を測定
する温度測定部とを備えたことを特徴とする接触式温度
測定装置である。
【0016】本発明によれば、熱伝導性に優れた材質か
らなる熱伝導部に高温検知用の熱電対の接合部を収納
し、熱伝導部の接触部が移動または回転する被測温体の
表面に面接触することにより、高温状態で移動または回
転する被測温体の表面温度を連続的に精度よく測定する
ことができる。
【0017】前記熱伝導部は、マグネシア、ベリリアま
たはアルミナからなる耐熱性セラミックスで構成しても
よい。この構成によれば、耐熱性セラミックスは、抵抗
率(絶縁性)、融点及び硬度が高いので、高温状態で移
動または回転する被測温体に対して摩耗しにくい。さら
に、マグネシア、ベリリアまたはアルミナは熱伝導率が
優れているので移動または回転する被測温体の表面温度
の測定には有効である。
【0018】前記熱伝導部の接触部は、移動または回転
する被測温物体の表面形状に応じて所定の範囲で面接触
する形状を有してもよい。この構成によれば、移動また
は回転する被測温体の表面形状に応じた面接触形状を形
成したことにより、被測温体の表面を摺動する熱伝導部
の接触部の破損を防止するとともに熱伝導率の低下を防
止することができるので、信頼性の高い接触式温度測定
装置を提供することができる。
【0019】また、前記絶縁部と前記熱伝導部間に緩衝
部をさらに備えた構成にしてもよい。この構成によれ
ば、移動または回転する被測温体の表面を摺動する熱伝
導部の接触部の破損を防止するとともに熱伝導率の低下
を防止することができる。
【0020】また、前記絶縁部の外形は、円柱または角
柱の筒形状であってもよい。また、前記熱伝導部の外形
は、円柱または角柱の筒形状であってもよい。この構成
によれば、絶縁部及び熱伝導部の加工性がよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施例に基づいて
本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定さ
れるものではない。
【0022】図1は本発明の一実施例である接触式温度
測定装置の構成を示す断面図である。図1において、1
は耐熱性に優れた2種類の金属の接合部1aからなる熱
電対を示す。本実施例の熱電対1としては、JIS構成
材料としてB(+脚側:30%ロジウム・白金、−脚
側:6%ロジウム・白金)を使用している。
【0023】その他の熱電対のJIS構成材料として、
R(+脚側:13%ロジウム・白金、−脚側:白金)、
S(+脚側:10%ロジウム・白金、−脚側:白金)、
N(+脚側:ナイクロシル、−脚側:ナイシル)、K
(+脚側:クロメル、−脚側:アルメル)、E(+脚
側:クロメル、−脚側:コンスタンタン)、J(+脚
側:鉄、−脚側:コンスタンタン)、T(+脚側:銅、
−脚側:コンスタンタン)、タングステン−レニウム
系、イリジウム−イリジウムルテニウム系、プラチネ
ル、金−銀、銀−コンスタンタンなどがあるので、被測
温体の測定温度範囲により適宜選択すればよい。
【0024】2は熱電対1の接合部1aを露出し熱電対
1の二つの導線部1b、1cを夫れ夫れ個別に嵌挿する
耐熱性及び絶縁性に優れた材質からなる絶縁部を示す。
絶縁部2は、耐熱性及び絶縁性に優れたアルミナで構成
してもよい。また、絶縁部2の外形は、約5mm幅の円
柱または角柱の筒形状であってもよい。
【0025】3は所定の中空領域3aを有し、その中空
領域3aに熱電対1の接合部1aを固定しかつ絶縁部2
の一端面に当着する耐熱性及び絶縁性に優れた材質から
なる保護部を示す。保護部3は、耐熱性及び絶縁性に優
れたガイシで構成してもよい。また、保護部3の外形
は、中空領域3aを設けた、約5mm幅の円柱または角
柱の筒形状であってもよい。
【0026】4は高温状態で連続して移動または回転す
る被測温体の表面に面接触する接触部4aを形成し、絶
縁部2の一部分及び保護部3の全体を嵌装する熱伝導性
に優れた材質からなる熱伝導部を示す。また、熱伝導部
4の外形は、10〜20mm幅の円柱または角柱の筒形
状であってもよい。
【0027】例えば、熱伝導性のよい材質として黒鉛が
ある。黒鉛は高温となる金属溶解炉用の材料、例えば、
ルツボやヒーターなどに一般的に使用されているよう
に、加工性に優れ、熱伝導性が高く、かつ安価であるこ
とから、本実施例の熱伝導部4は黒鉛を使用した。とこ
ろで、物質中の熱伝導は、自由電子と格子振動によって
伝達される。十分な自由電子によって熱が伝わるのは金
属であり、一方、酸化物など電子が少なく原子の振動が
隣接した原子の振動として熱が伝わるのは絶縁体であ
る。
【0028】熱伝導性がよい金属としては、銀、銅、
金、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、モリ
ブデンなどがある。金、銀は、熱伝導性は高いが、高価
であるため、安価で加工性に優れた銅およびアルミニウ
ムが好ましい。
【0029】また、金属以外では、ダイヤモンドと立方
晶窒化ホウ素がある。また、軽金属の炭化物や窒化物、
あるいは酸化物として、AlN(窒化アルミニウム)、
Al43 、(炭化アルミニウム)、SiC(炭化ケイ
素)、BeO(ベリリア)、Al23(アルミナ)、Mg
O(マグネシア)などがある。
【0030】熱伝導部4の材質を金属にすると、熱電対
1の接合部1aを収納する上で熱伝導部4と熱電対1が
短絡すると正確な温度測定は困難となる。従って、絶縁
性が高くかつ熱伝導性に優れる耐熱性セラミックスとし
て、マグネシア、ベリリア、アルミナがもっとも好まし
い。熱伝導部4としては、マグネシア、ベリリアまたは
アルミナからなる耐熱性セラミックスで構成してもよ
い。
【0031】その他の耐熱性セラミックスとしては、S
i34(窒化ケイ素)、3Al23・2SiO2(ムライ
ト)、2MgO・SiO2(フォルステライト)、MgO・S
iO2(ステアタイト)などでも構わない。
【0032】5は熱伝導部4から熱電対1の接合部1a
に伝導された熱エネルギーにより発電する熱起電力に基
づいて被測温体の表面温度を測定する温度測定部を示
す。温度測定部5としては、基準温度電圧と熱電対1の
熱起電力を比較増幅する差動増幅回路、増幅された熱起
電力を温度信号に変換するA/D変換回路、温度信号を
処理するCPU、ROM、RAM、及びI/Oポートか
らなるコンピュータ、測定温度を表示するディスプレイ
などで構成してもよい。
【0033】図1に示すように、本実施例の接触式温度
測定装置は、熱電対1の接合部1aを露出し、熱電対1
の二つの導線部1b、1cを夫れ夫れ個別に絶縁性ガイ
シからなる保護部3に挿通しておき、次にアルミナで構
成された絶縁部2に挿通する。そして、熱伝導性に優れ
た黒鉛からなる熱伝導部4を絶縁部2に形成した嵌め込
み部2aに嵌装し、熱電対1の二つの導線部1b、1c
を温度測定部5に接続することにより構成される。絶縁
部2と熱伝導部4間に緩衝部2bとして作用する部材を
挿入してもよい。
【0034】熱伝導部4は、高温状態で連続して移動ま
たは回転する被測温体の表面に面接触する接触部4aを
形成し、接触部4aは移動または回転する被測温物体の
表面形状に対応する面接触形状に加工してもよい。な
お、接触部4aの周辺あるいは角にも曲率を有するよう
に加工してもよい。
【0035】図2は本発明を用いた円筒状被測温体の内
周面の接触式温度測定方法の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、熱伝導部4の接触部4aの形状を、
円筒状被測温体6の内周面6aの曲率と同じにして、熱
伝導部4の接触部4aが内周面6aとの接触面積を広く
している。このように、円筒状被測温体6から熱伝導部
4への熱伝導は、接触部4aの面接触により、点接触ま
たは線接触よりも格段に向上する。
【0036】そして、熱伝導部4の接触部4aと円筒状
被測温体6の内周面6aを面接触させながら円筒状被測
温体6を矢印の方へ回転する。熱伝導部4の接触部4a
は同じ曲率を有するように加工されているので、円筒状
被測温体6が回転しても摺動による引っ掛かりにより熱
伝導部4または絶縁部2が破損するという問題は起こら
ない。
【0037】本実施例では、円筒状被測温体6の内周面
6aの温度測定方法として、熱伝導部4の接触部4aを
凸状とし、円筒状被測温体6の内周面6aの曲率と同じ
にして接触させたが、熱伝導部4の接触部4aを凹状と
し、円筒状被測温体6の外周面6bの曲率と同じにして
接触することで、円筒状被測温体6の外周面6bの温度
測定することもできる。このように、熱伝導部4の接触
部4aの形状は、円筒状被測温体6の接触する表面の形
状に合わせて加工すればよい。
【0038】図3は本発明を用いた中空回転冷却体の内
周面の接触式温度測定方法の一例を示す斜視図である。
本発明の接触式温度測定装置を、特開平10−2989
5号公報に記載されている太陽電池用シリコンリボンの
製造装置で使用される中空回転冷却体の内周面の温度測
定に応用した。
【0039】ここで、太陽電池用シリコンリボンの製造
装置について説明する。中空回転冷却体7の下方に高純
度多結晶シリコン原料を入れた坩堝(図示しない)が配
置され、坩堝周辺の加熱手段で約1420℃に加熱し、
高純度多結晶シリコン原料を溶融する。そして、中空回
転冷却体7に挿通した冷却流体導入管8から冷却ガス
(窒素ガス)が導入され、中空回転冷却体7の内周面7
aを冷却し、冷却流体排出管9より排出される。
【0040】中空回転冷却体7は、冷却流体導入管8と
冷却流体排出管9に接続した回転駆動装置(図示しな
い)に接続され、回転軸7cを中心に回転する。そし
て、中空回転冷却体7は、上記坩堝内の溶融シリコンに
20mmくらい浸漬させて、本発明の熱伝導部4の直下
の溶融シリコンと接した外周面7bにシリコンリボンが
成長する。
【0041】次に、中空回転冷却体7の内周面7aの温
度測定について説明する。冷却流体排出管9側から熱電
対1を挿通した絶縁部2を回転軸7cに沿って挿入し、
中空回転冷却体7の内周面7aに鉛直方向に屈曲させて
屈曲部2cを作製し、絶縁部2の一部及び保護部3の全
体を熱伝導部4に嵌め込んで、熱伝導部4の接触部4a
を中空回転冷却体7の内周面7aに接触する。
【0042】この中空回転冷却体7の内周面7aの温度
測定によって、中空回転冷却体7の温度が高ければ、冷
却ガスの流量を増加させ、逆に温度が低くければ、冷却
ガスを減少させ、シリコンリボンの形状を制御してい
る。そのシリコンリボンの厚さ、表面の平滑性・平坦性
は中空回転冷却体7の表面温度、つまり熱伝導部4の直
下の溶融シリコンと接した外周面7bの温度により制御
される。
【0043】従って、シリコンの成長は、本発明の接触
式温度測定装置により中空回転冷却体7の内周面7aの
温度を測定したデータと、中空回転冷却体7の外部に設
置された温度測定部5のモニター(図示しない)で監視
され、所望のシリコンリボンが製造されるように、中空
回転冷却体7に導入される冷却ガスの流量を調節してい
る。
【0044】図4は本発明の温度測定と従来技術の温度
測定との比較結果を示す図である。図4において、本発
明の温度測定は、図1に示す接触式温度測定装置を用い
て行い、従来例の温度測定は、図5に示す接触式温度測
定装置を用いて行った。なお、熱電対は、同じ構成材料
を使用し、図3に示す中空回転冷却体7の外周面7aの
表面温度を測定した。
【0045】本発明の温度測定結果に対して、従来技術
の温度測定結果は、高温になるにしたがって低下する傾
向にあり、その温度誤差が大きくなることを示してい
る。この傾向は、熱電対にJIS・K(クロメル−アル
メル)を使用した場合にも同様の結果を示した。これ
は、図5に示す保護管は被測温体と接触する面積が小さ
いこと、保護管が放熱管として機能するため、熱電対に
伝達される熱が減少し、高温になるほど放熱作用の影響
を受けて、本発明の温度測定方法と差異が生じた。
【0046】上記の温度測定結果から、熱電対の接合部
に効率よく熱を伝える熱伝導部を使用すること、その熱
伝導部で熱電対の接合部を覆うこと、被測温体との接触
面積を大きくすることが、高温状態で連続して移動また
は回転する被測温体の接触式温度測定には有効であるこ
とが推論される。
【0047】また、熱伝導部を、耐熱性、熱伝導性のよ
いマグネシア、ベリリアあるいはアルミナで作製するこ
とにより、高温状態で連続して移動または回転する被測
温体の表面温度を正確に測定することができる。また、
被測温体と接触している熱伝導部の接触部が曲率を持っ
た形状あるいは被測温体と同じ曲率を有した形状であれ
ば、被測温体との摺動により引っ掛かりがなくなり、熱
伝導部または絶縁部を破損することなく、高温状態で連
続して移動または回転する被測温体の表面温度を正確に
測定することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、熱伝導性に優れた材質
からなる熱伝導部に高温検知用の熱電対の接合部を収納
し、熱伝導部の接触部が移動または回転する被測温体の
表面に面接触することにより、高温状態で移動または回
転する被測温体の表面温度を連続的に精度よく測定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である接触式温度測定装置の
構成を示す断面図である。
【図2】本発明を用いた円筒状被測温体の内周面の接触
式温度測定方法の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を用いた中空回転冷却体の内周面の接触
式温度測定方法の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の温度測定と従来技術の温度測定との比
較結果を示す図である。
【図5】従来例による接触式温度測定装置の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 熱電対 1a 接合部 1b 導線部 1c 導線部 2 絶縁部 2a 嵌め込み部 2b 緩衝部 2c 屈曲部 3 保護部 3a 中空領域 4 熱伝導部 4a 接触部 4b 端部 5 温度測定部 6 円筒状被測温体 6a 内周面 6b 外周面 7 中空回転冷却体 7a 内周面 7b 外周面 7c 回転軸 8 冷却流体導入管 9 冷却流体排出管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性に優れた2種類の金属の接合部か
    らなる熱電対と、熱電対の接合部を露出し熱電対の二つ
    の導線部分を夫れ夫れ個別に嵌挿する耐熱性及び絶縁性
    に優れた材質からなる絶縁部と、所定の中空領域を有
    し、その中空領域に熱電対の接合部を固定しかつ絶縁部
    の一端面に当着する耐熱性及び絶縁性に優れた材質から
    なる保護部と、高温状態で連続して移動または回転する
    被測温体の表面に面接触する接触部を形成し、絶縁部の
    一部分及び保護部の全体を嵌装する耐熱性及び熱伝導性
    に優れた材質からなる熱伝導部と、熱伝導部から熱電対
    の接合部に伝導された熱エネルギーにより発電する熱起
    電力に基づいて被測温体の表面温度を測定する温度測定
    部とを備えたことを特徴とする接触式温度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記熱伝導部は、マグネシア、ベリリア
    またはアルミナからなる耐熱性セラミックスで構成した
    ことを特徴とする請求項1記載の接触式温度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記熱伝導部の接触部は、移動または回
    転する被測温物体の表面形状に応じて所定の範囲で面接
    触する形状を有することを特徴とする請求項1記載の接
    触式温度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁部と前記熱伝導部間に緩衝部を
    さらに備えたことを特徴とする請求項1記載の接触式温
    度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁部の外形は、円柱または角柱の
    筒形状であることを特徴とする請求項1記載の接触式温
    度測定装置。
  6. 【請求項6】 前記熱伝導部の外形は、円柱または角柱
    の筒形状であることを特徴とする請求項1記載の接触式
    温度測定装置。
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