JP2958428B2 - 熱電対用SiC製保護管 - Google Patents

熱電対用SiC製保護管

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JP2958428B2 JP1181661A JP18166189A JP2958428B2 JP 2958428 B2 JP2958428 B2 JP 2958428B2 JP 1181661 A JP1181661 A JP 1181661A JP 18166189 A JP18166189 A JP 18166189A JP 2958428 B2 JP2958428 B2 JP 2958428B2
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辰雄 野沢
義之 渡辺
和教 目黒
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体工業における酸化、拡散、熱処理等の
処理を行う縦型ないし横型炉内の温度測定に用いる熱電
対用保護管にSiCを使うことで、熱伝導率を高めるとと
もに温度測定精度を高める熱電対用保護管に関するもの
である。
〔従来の技術〕
半導体の処理工程における酸化、拡散、熱処理等に求
められる処理品質の均一性を確保する為に縦あるいは横
型の炉ないし炉芯管内の各所温度を均一にすることが望
ましいが、その炉芯内の精密な温度分布データがその為
に必要であり、白金・ロジウム熱電対を封入する保護管
として、アルミナ、特に拡散炉内の被処理物の汚染が問
題となる場合は、石英ガラスが使用されてきた。また、
縦型炉の制御・測定用には長さの違う個別の保護管に熱
電対を封入してこれを数本組み合わせる同時測定、ある
いは一つの保護管に長さの違う複数の熱電対を封入して
行う同時測定が特に意図され、縦にセットした先端位置
の異なる熱電対により炉芯管長さ方向の異なる位置の温
度測定が行われる。しかし、測定炉毎の測定誤差が生じ
易いために本格的な複数熱電対による同時測定の実現は
困難であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
熱電対用保護管に要求される特性として、電気的絶縁
性、耐熱性、高純度、更には、保護管の複連型セットの
場合は、そのセットの測定毎に求められる組立及び測定
条件の同一再現性とその操作の容易性も問題となる。従
来使用されるアルミナは、熱伝導率が低く温度変化を敏
感に内部の熱電対に伝え難いため、温度環境が重要なキ
イ・ポイントとなる半導体の処理工程における炉の温度
制御を精密に行う上で難点となっている。又、純度的な
問題点から石英ガラス製の保護管を使用する場合、アル
ミナと同様に熱伝導率が低いという問題と、その環境温
度で曲がり等を発生し易い弱点があり、正確な測定制御
が不可能になることが多いという問題がある。
複数の熱電対を個々に保護管に封入しこれをセットし
て使用する場合には、個々の保護管の精度を厳密に定め
てもそれぞれの持つ誤差の許容精度の重なることでセッ
ト全体の精度が低下する。これらの要因で、炉の温度分
布のデータは収集する度に、個々の熱電対を同一の相関
位置にならびに同一測定条件下にあるとみなし難く、即
ち各データの条件にばらつきが介入し、シュミレーショ
ン用データを取り出すことも難しい。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を克服するために第1には高純度で耐熱
性、熱伝導性の面でアルミナや石英ガラスを上回るSiC
あるいはSi含浸質SiCを保護管材料として注目し、絶縁
性に不足するその弱点を克服するために保護菅の内面を
水蒸気雰囲気中で800〜1000℃で処理し、絶縁性のある5
000Å以上、好ましくは1μm以上の酸化膜SiO2膜を形
成させる熱電対用保護管を開発した。即ち、この材質の
表面に絶縁性を付加することで、熱電対の電気的使用条
件を高め、炉に用いられる熱電対用保護管として要求さ
れる特性のすべてを十分なレベルで満たし、特に電気的
絶縁処理のされたこの高熱伝導率により、炉内の温度変
化に敏感に反応する熱電対の作成、つまり精密な炉の温
度分布測定とこれをベースとするシュミレーション制御
が可能となった。
第2には、炉内での必要な各温度測定位置にあわせて
同位置基部から出る数本の熱電対の長さを設定し、平行
に並んだそれらの一本一本の先端が各々の保護管の内部
で先端に来るようにまたそれぞれの位置関係が炉の測定
毎の変化を回避するために的確に組み合わされるように
通用炉芯管の曲率を以て保護管外周壁の形状を設定して
一体化成形される熱電対用SiC製保護管を開発した。
即ち、複数の熱電対の相対的位置が保護管とともに固
定され変化しないということで、従来の複数本熱電対を
組み合わせて使用した場合に見られた分散の加法性によ
って発生する測定精度の低下問題を解消する。また、こ
の組み合わせて一体化された保護管部の曲率を炉芯管に
合わせることで管壁により密着した状態で測定点が炉壁
からの一定位置に置かれて炉毎の測定変化が発生するの
を阻止し、シュミレーション用データの温度測定が可能
となった。
〔作用および実施例〕
本発明の実施例を図面及び実験データを参照して説明
する。
実施例1 第1図(A)は、複数本の白金・ロジウム熱電対を封
入するとともに一体形成された熱電対用SiC製保護管
(1)の正面図である。このセット型保護管の一本一本
の保護管部(2)の内面はSiO2膜で絶縁されていて内部
のそれぞれの熱電対本体を保護している。図の左側が保
護管基部(2a)で縦型炉芯管の下端に来る。各々の長さ
は、炉芯管内で処理を受けるウェーハーの積載範囲の所
要点と対応するように設定されその保護管内部先端の熱
電対の先端が炉測定毎に所定位置に再現的に位置し、ウ
ェーハーの処理温度の精密な測定・制御に必要な温度分
布データを捕捉し、また同一規格炉に対するシュミレー
ション制御を可能にする。第1図(B)は、この保護管
(1)を矢線で切断した横断面で、セット型保護管の片
側(3)の形体が炉芯管内面の曲率に合うよう作られて
いる。第2図は、縦型炉芯管(4)内でのセット型保護
管(1)、それに封入された熱電対(6)と処理ウェー
ハー(5)の位置関係を示している。
実施例2 第3図は、一本型のSi含浸質SiC製保護管の縦断面で
あり、内面には、SiO2膜が形成されており、酸化膜の厚
さの違いによる絶縁性は第4図のグラフに示す。酸化膜
厚が3500Å位までは、電気抵抗は殆どゼロに近く、5000
Åあたりまで急激に抵抗値が増大し、それ以上は徐々の
増加にとどまることを示す。つまり、酸化膜の絶縁性
は、厚さが5000Å以上で十分なレベルとなり、好ましく
は1μm以上であればより好ましい。
〔発明の効果〕
本発明の熱電対用SiCまたはSi含浸質SiC製保護管を使
用することにより、本来の高純度で耐熱性が良いという
特性に加えて、従来の保護管よりも高い熱伝導率が得ら
れる結果、炉芯管内でのより敏速で精密な温度の測定・
制御に使用可能となる。更に、SiCの耐熱性による寿命
からみて石英ガラスよりトータル的に安価であることも
メリットになる。
更に、この高熱伝導率を利用することで複数の熱電対
用保護管の複連型一体化形成が可能となり、更にこの一
体化により熱電対の相対的位置が安定し、測定炉毎の変
化を抑えるとともに、個々の熱電対の誤差の加算があっ
ても有効値を崩さない範囲にとどめるから、炉芯管内で
の定位置温度測定の精度が増し、これに応じた温度制御
によるシュミレーション制御を可能にするのでウェーハ
ー処理域での温度の均一性も向上し、高精度処理・高品
質の処理の実現につながる。加えて、この一体化させた
保護管の形体を炉芯管内面の曲率に合わせることで、保
護管を内壁に密着して的確な測定・制御を行うようにで
きるばかりでなく、被処理物の炉芯管からの出し入れの
障害を抑えて炉の操作の的確性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図(A)および(B)は本発明の一実施例である4
連式保護管の一部切欠平面図と断面図を各々示し、第2
図は炉芯管にセットされた同熱電対封入保護管とウェー
ハの位置関係を例示する一部断面図であり、第3図は単
管型の保護管の一例を示す一部切欠断面図、第4図は保
護管の酸化膜厚と電気抵抗の相関を示すグラフである。 (1)保護管 (2)保護管部 (2a)保護管基部 (3)保護管の曲面壁 (4)炉芯管 (5)ウェーハ (6)熱電対
フロントページの続き (72)発明者 目黒 和教 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社小国製造 所内 (72)発明者 佐藤 俊吉 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社小国製造 所内 (56)参考文献 特開 平1−288739(JP,A) 実開 平2−88131(JP,U) 実開 昭62−170656(JP,U) 実開 昭48−108676(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体工業における酸化、拡散、熱処理等
    の処理を行う縦あるいは横型炉に用いる熱電対用SiC製
    保護管において、SiCまたはSi含浸質SiC成形体保護管の
    内面に5000Å以上のSiO2膜が形成されていることを特徴
    とする熱電対用SiC製保護管。
  2. 【請求項2】一端が封じられ、他端が開放された管状体
    であって、長さの異なる複数の該管状体を、開放端部の
    位置を揃えて平行に配置し、少なくとも開放端部におい
    て一体化して成ることを特徴とする請求項1記載の熱電
    対用SiC製保護管。
  3. 【請求項3】上記縦あるいは横型炉の炉芯管内に配置さ
    れる熱電対用SiC製保護管であって、上記長さの異なる
    複数の管状体が上記炉芯管の曲率にあわせて一体化され
    ていることを特徴とする請求項2記載の熱電対用SiC製
    保護管。
JP1181661A 1989-07-15 1989-07-15 熱電対用SiC製保護管 Expired - Lifetime JP2958428B2 (ja)

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