JP2001214933A - 案内装置および案内装置の製造方法並びに案内装置を用いたねじ装置 - Google Patents

案内装置および案内装置の製造方法並びに案内装置を用いたねじ装置

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JP2001214933A
JP2001214933A JP2000027335A JP2000027335A JP2001214933A JP 2001214933 A JP2001214933 A JP 2001214933A JP 2000027335 A JP2000027335 A JP 2000027335A JP 2000027335 A JP2000027335 A JP 2000027335A JP 2001214933 A JP2001214933 A JP 2001214933A
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Japan
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rail
guide device
rolling
slide member
rolling element
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JP2000027335A
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English (en)
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Tsurujiro Ise
弦二郎 伊勢
Kaoru Hoshiide
薫 星出
Masashi Kimoto
政志 木本
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THK Co Ltd
Original Assignee
THK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送中にテーブルの姿勢を変化させることが
できる案内装置を提供する。 【解決手段】 案内装置を、中心線の回りにねじれたレ
ール1と、このレール1に相対運動自在に組みつけられ
た移動ブロック2とで構成する。移動ブロック2は、レ
ール1に対してレール1の中心線方向に移動すると、レ
ール1のねじれに沿って回転し、その姿勢を変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械、位置決
め装置等のテーブルの運動を所定の方向に導く案内装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、テーブルの運動を直線的に導
く直線案内装置が知られている。この直線案内装置は、
直線状に延びるレールと、レールに相対運動自在に組み
付けられるスライド部材とを備え、スライド部材がレー
ルに対してレールの中心線方向に直線運動する。テーブ
ルは、スライド部材に固定され、スライド部材と同様に
直線運動する。
【0003】また、テーブルの曲線運動を案内する曲線
案内装置も知られている。この曲線案内装置は、水平面
内あるいは垂直面内で円弧状に曲げられるレールと、レ
ールに相対運動自在に組み付けられるスライド部材とを
備え、スライド部材がレールに対してレールの中心線方
向に曲線運動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
直線案内装置にあっては、テーブルの直線運動を案内す
ることはできるが、テーブルの搬送中にテーブルの姿勢
を変化させることができない。搬送中にテーブルの姿勢
を変化させたい場合、直線案内装置とは別にレールに対
してテーブルを回転する回転装置を設ける必要があり、
案内装置全体の大型化、コストの増大を招いてしまう。
【0005】また、従来の曲線案内装置にあっても、テ
ーブルの曲線運動を案内することはできるが、やはりテ
ーブルの姿勢を変化させることができず、テーブルの姿
勢を変化させたい場合には曲線案内装置とは別にテーブ
ルを回転する回転装置が必要になる。
【0006】そこで、本発明は、搬送中にテーブルの姿
勢を変化させることができる案内装置およびこの案内装
置の製造方法、並びにこの案内装置を用いて従来のボー
ルねじでは製造できなかった大径、大リードあるいは微
細リードを実現できるねじ装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものでない。
【0008】上記課題を解決するために、本発明者は、
案内装置のレールを少なくとも所定の長さ分、その中心
線の回りにねじり、ねじったレールに沿ってスライド部
材を移動することにより、スライド部材の姿勢を変化さ
せた。すなわち、本発明は、少なくとも所定の長さ分が
中心線の回りにねじれたレール(1)と、このレール
(1)に相対運動自在に組みつけられたスライド部材
(2)とを備える案内装置により、上述した課題を解決
した。ここで、レールの断面には、断面円形のレールを
除いたものなら、略矩形状、略H型等どのような形状を
用いても良い。
【0009】この発明によれば、スライド部材は、レー
ルに対してレールの中心線方向に移動すると、レールの
ねじれに沿って回転し、その姿勢を変化する。搬送中に
テーブルの姿勢を変化させたい場合、回転装置を設ける
ことなく、テーブルの姿勢を変化させることができるの
で、案内装置全体の大型化、コストの増大を招くことが
ない。また、テーブルの移動とテーブルの回転とを同時
にすることができるので、移動と回転を別々に行う場合
に比べ作業時間を短縮することができ、さらなるコスト
ダウンにつながる。
【0010】また、本発明者は、案内装置のレールを少
なくとも所定の長さ分、螺旋状に形成すると共に螺旋状
の中心線の回りにねじり、ねじったレールに沿ってスラ
イド部材を移動することにより、スライド部材の姿勢を
変化させた。すなわち、本発明は、少なくとも所定の長
さ分が螺旋状に形成されると共に螺旋状の中心線の回り
にねじれるレール(23)と、このレール(23)に相
対運動自在に組み付けられたスライド部材(25)とを
備えることを特徴とする案内装置により、上述した課題
を解決した。ここで、レールを螺旋状に形成した場合、
レールの断面にはどのような形状を用いても良く、例え
ば円形、略矩形状、略H型等を用いることができる。
【0011】この発明によれば、スライド部材は、レー
ルに対してレールの螺旋状の中心線に沿って移動する
と、レールのねじれに沿って回転し、その姿勢を変化す
る。搬送中にテーブルの姿勢を変化させたい場合、回転
装置を設けることなく、スライド部材の姿勢を変化させ
ることができるので、案内装置全体の大型化、コストの
増大を招くことがない。
【0012】さらに、本発明は、前記レール(1)に
は、長手方向に沿って、前記レール(1)のねじれに合
わせてねじれている転動体転走面(4a,4b)が形成
され、前記スライド部材(2)には、この転動体転走面
(4a,4b)に対応する負荷転走面(5a,5b)を
含む転動体循環路が形成され、前記転動体循環路内に
は、前記レール(1)に対する前記スライド部材(2)
の相対運動に併せて循環する複数の転動体(6)が配列
・収容されることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、レールとスライド部材
との間に転がり運動する転動体を介在するので、レール
とスライド部材との間の摩擦力を低減し、スライド部材
をスムーズに移動することができる。この発明の案内装
置には、以下の2つのタイプの案内装置を用いることが
できる。一つ目は、スライド部材にレールのねじれに合
わせたねじれた負荷転走面を形成し、レールとスライド
部材とを転動体を介して組み、所定の与圧を付与する案
内装置。二つ目は、スライド部材に、直線案内装置のス
ライド部材と同様に直線状の負荷転走面を形成し、転動
体の周囲に僅かな遊びを持たせて、レールとスライド部
材とを組み、与圧を付与しない案内装置。すなわち、ス
ライド部材の負荷転走面は、転動体転走面に対応してね
じれていてもよいし、ねじれていなくてもよい。
【0014】また、本発明は、水平面に位置する前記レ
ール(1)の上側面および左右側面に前記転動体転走面
(4a,4b)を形成し、前記上側面側の接触角線(1
1)と左右側面側の接触角線(12)とを、水平線(1
3)に対して互いに逆方向に傾けたことを特徴とする。
ここで、接触角線(11,12)とは、転動体(6)と
前記転動体転走面(4a,4b)との接点(P)および
転動体(6)と負荷転走面(5a,5b)との接点
(Q)を結ぶ線をいう。
【0015】スライド部材が移動中にその姿勢を変化す
ると、スライド部材にはラジアル方向荷重、逆ラジアル
方向荷重、左右方向荷重、モーメント荷重が変化して加
わる。本発明によれば、上側面側の接触角線と左右側面
側の接触角線とを水平線に対して互いに逆方向に傾けて
いるので案内装置の各方向への剛性をバランス良く高め
ることができ、これらの荷重が変化してもテーブル等の
可動体を安定して案内することができる。
【0016】さらに、本発明は、ナット部材(26)
と、ナット部材(26)を貫通する軌道軸(27)と、
前記ナット部材(26)と前記軌道軸(27)との間に
設けられる案内装置(22)とを備え、該案内装置(2
2)は、少なくとも所定の長さ分が螺旋状に形成される
と共に螺旋状の中心線の回りにねじれ、前記ナット部材
(26)または前記軌道軸(27)のいずれか一方に取
り付けられるレール(23)と、前記レール(23)に
相対運動自在に組み付けられ、前記ナット部材(26)
または前記軌道軸(27)の他方に取り付けられるスラ
イド部材(25)とを有し、前記ナット部材(26)の
前記軌道軸(27)に対する相対的な回転に伴なって、
前記ナット部材(26)が前記軌道軸(27)の軸線方
向に相対的に移動することを特徴とするねじ装置によ
り、上述した課題を解決した。
【0017】この発明によれば、ナット部材の軌道軸に
対する相対的な回転に伴なって、スライド部材がレール
に沿って姿勢を変化させながら螺旋状に運動し、前記ナ
ット部材が前記軌道軸の軸線方向に移動する。したがっ
て、ナット部材と軌道軸とに従来のボールねじと同様な
動作を行わせることができ、しかも従来のボールねじで
は製造できなかった大径、大リードあるいは微細リード
のねじ装置が実現できる。また、ナット部材と軌道軸と
の間には、案内装置が介在されているので、この案内装
置を交換することにより簡単にねじ装置の保守ができ
る。さらに、特殊加工がレールのみなので、低コストの
ねじ装置が得られる。また、レールを継ぐことでねじ装
置のストロークも長くすることができる。
【0018】また、本発明は、細長く延びるレール
(1)に転動体転走面(4a,4b)を形成し、このレ
ール(1)に転動体(6)を介してスライド部材(2)
を相対運動自在に組み付ける案内装置の製造方法におい
て、前記レール(1)の長手方向に沿って直線的に延び
る転動体転走面(4a,4b)を形成する工程と、前記
レール(1)を少なくとも所定の長さ分、中心線の回り
にねじる工程とを備えることを特徴とする案内装置の製
造方法により、上述した課題を解決した。
【0019】この発明によれば、中心線の回りにねじれ
たレールおよびレールに合わせてねじれた転動体転走面
を容易に製造することができる。また、レールがねじれ
ているので、スライド部材は、レールに対してレールの
中心線方向に相対的に移動すると、レールのねじれに沿
って回転し、その姿勢を変化する。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
における案内装置を示す。この案内装置は、ベッドまた
はサドル等の固定部上でテーブル等の可動体を案内する
もので、固定部上にこま3を介して配設され、細長く延
びるレール1と、このレール1に相対運動自在に組み付
けられたスライド部材としての移動ブロック2とを備え
る。固定部上にはレール取付用のこま3が点在され、レ
ール1がこのこま3に固定されている。
【0021】レール1は、断面略矩形状をなし、その中
心線の回りにねじれている。レール1には、長手方向に
沿って、レール1のねじれに合わせてねじれている転動
体転走面としてのボール転走溝4a,4bが形成され
る。ボール転走溝4a,4bは、転動体としてのボール
が転がる際の軌道になる。このボール転走溝4a,4b
は、レール1に対して移動ブロック2が上方に位置する
とき(図中aの位置)の、レール1の左右両側面に一条
ずつ、および上面の左右の縁に寄せて二条、合計四条形
成される。ボール転走溝4a,4bの条数は、案内装置
の用途等に応じて種々変更され得る。ボール転走溝4
a,4bの断面形状は、1つの断面円弧からなるいわゆ
るサーキュラーアーク溝に形成され(図3参照)、ボー
ルとボール転走溝4a,4bとはボール転走溝4a,4
bの底近傍の1点で接触する。レール1には、こま3に
取り付けるためのねじ穴が形成される。
【0022】レール1の製造方法について説明する。ま
ず、レール1の長手方向に沿って直線的に延びるボール
転走溝4a,4bを切削加工または研削加工で形成す
る。次に、レール1をその中心線の回りにねじる。これ
により、レール1に長手方向に沿って、レールのねじれ
に合わせてねじれているボール転走溝4a,4bが形成
される。
【0023】図2および図3は、レール1の一部分およ
びこのレール1に組み付けられた移動ブロック2を示
す。移動ブロック2には、レール1のボール転走溝4
a,4bに対応する負荷転走面としての負荷転走溝5
a,5bを含むボール循環路(転動体循環路)が形成さ
れる。ボール循環路内にはレール1に対する移動ブロッ
ク2の相対運動に併せて循環する複数のボール6が配列
・収容される。
【0024】移動ブロック2は、ブロック本体7とその
両端に配置され、方向転換路を形成する一対の側蓋8と
をボルトで相互に組み合わせて概略構成される。また、
移動ブロック2の両端には、移動ブロック2内を防塵す
る防塵プレート16が取付けられる。
【0025】ブロック本体7は、レール1の上面と対向
する水平部7aと、レール1の左右側面と対向する一対
の支持脚部7bとを備えた断面コ字形状のブロック体で
ある。水平部7aにはレール1上面の2条のボール転走
溝4aそれぞれに対向する2条の負荷転走溝5aが形成
され、両支持脚部7bには、レール1側面のボール転走
溝4bに対向する負荷転走溝5bが形成されている。こ
のボール転走溝4a,4bと負荷転走溝5a,5bとの
組み合わせにより、負荷転走路Aが形成される。
【0026】負荷転走溝5a,5bは、ボール転走溝4
a,4bに対応してねじれていてもよいし、ねじれてい
なくてもよい。負荷転走溝5a,5bをボール転走溝4
a,4bに対応してねじる場合、レール1と移動ブロッ
ク2とをボール6を介して組み込み、案内装置に所定の
与圧を付与する。一方、負荷転走溝5a,5bをねじる
ことなく直線状に形成した場合、ボールの周囲に僅かな
遊びを持たせて、レール1と移動ブロックとを組み、案
内装置に与圧を付与しない。
【0027】水平部7aには、負荷転走溝5aと平行に
延びる2つの貫通孔が形成され、それらの貫通孔には型
成形体の管状部9aが一体に成形されている。そして、
管状部9aの内部に、ボール6を戻す戻し通路Bが形成
されている。また、両支持脚部7bには、負荷転走溝5
bと平行に延びる2つの貫通孔が形成され、それらの貫
通孔には型成形体の管状部9aが一体に成形されてい
る。そして、管状部9aの内部に、ボール6を戻す戻し
通路Bが形成されている。型成形体9bは、ブロック本
体7の水平部7a下面および左右支持脚部7bの内側面
全体にブロック本体7と一体に成形されている。型成形
体9a,9bは、ブロック本体7が設置された金型内に
溶融樹脂を射出する、いわゆるインサート成形法により
ブロック本体7と一体に成形されている。この型成形体
9bには、移動ブロック2がレール1から抜き取られた
際の負荷転走路Aからのボール6の脱落を防止するよう
にボール保持部10が形成されている。ブロック本体7
は、その上面に本案内装置による案内対象を固定するた
めのねじ穴が形成される。なお、ブロック本体7及び型
成形体9a,9bを共にMIM(Metal Inje
ction Mold)により一体成形してもよい。
【0028】レール1の上面側の接触角線11と左右側
面側の接触角線12とは、水平線13に対して互いに逆
方向に傾けられている。この実施形態では、接触角線1
1と水平線13のなす角αおよび接触角線12と水平線
13のなす角βは鋭角の例えば45°に設定される。こ
こで、接触角線11,12とは、ボール6とボール転走
溝4a,4bの接点Pおよびボール6と負荷転走溝5
a,5bの接点Qを結ぶ線をいう。上面側の接触角線1
1と左右側面側の接触角線12とを水平線13に対して
互いに逆方向に傾けることにより、案内装置の剛性は、
移動ブロックに加わるあらゆる方向への荷重、例えばラ
ジアル方向荷重、逆ラジアル方向荷重、左右方向荷重に
対してバランス良く高まる。なお、スライド部材に加わ
る荷重に応じてαを略90°βを略45°に設定しても
良い。この場合、案内装置はラジアル荷重に対する剛性
が高まる。
【0029】また、ボール転走溝4a,4bおよび負荷
転走溝5a,5bを断面が2つの円弧からなるいわゆる
ゴシックアーチ溝に形成してもよい。この場合ボール6
とボール転走溝4a,4bおよび負荷転走溝5a,5b
は、それぞれ2点で接触するので高剛性の案内装置が得
られる。
【0030】型成形体9aには、方向転換路Cを形成す
るためにブロック本体7の両端からアーチ状に内周案内
部14が突出されている(図5参照)。一方、側蓋8に
は、内周案内部14と共に方向転換路Cを構成する外周
案内部8aが形成されている。側蓋8をブロック本体7
に取り付けると、内周案内部14と外周案内部8aとが
組み合わされて、それらの間に方向転換路Cが形成され
る。そして、上述の負荷転走路A、方向転換路C、戻し
通路Bとの組み合わせによって無限循環路が構成され
る。
【0031】図4は、案内装置に組み込まれるボール6
およびこのボール6を回転摺動自在に保持する保持器1
5を示す。この保持器15は、ボール6の一つ置きに配
置される間座15aと、この間座15aを一連に連結す
る帯状の薄肉屈曲部材15bとで構成される。間座15
aは略円筒状に形成され、その外径はボール6の直径よ
りも小さく設定される。間座15aの両端面にはボール
6に対応して該ボール6の半径と略等しい曲率半径の球
面凹部が形成されており、ボール6はこの球面凹部に部
分的に入り込むことで保持される。間座15aをボール
6の間に配置すると、間座15aの軸線はボール6の中
心を結ぶ線上に位置する。薄肉屈曲部材15bは、厚み
が一定であり、間座15aの側面に接続される。薄肉屈
曲部材15bのボール6との干渉位置には、ボール6の
半径と略等しい曲率半径を有する切り込み16が形成さ
れている。間座15a及び薄肉屈曲部材15bは合成樹
脂等を素材とし、射出成形等によって一体に形成され
る。
【0032】図5は、移動ブロック2の長手方向の断面
を示す。移動ブロック2がレール1に沿って移動するの
に伴って、ボール6は、移動ブロック2からの負荷を受
けつつ負荷転走路Aを転がり運動する。負荷転走路Aの
端まで転がると、ボール6は側蓋8に形成された掬い上
げ部によって掬い上げられる。そして、ボール6は、方
向転換路C内に導かれ、円弧状の方向転換路Cに沿って
移動し、戻し通路Bへ導かれ、さらに反対側の方向転換
路Cを経由して負荷転走路Aに戻される。
【0033】図6は、レール取付用のこま3を示す。図
1に示すように、こま3は固定部上に点在して複数設け
られる。レール1が中心線の回りにねじれているので、
複数のこま3は、ねじれたレール1を支持できるように
レール取付面3aが傾いている。すなわち、レール取付
面3aは、略水平面内に位置する状態(図中(a))か
ら垂直面内に位置する状態(図中(e))まで徐々に傾
いている。移動ブロック2の上面と水平面とのなす角θ
は、図中(a)⇒(b)⇒(c)⇒(d)⇒(e)に向
かうに従い0°⇒θ1⇒θ2⇒θ3⇒θ4(約90°)
と徐々に変化する。このように、移動ブロック2がレー
ル1に対してレール1の中心線方向に相対的に移動する
と、移動ブロック2は、レール1のねじれに沿って回転
し、その姿勢を変化する。この結果、移動ブロック2に
固定されたテーブルの姿勢も変化する。したがって、回
転装置を設けることなく、テーブルの姿勢を変化させる
ことができる。また、移動ブロック2は移動中に回転す
るので、移動と回転を別々に行う場合に比べ作業時間を
短縮することができる。
【0034】図7は、本発明の第2の実施形態における
案内装置を示したものである。この例では、ボール6を
回転・摺動自在に保持する保持器が設けられていない点
が上記第1の実施形態の案内装置と相違し、ボール6が
隣接するボール6と接触する。他の構成は、上記第1の
実施形態の案内装置と同様な構成なので、同一の符号を
附してその説明を省略する。
【0035】図8および図9は、本発明の第3の実施形
態における案内装置を示したものである。この案内装置
は、レール21の中央部を薄肉構造とし、レール21の
断面を略H型に形成している点が上記第1の実施形態の
案内装置と相違する。レール21の中央部を薄肉構造に
すると、例えばレール21を二軸設けた案内装置の場
合、レール21の二軸間の平行度が悪くてもレール21
が変形して誤差を吸収するので、案内対象の円滑な動き
が得られる。
【0036】上記第1ないし第3の実施形態において、
レール1,21をその中心線の回りにねじるのみの場
合、レールの断面は、円形を除くものであれば、略矩形
状、略H型等種々に設定することができる。
【0037】上記各実施形態においては、レール1,2
1を固定してレール1,21に対して移動ブロック2を
稼動しているが、移動ブロック2を固定して移動ブロッ
ク2に対してレール1,21を稼動しても良い。この場
合、レール1,21が移動ブロック2に対してレール
1,21の中心線方向に移動すると、レール1,21が
回転し、その姿勢を変化する。
【0038】図11および図12は、本発明の第4の実
施形態における案内装置22およびこの案内装置22を
組み込んだねじ装置23を示す。この案内装置22は、
レール23を円筒面内に位置するように螺旋状に形成
し、このレール23に相対運動自在に移動ブロック25
を組み付けている。レール23は、螺旋状に形成される
と共に螺旋状の中心線の回りにねじれている。また、移
動ブロック25の構成は、上記第1の実施形態の案内装
置の移動ブロック2の構成と同じである。
【0039】ねじ装置23は、円筒状のナット部材26
と、このナット部材26を貫通する軌道軸27と、前記
ナット部材26と前記軌道軸27との間に設けられる複
数の例えば4個の案内装置22とを備える。そして、案
内装置22のレール23が軌道軸に取り付けられ、移動
ブロック25がナット部材26に取り付けられる。
【0040】ナット部材26の軌道軸27に対する相対
的な回転に伴なって、移動ブロック25がレール23に
沿って螺旋状に運動し、ナット部材26が軌道軸27の
軸線方向に移動する。このねじ装置23によれば、ナッ
ト部材26および軌道軸27とに従来のボールねじのナ
ットおよびねじ軸と同様な動作を行わせることができ、
しかも従来のボールねじでは製造できなかった大径、大
リードあるいは微細リードが実現できる。また、ナット
部材26と軌道軸27との間には、案内装置22が介在
されているので、この案内装置22を交換することによ
り簡単にねじ装置の保守ができる。さらに、特殊加工が
レール23のみなので、低コストのねじ装置が得られ
る。さらに、レール23を継ぐのみでねじ装置のストロ
ークも長くすることができる。
【0041】図12は、ねじ装置の他の例を示す。この
ねじ装置は、案内装置22のレール23がナット部材2
6に取り付けられ、移動ブロック25が軌道軸27に取
り付けられる点で上記ねじ装置と相違する。このよう
に、レール23および移動ブロック25は、ナット部材
26側に取り付けられても良いし、軌道軸27側に取り
付けられても良い。
【0042】図13は、このねじ装置の応用例を示す。
図中(a)は、一定のリードを有するねじ装置31とリ
ードが0のねじ装置32とを組み合わせている。軌道軸
33には2種類のナット部材34,35が遊嵌され、ナ
ット部材34と軌道軸33との間には上述のレールを螺
旋状にねじった案内装置36が介在され、ナット部材3
5と軌道軸33との間にはレールを円環状に形成した案
内装置37が介在される。例えば、ナット部材35を固
定し、軌道軸33をナット部材34に対して相対的に回
転すると、ナット部材34が軌道軸33の軸線方向に移
動する。
【0043】図中(b)は、一定のリードを有するねじ
装置41と、このねじ装置41と逆ねじとなるねじ装置
42とを組み合わせている。軌道軸33には2種類のナ
ット部材38,39が遊嵌され、ナット部材38と軌道
軸33との間には上述のレールを螺旋状にねじった案内
装置36が介在され、ナット部材39と軌道軸33との
間にはレールを逆方向に螺旋状にねじった案内装置40
が介在される。例えば、軌道軸33をナット部材38,
39に対して相対的に回転すると、ナット部材38,3
9が反対方向に移動する。
【0044】図中(c)は、一定のリードを有するねじ
装置43と、このねじ装置43のリードと異なるリード
を有するねじ装置44とを組み合わせている。軌道軸3
3には2種類のナット部材45,46が遊嵌され、ナッ
ト部材45と軌道軸33との間には上述のレールを螺旋
状にねじった案内装置36が介在され、ナット部材46
と軌道軸33との間にはレールを前記レールのリードと
は異なったリードで螺旋状にねじった案内装置47が介
在される。例えば、軌道軸33をナット部材45,46
に対して相対的に回転すると、ナット部材45,46が
軌道軸33の軸線方向にそれぞれ異なる量移動する。
【0045】図中(d)は、一定のリードを有するねじ
装置48と、直線案内装置52とを組み合わせている。
軌道軸33には2種類のナット部材50,51が遊嵌さ
れ、ナット部材50と軌道軸33との間には上述のレー
ルを螺旋状にねじった案内装置36が介在され、ナット
部材51と軌道軸33との間にはレールを軌道軸に沿っ
て直線状に延ばした直線案内装置52が介在される。例
えば、ナット部材51を固定し、ナット部材50を軌道
軸33に対して相対的に回転すると、軌道軸33がその
軸線方向に移動する。
【0046】レールを螺旋状に形成されると共に螺旋状
の中心線の回りにねじった場合、レールの断面には、円
形、略矩形状、略H型等種々の形状を用いることができ
る。すなわち、第4の実施形態の案内装置は、レールと
しての略円柱状のスプライン軸と、そのスプライン軸に
多数のボールを介して移動自在に取付けられた移動ブロ
ックとしての円筒状の外筒とを有しているボールスプラ
イン装置から構成されてもよい。
【0047】また、上記第1ないし第4の実施形態にお
いて、転動体としてボール6が使用されているが、ロー
ラの適用ももちろん可能である。
【0048】また、上述した各実施例におけるレールは
全長にわたってねじれるように形成されているが、レー
ルを所定長さ分だけねじれるように構成してもよい。す
なわち、直線状のレールの一端側にねじれを生じさせた
り、両端側、又は中央部分にねじれを生じさせたりして
もよいし、各々複数の直線状部分とねじれ部分とをレー
ルの端から適宜の順で設ける構成としてもよい。このよ
うに構成すると、スライド部材は、姿勢変化、元の姿勢
への復元を適宜行うこととなり、多岐の用途に適用可能
となる。
【0049】また、上述の各実施例では、スライド部材
に転動体循環路が形成され、転動体としてのボール又は
ローラが該転動体循環路を循環するが、否循環方式とし
ても良い。すなわち、スライド部材には、転動体循環路
に代えて、レールの転動体転走面に対応する転動体転走
面のみを形成し、レールに対するスライド部材の相対移
動に伴ってこの両転動体転走面間で転動体が転走する構
成である。この場合、各転動体を回転自在に一列に並べ
て保持する保持器を、レールとスライド部材間に設ける
ことが好ましい。更に、かかる否循環方式の場合、レー
ル及びスライド部材は共に、鋼板を曲げ加工してなるも
のとする場合が多い。
【0050】更に、上記各実施例では、レールとスライ
ダとの間にボール又はローラからなる転動体を介装して
いるが、この他、スライダに車輪を設けてこの車輪がレ
ールに沿って転がる構成とすることも出来るし、転動体
や車輪を介さない、つまり、レールに沿ってスライダが
摺動する構成とすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
案内装置を、中心線の回りにねじれたレールと、このレ
ールに相対運動自在に組みつけられたスライド部材とで
構成したので、スライド部材がレールに対してレールの
中心線方向に移動すると、スライド部材は、レールのね
じれに沿って回転し、その姿勢を変化する。搬送中にテ
ーブルの姿勢を変化させたい場合、回転装置を設けるこ
となく、テーブルの姿勢を変化させることができるの
で、案内装置全体の大型化、コストの増大を招くことが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の案内装置を示す斜視
図。
【図2】上記案内装置の移動ブロックおよびレールの一
部分を示す拡大斜視図(移動ブロックの一部断面を含
む)。
【図3】上記案内装置のレール軸方向に対して直交する
方向の断面図。
【図4】ボールおよび保持器を示す斜視図。
【図5】上記案内装置のレール軸方向の断面図。
【図6】上記案内装置および複数のこまを示す断面図
(図中(a)〜(e)は、図1のa〜eのこまに対応し
ている)。
【図7】本発明の第2の実施形態の案内装置の拡大斜視
図(移動ブロックの一部断面を含む)。
【図8】本発明の第3の実施形態の案内装置の拡大斜視
図(移動ブロックの一部断面を含む)。
【図9】上記第3の実施形態の案内装置のレール軸方向
に対して直交する方向の断面図。
【図10】本発明の第3の実施形態の案内装置を組み込
んだねじ装置の、レール軸方向に対して直交する方向の
断面図。
【図11】上記ねじ装置を示す側面図。
【図12】他のねじ装置を示す断面図。
【図13】ねじ装置の応用例を示す図。
【符号の説明】
1,23 レール 2,25 移動ブロック(スライド部材) 4a,4b ボール転走溝(転動体転走面) 5a,5b 負荷転走溝(負荷転走面) 6 ボール(転動体) 11,12 接触角線 13 水平線 22 案内装置 26 ナット部材 27 軌道軸 P,Q 接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木本 政志 東京都品川区西五反田3丁目11番6号 テ イエチケー株式会社内 Fターム(参考) 3J104 AA02 AA43 AA57 BA36 DA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも所定の長さ分が中心線の回り
    にねじれたレール(断面円形を除く)と、このレールに
    相対運動自在に組み付けられたスライド部材とを備える
    ことを特徴とする案内装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも所定の長さ分が螺旋状に形成
    されると共に螺旋状の中心線の回りにねじれるレール
    と、このレールに相対運動自在に組み付けられたスライ
    ド部材とを備えることを特徴とする案内装置。
  3. 【請求項3】 前記レールには、長手方向に沿って、前
    記レールのねじれに合わせてねじれている転動体転走面
    が形成され、 前記スライド部材には、この転動体転走面に対応する負
    荷転走面を含む転動体循環路が形成され、前記転動体循
    環路内には、前記レールに対する前記スライド部材の相
    対運動に 併せて循環する複数の転動体が配列・収容されることを
    特徴とする請求項1または2に記載の案内装置。
  4. 【請求項4】 前記レールに対して前記スライド部材が
    上方に位置するときの、前記レールの上面および左右側
    面に前記転動体転走面を形成し、 上面側の接触角線と左右側面側の接触角線とを、水平線
    に対して互いに逆方向に傾けたことを特徴とする請求項
    3に記載の案内装置。
  5. 【請求項5】 ナット部材と、ナット部材を貫通する軌
    道軸と、前記ナット部材と前記軌道軸との間に設けられ
    る案内装置とを備え、 該案内装置は、少なくとも所定の長さ分が螺旋状に形成
    されると共に螺旋状の中心線の回りにねじれ、前記ナッ
    ト部材または前記軌道軸のいずれか一方に取り付けられ
    るレールと、前記レールに相対運動自在に組み付けら
    れ、前記ナット部材または前記軌道軸の他方に取り付け
    られるスライド部材とを有し、 前記ナット部材の前記軌道軸に対する相対的な回転に伴
    なって、前記ナット部材が前記軌道軸の軸線方向に相対
    的に移動することを特徴とするねじ装置。
  6. 【請求項6】 レールに転動体転走面を形成し、このレ
    ールに転動体を介してスライド部材を相対運動自在に組
    み付ける案内装置の製造方法において、 前記レールの長手方向に沿って直線的に延びる転動体転
    走面を形成する工程と、前記レールを少なくとも所定の
    長さ分、中心線の回りにねじる工程とを備えることを特
    徴とする案内装置の製造方法。
JP2000027335A 2000-01-31 2000-01-31 案内装置および案内装置の製造方法並びに案内装置を用いたねじ装置 Withdrawn JP2001214933A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008225482A (ja) * 2008-03-26 2008-09-25 Sanyo Electric Co Ltd レンズ移動機構及び液晶プロジェクタ

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