JP2001214540A - 木ダボ接合構造 - Google Patents
木ダボ接合構造Info
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Abstract
材とダボ孔間に作用する剪断応力をダボ孔全体にわたっ
てより一層均一に分散させることで木材同士の接合強度
を高め得る木ダボ接合構造及び木ダボ接合用接着剤を提
供する。 【解決手段】 第1木材2と第2木材3との接合部4に
相互に連通可能なダボ孔2a,3aをそれぞれ形成し、
両ダボ孔2a,3aにわたって遊嵌状にダボ材5を装着
し、ダボ孔2a,3a の内面とダボ材5間の隙間に、
木材2,3とダボ材5とを接合する接着剤層であって、
剪断強度が木材の剪断強度と略同等或いはそれ以上で且
つ剪断剛性が40N/mm3以下の接着層を形成可能な
接着剤層6を設け、ダボ孔2a,3aとダボ材5間の隙
間を、ダボ孔2a,3aの奧部よりも開口部付近の方が
広くなるように設定した。
Description
合するのに好適に利用可能な木ダボ接合構造及び木ダボ
接合用接着剤に関する。
えば木製家具においては木ダボと接着剤とを併用した接
合構造が広く採用されている。この種の接合構造では、
第1木材と第2木材との接合部にダボ孔を形成し、この
ダボ孔内面又はダボ材に接着剤を塗布した状態で、ダボ
孔にダボ材を圧入状に装着して、両木材を接合するよう
に構成されている。
木材の接合構造の強度アップについての研究を行うなか
で、前述のようにダボ孔に対してダボ材を圧入状に装着
した接合構造においては、両木材に引っ張り力を作用さ
せて破壊試験を行ったときに、木材のうちのダボ孔の開
口部付近が破断していることを見いだした。そして、そ
の原因について鋭意検討した結果、ダボ材とダボ孔とが
略隙間なく結合されることから、ダボ材とダボ孔間に作
用する剪断応力がダボ孔の開口部付近に集中し、これに
より木材の開口部付近が破断しているとの結論を得た。
そして、このような現象を防止するために、ダボ材をダ
ボ孔に対して遊嵌状に装着し、その間に軟質な接着剤層
を形成することで、ダボ材に作用する荷重をダボ孔全体
に分散させて受け止め、局部的に剪断応力が高くなるこ
とを防止できるとの発想に基づいて、更に種々の試験を
行って具体的接合構造への適用を検証し、木材学会誌に
おいて論文発表した(木材学会誌Vol.44,No
1,p.41−48(1998)(一般論文)、木材学
会誌Vol.45,No1,p.17−24(199
9)(一般論文)、木材学会誌Vol.45,No3,
p.230−236(1999)(一般論文))。
の種類や接着層の厚さを適正に設定することで、ダボ接
合部分における引張強度や曲げ強度を格段に向上でき、
しかも接着層の剪断応力τとダボ接合部分の引抜強度P
maxを、図12(a)(b)に示すダボ引き抜きモデル
において、下記理論式1,2により推定できることを検
証した。
層を構成することから、接着層の剪断弾性係数を接着剤
層の剪断弾性係数として扱えない。そこで、剪断弾性係
数の代わりに剪断剛性Γを用い、剪断歪みの代わりに木
材とダボ材の相対変位δを用いることで、剪断応力τを
τ=Γ×δの式で求めている。
の木ダボ接合構造は、木材の引抜強度や曲げ強度等を前
記理論式に基づいて求めることが可能なので、建築物等
を要求強度に正確に設計することが可能となること、金
具を用いて結合する場合と比較して結露などによる湿分
による金具自体の錆や木材の腐敗がないので耐環境性に
優れていること、リサイクルが容易で環境に優しいこと
などの優れた利点を有している。
接着剤としては、ダボ孔全体に剪断応力が一様に作用す
るように構成するため、剪断剛性がダボ孔入り口から深
さ方向に対して低下の少ないものを選定することが好ま
しく、また接着層の剪断破壊を防止するため、少なくと
も木材と同等の剪断強度を有するものを選定することが
好ましいが、通常剪断剛性の低い接着剤は剪断強度も低
くなることから、剪断剛性を低くし過ぎると十分な剪断
強度が得られず実用に耐えないものになる。現在、最も
好適であると考えられている接着剤は、ポリウレタン系
接着剤である。このポリウレタン系接着剤(剪断剛性:
Γ=10N/mm3)は、図13に示すように、引張強
度P=10kNの場合、レゾルシノール系接着剤(剪断
剛性:Γ=40N/mm3)を使用した場合と比較し
て、ダボ孔の開口部付近においても、ダボ材とダボ孔間
に作用する剪断応力が木材の剪断強度より小さくなるこ
とから、ダボ孔開口部における応力集中がかなり緩和さ
れていることが判るが、剪断応力がダボ孔の開口部側ほ
ど高くなる傾向は依然示しており、更なる改善の余地が
残っている。尚、木材の剪断強度は、木材の剪断破断時
の剪断応力を示すものである。
大でき、しかもダボ材とダボ孔間に作用する剪断応力を
ダボ孔全体にわたってより一層均一に分散させることで
木材同士の接合強度を高め得る木ダボ接合構造及び木ダ
ボ接合用接着剤を提供することである。
は、接着層の厚さを大きくすることで接着層の剪断変位
を大きく設定して、ダボ孔に対して作用する剪断応力を
調整できることに着目し、ダボ孔のうちの大きな剪断応
力が作用する部位側へ向けて連続的或いは段階的に接着
層の厚さを厚く設定することで、ダボ孔内面に作用する
剪断応力をダボ孔全体に均一に分散できるとの発想を得
て、本発明を発明するに至った。
と第2木材との接合部に相互に連通可能なダボ孔をそれ
ぞれ形成し、前記両ダボ孔にわたって遊嵌状にダボ材を
装着し、前記ダボ孔内面とダボ材間の隙間に、木材とダ
ボ材とを接合する接着剤層であって、剪断強度が木材の
剪断強度と略同等或いはそれ以上で且つ剪断剛性が40
N/mm3以下の接着層を形成可能な接着剤層を設け、
前記ダボ孔とダボ材間の隙間を、ダボ孔の奧部よりも開
口部付近の方が広くなるように設定したものである。
尚、接着層とは、接着剤層と、接着剤が浸透したダボ材
の外面層及びダボ孔の内面層とを含むものである。
剪断剛性が40N/mm3以下に設定されているので、
ダボ材に作用する引抜方向への外力をダボ孔の内面全体
に略一様に分散させて受け止めることが可能となる。ま
た、このような剪断剛性の低い接着層においても、ダボ
孔に作用する剪断応力は開口部付近において高くなる傾
向を示すが、ダボ孔とダボ材間の隙間を、ダボ孔の奧部
よりも開口部付近の方が広くなるように設定しているの
で、開口部付近における接着層の剪断変位を大きく設定
して、ダボ孔内面に作用する剪断応力を小さくでき、ダ
ボ孔全体に対してより均一に剪断応力を作用させること
が可能となる。
3.0mmに設定することが好ましい。ダボ孔とダボ材
間の隙間が0.1mm未満の場合には、接着層の剪断変
位を十分に確保できず、剪断剛性が大きく、ダボ孔の入
り口付近での応力集中が起こるので引抜強度が小さくな
り、また3.0mmを越える場合には、接着層の剪断変
位は十分に確保できるが、接着剤の硬化収縮や混入エア
等による欠膠が生じ易い他に、接着剤が湿気硬化タイプ
である場合には、水分の供給が不足して樹脂の硬化が遅
れたり、硬化に伴う発泡による欠膠が問題になるので、
0.1〜3.0mmに設定することが好ましい。
口部側へ行くにしたがって段階的或いは連続的に広くな
るように設定することが好ましい。この場合には、ダボ
孔に作用する剪断応力が一様になるように、ダボ孔とダ
ボ材間の隙間をより一層きめ細かく調整することが可能
となる。
積を増大させるための凹凸部を形成してもよい。ダボ材
はダボ孔よりも小径であることから、ダボ材に対する接
着剤層の接着強度は、ダボ孔に対する接着剤層の接着強
度よりも多少低くなる傾向があるので、これを防止する
ためダボ材の表面に凹凸部を形成してダボ材に対する接
着剤層の接着強度を高めることが好ましい。
置に装着されると、接着層を介してダボ孔内面に作用す
る剪断応力が部位によって変動するので、これを防止す
るため、前記ダボ材の端部又はダボ孔の奧部にダボ材を
ダボ孔の中央部に位置決めするための嵌合突部を形成し
たり、前記接着剤層にダボ材をダボ孔の中央部に位置決
めするためのビーズを設けることが好ましい。
断強度が木材の剪断強度と略同等或いはそれ以上で且つ
剪断剛性が40N/mm3以下の接着層を形成可能なも
のであれば任意に選択でき、例えばポリウレタン系接着
剤を好適に利用できる。また、前記ポリウレタン系接着
剤を用いる場合には、イソシアネート基の割合は接着剤
全量中において9.5〜3.0重量%に設定することが
好ましい。イソシアネート基は水と反応してポリウレタ
ン系接着剤の剛性を高める作用をするが、イソシアネー
ト基の割合が3.0重量%未満の場合には、接着層の剛
性が十分に得られず、9.5重量%を越える場合には、
経年変化により剛性が徐々に高くなって、ダボ材の引抜
強度が低くなるので、9.5〜3.0重量%に設定する
ことが好ましい。
に形成したダボ孔と、このダボ孔に遊嵌状に装着される
ダボ材間に、木材とダボ材とを接合するために充填され
る接着剤であって、イソシアネート基の割合が接着剤全
量中において9.5〜3.0重量%に設定されたポリウ
レタン系接着剤からなるものである。
く、剪断強度が木材と同程度の接着層を形成できるの
で、前述のような木ダボ接合構造に好適に利用できる。
また、イソシアネート基の割合を接着剤全量中において
9.5〜3.0重量%に設定しているので、経年変化に
より接着層の剛性が高くなって、ダボ材の引抜強度が低
下することを防止できる。
て図面を参照しながら説明する。図1、図2に示すよう
に、木ダボ接合構造1は、第1木材2と第2木材3との
接合部4に相互に連通可能にそれぞれ設けたダボ孔2
a,3aと、両ダボ孔2a,3aにわたって遊嵌状に装
着したダボ材5と、ダボ孔2a,3aの内面とダボ材5
間の隙間に、木材2,3とダボ材5とを接合する接着剤
層であって、剪断強度が木材2,3の剪断強度と略同等
或いはそれ以上で且つ剪断剛性が40N/mm3以下の
接着層を形成可能な接着剤層6とを備えたものである。
つがなどの各種品種の木材を製材したものや、薄肉単板
を複数枚重ね合わせて接着してなる集成材などを好適に
利用できる。
に採用できるが、ヤング率が15GPa以上で、高比
重、通直繊維で道管径の小さい繊維の均一な木材を利用
することが好ましい。例えばイタヤカエデ、ハードメー
プル、ウダイカンバ、ブナ、イスノキ、黒檀などを採用
すると、ダボ孔2a,3aを長くしたときにおける、ダ
ボ材5の引張強度の飽和傾向を改善できるので好まし
い。また、圧密化した木材を使用してもよい。ダボ材5
は、円柱状のものを使用することが好ましいが、角柱状
や楕円柱状の棒材を用いることも可能である。また、ダ
ボ材5の直径や本数、埋込深さは、木材2,3の接合部
4に作用する荷重に応じて適宜に設定可能である。
間Tが0.1〜3.0mmになるように、ダボ材5に適
合するサイズに構成されている。ダボ孔2a,3aとダ
ボ材5間の隙間Tが0.1mm未満の場合には、接着層
の剪断変位を十分に確保できず引抜強度が小さくなり、
また3.0mmを越える場合には、接着層の剪断変位は
十分に確保できるが、接着剤の硬化収縮や混入エア等に
よる欠膠が生じ易い他に、接着剤が湿気硬化タイプであ
る場合、水分の供給が不足して樹脂の硬化が遅れたり、
硬化に伴う発泡による欠膠が問題になるので、0.1〜
3.0mmに設定することが好ましい。また、ダボ孔2
a,3aは、木材の繊維方向に形成してもよいし、繊維
直交方向に形成してもよいし、木材の繊維方向に対して
斜めに荷重が作用する場合には、荷重の作用する方向に
ダボ孔2a,3aを形成することが好ましい。また、木
ダボ接合する場合には、木材の繊維の方向性の影響を少
なくすることができる。
強度が木材2,3の剪断強度と略同等或いはそれ以上で
且つ剪断剛性が40N/mm3以下、好ましくは30N
/mm3以下の接着層を形成可能なものであれば、任意
の素材からなる接着剤を採用することが可能である。つ
まり、接着層の剪断剛性が、40N/mm3を越える場
合には、接合部4に対して大きな引張荷重が作用したと
きに、この荷重をダボ孔2a,3a内面に十分に分散さ
せることができず、ダボ孔2a,3aの開口部付近にお
いて剪断応力が大きくなるので、40N/mm3以下に
設定することが好ましい。具体的には、エポキシ系接着
剤、フェノール系接着剤、レゾルシノール系接着剤、ポ
リウレタン系接着剤などを採用できるが、ポリウレタン
系接着剤は、剪断剛性が10.0〜20.0N/mm3
程度に調製することができることから好適に利用でき
る。
剤を用いる場合には、イソシアネート基の割合を接着剤
全量中において9.5〜3.0重量%、より好ましくは
8.8〜5.0重量%に設定することが好ましい。つま
り、表1に示すように、イソシアネート基の割合が3.
0重量%未満の場合には、接着剤層6の剛性が十分に得
られず、9.5重量%を越える場合には、経年変化によ
り剛性が徐々に高くなって、引抜強度が低くなるので、
9.5〜3.0重量%に設定することが好ましい。但
し、このような特性の接着剤は、ダボ材5とダボ孔2
a,3a間の隙間Tがダボ孔2a,3aの全長にわたっ
て一様な木ダボ接合構造に対しても適用できる。
で、ダボ材5に作用する引張荷重をダボ孔2a,3a全
体にかなり一様に分散させることが可能となり、ダボ孔
2a,3aの開口部付近における木材2,3の破損を防
止できることになる。ここで、本発明の特徴とするとこ
ろは、このようなダボ材5に作用する引張荷重をより一
層均一にダボ孔2a,3aに分散させるため、ダボ材5
とダボ孔2a,3a間の隙間Tをダボ孔2a,3aの開
口部側(両木材2,3の接合面側)に接近するにしたが
って広くなるように設定した点にある。
a,3aの内径をその全長にわたって略一様に設定する
とともに、ダボ材5をダボ孔2a,3aの開口部側(ダ
ボ材5の長手方向の略中央部側)に接近するにしたがっ
て連続的に小径に構成することになる。ダボ材5の縮径
の度合いは一様に設定してもよいし、ダボ材5の長手方
向の部位によって変更してもよい。つまり、ダボ孔2
a,3aに作用する剪断応力は、図13に示すように、
ダボ孔の開口部付近において高くなるので、ダボ孔2
a,3aに作用する剪断応力が一様になるように、ダボ
材5の縮径の度合いをダボ孔2a,3aの開口部側に接
近するにしたがって大きくなるように設定してもよい。
うに、ダボ孔2a,3aをその全長にわたって一様に設
定するとともに、ダボ材としてダボ孔2a,3aの開口
部側に接近するにしたがって段階的に小径に構成したダ
ボ材5Aを用いてもよい。ダボ材5Aでは片側2段階に
ダボ材5Aを縮径させたが、2段階以外の段階に分けて
縮径させてもよい。また、この場合においても、各段階
の縮径度合いは、一様に設定してもよいし、前記ダボ材
5と同様に、ダボ材5Aの長手方向の部位に応じて変更
してもよい。
近するにしたがって連続的或いは段階的に大径に構成す
ることも可能であるが、ダボ孔2a,3aは、通常建築
現場等において加工する関係上、加工精度が低下した
り、加工作業が繁雑になるので、ダボ孔2a,3aの内
径はその全長にわたって同径に構成し、工場等で製作可
能なダボ材5の直径を連続的又は段階的に割裂し易い面
5に接近するにしたがって小径に構成することが好まし
い。
3aの開口部付近における木材2,3に対する応力集中
を防止して、ダボ孔2a,3aに作用する剪断応力をダ
ボ孔2a,3a全体に一様に分散させることができるの
で、接合部4における引張強度を向上できるとともに、
接着層の剪断剛性に対する要求を緩和して、接着剤の選
定自由度を拡大できる。
的に変更した他の実施例について説明する。尚、前記実
施の形態と同一部材には同一符号を付してその詳細な説
明を省略する。
積を大きくして、両者間の接着強度を高めるため、ダボ
材5に凹凸部を形成してその表面積を大きく構成しても
よい。具体的には、図4に示すダボ材5Bのように、外
周面に軸方向に延びる溝部10を三角波状や矩形波状や
正弦波状に円周方向に一定間隔おきに形成したり、図5
に示すダボ材5Cのように、環状の溝部11を長さ方向
に三角波状や矩形波状や正弦波状に一定間隔おきに形成
したり、図6示すダボ材5Dのように、外周面に一定間
隔おきに突起12を形成したり、図7に示すダボ材5E
のように、外周面にローレット加工により凹凸部13を
形成したりすることになる。
心に位置決めして、ダボ材5とダボ孔2a,3a間の隙
間Tが長さ方向の各部において周方向に一様になるよう
に構成し、接着剤層6が局部的に薄くなることによる強
度低下を防止してもよい。例えば、図8に示す木ダボ接
合構造1Fのように、外周面にダボ孔2a,3aの内面
に当接する嵌合突部15を形成したダボ材5Fを用いる
ことになる。嵌合突部15の形成位置は、ダボ材5Fの
途中部であってもよいが、嵌合突部15を形成した部分
においては接着層の厚さを十分に確保できず、ダボ孔2
a,3aの内面に対する剪断応力が大きくなることが考
えられるので、ダボ孔2a,3aの開口部から極力離れ
た位置、即ちダボ材5Fの両端部或いは両端近傍部に形
成することが好ましい。嵌合突部15の個数は、ダボ材
5Fをダボ孔2a,3aの中心に位置決めするため、少
なくともダボ材5Fの両端部にそれぞれ3個以上設ける
ことになる。また、嵌合突部15はダボ材に一体形成し
てもよいが、図9に示すように、ダボ材の外周面にピン
部材16を鋲着するなどして形成してもよい。
ように、ダボ孔2a,3aの奧端部にダボ材5の両端部
と同径の嵌合突部17をそれぞれ形成し、ダボ材5の両
端部を嵌合突部17に嵌合させて、ダボ材5をダボ孔2
a,3aの中央部に位置決めしてもよい。尚、この場合
には、嵌合突部17を別部材で構成して、ダボ孔2a,
3aの奧端部に装着してもよい。更に、図11に示す木
ダボ接合構造1Hのように、ダボ材5とダボ孔2a,3
a間の隙間Tに適合するサイズのビーズ18を接着剤に
混入することにより、ダボ材5とダボ孔2a,3aの中
央部に位置決めすることも可能である。
した他の実施例を同様に適用できるし、前述した他の実
施例同士を相互に組み合わせて木ダボ接合構造を構成す
ることも可能である。また、本実施例では、第1木材2
と第2木材3とを直列状に接合する場合について説明し
た、T字状やL字状やト字状等に接合する場合に関して
も本発明を同様に適用できる。
簡単な構成により、ダボ孔全体に対してより均一に引抜
荷重を作用させることが可能となるので、木材の接合強
度を大幅に向上できるとともに、接着剤に対する要求特
性を緩和して、接着剤の選定自由度を拡大できる。ま
た、前述した理論式を用いて木材の接合部における強度
を推定できるので、木造構造物を設計するうえで好適で
ある。しかも、このような木ダボ接合構造は、前述した
ように、金具を用いて接合部の強度を高める場合と比較
して、安価に実施可能であること、結露などによる湿分
による腐食や腐敗の発生もないので耐久性を向上できる
こと、廃材を比較的容易にリサイクルできるので環境に
優しいことなどの優れた利点を有している。
〜3.0mmに設定すると、ダボ材の引抜強度を十分に
確保でき、しかも欠膠による接着欠陥等も防止できるの
で好ましい。
開口部側へ行くにしたがって段階的或いは連続的に広く
なるように設定すると、ダボ孔に作用する剪断応力が一
様になるように、ダボ孔とダボ材間の隙間をより一層き
め細かく調整することが可能となる。
増大させるための凹凸部を形成すると、ダボ材に対する
接着剤層の接着強度を高めることが可能となる。
ボ材をダボ孔の中央部に位置決めするための嵌合突部を
形成したり、接着剤層にダボ材をダボ孔の中央部に位置
決めするためのビーズを設けると、接着層の厚さを一様
に設定して、ダボ孔内面に対して一様に剪断応力を作用
させることが可能となり、局部的な応力集中による接着
層の破損を防止できる。
場合には、接着層の剪断強度及び剪断剛性を適正に設定
することが可能となる。また、ポリウレタン系接着剤の
イソシアネート基の割合を接着剤全量中において9.5
〜3.0重量%に設定すると、接着層の経年変化による
ダボ材の引抜強度の低下を防止でき、長期にわたって木
材の接合部の強度を維持できる。
ば、ダボ材とダボ孔間に、剪断剛性が低く、剪断強度が
木材と同程度の接着層を形成できるので、木ダボ接合構
造に好適に利用できる。また、イソシアネート基の割合
を接着剤全量中において9.5〜3.0%に設定してい
るので、経年変化により接着層の剛性が高くなって、ダ
ボ材の引抜強度が低下することを防止できる。
付近の縦断面図、(b)は(a)のb−b線断面図
図
材付近の縦断面図、(b)は(a)のb−b線断面図
からの長さと剪断応力の関係を示す線図
Claims (9)
- 【請求項1】 第1木材と第2木材との接合部に相互に
連通可能なダボ孔をそれぞれ形成し、 前記両ダボ孔にわたって遊嵌状にダボ材を装着し、 前記ダボ孔内面とダボ材間の隙間に、木材とダボ材とを
接合する接着剤層であって、剪断強度が木材の剪断強度
と略同等或いはそれ以上で且つ剪断剛性が40N/mm
3以下の接着層を形成可能な接着剤層を設け、 前記ダボ孔とダボ材間の隙間を、ダボ孔の奧部よりも開
口部付近の方が広くなるように設定した、 ことを特徴とする木ダボ接合構造。 - 【請求項2】 前記ダボ孔とダボ材間の隙間を0.1〜
3.0mmに設定した請求項1記載の木ダボ接合構造。 - 【請求項3】 前記ダボ孔とダボ材間の間隔をダボ孔の
開口部側へ行くにしたがって段階的或いは連続的に広く
なるように設定した請求項1又は2記載の木ダボ接合構
造。 - 【請求項4】 前記ダボ材の外周面に接着剤層との接着
面積を増大させるための凹凸部を形成した請求項1〜3
のいずれか1項記載の木ダボ接合構造。 - 【請求項5】 前記ダボ材の端部又はダボ孔の奧部にダ
ボ材をダボ孔の中央部に位置決めするための嵌合突部を
形成した請求項1〜4のいずれか1項記載の木ダボ接合
構造。 - 【請求項6】 前記接着剤層にダボ材をダボ孔の中央部
に位置決めするためのビーズを設けた請求項1〜5のい
ずれか1項記載の木ダボ接合構造。 - 【請求項7】 前記接着剤層がポリウレタン系接着剤か
らなる請求項1〜6のいずれか1項記載の木ダボ接合構
造。 - 【請求項8】 前記ポリウレタン系接着剤におけるイソ
シアネート基の割合を接着剤全量中において9.5〜
3.0重量%に設定した請求項7記載の木ダボ接合構
造。 - 【請求項9】 木材に形成したダボ孔と、このダボ孔に
遊嵌状に装着されるダボ材間に、木材とダボ材とを接合
するために充填される接着剤であって、イソシアネート
基の割合が接着剤全量中において9.5〜3.0重量%
に設定されたポリウレタン系接着剤からなることを特徴
とする木ダボ接合用接着剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000028088A JP2001214540A (ja) | 2000-02-04 | 2000-02-04 | 木ダボ接合構造 |
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JP2000028088A JP2001214540A (ja) | 2000-02-04 | 2000-02-04 | 木ダボ接合構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (4)
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2000
- 2000-02-04 JP JP2000028088A patent/JP2001214540A/ja active Pending
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