JP2000160766A - 建築物用構造材 - Google Patents

建築物用構造材

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JP2000160766A
JP2000160766A JP11200177A JP20017799A JP2000160766A JP 2000160766 A JP2000160766 A JP 2000160766A JP 11200177 A JP11200177 A JP 11200177A JP 20017799 A JP20017799 A JP 20017799A JP 2000160766 A JP2000160766 A JP 2000160766A
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JP11200177A
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Katsuyoshi Namiki
勝義 並木
Eisaku Yamayoshi
栄作 山吉
Nobuya Sato
暢也 佐藤
Hisashi Ito
久 伊藤
Fukuhiko Kataoka
福彦 片岡
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Iida Industry Co Ltd
JFE Engineering Corp
Mie Prefecture
Japan Techno Mate Corp
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Iida Industry Co Ltd
Mie Prefecture
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Japan Techno Mate Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼材もしくはそれ以上の強度保証が可能で、
衝撃等による振動が少なく、さらに火災等の高熱にも対
処し、間伐材等並材を強度等級区分をせずに使用して、
鉄骨建設物の構造材への利用を可能とするとともに、彫
刻可能な大断面木質構造材の代替を可能とし、鋼材の強
度,木材の暖かみや調湿機能等、鋼材と木材の長所を兼
ね備え、炭素のストック化による地球環境にも有益な建
築物用構造材を提供する。 【解決手段】 鋼材からなる軸状の芯部材2と、該芯部
材2の周囲に接着剤4を介在させて接着被覆した木製部
材3とを具備し、且つその端部に芯部材2のみからなる
所定長さの継手部21を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨建築等で使用
される建築物用構造材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼材は、品質精度が高く強度が安
定しているため、鉄骨建築や橋桁等建設資材に多く使用
されている。また、木材は、入手し易く加工性も良いた
め、家屋等建築物の構造材や内装材として古くから広く
使用され、木橋や屋外建設物等にも多く使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鋼材は鉄骨建
設資材として多く使用されているが、衝撃等により特有
の振動が発生する欠点がある。例えば、近年の高層マン
ション化で、階上の住人(子供たち)が飛び跳ねたりす
ると、階下の住人が天井等から響いてくる振動音に悩ま
されるケースも出てきている。また、鋼材は、火災等の
高熱にさらされると急激に強度が低下したり、木材のよ
うに暖かみや調湿機能等が無い等の問題もある。一方、
木材には、鋼材に比べて強度的に劣るとともに、強度に
ばらつきが大きいと言う欠点がある。斯る対策として、
例えば、比較的大規模な木造建築物の構造材など強度を
必要とする木製構造材は、断面を大きくしたり強度等級
区分をした木製部材を貼り合わせたりした集成材を利用
するなどして対処してきた。また、より強度をあげるた
めに継手部を除く集成材の中に、鋼材を補強材として埋
め込んだ特開平4−143352号公報の他、特開
平11−44044号公報,実用新案登録第30357
98号公報、実用新案登録第3031921号公報、
特開昭63−226438号公報、特開平9−14
4141号公報等の技術が提案されている。上記の開
示技術は木材の全長に亘って鋼材を目暗状に埋入するか
接合して一体とし、該鋼材端を派出延長して接続部とし
た柱状の建築構築用複合材であり、の技術は複数の形
鋼の溝状部内などに木製角材を嵌込み固定した合成柱で
ある。また、の技術は木製部材の断面中心に棒状鋼材
よりなる引張補強材を貫挿した木製建築部材で、の技
術は鋼鉄その他の強靭な金属のアングルを芯として木質
部分に通したプレカット集成材である。
【0004】しかしながら、上述の集成材や公報技術は
木造建設物に使用されるものであり、強度計算上も木造
建設資材としての強度評価となり、鉄骨建設物の構造材
としては使用できない問題があった。また、前記公報技
術には外見は木造でありながら実質は鉄骨又は鉄筋の
強力な建築物を建設することが可能になる効果を奏する
としているが、プレカット集成材の強度を保証する手段
が明確にされていない。すなわち、従来の集成材やか
らの公報技術は部材の断面における圧縮,引張,剪断
方向の強度や長さ方向の圧縮,引張,曲げ方向の強度が
鉄骨建築物さらに大規模な木造建築物に適用するには十
分なものといえるものでなかった。そして、集成材を橋
桁として使用する場合には、橋台との取り付け部が地面
と接することがあり、腐朽する欠点があった。また、木
造建築の分野において、社寺仏閣等大型建築物の彫刻を
必要とする大断面木質構造材は、良質大径木の減少によ
り入手も困難になり、価格も高くなっていた。さらに、
現在国家的な課題となっている、大量に生産される間伐
材等並材の需要を拡大するための新たな利用技術,新製
品の開発が強く望まれていた。最近では地球温暖化防止
等の面からも、木材の大量使用による炭素のストック化
が望まれるようになってきている。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するもので、
鋼材もしくはそれ以上の強度保証が可能で、衝撃等によ
る振動が少なく、さらに火災等の高熱にも対処し、間伐
材等並材を強度等級区分をせずに使用して、鉄骨建設物
の構造材への利用を可能とするとともに、彫刻可能な大
断面木質構造材の代替を可能とし、鋼材の強度、木製材
のもつ柔軟な感触や暖かみ,自然味,素朴さ,優しさな
ど感性の優れた面や調湿機能等、鋼材と木材の長所を兼
ね備え、炭素のストック化による地球環境にも有益な建
築物用構造材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1記載の発明の要旨は、鋼材からなる軸状の芯部
材と、該芯部材の周囲に接着剤を介在させて接着被覆し
た木製部材とを具備し、且つその端部に芯部材のみから
なる所定長さの継手部を設けてなることを特徴とする建
築物用構造材にある。ここで、「建築物用構造材」には
橋梁,橋桁等の土木・建設資材用構造材も含むものとす
る。また、請求項2の発明たる建築物用構造材は、請求
項1で、芯部材に被覆した木製部材の最外側に、所定厚
みの良質の木質基材を接着剤を介在させて接着被覆して
なることを特徴とする。請求項3の発明たる建築物用構
造材は、請求項1または2で、芯部材が形鋼で造られる
ことを特徴とする。請求項4の発明たる建築物用構造材
は、請求項1〜3で、木製部材が、強度等級区分されて
いない木材,集成材,並材,間伐材のうちの少なくとも
一つであることを特徴とする。請求項5の発明たる建築
物用構造材は、請求項1〜4で、強度が芯部材で保証さ
れたことを特徴とする。請求項6の発明たる建築物用構
造材は、請求項1〜5で、制振特性としての振動減衰比
が前記芯部材単体の5倍以上となることを特徴とする。
請求項7の発明たる建築物用構造材は、請求項1〜6
で、木製部材が火災時の燃え代として確保され、芯部材
の強度低下を防止するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建築物用構造
材の実施形態について詳述する。 (1)実施形態1 図1〜図3は本発明の建築物用構造材の一形態を表し、
図1は建築物用構造材の端部周りの斜視図、図2は図1
のA−A線矢視断面図、図3は図1の建築物用構造材の
側面図を示す。
【0008】建築物用構造材1は鋼材からなる芯部材2
と、該鋼材の周囲に接着剤4を介在させて接着被覆した
木製部材3と、を具備する。芯部材2を構成する鋼材
は、鉄骨部材たり得る長さがある。芯部材2となる鋼材
はI形,H形,L形,T形,コ形,+形等の形鋼や鋼管
等、構造強度材として使用可能なものであれば、いかな
る形状のものでもよい。
【0009】木製部材3は所定形状若しくは所定厚みに
加工された木製品で、間伐材等並材で造った角材や板
材,集成材などを含む。該木製部材3で、両端部を除い
た芯部材2の主要部2aの全てが隠されるように覆着す
る。木製部材3は任意の大きさの直方体,立方体,円
柱,錐体等に形成したものを使用できる。木チップなど
を成形した木質加工材を使用してもよい。木製部材3の
強度に関しては、鋼材で強度保証するため、集成材製作
の際に要する強度等級区分は不要である。
【0010】木製部材3が被覆されない前記両端部は、
芯部材2のみからなる継手部21となる。該継手部21
は建築物用構造材1中を一本で縦通する芯部材2の端部
であり、所定長さを有するこの部分を利用して他の鉄骨
部材等に連結し鉄骨建設物の構造材に供することができ
る。該継手部21は建物が完成した時点で外観に現われ
ない所となり、建築物用構造材は外部からはあたかも木
製品であるように思わせる構成にある。
【0011】図1では、I形鋼からなる芯部材2の主要
部周囲を接着剤4を塗布して複数本(ここでは6本)の
角柱の木製部材3で接着被覆している。該木製部材3は
主要部2aに全面に亘り密着できるよう部分的に切り欠
かれる。そして、建築物用構造材1の両端部には芯部材
2がむき出しとなる所定長さの継手部21が設けられ
る。上記芯部材2に木製部材3が被着された建築物用構
造材1の本体部分は、あたかも木製の柱や梁木材として
使える一本の角柱体ごときを呈している。
【0012】前記木製部材3は芯部材2に接着剤4を用
いて接着被覆されるが、該接着剤としては、一液性自然
硬化タイプあるいは二液性混合タイプ(二成分以上の多
成分混合タイプでも可)を用いることができる。作業工
程,硬化時間,コストおよび各種物性などについて考慮
して選定される。勿論、接着剤は、鋼材および木材に対
して接着性(親和性)を有する成分で構成されることお
よび実使用における耐久性を有することが必要である。
接着剤の主成分としては、ポリウレタン,エポキシ樹
脂,アクリル樹脂樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などの
公知の汎用樹脂を使用することができる。ポリウレタ
ン,ゴム系などの柔軟な接着剤を使用した場合、本発明
の効果の一つである振動減衰効果をさらに高めることが
でき、より好ましくなる。また、高い接着強度で接着さ
せることが可能なエポキシ樹脂,アクリル樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂などを使用した場合、屋外で使用して
も優れた耐久性を示す構造材を形成することができ、好
適となる。
【0013】一般的に、JASに定められている構造用
集成材の剪断強度は、スギの常態の場合、54kgf/cm
以上,木破率70%以上であり、この数値よりも高
い値を示す接着剤は全て本発明において使用可能であ
る。また、木材自体の強度が低い場合は、木破率100
%時の接着強度を考慮して接着剤を選定すればよく、破
断時の強度に大きく依存する必要はない。一液性自然硬
化型接着剤としては、末端イソシアネート基含有のウレ
タンプレポリマーはすべて例外なく使用可能であるが、
接着強度をより高めるために、ポリウレタンを構成する
ソフトセグメントとしてのポリオール成分およびハード
セグメントとしてのイソシアネート成分の含有量を調整
する必要がある。柔軟性のあるポリウレタンとしては、
水酸基価(OHV)がおよそ28〜150mgKOH/
gのポリオールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TD
I)などの2官能以上のイソシアネート化合物との反応
物の湿気硬化物を例示することができる。二液性混合型
接着剤としては、汎用のビスフェノール型エポキシ樹脂
とアミン系硬化剤との組み合わせによる接着剤として使
用可能である。具体的な接着剤としてイイダ産業株式会
社製のOROTEX 4650を例示できる。ここで、
鋼材からなる芯部材2に木製部材3を接着する際に、芯
部材表面に研掃工具を用いて下地処理を行い、適当な表
面粗さとなるように面粗しを行い、芯部材表面の錆,汚
れを除去することや、有機溶剤にて芯部材表面の脱脂を
行うと、高い接着強度が得られるので、より好ましい。
【0014】(2)実施形態2 本実施形態は、図2に対応する断面図が図4に示すごと
くの建築物用構造材である。鋼材からなる芯部材2と、
該芯部材2の周囲に接着剤4を介在させて接着被覆した
木製部材3とを具備し、且つその端部に芯部材2のみか
らなる所定長さの継手部21を設ける基本構成は実施形
態1と同様であるが、さらに前記芯部材2に被覆した木
製部材3の最外側に、彫刻可能な所定厚みの良質の木質
基材5を接着剤を介在させて接着被覆した建築物用構造
材1になっている。良質の木質基材5とは化粧板や彫刻
可能な所定厚みがある高付加価値の木材(例えばケヤ
キ,ヒノキ)をいう。高付加価値は木製部材3より高価
であれば要件を満たす。両端の継手部21を残して芯部
材の主要部2aを木製部材が覆着し、さらに該木製部材
の最外側の外周面を木質基材5が覆着する。ここでの木
製部材3は、図4からも判るように、木製部材3が木質
基材5に覆われるために意匠面として現われてこない。
従って、この場合の木製部材3には集成材の他、合板,
パーティクルボード,ファイバーボード等も用いること
ができる。他の構成は実施形態1と同様で、その説明を
省略する。
【0015】ところで、本発明の建築物用構造材は構造
材としての強度を鋼材からなる芯部材2の部分で保証す
るものである。すなわち、構造材の断面における圧縮,
引張,剪断方向の強度や長さ方向の圧縮,引張,曲げ方
向の強度を芯部材2で保証する。鋼材のバラツキが少な
く且つ安定した高い強度特性を活用するものである。芯
部材2で強度を負担する設計とするので、従来、木質材
料では困難であった大規模建築物や橋梁などに適用でき
る。また、建築物の柱や梁に適用した際に、木材では困
難であった長さが確保でき、木材に比べて柱と柱の間隔
を長くでき、間取りの自由度を増すことができ設計の幅
を広げることができる。また、本発明の建築物用構造材
は構造材としての強度を鋼材からなる芯部材2で保証す
るものである。従って、芯部材2の周囲に被覆する木製
部材3の強度は問われない。強度等級区分されない木
材,集成材,並材,間伐材などから適宜選定すればよい
ことになる。
【0016】そして、本発明の建築物用構造材は、鋼材
からなる芯部材2の周囲に被覆する木製部材3は衝撃を
受けて振動する芯部材2の振動を吸収し、芯部材単独の
場合に比べて高い制振効果を有する。建築物用構造材の
制振特性としての振動減衰比が軸状の鋼材からなる芯部
材2単体の5倍以上のものとすると、より好ましくな
る。また、本発明の建築物用構造材は、鋼材からなる芯
部材2の周囲に木製部材3を被覆しているので、火災時
には木製部材3が炭化してしまう部分すなわち燃え代と
なる。従って、木製部材3が燃える間、芯部材2への熱
の伝導を遅らせ、火災時においても芯部材2に熱の影響
が及ばないようになっている。木製部材3を形成する木
材の炭化速度は0.6〜0.7mm/分であるので、木
製部材表面から芯部材2までの被覆厚さを適宜選定する
ことにより芯部材2の温度上昇を防止することができ
る。また、木製部材3が燃えた炭化物が熱伝導を遅らせ
る被覆物として作用する。これらのことにより芯部材2
の温度上昇を防ぎ、高温下における芯部材2の鋼材強度
の低下を防止できる。このように、本発明の建築物用構
造材は、耐火性能が芯部材単独に比べて高いものとなっ
ている。
【0017】次に本発明品の振動減衰性能比較試験につ
いて説明する。本発明にかかる建築物用構造材を以下の
ように製作し、それぞれについて振動減衰試験を三重県
科学技術振興センター・林業技術センター構内で行っ
た。
【0018】振動減衰性能比較試験1 図5のように、芯部材2としてI形鋼200×100×
5.5×8の鋼材を使用し、且つ、芯部材2の主要部2
aに6本の木製部材3を接着剤4を塗布して接着被覆
し、一辺が262cm×167cmの長方形断面の建築
物用構造材1を製作した。
【0019】上記建築物用構造材についてインパルス加
振法による振動減衰特性試験を行った。その結果を表1
に示す。減衰特性は振動減衰比ζが大きいほど大きく、
表1より建築物用構造材は、芯部材21のみと比較し
て、約4倍の大きな振動減衰効果のあることが認められ
た。
【0020】
【表1】
【0021】振動減衰性能比較試験2 図6のように、芯部材2としてI形鋼300×150×
6.5×9の鋼材を使用し、芯部材2の主要部2aに1
2本の木製部材3を接着剤4を塗布して接着被覆し、一
辺が370cm×282cmの長方形断面の建築物用構
造材1を製作した。
【0022】上記建築物用構造材についてインパルス加
振法による振動減衰特性試験を行った。その結果を表2
に示す。表2より建築物用構造材は芯部材22のみと比
較して、少なくとも振動数565Hz〜808Hzの領
域で5倍以上(詳しくは約5〜30倍)の大きな振動減
衰効果のあることが認められた。
【0023】
【表2】
【0024】このように構成した建築物用構造材は、前
述の振動減衰性能比較試験からも判るように衝撃等によ
る振動が少ない優れた特性を有する。鋼材の振動に関
し、鋼材の芯部材の周囲を木製部材で被覆するすること
により鋼材の振動を木材が吸収し、高い制振効果が得ら
れる。木材の需要拡大について、従来、木製部材は柱や
梁などの建築物の構造材として利用する場合は木造建設
物に限られていたが、本発明により鉄骨建設物の分野へ
の利用を可能とし、木材の需要拡大に貢献するととも
に、炭素のストック化による地球温暖化防止にも役立
つ。
【0025】さらに、本建築物用構造材1は、鋼材の強
度と木材の暖かみや調湿機能等の鋼材と木材の各々の長
所を兼ね備えている。すなわち、鋼材を芯部材2とし、
その周囲を接着剤を介在して木製部材3で接着被覆し、
且つ、その端部に芯部材2のみからなる所定長さの継手
部21を設けて構成しているため、鋼材もしくはそれ以
上の機械的強度が保証される。建築物用構造材の組立に
おける継手部21の接合方法については、従来の鉄骨建
設物の接合技術がそのまま使用できる。建築物用構造材
は、鋼材からなる芯部材2が一本通って、しかも主要部
2aに木製部材3を覆着しながらも両端部の継手部21
を用いて建造物の軸組に締結できるので、鉄骨建築に幅
広く利用できる。そして、建築物用構造材1の意匠面は
木製部材3が現われるので、建造物になったとき、木製
部材3のもつ風合い,色,質感が落ち着きを漂わせる。
橋桁への利用については、橋台への取り付け部となる継
手部21が鋼材であるため、腐朽等の対策が容易とな
る。加えて、図4のごとく、建築物用構造材の継手部2
1を除く最外側に、彫刻可能な一定厚さのケヤキ等良質
の木質基材5を接着剤を介在して接着被覆すれば、社寺
仏閣等の大断面木質構造材の代替として低コスト提供が
可能となる。
【0026】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、芯部材2,木製部材3,接着剤4,
木質基材5等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて
適宜選択できる。
【0027】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の建築物用構造材
は、鋼材もしくはそれ以上の強度保証が可能で、衝撃等
による振動が少なく、火災等の高熱にも対処し、間伐材
等並材を強度等級区分をせずに使用して、鉄骨建設物の
構造材への利用を可能とするとともに、彫刻可能な大断
面木質構造材の代替を可能とし、鋼材の強度,木材の暖
かみや調湿機能等、鋼材と木材の長所を兼ね備えた建設
資材を提供し、さらには炭素のストック化による地球環
境の保全にも貢献することができるなど多大な効を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の建築物用構造材の端部周りの斜視
図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】図1の建築物用構造材の側面図である。
【図4】実施形態2の建築物用構造材で、図2に対応す
る断面図である。
【図5】振動減衰性能比較試験1の建築物用構造材で、
図2に対応する断面図である。
【図6】振動減衰性能比較試験2の建築物用構造材で、
図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 建築物用構造材 2 芯部材 21 継手部 3 木製部材 4 接着剤 5 木質基材
フロントページの続き (71)出願人 595098240 株式会社ジャパンテクノメイト 三重県津市雲出伊倉津町字14割1187 (72)発明者 並木 勝義 三重県久居市榊原町8176 (72)発明者 山吉 栄作 三重県津市南が丘2丁目27番地5 (72)発明者 佐藤 暢也 愛知県稲沢市北麻積町沼1番5号 イイダ 産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 片岡 福彦 三重県津市雲出伊倉津町字14割1187 株式 会社ジャパンテクノメイト内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材からなる軸状の芯部材と、該芯部材
    の周囲に接着剤を介在させて接着被覆した木製部材とを
    具備し、且つその端部に芯部材のみからなる所定長さの
    継手部を設けてなることを特徴とする建築物用構造材。
  2. 【請求項2】 前記芯部材に被覆した木製部材の最外側
    に、所定厚みの良質の木質基材を接着剤を介在させて接
    着被覆してなる請求項1記載の建築物用構造材。
  3. 【請求項3】 芯部材が形鋼で造られる請求項1ないし
    2記載の建築物用構造材。
  4. 【請求項4】 木製部材が、強度等級区分されていない
    木材,集成材,並材,間伐材のうちの少なくとも一つで
    ある請求項1ないし3記載の建築物用構造材。
  5. 【請求項5】 強度が芯部材で保証された請求項1ない
    し4記載の建築物用構造材。
  6. 【請求項6】 制振特性としての振動減衰比が前記芯部
    材単体の5倍以上となる請求項1ないし5記載の建築物
    用構造材。
  7. 【請求項7】 木製部材が火災時の燃え代として確保さ
    れ、芯部材の強度低下を防止するようにした請求項1な
    いし6記載の建築物用構造材。
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