JP2001214146A - ホットメルト接着性組成物及びそれを用いた接着芯地 - Google Patents

ホットメルト接着性組成物及びそれを用いた接着芯地

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JP2001214146A
JP2001214146A JP2000027678A JP2000027678A JP2001214146A JP 2001214146 A JP2001214146 A JP 2001214146A JP 2000027678 A JP2000027678 A JP 2000027678A JP 2000027678 A JP2000027678 A JP 2000027678A JP 2001214146 A JP2001214146 A JP 2001214146A
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polyamide resin
melt adhesive
hot
polyamide
amino group
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JP2000027678A
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Hideki Matsui
秀樹 松井
Yoshiki Nakaya
芳樹 中家
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Daicel Evonik Ltd
Original Assignee
Daicel Huels Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットメルト接着性水性分散体を用い、初期
接着強度、耐洗濯性、耐スチーム性を大きく改善できる
接着芯地を得る。 【解決手段】 分子中に主にアミノ基を含有するポリア
ミド樹脂パウダーと、カルボキシル基のアンモニウム塩
又はアミン塩を含有する増粘剤とで構成された水性分散
体の形態のホットメルト接着性組成物を、塗布又は含浸
により芯地に保持させ、接着芯地を得る。前記ポリアミ
ド樹脂は、アミノ基濃度10〜500mmol/kgの共重合
ポリアミド樹脂である。この接着芯地は、初期接着強
度、耐洗濯性、耐スチーム性に優れており、従来の接着
が困難であった素材や強撚糸を用いた生地に対して有効
に接着できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂系
ホットメルトパウダーを水性分散体(ペースト)の形態
で含むホットメルト接着性組成物(又は水性分散体)、
この組成物を用いた接着芯地とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】共重合ポリアミド樹脂パウダーと増粘剤
とを含む水性分散液(ペースト)をスクリーンコーティ
ングし、接着芯地を製造することが広く行われている。
上記ポリアミド樹脂パウダーとしては、融点90〜12
0℃、粒子径およそ100ミクロン以下のパウダーが使
用され、増粘剤としては、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸のアルカリ金属塩、アミン類との塩、アンモニウ
ム塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなど
が用いられている。また、これらのペーストには、接着
力の向上、スクリーンコーティング性を改善するための
添加剤が添加される。
【0003】一般に共重合ポリアミド樹脂の末端基は、
カルボキシル基又はアミノ基であるが、従来、接着芯地
に使用されるポリアミド樹脂は、分子量のコントロー
ル、高温下における黄変性、製造過程でのゲルの発生の
可能性を低減するため、一般に、アミノ基に比較して多
くのカルボキシル基を含有している。
【0004】近年、新合繊などの繊細を用いた薄い生地
を用いた布地、ホットメルト接着剤が浸透しにくい強撚
糸を用いた布地が多用される傾向にある。このような傾
向に伴って、より薄手でかつホットメルト接着剤の塗布
量も少ない接着芯地が要求されている。また、上記のよ
うなホットメルト接着にとって不利な条件にもかかわら
ず、より高い耐洗濯性、耐スチーム性が要求される。そ
のため、ホットメルト接着剤の初期接着強度、耐洗濯
性、耐スチーム性の向上が強く求められている。
【0005】特公昭57−60395号公報には、粉末
状ポリアミド共重合体と粉末状可塑剤と増粘剤とを水に
分散させた繊維接着用水性分散体が開示されている。こ
の文献には、増粘剤として、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸アンモニウムを用いた例が記載され
ている。特公昭64−11749号公報には、ホットメ
ルト用熱可塑性合成樹脂粉末100重量部と増粘剤0.
1〜10重量部とを水に分散させ、かつ曳糸長が50m
m以上の水性分散体を、ロータリースクリーンにより被
着材へ転写速度5〜25m/minで転写させる接着芯地
の製造方法が開示されている。この文献には、増粘剤と
して、ポリアクリル酸ソーダを用いた例が開示されてい
る。しかし、これらの水性分散体を用いても前記要求を
十分に満足させることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、初期接着強度、耐洗濯性、耐スチーム性を改善でき
るホットメルト接着性組成物又は繊維接着用水性分散
体、この組成物を用いた接着芯地とその製造方法を提供
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、より接着が困難な繊
維素材やホットメルト接着剤が浸透しにくい強撚糸を用
いた生地であっても、初期接着強度、耐洗濯性、耐スチ
ーム性を大きく改善できるホットメルト接着性組成物又
はその水性分散体、この組成物を用いた接着芯地とその
製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、発明者らはポリアミド樹脂の官能基と増粘剤との組
み合わせについて鋭意検討した結果、分子中にアミノ基
を含有するポリアミド樹脂パウダーと、カルボキシル基
のアンモニウム塩又はアミン塩を有する増粘剤とを含有
するペーストをスクリーンコーティングして接着芯地を
製造すると、優れた初期接着強度、耐洗濯性、耐スチー
ム性を有する接着芯地が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明のホットメルト接着性組
成物は、水性分散体の形態で使用するためのホットメル
ト接着性組成物であって、分子中に主にアミノ基を含有
するポリアミド樹脂パウダーと、カルボキシル基のアン
モニウム塩又はアミン塩を含有する増粘剤とで構成され
ており、繊維接着用組成物として利用できる。前記ポリ
アミド樹脂パウダーは、アミノ基濃度10〜500mmol
/kgの共重合ポリアミド樹脂、例えば、アミノ基濃度5
0〜370mmol/kgおよびカルボキシル基濃度0〜30
mmol/kgの共重合ポリアミド樹脂で構成してもよい。前
記ホットメルト接着性組成物は、主にアミノ基を有する
ポリアミド樹脂パウダーと、カルボキシル基のアンモニ
ウム塩又はアミン塩を含有する増粘剤と、水とを含むホ
ットメルト接着性水性分散体(特に繊維接着用水性分散
体)として使用できる。
【0010】本発明には、前記ホットメルト接着性組成
物を保持する接着芯地、および前記ホットメルト接着性
組成物を芯地に塗布又は含浸させる接着芯地の製造方法
も含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のホットメルト接着性組成
物は、ペーストなどの水性分散体の形態で使用され、ポ
リアミド樹脂のパウダー(又はポリアミド系樹脂の粉粒
体)と、カルボキシレート基含有増粘剤とで構成されて
いる。
【0012】ポリアミド樹脂は、ホットメルト接着性を
有する限り構成モノマーの種類は特に限定されず、例え
ば、ラクタムの開環重合体(ポリアミド6、ポリアミド
12などのC5-20ラクタムの開環重合体)、アミノカル
ボン酸の重縮合体(例えば、ポリアミド9、ポリアミド
11などのC5-20アミノカルボン酸の重縮合体)、ジア
ミンとジカルボン酸との重縮合体(例えば、ポリアミド
6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12など
の脂肪族C4-20ジアミンと脂肪族C6-40ジカルボン酸
(ダイマー酸又は水添ダイマー酸などを含む)との重縮
合体)、共重合ポリアミド樹脂(前記ポリアミド成分の
共重合体、例えば、ポリアミド6/11、ポリアミド1
1/12、ポリアミド6/6−10、ポリアミド6/6
−6/12、ポリアミド6/6−9/12、ポリアミド
6/6−10/12、ポリアミド6/6−12/12、
ポリアミド6/6−6/11、ポリアミド6/6−6/
6−9/12、ポリアミド6/6−6/6−10/1
2、ポリアミド6/6−6/6−12/12、ポリアミ
ド6/6−6/11/12、ポリアミド6/6−9/1
1/12など)などであってもよい。これらのポリアミ
ド樹脂は、必要であれば、共重合成分として芳香族ジア
ミン及び/又は芳香族ジカルボン酸などの芳香族成分を
含んでいてもよく、アミノ基の一部にN−アルコキシメ
チル基が置換していてもよく、遊離のカルボキシル基
は、エステル化又はアミド化などにより封鎖されていて
もよい。これらのポリアミド樹脂は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。
【0013】好ましいポリアミド樹脂は、共重合ポリア
ミド樹脂、特にポリアミド6、ポリアミド9、ポリアミ
ド11、ポリアミド12、ポリアミド6−6、ポリアミ
ド6−10、ポリアミド6−12から選択された複数の
ポリアミド成分を含む共重合ポリアミド樹脂である。
【0014】前記ポリアミド樹脂は、官能基として主に
アミノ基を有している。ポリアミド樹脂のアミノ基濃度
は、通常、10〜500mmol/kg(例えば、50〜50
0mmol/kg)、好ましくは30〜450mmol/kg(例え
ば、70〜400mmol/kg)、さらに好ましくは50〜
370mmol/kg(例えば、100〜300mmol/kg)程度
である。ポリアミド樹脂は、アミノ基を末端に有してい
てもよく分子鎖中に有していてもよい。
【0015】ポリアミド樹脂は主たる官能基がアミノ基
である限り、カルボキシル基を含んでいてもよい。な
お、本発明に用いるポリアミド樹脂は、通常、カルボキ
シル基よりも多くのアミノ基を有するアミノ基リッチの
ポリアミド樹脂である。ポリアミド樹脂におけるカルボ
キシル基の濃度は、例えば、カルボキシル基濃度0〜5
0mmol/kg、好ましくは0〜30mmol/kg、さらに好ま
しくは0〜20mmol/kg程度であってもよい。
【0016】なお、アミノ基リッチのポリアミド樹脂
は、ジカルボン酸成分やラクタム成分に対するジアミン
成分の使用量をコントロールして反応させる方法、カル
ボキシル基濃度の高いポリアミド樹脂とジアミンとを反
応させる方法などにより容易に調製できる。また、アミ
ノ基濃度及びカルボキシル基濃度は、樹脂を溶剤(ベン
ジルアルコール、フェノールなど)に溶解し、酸(塩酸
など)又はアルカリ(水酸化カリウムなど)で滴定する
方法で定量できる。
【0017】ポリアミド樹脂の融点は、ホットメルト接
着性を損なわない範囲、例えば、通常、80〜160
℃、好ましくは85〜150℃、さらに好ましくは90
〜130℃(特に90〜120℃)程度である。なお、
ポリアミド樹脂の融点はDSC(示差走査熱量計)を用
いて昇温速度16℃/分の条件で測定した値である。
【0018】メタクレゾールを溶媒として用いたとき、
濃度5g/L(0.5%)及び温度25℃において、ポ
リアミド樹脂の相対粘度(粘度比)は、1.0〜2.
2、好ましくは1.1〜2.0、さらに好ましくは1.
2〜1.8程度であり、ポリアミド樹脂の数平均分子量
は、例えば、3000〜80000、好ましくは400
0〜70000、さらに好ましくは5000〜6000
0程度であってもよい。
【0019】前記ポリアミド樹脂はパウダー(粉粒体)
の形態で使用される。ポリアミド樹脂パウダーの平均粒
径は、通常、100μm以下(例えば、1〜100μ
m)、好ましくは1〜80μm(例えば、10〜50μ
m)程度である。
【0020】本発明では、前記アミノ基を有するポリア
ミド樹脂と、カルボキシル基のアンモニウム塩又はアミ
ン塩を含有する増粘剤とを組み合わせて用いる。増粘剤
のベース樹脂又は重合体には、カルボキシル基を有する
種々の重合体、例えば、天然起源の多糖類又はその誘導
体(例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース
など)、カルボキシル基含有単量体の単独又は共重合体
などが含まれる。
【0021】カルボキシル基含有単量体としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸などの重合性不飽和モノ
カルボン酸、マレイン酸(無水マレイン酸を含む)、フ
マル酸などの重合性不飽和多価カルボン酸又はその酸無
水物などが例示できる。これらのカルボキシル基含有単
量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。カ
ルボキシル基含有単量体と共重合可能な単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル系単量体(メタクリル酸
メチルなどの(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステ
ル、(メタ)アクリル酸−ヒドロキシC2-4アルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルな
ど)、ビニルエステル系単量体(酢酸ビニルなど)、芳
香族ビニル系単量体(スチレンなど)、ビニルエーテル
系単量体(C1- 6アルキルビニルエーテルなど)などが
例示できる。これらの共重合性単量体も単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。カルボキシル基含有単量
体と共重合性単量体との割合は、増粘剤としての機能が
発現する限り特に制限されず、例えば、前者/後者=1
00/0〜20/80(重量比)、好ましくは100/
0〜30/70(重量比)程度の範囲から選択できる。
【0022】増粘剤のベース樹脂又は重合体としては、
例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル
酸−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アク
リル酸共重合体などの(メタ)アクリル酸を用いた(メ
タ)アクリル系樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体
などが例示できる。
【0023】増粘剤のベース樹脂又は重合体のカルボキ
シル基濃度は、例えば、0.1〜14mol/kg、好ましく
は0.2〜14mol/kg、さらに好ましくは0.3〜14
mol/kg程度であってもよい。
【0024】カルボキシル基のアミン塩は、種々のアミ
ン(特に揮発性アミン)を用いて形成できる。アミンと
しては、例えば、脂肪族アミン(トリメチルアミン、ト
リエチルアミンなどのトリC1-4アルキルアミンなどの
第3級アミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチ
ルアミノエタノールなどのアルカノールアミン類な
ど)、複素環式アミン(モルホリンなど)などが例示で
きる。好ましいカルボキシル基の塩は、揮発性塩基(特
にアンモニア)との塩である。
【0025】前記増粘剤の割合は、水性分散体の所望す
る粘性、使用するスクリーンなどに応じて選択でき、例
えば、固形分換算で、ポリアミド樹脂パウダー100重
量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜
8重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部程度であ
る。
【0026】本発明のホットメルト接着性組成物は、ホ
ットメルト接着性水性分散体(特に繊維接着用水性分散
体)として用いるのに適している。この水性分散体は、
前記ポリアミド樹脂パウダー及び増粘剤に加えて、水を
含んでいる。この水性分散体において、水100重量部
に対するポリアミド樹脂パウダーの使用量は、通常、1
0〜100重量部(例えば、20〜80重量部)、好ま
しくは20〜100重量部(例えば、30〜60重量
部)程度の範囲から選択できる。
【0027】前記ホットメルト接着性組成物や水性分散
体(ペーストなど)は、接着力、スクリーンコーティン
グ性などの向上のため、必要により種々の添加剤、例え
ば、ポリアミド樹脂用の可塑剤(o−又はp−トルエン
スルホンアミド、N−アルキルo−又はp−トルエンス
ルホンアミドなど)、ホットメルトパウダーの分散性を
改善するための分散剤(界面活性剤、保護コロイドな
ど)、粘度調整剤、曳糸性調整剤、消泡剤、安定剤(熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、着色剤(染
顔料)、蛍光増白剤、アルコール類などを含有していて
もよい。
【0028】本発明の組成物や水性分散体は、繊維に対
する高い初期接着強度、耐洗濯性、耐スチーム性を備え
ており、生地(布地)が薄生地又は強撚糸の生地であっ
ても、強固に接着できる。そのため、塗布又は含浸させ
ることにより前記ホットメルト接着性組成物を芯地に保
持させ、接着芯地を形成するのに有用である。芯地とし
ては、種々の被着材、例えば、ナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、アクリル繊維などの種々の繊維で形成さ
れた不織布や織布などが使用できる。
【0029】本発明の接着芯地は、薄くても又はホット
メルト接着性組成物の保持量が少なくても高い接着性を
示すという特色がある。芯地に対するホットメルト接着
性組成物の保持量(塗布量又は含浸量)は、接着特性を
損なわない範囲から適当に選択でき、例えば、1〜50
g/m2、好ましくは5〜30g/m2程度の範囲から選
択でき、通常、5〜20g/m2程度である。また、接
着芯地の厚みは、例えば、0.1〜2mm、好ましくは
0.2〜1mm(例えば、0.2〜0.7mm)程度で
あってもよい。
【0030】前記水性分散体(ペースト状分散体など)
は、前記ホットメルト接着性組成物を水に分散すること
により調製できる。得られた分散体をロータリースクリ
ーンなどにより芯地に転写して塗布(又は含浸)させて
乾燥することにより接着芯地を得ることができる。接着
芯地は、適当な温度で圧着することにより、種々の生
地、特に薄い生地(布地)や強撚糸の生地を接着でき
る。
【0031】
【発明の効果】本発明では、アミノ基含有ポリアミド樹
脂パウダーとカルボキシル基のアンモニウム塩を有する
増粘剤とを組み合わせているので、ホットメルト接着性
に優れているとともに、初期接着強度、耐洗濯性、耐ス
チーム性を改善できる。特に、薄い生地や、ホットメル
ト接着剤が浸透しにくい繊維を用いた生地であっても、
初期接着強度、耐洗濯性、耐スチーム性を大きく改善で
きる。
【0032】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0033】実施例1 共重合ポリアミドホットメルト樹脂パウダー(ダイセル
ヒュルス(株)製,VESTAMELT430P1、粒径80μm以
下、樹脂特性:相対粘度=1.31(溶媒:メタクレゾ
ール、濃度5g/L及び温度25℃。以下同じ)、カル
ボキシル基濃度=290mmol/kg、アミノ基濃度=15m
mol/kg)800gを、攪拌装置、コンデンサー、窒素導
入管を備えた反応器に入れ、さらにヘキサメチレンジア
ミン27gを添加し、窒素気流下でオイルバスを用いて
加熱し、200℃で10時間、230℃でさらに5時間
反応させた。この反応生成物の特性値は、相対粘度=
1.31(溶媒:メタクレゾール)、カルボキシル基濃
度=5mmol/kg、アミノ基濃度=280mmol/kgであった。
次いで、この反応生成物を、液体窒素を用いて冷凍粉砕
し、分級することにより、粒子径80μm以下の粉粒体
を得た。
【0034】得られた共重合ポリアミド樹脂パウダー、
水、下記の添加剤(分散剤、消泡剤及び粘度調整剤)お
よび増粘剤を表に示す割合で用い、ペースト状水性分散
体を調製した。
【0035】 分散剤:ストックハウゼン社製、ペースト用添加剤Intr
asol FA 消泡剤:日本油脂(株)製、デスフォームNKL5450 粘度調整剤:ストックハウゼン社製、ペースト用添加剤
MIROX OX 増粘剤:ポリアクリル酸アンモニウム(ストックハウゼ
ン社製、ペースト用添加剤MIROX HP) 得られたペースト状水性分散体を、ロータリースクリー
ン(CP−66)により、加熱炉温度120℃、ライン
スピード5m/分の条件で、ポリエステル製不織布に塗
布量約10g/m2でコーティングし、接着芯地を得
た。
【0036】実施例2 共重合ポリアミドホットメルト樹脂パウダー(ダイセル
ヒュルス(株)製、VESTAMELT840P1、粒径80μm以
下、樹脂特性;相対粘度=1.42、カルボキシル基濃
度=195mmol/kg、アミノ基濃度=10mmol/kg)80
0gを、実施例1と同様の反応器に入れ、さらにヘキサ
メチレンジアミン18gを添加し、窒素気流下でオイル
バスを用いて加熱し、210℃で10時間、240℃で
5時間反応させた。この反応生成物の特性値は、相対粘
度=1.43(溶媒:メタクレゾール)、カルボキシル
基濃度=15mmol/kg、アミノ基濃度=198mmol/kgで
あった。次いで、この反応生成物を、液体窒素を用いて
冷凍粉砕し、分級することにより、粒子径80μm以下
の粉粒体を得た。
【0037】得られた共重合ポリアミド樹脂パウダー、
水、添加剤(分散剤、消泡剤及び粘度調整剤)および増
粘剤を用い、実施例1と同様にして、ペースト状水性分
散体を調製した。このペースト状水性分散体を、ロータ
リースクリーン(CP−66)により、加熱炉温度13
0℃、ラインスピード6m/分の条件で、ポリエステル
製不織布に塗布量約10g/m2でコーティングし、接
着芯地を得た。
【0038】比較例1 共重合ポリアミド樹脂パウダーとして、共重合ポリアミ
ドホットメルト樹脂パウダー(ダイセルヒュルス(株)
製,VESTAMELT430P1、粒径80μm以下、樹脂特性:相
対粘度=1.32、カルボキシル基濃度=290mmol/k
g、アミノ基濃度=15mmol/kg)を用い、増粘剤として
下記の増粘剤を用いる以外、実施例1と同様にして、ペ
ースト状水性分散体及び接着芯地を調製した。
【0039】増粘剤:ポリアクリル酸ナトリウム(日本
純薬(株)製、添加剤アロンビスM) 比較例2 共重合ポリアミド樹脂パウダーとして、共重合ポリアミ
ドホットメルト樹脂パウダー(ダイセルヒュルス(株)
製、VESTAMELT840P1、粒径80μm以下、樹脂特性;相
対粘度=1.42、カルボキシル基濃度=195mmol/k
g、アミノ基濃度=10mmol/kg)を用い、増粘剤として
比較例1の増粘剤を用いる以外、実施例2と同様にして
ペースト状水性分散体および接着芯地を調製した。
【0040】そして、実施例及び比較例で得られた接着
芯地を用い、温度140℃、圧力0.4kg/cm2
条件で、ウール/ポリエステル混紡生地同士又はウール
ギャバ生地同士を接着させ、初期接着力を測定した。ま
た、市販の洗濯機を用い、温度40℃の温水中、洗剤使
用量100g/50Lで30分間洗濯した後、接着強度
を測定した。共重合ポリアミド樹脂の特性、処方及びコ
ーティング条件とともに、結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表に示すように、アミノ基濃度の高いポリ
アミド樹脂と、ポリアクリル酸アンモニウムとを組み合
わせることにより、比較例に比較して、高い接着性能が
得られた。このことは、ポリアミド樹脂中に存在するア
ミノ基がポリアクリル酸アンモニウムのカルボキシル基
と強く相互作用又は一部反応することにより強固な接着
力が得られることを示唆しており、接着芯地の製造方法
としてきわめて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A41D 27/06 D06M 17/00 B 4L033 Fターム(参考) 3B035 AA25 AB17 AC10 4J002 AB032 AB052 BG012 BG052 BH012 BH022 CL011 CL021 CL031 CL041 CL051 GJ01 HA05 4J004 AA04 AA06 AA10 AA16 AB03 CA02 CA06 CB01 FA03 GA01 4J040 BA032 BA142 DB042 DD052 DE022 DF012 DF042 DF052 DF062 DG002 DG022 EG011 EG021 EG031 GA05 GA07 GA08 GA16 GA17 JA03 JB01 KA25 LA06 LA07 MB02 NA10 4L032 AB01 BA08 BB01 BD01 DA01 EA00 4L033 AB04 AC11 BA16 BA21 BA22 CA55 CA70

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性分散体の形態で使用するためのホッ
    トメルト接着性組成物であって、主にアミノ基を有する
    ポリアミド樹脂パウダーと、カルボキシル基のアンモニ
    ウム塩又はアミン塩を含有する増粘剤とで構成されてい
    るホットメルト接着性組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂パウダーが、アミノ基濃
    度10〜500mmol/kgの共重合ポリアミド樹脂で構成
    されている請求項1記載のホットメルト接着性組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド樹脂パウダーが、アミノ基濃
    度50〜370mmol/kgおよびカルボキシル基濃度0〜
    30mmol/kgの共重合ポリアミド樹脂で構成されている
    請求項1記載のホットメルト接着性組成物。
  4. 【請求項4】 固形分換算で、ポリアミド樹脂パウダー
    100重量部に対して増粘剤を0.1〜10重量部の割
    合で含む請求項1記載のホットメルト接着性組成物。
  5. 【請求項5】 主にアミノ基を有するポリアミド樹脂パ
    ウダーと、カルボキシル基のアンモニウム塩又はアミン
    塩を含有する増粘剤と、水とを含むホットメルト接着性
    水性分散体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のホットメルト接着性組成
    物を芯地に塗布又は含浸させる接着芯地の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のホットメルト接着性組成
    物を保持する接着芯地。
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