JP2715236B2 - 合成樹脂粉末水性分散物 - Google Patents

合成樹脂粉末水性分散物

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富志男 恒川
博史 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂水性分散物に
関する。更に詳しくは衣料用の芯地にスクリーンを通し
てドット状に塗布し加熱接着する為の接着芯地用接着剤
として適した合成樹脂粉末水性分散物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、接着芯地用合成樹脂水性分散物と
しては、熱接着性合成樹脂粉末、粘度付与剤、乳化分散
剤およびポリエチレンオキシドからなるものが提案され
ている(例えば特公昭60-11985号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、衣料の風合いを
向上させるため、芯地にも高い柔軟性が要求されるよう
になってきた。しかしながら、従来の合成樹脂水性分散
物を芯地用の熱接着剤として使用すると、繊維に塗布し
乾燥する間に繊維内部に浸透し、そのため風合いが粗硬
になるという欠点があった。また、粘度を乾燥中に繊維
に浸透しなくなるまで高くすると、プリント適性が悪く
なり、均一に塗工出来ないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、水溶性ビニル系重
合体を感温ゲル化剤として使用することにより、プリン
ト適性を損なうことなく、乾燥時の繊維中への浸透を抑
え風合いをソフトにすることができることを見いだし、
本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は熱接着性合成樹脂粉末
(A)、粘度付与剤(B)、乳化分散剤(C)および水
溶性感温ゲル化剤(D)を分散させてなることを特徴と
する合成樹脂粉末水性分散物である。
【0006】本発明において、熱接着性合成樹脂粉末
(A)としては水不溶性で熱溶融接着性(ホットメル
ト、ヒートシール性)を有する熱可塑性樹脂からなる粉
末であれば特に限定されず、仮接着タイプのものでも、
永久接着タイプのものでも良い。これらの具体例として
は、ナイロン6、66、610、612、11、12、
6I、6Tなどのポリアミド構成単位を組み合わせてな
る共重合ポリアミド(ナイロン6/66、6/66/1
2、6/12/610、6/6T/12など)、ポリエ
ステル(変性共重合ポリエチレンテレフタレート、変性
共重合ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルを含
むブロックコポリエーテルエステルなど)、エチレンー
酢酸ビニル共重合体またはこれらの変性体(完全または
部分加水分解物など)およびポリエチレンなどが挙げら
れる。これらのうち特に好ましいものは共重合ポリアミ
ドである。また、該(A)の熱軟化点は通常50〜20
0℃、好ましくは70〜160℃である。
【0007】粘度付与剤(B)としては公知の水溶性な
いしは水分散性の高分子物質が使用できるこれらの具体
例としてはアクリル系樹脂〔(メタ)アクリル酸の重合
体または(メタ)アクリル酸と他のモノマー(アクリル
酸エステル、酢酸ビニル、アクリルアミドなど)との共
重合体およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、
アンモニウム塩、アミン塩など)、デキストリン、セル
ロースの誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなど)、アルギン酸ソーダ、ポリ
ビニルアルコール、ローカストビーンガムおよびポリエ
チレングリコールなどが挙げられ、これらは単独または
2種以上併用して使用される。これらのうち好ましいも
のはアクリル酸樹脂である。
【0008】乳化分散剤(C)としては、従来用いられ
ているものが使用でき、具体例としては、脂肪酸および
その塩(ナトリウム塩などのアルカリ塩、アンモニウム
塩など)、ジアルキルスルホサクシネートのアルカリ金
属塩などのアニオン界面活性剤およびポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテルなどの非イオン界面活性剤
が挙げられる。
【0009】水溶性感温ゲル化剤(D)を構成する窒素
含有環を有する活性水素化合物としては、窒素含有環と
アルキレンオキシドが付加するための活性水素を有する
化合物であり、例えば、窒素含有脂環式化合物〔アジリ
ジン環を有するもの(アジリジン、2−メチルアジリジ
ンなど)、ピロリジン環を有するもの(ピロリジン、2
−メチルピロリジン、2−ピロリドン、スクシンイミド
など)、ピペリジン環を有するもの(ピペリジン、2−
メチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、2−
エチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、4−ピ
ロリジノピペリジン、エチルピペコリネートなど)、ピ
ペラジン環を有するもの(1−メチルピペラジン、1−
メチル−3−エチルピペラジンなど)、モルホリン環を
有するもの(モルホリン、2−メチルモルホリン、3,
5−ジメチルモルホリン、チオモルホリンなど)、ε−
カプロラクタムなど〕および窒素含有不飽和環状化合物
(3−ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピロリン、2
−ヒドロキシピリジン、4−ピリジルカルビノール、2
−ヒドロキシピリミジンなど)が挙げられる。
【0010】これらのうち好ましいものは窒素含有脂環
式化合物であり、さらに好ましいものはピペリジン環を
有するものおよびモルホリン環を有するものであり、モ
ルホリン環を有するものが特に好ましい。
【0011】該活性水素化合物に付加させるアルキレン
オキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シドおよびブチレンオキシドが挙げられる。これらのう
ち好ましいものは、エチレンオキシド及び/またはプロ
ピレンオキシドである。
【0012】アルキレンオキシドの付加モル数は、目的
とする転移(ゲル化)温度、窒素含有環を有する活性水
素化合物の種類、アルキレンオキシドの種類等によって
変化するが、通常1〜50モル、好ましくは1〜5モル
である。この付加モル数は転移温度に影響し、アルキレ
ンオキシドがエチレンオキシドの場合は、付加モル数を
多くすると転移温度は高くなり、プロピレンオキシドや
ブチレンオキシドの場合は、付加モル数を多くすると転
移温度は低くなる。
【0013】(D)を構成する単量体ビニル系カルボン
酸エステル(a)は、上記に例示した該アルキレンオキ
シド付加物と、ビニル系カルボン酸類とのエステルであ
る。ビニル系カルボン酸類としては、該アルキレンオキ
シド付加物と反応してビニル系カルボン酸エステルを与
える化合物であれば特に制限はなく、ビニル系カルボン
酸〔(メタ)アクリル酸、(イソ)クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニル安息香酸、2−カ
ルボキシ−4−イソプロペニル−3−ピロリジン酢酸な
ど〕;及びこれらビニル系カルボン酸のエステル形成性
誘導体(無水物、酸ハロゲン化物、メチルエステルな
ど)が挙げられる。
【0014】これらビニル系カルボン酸類のうち、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、ビニル安息香酸およびこ
れらのエステル形成性誘導体が好ましく、(メタ)アク
リル酸および(メタ)アクリル酸のエステル形成性誘導
体が特に好ましい。
【0015】(D)としては、該エステル(a)を全構
成単位とする重合体または該(a)と他のビニル系モノ
マー(b)との共重合体であって、(a)を構成単位と
して通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上含
有するものが好ましい。(a)の構成比が50重量%未
満ではシャープな感温ゲル化効果が得られない。
【0016】他のビニル系モノマー(b)としては、
(a)と共重合可能なビニルモノマーであれば特に制限
はないが、例えば、親水性のもの(b−1)、イオン性
のもの(b−2)および親油性のもの(b−3)等が挙
げられる。(b−1)としては、例えば、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2
−ピロリドン等が挙げられる。(b−2)としては、例
えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、スチ
レンスルホン酸等の酸及びこれらの塩、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミン及び
これらの塩等が挙げられる。(b−3)としては、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリレート誘導体、N−ブチル(メタ)アクリル
アミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等
のN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体、(メ
タ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビ
ニルブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0017】これらのうち好ましいものは(b−1)と
して例示したモノマーである。
【0018】(D)の重量平均分子量は通常1,000
〜5,000,000、好ましくは、10,000〜
2,000,000、特に好ましくは100,000〜
1,000,000である。
【0019】(D)は、モノマー成分(a)および必要
により(b)を用い、ラジカル重合して得られる。重合
方法には特に制限がなく、通常の方法(溶液重合法、塊
状重合法、乳化重合法、懸濁重合法など)が使用でき、
具体例としては、モノマー成分をラジカル重合開始剤の
存在下に加熱する方法、光増感剤の存在下に光照射する
方法、放射線を照射する方法などが挙げられる。
【0020】ラジガル重合開始剤の存在下で重合する際
の反応温度は通常20〜350℃、好ましくは50〜1
50℃、反応圧力は通常0〜20気圧、好ましくは0〜
10気圧、反応時間は、通常1〜600分、好ましくは
5〜240分である。
【0021】使用されるラジカル重合開始剤には特に制
限はなく、公知のアゾ系開始剤〔アゾビス(ジメチルバ
レロニトリル)、アゾビス(イソブチロニトリル)、ア
ゾビス(4-シアノペンタン酸)、アゾビス(2-アミジノ
プロパン)など〕、パーオキシド系開始剤(過酸化水
素、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
ジ−tert−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパ
ーオキシドなど)などが使用できる。
【0022】本発明の合成樹脂水性分散物には必要によ
り消泡剤、可塑剤、ポリエチレンオキシド(粘度特性改
良剤)などが添加されていてもよい。
【0023】消泡剤としては、非シリコン系消泡剤、例
えば鉱物油系消泡剤、有機極性化合物(ポリオキシプロ
ピレンポリグリコールまたはその誘導体、プルロニッ
ク、スパンもしくはツイーン型非イオン界面活性剤な
ど)およびシリコン系消泡剤(シリコン樹脂など)があ
げられる。
【0024】可塑剤としては、合成樹脂粉末がポリアミ
ド樹脂粉末である場合にはスルホアミド基を有する芳香
族系可塑剤(ベンゼンもしくはトルエンスルホン酸アミ
ドなど)など、ポリエステル樹脂粉末である場合には芳
香族系可塑剤(ナフタリン、αーメチルナフタリンな
ど)などが用いられる。
【0025】ポリオキシエチレンオキシドとしては、平
均分子量200万以上のポリエチレンオキシドが用いら
れる。
【0026】本発明の水性樹脂粉末分散物100重量部
における(A)〜(D)各成分の配合量は下記の通りで
ある。熱可塑性樹脂粉末(A)の配合量は、通常15〜
50部、好ましくは、20〜40部である。(A)が1
5部未満では得られた芯地の表地への接着力が不十分と
なり、50部を超えると塗布性が不良となったり、芯地
の風合いを粗硬にする。
【0027】感温ゲル化剤(D)の使用量は、水性分散
物の種類、粘度等によって変化するが、通常0.000
1〜30重量部、好ましくは0.001〜20重量部で
ある。(D)が0.0001部未満では感温ゲル化剤と
しての効果を発現せず、20重量部を超えると(A)の
接着性を阻害する。
【0028】粘度付与剤(B)の配合量は、通常0.5
〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。(B)
が0.5重量部未満では適切な粘度が得られず塗工性が
不良となり、10重量部を超えると(A)の接着性を阻
害したり、粘度上昇により塗工性阻害を起こしたりす
る。
【0029】乳化分散剤(C)の配合量は、通常1〜3
0重量部、好ましくは5〜20重量部である。(C)が
1重量部未満では安定な水性分散物が得られず塗工性不
良となり、30重量部を超えると(A)の接着性を阻害
する。
【0030】本発明の水性分散物を構成するのに必要な
水の量は、水性分散物100重量部中通常20〜90重
量部、好ましくは30〜80重量部である。水が20重
量部未満では塗工性が不良となり、90重量部を超える
と芯地の表地への接着力が低下する。
【0031】本発明の水性分散物の製法については特に
限定されないが、例えば粘度付与剤(B)、乳化分散剤
(C)、感温ゲル化剤(D)、水および必要により消泡
剤や可塑剤からなる各成分を混合分散した配合物を予め
調製しておき、その中に熱可塑性樹脂粉末(A)を徐々
に加えて水性分散物を作成する方法が挙げられる。混合
分散には公知の混合機、例えばホモミキサー,万能混合
機,佐竹式攪拌機等を使用することができる。
【0032】このようにして得られる本発明の水性分散
物の粘度は、25℃で通常5000〜50000CP
S、好ましくは7000〜35000CPSである。粘
度が5000CPS未満および50000CPSを超え
る場合はいずれも塗工性が不良となる。
【0033】本発明の水性分散物は、ホットメルト接着
剤特に接着芯地用接着剤として有用である。使用方法は
従来の方法がそのまま適用できる。本発明の水性分散物
は基布に塗布され、熱処理されて接着芯地とされる。
【0034】基布としては通常の織布,不織布,編布が
使用される。その素材としては天然繊維(綿,ウール,
麻など)、半合成繊維(レーヨンなど)、合成繊維(ナ
イロン,テトロン,アクリルなど)およびその混紡品が
挙げられる。基布に対する水性分散物の塗布は、通常の
ウエットコーティング法(ロータリースクリーンプリン
ト法)で行われる。水性分散物の塗布量は、通常、基布
に対し固形分で10〜80g/m2でドット状に塗布さ
れる。熱処理は通常の加熱炉で100〜200℃で行わ
れ、塗布,熱処理後冷却され接着芯地となる。接着芯地
は、表地と接着され衣料などに用いられる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて部は重量部、%は重量%である。
【0036】製造例1 感温ゲル化剤(1)の製造 2−モルホリノエチルメタクリレート(モルホリンのエ
チレンオキシド1モル付加物とメタクリル酸とのエステ
ル)100部およびアゾビス(ジメチルバレロニトリ
ル)0.1部をアンプルに仕込み、凍結脱気後密封し、
50℃で8時間重合させて、感温ゲル化剤(1)を得
た。
【0037】製造例2 感温ゲル化剤(2)の製造 2−(2−モルホリノエトキシ)エチルメタクリレート
(モルホリンのエチレンオキシド2モル付加物とメタク
リル酸とのエステル)100部およびアゾビス(ジメチ
ルバレロニトリル)0.1部をアンプルに仕込み、凍結
脱気後密封し、60℃で8時間重合させて、感温ゲル化
剤(2)を得た。
【0038】製造例3 感温ゲル化剤(3)の製造 2−モルホリノエチルメタクリレート(モルホリンのエ
チレンオキシド1モル付加物とメタクリル酸とのエステ
ル)80部、アクリル酸20部およびアゾビス(ジメチ
ルバレロニトリル)0.1部をアンプルに仕込み、凍結
脱気後密封し、50℃で8時間重合させて、感温ゲル化
剤(3)を得た。
【0039】製造例4 感温ゲル化剤(4)の製造 2−(2−モルホリノエトキシ)エチルメタクリレート
(モルホリンのエチレンオキシド2モル付加物とメタク
リル酸とのエステル)70部、メチルメタクリレート2
0部、アクリル酸10部およびアゾビス(ジメチルバレ
ロニトリル)0.1部をアンプルに仕込み、凍結脱気後
密封し、60℃で8時間重合させて、感温ゲル化剤
(4)を得た。
【0040】実施例1 粘度付与剤として「モディコールVD」〔ポリアクリル
酸ソーダ水溶液15%品:サンノプコ(株)製〕2部、
乳化分散剤としてステアリン酸アンモニウム塩水乳化物
(固形分25%)20部および製造例1で得た感温ゲル
化剤(1)0.05部を水50部で希釈し、その中に熱
接着性合成樹脂粉末として「アミラン832ーP80」
〔ポリアミド樹脂粉末:東レ(株)製〕28部を徐々に
加え、均一白色ペースト状の本発明の水性分散物[1]
を得た。粘度は23000CPS(25℃)であった。
【0041】実施例2 「モディコールVD」2部、ステアリン酸アンモニウム
塩水乳化物(固形分25%)20部および製造例2で得
た感温ゲル化剤(2)0.05部を水50部で希釈し、
その中に「アミラン832ーP80」28部を徐々に加
え、均一白色ペースト状の本発明の水性分散物[2]を
得た。粘度は21000CPS(25℃)であった。
【0042】実施例3 「モディコールVD」2部、ステアリン酸アンモニウム
塩水乳化物(固形分25%)20部および製造例1で得
た感温ゲル化剤(1)0.05部を水50部で希釈し、
その中に「バイロンGM−900」〔ポリエステル樹脂
粉末:東洋紡(株)製〕28部を徐々に加え、均一白色
ペースト状の本発明の水性分散物[3]粘度は2100
0CPS(25℃)であった。
【0043】実施例4 実施例1において、感温ゲル化剤(1)に代えて製造例
3で得た感温ゲル化剤(3)を用いた以外は実施例1と
同様にして、本発明の水性分散物[4]を得た。粘度は
22500CPS(25℃)であった。
【0044】実施例5 実施例3において、感温ゲル化剤(1)に代えて製造例
4で得た感温ゲル化剤(4)を用いた以外は実施例3と
同様にして、本発明の水性分散物[5]を得た。粘度は
22000CPS(25℃)であった。
【0045】比較例1 実施例1において、感温ゲル化剤を用いない以外は実施
例1と全く同様にして、比較の水性分散物[6]を得
た。粘度は22000CPS(25℃)であった。
【0046】比較例2 実施例3において、感温ゲル化剤を用いない以外は実施
例3と全く同様にして、比較の水性分散物[7]を得
た。粘度は20000CPS(25℃)であった。
【0047】性能試験例1 実施例1〜4および比較例1〜2で得た水性分散物
[1]〜[6]を用いて性能試験を行った結果を表1に
示す。
【0048】
【表1】
【0049】記号の説明:○ 良好 △ やや不良 × 不良
【0050】(試験方法) 基布への塗工性:各水性分散物をウエットコーティング
加工機〔松尾精機(株)製〕を用いて芯地用基布(綿ブ
ロード)へ塗布した。使用したスクリーンは、17ポイ
ント/インチ、直径0.45mm、厚さ0.3mmであ
った。塗工性は基布上のドットの形状および均一性を目
視観察して評価した。 芯地の風合い:塗工後の乾燥は、長さ6mの循環空気路
内で135〜140℃、12m/分の速度で行った。乾
燥後の塗布量(固形分)は20g/m2であった。乾燥
後の芯地の風合いを触感で評価した。 芯地の接着力:得られた接着芯地を一昼夜室温で放置
後、表地(綿ニット)に接着芯地プレス機〔神戸電気
(株)製〕を用いて150℃×0.25kg/cm2×
30秒の条件で貼合わせた。このものの接着力(初期お
よび洗濯後:JISL−1042−I法)をインストロ
ン万能試験機〔島津製作所(株)製〕で測定した。
【0051】
【発明の効果】本発明の合成樹脂粉末水性分散物を芯地
用接着剤として用いた場合、樹脂の基布内部への浸透が
押さえられ芯地の風合いが非常に柔らかくなる。また塗
工性に優れスクリーン詰まりが起こらずドット形状が良
好となり、表地との接着力や耐洗濯性も優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 C08L 77/00 C09J 123/04 C09J 123/04 131/04 131/04 S 167/00 167/00 177/00 177/00 201/00 201/00 D03D 1/00 D03D 1/00 B

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱接着性合成樹脂粉末(A)、粘度付与
    剤(B)、乳化分散剤(C)および水溶性感温ゲル化剤
    (D)を分散させてなることを特徴とする合成樹脂粉末
    水性分散物。
  2. 【請求項2】 感温ゲル化剤(D)が窒素含有環を有す
    る活性水素化合物のアルキレンオキシド付加物のビニル
    系カルボン酸エステル(a)を構成単位中の50重量%
    以上含有するビニル系重合体である請求項1記載の合成
    樹脂粉末水性分散物。
  3. 【請求項3】 ビニル系カルボン酸エステル(a)が、
    (置換)モルホリンのエチレンオキシド及び/またはプ
    ロピレンオキシド1〜20モル付加物の(メタ)アクリ
    ル酸エステルである請求項2記載の合成樹脂粉末水性分
    散物。
  4. 【請求項4】 熱接着性合成樹脂粉末(A)がポリアミ
    ド、ポリエステル、ポリエチレンおよびエチレン−酢酸
    ビニル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種
    である請求項1〜3いずれか記載の合成樹脂粉末水性分
    散物。
  5. 【請求項5】 25℃での粘度が5000〜50000
    CPSである請求項1〜4いずれか記載の合成樹脂粉末
    水性分散物。
  6. 【請求項6】 接着芯地用接着剤として用いられる請求
    項1〜5いずれか記載の合成樹脂粉末水性分散物。
JP5067520A 1993-03-03 1993-03-03 合成樹脂粉末水性分散物 Expired - Fee Related JP2715236B2 (ja)

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