JP2001214038A - 導電ペースト - Google Patents

導電ペースト

Info

Publication number
JP2001214038A
JP2001214038A JP2000026058A JP2000026058A JP2001214038A JP 2001214038 A JP2001214038 A JP 2001214038A JP 2000026058 A JP2000026058 A JP 2000026058A JP 2000026058 A JP2000026058 A JP 2000026058A JP 2001214038 A JP2001214038 A JP 2001214038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
conductive
conductive paste
surface area
specific surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000026058A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Kikuchi
直哉 菊地
Misao Iwata
美佐男 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2000026058A priority Critical patent/JP2001214038A/ja
Publication of JP2001214038A publication Critical patent/JP2001214038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性の高い膜を形成し得るチキソトロピー性
の低い樹脂硬化型の導電ペーストを提供する。 【解決手段】比表面積が0.1 〜1.0(m2/g) 、累積曲線傾
き (d90−d10)/d50が2以下、比表面積と累積曲線傾
きとの積が 1以下、平均粒径d50が10〜 30(μm)、且つ
その平均粒径d50と比表面積との積が 5以上の範囲にあ
る形状特性を有する銀粉末が導電性粉体として用いられ
ることから、粘度比が5以下と低く、且つ比抵抗が 5×
10-4 (Ω・cm) 程度以下と低い導電ペーストが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性粉体と樹脂
とが混合されて成り、その樹脂を硬化させることにより
導電膜を形成する形式の導電ペーストの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】回路基板の導体配線の形成、電子部品の
端子用電極の形成や回路基板への取付け、或いはリード
線の接着等に用いられる導電ペーストとして、金属、カ
ーボンや酸化物等の導電性材料の粉体と液状樹脂とを混
合したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の導電性粉体とし
ては、例えば、平均粒径が 10(μm)程度の鱗片(フレー
ク)状の銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、アルミニ
ウム(Al)、パラジウム(Pd)等の金属粉体が用いられてい
た。しかしながら、このような鱗片状粉体を用いた導電
ペーストはチキソトロピー性が高いことから特に静置状
態での粘性が高いため、塗布膜のレベリング性が低い問
題があった。これは多量の導電性粉体を含む導電性ペー
ストでは鱗片状を成すその粉体の比表面積の大きさの影
響が大きいことによるものと考えられる。これに対し
て、同様な平均粒径に対して比表面積の小さい球状等の
導電性粉体を用いれば、チキソトロピー性の低い導電ペ
ーストを得ることができる。しかしながら、比表面積の
小さい導電性粉体は導電膜内における相互の接触面積が
小さくなって比抵抗が高くなる傾向があることから、導
電ペースト中における割合を一層多くしなければ十分な
導電性が得られない。そのため、このような導電性粉体
を用いても、導電性を高くしようとするとチキソトロピ
ー性が高くなる不都合がある。
【0004】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、導電性の高い膜を形成し
得るチキソトロピー性の低い樹脂硬化型の導電ペースト
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、導電性粉体とその導
電性粉体を固着して導電膜を形成するための液状樹脂と
を含む導電ペーストであって、(a) 前記導電性粉体は、
比表面積が0.1 乃至1.0(m2/g) 、重量累積粒度分布曲線
の 10(%)粒径をd10、 50(%)粒径をd50、 90(%)粒径を
90としたとき(d90−d10)/d50が 2以下、および比
表面積と (d90−d10)/d50との積が 1以下の範囲にあ
る形状特性を有することにある。
【0006】
【発明の効果】このようにすれば、導電性粉体の形状特
性が上記の範囲にあることから、導電性粉体の充填度が
高くなるため、導電ペースト内において剪断力による構
造破壊が抑制されると共に、その導電性粉体相互の接触
面積が十分に大きな面積で確保される。そのため、チキ
ソトロピー性が高くなることが抑制されつつ大きな接触
面積が確保されることから、導電性の高い膜を形成し得
るチキソトロピー性の低い導電ペーストが得られる。な
お、前記の粒度分布は、例えばレーザ透過法によって測
定された値等が好適に用いられる。
【0007】因みに、従来においては、導電ペーストを
構成する導電性粉体の管理は、一般に漠然とした粒子形
状(例えば、球状と鱗片状の別等)を定めた上で、平均
粒径および比表面積だけで為されていた。しかしなが
ら、これらの値だけでは、導電性粉体の製造ロット毎に
チキソトロピー性が著しく変動し得ることが経験的に知
られていた。そのため、その変動幅を考慮すると、チキ
ソトロピー性を常に好ましい範囲内に留めるためには、
粘性の極めて低い液状樹脂を用いるか、或いは導電ペー
スト中の導電性粉体の割合を少なくしなければならない
が、液状樹脂の種類は熱的、化学的、および電気的特性
等の要求があって自由に選べないことから、導電性の高
い導電膜を生成可能な導電ペーストを得ることが困難と
なる場合も多いのが実情であった。したがって、導電ペ
ーストのチキソトロピー性を如何にして安定させるかが
重要な課題であったが、本発明者等は鋭意研究の結果前
記のような形状特性を管理することにより、所望のチキ
ソトロピー性が安定して得られることを見出した。すな
わち、チキソトロピー性はペースト中の固形物(導電性
粉体)の相対移動の容易性に関連するため、固形物の比
表面積が大きいほど、また、その充填度が高いほど剪断
応力によるペーストの構造破壊が起き難くチキソトロピ
ー性が低くなる。後者の充填度は、粒度分布が広くなる
ほど高まるため、前記の (d90−d10)/d50が小さくな
るほど高くなる。したがって、チキソトロピー性は比表
面積と充填度との関数として表されるため、前記のよう
な形状特性で管理することにより安定させることができ
るのである。本発明は斯かる知見に基づいて為されたも
のである。
【0008】
【発明の他の態様】ここで好適には、(a-2) 前記導電性
粉体は、前記 50(%)粒径d50が10〜 30(μm)、且つその
50(%)粒径d50と比表面積との積が 5以上の範囲にある
形状特性を有するものである。このようにすれば、平均
粒径d50が適度な範囲にあり、且つそれと比表面積との
積が十分に大きいことから、導電膜内における導電性粉
体相互の接触面積が十分に大きくなるため、導電性の一
層高い導電膜を形成し得る導電ペーストが得られる。因
みに、導電膜の導電性は導電性粉体相互の接触によって
確保されているため、その比表面積が大きくなるほど接
触確率が高くなって比抵抗が低下する。また、導電膜中
の導電性粉体の割合が同様であれば、粒径が大きくなる
ほど単位長さ当たりの接触界面の数が減少してその界面
の存在に起因する比抵抗の増大を抑制できる。したがっ
て、導電膜の比抵抗は固形物の比表面積と平均粒径との
関数で表されるのである。
【0009】また、好適には、前記の導電ペースト中に
おいて、前記の液状樹脂は前記の導電性粉体100(%)に対
して10〜30(%) の範囲で含まれる。このようにすれば、
導電ペースト中の導電性粉体の質量割合が十分に大きく
されていることから、導電性の高い導体膜を形成するこ
とができる。
【0010】また、好適には、(b) 前記液状樹脂は、1
分子中に3個以上の架橋反応基を有するグリシジルアミ
ン系樹脂を主剤として含むものである。このようにすれ
ば、グリシジルアミン系の熱硬化性樹脂の多数の架橋反
応基(すなわち架橋重合を行う官能基)が架橋反応によ
って他の分子と結合させられ、三次元網状構造を形成し
て硬化することにより導電膜が形成される。そのため、
多数の架橋反応基数を備えることから耐熱性の高いグリ
シジルアミン系樹脂が主剤として用いられているため、
耐熱性の高い導電膜を形成することができる。このと
き、高分子のグリシジルアミン系樹脂は高粘性であるこ
とから、導電ペーストに多量[例えば70(%) 以上]の導
電性粉体を含ませることはチキソトロピー性の面からも
困難になるが、前述したように導電性粉体がチキソトロ
ピー性の高まることを抑制する形状特性を備えているた
め、従来に比較して多量の導電性粉体を混合し得る。し
たがって、チキソトロピー性を著しく高めること無く、
耐熱性が高く且つ導電性の高い導電膜を形成し得る導体
ペーストが得られる。
【0011】因みに、加熱硬化によって導電膜を形成す
る形式の導電ペーストは液状樹脂の主剤が熱硬化性樹脂
で構成されるが、その熱硬化性樹脂としては、従来、例
えばビスフェノールAおよびビスフェノールF等を骨格
に持ったビスフェノール系のエポキシ樹脂が用いられて
いた。ビスフェノール系の樹脂は、化学的および電気的
特性において優れているエポキシ樹脂の中でも特にこれ
らの特性が良いためである。しかしながら、ビスフェノ
ール系熱硬化性樹脂は架橋反応基が2個と少ないため、
分解開始温度が200(℃) 程度で耐熱性の低い問題があっ
た。これに対して、上述した3個以上の架橋反応基を備
えたグリシジルアミン系樹脂は高い耐熱性を有している
が、分子数が大きいことから粘度やチキソトロピー性が
高いため、導電ペースト中の導電性粉体の含有率を高く
できず高導電性の導電膜を形成できなかった。このよう
な粘性の高い樹脂には揮発性の溶剤を添加してその粘度
を調節することが一般に行われるが、導電ペーストが硬
化させられることにより導電膜が生成される過程でその
溶剤が揮発すると、導電膜に気孔が形成されて表面積が
著しく増大し酸化等の化学反応が生じ易くなるため、導
電膜の信頼性や耐久性の面で好ましくない。また、この
他に、ポリイミド系樹脂も高耐熱性を有するものとして
知られているが、難溶性であることからペーストを調製
する際には毒性の高く且つ高沸点の特殊な溶剤に溶解さ
せる必要があるため、作業安全性および環境安全性の面
で問題がある。そのため、従来においては、高耐熱性お
よび高導電性を共に有する導電膜を形成し得る汎用的な
導電ペーストは存在しなかったのである。
【0012】因みに、グリシジルアミン系樹脂は、下記
の化1に示される構造式を備えたグリシジルアミンが複
数個結合した高分子化合物であり、下記の化2に架橋反
応基(エポキシ環)が4個の場合の構造式を示す(但
し、Rは例えば下記の化3に例示される炭化水素基)。
一般に、高分子化合物の粘度は分子量が増大するほど増
大するため、下記の化合物では架橋反応基の数が多くな
るほど高粘性になる。特に、上述したような架橋反応基
が3個以上のものでは、硬化後すなわち架橋反応後に高
い耐熱性を有する反面で粘性が極めて高くなる不都合が
ある。
【化1】
【化2】
【化3】
【0013】また、好適には、(b-2) 前記液状樹脂は、
1分子中に2個の架橋反応基を有して粘度調節のための
希釈剤として機能するエポキシ樹脂を含むものである。
このようにすれば、架橋反応基が2個と少なくグリシジ
ルアミン系樹脂に比較して極めて粘性の低いエポキシ樹
脂が希釈剤として導電ペースト中に含まれていることか
ら、前述した導電性粉体の形状特性に基づくチキソトロ
ピー性が高くなることを抑制する効果と相俟って、導電
ペーストの粘度上昇を抑制しつつ一層多量の導電性粉体
を含有させ得る。このとき、エポキシ樹脂は、単なる希
釈剤として機能するものではなく、グリシジルアミン系
樹脂との間の架橋反応によって相互に結合させられるこ
とにより三次元網状構造の一部を形成する。そのため、
主としてグリシジルアミン系樹脂により構成されるその
三次元網状構造がエポキシ樹脂の混合に起因して分断さ
れることが抑制され、且つそのエポキシ樹脂の分子量が
比較的小さくグリシジルアミン系樹脂相互(架橋前の分
子相互)の間隔の変化が小さいことから三次元網状構造
の変化に起因する耐熱性の低下も殆ど生じない。したが
って、グリシジルアミン系樹脂に由来する耐熱性を殆ど
損なうこと無く、導電ペーストのチキソトロピー性を一
層低下させ得ると共に、導電性の一層高い導電膜を形成
できる。
【0014】因みに、前述したように液状樹脂の粘性は
専らその架橋反応基数で決定されるため、上記のように
その数が2個であればそれが3個以上であるグリシジル
アミン系熱硬化性樹脂に比較して十分に粘性が低く、そ
れらの混合物の粘性延いてはチキソトロピー性を十分に
低くすることができる。一層好適には、上記の反応性希
釈剤は、常温における粘度が 200(mPa・s)以下のエポキ
シ樹脂である。このようにすれば、導電ペーストの粘性
やチキソトロピー性を一層確実に低下させることができ
る。
【0015】また、好適には、前記液状樹脂が前記グリ
シジルアミン系樹脂と前記エポキシ樹脂とを含む場合に
おいて、そのエポキシ樹脂はグリシジルアミン系樹脂10
0(%)に対して 0.5〜75(%) の範囲内の割合で混合され
る。このようにすれば、耐熱性が高く且つ粘性やチキソ
トロピー性の低い導電ペーストが得られる。なお、エポ
キシ樹脂が0.5(%)未満では粘性やチキソトロピー性を十
分に低くできず、反対に75(%) を越えると耐熱性が不十
分になる。
【0016】また、好適には、(b-3) 前記エポキシ樹脂
は、ポリヒドロキシアルカン系樹脂である。このように
すれば、その作用は明らかではないが、例えばポリプロ
ピレングリコールグリシジルエーテル、トリメチロール
プロパングリシジルエーテル、カルボン酸グリシジルエ
ステル等の他のエポキシ樹脂を反応性希釈剤として用い
た場合に比較して、導電性の一層高い導電膜を生成し得
る導電ペーストが得られる。
【0017】また、好適には、前記の液状樹脂は前記グ
リシジルアミン系樹脂の架橋反応を所定温度下において
進行させるための硬化促進剤を含むものである。このよ
うにすれば、液状樹脂が加熱により硬化させられるた
め、その取扱いが容易になる。なお、上記の硬化促進剤
としては、例えばジシアンジアミド、ジメチルイミダゾ
ールアジン、無水トリメリット酸やイソフォロンジアミ
ン等が好適に用いられる。これらの硬化促進剤を用いれ
ば、例えば200(℃) 以下の加熱で硬化させ得る加熱硬化
導電ペーストが得られる。また、好適には、上記の硬化
促進剤は、前記主剤100(%)に対して5 〜30(%) の範囲内
の割合で混合される。このようにすれば、導電ペースト
中のエポキシ樹脂の架橋反応基を全て開環反応させるこ
とができるため、多数の架橋により強固な導体膜を得る
ことができる。
【0018】以下、本発明の一実施例を詳細に説明す
る。
【0019】例えば、下記の表1に示される調合仕様
で、アトマイズ法等によって製造した不定形状の銀粉
末、エポキシ系熱硬化性樹脂から成る液状樹脂、および
ジシアンジアミド硬化促進剤を混合し、三本ロール・ミ
ルで混練することによりペースト化して導電ペーストを
作製した。下記の表1において、「実」は形状特性が本
発明の範囲内にある銀粉末を用いてペーストを作製した
実施例であり、「比」は実施例と対比する目的で形状特
性が本発明の範囲外にある銀粉末を用いてペーストを作
製した比較例である。各構成材料の割合は、液状樹脂が
主剤および反応性希釈剤の2種のエポキシ樹脂が混合さ
れている場合には、銀粉末 74(%)、樹脂 22(%)[銀粉末
に対して30(%) の割合]、硬化促進剤4(%)[樹脂に対し
て17(%) ]であり、液状樹脂に反応性希釈剤が含まれて
いないものでは、銀80(%) 、樹脂16(%) 、硬化促進剤4
(%)程度である。
【0020】 [表1] サンプルNo. 実1 実2 実3 比4 実5 実6 比7 平均粒径 (μm) 25.10 22.04 21.30 9.51 25.10 2.07 1.63 累積曲線傾き 1.66 1.45 1.62 2.06 1.66 1.31 1.84 比表面積(m2/g) 0.24 0.27 0.17 0.56 0.24 0.68 0.91 平均粒径×比表面積 6.02 5.95 3.62 5.33 6.02 1.41 1.48累積曲線傾き×比表面積 0.40 0.39 0.28 1.15 0.40 0.89 1.67 Ag粉 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 グリシジルアミン系 2.4 2.4 2.4 2.4 ── ― ── グリシジルエーテル系 ── ― ── ― ── 2.4 2.4 ビスフェノール系 ── ― ── ― 2.4 ― ── ポリヒドロキシアルカン系1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 ― ── ポリプロピレン系 ── ― ── ― ── ― ──ジシアンジアミド 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 粘度比 4 4 4 6 4 18 24 耐熱温度 (℃) 340 340 340 340 200 300 300 比抵抗 (×10-4Ωcm) 5.0 4.0 <10 3.0 5.0 8.0 6.0 サンプルNo. 比8 比9 比10 実11 実12 比13 比14 平均粒径 (μm) 1.97 9.51 9.51 30.61 25.10 9.51 9.51 累積曲線傾き 2.99 2.06 2.06 1.10 1.68 2.06 2.06 比表面積(m2/g) 1.11 0.56 0.56 0.19 0.24 0.56 0.56 平均粒径×比表面積 2.19 5.33 5.33 5.82 6.03 5.33 5.33累積曲線傾き×比表面積 3.32 1.15 1.15 0.21 0.40 1.15 1.15 Ag粉 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 12.0 グリシジルアミン系 ── ― 2.4 2.4 2.4 2.4 2.4 グリシジルエーテル系 2.4 2.4 ── ― ── ― ── ビスフェノール系 ── ― ── ― ── ― ── ポリヒドロキシアルカン系── ― 1.2 1.2 1.2 1.2 ── ポリプロピレン系 ── ― ── ― ── ― 1.2 ジシアンジアミド 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 粘度比 25 15 6 5 4 6 6 耐熱温度 (℃) 300 300 340 340 340 340 340 比抵抗 (×10-4Ωcm) 6.0 1.6 2.3 5.0 4.9 2.3 5.3
【0021】上記の表1において、「平均粒径」乃至
「累積曲線傾き×比表面積」はそれぞれのサンプルに用
いた銀粉末の形状特性を表したものである。「平均粒
径」はレーザ透過法で測定した重量累積粒度分布の50
(%) 粒径d50であり、「累積曲線傾き」はその重量累積
粒度分布曲線の 10(%)粒径をd10、90(%) 粒径をd90
したときの (d90−d10)/d50である。また、「比表面
積」は連続流動法で測定した。
【0022】また、熱硬化性樹脂の主剤としては、グリ
シジルアミン系樹脂[例えば、4個の架橋反応基(エポ
キシ基)を有して 50(℃) における粘度が5000〜 10000
(mPa・s)程度の前記の化2に構造式が示されるテトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン]、グリシジルエー
テル系樹脂[例えば、3個の架橋反応基を有して常温に
おける粘度が 100〜 200(mPa・s)程度の下記の化4に構
造式が示されるトリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル]、或いは架橋反応基が2個のビスフェノール
系樹脂[例えばビスフェノールAを骨格に持つ常温にお
ける粘度が2000〜5000(mPa・s)程度の樹脂]を用いた。
【化4】
【0023】また、反応性希釈剤としては、ポリヒドロ
キシアルカン系樹脂[例えば、ネオペンチルグリコール
グリシジルエーテル、特に、常温における粘度が10〜30
(mPa・s)程度の下記化5に構造式が示されるポリ(2) ヒ
ドロキシアルカン(C5)のグリシジルエーテル]、或いは
ポリプロピレン系樹脂[例えば、常温における粘度が50
〜 100(mPa・s)程度の下記化6に構造式が示されるポリ
プロピレングリコールグリシジルエーテル]を主剤に対
して50(%) の割合でそれぞれ用いた。なお、本実施例に
おいて樹脂や導体ペーストの粘度は、特に断らない限
り、回転式B型粘度計を用いて回転子の回転数が100(rp
m)、測定材料温度が常温すなわち 25(℃)の条件下で測
定した値である。また、「Ag粉」乃至「ジシアンジアミ
ド」欄の各数値は、各サンプルの調合比(単位は全て
「g」)である。
【化5】
【化6】
【0024】上記の調合で作製したサンプルNo.1〜No.1
4 の特性を、粘度比、耐熱温度、および比抵抗について
測定した結果を上記の表1の下欄に示す。ここで「粘度
比」は、導電ペーストのチキソトロピー性を比較する尺
度として採用したものであって、例えばB型粘度計を用
いて、測定子の回転数が1(rpm)および100(rpm)のときの
導電ペーストのそれぞれの粘度ρ1 およびρ100 を測定
し、ρ1/ρ100 で算出した値である。したがって、回転
速度が高くなるに従って粘度が大きくなる傾向が顕著に
なるほど粘度比が小さくなることから、静置状態におけ
る導電ペーストの粘度延いてはレベリング性(すなわ
ち、経時的な導電ペーストの流れによりその塗布膜の平
坦性が高められる程度)を高めるためには、粘度比が小
さいことが望まれるのである。なお、粘度(ρ100 )は
導体配線や電子部品の端子用電極等に好ましい 10000〜
50000(mPa・s)程度の値であった。因みに、レベリング
性には粘度も関与するが、ペーストの粘性はそれに含ま
れる固形物表面の液体流動性が影響するものであること
から、固形物(本実施例においては銀粉末)の比表面積
が大きい場合には液体(本実施例においては樹脂)の接
触面積が大きくなるため粘性が大きくなる。また、同じ
質量割合で固形物が含まれているのであれば、その粒径
が大きい方が固形物相互間の隙間が大きくなって液体の
流動性は高められる。したがって、粘度は固形物の比表
面積と平均粒径との関数で表される。
【0025】また、「耐熱温度」および「比抵抗」は、
上記の導電ペーストを純度98(%) 程度のアルミナ基板に
塗布して、例えば酸化雰囲気中200(℃) 程度の温度で加
熱することにより樹脂を硬化させて塗布膜から導電膜を
生成し、その導電膜の特性を評価したものである。前者
の「耐熱温度」は、熱重量測定(Tg)によって、導電
膜の質量が20(%) 減少した温度とした。上記のようなエ
ポキシ樹脂で硬化した導電膜は、質量が20(%) 程度だけ
減少した後に急激に質量減少が進行する傾向があるた
め、その温度を導電膜を構成する樹脂の分解が開始する
温度と想定したものである。
【0026】上記の結果から明らかなように、実施例の
No.1〜3 、5 、6 、11、12のように比表面積が0.1 〜1.
0(m2/g) の範囲で、累積曲線傾きが2以下、且つ累積曲
線傾きと比表面積との積が1以下の場合に、例えば5 以
下の十分に粘度比の低い導電ペーストが得られる。な
お、No.6の粘度比は比較的高い値になっているが、これ
はサンプルNo.1〜4 および10〜14とは異なる樹脂が用い
られているためである。すなわち、同様な樹脂を用いた
No.7〜9 と比較すれば、同様な樹脂が用いられる調合条
件では、累積曲線傾きが2以下の範囲で小さくなるほ
ど、且つ累積曲線傾きと比表面積との積が1以下の範囲
で小さくなるほど、粘度比すなわちチキソトロピー性が
低くなることが判る。なお、上記の実施例のうちNo.6以
外のものは、主剤樹脂に加えて反応性希釈剤が含まれて
いることから、その主剤の有する耐熱特性を殆ど低下さ
せること無く、その粘性が低下させられるため、一層粘
度比が低下させられているものとも考えられる。なお、
前記のような導体配線或いは端子用電極用途としては、
2 〜10程度の粘度比、特に5 以下の粘度比が好ましいと
されている。
【0027】また、耐熱温度については、架橋反応基が
2個のビスフェノール系樹脂を用いたNo.5以外は、全て
300(℃) 以上の十分に高い値が得られている。すなわ
ち、3個以上の架橋反応基を有するエポキシ樹脂、例え
ば、架橋反応基が4個のグリシジルアミン系、或いは架
橋反応基が3個のグリシジルエーテル系樹脂を主剤とし
て用いることにより、耐熱性の高い導電膜の得られるこ
とが明らかである。このとき、本実施例においては、上
述したようなチキソトロピー性の低くなる形状特性を有
する銀粉末が用いられていることから、上記のような3
個或いは4個の架橋反応基を備えた樹脂が用いられて
も、導電ペーストのチキソトロピー性が十分に低く保た
れるため、No.1、2 、3 、11、12のように高い耐熱性と
低いチキソトロピー性とを兼ね備えた導電ペーストを得
ることができる。
【0028】また、比抵抗については、実施例のNo.1、
2 、5 、11、12等とNo.3、6 等との対比から明らかなよ
うに、平均粒径が10〜 30(μm)の範囲内において、平均
粒径と比表面積との積が5 以上の場合に低い抵抗率が得
られる。例えば実施例に示したように銀粉末がペースト
中に75(%) 程度の高い割合で含まれている場合には、5
×10-4 (Ω・cm) 程度以下の極めて低い抵抗率が実現さ
れる。なお、前述したような導体配線や端子用電極等の
用途では、例えば、 5×10-5〜 5×10-4 (Ω・cm) 程度
の高い導電性が好ましく、上記の実施例においては十分
な導電性が得られている。
【0029】また、特に、比表面積が0.1 〜1.0(m2/g)
、累積曲線傾き (d90−d10)/d50が 2以下、比表面
積と累積曲線傾きとの積が 1以下、平均粒径d50が10〜
30(μm)、且つその平均粒径d50と比表面積との積が 5
以上の範囲にある形状特性を有する銀粉末が導電性粉体
として用いられる場合には、粘度比が5以下と低く、且
つ比抵抗が 5×10-4 (Ω・cm) 程度以下と低い導電ペー
ストが得られる。更に、このような銀粉末に対して、1
分子中に4個の架橋反応基を有するグリシジルアミン系
樹脂を主剤とする液状樹脂が用いられる場合には、300
(℃) 以上の高い耐熱性も同時に得ることができる。し
たがって、電子部品の端子用電極を形成するための導電
ペーストとして好適に用いることができる。
【0030】また、No.13 と14とを対比すれば明らかな
ように、実施例のNo.1、2 、11、12のように反応性希釈
剤としてポリヒドロキシアルカン系樹脂を用いることに
より、ポリプロピレン系樹脂をこれに代えて用いる場合
に比較して、生成された導電膜の導電性が高められるこ
とが判る。すなわち、電子部品の端子用電極を形成する
ための導電ペーストは、特に高い導電性が得られる点で
反応性希釈剤として前者を用いる方が好ましい。
【0031】以上、本発明の一実施例を詳細に説明した
が、本発明は更に別の態様でも実施できる。
【0032】例えば、前述の実施例においては、導電性
粉体として銀粉末を用いたが、銅、金、白金、アルミニ
ウム、パラジウムや酸化物材料等を用いる場合にも本発
明は同様に適用される。
【0033】また、実施例においては、不定形の銀粉末
が用いられていたが、前記の形状特性を満たす限りにお
いてその形状は全く問われない。すなわち、フレーク状
や球状等の適宜の形状の導電性粉末を用いても本発明の
効果は同様に得られる。
【0034】また、実施例においては、平均粒径d50
2〜 30(μm)程度の銀粉末が用いられていたが、この範
囲に限られず適宜の平均粒径の導電性粉体を用いること
ができる。但し、可及的に高い導電性を得るためには、
平均粒径が10〜 30(μm)程度の範囲内の導電性粉体を用
いることが好ましい。なお、 (d90−d10)/d50が2以
下、 (d90−d10)/d50と比表面積との積が1 以下とな
る範囲で、d10は 7〜13(μm)程度、d90は35〜 55(μ
m)程度が、低い粘度比および高い導電性の何れを得るた
めにも好ましい。
【0035】また、実施例においては、銀粉末の粒度分
布の累積曲線傾きが1 〜2 程度の場合について説明した
が、累積曲線傾きが更に小さい導電性粉体も好適に用い
得る。
【0036】また、実施例においては、比表面積が0.1
〜0.7(m2/g) 程度の範囲内にある銀粉末が用いられてい
たが、比表面積が0.1 〜1.0(m2/g) の範囲の導電性粉体
であれば同様に用いることができる。
【0037】また、実施例においては、平均粒径と比表
面積との積が5 以上の場合に高い導電性が得られる場合
について説明したが、それらの積の望ましい範囲は要求
される導電性に応じて適宜変更される。
【0038】また、実施例においては、累積曲線傾きと
比表面積との積が0.2 〜0.9 程度の場合に好ましい粘度
比が得られる場合について説明したが、それらの積は1
以下の値であれば更に小さい値であっても差し支えな
い。
【0039】また、実施例においては、導電ペーストを
構成する液状樹脂としてグリシジルアミン系或いはグリ
シジルエーテル系樹脂を主剤とする熱硬化性樹脂が用い
られていたが、これに代えてダイマー酸グリシジルエス
テル等の他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が用いられた
導電ペーストにも本発明は同様に適用される。
【0040】また、実施例においては、液状樹脂がエポ
キシ系樹脂であったが、フェノール樹脂、ウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、或いはポリイミド
樹脂等の他の熱硬化性樹脂も所望とする耐熱温度や粘性
等に応じて適宜用い得る。
【0041】また、実施例においては、反応性希釈剤と
してポリヒドロキシアルカン系樹脂やポリプロピレン系
樹脂が用いられる場合について説明したが、主剤樹脂の
架橋反応をそれほど妨げない低粘度の樹脂であれば結晶
性エポキシ(例えば、下記の化7に構造式を示すもの)
等の比較的低分子量の他の樹脂も好適に用いられる。
【化7】
【0042】また、実施例においては、銀粉末が75〜80
(%) 程度、樹脂が16〜22(%) 程度の割合で混合された導
電ペーストに本発明が適用された場合について説明した
が、導電性粉体と樹脂との混合割合は所望とする導電性
や粘性等に応じて適宜変更される。
【0043】また、実施例においては、導体ペーストの
粘性が 10000〜 50000(mPa・s)程度の場合について説明
したが、導体ペーストは、その用途に応じて1000〜1000
00(mPa・s)程度の範囲で適宜の粘度に調製される。な
お、1000(mPa・s)未満の粘度では流動性が高過ぎるため
所望の印刷パターンや膜厚を得ることが困難になり、反
対に100000(mPa・s)を越えると粘性が高く成り過ぎるた
め、塗布が困難になると共に適当なレベリング性が失わ
れる。
【0044】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得るものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 美佐男 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4J002 CD012 CD022 CD131 DA076 DA116 FA086 FD116 HA05 4J038 DB002 DB281 HA066 HA166 KA08 KA20 MA15 NA14 NA20 PB09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粉体とその導電性粉体を固着して
    導電膜を形成するための液状樹脂とを含む導電ペースト
    であって、 前記導電性粉体は、比表面積が0.1 乃至1.0(m2/g) 、重
    量累積粒度分布曲線の10(%)粒径をd10、 50(%)粒径を
    50、 90(%)粒径をd90としたとき (d90−d 10)/d50
    が 2以下、および比表面積と (d90−d10)/d50との積
    が 1以下の範囲にある形状特性を有することを特徴とす
    る導電ペースト。
  2. 【請求項2】 前記導電性粉体は、前記 50(%)粒径d50
    が10乃至 30(μm)、且つその 50(%)粒径d50と比表面積
    との積が 5以上の範囲にある形状特性を有するものであ
    る請求項1の導電ペースト。
  3. 【請求項3】 前記液状樹脂は、1分子中に3個以上の
    架橋反応基を有するグリシジルアミン系樹脂を主剤とし
    て含むものである請求項1または2の導電ペースト。
  4. 【請求項4】 前記液状樹脂は、1分子中に2個の架橋
    反応基を有して粘度調節のための希釈剤として機能する
    エポキシ樹脂を含むものである請求項3の導電ペース
    ト。
  5. 【請求項5】 前記エポキシ樹脂は、ポリヒドロキシア
    ルカン系樹脂である請求項4の導電ペースト。
JP2000026058A 2000-02-03 2000-02-03 導電ペースト Pending JP2001214038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000026058A JP2001214038A (ja) 2000-02-03 2000-02-03 導電ペースト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000026058A JP2001214038A (ja) 2000-02-03 2000-02-03 導電ペースト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001214038A true JP2001214038A (ja) 2001-08-07

Family

ID=18551836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000026058A Pending JP2001214038A (ja) 2000-02-03 2000-02-03 導電ペースト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001214038A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102031050A (zh) * 2009-10-07 2011-04-27 松下电器产业株式会社 防霉用涂膜及该防霉用涂膜的处理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102031050A (zh) * 2009-10-07 2011-04-27 松下电器产业株式会社 防霉用涂膜及该防霉用涂膜的处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090169724A1 (en) Conductive paste for use in membrane touch switch applications
JP6049606B2 (ja) 加熱硬化型導電性ペースト
JP4972955B2 (ja) 導電性ペースト及びそれを用いたプリント配線基板
JP6156393B2 (ja) 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子
TW200305619A (en) Electroconductive composition, electroconductive coating and method of producing the electroconductive coating
JP2010044967A (ja) 導電性接着剤およびそれを用いたled基板
JPH08315885A (ja) 回路接続材料
TW201623357A (zh) 加熱硬化型導電性糊
JP2003045228A (ja) 導電ペースト
TW200531079A (en) Thick film conductor compositions for use in membrane switch applications
JP2006241365A (ja) 導電性接着剤
JP2014120382A (ja) 導電性樹脂ペースト及びそれを用いた電子素子
JP2009269976A (ja) 導電性樹脂組成物
JP2011034869A (ja) 導電性ペースト
JP2001297627A (ja) 導電材
JP2001214038A (ja) 導電ペースト
JPWO2018216739A1 (ja) 導電性組成物
JP2018106906A (ja) 電極用ペーストおよび積層セラミック電子部品
JP6048166B2 (ja) 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子
EP3227355A1 (en) Conductive adhesive composition
WO2022049937A1 (ja) 導電性接着剤、それを使用した電子回路およびその製造方法
KR20040030551A (ko) 인쇄 회로 기판 중의 관통 홀 충전용 조성물
CN104425054A (zh) 导电性糊剂和带有导电膜的基材
JP5013028B2 (ja) フィルム状回路接続材料の製造方法
JP4947229B2 (ja) フィルム状回路接続材料の製造方法