JP2001213611A - 選択透過膜反応器 - Google Patents

選択透過膜反応器

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JP2001213611A JP2000018825A JP2000018825A JP2001213611A JP 2001213611 A JP2001213611 A JP 2001213611A JP 2000018825 A JP2000018825 A JP 2000018825A JP 2000018825 A JP2000018825 A JP 2000018825A JP 2001213611 A JP2001213611 A JP 2001213611A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒活性が低く、多くの触媒量が必要な場合
であっても任意に設計可能な反応器であって、かつ反応
率の高い選択透過膜反応器を提供する。 【解決手段】 選択透過膜反応器1であって、反応器1
の入口2より流入した原料ガス13が反応器1内の触媒
を充填した反応室内で反応し、生成した製品ガス14を
反応器1の出口3より流出させ、副生成ガスを選択透過
膜を透過させて反応室1外へと流出させる選択透過膜反
応器1において、反応器1が選択透過膜5を表面に成膜
した多孔質管6を内設し、反応器1の内壁4aと多孔質
管6との空隙に触媒層9を設けて反応室とし、反応器1
の内壁近傍で生成した副生成ガスを多孔質管6の表面へ
と誘導する整流板7,8を反応室内に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、有機質ガスの脱
水素反応、水蒸気改質反応などに用いられる選択透過膜
反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】 パラフィンからのオレフィンや芳香族
の誘導ならびに改質反応、エチルベンゼンからのスチレ
ンの誘導に代表されるアルキルアロマテイックスの脱水
素反応など、水素を生成する脱水素反応は一般に大きな
吸熱およびモル数の増大を伴い、熱力学的平衡反応率を
高くするため、高温、低反応物分圧にする必要がある。
【0003】 エチルベンゼンの脱水素を例に取ると、
工業的に実施するためには、一般に600℃から800
℃の高温と反応物の10倍程度の加熱水蒸気を必要とす
る。こうした脱水素反応を促進させる方法として、多孔
質ガラス、パラジウムメッキした無機多孔質体、金属多
孔質体の表面に酸化物層を形成させその外側にパラジウ
ムメッキした水素透過管などを反応器内に設置し、反応
生成物の水素の一部を反応器外に取り出しつつ脱水素反
応を行うメンブレンリアクターが提案されている。
【0004】 代表的な例として図7に示すように、外
表面にパラジウム薄膜30を形成した多孔質セラミック
管31を外筒32に内設し、多孔質セラミック管31の
内部に触媒33を充填した内部充填方式の選択透過膜反
応器34が提案されている(例えば特開昭63−154
629号、特開平5−317708号を参照)。
【0005】 この方式では、原料ガス35が多孔質セ
ラミック管31内部に充填された触媒層33を通過する
ことにより製品ガス36と副生成ガスとして水素ガス3
7が生成する。水素ガス37は多孔質セラミック管31
およびパラジウム薄膜30を透過し、多孔質セラミック
管と外筒との空隙に流れるスイープガス38と共に反応
器外に流出される。スイープガスを用いないで減圧にし
てパラジウム薄膜を透過した水素を反応器外へ流出させ
ることも行われる。この方式では、触媒とパラジウム膜
が直接接触しない構造であるから、触媒によるパラジウ
ム膜の劣化が回避できる。
【0006】 パラジウム膜を薄膜化するためには多孔
質セラミック管の外表面も極細孔の層とする必要があ
り、セラミック層も水素透過の抵抗になりうる。ここ
で、水素透過の方向は図8に示すように2種類ある。水
素をクヌッセン拡散などの1乗則が支配的である多孔質
セラミック層を先に透過させ、その後1/2乗則に支配
されるパラジウム層を透過させるCPモードと、先にパ
ラジウム層を透過させ、その後セラミック層を透過させ
るPCモードとがある。CPモードがPCモードよりも
透過速度が速いのが一般的である。したがって、図7の
方式はこの点からも有利である。
【0007】 触媒活性が低いときには触媒量を多く充
填する必要があり、大口径のパラジウム担持セラミック
管が要求される。しかしながら、パラジウム膜を外表面
に成膜する大口径の多孔質セラミック管の製作はきわめ
て困難である。従って、多孔質セラミック管に充填でき
る触媒量が制限され、工業的な規模の反応器とすること
は困難である。
【0008】 工業的な反応器とするには、水素除去速
度と脱水素反応速度が適合する最適設計を行う必要があ
る。脱水素は触媒の活性に依存し、多量の触媒を必要と
する場合がある。一方、図7の方式ではパラジウム膜を
外表面に成膜した多孔質セラミック管の寸法に制限があ
り、充填できる触媒量を多くすることができない。
【0009】 従って、図9に示す通り、内壁面にパラ
ジウム膜39を成膜した多孔質セラミック管40を外筒
41に内設し、多孔質セラミック管と外筒との間に形成
される空隙に固体触媒を充填した外部充填方式の選択透
過膜反応器43が提案されている。
【0010】 この方式の場合は、副生成ガスの水素4
4は多孔質セラミック管40を透過し、パラジウム膜3
9を透過した後、多孔質セラミック管内部に流れるスイ
ープガス45と共に反応器外に流出される。触媒とパラ
ジウム膜の直接接触は回避され、かつ、CPモードも確
保される。
【0011】 又、外筒41の形状は任意に設計可能で
あり、必要な反応速度を確保するための触媒量に対応し
た外筒の大きさとすることができる。更に、セラミック
管内部がスイープ部とされているから、スイープガスの
代わりに空気を流通させ、透過水素を燃焼させることに
より水素透過速度を向上させることができる。更に又、
この燃焼熱を触媒層に供給することも可能となる。
【0012】 触媒活性が低く、多くの触媒層が必要な
場合は、外筒の径を大きくすれば可能となる。しかしな
がら、図9の方式の大口径反応器においては、外筒近傍
に生成した水素は半径方法の拡散抵抗のためパラジウム
膜部39への到達が困難となり、メンブレンリアクター
としての効率が低下するとの問題をかかえている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上述した
種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と
するところは、触媒活性が低く、多くの触媒量が必要な
場合であっても任意に設計可能な反応器であって、かつ
反応率の高い選択透過膜反応器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、選択
透過膜反応器であって、該反応器の入口より流入した原
料ガスが該反応器内の触媒を充填した反応室内で反応
し、生成した製品ガスを該反応器の出口より流出させ、
副生成ガスを選択透過膜を透過させて該反応室外へと流
出させる選択透過膜反応器において、該反応器が選択透
過膜を表面に成膜した多孔質管を内設し、該反応器の内
壁と該多孔質管との空隙に触媒層を設けて反応室とし、
該反応器の内壁近傍で生成した副生成ガスを該多孔質管
表面へと誘導する整流板を該反応室内に設けたことを特
徴とする選択透過膜反応器が提供される。
【0015】 本発明においては、選択透過膜が水素透
過膜であることを特徴とする選択透過膜反応器が提供さ
れる。更に、その水素透過膜がパラジュウム合金膜であ
ることが好ましい。更に又、選択透過膜が多孔質管の内
壁に成膜されていることが好ましい。
【0016】 又、本発明においては、整流板が熱伝導
率5Wm-1-1以上の伝熱性に優れた材料であることが
好ましい。
【0017】 また、本発明によれば、選択透過膜反応
器であって、反応器の入口より流入した原料ガスが反応
器内の触媒を充填した反応室内で反応し、生成した製品
ガスを反応器の出口より流出させ、副生成ガスを選択透
過膜を透過させて反応室外へと流出させる選択透過膜反
応器において、反応器が選択透過膜を内表面又は外表面
に成膜した多孔質管を内設し、反応器の内壁と多孔質管
との空隙に形成された反応室の構成が、円形状の開口部
を有する整流板であって、開口部内周面が多孔質管と当
接し、整流板の外縁部が反応室内壁近傍にあって、整流
板の一方の面側から流入するガス流を他方の面側へ反転
し流出する第1ガス反転流路部を有する第1整流板と円
形状の開口部を有する整流板であって、整流板の外縁部
が反応器内壁と当接し、開口部の内周面が多孔質管外壁
の近傍にあって、整流板の一方の面から流入するガス流
を他方の面側へ反転流出する第2ガス反転流路部を有す
る第2整流板とが交互に上下方向に棚組みされると共に
各整流板間に触媒が充填された構成であることを特徴と
する選択透過膜反応器が提供される。
【0018】 本発明においては、反応器が円筒体であ
ることが好ましい。更に、多孔質管が袋管であって、倒
立状態で反応器に内設されていることが好ましい。
【0019】 又、本発明においては、多孔質管の外径
が連続的又は段階的に長さ方向に変化していることが好
ましい。更に、反応器の巾方向の寸法が連続的又は段階
的に高さ方向に変化していることが好ましい。
【0020】 本発明においては、第1ガス反転流路部
が反応器内壁の全周にわたって形成されていることが好
ましい。更に、第2ガス反転流路部が多孔質管の外周の
全周にわたって形成されていることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではないことはいうまでもない。本発明を図1に
基づいて説明する。図1は整流板付き外部充填式選択透
過膜反応器1の断面図である。
【0022】 下部に原料ガスの入口2を有し、上部に
製品ガスの出口3を有する円形の反応筒4にパラジウム
薄膜5を内壁面に成膜したセラミック多孔質管6を挿入
し、反応筒側部の内壁4aとセラミック多孔質管外壁6
aとの空隙にドーナツ状の第1整流板7とドーナツ状の
第2整流板8を夫々交互に所定間隔で触媒9と共に入
れ、上下方向に複数段に棚組みをする。
【0023】 第1整流板7の内周径はセラミック多孔
質管6の外径とほぼ同じであり、内周面7aにてセラミ
ック多孔質管6に気密状態で当接している。第1整流板
7の外周径は反応筒4の内径より若干小さく、第1整流
板の外周面7bは反応筒内壁4aと若干の空隙を有して
いる。
【0024】 第2整流板8の外周径は反応筒4の内径
とほぼ同じであり、外周面8bにて反応筒内壁4aに気
密状態で当接している。第2整流板8の内周径はセラミ
ック多孔質管の外径より若干大きく、第2整流板の内周
面8aはセラミック多孔質管6と若干の空隙を有してい
る。
【0025】 セラミック多孔質管6は袋管状であっ
て、その内部には空気流入用のパイプ10が挿入され、
パイプ内に流れる空気がセラミック多孔質管の内部底面
6cに吹き付けられた後パラジウム膜5に沿って下部に
流れ、反応筒4から流出される構成に組み立てられてい
る。
【0026】 この様な構成に組み立てられた本発明の
選択膜反応器1におけるガスの流れについて説明する。
入口より流入した原料ガスは第1整流板7と反応筒内壁
4aとの空隙部に流入し、第2整流板8と反応筒の内壁
4aが当接状態にあるため、方向を反転して、第1整流
板7の上面をセラミック多孔質6方向に流れる。
【0027】 セラミック多孔質管6近傍に達したガス
は第2整流板8とセラミック多孔質管6との空隙部に流
れ、第1整流板7とセラミック多孔質管6が当接してい
るためガス流の方向は反転され、第2整流板8の上面を
反応筒内壁4a方向へと流れる。これを順次各段の棚組
みされた第1整流板7と第2整流板8の間で繰り返しな
がら、最終的には反応筒4の上部のガス出口3へと誘導
される。
【0028】 以上の通り、第1整流板7と反応筒内壁
4a間の空隙においてガス流の反転が行われており、こ
の空隙を以下第1ガス反転流路部11と称する。又、第
2整流板8とセラミック多孔質管6との空隙においてガ
ス流の反転が行われており、この空隙を以下第2ガス反
転流路部12と称する。
【0029】 以上のようなガス流となる本発明の選択
透過膜反応器1においては、入口2より流入した原料ガ
スは各整流板間に充填されている触媒層9を通過しなが
ら製品ガスと水素を生成するが、反応筒内壁近傍に生成
した水素ガスも整流板7,8によってセラミック多孔質
管近傍に誘導され第2ガス反転流路部12にてセラミッ
ク多孔質管6およびパラジウム膜5を透過して空気と接
触し燃焼して反応筒外に流失される。
【0030】 第2ガス反転流路部12で水素モル分率
の低下したガスは再び整流板7,8内の触媒層9によっ
て製品ガスと水素を生成しながら反応筒内壁4a方向に
向かい、第1ガス反転流路部11で反転し、セラミック
多孔質管6方向へと流れ、第2ガス反転流路部12にて
水素モル分率は下げられる。
【0031】 この様に1サイクルごとに水素モル分率
が下げられながら触媒層9を流れるため、反応率は著し
く向上する。又、触媒層を流れる原料ガスの流路は著し
く長くなり、多量の触媒を用いたのと同一の効果が得ら
れる。更に、パラジウム膜を成膜するセラミック多孔質
管も小口径で良く、製造コストが著しく低減され、且つ
触媒の活性に応じて任意に設計が可能となる。従って、
工業的に生産可能な選択膜反応器とすることができる。
【0032】 整流板として、熱伝導率が5Wm-1-1
以上の伝熱性に優れた材料を用い、セラミック多孔質管
内に空気を流せば、パラジウム膜を透過した水素が燃焼
し、その燃焼熱が整流板に伝熱し、触媒層全体を均一に
加熱し、触媒反応を活性化するため好ましい。尚、空気
流入用のパイプ10を挿入し、パイプ内に流れる空気を
予熱しながらセラミック多孔質管底部に吹き出せば、セ
ラミック管に対する熱衝撃も少なく且つ円滑な燃焼と排
出が行われるので好ましい。
【0033】 又、図2に示す通り、セラミック多孔質
管および反応筒をテーバ状にして、整流板を反応筒内壁
又はセラミック多孔質管外壁に当接した状態で触媒と共
に挿着し易くすることが好ましい。セラミック多孔質管
の内壁にパラジウム膜を成膜しているから、パラジウム
膜と触媒は接触せず、触媒によるパラジウム膜の劣化が
回避されるから好ましい。
【0034】 なお、本発明は前記実施態様に限定され
るものではなく、各種の実施態様が可能である。例え
ば、反応筒は矩形状又は多角形状の筒体であっても良
い。セラミック多孔質管においても同様である。副生成
ガス、触媒、透過膜の種類によっては多孔質管の外表面
に成膜しても良い。多孔質管はセラミックが耐熱性、耐
食性などで好ましいが金属であっても良い。整流板は分
割板を組み合わせた板であっても良い。或いはらせん体
であっても良い。らせん体の場合はらせん体の外縁部が
反応筒の外壁およびセラミック多孔質管の外壁に当接し
ていることが必要である。
【0035】 又、図3に示す通り、第1整流板7の外
径は反応筒内径4aと当接できる程度に同じにして、切
り欠け部7cを第1ガス反転流路部11としてもよい。
第2整流板8についても同様、図4に示す通り、その内
径をセラミック多孔質管6の外径と当接できる程度に同
じにして、切り欠け部8cを第2ガス反転流路部12と
してもよい。更に、整流板を支える支柱(図示しない)
を各整流板間や反応筒底部に設けてもよい。
【0036】 更に又、パラジウム膜を成膜したセラミ
ック多孔質管を複数本反応筒内に設置し、整流板でガス
流路を制御しつつ反応を行う所謂整流板付き多管式選択
透過膜反応器も可能である。この場合は、反応側の水素
モル分率が全ての位置でゼロになるようにセラミック多
孔質管の本数、位置を決定することが好ましい。
【0037】
【実施例】 化学式1に示すシクロヘキサンの脱水素反
応について、図1の選択膜反応器を用いた場合の反応率
についてコンピューターシミュレーションによって求め
た。その結果を図5に示す。
【0038】
【化1】C612=C66+3H2
【0039】 前提条件として、セラミック多孔質管の
外径17mm、長さ1m、反応筒内径85mm、触媒5
%Pd/Al23、反応温度473K、全圧0.1MP
a、原料ガスは純粋のシクロヘキサンを用い、入口モル
流量1.0×10 -4mol/sとする。セラミック多孔
質管内に空気を流し、Pd膜を透過した水素はすぐに燃
焼される。即ち、スイープ側の水素分圧はゼロとした。
整流板のガス流誘導効果として、触媒層が充填された反
応室(ドーナツ状)における半径方向の水素の拡散係数
Dtを整流板が無い場合の半径方向の水素拡散係数Dh
の10倍とした。
【0040】 又、触媒による化学反応速度式は数式1
を用いた(N. Itoh、AIChJ,Vol 33, pp1576-1578,(198
7)を参照)。パラジウム膜を成膜したセラミック多孔質
管の水素透過速度は数式2を用いた。
【0041】
【数1】 rA=−k (KPA―PEH 3)/(PH 3+KAPA) [mol/(s・m3−bed)] rA;反応速度 k=0.221exp(−4270/T) [mol/s・Pa・m3] KP=4.89×1035exp(−26490/T) [Pa3] PA;シクロヘキサンの分圧 PE;ベンゼンの分圧 PH;水素分圧 [Pa] KA =2.03×10-10exp(6270/T) [Pa-1]
【0042】
【数2】 QH=αH ((PHR/PO0.5−(PHS/PO0.5 ) [mol/s] QH;パラジウム膜を成膜したセラミック多孔質管中の
水素速度 αH ;パラジウム膜中の水素透過係数(Hermanの式(Her
man et al., J. Membr.Sci., Vol.136,pp161-172(1997)
による。) PHR;反応室側の水素分圧 [Pa] PO;基準圧力 [Pa] PHS;スイープ側の水素分圧 ,PHS =0 [P
a]
【0043】 コンピューターシミュレーション結果で
ある図5より明らかの通り、反応筒内壁近傍の水素モル
分率はセラミック多孔質管近傍の水素モル分率と大差な
く低く、入口近辺では、0.15(即ち、15%)まで
上昇するが出口方向に徐々に低下し、0.04程度に達
する。この結果、各層の触媒層においても水素による阻
害作用が小さく反応は長さに比例して増加し、反応率は
85%に達する。この値は、膜を用いない通常の固定層
反応器のときの平衡反応率0.06(6%)よりもはる
かに大きいことが分かる。図5において実施例1として
示す。
【0044】 尚、整流板の効果が最も高い場合とし
て、半径方向の水素モル分率に差がなく、反応筒内壁近
傍における水素モル分率がセラミック多孔質管近傍の水
素モル分率と同じと仮定した場合についてのコンピュー
ターシミュレーション結果を図5に併記した。この場合
の反応率は0.98(98%)であってそれほど向上し
ない。図5において実施例2として示す。
【0045】 更にパラジウム膜の水素透過速度が極限
まで向上したとして、反応器内の水素分圧を常にゼロに
した場合のコンピューターシミュレーション結果を図5
に併記した。この場合は大幅に向上して、入口近傍で既
に完全に反応する。このことは、本発明の整流板による
ガスの誘導と共に透過性の優れた選択透過膜を用いれば
相乗効果により著しい反応率の高い選択透過膜反応器が
得られることを示している。図5において実施例3とし
て示す。
【0046】 比較例として、整流板を用いない場合に
ついてコンピューターシミュレーションした結果を図6
に示す。前提条件として半径方向の水素拡散係数の設定
以外は全て前記実施例と同じにしてシミュレーションし
た。
【0047】 図6に示される通り、反応器の内壁近傍
における水素モル分率は、入口近傍で既に平衡状態0.
15(15%)に達し、その後徐々に下降し、出口近傍
でも0.06とまだ高い水準である。反応率は0.53
(53%)程度である。
【0048】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の選択透
過膜反応器は、反応筒内壁近傍で生成した水素が整流板
によってパラジウム膜近傍まで誘導され、水素モル分率
が下げられながら再び触媒層を流れる構成であるから反
応率は著しく向上する。又、触媒層を流れる原料ガスの
流路は著しく長くなり、多量の触媒を用いたのと同一の
効果が得られる。更に、パラジウム膜を成膜するセラミ
ック多孔質管も小口径でよく、製造コストが著しく低減
され、且つ触媒の活性に応じて任意に設計が可能とな
る。従って、工業的に生産可能な選択透過膜反応器とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の整流板付き外部充填式選択透過膜反
応器の断面図を示す。
【図2】 本発明の外部充填式選択透過膜反応器の実施
態様の1例を示す。
【図3】 多孔質管に当接する整流板の実施態様の1例
を示す。
【図4】 反応筒内壁に当接する整流板の実施態様の1
例を示す。
【図5】 本発明の選択透過膜反応器を用いて、シクロ
ヘキサンの脱水素反応における反応率をコンピューター
シミュレーションにより求めた結果を示す。
【図6】 比較例として、整流板を用いない場合の反応
率についてコンピューターシミュレーションにより求め
た結果を示す。
【図7】 従来の内部充填式選択透過膜反応器を示す。
【図8】 パラジウム膜を成膜したセラミック多孔質管
における2種類の水素透過モード(CPモード、PCモ
ード)を示す。
【図9】 従来の外部充填式選択透過膜反応器を示す。
【符号の説明】
1…整流板付き外部充填式選択透過膜反応器、2…原料
ガス入口、3…製品ガス出口、4…反応筒、4a…反応
筒側部の内壁、5…パラジウム膜、6…セラミック多孔
質管、6a…セラミック多孔質管の外壁、6b…セラミ
ック多孔質管の内壁、6c…セラミック多孔質管の底
部、7…第1整流板、7a…第1整流板の内周面、7b
…第1整流板の外周面、7c…第1整流板の切り欠け
部、8…第2整流板、8a…第2整流板の内周面、8b
…第2整流板の外周面、8c…第2整流板の切り欠け
部、9…触媒層、10…空気流入用パイプ、11…第1
ガス反転流路部、12…第2ガス反転流路部、13…原
料ガス、14…製品ガス、15…水素ガス、16…空
気、17…燃焼ガス、30…パラジウム薄膜、31…多
孔質セラミック管、32…外筒、33…触媒、34…内
部充填方式の選択透過膜反応器、35…原料ガス、36
…製品ガス、37…水素ガス、38…スイープガス、3
9…パラジウム膜、40…セラミック多孔質管、41…
外筒、42…触媒、43…外部充填方式の選択透過膜反
応器、44…水素、45…スイープガス、46…原料ガ
ス、47…製品ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 始 愛知県名古屋市千種区北千種1丁目9番1 −212号 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA21 JA25A JA29A JA70A MA03 MB04 MC02 MC02X MC03 MC03X PB20 PB66 PC80 4G040 EA06 EB14 EB23 EB43 EC03 EC08 4G070 AA01 AB06 BB03 CA01 CA17 CB16 4G075 AA03 BA05 BD14 CA54

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 選択透過膜反応器であって、該反応器の
    入口より流入した原料ガスが該反応器内の触媒を充填し
    た反応室内で反応し、生成した製品ガスを該反応器の出
    口より流出させ、副生成ガスを選択透過膜を透過させて
    該反応室外へと流出させる選択透過膜反応器において、 該反応器が選択透過膜を表面に成膜した多孔質管を内設
    し、該反応器の内壁と該多孔質管との空隙に触媒層を設
    けて反応室とし、該反応器の内壁近傍で生成した副生成
    ガスを該多孔質管表面へと誘導する整流板を該反応室内
    に設けたことを特徴とする選択透過膜反応器。
  2. 【請求項2】 該選択透過膜が水素透過膜であることを
    特徴とする請求項1に記載の選択透過膜反応器。
  3. 【請求項3】 該水素透過膜がパラジウム合金膜である
    ことを特徴とする請求項2に記載の選択透過膜反応器。
  4. 【請求項4】 該選択透過膜が該多孔質管の内壁に成膜
    されていることを特徴とする請求項1に記載の選択透過
    膜反応器。
  5. 【請求項5】 該整流板が熱伝導率5Wm-1-1以上の
    伝熱性に優れた材料であることを特徴とする請求項1に
    記載の選択透過膜反応器。
  6. 【請求項6】 選択透過膜反応器であって、該反応器の
    入口より流入した原料ガスが該反応器内の触媒を充填し
    た反応室内で反応し、生成した製品ガスを該反応器の出
    口より流出させ、副生成ガスを選択透過膜を透過させて
    該反応室外へと流出させる選択透過膜反応器において、 該反応器が選択透過膜を内表面又は外表面に成膜した多
    孔質管を内設し、該反応器の内壁と該多孔質管との空隙
    に形成された反応室の構成が、円形状の開口部を有する
    整流板であって、開口部内周面が該多孔質管と当接し、
    該整流板の外縁部が該反応室内壁近傍にあって、該整流
    板の一方の面側から流入するガス流を他方の面側へ反転
    し流出する第1ガス反転流路部を有する第1整流板と円
    形状の開口部を有する整流板であって、該整流板の外縁
    部が反応器内壁と当接し、該開口部の内周面が多孔質管
    外壁の近傍にあって、該整流板の一方の面から流入する
    ガス流を他方の面側へ反転流出する第2ガス反転流路部
    を有する第2整流板とが交互に上下方向に棚組みされる
    と共に各整流板間に触媒が充填された構成であることを
    特徴とする選択透過膜反応器。
  7. 【請求項7】 該反応器が円筒体であることを特徴とす
    る請求項6に記載の選択透過膜反応器。
  8. 【請求項8】 該多孔質管が袋管であって、倒立状態で
    該反応器に内設されていることを特徴とする請求項6に
    記載の選択透過膜反応器。
  9. 【請求項9】 該多孔質管の外径が連続的又は段階的に
    長さ方向に変化していることを特徴とする請求項6に記
    載の選択透過膜反応器。
  10. 【請求項10】 該反応器の巾方向の寸法が連続的又は
    段階的に高さ方向に変化していることを特徴とする請求
    項6に記載の選択透過膜反応器。
  11. 【請求項11】 該第1ガス反転流路部が該反応器内壁
    の全周にわたって形成されていることを特徴とする請求
    項6に記載の選択透過膜反応器。
  12. 【請求項12】 該第2ガス反転流路部が多孔質管の外
    周の全周にわたって形成されていることを特徴とする請
    求項6に記載の選択透過膜反応器。
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