JP2001213066A - 平版印刷版支持体の製造方法、平版印刷版支持体、および、平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版支持体の製造方法、平版印刷版支持体、および、平版印刷版

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JP2001213066A
JP2001213066A JP2000027107A JP2000027107A JP2001213066A JP 2001213066 A JP2001213066 A JP 2001213066A JP 2000027107 A JP2000027107 A JP 2000027107A JP 2000027107 A JP2000027107 A JP 2000027107A JP 2001213066 A JP2001213066 A JP 2001213066A
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JP2000027107A
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English (en)
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Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定の品質を維持し、印刷性能・刷版性能に
優れた平版印刷版を供し得る平版印刷版支持体の製造方
法、該製造方法により製造される平版印刷版支持体、お
よび、該平版印刷版支持体を用いた平版印刷版を提供す
ること。 【解決手段】 アルミニウム板の表面に対し、下記工程
(1)〜(5)のうち、少なくとも3工程の処理を施
し、良好な表面物性の平版印刷版支持体を製造すること
を特徴とする平版印刷版支持体の製造方法、該製造方法
により製造される平版印刷版支持体、および、該平版印
刷版支持体を用いた平版印刷版である。 工程(1):特定の機械的粗面化工程 工程(2):特定のエッチング工程 工程(3):特定の電気化学的粗面化工程 工程(4):特定の陽極酸化皮膜生成工程 工程(5):特定の親水化処理工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体として、ア
ルミニウム、アルミニウム合金を用いた平版印刷版支持
体の製造方法、該平版印刷版支持体の製造方法により製
造された平版印刷版支持体、および、かかる平版印刷版
支持体を用いた平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷版用支持体、特に平版印刷版用支持
体としては、アルミニウム板、または、アルミニウム合
金版等が用いられている。一般に、アルミニウム板を平
版印刷版支持体として使用する為には、感光材料との間
における適度の密着性、保水性が必要とされ、更に、表
面が均一に粗面化されている事が必要とされる。また、
表面の硬さが適度に保たれ、高い耐傷性を有することも
必要とされる。
【0003】今日、平版を用いた印刷の伸びは非常に大
きく、平版印刷の刷版として用いられる平版印刷版も広
く使われており、大量生産システムをいかに構築するか
が重要な課題となっている。大量生産システムの中で
も、いかに一定の品質の平版印刷版を効率良く、ばらつ
きを最小限に抑えて製造するか、が非常に重要な課題と
なっている。
【0004】上記課題を解決すべく、特開平8−168
719号公報には、算術平均粗さと、塗布速度、粘度、
表面張力によって求められるキャピラリー数を限定し
て、塗布性をより高速化させる技術が開示されている。
しかし、平版印刷版においては、塗布性のみならず、表
面処理における安定性をも要求される。特に、大量生産
を可能とするためには、高速製造条件下で、一定の品質
の平版印刷版を製造できることが強く要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸要求に応え、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、一定の品質を維持し、印刷性
能・刷版性能に優れた平版印刷版を供し得る平版印刷版
支持体の製造方法、該製造方法により製造される平版印
刷版支持体、および、該平版印刷版支持体を用いた平版
印刷版を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、 <1> アルミニウム板の表面に対し、下記工程(1)
〜(5)のうち、少なくとも3工程の処理を施すことを
特徴とする平版印刷版支持体の製造方法である。 工程(1):比重が、その中心値に対し±10%の範囲
内にある研磨スラリーを用い、アルミニウム板の表面を
機械的に粗面化する機械的粗面化工程 工程(2):水酸化ナトリウムを主体とし、比重が、そ
の中心値に対し±10%の範囲内にあり、かつ、電導度
が、その中心値に対し±20%の範囲内にあるアルカリ
水溶液を用い、アルミニウム板の表面をエッチングする
エッチング工程 工程(3):塩酸または硝酸を主体とし、電導度が、そ
の中心値に対し±20%の範囲内にあり、かつ、超音波
の音速が、その中心値に対し±20%の範囲内にある電
解液を用い、アルミニウム板の表面を電気化学的に粗面
化する電気化学的粗面化工程 工程(4):硫酸を主体とし、比重が、その中心値に対
し±10%の範囲内にあり、かつ、電導度が、その中心
値に対し±20%の範囲内にある電解液を用い、アルミ
ニウム板の表面に酸化皮膜を生成させる陽極酸化皮膜生
成工程 工程(5):電導度が、その中心値に対し±20%の範
囲内にある溶液を用い、アルミニウム板の表面を親水化
する親水化処理工程 <2> <1>に記載の平版印刷版支持体の製造方法で
あって、表面物性として、下記物性〜を満足する平
版印刷版支持体を製造することを特徴とする平版印刷版
支持体の製造方法である。 物性:表面の算術平均粗さ(Ra)が、その平均値に
対し±20%の範囲内 物性:表面の明るさ(L)が、その平均値に対し±1
0%の範囲内 物性:表面をAFM(原子間力顕微鏡、水平(X,
Y)方向の分解能:0.lμm、測定範囲:100×1
00(μm))により測定し、近似三点法により求めた
表面積をa、上部投影面積をbとした時、a/bの値
(比表面積)が、その平均値に対し±20%の範囲内 物性:表面をAFM(原子間力顕微鏡、水平(X,
Y)方向の分解能:1.9μm、測定範囲:240×2
40(μm))により測定し、傾斜度が、30度以上で
ある割合(a30)が、その平均値に対し±20%の範
囲内 <3> 前記3工程が、工程(1)または工程(3)、
工程(2)、および、工程(4)の3つの工程であるこ
とを特徴とする<1>または<2>に記載の平版印刷版
支持体の製造方法である。 <4> 前記工程(1)〜工程(4)の処理が、少なく
ともそれぞれ1回以上施されることを特徴とする<1>
または<2>に記載の平版印刷版支持体の製造方法であ
る。 <5> 前記工程(2)〜工程(5)の処理が、少なく
ともそれぞれ1回以上施されることを特徴とする<1>
または<2>に記載の平版印刷版支持体の製造方法であ
る。 <6> 前記工程(1)〜工程(5)の処理が、少なく
ともそれぞれ1回以上施されることを特徴とする<1>
または<2>に記載の平版印刷版支持体の製造方法であ
る。 <7> <1>〜<6>のいずれか1に記載の平版印刷
版支持体の製造方法により製造されたことを特徴とする
平版印刷版支持体である。 <8> <7>に記載の平版印刷版支持体を用いたこと
を特徴とする平版印刷版である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 A:平版印刷版支持体の製造方法 本発明の平版印刷版支持体の製造方法は、アルミニウム
板の表面に対し、前記工程(1)〜(5)のうち、少な
くとも3工程の処理を施すことを特徴とするものであ
る。その結果、表面物性として、前記物性、、お
よびを満足し得る優れた特性の平版印刷版支持体を製
造することができるものである。
【0008】まず、本発明の平版印刷版支持体の製造方
法に供されるアルミニウム板について説明し、続いて前
記工程(1)〜(5)の各表面処理工程、および、結果
として満足し得る物性〜の各表面物性について、順
に説明する。
【0009】[アルミニウム板]本発明に供されるアル
ミニウム板としては、純アルミニウムおよびアルミニウ
ム合金の双方が含まれる。アルミニウム合金としては、
種々の合金が使用可能であり、例えば、珪素、銅、マン
ガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ニッケル、ビ
スマス等と、アルミニウムとの合金が挙げられる。
【0010】使用可能な具体的なアルミニウム合金とし
ては、種々挙げられるが、例えば、オフセット印刷用版
材としては、特公昭58−6635号公報において開示
されている、FeおよびSi成分が限定され、金属間化
合物が特定されたアルミニウム合金、特公昭55−28
874号公報において開示されている、冷間圧延、中間
焼鈍を行うことにより、電解粗面化の電圧印加方法が限
定されたアルミニウム合金等が挙げられる。
【0011】また、特公昭62−41304号、特公平
1−46577号、特公平1−46578号、特公平1
−47545号、特公平1−35910号、特公昭63
−60823号、特公昭63−60824号、特公平4
−13417号、特公平4−19290号、特公平4−
19291号、特公平4−19293号、特公昭62−
50540号、特開昭61−272357号、特開昭6
2−74060号、特開昭61−201747号、特開
昭63−143234号、特開昭63−143235
号、特開昭63−255338号、特開平1−2833
50号の各公報、EP272528号、米国特許490
2353号、同4818300号、EP394816
号、米国特許5019188号、西ドイツ特許3232
810号、米国特許435230号、EP239995
号、米国特許4822715号、西ドイツ特許3507
402号、米国特許4715903号、西ドイツ特許3
507402号、EP289844号、米国特許500
9722号、同4945004号、西ドイツ特許371
4059号、米国特許4686083号、同48613
96号、EP158941号の各明細書等に示されてい
るアルミニウム合金等が挙げられるが、これらに制限さ
れることはなく、一般的なアルミニウム合金が全て用い
られる。
【0012】前記アルミニウム板の製造方法としては、
熱間圧延を使用した方法と共に、連続鋳造で行う方法も
近年開示されている。例えば、東ドイツ特許25279
9号明細書では、双ローラ方式で行われた板材が紹介さ
れている。EP223737号、米国特許480293
5号、同4800950号の各明細書では、微量合金成
分を限定して出願されている。EP415238号明細
書では、連鋳、連鋳+熱延を提案している。
【0013】前記アルミニウム板は、場合により、まず
脱脂処理を行ってもよい。脱脂処理を行う場合は、トリ
クレン等の溶剤が用いらる溶剤脱脂法、界面活性剤が用
いらる界面活性剤脱脂法、あるいは、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリエッチング剤を用いる
アルカリ脱脂法が、広く採用されている。特開平2−0
26793号公報では、アルミニウム板の脱脂処理につ
いて記載がされている。
【0014】溶剤脱脂法としては、例えば、ガソリン、
ケロシン、ベンジン、ソルベントナフサ、ノルマルヘキ
サン等の石油系溶剤を用いる方法;トリクロルエチレ
ン、メチレンクロライド、パークロルエチレン、1,
1,1−トリクロルエタン等の塩素系溶剤を用いる方
法;等が挙げられる。界面活性剤脱脂法としては、アニ
オン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面
活性剤、あるいは、両性活性剤の水溶液が用いられ、各
種の市販品等を用いることが出来る。
【0015】アルカリ脱脂法としては、例えば、水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硫酸
ナトリウム等のソーダ塩の水溶液を用いる方法;オルト
ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケイ酸
ナトリウム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩の水溶
液を用いる方法;第一憐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリ
ウム、第二燐酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム等の燐酸塩水溶液を用いる方法;等が挙げられる。
【0016】アルカリ脱脂法を採用する場合、処理時
間、処理温度によって、アルミニウム板表面が溶解する
可能性があるので、脱脂処理については、溶解現象が伴
わないようにすることが望まれる。これら脱脂方法とし
ては、浸漬法、吹き付け法、液を布等に含ませて擦る方
法等を採用することが出来る。また、浸漬法や吹き付け
法には、超音波を併用してもよい。
【0017】前記アルミニウム板は、後の各種表面処理
に先立って、予備研磨を行うことが望ましい。予備研磨
の方法としては、一般に、電気化学的に行うか、あるい
は、機械的に行う。予備研磨は、電気化学的に行う場
合、一般に硫酸溶液中で直流電解によって行う。この場
合、硫酸濃度としては15重量%〜80重量%、温度と
しては40〜80℃、電源としては直流を用いることが
適当であり、電流密度としては5A/dm2〜50A/
dm2、電気量としては、100〜3000c/dm2
適当である。
【0018】一方、機械的に行う場合には、ポリアミ
ド、ポリエステル、レーヨン等で構成された不織布に、
平均粒径1〜25μmの研磨材を含有させて作ったロー
ラによって予備研磨することが好ましい。
【0019】予備研磨する条件としては、表面の粗さを
ある程度維持することが可能な条件を選択することが必
要である。ローラ径は200〜1000mmで、均一な
面質を維持するため、原板の圧延方向と垂直方向に、連
続処理の場合は、ライン方向と垂直に、5〜2000回
/分の振動を与えることが好ましい。いずれにしても、
アルミニウム板の表面について、予備研磨により算術平
均粗さRaを0.15〜0.35μm、並びに最大高さ
yを1〜3.5μmにすることが好ましい。即ち、上
記直流電解および/またはローラによる予備研磨に限ら
ず算術平均粗さRa、最大高さRyを上記所望の粗さにす
ることが好ましい。
【0020】[表面処理工程]本発明の平版印刷版支持
体の製造方法においては、前記工程(1)〜(5)のう
ち、少なくとも3工程の処理が施される。以下、各工程
についてそれぞれ説明する。
【0021】−工程(1):機械的粗面化工程− 機械的粗面化工程においては、例えば、図1に示され
る、特公昭50−40047号公報に記載の装置を使用
することができる。図1において、アルミニウム板1
は、矢印A方向への搬送に伴い、その表面に研磨スラリ
ー3が供給され、ロール状ブラシ2で擦られることによ
り粗面化される。このブラシによる粗面化としては、ナ
イロンブラシによる粗面化の他、ワイヤーブラシによる
粗面化等も含まれる。
【0022】なお、図1においては、良好な粗面化を行
うために、機械的粗面化を2段行っているが、本発明に
おいて機械的粗面化の段数は特に制限されるものではな
く、1段であっても3段以上であっても構わない。
【0023】機械的粗面化の方法(機械的な砂目立て方
法)には、ボール研磨と呼ばれる方法(金属板上に研磨
剤を散布して、その上を鋼球あるいは磁性球をころがす
ことによって研磨する方法)、液体ホーニングエアブラ
スト等の吹付け研磨法、ブラシ研磨法、および、高圧水
でのスラリー噴射等が挙げられる。
【0024】ブラシ研磨法一般について述べれば、この
方式は必要に応じて適当な研磨剤を分散させたスラリー
液を被加工板上に散布し、その上を金属あるいは樹脂製
ブラシを回転させて研磨するもので、上述の他の方式に
比べ、比較的簡単な設備でコイル状の金属板を連続的に
処理することができ、近年、印刷分野においても用いら
れつつある技術である(例えば、ボール研磨では、シー
ト加工のみで、かつ、仕上がりに長時間を要する。吹付
け研磨法では、連続処理も可能ではあるが、極めて大き
な設備を要すると同時に、印刷版の如く薄い加工板の場
合には、吹付けにより平面性を甚だしく損なう。)。
【0025】しかしながら、ブラシ研磨法は、同時にい
くつかの大きな問題点を抱えている。まず、第1にブラ
シを高速回転させるために、ブラシおよび被加工板に振
動を誘起し、そのために加工面が不均一になる。特に工
業的にはブラシの磨耗により、ブラシロールの交換がし
ばしば行われ、それゆえにブラシロールの着脱機構を有
する必要があるため、機構上ブラシロール回転中の動的
バランスを崩しやすく、より大きな振動を誘起する結果
となる。第2にロール状のブラシを一定方向に回転させ
るために起こる研磨面の方向性等である。高圧水による
粗面化については、特開昭59−21469号公報、特
開昭60−19595号公報、特開昭60−18390
号公報等に示されている。
【0026】研磨スラリーにおける研磨材の濃度は、機
械的粗面化の程度に与える影響が大きい。したがって、
研磨スラリーの比重を一定にすることで、供給する研磨
材の濃度を一定にコントロールすることが重要となる。
コントロール範囲としては、中心値に対し±10%とす
ることが必要であり、望ましくは±7%である。コント
ロール範囲が±10%を超えると、供給する研磨材の濃
度のばらつきから、機械的粗面化の程度にもばらつきを
生じ、最終的に得られる平版印刷版支持体、さらには平
版印刷版の品質の不安定化を来す。
【0027】ここで「中心値」とは、機械的粗面化に適
切とされる研磨スラリーの比重のことを指し、その具体
的な値は、研磨材の種類・粒径、研磨用のブラシの種類
等により異なり、一概には言えないが、一般的に、1.
05〜1.95の範囲から設定することが好ましく、
1.10〜1.25の範囲から設定することがより好ま
しい。また、一定の粒径を維持するために、サイクロン
等の分級機を付設して未使用の研磨材を系内に入れると
同時に細かい粒径のものを系外に出すことが望ましい。
【0028】−工程(2):エッチング工程− エッチング工程とは、一般的には、アルミニウム板の平
滑化、均斉化等を目的として、アルミニウム板の表面を
アルカリの処理液で化学処理する工程である。特に、後
述の電気化学的粗面化工程の処理を施す場合には、機械
的粗面化工程の後そのまま引き続いて行うと、粗面化が
不均一になる場合があるため、当該エッチング工程を設
けることが有効となる。
【0029】本発明においては、水酸化ナトリウムを主
体とするアルカリ水溶液を処理液として用いる。水酸化
ナトリウムを主体とするアルカリ水溶液とすることによ
り、アルミニウムに対して、平滑なエッチング粗面を得
ることができ、品質的に良好なものが得られると共に、
工業的に安価な薬品でもある。。ここで「水酸化ナトリ
ウムを主体とする」とは、アルカリ水溶液におけるアル
カリ成分として、水酸化ナトリウムが主に使用されてい
ることを指し、本発明におけるアルカリ水溶液は、水酸
化ナトリウムと他のアルカリ成分との混合液であっても
よく、さらに他の微量成分が含まれていてもよい。
【0030】水酸化ナトリウムとともに使用可能な他の
アルカリ成分としては、例えば、炭酸ナトリウム、重炭
酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等のソーダ塩;オルトケ
イ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケイ酸ナ
トリウム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩;第一燐
酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の燐酸塩;等が挙げ
られる。
【0031】エッチング工程における処理条件として
は、アルカリ水溶液中の水酸化ナトリウムの濃度が0.
01%〜50重量%であることが好ましく、温度が20
℃〜90℃であることが好ましく、処理時間が5秒〜5
分間であることが好ましい。エッチング量としては、ア
ルミニウムの材質や、求める品質により適時選択され
る。
【0032】特開昭54−65607号、特開昭55−
125299号各公報では、電気化学的粗面化の前処理
を提案している。特開昭63−235500号、特開昭
63−307990号、特開平1−127388号、特
開平1−160690号、特開平1−136789号、
特開平1−136788号、特開平1−178497
号、特開平1−308689号、特開平3−12687
1号、特開平3−126900号、特開平3−1738
00号各公報等に各種前処理が合まれているが、本発明
は、これら記載に限定されるわけではない。
【0033】エッチング工程においては、例えば、図2
に示される、特開平4−128392号公報に記載の装
置を使用することができる。図2において、アルミニウ
ム板1は、パスローラ32およびニップローラ31によ
る矢印B方向への搬送に伴い、エッチング処理槽30内
でスプレー33から噴射されるアルカリ水溶液により処
理される。また、この装置においては、処理後のアルカ
リ水溶液の廃液の処理も同時を行うことができるように
構成されており、廃液を調液タンク35、拡散透析槽3
6、析出槽27、シックナー38、ドラムフィルター3
9等から構成されるシステムで処理して、一部はエッチ
ング液として再生し、一部を水酸化アルミニウムとして
回収している。
【0034】エッチング工程では、水酸化ナトリウムの
濃度およびアルミニウム濃度を一定にする必要があり、
それには、比重と電導度とが一定になるようにコントロ
ールすることによって代用することができる。比重のコ
ントロール範囲としては、中心値に対して±10%とす
ることが必要であり、好ましくは±7%である。また、
電導度のコントロール範囲としては、中心値に対して±
20%とすることが必要であり、好ましくは±10%で
ある。
【0035】ここで「中心値」とは、エッチングに適切
とされる水酸化ナトリウムの濃度およびアルミニウム濃
度に対応する比重および電導度のことを指し、その具体
的な値は、一概には言えないが、比重としては一般的
に、1.2〜1.6の範囲から設定することが好まし
く、1.3〜1.5の範囲から設定することがより好ま
しい。一方、電導度としては、一般的に、0.15〜
0.40(S/cm)の範囲から設定することが好まし
く、0.2〜0.3(S/cm)の範囲から設定するこ
とがより好ましい。
【0036】これらコントロール範囲が上記規定範囲を
超えると、アルカリ水溶液の濃度のばらつきから、粗面
化の程度にもばらつきを生じ、アルミニウムの析出が生
じ、工程への押し傷等が発生すると共に、最終的に得ら
れる平版印刷版支持体、さらには平版印刷版の品質の不
安定化を来す場合がある。なお、アルカリ水溶液の液温
度についても、できる限り一定の値にコントロールする
ことが望まれる。
【0037】アルカリ水溶液によりアルミニウム表面を
エッチング処理すると、その表面に不溶解残渣部すなわ
ちスマットが生成する。このスマットは、燐酸、硝酸、
硫酸、クロム酸、またはこれらの混合物により除去する
ことが出来る(デスマット工程)。本発明に於いて、エ
ッチング処理に続いて、後述の電気化学的粗面化処理が
施される場合には、アルミニウム表面は、スマットの無
い清浄な面であることが望ましい。しかし、後述の電気
化学的粗面化処理に供する電解液が酸であり、デスマッ
ト作用を持つ場合等は、デスマット工程を省略すること
ができる。
【0038】−工程(3):電気化学的粗面化工程− 電気化学的粗面化工程においては、例えば、図3に示さ
れる、特開平5−8576号公報に記載の装置を使用す
ることができる。図3において、アルミニウム板1は、
矢印C方向への搬送に伴い、第1粗面化処理装置41お
よび第2粗面化処理装置42により、電解処理される。
両粗面化処理装置41,42ともにドラムローラ45と
主電極44とが対向して電解液46中に配置されてい
る。アルミニウム板1は、このドラムローラ45と主電
極44との間を通過することで電解処理される。
【0039】また、この装置は、アルミニウム板の両面
を処理するものであり、第2粗面化処理装置42の下流
側に、アルミニウム板1の表裏を逆転させた上で搬送さ
れる、ドラムローラ45と主電極44とを電解液46中
で対向配置してなる裏面粗面化処理装置43を備えてい
る。すなわち、図3に示す装置は、アルミニウム板1の
両面を電解処理できる構成となっている。尚、符号47
は水洗のためのスプレーである。また、アルミニウム板
1は、パスローラ48とニップローラ49により搬送さ
れる。
【0040】電気化学的粗面化の具体的な構成について
は、特公昭48−28123号公報、英国特許8965
63号明細書等を参照することができる。また、使用す
る電流は、従来正弦波形の交流電流を用いるものである
が、特開昭52−58602号公報に記載されているよ
うな特殊な波形を用いて行ってもよい。さらに、特開昭
55−158298号、特開昭56−28898号、特
開昭52−58602号、特開昭52−152302
号、特開昭54−85802号、特開昭60−1903
92号、特開昭58−120531号、特開昭63−1
76187各号公報、特開平1−5889号、特開平1
−280590号、特開平1−118489号、特開平
1−148592号、特開平1−178496号、特開
平1−188315号、特開平1−154797号、特
開平2−235794号、特開平3−260100号、
特開平3−258600号、特開平4−72079号、
特開平4−72098号、特開平3−267400号、
特開平1−141094号各公報に記載の方法も適用で
きる。
【0041】周波数としては、前述の他に、電解コンデ
ンサーにて提案されているものも使用することもでき
る。例えば、米国特許4276129号、同46768
79号明細書等に記載のものである。
【0042】電気化学的粗面化工程に用いる電解液とし
ては、硝酸、塩酸等前述の他、米国特許467185
9、同466576、同4661219、同46184
05、同462628、同4600482、同4566
960、同4566958、同4566959、同44
16972、同4374710、同4336113、同
4184932各号明細書等の電解液も使用できるが、
本発明においては、塩酸または硝酸を主体とするもので
あることが必須である。塩酸または硝酸を主体とするこ
とにより、表面に均一な凹凸を形成することができると
共に、電気条件等により、表面形状を所望の性能にコン
トロールすることができる。
【0043】ここで「塩酸または硝酸を主体とする」と
は、電解液成分として、塩酸または硝酸が主に使用され
ていることを指し、本発明における電解液は、塩酸また
は硝酸と他の酸成分との混合液であってもよく、さらに
他の微量成分が含まれていてもよい。
【0044】電解液成分における塩酸または硝酸の濃度
としては、一般的には、塩酸の場合、0.5〜5重量%
が好ましく、1〜2重量%がより好ましい。また、硝酸
の場合、0.5〜5重量%が好ましく、1〜2重量%が
より好ましい。塩酸と硝酸との混酸の場合、1〜2重量
%がより好ましい。
【0045】電解槽、電源としては、色々提案されてい
るが、米国特許4203637号明細書、特開昭56−
123400号、特開昭57−59770号、特開昭5
3−12738号、特開昭53−32821号、特開昭
53−32822号、特開昭53−32823号、特開
昭55−122896号、特開昭55−132884
号、特開昭62−127500号、特開平1−5210
0号、特開平1−52098号、特開昭60−6770
0号、特開平1−230800号、特開平3−2571
99号各公報等に記載のものが挙げられる。
【0046】また、上述した文献以外にも、色々提案さ
れている。例えば、特開昭52−58602号、特開昭
52−152302号、特開昭53−12738号、特
開昭53−12739号、特開昭53−32821号、
特開昭53−32822号、特開昭53−32833
号、特開昭53−32824号、特開昭53−3282
5号、特開昭54−85802号、特開昭55−122
896号、特開昭55−132884号、特公昭48−
28123号、特公昭51−7081号、特開昭52−
133838号、特開昭52−133840号、特開昭
52−133844号、特開昭52−133845号、
特開昭53−149135号、特開昭54−14623
4号各公報に記載のもの等も勿論、適用することができ
る。
【0047】本発明において電気化学的粗面化工程で
は、電解液の液濃度を管理するために、電解液の電導度
および超音波の音速をコントロールすることが必須とな
る。電導度のコントロール範囲としては、中心値に対し
±20%とすることが必要であり、好ましくは±10%
である。また、超音波の音速のコントロール範囲として
は、中心値に対し±20%とすることが必要であり、好
ましくは±10%である。
【0048】これらコントロール範囲が上記規定範囲を
超えると、電解液の濃度のばらつきから、粗面化の程度
にもばらつきを生じ、最終的に得られる平版印刷版支持
体、さらには平版印刷版の品質の不安定化を来す場合が
ある。
【0049】ここで「中心値」とは、電気化学的粗面化
に適切とされる液濃度に対応する電導度および超音波の
音速のことを指し、その具体的な値は、一概には言えな
いが、電導度としては一般的に、10〜300(mS/
cm)の範囲から設定することが好ましく、40〜20
0(mS/cm)の範囲から設定することがより好まし
い。一方、超音波の音速としては、一般的に、1500
〜1600(m/sec)の範囲から設定することが好
ましく、1530〜1570(m/sec)の範囲から
設定することがより好ましい。なお、電気量や電解液の
液温度についても、できる限り一定の値にコントロール
することが望まれる。
【0050】なお、電気化学的粗面化工程の後には、ス
マット除去を行うことが好ましい(スマット除去工
程)。スマットの除去は、前記した電解液と同じ成分の
液で行うことが望ましい。電解液と異なる成分の液でス
マット除去を行うと、スマット除去工程後に水洗工程が
必要となり、コストアップの要因となるばかりか、電解
グレイン性にも影響を及ぼす場合がある。また、同じ成
分であれば、温度や濃度が変化した系で行っても、電気
化学的粗面化工程での温度・濃度管理や制御が可能であ
る。
【0051】スマットを除去する方法としては、化学的
に溶解させる方法等が挙げられるが、スプレー等で液を
高速にウエブに衝突させ、強制的にスマットを除去させ
てもよい。いずれにしても、生産性、設備コスト、電気
化学的粗面化のセル形状等総合的に考慮して選択すれば
よい。いずれの方式についてもスマット量を5%〜70
%除去することが望ましい。電気化学的粗面化工程で発
生するスマット量としては、電解条件で、0.2g/m
2〜5g/m2程度変化するので、目的とする品質性能で
除去すべくスマット量をこの範囲で変化させればよい。
【0052】電気化学的粗面化工程の後(または、さら
にスマット除去工程の後)には、必要に応じて、アルミ
ニウム板はアルカリまたは酸にてエッチング処理を行う
ことができる。このエッチング処理は、上記したエッチ
ング工程と同様にして行うことができる。
【0053】このエッチング処理は、たとえば、特開昭
56−51388号公報に記載されているようにアルカ
リ処理し、特開昭53−12739号公報に記載されて
いるように硫酸によってデスマット処理を行う。また、
特開昭53−115302号公報に記載されているよう
に燐酸処理したり、特開昭60−8091号、特開昭6
3−176188号、特開平1−38291号、特開平
1−127389号、特開平1−188699号、特開
平3−177600号、特開平3−126891号、特
開平3−191100号各公報等に記載されている方法
も適用することができる。上記エッチング処理において
も、前記工程(2)に言うエッチング処理の構成である
事が好ましい。
【0054】−工程(4):陽極酸化皮膜生成工程− 陽極酸化皮膜生成工程とは、アルミニウム板を陽極とし
て電気分解を行うことにより、該アルミニウム板の表面
に陽極酸化皮膜を成膜する工程であり、例えば、図4に
示される特開平8−264118号に記載の装置を使用
することができる。
【0055】図4において、アルミニウム板1は、矢印
D方向への搬送に伴い、電解液55中に給電電極56が
配置された給電槽52と、電解液58中に電解電極57
が配置された電解処理槽54と、を通過することにより
陽極酸化被膜が成膜される。尚、アルミニウム板1はロ
ーラ53により搬送される。
【0056】本発明において、陽極酸化皮膜生成工程に
用いる電解液としては、硫酸を主体とした溶液を用い
る。硫酸を主体とした溶液を電解液とすることにより、
所望の硬度が得られると共に、必要電圧が低く工業生産
的に有利である。
【0057】ここで「硫酸を主体とする」とは、電解液
の成分として、硫酸が主に使用されていることを指し、
本発明における電解液には、硫酸と他の酸成分との混合
液であってもよく、さらに他の微量成分が含まれていて
もよい。硫酸とともに使用可能な他の酸成分としては、
憐酸、クロム酸、しゅう酸、スルフアミン酸、ベンゼン
スルホン酸等、あるいは、これら2種類以上組み合わせ
たものが挙げられる。
【0058】水溶液または非水溶液である電解液中で、
アルミニウム板を陽極として電流を流すと、アルミニウ
ム表面に、陽極酸化皮膜を形成させることが出来る。陽
極酸化の処理条件は、使用される電解液によって種々変
化するので、一概に言えないが一般的には、電解液の硫
酸濃度が、1〜80重量%、液温5〜70℃、電流密度
0.5〜60A/cm2、電圧1〜100V、電解時間
15秒〜50分が適当である。
【0059】電解装置としては、特開昭48−2663
8号、特開昭47−18739号、特公昭58−245
17号各公報等に紹介されている。また、特開昭54−
81133号、特開昭57−47894号、特開昭57
−51289号、特開昭57−51290号、特開昭5
7−54300号、特開昭57−136596号、特開
昭58−107498号、特開昭60−200256
号、特開昭62−136596号、特開昭63−176
494号、特開平4−176897号、特開平4−28
0997号、特開平6−207299号、特開平5−3
2083号、特開平5−125597号、特開平5−1
95291号各公報に記載されている方法ももちろん使
用することができる。
【0060】電解液としては、特開平3−253596
号、特開昭62−82089号、特開平1−13379
4号、特開昭54−32424号、特開平5−4278
3号各公報等に記載の電解液も、もちろん使用すること
ができる。
【0061】陽極酸化皮膜生成工程では、電解液濃度
と、アルミニウム濃度とを調整する必要があるが、これ
は、電導度と比重でコントロールすることができる。電
導度のコントロール範囲としては、中心値に対し±20
%とすることが必要であり、好ましくは±10%であ
る。また、比重のコントロール範囲としては、中心値に
対し±10%とすることが必要であり、好ましくは±8
%である。
【0062】これらコントロール範囲が上記規定範囲を
超えると、電解液の濃度のばらつきから、陽極酸化皮膜
の膜厚や硬度にもばらつきを生じ、最終的に得られる平
版印刷版支持体、さらには平版印刷版の品質の不安定化
を来す場合がある。
【0063】ここで「中心値」とは、陽極酸化皮膜生成
に適切とされる電解液濃度およびアルミニウム濃度に対
応する電導度および比重のことを指し、その具体的な値
は、一概には言えないが、電導度としては一般的に、
0.10〜0.90(S/cm)の範囲から設定するこ
とが好ましく、0.30〜0.80(S/cm)の範囲
から設定することがより好ましい。一方、比重として
は、一般的に、1.05〜1.20の範囲から設定する
ことが好ましく、1.08〜1.16の範囲から設定す
ることがより好ましい。
【0064】上述の様に、陽極酸化皮膜を形成した後、
平版印刷版支持体と感光組成物との密着を最適なものと
するために、陽極酸化皮膜をエッチングした後、水蒸気
並びに、熱水で封孔処理をして、経時安定性のよい、現
像性の良好な、非画像部の汚れのない感光性印刷版を与
える、支持体の封孔処理装置があり(特公昭56−12
518号公報)、この様な装置で陽極酸化皮膜生成工程
の後処理を行ってもよい。また、特開平4−4194
号、特開平5−202496号、特開平5−17948
2号各公報等に記載の装置、方法で封孔処理を行っても
よい。
【0065】−工程(5):親水化処理工程− 親水化処理工程とは、表面をより親水化して、保水性を
向上させると共に、例えば、ネガ感材の場合、感光層と
の密着性を向上することができる。
【0066】親水化処理としては、例えば、米国特許第
2946638号明細書に記載されている弗化ジルコニ
ウム酸カリウム処理、米国特許第3201247号明細
書に記載されているホスホモリブデート処理英国特許第
1108559号に記載されているアルキルチタネート
処理、独国特許第1091433号明細書に記載されて
いるポリアクリル酸処理、独国特許第1134093号
明細書や英国特許第1230447号明細書に記載され
ているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−640
9号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第
3307951号明細書に記載されているフィチン酸処
理、特開昭58−16893号や特開昭58−1829
1号の各公報に記載されている親油性有機高分子化合物
と2価の金属との塩による処理や、米国特許第3860
426号明細書に記載されているように、水溶性金属塩
(例えば酢酸亜鉛など)を含む親水性セルロース(例え
ばカルボキシメチルセルロースなど)の下塗り層を設け
たり、特開昭59−101651号公報に記載されてい
るスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗りによって
親水化処理は、電導度と温度をコントロールする。特開
昭62−019494号公報に記載されているリン酸
塩、特開昭62−033692号公報に記載されている
水溶性エポキシ化合物、特開昭62−097892号公
報に記載のリン酸変性デンプン、特開昭63−0564
98号公報に記載のジアミン化合物、特開昭63−13
0391号公報記載のアミノ酸の無機または有機酸、特
開昭63−145092号公報に記載のカルボキシル基
または水酸基を含む有機ホスホン酸、特開昭63−16
5183号公報に記載のアミノ基とホスホン酸基を有す
る化合物、特開平2−316290号公報に記載の特定
のカルボン酸誘導体、特開平1−272594号公報に
記載のリン酸エステル、特開平3−261592号公報
に記載の1個のアミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化
合物、特開平3−215095号公報に記載のリン酸エ
ステル、特開平5−246171号公報に記載のフェニ
ルホスホン酸などの脂肪族または芳香族ホスホン酸、特
開平1−307745号公報に記載のチオサリチル酸の
ようなS原子を含む化合物、特開平4−282637号
公報に記載のリンの酸素酸のグループを持つ化合物など
の下塗りや、特開昭60−64352号公報に記載され
ている酸性染料による着色を行う事もできる。
【0067】本発明において親水化処理工程では、親水
化処理に用いる処理液の液濃度を管理するために、処理
液の電導度をコントロールすることが必須となる。電導
度のコントロール範囲としては、中心値に対し±20%
とすることが必要であり、好ましくは±10%である。
【0068】かかるコントロール範囲が上記規定範囲を
超えると、処理液液の濃度のばらつきから、親水化処理
の皮膜の膜厚にもばらつきを生じ、最終的に得られる平
版印刷版支持体、さらには平版印刷版の品質の不安定化
を来す場合がある。
【0069】ここで「中心値」とは、親水化処理に適切
とされる電解液濃度に対応する電導度のことを指し、そ
の具体的な値は、一概には言えないが、一般的に、2〜
60(mS/cm)の範囲から設定することが好まし
く、4〜30(mS/cm)の範囲から設定することが
より好ましい。
【0070】−表面処理工程の態様− 本発明においては、上記工程(1)〜(5)のうち、少
なくとも3工程の処理が施される。これら工程は任意の
3工程を選択すれば、本発明の目的とするところの一定
の品質を確保できるとともに、印刷性能・刷版性能に優
れた平版印刷版を供し得る平版印刷版支持体を製造する
ことができる。
【0071】ただし、上記工程(1)〜(5)のうち、
以下の処理が施されることが望ましい。 工程(1)または工程(3)、工程(2)、および、
工程(4)の3つの工程の処理。 工程(1)〜工程(4)の処理が、少なくともそれぞ
れ1回以上。 工程(2)〜工程(5)の処理が、少なくともそれぞ
れ1回以上。 さらに上記工程(1)〜(5)全ての工程の処理が少な
くともそれぞれ1回以上施されることがより望ましい。
また、これら各工程は、いずれも複数回行ってもよい。
【0072】これら工程の処理順としては、特に制限は
ないが、工程No.(括弧内の数値)の若い工程から順
に行うことが好ましい。また、工程(3)の処理の後に
は、さらに工程(2)の処理を施すことが望ましい。
【0073】特に好ましい処理工程としては、以下のも
のが挙げられる。 連続的にコイル状のアルミニウム板が供給され、機械
的粗面化工程(工程(1))、エッチング工程(工程
(2))、電気化学的粗面化工程(工程(3))、エッ
チング工程(工程(2))、陽極酸化皮膜生成工程(工
程(4))、の順に各工程の処理が施され、あるいはさ
らに親水化処理工程(工程(5))の処理が施され、最
終的に巻き取られる操作が行われるもの。
【0074】連続的にコイル状のアルミニウム板が供
給され、エッチング工程(工程(2))、電気化学的粗
面化工程(工程(3))、エッチング工程(工程
(2))、陽極酸化皮膜生成工程(工程(4))、の順
に各工程の処理が施され、あるいはさらに親水化処理工
程(工程(5))の処理が施され、最終的に巻き取られ
る操作が行われるもの。 以上のように、アルミニウム板に各工程による処理が施
されて、平版印刷版支持体が製造される。
【0075】[表面物性]本発明の製造方法により製造
される平版印刷版支持体は、以下に示す物性〜を満
足し得るものである。本発明において、各物性〜
は、製造された平版印刷版支持体について、面積1m2
当たり5箇所測定し、その平均値を求め、該得られた平
均値から最も隔たりの大きい上下の値について、それぞ
れ規定の範囲内であるか否かにより判断される。
【0076】−物性− 本発明における物性は、表面の算術平均粗さ(Ra
が、その平均値に対し±20%の範囲内であることであ
る。算術平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601に
その定義、および測定方法が記載されている。
【0077】平版印刷版支持体の表面の算術平均粗さ
(Ra)が上記範囲内であれば、表面の粗さにばらつき
が無く、均質性が高く、均一な印刷性能が得られる平版
印刷版支持体であると判断され、良好な品質で、印刷性
能・刷版性能に優れた平版印刷版を安定的に供すること
ができる。
【0078】−物性− 本発明における物性は、表面の明るさ(L)が、その
平均値に対し±10%の範囲内であることである。当該
範囲としては、8%以内であることがより好ましい。表
面の明るさ(L)とは、JIS Z 8729−198
0に記載されているものである。
【0079】平版印刷版支持体の表面の明るさ(L)が
上記範囲内であれば、均一な表面の明るさを持つ平版印
刷版支持体であり、良好な印刷、刷版性能を得ることが
できる。
【0080】−物性− 本発明における物性は、表面をAFM(原子間力顕微
鏡、水平(X,Y)方向の分解能:0.lμm、測定範
囲:100×100(μm))により測定し、近似三点
法により求めた表面積をa、上部投影面積をbとした
時、a/bの値(比表面積)が、その平均値に対し±2
0%の範囲内であることである。当該範囲としては、±
10%以内であることがより好ましい。
【0081】前記a/bの値(比表面積)が、上記範囲
内であれば、表面積が均一であり、感光層との密着性が
箇所により異なることなく、良好で均一な刷版性能を有
する平版印刷版を得ることができる。
【0082】−物性− 本発明における物性は、表面をAFM(原子間力顕微
鏡、水平(X,Y)方向の分解能:1.9μm、測定範
囲:240×240(μm))により測定し、傾斜度が
30度以上である割合(a30)が、その平均値に対し
±20%の範囲内であることである。当該範囲として
は、±10%以内であることがより好ましい。
【0083】前記傾斜度が30度以上である割合(a3
0)が、上記範囲内であれば、凹凸形状が均一であり、
良好で均一な汚れ性能を有する平版印刷版支持体を得る
ことができる。
【0084】B:平版印刷版 以上の如き本発明の平版印刷版支持体の製造方法により
製造された平版印刷版支持体は、その表面に、ジアゾ化
合物等の感光層を設けることにより、優れた感光性平版
印刷版を得ることが出来る。以下、平版印刷版の構成、
およびその製造方法について説明する。
【0085】本発明の平版印刷版支持体には、塗布乾燥
部にて感光層が塗工される。この塗布乾燥部としては、
例えば図5に示す塗布装置および図6に示す乾燥装置を
用いることができる。
【0086】図5に示す塗布装置は、アルミニウム板
(平版印刷版支持体)1をコーティングバー66に当接
させながら矢印E方向に搬送し、それと同時に給液口6
8から導入された塗布液65をコーティングバー66に
よりアルミニウム板1の表面に供給するものである。こ
れにより、アルミニウム板1の表面に塗布液65の薄膜
を塗工することができる。この塗布装置は、コーティン
グバー66を備える構成であれば特に制限されるもので
はなく、例えば同図(a)および(b)に示す構成とす
ることができる。また、特公昭58−4589号公報に
記載のコーティングバーも用いることができる。
【0087】図6に示す乾燥装置は、複数の乾燥ゾーン
73,74に給気口75,77から乾燥用の加熱空気を
導入し、排気口76,78から処理後の空気を排気する
ように構成されている。アルミニウム板(平版印刷版支
持体)1は、ローラ71により矢印F方向に搬送され、
乾燥ゾーン73,74を通過することにより、乾燥され
る。尚、符号72は、図5に示す塗布装置に対応するも
のである。
【0088】本発明の平版印刷版支持体の表面に形成す
ることができる感光層としては、例えば以下のものを例
示することができる。 〔I〕o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルお
よびフェノール・クレゾール混合のノボラック樹脂を含
有する感光層を設ける場合。 o−キノンジアジド化合物は、o−ナフトキノンジアジ
ド化合物であり、例えば、米国特許第2,766,11
8号、同第2,767,092号、同第2,772,9
72号、同第2,859,112号、同第3,102,
809号、同第3,106,465号、同第3,63
5,709号、同第3,647,443号の各明細書を
はじめ、多数の刊行物に記されており、これらは、好適
に使用することができる。これらの内でも、特に芳香族
ヒドロキシ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン
酸エステルまたはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸
エステル、および芳香族アミノ化合物のo−ナフトキノ
ンジアジドスルホン酸アミドまたはo−ナフトキノンジ
アジドカルボン酸アミドが好ましく、特に米国特許第
3,635、709号明細書に記されているピロガロー
ラとアセトンとの縮合物にo−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸をエステル反応させたもの、米国特許第4,0
28,111号明細書に記されている末端にヒドロキシ
基を有するポリエステルにo−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸、またはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸
をエステル反応させたもの、英国特許第1,494,0
43号明細書に記されているようなp−ヒドロキシスチ
レンのホモポリマーまたはこれと他の共重合し得るモノ
マーとの共重合体に、o−ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸またはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸をエス
テル反応させたもの、米国特許第3,750,711号
明細書に記されているようなp−アミノスチレンと他の
共重合し得るモノマーとの共重合体にo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸、またはo−ナフトキノンジアジド
カルボン酸をアミド反応させたものは、非常に優れてい
る。
【0089】これらのo−キノンジアジド化合物は、単
独で使用することができるが、アルカリ可溶性樹脂と混
合して用いた方が好ましい。好適なアルカリ可溶性樹脂
には、ノボラック型フェノール樹脂が含まれ、具体的に
は、フェノールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾール
ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒ
ド樹脂などが含まれる。さらに米国特許第4,028,
111号明細書に記されているように上記のようなフェ
ノール樹脂と共に、t−ブチルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキル基で置換され
たフェノールまたはクレゾールとホルムアルデヒドとの
縮合物を併用すると、より一層好ましい。
【0090】また、露光により可視像を形成するために
o−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライ
ド、p−ジアゾジフェニルアミンの無機アニオン塩、ト
リハロメチルオキサジアゾール化合物、ベンゾフラン環
を有するトリハロメチルオキサジアゾール化合物等の化
合物などが添加される。一方画像の着色剤としては、ビ
クトリアブルーBOH、クリスタルバイオレット、オイ
ルブルー、等のトリフェニルメタン染料が用いられる。
また、特開昭62−293247号公報に記載されてい
る染料は特に好ましい。
【0091】さらに、感脂化剤として特公昭57−23
253号公報に記載されているような炭素数3〜15の
アルキル基で置換されたフェノール、例えばt−ブチル
フェノール、N−オクチルフェノール、t−ブチルフェ
ノールとホルムアルデヒドとを縮合させたノボラック樹
脂、または、このようなノボラック樹脂のo−ナフトキ
ノンジアジド−4−または−5−スルホン酸エステル
(例えば、特開昭61−242446号公報に記載され
ている)を含有させることができる。また、現像性を良
化させるためにさらに特開昭62−251740号公報
に記載されているような非イオン界面活性剤を含有させ
ることができる。
【0092】以上の組成物は、上記各成分を溶解する溶
媒に溶かして支持体上に塗布することにより感光層を形
成することができる。ここで使用する溶媒としては、エ
チレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチ
ルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−
メトキシ−2−プロピルアセテート、乳酸メチル、乳酸
エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムァミド、水、N−メチルピロリド
ン、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセトン、ジ
アセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ジエチレングリコールジメチルエーテルな
どがあり、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用す
る。これらの成分からなる感光性組成物が、固形分とし
て0.5〜3.0g/m2設けられる。
【0093】〔II〕ジアゾ樹脂と水不溶性かつ親油性光
分子化合物を含有する感光層を設ける場合。 ジアゾ樹脂としては、例えばp−ジアゾジフェニルアミ
ンとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドの縮合物
と、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩
との有機溶媒可溶の反応生成物であるジアゾ樹脂無機
塩、また米国特許第3,300,309号明細書に記載
されているような、前記縮合物とスルホン酸類、例えば
p−トルエンスルホン酸またはその塩、ホスフィン酸
類、例えばベンゼンホスフィン酸またはその塩、ヒドロ
キシル基含有化合物、例えば、2,4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン−5−スルホン酸またはその塩等の反応生成物で
ある有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂有機酸塩等が挙げられ
る。
【0094】本発明において、好適に用いることができ
る他のジアゾ樹脂は、カルボキシル基、スルホン酸基、
スルフィン酸基、リンの酸素酸基およびヒドロキシル基
のうち少なくとも一つの有機基を有する芳香族化合物
と、ジアゾニウム化合物、好ましくは芳香族ジアゾニウ
ム化合物とを構造単位として含む共縮合体である。そし
て上記の芳香族環としては、好ましくはフェニル基、ナ
フチル基を挙げることができる。
【0095】前述のカルボキシル基、スルホン酸基、ス
ルフィン酸基、リンの酸素酸基、およびヒドロキシル基
のうち少なくとも一つを含有する芳香族化合物としては
種々のものが挙げられるが、好ましいのは、4−メトキ
シ安息香酸、3−クロロ安息香酸、2,4−ジメトキン
安息香酸、p−フェノキシ安息香験、4−アニリノ安息
香酸、フェノキシ酢酸、フェニル酢酸、p−ヒドロキシ
安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、1−ナフタレン
スルホン酸、フェニルリン酸、フェニルホスホン酸であ
る。前述の共縮合ジアゾ樹脂の構成単位をなす芳香族ジ
アゾニウム化合物には、例えば特公昭49−48001
号公報に挙げられているようなジアゾニウム塩を用いる
ことができるが、特に、ジフェニルアミン−4−ジアゾ
ニウム塩類が好ましい。
【0096】ジフェニルアミン−4−ジアゾニウム塩類
は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘導される
が、このような4−アミン−ジフェニルアミン類として
は、4−アミノジフェニルアミン、4−アミノ−3−メ
トキシジフェニルアミン、4−アミノ−2−メトキシジ
フェニルアミン、4’−アミノ−2−メトキシジフェニ
ルアミン、4’−アミノ−4−メトキシジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミン、4−ア
ミノ−3−エトキシジフェニルアミン、4−アミノ−3
−β−ヒドロキシエトキシジフェニルアミン、4−アミ
ノ−ジフェニルアミン−2−スルホン酸、4−アミノ−
ジフェニルアミン−2−カルボン酸、4−アミノ−ジフ
ェニルアミン−2’−カルボン酸等が挙げられ、特に好
ましくは、3−メトキシ−4−アミノ−4−ジフェニル
アミン、4−アミノジフェニルアミンである。
【0097】また、酸基を有する芳香族化合物との共縮
合ジアゾ樹脂以外のジアゾ樹脂として、特開平4−18
559号、特開平3−163551号、および特開平3
−253857号各公報に記載された酸基を含有するア
ルデヒドまたはそのアセタール化合物で縮合したジアゾ
樹脂も好ましく用いることができる。
【0098】ジアゾ樹脂の対アニオンとしては、ジアゾ
樹脂と安定に塩を形成し、かつ該樹脂の有機溶媒に対す
る可溶性を付与するアニオンを含む。これらは、デカン
酸および安息香酸等の有機カルボン酸、フェニルリン酸
等の有機リン酸およびスルホン酸を含み、典型的な例と
しては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸などのフルオロアルカンスルホン酸、ラウリルスル
ホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ジシクロヘキシル
スルホコハク酸、カンファースルホン酸、トリルオキシ
−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−3−プ
ロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−4−ブタンスル
ホン酸、ジブチルフェノキシ−3−プロパンスルホン
酸、ジアミルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジ
ノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジブチル
フェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジノニルフェノキ
シ−4−ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−クロロベ
ンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン
酸、スルホサルチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスル
ホン酸、p−アセチルベンゼンスルホン酸、5−ニトロ
−o−トルエンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホ
ン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベン
ゼンスルホン酸、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスル
ホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼン
スルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ドデシ
ルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、イソプロピル
ナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、
へキシルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレンス
ルホン酸、ブトキシナフタレンスルホン酸、ドデシルオ
キシナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホ
ン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、トリイソプロ
ピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレンスル
ホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、ナフタリン
−1−スルホン酸、ナフタリン−2−スルホン酸、1,
8−ジニトロ−ナフタレン−3,6−ジスルホン酸、ジ
メチル−5−スルホイソフタレー卜等の脂肪族並びに芳
香族スルホン酸、2,2’,4,4’−テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2’4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロ
リン酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス
酸、HClO4,HIO4等の過ハロゲン酸等が挙げられ
るが、これに限られるものではない。これらの中で、特
に好ましいものは、ブチルナフタレンスルホン酸、ジブ
チルナフタレンスルホン酸、ヘキサフルオロリン酸、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸である。
【0099】本発明に使用するジアゾ樹脂は、各単量体
のモル比および縮合条件を種々変えることにより、その
分子量は任意の値として得ることができるが、本発明の
目的とする使途に有効に供するためには、分子量が約4
00〜100,000のもの、好ましくは、約800〜
8,000のものが適当である。
【0100】水不溶性かつ親油性高分子化合物として
は、下記(1)〜(15)に示すモノマーをその構造単
位とする通常1〜20万の分子量をもつ共重合体が挙げ
られる。 (1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタク
リルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m
−,p−ヒドロキシスチレン、o−,m−,p−ヒドロ
キシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、
(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、お
よびメタクリル酸エステル類、例えば2−ヒドロキシエ
チルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、(3)
アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン
酸等の不飽和カルボン酸、
【0101】(4)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸シクロへキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アク
リル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、
N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)ア
ルキルアクリレート、
【0102】(5)メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、アミルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等
の(置換)アルキルメタクリレート、(6)アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチローラアクリルアミ
ド、N−メチローラメタクリルアミド、N−エチルアク
リルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シク
ロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアク
リルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロ
フェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルア
クリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルア
ミド類、
【0103】(7)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、(8)ビニルアセテート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等
のビニルエステル類、(9)スチレン、α−メチルスチ
レン、クロロメチルスチレン等のスチレン類、
【0104】(10)メチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン等のビニルケトン類、(11)エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフ
ィン類、(12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカ
ルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等(13)マレイミド、N−アクリ
ロイルアクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルア
ミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド
等の不飽和イミド、
【0105】(14)N(o−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフ
ェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノ)スルホ
ニルフェニルメタクリルアミド、N−(1−(3−アミ
ノスルホニル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(2
−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミド等のメタ
クリル酸アミド類、および上記と同様の置換基を有する
アクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニ
ルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタ
クリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレ
ート、1−(3−アミノスルホニルナフチル)メタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類、および上記と同様
の置換基を有するアクリル酸エステル類などの不飽和ス
ルホンアミド、
【0106】(15)N−(2−(メタクリロイルオキ
シ)−エチル)−2,3−ジメチルマレイミド、ビニル
シンナメート、などの、側鎖に、架橋性基を有する不飽
和モノマ−。更に、上記モノマ−と共重合し得るモノマ
−を共重合させてもよい。(16)米国特許第3,75
1,257号明細書に記載されているフェノール樹脂お
よび例えばポリビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂のようなポリビニルアセタール樹脂。
【0107】(17)ポリウレタンをアルカリ可溶化し
た特公昭54−19773号、特開昭57−90474
7号、同60−182437号、同62−58242
号、同62−123452号、同62−123453
号、同63−113450号、特開平2−146042
号各公報に記載された高分子化合物。また上記共重合体
には、必要に応じて、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ノボラ
ック樹脂、天然樹脂等を添加してもよい。
【0108】本発明の平版印刷版支持体にに用いる感光
性組成物には、露光による可視画像と現像後の可視画像
を得ることを目的として、さらに色素を用いることがで
きる。該色素としては、例えば、ビクトリアピュアブル
ーBOH〔保上ヶ谷化学社製〕、オイルブルー#603
〔オリエント化学工業社製〕、パテントピュアブルー
〔住友三国化学社製〕、クリスタルバイオレット、ブリ
リアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバイオ
レット、メチルグリーン、エリスロシンB、ベイシック
フクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m−ク
レゾ−ルパープル、ロ−ダミンB、オーラミン、4−p
−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−
p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に代表さ
れるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキ
サジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン系、アゾ
メチン系またはアントラキノン系の色素が有色から無
色、あるいは異なる有色の色調へ変化する変色剤の例と
して挙げられる。
【0109】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素および、例えばトリフェニルアミン、
ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−
トリフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジ
フェニルメタン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフ
ェニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,
p’,p”−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタ
ン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチル
イミン、p,p’,p”−トリアミノ−o−メチルトリ
フェニルメタン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフ
ェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,p’,p”
−トリアミノトリフェニルメタンに代表される第1級ま
たは第2級アリールアミン系色素が挙げられる。特に好
ましくは、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系
色素が有効に用いられ、さらに好ましくはトリフェニル
メタン系色素であり、特にビクトリアピュアブルーBO
Hである。
【0110】本発明の平版印刷版支持体に用いられる感
光性組成物には、更に種々の添加物を加えることができ
る。
【0111】例えば、塗布性を改良するためのアルキル
エーテル類(例えばエチルセルロース、メチルセルロー
ス)、フッ素系界面活性剤類や、ノニオン系界面活性剤
(特にフッ素系界面活性剤が好ましい)、塗膜の柔軟
性、耐摩耗性を付与するための可塑剤(例えばブチルフ
タリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、
リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テ
トラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸
のオリゴマーおよびポリマー、この中で特にリン酸トリ
クレジルが好ましい)、画像部の感脂性を向上させるた
めの感脂化剤(例えば特開昭55−527号公報記載の
スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコールによる
ハーフエステル化物、p−t−ブチルフェノールとホル
ムアルデヒド樹脂などのノボラック樹脂、p−ヒドロキ
シスチレンの50%脂肪酸エステル等)、安定剤{例え
ば、リン酸、亜リン酸、有機酸(クエン酸、シュウ酸、
ジピコリン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、スルホサリチル酸、4−メトキシ−2−ヒドロキ
シベンゾフェノン−5−スルホン酸、酒石酸等)}、現
像促進剤(例えば高級アルコール、酸無水物等)等が好
ましく用いられる。
【0112】上述の感光性組成物を平版印刷版支持体上
に設けるには、感光性ジアゾ樹脂、親油性高分子化合
物、および必要に応じて種々の添加剤の所定量を適当な
溶媒(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメトキ
シエタン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ
−2−プロパノール、メチルセロソルブアセテート、ア
セトン、メチルエチルケトン、メタノール、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳
酸エチル、エチレンジクロライド、ジメチルスルホキシ
ド、水またはこれらの混合物等)中に溶解させ感光性組
成物の塗布液を調製し、これを平版印刷版支持体上に塗
布、乾燥すればよい。
【0113】用いられる溶媒は単独でもよいが、メチル
セロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、乳酸メ
チルのような高沸点溶媒と、メタノール、メチルエチル
ケトンのような低沸点溶媒との混合物とするとさらに好
ましい。塗布する際の感光性組成物の固形分濃度は、1
〜50重量%の範囲とすることが望ましい。この場合、
感光性組成物の塗布量は、おおむね0.2〜10g/m
2(乾燥重量)程度とすればよくさらに好ましくは、
0.5〜3g/m2とするとよい。
【0114】〔III〕光二量化型感光性組成物および光
重合性感光性組成物を含む感光層を設ける場合 光二量化型感光性組成物としては、マレイミド基やシン
ナミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナ
ミリデンアセチル基やカルコン基などを側鎖、または主
鎖に有するポリマーが挙げられ、マレイミド基を側鎖に
有するポリマーとして、特開昭52−988号公報(対
応米国特許4,079,041号明細書)や、独国特許
第2,626,769号明細書、ヨーロッパ特許第2
1,019号明細書、ヨーロッパ特許第3,552号明
細書や、ディー・アンゲバンドゥテ・マクロモレクラー
レ・ケミー(Die Angewandte Makr
omolekulare Chemie)115(19
83)の163〜181ページに記載されているポリマ
ーや、特開昭49−128991号、同49−1289
92号、同49−128993号、同50−5376
号、同50−5377号、同50−5379号、同50
−5378号、同50−5380号、同53−5298
号、同53−5299号、同53−5300号、同50
−50107号、同51−47940号、同52−13
907号、同50−45076号、同52−12170
0号、同50−10884号、同50−45087号各
公報、独国特許第2,349,948号、同第2,61
6,276号各明細書に記載されているポリマーなどを
挙げることができる。
【0115】これらのポリマーを、アルカリ水に可溶性
または膨潤性とするためには、カルボン酸、スルホン
酸、リン酸、ホスホン酸、およびこれらのアルカリ金属
塩やアンモニウム塩、およびアルカリ水に対し解離する
pKaが6〜12の酸基などを、ポリマー中に含めたも
のが有用である。必要により上記酸基を有するモノマー
13種類と、マレイミド基を有するモノマーを共重合さ
せることもできる。
【0116】酸基を有するマレイミドポリマーの酸価は
30〜300の範囲が好ましく、このような酸価を有す
るポリマーの中でも、ディー・アンゲバンドゥテ・マク
ロモレクラーレ・ケミー(Die Angewandt
e Makromolekulare Chemie)
128(1984)の71〜91ページに記載されてい
るような、N−〔2−(メタクリロイルオキシ)エチ
ル〕−2,3−ジメチルマレイミドとメタクリル酸ある
いはアクリル酸との共重合体が有用である。更にこの共
重合体の合成に際して第3成分のビニルモノマーを共重
合することによって目的に応じた多元共重合体を容易に
合成することができる。例えば、第3成分のビニルモノ
マーとして、そのホモポリマーのガラス転移点が室温以
下のアルキルメタアクリレートやアルキルアクリレート
を用いることによって、共重合体に柔軟性を与えること
ができる。
【0117】シンナミル基、シンナモイル基、シンナミ
リデン基、シンナミリデンアセチル基やカルコン基など
を側鎖、または主鎖に有する光架橋性ポリマーとして
は、米国特許第3,030,208号明細書に記載され
ている感光性ポリエステルが挙げられる。これらの光架
橋性ポリマーをアルカリ水可溶化したものとしては、次
のようなものが挙げられる。即ち、特開昭60−191
244号公報中に記載されているような感光性ポリマー
を挙げることができる。
【0118】更に、特開昭62−175729号、特開
昭62−175730号、特開昭63−25443号、
特開昭63−218944号、特開昭63−21894
5号の各公報に記載されている感光性ポリマーなどを挙
げることができる。また、これらを含む感光層には増感
剤を使用することが出来るが、そのような増感剤として
はベンゾフェノン誘導体、ベンズアンスロン誘導体、キ
ノン類、芳香族ニトロ化合物、ナフトチアゾリン誘導
体、ベンゾチアゾリン誘導体、チオキサントン類、ナフ
トチアゾール誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾチア
ゾール誘導体、ナフトフラノン化合物などを挙げること
が出来る。このような感光層には必要に応じて塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリアクリル酸ア
ルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、アクリ
ロニトリル、塩化ビニル、スチレン、ブタジエンなどの
モノマーの少なくとも一種との共重合体、ポリアミド、
メチルセルロース、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ブチラール、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合
体、イタコン酸共重合体などの結合剤や、ジブチルフタ
レート、ジヘキシルフタレートなどのフタル酸ジアルキ
ルエステル、オリゴエチレングリコールアルキルエステ
ル、リン酸エステルなどの可塑剤などを使用することが
出来る。また、感光層の着色を目的として染料もしくは
顔料や、焼出し剤としてpH支持薬等を添加するものも
好ましい。
【0119】光重合性感光性組成物としては、不飽和カ
ルボン酸およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価
アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂
肪族多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。光
重合開始剤としては、α−カルボニル化合物、アシロイ
ンエーテル、α−位が炭化水素で置換された芳香族アシ
ロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリルイミダゾ
ールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わ
せ、ベンゾチアゾール系化合物、トリハロメチル−s−
トリアジン化合物、アクリジンおよびフェナジン化合
物、オキサジアゾール化合物などが含まれ、これらとと
もに、アルカリ水可溶性または膨潤性で、かつフィルム
形成可能な高分子重合体としては、ベンジル(メタ)ア
クリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他
の付加重合性ビニルモノマー共重合体、メタクリル酸/
メタクリル酸メチル(またはメタクリル酸エステル)共
重合体、無水マレイン酸共重合体にペンタエリスリトー
ルトリアクリレートを半エステル化で付加させたものや
酸性ビニル共重合体などが挙げられる。
【0120】〔IV〕電子写真用感光層 例えば、米国特許第3,001,872号明細書に開示
さているZnO感光層を用いることもできる。また、特
開昭56−161550号、特開昭60−186847
号、特開昭61−238063号各公報などに記載され
ている電子写真感光体を用いた感光層を用いてもよい。
支持体上に設けられる感光層の量は、塗布後の乾燥重量
で、約0.1〜約7g/m2、好ましくは0.5〜4g
/m2の範囲である。
【0121】平版印刷版において、支持体と感光層との
密着性を高めるためや、現像後に感光層が残らないよう
にするため、またはハレーションを防止するなどの目的
で、必要に応じて中間層を設けてもよい。密着性向上の
ためには、一般に中間層は、ジアゾ樹脂や、例えばアル
ミニウムに吸着するリン酸化合物、アミノ化合物、カル
ボン酸化合物などからなっている。現像後に感光層が残
存しないように溶解性の高い物質からなる中間層は、一
般に溶解性の良好なポリマーや、水溶性ポリマーからな
っている。更にハレーション防止のためには、中間層は
一般に染料やUV吸収剤を含む。中間層の厚さは任意で
あり、露光した時に、上層の感光層と均一な結合形成反
応を行い得る厚みでなければならない。通常、乾燥固体
で約1〜100mg/m2の塗布割合がよく、5〜40
mg/m2が特に良好である。
【0122】塗布された感光層上には相互に独立して設
けられた突起物により構成されるマット層を設けること
もできる。マット層の目的は、密着露光におけるネガ画
像フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良す
ることにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良
による露光時の微小網点のつぶれを防止することであ
る。マット層の塗布方法としては、特開昭55−129
74号公報に記載されているパウダリングされた固体粉
末を熱融着する方法、特開昭58−182636号公報
に記載されているポリマー含有水をスプレーし乾燥させ
る方法などがあり、どの方法でもよいが、マット層自体
が実質的に有機溶剤を含まない水性アルカリ現像液に溶
解するか、あるいはこれにより除去可能な方法が望まし
い。
【0123】既述の平版印刷版支持体の製造から、感光
性組成物の塗布・乾燥に至るまで、さらには、必要に応
じて行われるマット層の形成(マットコーティング)等
の各工程の一連の処理装置を直列に並べ、コイル状のア
ルミニウム板を連続的に前記各処理装置に投入し、各処
理を順次施し、かつ巻き取ることにより、連続的に、大
量に、かつ低コストで平版印刷版を製造することができ
る。
【0124】上記各工程において搬送に使用する各ロー
ラの表面材質、表面形状については、送り出し〜処理間
はパスローラの表面材質にNBR・UR系ゴム、硬質ク
ロムメッキを用い、表面形状はストレート形状やスリッ
プ防止の為13mm・15mmピッチ等の溝付形状、テ
ーパー、ラジアルクラウン形状を用いることが好まし
い。ブライドルローラの表面材質は、例えばNBRやU
R系のゴム、表面形状はストレート、15mmピッチ等
の溝付形状を用いることができる。送り出し工程では送
り出しているウエブがなくなると次のコイルに接合しコ
イルを交換するが、この時の接合方法は超音波溶接によ
る方法、またはアーク溶接による方法を用いる。また、
送り出し工程でスリッターを入れてウェブ幅を調整する
ことも出来る。
【0125】以上のようにして作製された感光性平版印
刷版は、画像露光された後、常法により現像を含む処理
によって樹脂画像が形成される。例えば、前記〔I〕の
感光層を有する感光性平版印刷版の場合、画像露光後、
米国特許第4,259,434号明細書に記載されてい
るようなアルカリ水溶液で現像することにより露光部分
が除去されて、平版印刷版が得られ、〔II〕の感光層を
有する感光性平版印刷版の場合には、画像露光後、米国
特許第4,186,006号明細書に記載されているよ
うな現像液で、未露光部の感光層が現像により除去され
て平版印刷版が得られる。また、特開昭59−8424
1号、特開昭57−192952号、および特開昭62
−24263号の各公報に記載されているようなポジ型
平版印刷版を現像する際に用いられる水性アルカリ現像
液組成分を使用することも出来る。
【0126】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に
より限定されるものではない。 <実施例1〜4> (供試アルミニウム板)供試アルミニウム板として、幅
1030mm、厚さ0.24mmのコイル状のJIS
1050材を用意した。
【0127】(平板印刷版支持体の製造)以下の〜
の各工程の処理を連続的に行うことにより、各実施例毎
に平板印刷版支持体を2000m製造した。このとき各
工程における処理液濃度等の条件は、各実施例毎に下記
表1に示す条件範囲に制御した。
【0128】工程(1):機械的粗面化工程 図1に示す装置を用いて、機械的粗面化の処理を施し
た。図1に示す装置の条件は、以下の通りである。な
お、2つの機械的粗面化の処理は、同一条件とした。 ・アルミニウム板1の搬送速度:30mm/min.
(以降の工程も同一速度である。) ・ロール状ブラシ2の径:450mm ・ロール状ブラシ2の回転数:250rpm(アルミニ
ウム板1の搬送方向に対して、同じ) ・研磨スラリー3の種類:平均粒径30μmの珪砂を均
一に分散したもの ・研磨スラリー3の初期比重:1.15
【0129】なお、研磨スラリー3の充填されたタンク
には、研磨剤の粒径を一定に維持する為、サイクロンを
設けた。また、研磨スラリー3の比重を測定する為、比
重計を設け、比重が下記表1に示す範囲になる様に制御
した。
【0130】工程(2):エッチング工程 上記の工程を経た後、アルミニウム板1を水洗し、図
2に示す装置を用いて、エッチング処理を施した。図2
に示す装置の条件は、以下の通りである。 ・処理液の種類:水酸化ナトリウム水溶液(初期濃度:
25重量%) ・処理液温度:65±0.5℃で一定制御 ・処理液の初期比重:1.4 ・処理液の初期電導度:0.25(S/cm) ・スプレー流量:40リットル/本 また、処理液の比重および電導度を測定する為、調液タ
ンク35に比重計および電導度計を設け、比重および電
導度が下記表1に示す範囲になる様に制御した。
【0131】エッチング処理の後、後述の電気化学的粗
面化工程における電解液と同一組成の処理液に10秒間
浸漬し、デスマット処理を行った。
【0132】工程(3):電気化学的粗面化工程 上記の工程を経た後、図3に示す装置を用いて、電気
化学的粗面化の処理を施した。図3に示す装置の条件
は、以下の通りである(その他詳細は、特開平3−79
799号公報に記載の、波形の立ち上がりを1msec
に設定)。なお、第1粗面化処理工程、第2粗面化処理
工程、および裏面粗面化処理工程は、全て同一条件とし
た。 ・電解液の種類:硝酸(初期濃度:1重量%)を主体と
し、他にアルミニウム(濃度0.4重量%)を含有 ・電解液の超音波の初期音速:1550m/sec ・電解液の初期電導度:80mS/cm ・電解液温度:45±0.5℃で一定制御 ・電源波形:60Hz ・アルミニウム板1への陽極単位電気量:220c/d
2
【0133】また、電解液の超音波の音速、および電導
度を測定する為、電解液46が充填された各タンクに超
音波の音速計および電導度計を設け、各タンクにおける
超音波の音速および電導度が下記表1に示す範囲になる
様に制御した。
【0134】工程(2):エッチング工程 上記の工程を経た後、アルミニウム板1を水洗し、図
2に示す装置を用いて、エッチング処理を施した。図2
に示す装置の条件は、以下の通りである。 ・処理液の種類:水酸化ナトリウム水溶液(初期濃度:
27重量%)を主体とし、他にアルミニウム(濃度7重
量%)を含有 ・処理液温度:40℃(一定制御) ・処理液の初期比重:1.45 ・処理液の初期電導度:0.27(S/cm) ・スプレー流量:50リットル/本
【0135】また、処理液の比重および電導度を測定す
る為、調液タンク35に比重計および電導度計を設け、
比重および電導度が下記表1に示す範囲になる様に制御
した。エッチング処理の後、後述の30%の硫酸に15
秒間浸漬し、デスマット処理を行った。
【0136】工程(4):陽極酸化皮膜生成工程 上記の工程を経た後、図4に示す装置を用いて、陽極
酸化皮膜の生成処理を施した。図4に示す装置の条件
は、以下の通りである。 ・電解液の種類:硫酸(初期濃度:15重量%)を主体
とし、他に他にアルミニウム(濃度1重量%)を含有 ・電解液の初期比重:1.15 ・電解液の初期電導度:0.6(S/cm) ・電解液温度:40±0.5℃に一定制御 ・電源波形:60Hz ・アルミニウム板1への陽極単位電気量:220c/d
2
【0137】また、電解液の比重および電導度を測定す
る為、電解処理槽58に比重計および電導度計を設け、
比重および電導度が下記表1に示す範囲になる様に制御
した。
【0138】工程(5):親水化処理工程 上記の工程を経た後、アルミニウム板1を水洗し、親
水化処理を施した。具体的には、珪酸ナトリウムを主体
とする処理液(珪酸ナトリウム3重量%水溶液)を用
い、処理液の温度を60℃の一定に保ちつつ、浸漬処理
により塗布し、付着量2mg/m2の親水性皮膜を形成
した。
【0139】また、処理液の電導度を測定する為、前記
処理液の充填されたタンクに電導度計を設け、電導度が
下記表1に示す範囲になる様に制御した。
【0140】
【表1】
【0141】(平版印刷版支持体の表面物性評価)以上
のようにして得られた各実施例の平版印刷版支持体の表
面について、500m毎に下記物性〜を測定した
(500m毎に、1m2当たり5箇所の測定を行っ
た)。
【0142】物性:表面の算術平均粗さ(Ra)の平
均値、最大値および最小値。 物性:表面の明るさ(L)の平均値、最大値および最
小値。 物性:表面をAFM(原子間力顕微鏡、水平(X,
Y)方向の分解能:0.lμm、測定範囲:100×1
00(μm))により測定し、近似三点法により求めた
表面積をa、上部投影面積をbとした時、a/bの値
(比表面積)の平均値、最大値および最小値。 物性:表面をAFM(原子間力顕微鏡、水平(X,
Y)方向の分解能:1.9μm、測定範囲:240×2
40(μm))により測定し、傾斜度が、30度以上で
ある割合(a30)の平均値、最大値および最小値。
【0143】(平版印刷版の製造)得られた各実施例の
平版印刷版支持体を1030×800mmに裁断し、各
実施例毎に平版印刷版支持体を用意した。全ての平版印
刷版支持体に対し、その表面に以下のようにして感光層
を形成した。
【0144】特開平11−109637号公報の実施例
1に記載の中間層高分子化合物(表1)0.3gと、メ
タノール100gと、水1gと、を混合して塗布液を調
製した。得られた塗布液を前記各実施例の平版印刷版支
持体表面に塗布し(15mg/m2)、乾燥後、形成さ
れた層の上に、下記組成の感光層塗布液を塗布量1.5
g/m2で塗布した。
【0145】<感光層塗布液の組成> ・1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリ
ドと、ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物
(米国特許第3,635,709号明細書の実施例1に
記載されているもの。) :0.8g ・下記構造式で表されるノボラックI :1.5g ・下記構造式で表されるノボラックII :0.2g ・下記構造式で表されるノボラック以外の樹脂III :
0.4g ・p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド
樹脂(米国特許第4,123,279号明細書に記載さ
れているもの。) :0.02g ・ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸ク
ロライド :0.01g ・テトラヒドロ無水フタル酸 :0.02g ・安息香酸 :0.02g ・ピロガロール :0.05g ・4−[p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチ
ル)アミノフェニル]−2,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−S−トリアジン :0.07g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製
の対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に代えた染料
:0.045g ・F176PF(フッ素系界面活性剤、大日本インキ化
学工業(株)製) :0.01g ・メチルエチルケトン :15g ・1−メトキシ−2−プロパノール :10g
【0146】
【化1】
【0147】(平版印刷版の評価)以上のようにして得
られた各実施例の平版印刷版全数について、印刷性能を
調べた。具体的な評価手法は以下の通りである。
【0148】・印刷性能の評価手法 各平版印刷版を、1mの距離から3kWのメタルハライ
ドランプにより1分間画像露光し、下記組成の現像液A
あるいは現像液Bを用いて、富士写真フイルム(株)製
PSプロセッサー900VRにより、30℃12秒間現
像した。 <現像液Aの組成> ・D−ソルビトール :5.1重量部 ・水酸化ナトリウム :1.1重量部 ・トリエタノールアミン・エチレンオキサイド付加物
(30モル) :0.03重量部 ・水 :93.8重量部
【0149】<現像液Bの組成> ・[SiO2]/[Na2O]モル比1.2、SiO
21.4重量%の珪酸ナトリウム水溶液 :100重量
部 ・エチレンジアミン・エチレンオキサイド付加物(30
モル) :0.03重量部
【0150】以上のように現像処理して得られた平版印
刷版について、耐刷性および汚れ性を評価した。なお、
上記性能の評価方法は、次の通りである。 a)耐刷性 小森印刷機(株)製印刷機スプリントを用いて、正常に
印刷されなくなるまでの印刷枚数を以って、耐刷性の評
価とした。印刷枚数が多いほど耐刷性が良好であること
を示す。
【0151】b)汚れ性 ハイデルベルグ社製SOR−M印刷機にて、1000枚
印刷後印刷を停止し、平版印刷版を一旦外して30分間
放置する。その後、再度前記印刷機に取り付けて100
枚印刷し、汚れ性を確認した。
【0152】以上の印刷性能および刷版性能の結果か
ら、その合格率を計算した。なお、合格率とは、基準の
印刷性能が得られているかで判断した。
【0153】<比較例1〜10>上記実施例1〜4にお
いて、(平板印刷版支持体の製造)の各工程における処
理液の各条件を、比較例毎に下記表1に示す条件範囲に
制御したことを除き、実施例1〜4と同様にして、比較
例1〜10の平板印刷版支持体を製造し、その物性を測
定し、さらに、比較例1〜10の平板印刷版を製造し、
その評価を行った。
【0154】全ての実施例において、所望とされる物性
値(物性〜)が得られ、また、印刷性能および刷版
性能の合格率も98%以上であった。一方、比較例で
は、それぞれの比較例におけるいずれかの物性につい
て、所望とされる範囲を逸脱する値があり、また、印刷
性能の合格率も、全て90%を下回っていた。
【0155】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一定の
品質を維持し、印刷性能・刷版性能に優れた平版印刷版
を供し得る平版印刷版支持体の製造方法、該製造方法に
より製造される平版印刷版支持体、および、該平版印刷
版支持体を用いた平版印刷版を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 機械的粗面化工程に供される装置の一例を示
す概略構成図である。
【図2】 エッチング工程に供される装置の一例を示す
概略構成図である。
【図3】 電気化学的粗面化工程に供される装置の一例
を示す概略構成図である。
【図4】 陽極酸化皮膜生成工程に供される装置の一例
を示す概略構成図である。
【図5】 塗布乾燥部における感光層の塗工に供される
塗布装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】 塗布乾燥部における感光層の乾燥に供される
乾燥装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 2 ロール状ブラシ 3 研磨スラリー 30 エッチング処理槽 31 ニップローラ 32 パスローラ 33 スプレー 41 第1粗面化処理装置 42 第2粗面化処理装置 43 裏面粗面化処理装置 44 主電極 45 ドラムローラ 52 給電槽 54 電解処理槽 55 電解液 56 給電電極 57 電解電極 65 塗布液 66 コーティングバー 68 給液口 73,74 乾燥ゾーン 75,77 吸気口 76,78 排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 11/06 C25D 11/06 B 11/16 301 11/16 301 11/18 11/18 A C25F 3/04 C25F 3/04 A G03F 7/00 501 G03F 7/00 501 7/09 501 7/09 501 Fターム(参考) 2H025 AB03 AC01 DA17 DA20 DA36 EA01 2H096 AA06 CA03 2H114 AA04 AA14 DA04 DA73 EA02 FA16 GA03 GA05 GA06 GA09 3C047 FF09 4K057 WA04 WA05 WB05 WE22 WG03 WG10 WH08 WM04 WM19 WN10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板の表面に対し、下記工程
    (1)〜(5)のうち、少なくとも3工程の処理を施す
    ことを特徴とする平版印刷版支持体の製造方法。 工程(1):比重が、その中心値に対し±10%の範囲
    内にある研磨スラリーを用い、アルミニウム板の表面を
    機械的に粗面化する機械的粗面化工程 工程(2):水酸化ナトリウムを主体とし、比重が、そ
    の中心値に対し±10%の範囲内にあり、かつ、電導度
    が、その中心値に対し±20%の範囲内にあるアルカリ
    水溶液を用い、アルミニウム板の表面をエッチングする
    エッチング工程 工程(3):塩酸または硝酸を主体とし、電導度が、そ
    の中心値に対し±20%の範囲内にあり、かつ、超音波
    の音速が、その中心値に対し±20%の範囲内にある電
    解液を用い、アルミニウム板の表面を電気化学的に粗面
    化する電気化学的粗面化工程 工程(4):硫酸を主体とし、比重が、その中心値に対
    し±10%の範囲内にあり、かつ、電導度が、その中心
    値に対し±20%の範囲内にある電解液を用い、アルミ
    ニウム板の表面に酸化皮膜を生成させる陽極酸化皮膜生
    成工程 工程(5):電導度が、その中心値に対し±20%の範
    囲内にある溶液を用い、アルミニウム板の表面を親水化
    する親水化処理工程
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の平版印刷版支持体の製
    造方法であって、表面物性として、下記物性〜を満
    足する平版印刷版支持体を製造することを特徴とする平
    版印刷版支持体の製造方法。 物性:表面の算術平均粗さ(Ra)が、その平均値に
    対し±20%の範囲内 物性:表面の明るさ(L)が、その平均値に対し±1
    0%の範囲内 物性:表面をAFM(原子間力顕微鏡、水平(X,
    Y)方向の分解能:0.lμm、測定範囲:100×1
    00(μm))により測定し、近似三点法により求めた
    表面積をa、上部投影面積をbとした時、a/bの値
    (比表面積)が、その平均値に対し±20%の範囲内 物性:表面をAFM(原子間力顕微鏡、水平(X,
    Y)方向の分解能:1.9μm、測定範囲:240×2
    40(μm))により測定し、傾斜度が、30度以上で
    ある割合(a30)が、その平均値に対し±20%の範
    囲内
  3. 【請求項3】 前記3工程が、工程(1)または工程
    (3)、工程(2)、および、工程(4)の3つの工程
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の平版
    印刷版支持体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(1)〜工程(4)の処理が、
    少なくともそれぞれ1回以上施されることを特徴とする
    請求項1または2に記載の平版印刷版支持体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記工程(2)〜工程(5)の処理が、
    少なくともそれぞれ1回以上施されることを特徴とする
    請求項1または2に記載の平版印刷版支持体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記工程(1)〜工程(5)の処理が、
    少なくともそれぞれ1回以上施されることを特徴とする
    請求項1または2に記載の平版印刷版支持体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1に記載の平版
    印刷版支持体の製造方法により製造されたことを特徴と
    する平版印刷版支持体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の平版印刷版支持体を用
    いたことを特徴とする平版印刷版。
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