JP2000015947A - 平版印刷板及びその製造方法 - Google Patents

平版印刷板及びその製造方法

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JP2000015947A
JP2000015947A JP10187599A JP18759998A JP2000015947A JP 2000015947 A JP2000015947 A JP 2000015947A JP 10187599 A JP10187599 A JP 10187599A JP 18759998 A JP18759998 A JP 18759998A JP 2000015947 A JP2000015947 A JP 2000015947A
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acid
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roller
aluminum
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JP10187599A
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Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版印刷版の製版自動化に伴い、一連の処理
において、感光性平版印刷版を平面性を維持しつつ、高
速で安定して搬送し、処理むらが無く、印刷性能に優れ
た平版印刷版を生産性良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 ローラの水平度±5mm、ローラ変形率
が2%未満で維持された搬送用ローラを、ウェブ断面積
当たりの張力6kg/mm2 以下でウェブを搬送して連
続的に平版印刷版を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平板印刷版及びその
製造方法、特に、支持体にアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金を用いた平板印刷版及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、平版印刷版の製版自動化が急激に
進みつつあり、より印刷性能が良好な版材が求められる
と共に、製版の自動搬送化、自動製版化をより安定に行
うと共に、高速の切断、集積がより安定化を可能とする
ため、平面性の優れた平版印刷版が求められている。特
開平8−104069号公報では、冷間圧延後の引っ張
り強さ、圧延方向のそりを規定した材料が提案されてお
り、自動搬送工程においても、平版の露光ずれが起きな
いアルミニウムコイル素材を供給できることを開示して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、連続生
産性を向上させる為に、面圧を規定して解決する事を提
案し(特願平9−229686号)、また特願平8−2
70097号において、圧延方向、圧延方向と垂直な曲
率を規定した発明を提案している。しかし、近年の自動
化の益々の進展において、平面性を維持するニーズが重
要になってくると共に、平面性を維持しつつ、高速で連
続生産が可能となる製造方法の開発が課題となってい
る。従って、本発明は上記問題点を解決し、平面性の優
れた平版印刷版及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下に述
べる本発明の平版印刷版及びその製造方法により達成さ
れる。すなわち、本発明は、(1)圧延方向の歪みが、
幅方向で1x10-3以下である事を特徴とする平版印刷
版、及び(2)ローラの水平度±5mm/m,平行度±
5mm、ローラ変形率が2%未満で維持された搬送用ロ
ーラを、ウェブ断面積当たりの張力6kg/mm2m以下
でウェブを搬送することを特徴とする連続的平版印刷版
の製造方法である、
【0005】
【発明の実施の態様】以下本発明を詳細に説明する。ま
ず、本発明に関して添付図面を参照して説明する。図1
は、本発明の一例を示す平版印刷版支持体の製造方法を
工程順に示すフローチャートである。アルミニウム板
を、順に、機械的粗面化部、化学的エッチング部、電気
化学的粗面化部、化学的エッチング部、陽極酸化部、塗
布乾燥部、マットコーティング部に送り、最終的に巻き
取ることを連続的に行う。本発明は、この様な工程で製
造した時の圧延方向の歪みと、それに関わるローラの水
平度、平行度、及び変形率に関するものである。
【0006】本発明に於て、使用されるアルミニウム板
には、純アルミニウム、アルミニウム合金が含まれる。
アルミニウム合金としては、種々な物が使用出来、例え
ば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜
鉛、鉛、ニッケル、ビスマス等の合金とアルミニウムの
合金が用いられる。アルミニウム合金は、種々あるが、
オフセット印刷用版材として例えば、特公昭58−66
35号公報では、FeとSi成分を限定し、金属間化合
物を特定している。また、特公昭55−28874号公
報では、冷間圧延率、中間鈍純を行い、電解粗面化の電
圧印加方法を限定している。特公昭62−41304、
特公平1−46577、特公平1−46578、特公平
1−47545、特公平1−35910、特公昭63−
60823、特公昭63−60824、特公平4−13
417、特公平4−19290、特公平4−1929
1、特公平4−19293、特公昭62−50540、
特開昭61−272357、特開昭62−74060、
特開昭61−201747、特開昭63−14323
4、特開昭63−143235、特開昭63−2553
38、特開平1−283350各号公報、EP2725
28、米国特許4902353、同4818300、E
P394816、米国特許5019188、西ドイツ特
許3232810、米国特許435230、EP239
995、米国特許4822715、西ドイツ特許350
7402、米国特許4715903、西ドイツ特許35
07402、EP289844、米国特許500972
2、同4945004、西ドイツ特許3714059、
米国特許4686083、同4861396、EP15
8941各号明細書等に示されているアルミニウム合金
のみならず、一般的なものもすべて含まれる。板材の製
造方法としては、熱間圧延を使用した方法とともに連続
鋳造で行なう方法も最近出願されている。例えば東ドイ
ツ特許252799号明細書では、双ローラ方式で行な
われた板材が紹介されている。EP223737,米国
特許4802935,同4800950号各明細書で
は、微量合金成分を限定した形で出願されている。EP
415238号明細書では、連鋳、連鋳+熱延を提案し
ている。本発明では、このようなアルミニウム板に各種
表面処理、転写等を行い、均一な凹凸を有する印刷原板
を得ることが出来、その上に、ジアゾ化合物等の感光層
を設けることにより、優れた感光性平版印刷版を得るこ
とが出来る。何れにおいても、適切な材料を選ぶことが
必要である。
【0007】また、場合によっては、まず脱脂を行って
もよい。脱脂処理を行う場合は、トリクレン等の溶剤、
界面活性材が用いられか、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリエッチング剤を用いる方法が広く用
いられている。特開平2−026793号公報では、脱
脂処理について記載がされている。例えば、溶剤脱脂方
法としては、ガソリン、ケロシン、ベンジン、ソルベン
トナフサ、ノルマルヘキサン等の石油系溶剤を用いる方
法、トルクロルエチレン、メチレンクロライド、パーク
ロルエチレン、1,1,1−トリクロルエタン等の塩素
系溶剤を用いる方法がある。アルカリ脱脂方法として
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム等のソーダ塩の水溶液を用いる方
法、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、
二号ケイ酸ナトリウム、三号ケイ三ナトリウム等のケイ
酸塩の水溶液を用いる方法、第一燐酸ナトリウム、第三
燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリウム、トリポリリン酸
ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウム等の燐酸塩水溶液を用いる方法等がある。ア
ルカリ脱脂方法を用いる場合、処理時間、処理温度によ
って、アルミニウム表面が溶解する可能性があり得るの
で、脱脂処理については、溶解現象が伴わないようにす
る必要がある。界面活性剤による脱脂処理としては、ア
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界
面活性剤、及び両性活性剤の水溶液が用いられ、各種の
市販品等を用いることが出来る。脱脂方法としては、浸
漬法、吹き付け法、液を布等に含ませて擦る方法等用い
ることが出来る。また、浸漬や吹き付け法には、超音波
を用いてもよい。
【0008】予備研磨は、電気化学的に行う場合、硫酸
溶液中で直流電解によっておこなう。この場合、硫酸濃
度としては、15%〜80%、温度としては、40〜8
0℃、電源としては、直流を用い、電流密度は、5A/
dm2 〜50A/dm2 、電気量としては、100〜3
000c/dm2 が適当である。また。機械的に行う場
合には、ポリアミド、ポリエステル、レーヨン等で構成
された不織布に、平均粒径1〜50μmの研磨材を含有
させて作ったローラによって予備研磨することが好まし
い。予備研磨する条件としては、表面の粗さをある程度
維持することが可能な条件を選択することが必要であ
る。ローラ径は200〜1000mmで、均一な面質を
維持するため、原板の圧延方向と垂直方向に、連続処理
の場合は、ライン方向と垂直に、5〜2000回/分の
振動を与えることが好ましい。いずれにしても。予備研
磨により中心線表面粗さを0.15〜0.35μm並び
に最大表面粗さを1〜3.5μmにすることが重要であ
る。即ち、上記直流電解及び/又はローラによる予備研
磨に限らず中心線平均表面粗さ、最大表面粗さを所望の
粗さにすることが重要である。
【0009】次いで、アルミニウム板は機械的研磨部に
おいて租面化される。この機械的粗面化部においては、
例えば、図2に示される、特公昭50-40047号公報に記載
の装置を使用することができる。即ち、アルミニウム板
1は、搬送に伴いその表面に研磨スラリー3が供給さ
れ、ローラ状ブラシ2で擦られることにより粗面化され
る。このブラシによる粗面化としては、ナイロンブラシ
による粗面化の他、ワイヤーブラシによる粗面化等も含
まれる。
【0010】機械的粗面化には、上記ブラシ法も含め
て、転写、液体ホーニング等種々の方法があり、生産性
等を考慮して選択することが重要である。凹凸面をアル
ミニウム板に圧接する転写方法としては、種々の方法を
使用することが出来る。即ち、前述の特開昭55−74
898号,特開昭60−36195号,特開昭60−2
03496号各公報の他、転写を数回行うことを特徴と
した特開平6−55871号公報,表面が弾性であるこ
とを特徴とした特開平6−24168号公報に開示の方
法も適用可能である。また、放電加工・ショットブラス
ト・レーザー・プラズマエッチングなどを用いて、微細
な凹凸を食刻したローラを用いて繰り返し転写をおこな
うことや、微細粒子を塗布した凹凸のある面を、アルミ
ニウム板に接面させ、その上より複数回繰返し圧力を加
え、アルミニウム板に微細粒子の平均直径に相当する凹
凸パターンを複数回繰り返し転写させても良い。転写ロ
ーラへ微細な凹凸を付与する方法としては、特開平3−
08635号、特開平3−066404号、特開昭63
−065017号各公報などが公知となっている。ま
た、ローラ表面にダイス、バイトまたはレーザーなどを
使って2方向から微細な溝を切り、表面に角形の凹凸を
つけてもよい。このローラ表面は、公知のエッチング処
理などをおこなって、形成した角形の凹凸が丸みを帯び
るような処理をおこなってもよい。表面の硬度を上げる
ために焼き入れ、ハードクロムメッキなどを行なっても
よいことは勿論である。また高圧水による粗面化も可能
であり、特開昭59−21469号公報,特開昭60−
19595号公報,特開昭60−18390号公報等に
示されている。
【0011】この様に機械的粗面化を行った後、必要に
応じて、化学的エッチング部においてアルミニウム板の
平滑化、均斉化等を目的として、アルミニウム表面を
酸、アルカリで化学処理する。特に、電気化学的粗面化
を行なう場合には転写後そのまま引き続いて行なう場
合、粗面化が不均一になる。この化学的エッチング部
は、例えば図3に示される、特開平4-128392号公報に記
載の装置を使用することができる。即ち、アルミニウム
板1は、パスローラ32、ニップローラ31による搬送
に伴いエッチング処理槽30内でスプレー33から噴射
されるエッチング液により処理される。また、この装置
においては、処理後のエッチング廃液の処理も同時を行
うように構成されており、廃液を調液タンク35、拡散
透析槽36、析出槽27、シックナー38、ドラムフィ
ルター39等から構成されるシステムで処理して、一部
はエッチング液として再生し、一部を水酸化アルミニウ
ムとして回収している。
【0012】化学的エッチング処理に使用される酸、ア
ルカリの具体例としては、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸、水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、
硫酸ナトリウム等のソーダ塩の水溶液を用いる方法、オ
ルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケ
イ酸ナトリウム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩の
水溶液を用いる方法、第一燐酸ナトリウム、第三燐酸ナ
トリウム、第二燐酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム等の燐酸塩水溶液を用いる方法等がある。処理条件
としては、濃度0.01%〜50重量%、温度20℃〜
90℃、時間5秒〜5分間から適時選択される。エッチ
ング量としては、アルミニウムの材質や、求める品質に
より適時選択される。特開昭54−65607、特開昭
55−125299各号公報では、電気化学的粗面化の
前処理を提案している。特開昭63−235500、特
開昭63−307990、特開平1−127388、特
開平1−160690、特開平1−136789、特開
平1−136788、特開平1−178497、特開平
1−308689、特開平3−126871、特開平3
−126900、特開平3−173800各号公報等に
各種前処理が含まれているが、本発明は、これらに限っ
ているわけではない。しかしながら、この様に、酸、ア
ルカリの水溶液によりアルミニウム表面を化学処理する
と、その表面に不溶解残渣部すなわちスマットが生成す
る。このスマットは、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸また
は、これらの混合物により除去することが出来る。本発
明に於いて、電気化学的粗面化処理されるアルミニウム
表面は、スマットの無い清浄な面であることが望まし
い。しかし、電解液が酸であり、デスマット作用を持つ
場合等これを省くことができる。
【0013】この様にして処理されたアルミニウム板
は、次いで電気化学的処理部において電気化学的租面化
処理が施される。この電気化学的処理部は、例えば図4
に示される、特開平5-8576号公報に記載の装置を使用す
ることができる。即ち、アルミニウム板1を第1粗面化
処理装置41及び第2粗面化処理装置42により、電解
処理する。両粗面化処理装置41,42ともにドラムロ
ーラ45と主電極44とが対向して電解液46中に配置
されている。アルミニウム板1は、このドラムローラ4
5と主電極44との間を通過することで電解処理され
る。また、この装置は、第2粗面化処理装置42の下流
側に、ドラムローラ45と主電極44とを電解液46中
で対向配置してなる裏面粗面化処理装置43を備えてお
り、アルミニウム板1の両面を電解処理する構成となっ
ている。尚、符号47は水洗のためのスプレーである。
また、アルミニウム板1は、パスローラ48とニップロ
ーラ49により搬送される。
【0014】電気化学的粗面化については、特公昭48
−28123号公報、英国特許896563号明細書を
参照することができる。また、使用する電流は従来正弦
波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−5
8602号公報に記載されているような特殊な波形を用
いて行ってもよい。また、特開昭55−158298、
特開昭56−28898、特開昭52−58602、特
開昭52−152302、特開昭54−85802、特
開昭60−190392、特開昭58−120531、
特開昭63−176187各号公報、特開平1−588
9、特開平1−280590、特開平1−11848
9、特開平1−148592、特開平1−17849
6、特開平1−188315、特開平1−15479
7、特開平2−235794、特開平3−26010
0、特開平3−253600、特開平4−72079、
特開平4−72098、特開平3−267400、特開
平1−141094各号公報に記載の方法も適用でき
る。周波数としては、前述の他に、電解コンデンサーに
て提案されているものも使用できる。例えば、米国特許
4276129,同4676879号明細書等である。
【0015】電解液としては、硝酸、塩酸等前述の他、
米国特許4671859,同466576,同4661
219,同4618405,同462628,同460
0482,同4566960,同4566958,同4
566959,同4416972,同4374710,
同4336113,同4184932各号明細書等の電
解液も使用できる。電解槽、電源としては、色々提案さ
れているが、米国特許4203637号明細書、特開昭
56−123400、特開昭57−59770、特開昭
53−12738、特開昭53−32821、特開昭5
3−32822、特開昭53−32823、特開昭55
−122896、特開昭55−132884、特開昭6
2−127500各号公報、特開平1−52100号公
報、特開平1−52098号公報、特開昭60−677
00号公報、特開平1−230800号公報、特開平3
−257199号公報等がある。また、上述した特許以
外にも、色々提案されている。例えば、特開昭52−5
8602、特開昭52−152302、特開昭53−1
2738、特開昭53−12739、特開昭53−32
821、特開昭53−32822、特開昭53−328
33、特開昭53−32824、特開昭53−3282
5、特開昭54−85802、特開昭55−12289
6、特開昭55−132884、特公昭48−2812
3、特公昭51−7081、特開昭52−13383
8、特開昭52−133840、特開昭52−1338
44、特開昭52−133845、特開昭53−149
135、特開昭54−146234各号公報に記載のも
の等ももちろん適用できる。
【0016】また、電気化学的租面化の後にスマット除
去を行うことが好ましい。スマット除去は、前記したよ
うに電解液と同じ成分に液で行う。電解液と異なる成分
の液でスマット除去を行うと、スマット除去工程後に水
洗工程が必要となり、コストアップの要因となるばかり
か、電解グレイン性にも影響を及ぼす。また、同じ成分
であれば、温度や濃度が変化した系で行っても、電解粗
面化工程で温度・濃度管理や制御が可能である。スマッ
ト除去方法としては、化学的に溶解させる方法等がある
が、スプレー等で液を高速にウエブに衝突させ、強制的
にスマット除去させてもよい。いずれにしても、生産
性、設備コスト、電解粗面化のセル形状等総合的に考慮
して選択すればよい。いずれの方式についてもスマット
量を5%〜70%除去することが大切である。電解粗面
化で発生するスマット量としては、電解条件で、0.2
g/m2 〜5g/m2 程度変化するので、目的とする品
質性能で除去すべくスマット量をこの範囲で変化させれ
ばよい。
【0017】かくして得られたアルミニウム板に必要に
応じて、アルカリまたは、酸にて処理を行なう。この処
理は、上記した化学的エッチング部において行われる。
この化学的エッチング処理は、特開昭56−51388
号公報のようにアルカリ処理し、特開昭53−1273
9号公報のように硫酸によってデスマット処理を行な
う。また、特開昭53−115302号公報のように燐
酸処理したり、特開昭60−8091、特開昭63−1
76188、特開平1−38291、特開平1−127
389、特開平1−188699、特開平3−1776
00、特開平3−126891、特開平3−19110
0各号公報等に記載の方法も使用することができる。
【0018】この様に得られたアルミニウム支持体の表
面に、陽極酸化部にて陽極酸化皮膜を成膜する。この陽
極酸化部は、例えば図5に示される、特開平8-264118号
に記載の装置を使用することができる。即ち、アルミニ
ウム板1は、電解液55中に給電電極56が配置された
給電槽52と、電解液58中に電解電極57が配置され
た電解処理槽54とを通過することにより陽極酸化被膜
が成膜される。尚、アルミニウム板1はローラ53によ
り搬送される。
【0019】電解液としては、硫酸、燐酸、クロム酸、
しゅう酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等ある
いは、これら2種類以上組み合わせた水溶液または非水
溶液中で、アルミニウムを陽極として電流を流すと、ア
ルミニウム表面に、陽極酸化皮膜を形成させることが出
来る。陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によっ
て種々変化するので、一概にいえないが一般的には、電
解液の濃度が、1〜80重量%、液温5〜70℃、電流
密度0.5〜60A/cm2、電圧1〜100V、電解
時間15秒〜50分が適当である。電解装置としては、
特開昭48−26638、特開昭47−18739、特
公昭58−24517各号公報等に紹介されている。ま
た、特開昭54−81133、特開昭57−4789
4、特開昭57−51289、特開昭57−5129
0、特開昭57−54300、特開昭57−13659
6、特開昭58−107498、特開昭60−2002
56、特開昭62−136596、特開昭63−176
494、特開平4−176897、特開平4−2809
97、特開平6−207299、特開平5−3208
3、特開平5−125597、特開平5−195291
各号公報に記載されている方法ももちろん使用できる。
処理液としては、特開平3−253596、特開昭62
−82089、特開平1−133794、特開昭54−
32424、特開平5−42783各号公報等の液もも
ちろん使用できる。陽極酸化皮膜工程では、電気量と共
に液温度、液濃度と、アルミニウム濃度を表すことがで
きる電導度と比重でコントロールできる。
【0020】上述の様に、陽極酸化皮膜を形成した後、
各支持体と感光組成物との密着を最適なものとするため
に、陽極酸化皮膜をエッチングした後、水蒸気並びに、
熱水で封孔処理をして、経時安定性の良い、現像性の良
好な、非画像部の汚れのない感光性印刷版を与える支持
体の封孔処理装置があり、(特公昭56−12518号
公報)この様な装置で皮膜生成後処理を行なっても良
い。また、特開平4−4194号、特開平5−2024
96、特開平5−179482各号公報等の装置、方法
で封孔処理を行なっても良い。
【0021】他に、米国特許第2946638号明細書
に記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米
国特許第3201247号明細書に記載されているホス
ホモリブデート処理英国特許第1108559号に記載
されているアルキルチタネート処理、独国特許第109
1433号明細書に記載されているポリアクリル酸処
理、独国特許第1134093号明細書や英国特許第1
230447号明細書に記載されているポリビニルホス
ホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されて
いるホスホン酸処理、米国特許第3307951号明細
書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16
893号や特開昭58−18291号の各公報に記載さ
れている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩に
よる処理や、米国特許第3860426号明細書に記載
されているように、水溶性金属塩(例えば酢酸亜鉛な
ど)を含む親水性セルロース(例えばカルボキシメチル
セルロースなど)の下塗り層を設けたり、特開昭59−
101651号公報に記載されているスルホン酸基を有
する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理は、電導
度と温度をコントロールしたものや、特開昭62−01
9494号公報に記載されているリン酸塩、特開昭62
−033692号公報に記載されている水溶性エポキシ
化合物、特開昭62−097892号公報に記載のリン
酸変性デンプン、特開昭63−056498号公報に記
載のジアミン化合物、特開昭63−130391号公報
記載のアミノ酸の無機または有機酸、特開昭63−14
5092号公報に記載のカルボキシル基または水酸基を
含む有機ホスホン酸、特開昭63−165183号公報
に記載のアミノ基とホスホン酸基を有する化合物、特開
平2−316290号公報に記載の特定のカルボン酸誘
導体、特開平1−272594号公報に記載のリン酸エ
ステル、特開平3−261592号公報に記載の1個の
アミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化合物、特開平3
−215095号公報に記載のリン酸エステル、特開平
5−246171号公報に記載のフェニルホスホン酸な
どの脂肪族または芳香族ホスホン酸、特開平1−307
745号公報に記載のチオサリチル酸のようなS原子を
含む化合物、特開平4−282637号公報に記載のリ
ンの酸素酸のグループを持つ化合物などの下塗りや、特
開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料
による着色を行なう事もできる。
【0022】次いで、アルミニウム板には、塗布乾燥部
にて感光層が塗工される。この塗布乾燥部は、例えば図
6に示す塗布装置及び図7に示す乾燥装置を用いること
ができる。塗布装置は、アルミニウム板1をコーティン
グバー66に当接させながら搬送し、それと同時に給液
口68から導入された塗布液65を適用するものであ
る。これにより、アルミニウム板1の表面に塗布液65
の薄膜を塗工することができる。この塗布装置は、コー
ティングバー66を備える構成であれば特に制限される
ものではなく、例えば同図(a)及び(b)に示す構成
とすることができる。また、特公昭58−4589号公報に記
載のコーティングバーを用いることができる。乾燥装置
は、複数の乾燥ゾーン73,74に給気口75,77か
ら乾燥用の加熱空気を導入し、排気口76,78から処
理後の空気を排気するように構成されている。アルミニ
ウム板1はローラ71により搬送され、乾燥ゾーン7
3,74を通過することにより乾燥される。尚、符号7
2は、図6に示す塗布装置に対応するものである。
【0023】感光層としては、以下をに例示することが
できる。 〔I〕o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルお
よびフェノール・クレゾール混合のノボラック樹脂を含
有する感光層を設ける場合。 o−キノンジアジド化合物はo−ナフトキノンジアジド
化合物であり、例えば、米国特許第2,766,118
号、同第2,767,092号、同第2,772,97
2号、同第2,859,112号、同第3,102,8
09号、同第3,106,465号、同第3,635,
709号、同第3,647,443号の各明細書をはじ
め、多数の刊行物に記されており、これらは、好適に使
用することができる。これらの内でも、特に芳香族ヒド
ロキシ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステルまたはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸エス
テル、及び芳香族アミノ化合物のo−ナフトキノンジア
ジドスルホン酸アミドまたはo−ナフトキノンジアジド
カルボン酸アミドが好ましく、特に米国特許第3,63
5、709号明細書に記されているピロガローラとアセ
トンとの縮合物にo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
をエステル反応させたもの、米国特許第4,028,1
11号明細書に記されている末端にヒドロキシ基を有す
るポリエステルにo−ナフトキノンジアジドスルホン
酸、またはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸をエス
テル反応させたもの、英国特許第1,494,043号
明細書に記されているようなp−ヒドロキシスチレンの
ホモポリマーまたはこれと他の共重合し得るモノマーと
の共重合体にo−ナフトキノンジアジドスルホン酸、ま
たはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸をエステル反
応させたもの、米国特許第3,759,711号明細書
に記されているようなp−アミノスチレンと他の共重合
し得るモノマーとの共重合体にo−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸、またはo−ナフトキノンジアジドカルボ
ン酸をアミド反応させたものは非常に優れている。
【0024】これらのo−キノンジアジド化合物は、単
独で使用することができるが、アルカリ可溶性樹脂と混
合して用いた方が好ましい。好適なアルカリ可溶性樹脂
には、ノボラック型フェノール樹脂が含まれ、具体的に
は、フェノールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾール
ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒ
ド樹脂などが含まれる。さらに米国特許第4,028,
111号明細書に記されているように上記のようなフェ
ノール樹脂と共に、t−ブチルフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキル基で置換され
たフェノールまたはクレゾールとホルムアルデヒドとの
縮合物を併用すると、より一層好ましい。また、露光に
より可視像を形成するためにo−ナフトキノンジアジド
−4−スルホニルクロライド、p−ジアゾジフェニルア
ミンの無機アニオン塩、トリハロメチルオキサジアゾー
ル化合物、ベンゾフラン環を有するトリハロメチルオキ
サジアゾール化合物等の化合物などが添加される。一方
画像の着色剤としては、ビクトリアブル−BOH、クリ
スタルバイオレット、オイルブルー、等のトリフェニル
メタン染料が用いられる。また、特開昭62−2932
47号公報に記載されている染料は特に好ましい。
【0025】さらに、感脂化剤として特公昭57−23
253号公報に記載されているような炭素数3〜15の
アルキル基で置換されたフェノール、例えばt−ブチル
フェノール、N−オクチルフェノール、t−ブチルフェ
ノールとホルムアルデヒドとを縮合させたノボラック樹
脂、または、このようなノボラック樹脂のo−ナフトキ
ノンジアジド−4−または−5−スルホン酸エステル
(例えば、特開昭61−242446号公報に記載され
ている)を含有させることができる。また、現像性を良
化させるためにさらに特開昭62−251740号公報
に記載されているような非イオン界面活性剤を含有させ
ることができる。以上の組成物は、上記各成分を溶解す
る溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する
溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、
乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メ
チルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、
アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテルなどがあり、これらの溶媒を単独あるいは混
合して使用する。これらの成分からなる感光性組成物
が、固形分として0.5〜3.0g/m2設けられる。
【0026】〔II〕ジアゾ樹脂と水不溶性かつ親油性
光分子化合物を含有する感光層を設ける場合。 ジアゾ樹脂としては、例えばp−ジアゾジフェニルアミ
ンとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドの縮合物
と、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩
との有機溶媒可溶の反応生成物であるジアゾ樹脂無機
塩、また米国特許第3,300,309号明細書に記載
されているような、前記縮合物とスルホン酸類例えばP
−トルエンスルホン酸またはその塩、ホスフィン酸類例
えばベンゼンホスフィン酸またはその塩、ヒドロキシル
基含有化合物例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸またはその塩等の反応生成物である有機
溶媒可溶性ジアゾ樹脂有機酸塩等が挙げられる。本発明
において、好適に用いることができる他のジアゾ樹脂
は、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、
リンの酸素酸基およびヒドロキシル基のうち少なくとも
一つの有機基を有する芳香族化合物と、ジアゾニウム化
合物、好ましくは芳香族ジアゾニウム化合物とを構造単
位として含む共縮合体である。そして上記の芳香族環と
しては、好ましくはフェニル基、ナフチル基をあげるこ
とができる。
【0027】前述のカルボキシル基、スルホン酸基、ス
ルフィン酸基、リンの酸素酸基、及びヒドロキシル基の
うち少なくとも一つを含有する芳香族化合物としては種
々のものが挙げられるが、好ましいのは、4−メトキシ
安息香酸、3−クロロ安息香酸、2,4−ジメトキシ安
息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニリノ安息香
酸、フェノキシ酢酸、フェニル酢酸、p−ヒドロキシ安
息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルフィン酸、1−ナフタレンス
ルホン酸、フェニルリン酸、フェニルホスホン酸であ
る。前述の共縮合ジアゾ樹脂の構成単位をなす芳香族ジ
アゾニウム化合物には、例えば特公昭49−48001
号公報に挙げられているようなジアゾニウム塩を用いる
ことができるが、特に、ジフェニルアミン−4−ジアゾ
ニウム塩類が好ましい。ジフェニルアミン−4−ジアゾ
ニウム塩類は、4−アミノ−ジフェニルアミン類から誘
導されるが、このような4−アミン−ジフェニルアミン
類としては、4−アミノジフェニルアミン、4−アミノ
−3−メトキシジフェニルアミン、4−アミノ−2−メ
トキシジフェニルアミン、4’−アミノ−2−メトキシ
ジフェニルアミン、4’−アミノ−4−メトキシジフェ
ニルアミン、4−アミノ−3−メチルジフェニルアミ
ン、4−アミノ−3−エトキシジフェニルアミン、4−
アミノ−3−β−ヒドロキシエトキシジフェニルアミ
ン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−スルホン酸、
4−アミノ−ジフ−ニルアミン−2−カルボン酸、4−
アミノ−ジフェニルアミン−2’−カルボン酸等が挙げ
られ、特に好ましくは、3−メトキシ−4−アミノ−4
−ジフェニルアミン、4−アミノジフェニルアミンであ
る。
【0028】また、酸基を有する芳香族化合物との共縮
合ジアゾ樹脂以外のジアゾ樹脂として、特開平4−18
559、特開平3−163551、及び特開平3−25
3857各号公報に記載された酸基を含有するアルデヒ
ドまたはそのアセタール化合物で縮合したジアゾ樹脂も
好ましく用いることができる。ジアゾ樹脂の対アニオン
としては、ジアゾ樹脂と安定に塩を形成し、かつ該樹脂
を有機溶媒に可溶となすアニオンを含む。これらは、デ
カン酸及び安息香酸等の有機カルボン酸、フェニルリン
酸等の有機リン酸及びスルホン酸を含み、典型的な例と
しては、メタンスルホン酸、トルフルオロメタンスルホ
ン酸などのフルオロアルカンスルホン酸、ラウリルスル
ホン酸、ジオクチルスルホコハク酸、ジシクロヘキシル
スルホコハク酸、カンファースルホン酸、トリルオキシ
−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−3−プ
ロパンスルホン酸、ノニルフェノキシ−4−ブタンスル
ホン酸、ジブチルフェノキシ−3−プロパンスルホン
酸、ジアミルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジ
ノニルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ジブチル
フェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ジノニルフェノキ
シ−4−ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、p−クロロベ
ンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン
酸、スルホサルチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスル
ホン酸、p−アセチルベンゼンスルホン酸、5−ニトロ
−o−トルエンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホ
ン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベン
ゼンスルホン酸、2−クロロ−5−ニトロベンゼンスル
ホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼン
スルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ドデシ
ルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、イソプロピル
ナフヘタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン
酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、オクチルナフタレ
ンスルホン酸、ブトキシナフタレンスルホン酸、ドデシ
ルオキシナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンス
ルホン酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、トリイソ
プロピルナフタレンスルホン酸、トリブチルナフタレン
スルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、ナフタ
リン−1−スルホン酸、ナフタリン−2−スルホン酸、
1,8−ジニトロ−ナフタレン−3,6−ジスルホン
酸、ジメチル−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並
びに芳香族スルホン酸、2,2’,4,4’−テトラヒ
ドキシベンゾフェノン、1,2,3−トリヒドロシキシ
ベンゾフェノン、2,2’4−トリヒドロキシベンゾフ
ェノン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロリ
ン酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス酸、
HClO4 ,HIO4 等の過ハロゲン酸等が挙げられる
が、これに限られるものではない。これらの中で、特に
好ましいものは、ブチルナフタレンスルホン酸、ジブチ
ルナフタレンスルホン酸、ヘキサフルオロリン酸、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸である。
【0029】本発明に使用するジアゾ樹脂は、各単量体
のモル比及び縮合条件を種々変えることにより、その分
子量は任意の値として得ることができるが、本発明の目
的とする使途に有効に供するためには分子量が約400
〜100,000のもの、好ましくは、約800〜8,
000のものが適当である。水不溶性かつ親油性高分子
化合物としては、下記(1)〜(15)に示すモノマー
をその構造単位とする通常1〜20万の分子量をもつ共
重合体が挙げられる。 (1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタク
リルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類及びヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−
ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−
ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m−,
p−ヒドロキシスチレン、o−,m−,p−ヒドロキシ
フェニル−アクリレートまたはメタクリレート、(2)
脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタ
クリル酸エステル類、例えば2−ヒドロキシエチルアク
リレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
4−ヒドロキシブチルメタクリレート (3)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等の不飽和カルボン酸、(4)アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシ
ジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート等の(置換)アルキルアクリレート、
【0030】(5)メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、アミルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等
の(置換)アルキルメタクリレート、(6)アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチローラアクリルアミ
ド、N−メチローラメタクリルアミド、N−エチルアク
リルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シク
ロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアク
リルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロ
フェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルア
クリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルア
ミド類、(7)エチルビニルエーテル、2−クロロエチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オク
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類、(8)ビニルアセテート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビ
ニルエステル類、(9)スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類、(10)メ
チルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニ
ルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類、
【0031】(11)エチレン、プロピレン、イソブチ
レン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類、(1
2)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、
4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等 (13)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセケチルメタクルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド、(14)N(o−アミ
ノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−
アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−
(p−アミノ)スルホニルフェニルメタクリルアミド、
N−(1−(3−アミノスルホニル)ナフチル)メタク
リルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタ
クリルアミド等のメタクリル酸アミド類、及び上記と同
様の置換基を有するアクリルアミド類、また、o−アミ
ノスルホニルフェニルフメタクリレート、m−アミノス
ルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニ
ルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニ
ルナフチル)メタクリレート等のメタクリル酸エステル
類、及び上記と同様の置換基を有するアクリル酸エステ
ル類などの不飽和スルホンアミド (15)N−(2−(メタクリロイルオキシ)−エチ
ル)−2,3−ジメチルマレイミド、ビニルシンナメー
ト、などの、側鎖に、架橋性基を有する不飽和モノマ
ー。更に、上記モノマーと共重合し得るモノマーを共重
合させてもよい。(16)米国特許第3,751,25
7号明細書に記載されているフェノール樹脂および例え
ばポリビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂のようなポリビニルアセタール樹脂。(17)ポリ
ウレタンをアルカリ可溶化した特公昭54−19773
号、特開昭57−904747号、同60−18243
7号、同62−58242号、同62−123452
号、同62−123453号、同63−113450
号、特開平2−146042号に記載された高分子化合
物。また上記共重合体には必要に応じて、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エ
ポキシ樹脂、ノボラック樹脂、天然樹脂等を添加しても
よい。
【0032】本発明の支持体にに用いる感光性組成物に
は、露光による可視画像と現像後の可視画像を得ること
を目的としてさらに色素を用いることができる。該色素
としては、例えば、ビクトリアピュアブル−BOH〔保
土ヶ谷化学社製〕、オイルブルー#603〔オリエント
化学工業社製〕,パテントピュアブルー〔住友三国化学
社製〕、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリー
ン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メチル
グリーン、エリスロシンB、ベイシックフクシン、マラ
カイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパープ
ル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミ
ノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチルア
ミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフェニ
ルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサ
ンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系または
アントラキノン系の色素が有色から無色あるいは異なる
有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられる。一
方、無色から有色に変化する変色剤としては、ロイコ色
素及び、例えばトリフェニルアミン、ジフェニルアミ
ン、o−クロロアニリン、1,2,3−トリフェニルグ
アニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニルアミ
ン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p’,p”−ト
リス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p’−
ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,
p’,p”−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタ
ン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−
アニリノナフチルメタン、p,p’,p”−トリアミノ
トリフェニルメタンに代表される第1級または第2球ア
リールアミン系色素が挙げられる。特に好ましくは、ト
リフェニルメタン系、ジフェニルメタン系色素が有効に
用いられ、さらに好ましくはトリフェニルメタン系色素
であり、特にビクトリアピュアブルーBOHである。
【0033】本発明の支持体に用いられる感光性組成物
には、更に種々の添加物を加えることができる。例え
ば、塗布性を改良するためのアルキルエーテル類(例え
ばエチルセルロース、メチルセルロース)、フッ素系界
面活性剤類や、ノニオン系界面活性剤(特にフッ素系界
面活性剤が好ましい)、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与
するための可塑剤(例えばブチルフタリル、ポリエチレ
ングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチ
ル、フタン酸ジブチル、フタン酸ジヘキシル、フタル酸
ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、
リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリ
ル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマー及びポ
リマー、この中で特にリン酸トリクレジルが好まし
い)、画像部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例
えば特開昭55−527号公報記載のスチレン−無水マ
レイン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル化
物、p−t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂
などのノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレンの50
%脂肪酸エステル等)、安定剤{例えば、リン酸、亜リ
ン酸、有機酸(クエン酸、シュウ酸、ジピコリン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホサリ
チル酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン
−5−スルホン酸、酒石酸等)}、現像促進剤(例えば
高級アルコール、酸無水物等)等が好ましく用いられ
る。
【0034】上述の感光性組成物を支持体上に設けるに
は、感光性ジアゾ樹脂、親油性高分子化合物、及び必要
に応じて種々の添加剤の所定量を適当な溶媒(メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、メチルセロソルブアセテート、アセトン、メチル
エチルケトン、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、シクロヘキサノン、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレ
ンジクロライド、ジメチルスルホキシド、水またはこれ
らの混合物等)中に溶解させ感光性組成物の塗布液を調
整し、これを支持体上に塗布、乾燥すればよい。用いら
れる溶媒は単独でもよいが、メチルセロソルブ、1−メ
トキシ−2−プロパノール、乳酸メチルのような高沸点
溶媒と、メタノール、メチルエチルケトンのような低沸
点溶媒との混合物とするとさらに好ましい。塗布する際
の感光性組成物の固形分濃度は1〜50重量%の範囲と
することが望ましい。この場合、感光性組成物の塗布量
は、おおむね、0.2〜10g/m2(乾燥重量)程度と
すればよくさらに好ましくは、0.5〜3g/m2 とす
るとよい。
【0035】〔III〕光二量化型感光性組成物及び光
重合性感光性組成物をふくむ感光層を設ける場合 光二量化型感光性組成物としてはマレイミド基やシンナ
ミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミ
リデンアセチル基やカルコン基などを側鎖、または主鎖
に有するポリマーが挙げられ、マレイミド基を側鎖に有
するポリマーとして、特開昭52−988号(対応米国
特許4,079,041号)公報や、独国特許第2,6
26,769号明細書、ヨーロッパ特許第21,019
号明細書、ヨーロッパ特許第3,552号明細書や、デ
ィー・アンゲバンドゥテ・マクロモレクラーレ・ケミー
(Die Angewandte Makromolekulare Chemie)115(1
983)の163〜181ページに記載されているポリ
マーや、特開昭49−128991号、同49−128
992号、同49−128993号、同50−5376
号、同50−5377号、同50−5379号、同50
−5378号、同50−5380号、同53−5298
号、同53−5299号、同53−5300号、同50
−50107号、同51−47940号、同52−13
907号、同50−45076号、同52−12170
0号、同50−10884号、同50−45087号各
公報、独国特許第2,349,948号、同第2,61
6,276号各明細書に記載されているポリマーなどを
挙げることができる。これらのポリマーを、アルカリ水
に可溶性または膨潤性とするためには、カルボン酸・ス
ルホン酸、リン酸、ホスホン酸、及びこれらのアルカル
金属塩やアンモニウム塩、及びアルカリ水に対し解離す
るpKaが6〜12の酸基などを、ポリマー中に含めた
ものが有用である。必要により上記酸基を有するモノマ
ー13種類と、マレイミド基を有するモノマーを共重合
させることもできる。
【0036】酸基を有するマレイミドポリマーの酸価は
30〜300の範囲が好ましく、このような酸価を有す
るポリマーの中でも、ディー・アンゲバンドゥテ・マク
ロモレクラーレ・ケミー(Die Angewandte Makromoleku
lare Chemie)128(1984)の71〜91ページに
記載されているような、N−〔2−(メタクリロイルオ
キシ)エチル〕−2,3−ジメチルマレイミドとメタク
リル酸あるいはアクリル酸との共重合体が有用である。
更にこの共重合体の合成に際して第3成分のビニルモノ
マーを共重合することによって目的に応じた多元共重合
体を容易に合成することができる。例えば、第3成分の
ビニルモノマーとして、そのホモポリマーのガラス転移
点が室温以下のアルキルメタアクリレートやアルキルア
クリレートを用いることによって、共重合体に柔軟性を
与えることができる。
【0037】シンナミル基、シンナモイル基、シンナミ
リデン基、シンナミリデンアセチル基やカルコン基など
を側鎖、または主鎖に有する光架僑性ポリマーとして
は、米国特許第3,030,208号明細書の記載され
ている感光性ポリエステルがある。これらの光架橋性ポ
リマーをアルカリ水可溶化したものとしては、次のよう
なものがあげられる。即ち、特開昭60−191244
号公報中に記載されているような感光性ポリマーを挙げ
ることができる。更に、特開昭62−175729号、
特開昭62−175730号、特開昭63−25443
号、特開昭63−218944号、特開昭63−218
945号の各公報に記載されている感光性ポリマーなど
を挙げることができる。また、これらを含む感光層には
増感剤を使用することが出来るが、そのような増感剤と
してはベンゾフェノン誘導体、ベンズアンスロン誘導
体、キノン類、芳香族ニトロ化合物、ナフトチアゾリン
誘導体、ベンゾチアゾリン誘導体、チオキサントン類、
ナフトチアゾール誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾ
チアゾール誘導体、ナフトフラノン化合物、ビリリウム
塩、チアビリリウム塩などを挙げることが出来る。この
ような感光層には必要に応じて塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン、ポリアクリル酸アルキルエステ
ル、アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、
塩化ビニル、スチレン、ブタジェンなどのモノマーの少
なくとも一種との共重合体、ポリアミド、メチルセルロ
ース、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン
酸共重合体などの結合剤や、ジブチルフタレート、ジヘ
キシルフタレートなどのフタル酸ジアルキルエステル、
オリゴエチレングリコールアルキルエステル、リン酸エ
ステルなどの可塑剤などを使用することが出来る。ま
た、感光層の着色を目的として、染料もしくは顔料や焼
出し剤としてpH支持薬等を添加するものも好ましい。
【0038】光重合性感光性組成物としては、不飽和カ
ルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価ア
ルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪
族多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。光重
合開始剤としては、ビシナ−ルポリタケタルドニル化合
物、α−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−
位が炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、多
核キノン化合物、トリアリルイミダゾールダイマー/p
−アミノフェニルケトンの組み合わせ、ベンゾチアゾー
ル系化合物、トリハロメチル−s−トリアジン化合物、
アクリジン及びフェナジン化合物、オキサジアゾール化
合物などが含まれ、これらとともに、アルカリ水可溶性
または膨潤性で、かつフィルム形成可能な高分子重合体
としては、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)ア
クリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノ
マー共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸メチル(ま
たはメタクリル酸エステル)共重合体、無水マレイン酸
共重合体にペンタエリスリトールトリアクリレートを半
エステル化で付加させたものや酸性ビニル共重合体など
が挙げられる。
【0039】〔IV〕電子写真用感光層 例えば、米国特許第3,001,872号明細書に開示
さているZnO感光層を用いることもできる。また、特
開昭56−161550号、特開昭60−186847
号、特開昭61−238063号各公報などに記載され
ている電子写真感光体を用いた感光層を用いてもよい。
支持体上に設けられる感光層の量は、塗布後の乾燥重量
で、薬0.1〜約7g/m2 、好ましくは0.5〜4g
/m2 の範囲である。
【0040】本発明法による平版印刷版用支持体の製造
方法において、支持体と感光層との密着性を高めるため
や、現像後に感光層が残らないようにするため、または
ハレーションを防止するなどの目的で、必要に応じて中
間層を設けてもよい。密着性向上のためには、一般に中
間層は、ジアゾ樹脂や、例えばアルミに吸着するリン酸
化合物、アミノ化合物、カルボン酸化合物などからなっ
ている。現像後に感光層が残存しないように溶解性の高
い物質からなる中間層は、一般に溶解性の良好なポリマ
ーや、水溶性ポリマーからなっている。更にハレーショ
ン防止のためには、中間層は一般に染料やUV吸収剤を
含む。中間層の厚さは任意であり、露光した時に、上層
の感光層と均一な結合形成反応を行い得る厚みでなけれ
ばならない。通常、乾燥固体で約1〜100mg/m2
の塗布割合がよく、5〜40mg/m2 が特に良好であ
る。
【0041】塗布された感光層上には相互に独立して設
けられた突起物により構成されるマット層を設けること
もできる。マット層の目的は密着露光におけるネガ画像
フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良する
ことにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良に
よる露光時の微小網点のつぶれを防止することである。
このマット層の形成は、マットコーティング部で行われ
る。マットコーティング部は、図8に示す装置を用いる
ことができる。この装置は、上流側より順に温度調整室
82、湿調装置84,静電塗装装置85、湿調装置8
6、乾燥室87を配置して構成され、アルミニウム板1
はローラ83,88により搬送される。また、マット層
の塗布方法としては、特開昭55−12974号公報に
記載されているパウダリングされた固体粉末を熱融着す
る方法、特開昭58−182636号公報に記載されて
いるポリマー含有水をスプレーし乾燥させる方法などが
あり、どの方法でもよいが、マット層自体が実質的に有
機溶剤を含まない水性アルカリ現像液に溶解するか、あ
るいはこれにより除去可能な物が望ましい。
【0042】上記した各工程において搬送に使用する各
ローラの表面材質、表面形状については、送り出し〜処
理間はパスローラの表面材質にNBR・UR系ゴム、硬
質クロムメッキを用い、表面形状はストレート形状やス
リップ防止の為13mm・15mmピッチの溝付形状、テー
パー、ラジアルクラウン形状を用いている。ブライドル
ローラの表面材質はNBRやUR系のゴム、表面形状は
ストレート、15mmピッチの溝付形状を用いることがで
きる。表面処理工程のパスローラについては、CR,N
BR,EPT,UR系のゴム材質や硬質クロムメッキ、
AL、銅メッキなどの材質、表面形状はストレートや11
・13・17mmピッチの突起形状を用い、ブライドルロー
ラはストレート形状の不織布材質を用いることができ
る。この工程では酸やアルカリを使用するため、各々の
使用場所に応じてローラ材質を選定することが好まし
い。処理〜巻き取りの工程ではパスローラにCR,NB
R,EPT系のゴム材質や硬質クロムメッキ、ALなど
の材質、表面形状はストレートや13・15mmピッチの溝
形状、テーパー、ラジアルクラウン形状を用いることが
できる。また、ブライドルローラの材質はURやNBR
系のゴム、形状はストレート、サクション、15mmピッ
チの溝形状を用いることができる。送り出し工程では送
り出しているウエブがなくなると次のコイルに接合しコ
イルを交換するが、この時の接合方法は超音波溶接によ
る方法、またはアーク溶接による方法を用いる。また、
接合部強度の確保を目的として圧延を行うこともできる
送り出し工程でスリッターを入れてウエブ幅を調整する
ことも出来る。
【0043】本発明は、この様な平版印刷版の製造方法
において、ウェブの搬送用のローラの水平度±5mm/m、
平行度±5mm、ロール変形率が2%未満で維持された搬
送用ローラを、ウェブ断面積当たりの張力6Kg/mm2以下
でウェブを搬送する。より好ましくは、ウェブの搬送用
のローラの水平度±2mm/m、平行度±2mm、ローラ変形
率が1%未満で維持された搬送用ローラを、ウェブ断面
積当たりの張力4Kg/mm2以下であり、特に良い方法は、
ウェブの搬送用のローラの水平度±1mm/m、平行度±1
mm、ロール変形率が0.5%未満で維持された搬送用ロ
ーラを、ウェブ断面積当たりの張力0.1〜2Kg/mm2
下である。ローラの水平度は、水準器を用い、平行度
は、巻き尺でローラ両端部をまいて、その長さの差を平
行度とする。ロールの変形率は、図9に示すように、ロ
ーラ10の円周方向の長さを求め、一番長い所と短い所
の差からローラ変形率を求める。図9の場合、C1が一
番長く、C3が一番短くなるので、ローラ変形率=(C
1−C3)/C1となる。また、圧延方向の歪みが、幅
方向で1×10-3以下が重要であり、より好ましくは
0.5×10-3以下である。ここでの歪みとは、図10
で示す様に、圧延方向に幅10mm程に幅方向に等分に2
0箇所以上切断し、その長さをそれぞれ測定し、一番長
いものと短いものの差から求める。例えば、図10の場
合、L1が一番長く、L4が一番短いので、歪み=(L
1−L4)/L1で求める。以上のようにして作成され
た感光性平版印刷版は、画像露光された後、常法により
現像を含む処理によって樹脂画像が形成される。例え
ば、前記〔I〕の感光層を有する感光性平版印刷版の場
合、画像露光後、米国特許第4,259,434 号明細書に記載
されているようなアルカリ水溶液で現像することにより
露光部分が除去されて、平版印刷版が得られ、〔II〕の
感光層を有する感光性平版印刷版の場合には、画像露光
後、米国特許第4、186、006号明細書に記載され
ているような現像液で、未露光部の感光層が現像により
除去されて平版印刷版が得られる。また、特開昭59−
84241号、特開昭57−192952号、及び特開
昭62−24263号の各公報に記載されているような
ポジ型平版印刷版を現像する際に用いられる水性アルカ
リ現像液組成物を使用することもできる。
【0044】実施例、比較例 以下本発明に関しての実施例、及び比較例を挙げてより
詳細に説明する。尚、実施例、比較例共図1に示す工程
図に従い、それぞれの工程において、図2〜図8に示す
各装置を用いて行った。JIS 1050材を、まず機
械的粗面化部において図2に示す装置(特公昭50−4
0047号公報に記載)を用いて回転数300pmで機械
的砂目立てを行った。次に、化学的エッチング部におい
て図3に示す装置(特開平4−128392号公報に記
載)を用いて、苛性ソーダの濃度15%一定とし、温度
60℃、処理時間は8g/m2 、エッチング量になるよ
う調節して処理した。その後水洗を行い、硝酸1%、温
度45℃の液でスマット除去を図3に示す処理槽を用い
て行った。次いで、電気化学的処理部において、図4に
示す装置(特開平5−8576号公報に記載)を用い
て、特開平3−79799号公報に記載の電源波形によ
り、15g/lの硝酸溶液中で、10g/lのアルミニ
ウム濃度で、かつ45℃の温度にて陽極電気量が190
/dm2 になるように粗面化を行った。次いで、図3に
示す処理槽で水洗後、同じく図3の装置を用いて第2エ
ッチングを行った。苛性ソーダの濃度は第1エッチング
と同じ条件とし、温度は40℃、処理時間は0.8g/
2 エッチング量になるよう調節した。その後、図3に
示す処理槽で水洗を行い、下記液で図3に示す装置を用
いてデスマット処理を行った。次いで、陽極酸化部にお
いて、図5に示す装置(特開平8−264118号公報
に記載)を用いて、硫酸140g/l、液温40℃に
て、陽極酸化皮膜量が1.9g/m2 になるように皮膜
を生成させた。その後、塗布乾燥部において図6,図7
に示す装置を用いて乾燥後の塗布重量が2.5g/m2
になるように、特公昭58−4589号公報に記載のコ
ーティングロッドを用いて下記感光性組成物を塗布して
感光層を設け、次いで、マットコーティング部におい
て、特公昭57−6582号公報に記載されているマッ
ト層を図8に示す装置を用いてコーティングした。上記
において、各装置での代表的部分のローラ水平度、平行
度、ローラ変形率は表1,2の条件になっていた。実施
例を表1、比較例を表2に示す。
【0045】 感光層組成 ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガローラ 、アセトン樹脂とのエステル化合物:米国特許第3、635、709号明細書実 施例−1記載のもの ……… 0.75g クレゾールノボラック樹脂 ……… 2.00g オイルブルー603(オリエント化学) ……… 0.04g エチレンジクロライド ……… 16g 2−メトキシエチルアセテート ……… 12g
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1,2の条件で作成した幅1000mmの
サンプルを、長さ800mmに圧延方向に直角にカット
し、更に図9の様に幅方向に10mm幅に均等に切断し、
カットした後の長さを測定し、最も短い良さと長い長さ
の差から歪み値を求めた。表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】以上のサンプルを、高速での集積装置、自
動製版機での搬送性、トラブルを確認した結果、実施例
1−5ではトラブルなく全く問題を起こさなかったが、
比較例は集積トラブル、搬送トラブルが発生し、平版印
刷版として機能を充分発揮出来なかった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一連の処理において感光性平版印刷版を安定して搬送す
ることができるため、処理ムラが無く、印刷性能に優れ
た平版印刷版を生産性良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる平版印刷版支持体の製造方法の
工程を示すフローチャートである。
【図2】機械的租面化部に使用される装置の一例を示す
概略構成図である。
【図3】化学的エッチング部に使用される装置の一例を
示す概略構成図である。
【図4】電気化学的租面化部に使用される装置の一例を
示す概略構成図である。
【図5】陽極酸化部に使用される装置の一例を示す概略
構成図である。
【図6】塗布乾燥部に使用される塗布装置の一例を示す
概略構成図である。
【図7】塗布乾燥部に使用される乾燥装置の一例を示す
概略構成図である。
【図8】マットコーティングに使用される装置の一例を
示す概略構成図である。
【図9】ローラ変形率を求める場合の説明図である。
【図10】歪みを求める場合の説明図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 2 ローラ状ブラシ 3 研磨スラリー 30 エッチング処理槽 31 ニップローラ 32 パスローラ 33 スプレー 41 第1租面化処理装置 42 第2租面化処理装置 43 裏面租面化処理装置 44 主電極 45 ドラムローラ 52 給電槽 54 電解処理槽 55 電解液 56 給電電極 57 電解電極 65 塗布液 66 コーティングバー 68 給液口 73、74 乾燥ゾーン 75、77 吸気口 76、78 排気口 82 温度調整室 84、86 湿調装置 85 静電塗装装置 87 乾燥室 91 平版印刷版 92 切断面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延方向の歪みが、幅方向で1x10-3
    以下であることを特徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 ローラの水平度±5mm,平行度±5m
    m,ローラ変形率が2%未満で維持された搬送用ローラ
    を、ウエブ断面積当たりの張力6kg/mm2以下でウ
    エブを搬送することを特徴とする連続的平版印刷版の製
    造方法
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