JP2001212902A - 耐汚染性,脱臭性,大気浄化性に優れた無機塗装金属板及びその製造方法 - Google Patents

耐汚染性,脱臭性,大気浄化性に優れた無機塗装金属板及びその製造方法

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JP2001212902A
JP2001212902A JP2000023873A JP2000023873A JP2001212902A JP 2001212902 A JP2001212902 A JP 2001212902A JP 2000023873 A JP2000023873 A JP 2000023873A JP 2000023873 A JP2000023873 A JP 2000023873A JP 2001212902 A JP2001212902 A JP 2001212902A
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Setsuko Koura
節子 小浦
Akihiro Ando
彰啓 安藤
Yoshiko Sakamoto
佳子 坂本
Hiroshige Nakamura
浩茂 中村
Kenji Sakado
健二 坂戸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視光による光触媒の励起を可能にし、紫外
光の微弱な蛍光灯や紫外光のほとんどないナトリウムラ
ンプが設置されている場所でも、汚染物質,臭気,NO
x,SOx等を効率よく分解できる無機塗装金属板を提
供する。 【構成】 この無機塗装金属板は、シリカ系及び/又は
アルミナ系バインダを含み、可視光照射で励起される色
素が表面に接触した光触媒粒子を分散させた塗膜が、必
要に応じてプライマ層を介し金属基板の表面に形成され
ている。色素にはフェノチアジン系,フェナジン系,シ
アニン系,アクリジン系,キノン系,ジフェニル/トリ
フェニルメタン系等がある。色素は、単独の配合量とし
て0.01〜10質量%,光触媒粒子との合計配合量と
して5〜80質量%の割合で塗膜に分散されることが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐汚染性,脱臭性,大
気浄化性に優れ、内装壁材,トンネル壁材等として使用
される無機塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】環境問題に対する関心度が高まっている
昨今、居住空間についても快適性の要求が強くなってき
ており、脱臭やシックハウス症候群で問題となっている
ホルムアルデヒドに代表される有害物質の除去が必要と
なっている。悪臭や有害物質は活性炭,シリカゲル等の
吸着剤を用いて吸着除去されるが、この方法では吸着量
が飽和するとそれ以上の吸着が期待できず、短期間で吸
着剤を交換する必要がある。この点、光触媒と紫外光と
を組み合わせた空気清浄機を使用すると、悪臭や有害物
質を効率よく分解でき、しかも分解能が長期間にわたっ
て維持される(特開平11−290693号公報)。
【0003】また、最近のトンネルでは、装飾性や反射
等による照明効果を向上させ、且つ良好な視界を確保す
るため内壁板を壁面に取り付け、内部の空気を強制的に
外部に排出するファンを備えている。トンネル内の空気
は、トンネルを通過する車両から排出されたNOx,S
Oxを含む排気ガス,タイヤの磨耗粉等の汚染物質を含
んでおり、大容量のファンによっても完全には排出でき
ない。トンネル内空気の排出は、トンネルが長くなるほ
ど困難になる。
【0004】その結果、トンネル内に残留する汚染物質
によって内壁板が徐々に汚れ、美観や視界が悪化する。
そのため、内壁板の定期的な清掃が必要となり、メンテ
ナンスに費用及び労力がかかる。しかも、依然としてト
ンネル内の空気汚染の問題が未解決であり、緊急事態等
でトンネル内に長時間いることが強要される人間にとっ
て深刻な問題となる。他方、トンネル内の汚染空気を外
部に排気することは、トンネル周辺の空気を汚染するこ
とを意味し、環境汚染の根本的な解決にはならない。そ
こで、汚染防止及び大気浄化の機能を付与するため、酸
化チタン含有皮膜を形成したトンネル内壁板を使用し、
紫外光照射光源及び洗浄装置を付設することにより、内
壁板に付着した汚染物質を光触媒反応で分解し、付着力
が弱くなった汚染物質を洗い流す方式が提案されている
(特開平9−271635号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】酸化チタン等の光触媒
を用いた物質の分解処理では、光触媒の励起に紫外光が
必要となる。そのため、光触媒機能を付与した内装材や
内壁材では紫外光照射光源を新たに設置することが必要
とされ、設置場所の確保に工夫を要することは勿論、コ
ストアップの原因にもなる。
【0006】本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、表面に色素が接触した光触媒粒子
を無機塗膜に分散させることにより、可視光による光触
媒の励起を可能にし、紫外光の微弱な蛍光灯や紫外光の
ほとんどないナトリウムランプが設置されている場所で
も、汚染物質,臭気,NOx,SOx等を効率よく分解
できる無機塗装金属板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の無機塗装金属板
は、その目的を達成するため、シリカ系及び/又はアル
ミナ系バインダを含み、可視光照射で励起される色素が
表面に接触した光触媒粒子を分散させた塗膜が金属基板
の表面に直接又は間接的に形成されていることを特徴と
する。
【0008】金属基板としては、普通鋼板,めっき鋼
板,ステンレス鋼板,アルミ板又はアルミ合金板が使用
される。光触媒粒子にはTiO2,ZnO,WO3,Fe
TiO 3,SrTiO3等があり、可視光照射で励起され
る色素にはフェノチアジン系,フェナジン系,シアニン
系,アクリジン系,キノン系,ジフェニル/トリフェニ
ルメタン系等がある。色素は、単独の配合量として0.
01〜10質量%,光触媒粒子との合計配合量として5
〜80質量%の割合で塗膜に分散されることが好まし
い。
【0009】光触媒粒子及び色素を複合分散させた塗膜
(以下、トップ層という)と金属基板との間にプライマ
層を形成する場合、トップ層に対する親和性を高めるた
め、シリカゾル及び/又はアルミナゾルから成膜される
プライマ層が好ましい。トップ層及びプライマ層は、そ
れぞれ0.5μm以上及び10μm以上の膜厚で形成す
ることが好ましい。
【0010】この無機塗装金属板は,無機顔料を含むシ
リカゾル及び/又はアルミナゾルを金属基板に塗布し、
SiO2及び/又はAl23前躯体からなるプライマー
層を形成する熱処理を施した後、光触媒及び色素を含む
シリカゾル及び/又はアルミナゾルを塗布し、無機塗膜
を形成する熱処理を施すことにより製造される。
【0011】
【作用】酸化チタンを始めとする光触媒を紫外線照射す
ると有機物,NOx,SOx等を分解する反応が生起す
る。この分解反応は、紫外線照射によって酸化チタンの
価電子帯の電子がエネルギーを吸収して伝導帯に励起さ
れ、価電子帯に正孔が生じ、正孔の非常に強い酸化力に
よって有機物,NOx,SOx等が酸化分解されるもの
と考えられている。本発明者等は、この光触媒反応を調
査・研究する過程で、可視光照射で励起可能な色素を酸
化チタンと接触させた状態で、紫外線をカットして可視
光を照射すると、可視光照射によっても有機物,NO
x,SOx等が効率よく分解されることを見出した。こ
のときの分解反応は次のように推察される。
【0012】先ず、可視光照射によって色素が励起さ
れ,電子と正孔に分離される。分離した電子が色素に接
触している酸化チタン側に移動し、電子と正孔の再結合
が防止される。このとき、色素の励起で生じた正孔の酸
化還元電位が酸化反応させたい物質の酸化還元電位より
も貴であると、色素側で酸化反応が進行する。また、酸
化チタン側に移動した電子の酸化還元電位が還元反応さ
せたい物質の酸化還元電位よりも卑であると、酸化チタ
ン側で還元反応が起きる。すなわち、可視光照射で励起
するバンドギャップをもち、励起状態の酸化還元電位が
適切な準位にある色素を選択することにより、可視光照
射でも光触媒反応を効率よく起こすことができる。
【0013】一例として、酸化チタンとエオシン−Yと
を組み合わせた場合のNOxの分解を説明する。紫外線
をカットした蛍光灯を用いた照射では、酸化チタンは励
起されないが、560nmに光吸収波長をもつエオシン
−Yは励起される。この光吸収波長から、エオシン−Y
のバンドギャップが2.2eVと求められる。励起され
たエオシン−Yの伝導帯の電子は、エネルギーレベルの
低い酸化チタン側に移行する。エオシン−Y側に残る正
孔の酸化還元電位はNOxの酸化電位より貴であるた
め、すなわちエオシン−Yの正孔がもつ酸化力はNOx
の酸化力より強いため、NO,NO2はエオシン−Yの
正孔と反応して酸化され,NO3ーが生成する。他方、酸
化チタンの伝導帯の酸化還元電位は水→水素の還元電位
より卑であるため、酸化チタン側で水の還元反応が生じ
る。このように、紫外線をカットした蛍光灯による照射
条件下でもNOxの分解反応が効率よく進行する。
【0014】
【実施の形態】金属基板:金属基板としては、普通鋼
板,亜鉛めっき鋼板,アルミめっき鋼板等の各種めっき
鋼板,ステンレス鋼板,アルミ板,アルミ合金板等が使
用される。金属基板には、必要に応じてアルカリ脱脂,
クロメート処理,リン酸塩処理等の前処理が施される。
また、めっき鋼板を金属基板に使用する場合、溶接部か
らの発錆を防止するため、後工程で溶接個所となる部分
にジンク塗料,アルミ塗料等を予め施しておくことが好
ましい。
【0015】プライマー層:無機系顔料や防錆顔料を含
むオルガノシリカゾル及び/又はアルミナゾルを金属基
板に塗布し熱処理すると、隠蔽性のあるSiO2及び/
又はAl23前躯体からなるプライマー層が形成され
る。オルガノシリカゾルとしては、R1Si(OR23
(R1,R2:アルキル基)の構造をもつオルガノシリケ
ートを有機溶媒及び水に溶解させたものが使用される。
アルキル基は,特に制約するものではないが、熱処理後
に残留する有機成分を少なくする上で炭素数の少ないも
のほど好ましく、なかでもメチル基が好適である。アル
ミナゾルには、アルミニウムアルコキシドの加水分解生
成物やベーマイト構造をもつ微粒子を分散させたものが
使用される。
【0016】プライマー層用の塗料には、隠蔽性及びあ
る程度の耐食性をもたせるため、プライマー層の質量基
準で5〜80質量%(好ましくは30〜75質量%)の
顔料を配合することが好ましい。顔料の配合量が5質量
%に満たないと十分な隠蔽性が得られず、逆に80質量
%を超える配合量では金属基板に対するプライマー層の
密着性が低下する。プライマー層形成時の熱処理温度
は、60〜350℃の範囲で選定される。60℃未満の
熱処理温度では、乾燥が不充分となり、トップ層を形成
する際にムラが発生しやすくなる。逆に350℃を超え
る熱処理温度では、プライマー層にクラックが発生し、
金属基板からプライマー層が剥離しやすくなる。
【0017】トップ層:金属基板に形成されたプライマ
ー層の上に、光触媒及び可視光照射で励起可能な色素を
含むオルガノシリカゾル及び/又はアルミナゾルを塗布
して熱処理することにより、可視光励起でも高い光触媒
活性を呈するトップ層が形成される。色素は、予め溶媒
に溶解させた状態でオルガノシリカゾル及び/又はアル
ミナゾルに分散させることにより、光触媒粒子との接触
が図られる。溶媒の選択により、色素を溶媒に溶解さ
せ、塗料中に均一に存在させることができる。したがっ
て、光触媒粒子の表面全体が色素を溶解させた溶媒で覆
われ、光触媒に接触した状態で色素が固定される。
【0018】トップ層用のオルガノシリカゾル及びアル
ミナゾルとしては、プライマー層と同様なものが使用さ
れる。オルガノシリカゾル及び/又はアルミナゾルに
は、単独配合量で0.01〜10質量%,光触媒粒子と
の合計配合量で5〜80質量%の色素が配合される。色
素の配合量が0.01質量%に満たないと可視光での励
起が不充分となり必要とする光触媒活性が得られず、逆
に10質量%を超える過剰量の色素を配合しても増量に
見合った効果が得られない。また、光触媒粒子との合計
配合量が80質量%を超えるとトップ層の密着性が低下
する。光触媒としては、TiO2,ZnO,WO3,Fe
TiO3,SrTiO3等の1種又は2種以上が使用され
る。なかでも,化学的に安定であり、安価で活性度の高
い微粒子が得られることから、アナターゼ型のTiO2
が好ましい。
【0019】可視光照射で励起される色素には、チオニ
ン,メチレンブルー等のフェノチアジン系,トルサフラ
ニン等のフェナジン系,メリシアニン,フタロシアニン
等のシアニン系,プロフラビン、キナクリドンバイオレ
ット等のアクリジン系,バットオレンジ等のキノン系,
ローズベンガル,エオシン−Y,ローダミン−B,クリ
スタルバイオレット等のジフェニル/トリフェニルメタ
ン系から選ばれた1種又は2種以上が使用される。
【0020】トップ層形成時の熱処理温度は、150〜
400℃の範囲で選定される。150℃未満の熱処理温
度では、シリカ系又はアルミナ系塗膜の縮重合が不充分
で、密着不良を引き起こしやすい。クラックは、400
℃を超える熱処理温度でも発生しやすくなる。このとき
の熱処理温度は、プライマー層形成時の熱処理温度より
も高く設定することが好ましい。好適には、塗膜の乾燥
を促進させるためプライマー層形成時の熱処理温度を8
0〜120℃に設定し、トップ層形成時の熱処理温度を
150〜300℃に設定する。
【0021】この温度設定により、プライマー層とトッ
プ層との間に強固な結合が得られ、トップ層形成時の熱
処理でプライマー層に対するトップ層の密着性が向上す
る。その結果、金属基板に対する密着性が良好で、優れ
た耐食性を呈するクラックのない塗膜が形成される。ま
た、トップ層に配合されている光触媒及び色素の複合作
用により可視光照射条件下でも光触媒反応が進行し、有
機物,NOx,SOx等が分解される。しかも、塗膜表
面が親水性であることと相俟って、雨水等によって汚
れ,油等を洗い流すセルフクリーニング作用も発現す
る。
【0022】
【実施例】無機塗装鋼板の製造 製造法1(本発明例):板厚0.5mmの亜鉛めっき鋼
板にアルカリ脱脂及びリン酸亜鉛処理を施した後、水
洗,乾燥した。次いで、白色顔料を分散させたシリカゾ
ルを塗布し、140℃で20分間焼成することによりプ
ライマー層を形成した。更に、可視光照射で励起可能な
色素を溶解させたシリカゾルに粒径7nmのアナターゼ
型TiO2を分散させることにより調製したトップ層用
塗料をプライマー層の上に塗布し、200℃で20分間
焼成することによりトップ層を形成した。
【0023】製造法2(本発明例) アルミめっき鋼板を金属基板として使用し、シリカゾル
に代えてアルミナゾルによりプライマ層及びトップ層を
形成した以外は、製造法1と同じ条件下でプライマ層及
びトップ層を形成した。
【0024】製造法3(比較例) 色素を含まないトップ層用塗料を使用する以外は、製造
法1と同じ条件下でプライマ層及びトップ層を形成し
た。 製造法4(比較例) 酸化チタン粒子を含まないトップ層用塗料を使用する以
外は、製造法1と同じ条件下でプライマ層及びトップ層
を形成した。 製造法5(比較例) 色素を含まないトップ層用塗料を使用する以外は、製造
法2と同じ条件下でプライマ層及びトップ層を形成し
た。 製造法6(比較例) 酸化チタン粒子を含まないトップ層用塗料を使用する以
外は、製造法2と同じ条件下でプライマ層及びトップ層
を形成した。
【0025】無機塗装鋼板の性能評価 得られた各無機塗装鋼板から試験片を切り出し、次の耐
汚染性試験,脱臭性試験及びNOx分解試験に供した。
【0026】耐汚染性試験:70mm×150mmの試
験片に0.2mg/cm2のサラダ油を付着させ、表面
に紫外線カットフィルムを貼り付けた20Wの蛍光灯を
試験片表面から10cm離れた位置に配置した。蛍光灯
を点灯し、可視光照射を24時間継続した後で、試験片
表面に残留しているサラダ油を重量測定した。測定値か
ら、サラダ油の分解率を算出した。
【0027】脱臭性試験 100mm×100mmの試験片を容量3リットルのデ
シケータに入れ、デシケータ内の濃度が30ppmとな
るようにアンモニアガスを注入した。紫外線カットフィ
ルムでデシケータを包んだ後、照射距離2mの位置に配
置した蛍光灯で照射した。照射を30分継続した後、デ
シケータ内のアンモニア濃度をガス検知管で測定した。
測定値からアンモニア分解率を算出した。
【0028】NOx分解試験 210mm×300mmの試験片をガラス製容器に入
れ、ガラス製容器を紫外線カットフィルムで包んだ。ガ
ラス製容器を室内光で照射しながら、濃度1ppmのN
Oガスを含む高純度空気を流量0.5リットル/分で連
続的にガラス製容器に送り込んだ。そして、ガラス製容
器のガス出側で、NOxメータを用いてNO濃度,NO
2濃度を測定した。測定値から、次式に従ってNOx除
去率を算出した。 NOx除去率=〔(A1−A2−B2)/A1〕×100
(%) ただし、A1:初期NO濃度 A2:分解後のNO濃度 B2:分解後のNO2濃度
【0029】調査結果を表1及び表2に示す。シリカ系
塗膜(表1)及びアルミナ系塗膜(表2)を形成した何
れの無機塗装金属板にあっても、酸化チタン粒子を単独
でトップ層に分散させた塗膜構成では光触媒活性がほと
んど示されておらず、色素を単独でトップ層に分散させ
た塗膜構成でも光触媒活性が発現していなかった。これ
に対し、酸化チタン粒子及び色素をトップ層に複合分散
させた塗膜構成では、可視光照射によって光触媒反応が
起こり、優れた耐汚染性,脱臭性及びNOx分解能が示
された。この対比から明らかなように、酸化チタン粒子
及び色素の複合分散によって、有機物,NOx,SOx
等の分解除去に可視光照射による光触媒活性が実用化で
きることが確認される。
【0030】
【0031】
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の無機塗
装金属板は、可視光照射で励起される色素と共に光触媒
粒子をシリカ系及び/又はアルミナ系のトップ層に複合
分散させているので、可視光照射条件下でも光触媒反応
が活発化され、有機物,NOx,SOx等が効率よく酸
化分解される。したがって、室内灯やトンネル内のナト
リウムランプからの可視光で照射される内装材,内壁材
等として使用するとき、長期間に渡って美麗な表面が維
持され、悪臭,NOx,SOx等の効率的な酸化分解に
よって大気を浄化する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 佳子 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 中村 浩茂 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 坂戸 健二 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB21Z CA34 DA06 DB01 DB02 DB04 DB07 EB02 EC02 EC11 EC17 4F100 AA01B AA19B AA20B AA21B AA21H AA25B AA25H AA33B AA33H AB01A AB03A AB04A AB10A AB31A BA02 CA13B CA30B CC00B EG002 EH112 EH462 EH71A EJ482 EJ652 GB08 JC00 JL06 JL08B JM02B JN30B 4K044 AA02 AA03 AA06 AB02 BA12 BA13 BA14 BA21 BB01 BB03 BB11 BB16 BC00 BC02 CA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ系及び/又はアルミナ系バインダ
    を含み、可視光照射で励起される色素が表面に接触した
    光触媒粒子を分散させた塗膜が金属基板の表面に直接又
    は間接的に形成されていることを特徴とする耐汚染性,
    脱臭性,大気浄化性に優れた無機塗装金属板。
  2. 【請求項2】 金属基板が普通鋼板,めっき鋼板,ステ
    ンレス鋼板,アルミ板又はアルミ合金板である請求項1
    記載の無機塗装金属板。
  3. 【請求項3】 光触媒粒子がTiO2,ZnO,WO3
    FeTiO3,SrTiO3から選ばれた1種又は2種以
    上である請求項1記載の無機塗装金属板。
  4. 【請求項4】 可視光照射で励起される色素がフェノチ
    アジン系,フェナジン系,シアニン系,アクリジン系,
    キノン系,ジフェニル/トリフェニルメタン系から選ば
    れた1種又は2種以上である請求項1記載の無機塗装金
    属板。
  5. 【請求項5】 光触媒粒子及び色素を複合分散させた塗
    膜と金属基板との間にプライマ層が設けられている請求
    項1〜4何れかに記載の無機塗装金属板。
  6. 【請求項6】 無機顔料を含むシリカゾル及び/又はア
    ルミナゾルを金属基板に塗布し、SiO2及び/又はA
    23前躯体からなるプライマー層を形成する熱処理を
    施した後、光触媒粒子及び色素を含むシリカゾル及び/
    又はアルミナゾルを塗布し,無機塗膜を形成する熱処理
    を施すことを特徴とする耐汚染性,脱臭性,大気浄化性
    に優れた無機塗装金属板の製造方法。
JP2000023873A 2000-02-01 2000-02-01 耐汚染性,脱臭性,大気浄化性に優れた無機塗装金属板及びその製造方法 Withdrawn JP2001212902A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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