JP2001212812A - 複合材およびその製造方法 - Google Patents
複合材およびその製造方法Info
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Abstract
に維持しながら、基材の木質系材料が異形品であった
り、表面に凹凸部が存在していてもクラック等が発生し
にくい、改良された表面性状を有する複合材およびその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 木質系材料の表面に、光線透過率が85
%以上であり、かつ伸び率が5%以上100%未満であ
る熱硬化性樹脂層を積層して得られる複合材と、前記熱
硬化性樹脂層を予めフィルム状に成形し、得られたフィ
ルムを金型内にセットし、続いて木質系材料を金型内に
セットし、前記フィルムと前記木質系材料とを一体化成
形する製造方法。
Description
状を有する複合材およびその製造方法に関する。さらに
詳しくは、表面に透明でかつ伸びのある熱硬化性樹脂層
を設けた木質系材料を基材とする複合材およびその製造
方法に関する。
耐水性、耐熱性、耐久性等にも優れている等の特徴があ
り、建築、家具、工芸品、電気製品ハウジング、車両、
日常品等多様な分野において広く利用されている。また
木質系材料は、再生産可能な資源であるとはいえ、近年
ではその利用は環境に十分配慮した効率的なものである
ことが強く要求されており、集成材、合板、パーティク
ルボード、ファイバーボード等の態様での利用がますま
す増加してきている。そして、これら木質系材料には耐
水性、意匠性、防汚性、耐久性等の表面性能を付与もし
くは改善するために、表面に塗装またはラミネートして
用いられることが一般的に行われている。木質系材料の
塗装に使用される樹脂は一般的には熱硬化性樹脂である
が、基材の木質系材料が異形品であったり、また平板で
あってもシボ模様その他の凹凸表面を有する場合にはそ
の塗装工程は技術的な難しさを伴うだけでなく、コスト
的にも不利である。またこの熱硬化性樹脂塗膜は元来伸
びのない材料であるため、一定以上の厚膜としたとき、
硬化収縮による内部応力に起因してクラックの発生が不
可避であったり、木質系材料の吸湿乾燥に伴う変形、熱
変形、機械的変形に追随できずにクラックを生ずる。こ
れらのクラックはときに耐水性を大きく損ない、木質系
材料そのものの破壊さえもたらすことがある。上記の塗
装技術の困難さを補完するものとして、ポリ塩化ビニル
で代表されるような熱可塑性樹脂のフィルムをラミネー
トして用いることも広く行われているが、熱可塑性樹脂
であるためにもともと耐熱性、耐溶剤性等で本質的な欠
陥を有する他に、最近では含有されるハロゲンや可塑剤
が環境問題の面から新たな論議の火種となりつつある。
ら、木質系材料の表面層の性能を一段と高めるためのよ
り有効な手法の確立が望まれている。したがって本発明
の目的は、意匠性、防汚性、耐久性等の表面性能を良好
に維持しながら、基材の木質系材料が異形品であった
り、表面に凹凸部が存在していてもクラック等が発生し
にくい、改良された表面性状を有する複合材およびその
製造方法を提供することにある。
表面に、光線透過率が85%以上であり、かつ伸び率が
5%以上100%未満である熱硬化性樹脂層を積層して
得られる複合材を提供するものである。また本発明は、
熱硬化性樹脂層が、(A)ビニルエステル樹脂と、
(B)アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアル
キル(メタ)アクリレートおよびアルコキシポリアルキ
レングリコール(メタ)アクリレートから選ばれた一種
以上のモノマーを必須成分として含有するビニル化合物
と、(C)重合開始剤とを配合してなる樹脂組成物を、
加熱硬化または光硬化せしめて得られることを特徴とす
る、前記の複合材を提供するものである。また本発明
は、(A)成分のビニルエステル樹脂が、ビスフェノー
ル型または脂環式のエポキシ化合物と(メタ)アクリル
酸とを反応せしめてなるビニルエステル樹脂であること
を特徴とする、前記の複合材を提供するものである。ま
た本発明は、(B)成分のアルキル(メタ)アクリレー
ト、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよびア
ルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレー
トの、それぞれアルキル、アルコキシアルキルおよびア
ルコキシポリアルキレングリコール部分の炭素原子数が
6〜12であることを特徴とする、前記の複合材を提供
するものである。また本発明は、熱硬化性樹脂層が、実
質的に透明性を保持しながら着色もしくは図柄を印刷さ
れたものであることを特徴とする、前記の複合材を提供
するものである。また本発明は、複合材が、平滑または
凹凸表面を有する板状であるか、もしくは異形品である
ことを特徴とする、前記の複合材を提供するものであ
る。また本発明は、前記の熱硬化性樹脂層を予めフィル
ム状に成形し、前記熱硬化性樹脂層の未硬化物を接着剤
として、前記の得られたフィルムを木質系材料の表面に
接着し、硬化せしめてなることを特徴とする、複合材の
製造方法を提供するものである。また本発明は、前記の
熱硬化性樹脂層を予めフィルム状に成形し、得られたフ
ィルムを金型内にセットし、続いて木質系材料を金型内
にセットし、前記フィルムと前記木質系材料とを一体化
成形することを特徴とする、複合材の製造方法を提供す
るものである。
する。本発明において用いられる基材の木質系材料とし
ては、とくに制限されないが、例えば単板以外に集成
材、合板、パーティクルボード、ファイバーボード等が
使用可能である。またこれらの複数を組み合わせせたも
のを利用することもできる。
用いられる、熱硬化性樹脂層としては、光線透過率85
%以上、伸び率が5%以上100%未満のものが好まし
い。光線透過率が85%未満では本発明の重要な目的の
一つである意匠性の発現が不満足となる。また伸び率が
5%未満では従来の熱硬化性の塗料と同様に基材の吸湿
乾燥に伴う変形や熱的・機械的動きに対する追随性が不
十分となり、クラックや剥離の発生の危険性が増すこと
となる。一方、伸び率が100%以上では表面の硬度、
耐汚染性等の性能が本発明の目的とするレベルを下回り
不適当である。なお、本発明でいう「透明」とは、JI
S K−7105で規定された光線透過率が85%以上
を意味し、また伸び率は、JIS K−6911により
測定された値を意味する。
(A)ビニルエステル樹脂と、(B)アルキル(メタ)
アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
トおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)
アクリレートから選ばれた一種以上のモノマーを必須成
分として含有するビニル化合物と、(C)重合開始剤と
を配合してなる樹脂組成物を硬化せしめてなるものが好
ましい。(A)成分のビニルエステル樹脂であるが、狭
義には、例えば、滝山栄一郎著、ポリエステル樹脂ハン
ドブック(日刊工業新聞社昭和63年発行336頁)に
記載されるように、エポキシ基の開環反応により生成し
た2級水酸基と、(メタ)アクリロイル基とを同一分子
中に共有する一連のオリゴアクリレートをビニルエステ
ルと定義し、そしてモノマーを含有する場合にはビニル
エステル樹脂と定義しているケースもあるが、本発明に
おいては以下に記述するようなアルコール化合物と(メ
タ)アクリル酸との反応物をも含む、より広義のものを
想定している。
ノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、水素化ビス
フェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、シクロ
ヘキサンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応
物、ノルボルナンジアルコールとエピクロルヒドリンと
の反応物、テトラブロモビスフェノールとエピクロルヒ
ドリンとの反応物、トリシクロデカンジメタノールとエ
ピクロルヒドリンとの反応物、アリサイクリックジエポ
キシアジペート、アリサイクリックジエポキシカーボネ
ート、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサ
イクリックジエポキシカルボキシレート、ノボラック型
エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合
物。末端水酸基の化合物:ビスフェノールA、水素化ビ
スフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ノルボ
ルナンジアルコール、テトラブロモビスフェノールA、
トリシクロデカンジメタノール。末端水酸基にエチレン
オキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを付加せ
しめた化合物:ビスフェノールAエチレンオキサイド付
加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、
シクロヘキサンジメタノールエチレンオキサイド付加
物、シクロヘキサンジメタノールプロピレンオキサイド
付加物、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付
加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付
加物、ジフェニルエチレンオキサイド付加物、ジフェニ
ルプロピレンオキサイド付加物、テトラブロムビスフェ
ノールAエチレンオキサイド付加物。なおこの場合のエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドの付加モル数
であるが、平均で5〜4モル程度の比較的少ない付加体
が耐熱性、耐候性、耐湿性等の面で好ましい。通常ビニ
ルエステル樹脂は製造時のゲル化の危険を回避するため
に、遅延効果のある酸素を含む空気中で合成されるが、
その場合製品の着色が著しいことがある。そのような場
合には、上記のビニルエステル樹脂の合成を不活性ガス
雰囲気中で行うことが好ましい。このような不活性ガス
雰囲気でのエポキシ化合物と不飽和酸との反応は常識的
にはゲル化しやすく危険と見られているが、撹拌条件、
温度、反応時間を精密に管理することで対処しうる。こ
こでいう不活性ガスとしては、窒素の他にヘリウム、ア
ルゴン等が例示しうるが、窒素が実際的である。これら
のビニルエステル樹脂のうち、本発明においては特にビ
スフェノールA型及び/または脂環式のビニルエステル
樹脂が適しており、これらはビスフェノールA型または
脂環式のエポキシ化合物または水酸基含有化合物にアク
リル酸またはメタクリル酸を反応せしめて比較的容易に
合成することができる。こうして合成されるビニルエス
テル樹脂は着色が少ないことが、時に本発明の目的に合
致している。
タ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリ
レートおよびアルコキシポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレートの、それぞれアルキル、アルコキシア
ルキルおよびアルコキシポリアルキレングリコール部分
の炭素原子数は、6〜12であるのが望ましい。炭素原
子数が6未満では弾性や破断伸びが共に小さくなる傾向
があり、12を超えると(A)ビニルエステル樹脂との
相溶性が不十分となり、相分離を起こしやすい。(B)
成分としては、以下のような(メタ)アクリル酸エステ
ルが例示しうる。ヘプチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イ
ソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシ
エチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)
アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、および例示したモノマーのブロ
ムやクロル等のハロゲン置換化合物。
アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
トまたはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)
アクリレートに加えて、アクリル酸エステルモノマー、
メタクリル酸エステルモノマーおよびその他のビニルモ
ノマーの群から選ばれた一種または複数種のモノマーを
併用することができ、具体的には次の様なものが例示し
うる。難燃化のためにこれらのハロゲン置換化合物を利
用することもできる。アクリル酸エステルモノマー、メ
タクリル酸エステルモノマー:フェノキシエチルメタク
リレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ
ート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレー
ト、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチ
ロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリスーオキシ
エチレンアクリレート、トリメチロールプロパントリス
−オキシエチレンメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリン
ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールドアクリ
レート、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、ビスフェノールAのE
O付加物ジメクリレート、ビスフェノールAのEO付加
物ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、その他
のビニルモノマー:スチレン、αメチルスチレン、アク
リロニトリル、酢酸ビニルなどのビニルモノマー。
おける(B)成分の割合は10〜60重量%がよく、好
ましくは20〜50重量%である。(B)成分の割合が
10重量%未満では熱硬化性樹脂層の伸び率が不十分と
なることがある。一方、(B)成分の割合が60重量%
を超えると、引っ張り強度が劣る傾向にある。同じ理由
により、(B)成分の中におけるアルキル(メタ)アク
リレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートま
たはアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アク
リレートの割合は20〜100重量%、より好ましくは
30〜100重量%である。
硬化性樹脂層を光硬化により硬化せしめてつくるとき
は、アクリル酸エステルモノマーを多く用いるのが好ま
しいが、他のモノマーの併用も可能である。透明でかつ
伸びのある熱硬化性樹脂層を加熱硬化せしめてつくる場
合は、特に指定はない。
せる方法としては、加熱硬化または光硬化のいずれかの
方法または両者を併用しても行うことができる。加熱硬
化する場合は、(C)重合開始剤として有機過酸化物を
用いるのが簡便である。有機過酸化物としては、ジアル
キルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロ
パーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエ
ステルなど公知のものを用いることができ、具体的には
以下のようなものが例示しうる。ベンゾイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサ
ノイル)パーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1,3,3−トリ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
2,5−ジメチル−2,5ジブチルパーオキシヘキサ
ン。
ては以下に例示するような汎用の光重合開始剤を添加し
て光等の活性エネルギー線を照射すればよい。2,2−
ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1
−ビドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベ
ゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニ
ル)−2−モンフォリノプロパノン−1,2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド。
(C)成分は、複数組み合わせて使用することもでき、
またその使用量は(A)および(B)成分対して0.5
〜4重量%程度の範囲が好ましい。
木質系材料の表面に、熱硬化性樹脂層をコーティングし
て硬化させる一般的な方法を採ることができるが、次の
様な成形方法を採用すれば本発明の目的にさらに合致し
た複合材が成形できる。その一つは、熱硬化性樹脂層を
予めフィルム状にしたものを、成形された木質系材料の
表面に接着固定し、熱硬化して一体化する方法である。
このとき接着剤として前記熱硬化性樹脂層の未硬化物を
利用すれば、接着性と屈折率の両面において好ましい。
またこのとき真空下で加熱プレスすることで木質系材料
とフィルムとの密着性を一層完全なものにすることがで
きる。もう一つの方法は、熱硬化性樹脂層を予めフィル
ム状にしたものを、木質系材料をつくる際に金型内にセ
ットしておいて一体化成形する方法であり、上記の接着
工程を省略しうる利点がある。またこの方法では凹凸表
面であっても熱硬化性樹脂層が完全に同じ厚さに制御さ
れることになるため、従来の塗装方法では実現できなか
った優れた深み感が現実のものとなる。この成形方法で
フィルムに高い接着性が得られるのは、木質系材料が硬
化する時に該フィルムが分子レベルで化学結合するため
である。なお、必要に応じて該フィルムに予め未硬化の
接着剤を複合しておくこともでき、その場合には前記の
ように接着剤として熱硬化性樹脂層の未硬化物を利用す
るのが接着性と屈折率の両面において好ましい。ファイ
バーボード等の結合材を用いて成形する木質系材料の場
合には接着層を設けなくとも高い接着性が得られること
があり、その理由は前記のように分子レベルでの化学結
合のためである。シボ模様程度の表面凹凸ならば、熱硬
化性樹脂層のフィルムの伸び率は5〜10%程度で十分
であり、表面の凹凸が激しい場合や木質系材料の乾燥・
吸湿による変形が大きい場合は、はもう少し伸びのある
フィルムを用いるのが好ましい。木質系材料の加工温度
が該フィルムのガラス転移温度よりも上となり、フィル
ムが常温におけるより伸びやすくなることも、上記の加
工方法に有利となる。またこの成形方法においては、印
刷された酸化チタン含有紙に樹脂含浸せしめたものを木
質系材料と熱硬化性樹脂層との間にはさんで硬化一体化
させることも可能である。
は、例えば10〜500μmである。また熱硬化性樹脂
層には、常法により着色や印刷を施すことも可能であ
り、それにより本発明の複合材の意匠性を一層高めるこ
とが可能である。さらにまた、熱硬化性樹脂層は、複数
層積層したものであることもできる。
には、硬度、耐久性、耐候性、耐水性、防蝕性等を改良
するために、光散乱剤、紫外線吸収剤、光安定剤、光拡
散剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロ
ピー性付与剤、内部離型剤等の添加剤を加えて更に一層
の性能改善を図ることもできる。また本発明の熱硬化性
樹脂層が難燃性を要求されるときは、先に記述した
(A)成分および/または(B)成分の中でハロゲンを
含有する化合物を用い、さらに必要ならば難燃性の添加
物も併用して必要な特性を実現しうる。本発明の複合材
は意匠性、防汚性、耐久性等の表面性能に優れており、
建築、家具、工芸品、電気製品ハウジング、車両、日常
品等多様な分野において広く利用することができる。
説明するが、本発明は下記の例になんら限定されるもの
ではない。 実施例1 下記表1に示す配合割合で各成分をフラスコ中で均一に
溶解混合して、樹脂組成物を用意した。
そこで50℃に加熱し、20Torr程度で軽く減圧し
たところ、気泡は速やかに除くことができた。この樹脂
組成物を組成物P−1とする。この樹脂組成物P−1を
表面に化粧材を貼り付けたベニヤ合板の表面に50ミク
ロンの厚さにコーティングし、130℃で10分間加熱
して硬化させた。なお、樹脂組成物P−1の光線透過率
は、92%であり、伸び率は、14%であった。外観は
光沢と深みがあり、また密着性は碁盤目剥離試験でいず
れも00/100であり良好であることが確認された。
ート(PET)フィルムにはさんで一定間隙のロール間
を通し、次いで130℃で5分間加熱し厚さ0.2mm
の透明フィルムを得た。このフィルムをQ−1とする。
Q−1フィルムの物性は下記表2の通りであった。
はつけたまま、ファイバーボード成形型内にPETフィ
ルムが型に接触するようにセットし、木目模様を印刷し
たチタン紙に不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸(7
0g/m2)したものを置き、次いでファイバーボード材
料を全面積の80%程度に置いて、プレス(圧力2MP
a)するとともに140℃で5分間加熱硬化を行なっ
た。成形された板は高低差1.8mm程度のシボ模様を有
しているが、表面のQ−1フィルムはこの凹凸によく追
随して密着性も良好であった。特に極めて透明性が良好
であり、従来にない独特の深み感に特徴が見られた。ま
た耐熱性・耐汚染性の試験として、火のついた煙草を押
し付けてもみ消す試験を行なったところ、全く異常が認
められず、この試験が弱点であるポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂の表面材とは大きな差異があることも明らか
となった。
付けた1リットルのフラスコに、アリサイクリックジエ
ポキシアジペート 480g(1.20モル)、アクリ
ル酸172.8g(2.4モル)、オクチル酸クロム
1.5g、亜燐酸0.15g、ハイドロキノン0.2g
を加え、窒素ガスを吹き込みながら120〜125℃で
2時間反応を行った。酸価11.0となった段階で、フ
ラスコ内樹脂を金属製バットに注入し、冷却したところ
無色透明な樹脂が得られた。この樹脂をA−1とする。
次に下記表3の成分をフラスコ中で均一に溶解混合し
て、ベース樹脂組成物P−2を用意した。
樹脂組成物P−2を厚み40ミクロンとなるようスプレ
ーコーティングし、回転させながら紫外線(高圧水銀灯
8KW)を5秒間照射して硬化せしめた。樹脂組成物P
−2の光線透過率は、92%であり、伸び率は、32%
であった。表面は優れた光沢を示し、表面は優れた光沢
を示し、−10〜100℃の温冷サイクルを100サイ
クル繰り返す試験を実施したが、密着性は全く問題ない
ことが確認された。
操作により、透明性良好な厚さ0.1mmの透明フィル
ムQ−2を得た。その物性は次のとおりであった。
3の樹脂組成物P−2を30ミクロンの厚みにコーティ
グしたものを、実施例1で用いた表面に化粧材を貼り付
けたベニヤ合板に重ねてセットし、ついで高圧水銀灯8
KWを5秒間照射して硬化せしめた。表面は優れた光沢
を示し、−10〜100℃の温冷サイクルを100サイ
クル繰り返す試験を実施したが、密着性は全く問題ない
ことが確認された。
性等の表面性能を良好に維持しながら、基材の木質系材
料が異形品であったり、表面に凹凸部が存在していても
クラック等が発生しにくい、改良された表面性状を有す
る複合材およびその製造方法が提供される。
Claims (8)
- 【請求項1】 木質系材料の表面に、光線透過率が85
%以上であり、かつ伸び率が5%以上100%未満であ
る熱硬化性樹脂層を積層して得られる複合材。 - 【請求項2】 熱硬化性樹脂層が、(A)ビニルエステ
ル樹脂と、(B)アルキル(メタ)アクリレート、アル
コキシアルキル(メタ)アクリレートおよびアルコキシ
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートから選
ばれた一種以上のモノマーを必須成分として含有するビ
ニル化合物と、(C)重合開始剤とを配合してなる樹脂
組成物を、加熱硬化または光硬化せしめて得られること
を特徴とする、請求項1に記載の複合材。 - 【請求項3】 (A)成分のビニルエステル樹脂が、ビ
スフェノール型または脂環式のエポキシ化合物と(メ
タ)アクリル酸とを反応せしめてなるビニルエステル樹
脂であることを特徴とする、請求項2に記載の複合材。 - 【請求項4】 (B)成分のアルキル(メタ)アクリレ
ート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートおよび
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレ
ートの、それぞれアルキル、アルコキシアルキルおよび
アルコキシポリアルキレングリコール部分の炭素原子数
が6〜12であることを特徴とする、請求項2に記載の
複合材。 - 【請求項5】 熱硬化性樹脂層が、実質的に透明性を保
持しながら着色もしくは図柄を印刷されたものであるこ
とを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記
載の複合材。 - 【請求項6】 複合材が、平滑または凹凸表面を有する
板状であるか、もしくは異形品であることを特徴とす
る、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の複合材。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
の熱硬化性樹脂層を予めフィルム状に成形し、前記熱硬
化性樹脂層の未硬化物を接着剤として、前記の得られた
フィルムを木質系材料の表面に接着し、硬化せしめてな
ることを特徴とする、複合材の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
の熱硬化性樹脂層を予めフィルム状に成形し、得られた
フィルムを金型内にセットし、続いて木質系材料を金型
内にセットし、前記フィルムと前記木質系材料とを一体
化成形することを特徴とする、複合材の製造方法。
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JP2000027972A Pending JP2001212812A (ja) | 2000-02-04 | 2000-02-04 | 複合材およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2001212812A (ja) |
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2000
- 2000-02-04 JP JP2000027972A patent/JP2001212812A/ja active Pending
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