JP7108391B2 - ウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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1. ポリウレタンアクリレートを含む硬化性樹脂組成物であって)、
(1)側鎖にラジカル重合性基を有するポリウレタンアクリレートA、
(2)ラジカル重合性基を有するアクリル系ポリマーB1、及び
(3)ラジカル重合性基を有し、かつ、前記アクリル系ポリマーB1のラジカル重合性基当量よりも300g/mol以上大きいラジカル重合性基当量を有するアクリル系ポリマーB2
を含むことを特徴とするウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
2. ウレタンアクリレートAの側鎖に有するラジカル重合性基当量が1000g/mol以下である、請求項1に記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
3. アクリル系ポリマーB1のラジカル重合性基当量が300~1300g/molであり、アクリル系ポリマーB2のラジカル重合性基当量が1000~5000g/molである、前記項1又は2に記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
4. ポリウレタンアクリレートA100重量部に対し、アクリル系ポリマーB1が10~50重量部、アクリル系ポリマーB2が10~50重量部含まれる、前記項1~3のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
5. さらに単官能アクリル系モノマーを含む、前記項1~4のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
6. 活性エネルギー線硬化性である、前記項1~5のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
7. さらに有機溶剤を含み、性状が液状である、前記項1~6のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
8. 前記項1~7のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物を含む塗膜を硬化してなる硬化膜。
9. 前記項7に記載の硬化膜を含む積層体。
10. 前記項7に記載の硬化膜と樹脂含有成形物とが一体化してなる成形体。
本発明のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物(本発明組成物)は、ポリウレタンアクリレートを含む硬化性樹脂組成物であって)、
(1)側鎖にラジカル重合性基を有するポリウレタンアクリレートA、
(2)ラジカル重合性基を有するアクリル系ポリマーB1、及び
(3)ラジカル重合性基を有し、かつ、前記アクリル系ポリマーB1のラジカル重合性基当量よりも300g/mol以上大きいラジカル重合性基当量を有するアクリル系ポリマーB2
を含むことを特徴とする。
ポリウレタンアクリレートAは、側鎖にラジカル重合性基を有する。また、ポリウレタンアクリレートAは、官能基(ラジカル重合性基)を3個以上有する多官能性であることが好ましい。
1分子当たりのラジカル重合性基当量=[Mw-(Mw(X)×2)-(Mw(Y))]/(Mw(Y)+Mw(Z))=約21
RA=Mw/21=9200/21=約438
(MwはポリウレタンアクリレートAの分子量、Mw(x)は2-ヒドロキシエチルメタクリレートの分子量、Mw(Y)はジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアネートの分子量、Mw(z)はグリセリンモノメタクリレートの分子量を示す。)
第1工程では、ラジカル重合性基と2個以上の水酸基とを有する化合物(a1)とジイソシアネート化合物(a2)とを反応させることにより反応生成物を得る。
第2工程においては、イソシアネート基と反応する化合物(a3)を前記反応生成物と反応させる。これにより、前記反応生成物の末端のイソシアネート基と反応させることにより、末端にもラジカル重合性基が導入される。
本発明組成物では、1)ラジカル重合性基を有するアクリル系ポリマーB1及び2)ラジカル重合性基を有し、かつ、前記アクリル系ポリマーB1のラジカル重合性基当量よりも300g/mol以上大きいラジカル重合性基当量を有するアクリル系ポリマーB2という2種のアクリル系ポリマーを用いる。両者はラジカル重合性基当量の数値範囲以外の点では共通するので、以下両者をまとめて「アクリル系ポリマーB」として説明する。
RB=[(Mw(X)×X)/Z]+[(Mw(Y)×Y)/Z]+[(Mw(Z)]
(Mw(X)はメチルメタクリレートの分子量、Mw(Y)は2-ヒドロキシエチルメタクリレートの分子量、Mw(Z)は2-イソシアナトエチルアクリレートの分子量、X,Y,Zは仕込んだ化合物(メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-イソシアナトエチルアクリレート)の物質量比を示す。)この方法に従って計算すると、RB=[(100×0.429)/0.0574]+[(130×0.0715)/0.0574]+[141]=約1050となる。
本発明組成物では、さらにアクリレートモノマーを配合することが好ましい。アクリレートモノマーを配合することによって、得られる硬化膜の外観等をより高めることができる。
さらに、本発明組成物では、本発明の効果を妨げない範囲内で、任意成分として公知のハードコートに含まれている添加剤を適宜配合することができる。例えば、架橋剤、反応性希釈剤(例えば単官能モノマー等)、無機微粒子(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物微粒子)、防汚剤(スリップ剤)、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤(界面活性剤)、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、着色剤等が挙げられる。
本発明は、本発明組成物を含む塗膜を硬化してなる硬化膜を包含する。この硬化膜は、熱硬化のほか、活性エネルギー線による硬化等のいずれによる硬化膜であっても良い。
第1工程では、液状の本発明組成物の塗膜を形成する。例えば、液状の本発明組成物を基材フィルム上に塗布することにより塗膜を好適に形成することができる。
第2工程では、塗膜に活性エネルギー線を照射することにより塗膜を硬化させる。なお、第2工程は、どの段階で実施しても良い。例えば、a)塗膜を他の層と積層する前、b)塗膜を他の層と積層した後、c)塗膜を他の成形物と一体化する前、b)塗膜を他の成形物と一体化した後等のいずれの段階であっても良い。
本発明は、本発明の硬化膜を含む積層体又成形体も包含する。特に、積層体の表面又は成形体の表面を保護するための保護層(ハードコート層)として本発明の硬化膜を好適に用いることができる。
表1に示す成分を用い、各成分を均一に混合することによって各硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1の各成分の含有量の数値は「重量部」を示す。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)44.8重量部と、(a2)成分としてジシクロヘキシルメタン 4,4′-ジイソシアネート77.7重量部と、反応溶剤である酢酸エチル150.0重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、(a3)成分として2-ヒドロキシエチルメタクリレート2.6重量部を加え、60℃で6時間反応させ、側鎖にラジカル重合性基を有するポリウレタンアクリレートを得た。これを「合成品A」として用いた。合成品Aは、重量平均分子量=9200、不揮発分=40%、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=438g/molであった。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLの4つ口フラスコに、メチルメタクリレート46.2重量部と、アクリロイルモルホリン23.1重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.7重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.7重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン140.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2-イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)3.3重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ラジカル重合性基を含有するアクリルポリマーを得た。これを「合成品B-1」として用いた。合成品B-1は、重量平均分子量=10000、不揮発分=33%、ラジカル重合性基当量(計算)=3333g/molであった。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLの4つ口フラスコに、メチルメタクリレート42.9重量部と、2-ヒドロキシエチルメタクリレート9.3重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.6重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.1重量部と、反応溶剤である酢酸エチル93.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2-イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)8.1重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ラジカル重合性基を含有するアクリルポリマーを得た。これを「合成品B-2」として用いた。合成品B-2は、 重量平均分子量=10000、不揮発分=40%、ラジカル重合性基当量(計算)=1050g/molであった。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLの4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40.0重量部と、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15.6重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.28重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.1重量部と、反応溶剤である酢酸エチル133.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2-イソシアナトメチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)13.5重量部を加え、60℃で6時間反応させ、反応終了後に溶剤を取り除くことで、ラジカル重合性基を含有するアクリルポリマーを得た。これを「合成品B-3」として用いた。合成品B-3は、重量平均分子量=10000、不揮発分=100%、ラジカル重合性基当量(計算)=720g/molであった。
製品名「アロニックスM-140」(アクリレートモノマー、固形分濃度100%、東亞合成製)を用いた。
製品名「Irgcure907」(光重合開始剤、固形分濃度100%、BASF社製)
メチルエチルケトン(有機溶剤)
最表層がアクリル樹脂で覆われているポリカーボネートフィルム基材上に対し、各実施例及び比較例で調製された硬化性樹脂組成物を塗布した。塗布はバーコート法で行い、硬化性樹脂組成物が硬化した後の硬化膜の厚さが3μmとなるように調整した。硬化性樹脂組成物が塗布された基材を100℃のオーブンに入れ、1分乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させ、各種成形用フィルムAを得た。同様に、硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する基材として易接着処理ポリエチレンテレフタラートフィルムを用いたほかは、上記成形用フィルムAと同様にして、成形用フィルムBを得た。
成形用フィルムAを用いて、塗膜外観、密着性、加熱後密着性、煮沸後密着性、耐擦傷性の評価を行い、成形用フィルムBを用いて延伸性(破断点伸度)の評価を行った。その結果を表1に示す。各物性の評価方法は、以下のとおりである。
成形用フィルムAについて、「JIS K 7136」に対応したヘイズメーターを用いてヘイズ値(単位:%)を測定した。
「JIS K 5600-5-6」に準拠して、成形フィルムAにおける塗膜の剥離の有無を目視によって次の通り評価した。表中の分数表記は、分母は碁盤目状にカットしたマス数(100)を表し、分子はテープ剥離後に残存した塗膜のマス数を示す。
得られた成形フィルムAについて、スチールウール#0000上に250g/cm2の荷重をかけて10往復させ、ヘイズメーターを用いてヘイズ値(単位:%)を測定した。
得られた成形フィルムBについて、引張試験(サンプル寸法:200mm×10mm、チャック間距離:110mm、引張速度:50mm/分)を行い、目視により塗膜にクラックが発生した時点の破断点伸度(単位:%)を測定した。
Claims (7)
- ポリウレタンアクリレートを含む硬化性樹脂組成物であって、
(1)側鎖にラジカル重合性基を有し、ラジカル重合性基当量が100~1000g/molであるポリウレタンアクリレートA、
(2)ラジカル重合性基を有し、ラジカル重合性基当量が300~1300g/molであるアクリル系ポリマーB1、及び
(3)ラジカル重合性基を有し、ラジカル重合性基当量が1000~5000g/molであり、かつ、前記アクリル系ポリマーB1のラジカル重合性基当量よりも300~2700g/mol大きいラジカル重合性基当量を有するアクリル系ポリマーB2
を含み、
(4)ポリウレタンアクリレートA100重量部に対し、アクリル系ポリマーB1が10~50重量部、アクリル系ポリマーB2が10~50重量部含まれる、
ことを特徴とするウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。 - さらに単官能アクリル系モノマーを含む、請求項1に記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
- 活性エネルギー線硬化性である、請求項1又は2に記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
- さらに有機溶剤を含み、性状が液状である、請求項1~3のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載のウレタンアクリレート系硬化性樹脂組成物を含む塗膜を硬化してなる硬化膜。
- 請求項5に記載の硬化膜を含む積層体。
- 請求項5に記載の硬化膜と樹脂含有成形物とが一体化してなる成形体。
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