JP2001212592A - 排水からの窒素の除去方法 - Google Patents
排水からの窒素の除去方法Info
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Abstract
素を効率的に安定して除去する。 【解決手段】 アンモニアストリッピングによりアンモ
ニアを2000mg/l以下とした後、反応槽のpHを
6〜7.5に維持し、硝化細菌と脱窒細菌(従属栄養細
菌および/または硫黄酸化細菌)を組合せ、排水中の窒
素を安定して除去する。
Description
高濃度のアンモニア性窒素化合物を安定的、効率的に除
去する方法に関する。
水は、製鉄所コークス工場、屎尿、肥料工場、半導体工
場、皮革工場、下水処理場汚泥処理工程などから発生す
る。排水中のアンモニアは、排水の加熱操作(加熱空気
や蒸気利用)によって、空中にアンモニアガスとして放
散が容易に行えるかどうかによって、以下のように2種
類に分類されて呼ばれている。
ど。
モニウムイオン(NH4 +)として水中に存在しているた
め、アンモニアガスとして容易に放散できないことから
このように呼称されている。固定アンモニアを遊離アン
モニアとするためには、pHおよび水温を上昇させれば
良い。
応は右側に進行し、遊離のアンモニア(NH3)の存在
比率は増大する。例えば、水温20℃の条件でpHを9
に高めれば約30%が遊離のアンモニアとして、また、
pHを10に高めれば約80%が遊離のアンモニアとし
て水中に存在することになる。これが水温80℃になる
と、pHを9に高めれば約90%が遊離アンモニアとな
る。したがって、遊離アンモニアの存在割合は、排水の
pH及び水温によって、大幅に変わってくる。
方法として、以下のような方法が広く知られている。
られる。アンモニアストリッピング法は、基本的には
(1)式の反応を利用したものであり、製鉄所コークス
工場を中心に広く実用化されている。方法は以下の通り
である。まず、消石灰や水酸化ナトリウムを用いて排水
のpHを上昇させるとともに、必要に応じて水温を調整
する。工場に加熱源があり、pHがある程度高い場合に
はpHを調整せず、水温のみを上昇させる場合がある。
いずれにせよ、排水中の遊離アンモニアの割合を増大さ
せる。その後、排水を各種の充填材を充填したストリッ
ピング塔の上部から散布するとともに、下部から大量の
空気を吹き込むことにより、水中の遊離アンモニアを空
気中に放散する。この場合、処理する排水と吹き込む空
気量の比(以下、気液比と述べる)も、アンモニアの除
去率に影響を及ぼす重要な要素である。通常、気液比
は、数千倍の値がとられている。
物学的除去方法として、生物学的硝化−脱窒素法が広く
用いられている。この原理は以下の通りである。すなわ
ち、好気性独立栄養細菌(ニトロゾモナス、ニトロバク
ター等の硝化細菌)による生物学的酸化と通性嫌気性従
属栄養細菌(シュードモナス等)による生物学的還元の
組み合わせから成っている。
っており、関与する硝化細菌の種類は異なっている。
代表種とする亜硝酸菌によってもたらされ、(3)式に
示す反応は、ニトロバクターを代表種とする硝酸菌によ
ってもたらされる。
窒素並びに硝酸性窒素は、一般的に通性嫌気性従属栄養
細菌を用い、無酸素の条件の基で、以下のように還元さ
れて酸化窒素ガス(N2O)あるいは窒素ガス(N2)と
なり大気中に放散される。
必要であり、通常、有機物が利用される。都市下水など
では、下水中の有機物がそのまま用いられ、有機物を含
まない排水ではメタノールなどが添加されることが多
い。この生物学的硝化−脱窒素法は、アンモニア性窒素
濃度が100mg/l以下の排水では、最も安価で安定
した処理方法であり、都市下水処理等で広く用いられて
いる。
アを酸化分解する方法などが報告されているが、アンモ
ニアを高濃度に含む排水の場合、ランニングコスト等の
観点から実用化事例はほとんど見られない。
リッピング法の課題を述べる。課題は2点に集約され
る。1つはランニングコストが高い点にある。先にも述
べたように、アンモニアの除去率をあげるためには、水
温およびpHをかなり上昇させる必要がある。そうしな
ければ、遊離アンモニアの一部しか除去できない。例え
ば、都市下水処理水を対象とした実験報告(横須賀市下
水道部:横須賀市における下水の三次処理実験報告、昭
和49、50年度)によると、pH=10、気液比10
00〜1100、水温14℃の条件下でのアンモニア性
窒素の除去率は、33%程度にすぎない。また、鉄鋼業
コークス炉工場ガス排水(以下、安水と述べる)を対象
とした報告(造水技術、造水促進センター、p313〜
320)によると、安水中のアンモニア濃度は3000
〜5000mg/lもあり、このうち、遊離アンモニア
の割合は65〜80%であるが、pH=10、気液比3
000、水温80℃の条件でアンモニアストリッピング
を行うと、安水中の5000mg/lのアンモニアを1
00mg/l(除去率:98%)まで削減可能であった
と述べられている。これらの結果から、アンモニアスト
リッピング法単独で排水中の窒素を削減するためには、
膨大なランニングコストが必要となることは容易に推定
される。例えば、安水処理の報告によると、80℃の条
件でpHを8.5から10に上昇させるためには、安水
1m3あたり、約6.4Lの水酸化ナトリウム溶液(5
0%)が必要であったと述べられている。これから仮
に、安水発生量を1400m3/日とすると、pH調整
に必要な水酸化ナトリウム溶液量は、約9t/日、すな
わち、年間約3300tにもなり、年間数億円オーダー
のランニングコストとなる。更に、水温上昇のための費
用やブロワー等の電力費が加わることから、膨大なラン
ニングコストとなる。従って、アンモニアストリッピン
グ単独で高濃度のアンモニアを含む排水の窒素を除去す
るのは得策では無い。
スの処理が必要なことである。処理方法としては、アン
モニア水として回収、硫安として回収、燃焼、触媒燃焼
の4方法がある(排水からの固定及び遊離アンモニアの
除去、用水と廃水、37、9、p56〜60、199
5)。しかし、設備費、ランニングコストの更なる上昇
を招いてしまう。
べる。微生物を用いた排水処理方法の最大の課題は、遊
離アンモニアの微生物への阻害である。通常、遊離のア
ンモニア性窒素濃度が100mg/lを超えると様々な
課題が生じ、安定した処理が困難となるといわれてい
る。すなわち、遊離のアンモニア性窒素濃度が100m
g/lを超えると、硝化工程において、亜硝酸酸化細菌
であるニトロバクターが阻害を受け、この結果、処理水
中の亜硝酸性窒素が蓄積しやすいといわれている。特
に、先にも述べたように、排水のpHが高くなると遊離
のアンモニアの存在割合が高まるため、阻害が生じやす
くなる。
対しても毒性が強く、処理水質が悪化しやすいことが広
く知られている(例えば、遠矢泰典、下水道協会誌、V
OL7、NO74、1970)。この結果、脱窒素に用
いられている細菌は、通常、従属栄養細菌であるから、
硝化工程で蓄積した亜硝酸性窒素によって脱窒素反応の
進行にも阻害が生ずる。脱窒素反応の進行が停止する
と、窒素規制を遵守できないばかりか、亜硝酸性窒素起
因のCOD(化学的酸素要求量)も増大してしまう。
窒素濃度が100mg/lを超えるような排水の場合、
従来の生物学的硝化−脱窒素法の適用がかなり難しい。
例えば、十亀らは生物学的硝化−脱窒素法のコークス炉
排水への適用事例を報告しているが、(鉄と鋼,VOL
82,No.5,447〜452,1996)。この中
で、特に、亜硝酸性窒素濃度を50mg/l以下にしな
ければならないと述べている。用いている脱窒素細菌
は、メタノールを添加していることから、従属栄養細菌
であると考えられる。さらに、発明者らは、硫黄酸化細
菌などの独立栄養細菌が亜硝酸性窒素に対し、従属栄養
細菌と比較し極めて強い耐性を有していることを知見し
ているが、それでも、亜硝酸性窒素濃度として2000
mg/l程度が限界である(特願平11−11741
0、特願平11−259684)。
l以上高濃度に含む排水処理の場合、硝化阻害が起こり
やすく、この結果、大量の亜硝酸性窒素が蓄積するた
め、生物処理単独法によって窒素を除去することは極め
て困難である。
題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の方法により、
高濃度のアンモニアを含有する排水を安定して効率的に
処理することに成功した。本発明の要旨とするところ
は、次の(1)〜(7)である。
窒素プロセスにおいて、水中の総アンモニア性窒素濃度
が2000mg/l以下になるように、排水中の固定ア
ンモニアの一部をpHおよび/または水温を上昇させる
ことにより遊離アンモニアに変換してアンモニアガスと
して水中から除去した後、水中に残留するアンモニアを
好気槽の微生物を用いて亜硝酸性窒素および/または硝
酸性窒素に酸化し、さらに亜硝酸性窒素および/または
硝酸性窒素を無酸素槽の微生物を用いて窒素ガスに還元
して排水から窒素を除去することを特徴とする排水から
の窒素の除去方法。
7.5に維持することを特徴とする(1)に記載の排水
からの窒素の除去方法。
アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素および/または硝酸性
窒素に酸化する好気槽を設け、この処理水を無酸素槽に
循環することを特徴とする(1)または(2)に記載の
排水からの窒素の除去方法。
菌と硫黄酸化細菌を分離して用いることにより、亜硝酸
性窒素および/または硝酸性窒素を窒素ガスに還元して
除去することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一
項に記載の窒素の除去方法。
生物固定化担体を投入することを特徴とする(1)〜
(4)のいずれか一項に記載の排水からの窒素の除去方
法。
載の方法による処理水を、従属栄養細菌を主体とする無
酸素槽または硫黄酸化細菌を主体とする無酸素槽に通水
し、残留する亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を
窒素ガスまで還元することを特徴とする排水からの窒素
の除去方法。
窒素プロセスにおいて、発生するアンモニアガスを蓄熱
式の分解炉を用い、800〜1000℃の条件で焼却処
分することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項
に記載の排水からの窒素の除去方法。
を含有する排水から、窒素を安定・効率的に除去するた
め、以下の手法を考案した。処理フローの1つの例を図
1に示す。高濃度のアンモニアを含有する排水として安
水に適用した事例である。
ピング法を用いて、生物処理に阻害が出なくなるまで、
アンモニア濃度を減少させる。ボイラー(7)で蒸気を
発生させ、水温上昇によるアンモニアストリッピングを
適用させてもよい。アンモニアが、大量に存在し、大半
が固定アンモニアとして存在している場合には、水温を
上昇させるとともに水酸化ナトリウム等のアルカリ剤
(2)を添加しpHを10〜11程度まで上昇させても
よい。しかし、生物処理に硝化細菌と脱窒細菌(硫黄酸
化細菌および又は従属栄養細菌)を用いる場合、総アン
モニア性窒素濃度として2000mg/l以下まで減少
させればよい。
特に弱いので、好気槽の遊離アンモニア濃度が100m
g/l以下となるようにすることが望ましい。アンモニ
ウムイオン(NH4 +)の割合を増大させるためには、好
気槽のpHを下げればよい。しかし、pHを下げすぎる
とpHによる阻害が生じる。したがって、好気槽のpH
は、6〜7.5に維持することが望ましいことがわかっ
た。pHが6未満の場合、pHによる微生物への阻害が
生じやすく、pHが7.5を超過する場合、遊離アンモ
ニアによる阻害が生じやすく、いずれも望ましくない。
さらに、pHが7以下上であれば遊離アンモニアによる
阻害がより生じにくくなるため、より望ましい。また、
生物処理は通常水温40℃以下で行われるので、この水
温とpH範囲では総アンモニア性窒素濃度が2000m
g/lの条件であれば、遊離アンモニア濃度濃度を10
0mg/l以下とすることができることを知見した。さ
らに、脱窒細菌は、硝化細菌よりも耐性が強いが、やは
りpHを6〜7.5に制御することが望ましいことがわ
かった。通常の生物処理のpHは、6〜8.5程度であ
り、硝化細菌の最適pHは8前後とされているが、この
ような排水の場合、この知見は適用できない。反応槽の
pH管理が通常の生物処理よりも非常に重要となる。し
かし、逆に、pH管理を的確に行えば、従来困難とされ
ていたアンモニア窒素濃度の排水でも安定した処理が可
能となる。
によって、不必要に排水中のアンモニアを減少させる必
要は無く、総アンモニア性窒素濃度として最大2000
mg/l程度まで減少させればよいのである。このこと
により、ランニングコストをかなり削減できるばかり
か、発生するアンモニアガス対策が容易となる。
生するアンモニアガスは、蓄熱式の分解炉(4)を用
い、800〜1000℃の条件で焼却処分することが望
ましい。蓄熱式分解炉の内部には、磁製のセラミックス
が充填されている。高炉スラグを原料としたセラミック
スの使用は、設備コストをかなり削減できるので望まし
い。さらに、蓄熱式分解炉からの発生ガスは、その一部
をアンモニアストリッピング用のガスとして再利用すれ
ばよい。
する。アンモニアストリッピングで1次処理された排水
は、水温がかなり高い場合が多いので、原排水と熱交換
した後、冷却器で冷却されるか、または海水や工業用水
で希釈され、生物処理の至適水温である30〜38℃程
度に調整される。またpHが高い場合は、前述した理由
により、硫酸または水酸化ナトリウムを用いてpH6〜
7.5に調整される。
制値まで削減する。本発明の脱窒方法は、無酸素槽を多
段として、従属栄養細菌と硫黄酸化細菌を分離して実施
することができる。図1を参照すると、まず、無酸素槽
(12)と(13)では、好気槽(14)で生成した硝
酸性窒素および亜硝酸性窒素を、脱窒細菌(従属栄養細
菌および/または硫黄酸化細菌)を用いて窒素ガスまで
還元する。
である。ほとんど硫黄を含まない排水の場合は、チオ硫
酸、硫黄粒、亜硫酸ナトリウムなどの硫黄源を添加すれ
ばよい。排水中の硫黄と窒素の重量比率、すなわちS/
N比が、3.5以上になるように添加することが望まし
い。従属栄養細菌を用いる場合は、有機物が必要であ
る。ほとんど有機物を含まない排水の場合は、メタノ−
ルなどの有機物(BODで表示)を添加すればよい。排
水中のBODと窒素の重量比率、すなわちBOD/N比
が、3以上になるように添加することが望ましい。排水
中に有機物や硫黄化合物が存在する場合は、これを有効
利用できる。
り、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素まで酸化する。続
いて、硝酸菌により、亜硝酸性窒素を硝酸性窒素まで酸
化する。
ことにより、窒素ガスとして除去される。また、各槽で
の細菌濃度を高めるために、自己造粒作用を有する硫黄
酸化細菌または凝集剤を併用して造粒させた硫黄酸化細
菌を用いてもかまわない。さらに、各槽に微生物固定化
担体(プラスチック、セラミックス、スラグ、ゲル等)
を投入し各槽の微生物を高濃度化することにより、一層
の高効率処理が可能となる。
水量の4倍としても最大窒素除去率は75%程度であ
る。従って、さらに窒素除去率をあげる必要がある場合
は、以下のプロセスで処理する。すなわち、処理水(1
8)中の残存する窒素が亜硝酸および硝酸性窒素の場合
には、無酸素槽(22)と残留有機物や硫黄化合物の除
去のための好気槽(23)を設置すればよい。また、各
槽での細菌濃度を高めるために、自己造粒作用を有する
硫黄酸化細菌または凝集剤を併用して造粒させた硫黄酸
化細菌を用いてもかまわない。さらに、各槽に微生物固
定化担体(プラスチック、セラミックス、スラグ、ゲル
等)を投入し各槽の微生物を高濃度化することにより、
一層の高効率処理が可能となる。
用 本発明の方法を、A製鉄所コークス工場から発生する安
水からの窒素除去に適用した。該安水は、表1に示すよ
うにフエノール主体の排水であるが、アンモニア性窒素
を8100mg/l含んでいる。pHは9.4と元々か
なり高い。
(2)を添加し、pHを9.4から10とし、気液比3
000、水温40℃の条件でアンモニアストリッピング
塔(3)の運転を行った。アンモニアストリッピングの
結果、安水中のアンモニア性窒素をアンモニアガスとし
て、80%程度除去できた。水中のアンモニア性窒素濃
度は、1600mg/lとなった。また、pH=8の条
件下で、蒸留法で測定した遊離アンモニア濃度は、80
mg/lであった。
生するアンモニアガスは、磁製のセラミックスを充填し
た蓄熱式の分解炉(4)を用い、1000℃の条件で焼
却処分した。
より2倍程度に希釈し、リン酸(9)を添加し、生物学
的硝化−脱窒法により窒素除去を検討した。この結果を
表1に示す。
述べる。好気槽(14)でアンモニア性窒素を亜硝酸性
窒素および硝酸性窒素まで酸化するために、以下の運転
条件で運転した。好気槽(14)には、浮遊性の円筒型
プラスチック担体(内径:3mm;長さ4mm)を槽容
積あたり15%投入し、亜硝酸菌および硝酸菌を付着さ
せた。好気槽(14)は、硫酸および水酸化ナトリウム
によって、pH(26)を6〜7.5に制御するととも
に、空気および/または酸素により、DOを2mg/l
以上、ORPを+150mV(銀/塩化銀基準)以上、
水温を30〜38℃に維持するように運転した。この結
果、好気槽のHRT(水理学的滞留時間)が27時間
(アンモニア性窒素容積負荷が1.2kg−N/m3・
日)の条件で、アンモニア性窒素(800mg/l)
は、79%が硝酸性窒素に、20%が亜硝酸性窒素とな
った。アンモニア性窒素も15mg/l残留した。本液
を原水量に対して、3倍量、無酸素槽(12)に循環し
た。
どの従属栄養細菌を投入した。硫酸および水酸化ナトリ
ウムによって、pHを6〜7に制御するとともに、OR
Pを−150〜−200mV(銀/塩化銀基準)程度に
維持するよう、空気および/または酸素を間欠的に供給
した。更に、水温を30〜38℃に維持するように運転
した。無酸素槽(12)のHRTが13時間(亜硝酸+
硝酸性窒素の容積負荷:1.5kg−N/m3−無酸素
槽・日)の条件で運転したが、有機物の指標であるCO
Dと窒素の比率は、2.8であり、やや有機物が不足し
ていると考えられた。
槽(13)を設置し、自己造粒させた硫黄酸化細菌を投
入し、硫黄源として、排水中のチオ硫酸と合算して、チ
オ硫酸(19)が硫黄として、無酸素槽(12)から流
入する亜硝酸性窒素と硝酸性窒素の和の3倍量になるよ
うに添加した。無酸素槽(13)では、硫酸および水酸
化ナトリウムによって、pH(26)を6〜7.5に制
御するとともに、HRTが2時間の条件で運転した。無
酸素槽(13)は、余分な硫黄化合物が好気槽(14)
に流入するのを防ぐため、ORPを−150mV〜−2
00mV(銀/塩化銀基準)程度に維持するよう、空気
および/または酸素を間欠的に供給した。
を設置し、微生物と処理水(18)を分離した。沈殿池
で濃縮した微生物群は、返送汚泥(17)として無酸素
槽(12)に返送した。この結果、処理水(18)中の
総窒素濃度は、170mg/lとなった。
は、以下の工程を加えた。すなわち、無酸素槽(22)
に硫黄酸化細菌を投入し、硫黄源としてチオ硫酸(1
9)を硫黄として残留窒素の3倍量添加し、処理水(1
8)を上向流れで通水した。無酸素槽(22)の上部に
は、浮遊性の円筒型プラスチック担体(内径:3mm;
長さ4mm)を無酸素槽(22)の容積あたり25%投
入した。また、無酸素槽(22)の下部中央に、水中攪
拌機を設置し、常時攪拌することにより、プラスチック
担体に浮上した硫黄酸化細菌が固着することを防止し
た。硫酸および水酸化ナトリウム(20)によって、無
酸素槽(22)のpHを6〜7.5に制御するととも
に、HRTが2時間(亜硝酸+硝酸性窒素容積負荷:2
kg−N/m3・日)の条件で運転したが、処理水中の
窒素濃度は、10mg/l以下となった。
好気槽(23)によって硫酸イオンまで酸化した。好気
槽(23)には、好気性硫黄酸化細菌を投入し、ブロア
ー(24)からの曝気によって溶存酸素を2mg/l以
上に維持した。HRTが2時間でチオ硫酸は硫酸イオン
まで完全に酸化された。
CODは80mg/l、窒素は10mg/lとなった。
度に含有する排水から、安定した窒素除去が可能とな
る。
び脱窒細菌(従属栄養細菌および硫黄酸化細菌)を用い
る脱窒素処理プロセスである。
6)
特に弱いので、好気槽の遊離アンモニア濃度が100m
g/l以下となるようにすることが望ましい。アンモニ
ウムイオン(NH4 +)の割合を増大させるためには、好
気槽のpHを下げればよい。しかし、pHを下げすぎる
とpHによる阻害が生じる。したがって、好気槽のpH
は、6〜7.5に維持することが望ましいことがわかっ
た。pHが6未満の場合、pHによる微生物への阻害が
生じやすく、pHが7.5を超過する場合、遊離アンモ
ニアによる阻害が生じやすく、いずれも望ましくない。
さらに、pHが7以下であれば遊離アンモニアによる阻
害がより生じにくくなるため、より望ましい。また、生
物処理は通常水温40℃以下で行われるので、この水温
とpH範囲では総アンモニア性窒素濃度が2000mg
/lの条件であれば、遊離アンモニア濃度濃度を100
mg/l以下とすることができることを知見した。さら
に、脱窒細菌は、硝化細菌よりも耐性が強いが、やはり
pHを6〜7.5に制御することが望ましいことがわか
った。通常の生物処理のpHは、6〜8.5程度であ
り、硝化細菌の最適pHは8前後とされているが、この
ような排水の場合、この知見は適用できない。反応槽の
pH管理が通常の生物処理よりも非常に重要となる。し
かし、逆に、pH管理を的確に行えば、従来困難とされ
ていたアンモニア窒素濃度の排水でも安定した処理が可
能となる。
Claims (7)
- 【請求項1】 アンモニア性窒素含有排水からの脱窒素
プロセスにおいて、水中の総アンモニア性窒素濃度が2
000mg/l以下になるように、排水中の固定アンモ
ニアの一部をpHおよび/または水温を上昇させること
により遊離アンモニアに変換してアンモニアガスとして
水中から除去した後、水中に残留するアンモニアを好気
槽の微生物を用いて亜硝酸性窒素および/または硝酸性
窒素に酸化し、さらに亜硝酸性窒素および/または硝酸
性窒素を無酸素槽の微生物を用いて窒素ガスに還元して
排水から窒素を除去することを特徴とする排水からの窒
素の除去方法。 - 【請求項2】 好気槽および無酸素槽のpHを6〜7.
5に維持することを特徴とする請求項1に記載の排水か
らの窒素の除去方法。 - 【請求項3】 無酸素槽の後段に、硝化細菌によりアン
モニア性窒素を亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素
に酸化する好気槽を設け、この処理水を無酸素槽に循環
することを特徴とする請求項1または2に記載の排水か
らの窒素の除去方法。 - 【請求項4】 無酸素槽を多段として、従属栄養細菌と
硫黄酸化細菌を分離して用いることにより、亜硝酸性窒
素および/または硝酸性窒素を窒素ガスに還元して除去
することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
載の窒素の除去方法。 - 【請求項5】 無酸素槽および/または好気槽に微生物
固定化担体を投入することを特徴とする請求項1〜4に
記載の排水からの窒素の除去方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方
法による処理水を、従属栄養細菌を主体とする無酸素槽
または硫黄酸化細菌を主体とする無酸素槽に通水し、残
留する亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を窒素ガ
スまで還元することを特徴とする排水からの窒素の除去
方法。 - 【請求項7】 アンモニア性窒素含有排水からの脱窒素
プロセスにおいて、発生するアンモニアガスを蓄熱式の
分解炉を用い、800〜1000℃の条件で焼却処分す
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載
の排水からの窒素の除去方法。
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