JP2001211696A - コジェネプラントの運転方法及びその装置 - Google Patents
コジェネプラントの運転方法及びその装置Info
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Abstract
い、プラント特有の運転制約条件をも満足させることの
できるコジェネプラントの運転方法及びその装置を提供
する。 【解決手段】 蒸気噴射型ガスタービンと排熱回収ボイ
ラとで構成されて電力と蒸気とを複合的に供給する熱電
可変型コジェネユニット3を複数備えたコジェネプラン
ト1に対し、将来の電力需要及び蒸気需要が計画された
需要計画に基づくと共に該コジェネプラント1に求めら
れる運転制約条件を満足してかつ運用コストが最小とな
るようにコジェネユニット3の運転台数並びに運転され
るコジェネユニット3の電力出力量及び蒸気出力量から
なる最適運用案を決定し、この最適運用案に従うと共に
個々のコジェネユニット3に求められる運転制約条件を
加味して各コジェネユニット3個別の運転内容を決定す
る。
Description
ネユニットを用いて電力及び蒸気を供給するコジェネプ
ラントの運転方法及びその装置に係り、特に、需要に応
じつつ低い運用コストで供給を行い、プラント特有の運
転制約条件をも満足させることのできるコジェネプラン
トの運転方法及びその装置に関するものである。
のガスタービンの排熱を利用して蒸気を発生させる排熱
回収ボイラを付加して構成された熱電可変型コジェネユ
ニットは、排熱回収ボイラからの蒸気をガスタービンに
入力することによって発電効率(発電能力)を上げるこ
とができるので、単に電力と蒸気とを並行して供給でき
るだけでなく、電力出力量及び蒸気出力量を複合的に調
節することができる。
は、蒸気噴射型ガスタービンと排熱回収ボイラとから構
成され、燃料と給水とを与え、電力と蒸気とを取り出す
ようになっている。需要先で消費されない余剰の蒸気は
放蒸されるが、この余剰蒸気をガスタービンに噴射する
ことで電力を多く発生できるため、蒸気を無駄にしない
効率のよい運転が可能である。また、コジェネユニット
は、ガスタービンに蒸気タービンを付加した発電設備に
比べて、蒸気タービンを必要としないので、設備的にも
省スペースで設置できるという利点も有する。
す。この特性図は、燃料消費量を縦軸に、蒸気量を横軸
にとり、電力を等高線で示したものである。所望の電力
出力量と所望の蒸気出力量とを組み合わせたものが運転
ポイントとなる。同じ燃料を消費するのでも、前述のよ
うに噴射蒸気量を調節することで電力出力量及び蒸気出
力量を複合的に調節できるため、運転ポイントが多数存
在することになる。外部からの電力・蒸気の供給を加味
することにより、運転ポイントの範囲は更に広がり燃料
消費量も異なるので、運転ポイントを変動させると運用
コストも変動することになる。電力等高線が運転可能範
囲内にのみ示されている。この範囲外では運転すること
ができない。ただし、この運転可能範囲は、大気温度・
大気湿度等の環境的な要因(これらを運転条件と呼ぶ)
によって変動する。
有する。従って、噴射蒸気量を増やすと蒸気出力量は減
ることになる。
ラントは、図6に示されるように、プラント全体の負荷
需要のうち一定の部分をコジェネユニットで担い、残り
の変動部分を外部(電力は商用電力、蒸気は補助ボイ
ラ)からの供給で対応している。そして、従来のコジェ
ネプラントでは、コジェネユニットが受け持つ一定の供
給量は、例えば、夏季で電力需要が高い場合は電力を優
先し、冬季で蒸気が需要が高い場合は蒸気を優先して設
定している。即ち、図5に示されるように、燃料消費量
に対する電力出力量及び蒸気出力量の相関関係が分かっ
ているので、運用コストを抑えつつ電力を優先し最大の
電力出力量を得たい場合は運転可能な範囲の中で最も電
力出力量の高いポイントAで運転し、運用コストを抑え
つつ蒸気を優先し最大の蒸気出力量を得たい場合は運転
可能な範囲の中で最も蒸気出力量の高いポイントBで運
転する。
トは、コジェネユニットをポイントA又はポイントBで
一定に運転するが、この運用方法では、コジェネプラン
トの全体的な運用コストが最小になるとは限らず、経済
的なメリットは得られない。
ジェネプラントの全体的な運用コストは、コジェネユニ
ットが消費する燃料、給水などの費用、買電費用、補助
ボイラが消費する燃料、給水などの費用からなる。負荷
需要に対応する電力・蒸気の供給量と運用コストは以下
の式で算出できる。
力量と外部からの供給供給量とを変動させることが必要
になる。このため運転ポイントを変動させることにな
る。しかし、最小の運用コストを与える運転ポイントを
見つけるのは困難である。時々刻々と変化する負荷需要
に対し適正な電力出力量及び蒸気出力量を追随させつ
つ、運用コストが最小になるようにオペレータがコジェ
ネユニットを運転することは不可能に近い。
でいるため運転を開始してから最大出力(又は所望出
力)に至るまでに有る程度の時間が必要である。従っ
て、現在の負荷需要に即してコジェネユニットを運転し
ても過不足なく追随させることは不可能である。コジェ
ネユニットを需要に対して追随させるには、将来の需要
を予測して前もってコジェネユニットを運転制御する必
要がある。例えば、既に運転しているコジェネユニット
に追加して別のコジェネユニットを立ち上げる場合に
は、立ち上げるコジェネユニットの出力が必要になる時
刻より、立ち上げに必要な時間だけ前に立ち上げなけれ
ばならない。
前記した需要を単純にまかなうだけの運転を行えばよい
わけではなく、種々の条件によって運転が制約されるこ
とがある。例えば、可視水蒸気防止、受電量一定、機器
メンテナンスといった条件があり、このような制約条件
を満足しつつ運転を行うことが求められる。
し、需要に応じつつ低い運用コストで供給を行い、プラ
ント特有の運転制約条件をも満足させることのできるコ
ジェネプラントの運転方法及びその装置を提供すること
にある。
に本発明の方法は、蒸気噴射型ガスタービンと排熱回収
ボイラとで構成されて電力と蒸気とを複合的に供給する
熱電可変型コジェネユニットを複数備えたコジェネプラ
ントに対し、将来の電力需要及び蒸気需要が計画された
需要計画に基づくと共に該コジェネプラントに求められ
る運転制約条件を満足してかつ運用コストが最小となる
ようにコジェネユニットの運転台数並びに運転されるコ
ジェネユニットの電力出力量及び蒸気出力量からなる最
適運用案を決定し、この最適運用案に従うと共に個々の
コジェネユニットに求められる運転制約条件を加味して
各コジェネユニット個別の運転内容を決定するものであ
る。
からの電力購入を含めて決定しておき、各コジェネユニ
ットからの電力出力量に購入電力量を加えることで需要
が満たされるようにしてもよい。
気機器からの蒸気供給を含めて決定し、この最適運用案
に基づいて補助蒸気機器を運転してもよい。
及び蒸気需要を過去の実績に対照することにより将来の
電力需要及び蒸気需要を予測して計画してもよい。
もよい。
ービンと排熱回収ボイラとで構成されて電力と蒸気とを
複合的に供給する熱電可変型コジェネユニットを複数備
えたコジェネプラントに対し各コジェネユニット個別の
運転内容を決定する装置であって、将来の電力需要及び
蒸気需要が計画された需要計画に基づくと共に該コジェ
ネプラントに求められる運転制約条件を満足してかつ運
用コストが最小となるようにコジェネユニットの運転台
数並びに運転されるコジェネユニットの電力出力量及び
蒸気出力量からなる最適運用案を決定する最適運用計算
部と、この最適運用案に従うと共に個々のコジェネユニ
ットに求められる運転制約条件を加味して各コジェネユ
ニット個別の運転内容を決定する個別ユニット指令部と
を備えたものである。
図面に基づいて詳述する。
転装置を使用したコジェネプラント1とそのコジェネプ
ラント1の対象になる需要プラント2とで構成される。
コジェネプラント1は、複数の熱電可変型コジェネユニ
ット3と各コジェネユニット3を実際に制御する個別制
御装置4と補助ボイラ5等の補助蒸気機器とを備えると
共に、電力会社6の送電線からの電力供給を受けられる
ようになっている。運転装置7は、全てのコジェネユニ
ットを統括して制御することからコジェネ統括制御装置
とも呼ばれる。各コジェネユニット3は、例えば、互い
に同等能力のものであるが、異なる能力のものであって
もよい。
ント制約設定部12と最適運用計算部13と個別制約設
定部14と個別ユニット指令部15とからなる。
の電力需要及び蒸気需要と、大気温度及び大気湿度(こ
れらを運転条件という)の予測値とを入力とし、現在か
ら所定の時間先までの将来の電力需要、蒸気需要及び運
転条件の一定時間刻みの計画を最適運用計算部13への
出力とするものである。電力需要及び蒸気需要について
過去の実績を蓄積しパターン分類しておき、現在の電力
需要及び蒸気需要をパターンに対照して将来の電力需要
及び蒸気需要を予測する方法が本出願人により既に提案
されており、このような方法でもって需要計画を生成す
ることが可能である。なお、オペレータが手動で需要計
画を最適運用計算部13に入力してもよい。また、需要
計画は、負荷需要を予測したものでなく、予め計画した
ものでもよい。
ント1に求められる運転制約条件を設定するものであ
る。コジェネプラント1に求められる運転制約条件とし
ては、例えば、排ガスを大気に放出したときに排ガス中
の水蒸気が白煙化するのを防止する可視水蒸気防止、外
部からの電力供給を一定値とする受電量一定がある。
において蒸気がガスタービンに注入されるため、排ガス
に通常以上の水蒸気が含まれ、この排ガスが煙突から排
出されたときに大気の状態(温度や湿度)によって水蒸
気が白煙として視認されるようになったものである。こ
の可視水蒸気は、実害はないのであるが目視公害となる
おそれがあり、都市部などに設けられるプラントでは特
に問題となる。可視水蒸気を防ぐには、排ガス温度を上
げる、蒸気噴射量を制限するなどの運転制約条件が必要
になる。
内容によってもたらされる運転制約条件であり、例え
ば、500kw一定値を常に受電するという契約をして
いる場合であれば、その受電量を維持するという運転制
約条件となる。受電量一定ではなく電力売買の累積がゼ
ロになるという運転制約条件も有り得る。
1に求められる運転制約条件と電力需要、蒸気需要及び
運転条件からなる需要計画とから、コジェネプラント1
による電力出力及び蒸気出力と外部からの供給電力及び
供給蒸気との組み合わせで運用コストが最小となる最適
運用案を導出する。最適運用案の導出の際、各コジェネ
ユニット3の運転状態も考慮してもよい。
運用計算部は、需要計画として与えられる時間毎の変数
(電力量、蒸気量、大気温度及び大気湿度)や前もって
設定されている定数(燃料費、給水費、買電費の単価)
を用いる。最適運用計算部内には、式1〜4等の数式、
図5の特性をさらに温度もパラメータにして温度ごとの
燃料対電力及び蒸気の関係を表したコジェネユニットの
特性モデル、補助蒸気機器の特性モデル等を組み合わせ
た計算手順が設けられている。この計算手順により、コ
ジェネユニットの電力出力量及び蒸気出力量と補助ボイ
ラの蒸気出力量と外部からの買電量とが需要計画に合致
し、かつ運転制約条件を満足し、運用コストが最小とな
る最適運用案を算出する。最適運用案は、コジェネユニ
ットの運転台数、各コジェネユニットの運転ポイント
(電力出力量と蒸気出力量との組み合わせ)、外部供給
電力量、外部供給蒸気量からなる。コジェネユニットの
運転台数が変更されるときには、コジェネユニットの立
ち上げ・立ち下げ特性を考慮して滑らかに電力出力量及
び蒸気出力量が変化するように最適運用案が決定され
る。
ニット3の運転における制約条件を設定するためのもの
である。運転制約条件には、例えば、いずれかのコジェ
ネユニットが手動モードで運転されているために制御対
象外となっていること、いずれかのコジェネユニットが
故障によって制御対象外となっていること、いずれかの
コジェネユニットがメンテナンス等のために所定時間後
に停止しなければならないことなどがある。
基づいて個別の運転制約条件と各コジェネユニット3に
おける総運転時間・最近の停止時刻などの履歴情報とか
ら、稼働すべきコジェネユニット3を選択すると共に起
動/停止・運転ポイントなどの運転内容を決定し、その
選択されたコジェネユニット3の個別制御装置4に対
し、決定した運転内容を指令する。総運転時間を考慮す
ることにより、例えば、各コジェネユニット3の総運転
時間を均一にすることが可能であり、これによってメン
テナンススケジュールを立てることが容易になる。ま
た、最近の停止時刻を考慮することにより、例えば、ホ
ットスタート(コジェネユニットが暖まった状態からの
起動)が可能であり、これによって立上がり時間を調整
することが可能となる。各個別制御装置4から得られる
各コジェネユニット3の運転状態を考慮して運転内容を
決定してもよい。
御装置4に対して指令を出すだけでなく、運転内容をモ
ニタ16に表示してもよい。個別ユニット指令部15が
個別制御装置4から切り離され、運転内容をモニタ16
に表示することによってオペレータに指令を出し、オペ
レータが指令に従いコジェネユニット3を操作するよう
な半自動のシステムを構成してもよい。
それより短い所定の時間毎に、その時点から例えば24
時間先までのコジェネユニット全体の運用案が得られ、
各コジェネユニット毎に運転内容が指令される。この運
用案は電力需要、蒸気需要及び運転条件の一定時間刻み
の計画に基づくと共に、運転制約条件を満足し、しかも
運用コストが最小となる最適運用案である。従って、時
々刻々と変化する負荷需要に対し適正な電力出力量及び
蒸気出力量を追随させつつ、運用コストが最小になるよ
うに図ることができる。
で、買電量の占める割合を高くし、コジェネユニットの
稼働を抑制するという運用案が得られる。大気が冷え込
んでいるときには、可視水蒸気が出ないような運用案の
中で最小運用コストのものが得られる。
としない。コジェネユニットの電力出力量では足りない
分が送電線から需要プラントに入ってくるようにしてお
けばよいからである。
力需要、バーグラフは3台のコジェネユニット#1、#
2、#3の電力出力量を示す。蒸気については省略し
た。この最適運用案は、時刻0時の負荷需要と運転条件
予測値とにより、過去の実績パターンを参考にして時刻
0時に作成されたものである。この最適運用案によれ
ば、負荷需要の比較的少ない時刻6時までは#2と#3
とを稼働し、負荷需要が増加しはじめる時刻7時には#
1を起動する。コジェネユニットの立上がり特性によ
り、#1の電力出力量はただちには増加しないが、需要
ピークを迎える時刻8時には十分な出力量が見込まれ
る。時刻13時における#1の起動はホットスタートで
ある。電力需要は、3台のコジェネユニット#1、#
2、#3のトータルの電力出力量よりも常に一定値だけ
多い。その差の分が買電でまかなわれる。即ち、受電量
一定の運転制約条件が用いられている。
時点での負荷需要に応じた計画が決定され、その計画に
対しての最適運用案が決定される。このようにして、時
々刻々と変化する負荷需要に対し適正な電力出力量及び
蒸気出力量を追随させつつ、運用コストが最小になるよ
うに各コジェネユニットの動作ポイントを変動させるこ
とができる。
る。
給を行うことができるので、省資源に貢献すると共に運
転経費を節約することができる。
させることができるので、例えば、都市部のプラントで
可視水蒸気防止を優先した運転をできるだけ低運用コス
トで実現することができる。
構成図である。
算部の構成図である。
用スケジュールの図である。
る。
蒸気特性図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 蒸気噴射型ガスタービンと排熱回収ボイ
ラとで構成されて電力と蒸気とを複合的に供給する熱電
可変型コジェネユニットを複数備えたコジェネプラント
に対し、将来の電力需要及び蒸気需要が計画された需要
計画に基づくと共に該コジェネプラントに求められる運
転制約条件を満足してかつ運用コストが最小となるよう
にコジェネユニットの運転台数並びに運転されるコジェ
ネユニットの電力出力量及び蒸気出力量からなる最適運
用案を決定し、この最適運用案に従うと共に個々のコジ
ェネユニットに求められる運転制約条件を加味して各コ
ジェネユニット個別の運転内容を決定することを特徴と
するコジェネプラントの運転方法。 - 【請求項2】 前記最適運用案は、コジェネプラント外
部からの電力購入を含めて決定しておき、各コジェネユ
ニットからの電力出力量に購入電力量を加えることで需
要が満たされるようにしたことを特徴とする請求項1記
載のコジェネプラントの運転方法。 - 【請求項3】 前記最適運用案は、補助ボイラ等の補助
蒸気機器からの蒸気供給を含めて決定し、この最適運用
案に基づいて補助蒸気機器を運転することを特徴とする
請求項1又は2記載のコジェネプラントの運転方法。 - 【請求項4】 前記需要計画は、需要先の現在の電力需
要及び蒸気需要を過去の実績に対照することにより将来
の電力需要及び蒸気需要を予測して計画することを特徴
とする請求項1〜3いずれか記載のコジェネプラントの
運転方法。 - 【請求項5】 前記運転内容をオペレータに対し表示す
ることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のコジェ
ネプラントの運転方法。 - 【請求項6】 蒸気噴射型ガスタービンと排熱回収ボイ
ラとで構成されて電力と蒸気とを複合的に供給する熱電
可変型コジェネユニットを複数備えたコジェネプラント
に対し各コジェネユニット個別の運転内容を決定する装
置であって、将来の電力需要及び蒸気需要が計画された
需要計画に基づくと共に該コジェネプラントに求められ
る運転制約条件を満足してかつ運用コストが最小となる
ようにコジェネユニットの運転台数並びに運転されるコ
ジェネユニットの電力出力量及び蒸気出力量からなる最
適運用案を決定する最適運用計算部と、この最適運用案
に従うと共に個々のコジェネユニットに求められる運転
制約条件を加味して各コジェネユニット個別の運転内容
を決定する個別ユニット指令部とを備えたことを特徴と
するコジェネプラントの運転装置。
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JP2000021820A JP4496587B2 (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | コジェネプラントの運転方法及びその装置 |
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