JP2001211009A - 集中定数型非可逆回路素子 - Google Patents

集中定数型非可逆回路素子

Info

Publication number
JP2001211009A
JP2001211009A JP2000015370A JP2000015370A JP2001211009A JP 2001211009 A JP2001211009 A JP 2001211009A JP 2000015370 A JP2000015370 A JP 2000015370A JP 2000015370 A JP2000015370 A JP 2000015370A JP 2001211009 A JP2001211009 A JP 2001211009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
coating film
thickness
constant type
circuit element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000015370A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuta Sugiyama
雄太 杉山
Koji Ichikawa
耕司 市川
Shuichi Watanabe
修一 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2000015370A priority Critical patent/JP2001211009A/ja
Publication of JP2001211009A publication Critical patent/JP2001211009A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄い厚さの永久磁石を用いても挿入損失の増
加を抑制した小型の非可逆回路素子を提供すること。 【解決手段】 永久磁石を用いた集中定数型非可逆回路
素子において、永久磁石に良導体材質によるコーティン
グ膜を設けた非可逆回路素子である。このとき、コーテ
ィング膜の電気伝導度は永久磁石の電気伝導度より大き
く、また、使用される周波数帯の中心周波数をf0、コ
ーティング膜の電気伝導度をK、透磁率をUとしたと
き、 で表される表皮厚さt0より厚いコーティング膜を形成
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波信号に対し
て非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、具体
的には携帯電話などの移動体通信システムの中で使用さ
れ、マイクロ波あるいは準マイクロ波あるいはミリ波で
用いられるサーキュレーターやアイソレーターなどの集
中定数型非可逆回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集中定数型非可逆回路素子(以下、単に
非可逆回路素子あるいはアイソレータと言うことがあ
る。)は、ガーネット等のフェライトに複数の中心導体
を交差させて設け、直流磁界を磁石によってフェライト
に加え、フェライト内に磁気共鳴回転磁界を生じさせ
て、ある中心導体に入力された信号を減衰させること無
く特定方向の中心導体へ伝送する回路素子である。例え
ば、アイソレータは、3つの中心導体を交差させ、うち
一つを無反射終端とすることにより、他の2つの中心導
体間で、特定方向の信号はほとんど減衰させずに通過さ
せるが、逆方向の信号は大きく減衰させるような特性を
持たせた非可逆回路素子である。この様な非可逆回路素
子は、移動体通信機や携帯電話機等に使用され、送信部
及び受信部内での反射波の除去、インピーダンス整合、
増幅器・発振器等の安定動作などのために必要不可欠な
回路素子となっている。以下集中定数型のアイソレータ
を例にとって説明する。
【0003】図1にアイソレータの一例を分解斜視図で
示す。この例によれば下ケース21の上にアース板30
を配置し、その上に容量素子40が配置される。この容
量素子40の上面には容量素子を構成する電極パターン
43、44、45がそれぞれ形成されており中央に貫通
穴41を有している。この容量素子用電極パターンの一
つ45は、ダミー抵抗46に接続され、更にダミー抵抗
46はアース電極47に接続されている。このアース電
極47はスルーホール49でアース板30に接続され
る。この容量素子40の貫通穴41内にはマイクロ波磁
性体55が配置される。このマイクロ波磁性体55はガ
ーネット等のフェライト円板50を包むように120度
の間隔で放射状に折り込まれた中心導体56、57、5
8を有しており、各中心導体間は絶縁されている。中心
導体57、58の端部は容量素子40の電極パターンに
半田付けされて入出力端子を構成する。そして、その上
部に永久磁石60が接着された上ケース61を設け、上
ケース61と下ケース21をはめ合わせてアイソレータ
として組み立てられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近の移動体通信の分
野では、機器の携帯を容易ならしめるために小型化が急
速に進められており、使用されるアイソレータにおいて
も小型化、薄型化が強く求められている。従って、アイ
ソレータを構成する個々の部品においても小型化が検討
されており、永久磁石の小型化についても例外ではな
い。しかし、永久磁石の小型化を進めようとすると、永
久磁石の持つ起磁力が減少し、必要な直流磁界が前記マ
イクロ波磁性体に供給できなくなってしまう。この起磁
力減少を補うためには、ネオジウム−鉄−ボロン磁石や
サマリウム−コバルト磁石といった強力な磁力を持った
希土類磁石などの永久磁石を用いればよい。ところが、
これらの永久磁石は導電性であるため、前記マイクロ波
磁性体から漏れ出てくる磁界により内部に誘導電流を生
じ、結果的に非可逆回路素子の挿入損失を大きくしてし
まうという問題がある。
【0005】そこで本発明の目的は、永久磁石を小型化
するもので損失要因の大きい永久磁石を用いた場合であ
っても、起磁力減少を補うと共に挿入損失の増加を抑制
せしめた非可逆回路素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による集中定数型
非可逆回路素子は、フェライト及びこのフェライトと絶
縁状態を保って配置された中心導体とを有するマイクロ
波磁性体と、マイクロ波磁性体と電気的に接続された容
量素子と、マイクロ波磁性体に直流磁界を印加する永久
磁石と、これらを磁性ヨークを兼ねる金属製ケース内に
配置してなる非可逆回路素子であって、前記永久磁石に
は良導体材質によるコーティング膜を施したものであ
る。
【0007】また、前記コーティング膜による効果が十
分発揮されるためには、コーティング膜の電気伝導度が
前記永久磁石の電気伝導度より大きいことが望ましく、
金属中もっとも電気伝導度の大きい銀、銅もしくはそれ
らを主体とする合金を材質とするコーティング膜が最も
有効である。例えば、永久磁石は薄型化が可能なネオジ
ウム−鉄−ボロン磁石(Nd−Fe−B)やサマリウム
−コバルト磁石(Sm−Co)といった磁気特性の高い
希土類磁石を用いるとき、Nd−Fe−B磁石の電気伝
導度が約6×10S/m、Sm−Co磁石が約1×1
であるのに対し、銀のコーテイング膜は約6×10
S/m、金のそれは約4×10S/mであり、およ
そ1桁から2桁(10〜100倍)程度大きな電気伝導
度特性を持つコーテイング膜を形成すると挿入損失を抑
制することができる。
【0008】また、さらにコーティング膜は薄すぎても
効果を発揮することができない。その膜厚tは、使用さ
れる周波数帯の中心周波数をf0、前記コーティング膜
の電気伝導度をK、透磁率をUとしたとき、 で表される厚さt0より大きく厚いことが望ましい。例
えば、使用周波数f0が1GHzで銀のコーティング膜
tを施すとき、効果を得ることができる最小の膜厚t0
は2μmである。従って、このとき銀のコーティング膜
の膜厚tは2μm以上が必要である。尚、本発明で用い
られる永久磁石は、導電性の永久磁石だけではなく透磁
率の複素数成分が大きい非導電性の永久磁石、例えばボ
ンド磁石などの場合でも有効に作用するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。図1は、本発明によるアイソレータの分解斜視図で
もある。即ち、アイソレータの基本構成は従来のものと
同様であり、上述したように上ケース61、永久磁石6
0、マイクロ波磁性体50、容量素子40、アース板3
0、下ケース21から構成されている。本発明において
従来と異なる点は、永久磁石60の外面に例えば金、銀
若しくは銅などの良導体金属を主成分とするコーティン
グ膜が施してあることである。その他の構成については
同様であるのでここでの説明は省略する。また、図1以
外の構造のアイソレータに本発明を用いても良いことは
無論である。
【0010】アイソレータにおいては、中心導体中に電
流が流れ、外部にマイクロ波磁界を発生し、マイクロ波
磁性体を磁化することにより動作している。ところがこ
の電流が作り出すマイクロ波磁界や、マイクロ波磁性体
が磁化されて発するマイクロ波磁界は、永久磁石内部に
も入り込もうとする。永久磁石による損失を抑えるため
には、これらのマイクロ波磁界をなるべく至急に永久磁
石内に入り込めないようにすればよいと言える。そこ
で、本発明のように、良好な導電性をもつ材質で永久磁
石をコーティングすることによってマイクロ波磁界はコ
ーティング膜により反射され、永久磁石まで到達するこ
とがなくなる。このとき、コーティング膜が良好な導電
性でなければ、コーティング膜自体で損失が発生してし
まうので好ましくない。よって、より効果的に損失を抑
制するためには、金属中もっとも電気伝導度の大きい
銀、銅もしくはそれらを主体とする合金を材質とするコ
ーティング膜が有効である。
【0011】また、コーティング膜の厚さが十分でない
と、コーティング膜の面抵抗が十分低くならず、マイク
ロ波磁界をすべて反射することができない。一定以上の
厚さがないと一部は永久磁石まで到達しそこで吸収され
損失となる。一般にマイクロ波が良導体に進入する距離
は、表皮深さと呼ばれ、これをt0とする。また、使用
されるマイクロ波の中心周波数をf0、コーティング膜
の電気伝導度をK、透磁率をUとすれば、表皮深さ(厚
さ)t0は、
【0012】
【式1】
【0013】で表される。ここで、導電性コーティング
膜の厚さtとしては、この表皮深さt0より厚くしない
とマイクロ波はコーティング膜の裏面まで達し、一部は
通り抜けてしまうことになる。したがって、コーティン
グ膜の厚さtはこの表皮深さt0より大きく厚いことが
必要である。
【0014】
【実施例】(実施例1)本発明によるマイクロ波用非可
逆回路素子の実施例1について説明する。非可逆回路素
子、即ちアイソレータとしては図1に示す構造のものを
用いている。ただし、永久磁石60についてはネオジウ
ム−鉄−ボロン系の希土類磁石に対し、コーティング膜
として表面に厚み10μmの銀メッキ(銀95%以上)
を施してある。この永久磁石の電気伝導度は約6×10
S/mであり、対して銀の電気伝導度は約6×10
S/mであるのでコーティング膜の方が約100倍大き
い伝導度を持っている。このアイソレータについて電気
特性を測定したところ、周波数1GHzで挿入損失−0.
4dBが得られた。
【0015】本発明の効果を確認するため比較例とし
て、同じ構造で、コーティング膜のない永久磁石を用い
たアイソレータを製作し、同様に特性を測定したとこ
ろ、挿入損失は−0.5dBとなり、本発明を利用した
構造と比較し0.1dB損失が大きくなった。このこと
から、本発明の効果が確認できた。
【0016】(実施例2)つぎにコーティング膜の必要
な厚みについて検討するため、銀メッキの厚みを変え効
果を見た。上記実施例と同じ構造及び永久磁石を用い
て、銀メッキ膜厚を2μm、5μm、20μmの場合に
ついて挿入損失を測定したところ、それぞれ−0.45
dB、−0.42dB、−0.40dBとなった。前記
式1で定義される厚みt0はこの場合2μmであるが、
t0と同等のの厚みでも効果はあるものの、より厚けれ
ば、より効果が大きいことが判明し、本発明の効果が確
認できた。
【0017】
【発明の効果】以上に説明したように、集中定数型非可
逆回路素子の永久磁石に導電性あるいは透磁率の複素成
分が大きいといった永久磁石を用いて小型薄型化を計る
とき、当該永久磁石に良導体材質によるコーティング膜
を施すこと、特に永久磁石の電気伝導度より大きく、そ
の表皮厚さより厚いコーティング膜を設けることによっ
て、挿入損失の増大を招くことなくマイクロ波用集中定
数型非可逆回路素子の小型化、薄型化を達成することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集中定数型非可逆回路素子の一例を示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
60:永久磁石 50:マイクロ波磁性
体 40:容量素子 30:アース板 61:金属上ケース 21:金属下ケース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を用いた集中定数型非可逆回路
    素子において、前記永久磁石に良導体材質によるコーテ
    ィング膜を設けたことを特徴とする集中定数型非可逆回
    路素子。
  2. 【請求項2】 前記コーティング膜の電気伝導度が前記
    永久磁石の電気伝導度より大きいことを特徴とする請求
    項1に記載の集中定数型非可逆回路素子。
  3. 【請求項3】 前記集中定数型非可逆回路素子が使用さ
    れる周波数帯の中心周波数をf0、前記コーティング膜
    の電気伝導度をK、透磁率をUとしたとき、 で表される厚さt0より前記コーティング膜の厚さtの
    方が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の集
    中定数型非可逆回路素子。
JP2000015370A 2000-01-25 2000-01-25 集中定数型非可逆回路素子 Pending JP2001211009A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000015370A JP2001211009A (ja) 2000-01-25 2000-01-25 集中定数型非可逆回路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000015370A JP2001211009A (ja) 2000-01-25 2000-01-25 集中定数型非可逆回路素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001211009A true JP2001211009A (ja) 2001-08-03

Family

ID=18542684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000015370A Pending JP2001211009A (ja) 2000-01-25 2000-01-25 集中定数型非可逆回路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001211009A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2184802B1 (en) Irreversible circuit element
JP3417370B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信機装置
JP2012070316A (ja) 複合電子モジュール、この複合電子モジュールの製造方法
JP2001211009A (ja) 集中定数型非可逆回路素子
US6396361B1 (en) Non-reciprocal circuit element with ground terminals on one side free of input/output terminals
JP4345254B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP6705472B2 (ja) 非可逆回路素子及びこれを用いた通信装置
JP2000114818A (ja) 集中定数型非可逆回路素子
JP4288638B2 (ja) 集中定数型非可逆回路素子
KR100317276B1 (ko) 집중 정수형 아이솔레이터
JP4811578B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信機器
WO2012035724A1 (ja) 複合電子モジュール
JP2019134337A (ja) 非可逆回路素子および高周波フロントエンド回路モジュール
JP4106650B2 (ja) 非可逆回路素子
JPH1197911A (ja) 集中定数型非可逆回路素子
US6535074B2 (en) Non-reciprocal circuit element, lumped element type isolator, and mobile communication unit
JP5821093B2 (ja) 非可逆回路素子
JP3395748B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信機装置
US6844790B2 (en) Non-reciprocal circuit device
JPH10276014A (ja) 非可逆回路素子
JPH11308013A (ja) 集中定数型非可逆回路素子
JP2001358504A (ja) 非可逆回路素子および通信装置
JP2023067826A (ja) 非可逆回路素子及びこれを備える通信装置
JP2001257507A (ja) 非可逆回路素子および移動体通信端末
JP2001119211A (ja) 非可逆回路素子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050826

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051215