JP2001210506A - 希土類異方性シート磁石とその製造方法 - Google Patents

希土類異方性シート磁石とその製造方法

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JP2001210506A
JP2001210506A JP2000020190A JP2000020190A JP2001210506A JP 2001210506 A JP2001210506 A JP 2001210506A JP 2000020190 A JP2000020190 A JP 2000020190A JP 2000020190 A JP2000020190 A JP 2000020190A JP 2001210506 A JP2001210506 A JP 2001210506A
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magnet
powder
magnet powder
anisotropic sheet
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Takeshi Anpo
武志 安保
Yasuhiko Iriyama
恭彦 入山
Katsutoshi Ito
勝敏 伊藤
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Daido Electronics Co Ltd
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    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
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    • H01F41/0273Imparting anisotropy

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界を印加することなく成形することがで
き、したがって残留磁化が(実質的に)ゼロであり、高
い磁気特性を有する希土類異方性シート磁石とその製造
方法を提供する。 【解決手段】 特定方向に磁気異方性を有する扁平形状
の希土類磁石粉末が、ゴム弾性を有するマトリックスの
中に配向して配合されており、かつ、残留磁気が(実質
的に)ゼロである希土類異方性シート磁石であり、磁界
を印加することなく、ロール圧延のような塑性加工を適
用して製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は希土類異方性シート
磁石とその製造方法に関し、更に詳しくは、いわゆる希
土類ボンド磁石に属する磁石であって、従来のように磁
界を印加しながら成形することなく製造することがで
き、したがって残留磁気が実質的にゼロであり、高い磁
気特性を有する希土類異方性シート磁石とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類磁石粉末に樹脂バインダを配合し
て成る混合物を押出成形や射出成形して製造したいわゆ
る希土類ボンド磁石は、形状の自由度が高く、また寸法
精度も高くすることができるので、薄肉で精密さが要求
されるOA機器やAV機器などに組み込まれる小型モー
タ用の磁石として広く用いられている。しかしながら、
この磁石の場合、配合されている磁石粉末の磁化容易軸
は無秩序に全ゆる方向を向いているので、全体として磁
気等方性を示し、希土類異方性磁石に比べてエネルギー
積が小さいという問題がある。
【0003】ところで、希土類異方性磁石は、前記した
混合物の成形を磁場中で行って、所定形状に成形すると
同時に磁気異方性を付与して製造されている。例えば、
異方性シート磁石の場合には、成形シートの厚み方向に
磁界を印加することにより、シートの厚み方向に磁化容
易軸を揃えて製造されている。したがって、製造後の希
土類異方性シート磁石に対しては、実使用に先立って、
脱磁または消磁を行うことが必要になる。
【0004】しかしながら、希土類磁石は強磁性材料で
あるため、その脱磁や消磁に際しては強力な磁界の形
成、すなわち大エネルギーの投入が必要となり、現実問
題としては完全に脱磁または消磁することが困難であ
る。その結果、処理後の希土類異方性シート磁石は残留
磁気を帯びることになる。そのような事態が起こると、
その磁石は環境中の磁性粉を吸着することになるため、
用途分野などが制限されるようになってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁場中で成
形される従来の希土類異方性シート磁石における上記し
た問題を解決し、高い異方化度を備えるとともに残留磁
気が実質的にゼロである希土類異方性シート磁石と、そ
れを後述する方法で製造される希土類磁石粉末を用いる
ことにより、磁界を印加することなく製造する方法の提
供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、特定方向に磁気異方性を有
する扁平形状の希土類磁石粉末が、ゴム弾性を有するマ
トリックスの中に、長軸方向に配向して配合されてお
り、かつ、残留磁気が実質的にゼロであることを特徴と
する希土類異方性シート磁石が提供される。
【0007】また、本発明においては、特定方向に磁気
異方性を有する扁平形状の希土類磁石粉末とゴム弾性を
有するマトリックスとを混合し、得られた混合物を塑性
加工、好ましくはロール圧延を行ってシート状に成形す
ることを特徴とする希土類異方性シート磁石の製造方法
が提供される。そして、前記希土類磁石粉末は、目的組
成の希土類合金を溶製し、得られた溶湯を溶湯急冷法で
薄帯にしたのち粉砕し、得られた粉末に対して温度65
0〜900℃で1軸方向またはクロス方向に塑性加工を
行い、ついで粉砕して製造される希土類異方性シート磁
石の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のシート磁石は、後述する
ゴム弾性を有するマトリックスの中に希土類磁石粉末が
配合された複合構造になっていることは従来のボンド磁
石の場合と同じであるが、上記希土類磁石粉末が、後述
する方法で製造されることによって、特定方向に磁気異
方性を有する扁平形状の粉末であることが相違してい
る。
【0009】この希土類磁石粉末としては、Nb−Fe
−B系磁石粉末,Sm−Fe−N系磁石粉末、またはR
−Co系磁石粉末(ただし、Rは、Sm,Nd,Pr,
Ce,Dyの群から選ばれる少なくとも1種の希土類元
素を表す)を好適例としてあげることができる。いずれ
も強磁性であり、製造したシート磁石の最大エネルギー
積((BH)max)を高位水準にすることができるから
である。
【0010】これらの粉末は、いずれも、それを一方向
またはクロス方向に塑性変形させると磁気異方性を発現
するが、とくにNb−Fe−B系磁石粉末は強い磁気異
方性を発現するので好適である。 また、次式:RxFe(100-x-y-z-w)Coyzw (ただし、RはYを含む希土類元素の1種または2種以
上であり、Tは、Ga,Si,Al,C,Ni,Cu,
Zn,In,Mn,Nb,Ta,Tiの群から選ばれる
少なくとも1種を表し、x,y,z,wは、それぞれ、
12.5≦x≦16,0≦y≦10,4.8≦z≦6.
5,0≦w≦1の関係を満足する数を表す)で示される
組成から成る希土類磁石粉末も同様な理由で使用するこ
とができる。
【0011】本発明のシート磁石に用いる上記した磁石
粉末は次のようにして製造することができる。その1例
を以下に説明する。まず、所定組成の合金を溶製する。
ついで、その溶湯を、所定の周速で回転するドラムの周
面に噴射することにより超急冷して当該合金の薄帯を製
造する。得られた薄帯を粉砕したのちその粉末を容器内
に充填し、アルゴンのような不活性ガス中で、例えば温
度650〜900℃に加熱しながら容器も含めた全体を
一方向に圧縮して塑性変形させる。その後、容器から加
工粉末を取り出し、それを所定粒度に粉砕する。
【0012】得られた粉末は、圧縮方向に押しつぶされ
た扁平形状になっており、その厚み方向が磁化容易軸に
なっていて、磁気異方性を有している。このとき、塑性
変形時の変形量を変化させることにより、上記した磁気
異方性における異方化度を適宜に調節することができ
る。本発明においては、圧縮比を3〜20程度に設定す
ると、製造するシート磁石に異方性を確実に発現せしめ
ることができるという点で好適である。
【0013】このようにして製造された希土類磁石粉末
を用いることにより、本発明のシート磁石はつぎのよう
にして製造される。まず、磁石粉末とそのマトリックス
になる材料を所定の割合で混合して混合物を調製する。
マトリックスになる材料としては、後述する成形後のシ
ート磁石にゴム弾性を付与でき、かつ、磁石粉末を結着
することができる材料であれば何であってもよいが、例
えば、天然ゴム,ニトリルゴム,塩素化ポリエチレン,
ネオプレンゴム,クロロプレンゴム,液状ゴム,各種の
熱可塑性エラストマー、またはこれらの混合物をあげる
ことができる。なお、混合に先立ち、用いる磁石粉末に
例えばシランカップリング剤で表面処理を施しておく
と、上記した材料と磁石粉末との結着性が高まり、シー
ト磁石の可撓性が向上するので有効である。
【0014】混合物の調製時における磁石粉末の混合割
合は、製造するシート磁石に要求される磁気特性との関
係で適宜に決められる。一般に、ボンド磁石において
は、配合する磁性粉末が増量すればするほどその磁石の
磁気特性、例えば(BH)maxはほぼ比例的に増大して
いく。したがって、本発明のシート磁石の場合において
も、前記混合物における希土類磁石粉末の混合割合を大
きくすることは磁気特性の向上という点で有効である。
しかしながら、あまり多量に混合すると、製造したシー
ト磁石の可撓性が低下して実使用時にひび割れなどを起
こすことがあるとともに、製品のコストを高めて不経済
になる。このようなことから、希土類磁石粉末の混合割
合は95重量%を上限に設定することが好ましい。
【0015】そして、本発明で用いる希土類磁石粉末
は、その磁気異方性が優れているので、従来からボンド
磁石の主流として使用されている等方性ボンド磁石の場
合に比べて、より少ない混合割合であっても、得られた
シート磁石は等方性ボンド磁石とほぼ同等の磁気特性を
発現する。例えば、従来から知られている等方性ボンド
磁石の場合、磁石粉末の混合割合を93〜94重量%程
度にして、(BH)maxが55.7〜59.7kJ/m3程度
のものが製造されている。
【0016】しかしながら、本発明のシート磁石では、
(BH)maxを55.7〜59.7kJ/m3にしようと思え
ば、上記した希土類磁石粉末の混合割合は80〜85重
量%程度にすれば充分である。また、従来から知られて
いるフェライトゴム磁石の場合、その(BH)maxは1
1.9kJ/m3程度であるが、本発明のシート磁石でこの
程度の水準の磁気特性を得るためには、上記した希土類
磁石粉末の混合割合は30重量%程度で充分である。
【0017】このようなことから、本発明のシート磁石
では、前記した希土類磁石粉末の混合割合を80〜95
重量%とすることにより、従来と同等またはそれ以上の
磁気特性を発現せしめることができる。また、用いる磁
気粉末の粒度と製造されるシート磁石の磁気特性の間に
は相関関係がある。
【0018】用いる磁石粉末の粒径が小さくなると、当
該粉末の単位重量当たりの表面積は大きくなるため粉砕
時の酸化が進んでその磁気特性の低下を引き起こすた
め、製造するシート磁石の嵩密度が低下すると同時に、
磁気特性も低下する。逆に用いる磁気粉末の粒径が大き
くなると、当該粉末の磁気異方性が低下し、また後述す
るシート磁石の成形時における磁石粉末の配向性が悪く
なるため、得られたシート磁石の異方化度が低下してく
る。
【0019】このようなことから、本発明で用いる磁石
粉末の粒径は、5〜200μmであることが好ましい。
より好ましくは20〜80μmである。なお、ここでい
う粒径とは、扁平形状をしている粉末粒子において、そ
の扁平面の長軸方向の長さのことを指す。上記した磁石
粉末とマトリックス材料の混合物に対し、次に、磁界を
印加することなく機械的な手段で塑性加工を行い、シー
ト磁石に成形する。
【0020】この塑性加工時に、混合物におけるマトリ
ックス材料の流れ方向に沿って扁平形状をしている磁石
粉末はその長軸方向に配向する。その結果、得られたシ
ート磁石はシート面と直交する方向に磁化容易軸が揃う
ことになり、磁気異方性が発現する。そして、磁界を印
加することなくこのシート磁石は成形されているので、
磁石粉末の磁化は起こらず、残留磁化は実質的にゼロに
なっている。
【0021】このときの塑性加工とは、例えば、ロール
圧延成形,押出成形,圧縮成形などを採用することがで
きるが、生産性が高く量産性に富むという点でロール圧
延が好適である。ロール圧延を行う場合、圧下する両方
のロールの周速が同じであってもよいが、相対的に周速
が異なるロール間に上記混合物を通すことが好ましい。
圧延時に混合物に剪断力が加わり、そのことによって磁
石粉末の配向性が高まりシート磁石の異方化度が向上す
るからである。
【0022】また、ロール間の隙間は、成形するシート
磁石の厚みとの関係で決められるが、シート磁石の目的
の厚みに対し、1.0〜20倍程度の圧下量に設定する
ことが好ましい。圧下量が大きすぎると、ロール圧延時
にシート磁石の引きちぎれや磁石粉末の破損が起こり、
また圧下量が小さすぎると、マトリックス材料の弾性に
基づく復元力により目的厚みのシート磁石の成形が困難
であると同時に磁石粉末の配向性が悪くなって異方化度
の低下が起こるようになるからである。
【0023】更に、圧延のパス回数が少ない場合は、磁
石粉末のマトリックス材料内における固定を充分に達成
できず、またパス回数を多くしすぎても磁石粉末の固定
という点では無駄であるため、パス回数は3〜10回に
設定することが好ましい。なお、圧延方向は1軸方向で
もクロス方向でもよい。
【0024】
【実施例】実施例1 1)希土類磁石粉末の製造 Nd:13.33原子%,Fe:74.96原子%,C
o:6.06原子%,B:5.65原子%から成る組成の
合金を、高周波加熱して温度1500℃の溶湯にした。
【0025】ついで、この溶湯を、周速24m/secで
回転する銅製単ロールの周面に噴射して超急冷し、合金
薄帯にした。そして、この合金薄帯を粉砕して粒径30
0μm以下の粉末にし、この粉末の磁化容易軸と磁化困
難軸における磁気特性を振動試料型磁力計(VSM)で
測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、この磁石粉末は
ほぼ磁気等方性であり、しかもその磁気特性は必ずしも
高いものではない。ついで、上記した粉末1000g
を、肉厚3mm,内径60mm,高さ150mmの容器に充填
したのち真空ホットプレスにセットした。そして、真空
ホットプレス内が5×10-2Torrになるまで真空引きし
たのちアルゴンを導入してプレス内の圧力を再び1気圧
にした。
【0028】ついで、高周波加熱して容器と粉末温度を
800℃にしたのち、プレス成形した。このとき、圧縮
比は3.3に設定した。室温まで冷却後、容器から合金
を取り出したのち粉砕し、扁平形状をし、その長軸方向
の長さ(粒径)が150μm以下の磁石粉末にした。こ
の磁石粉末における扁平面に直交する方向の磁気特性と
長軸方向における磁気特性を測定した。その結果を表2
に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、この希土類磁石
粉末は、扁平面と直交する方向が磁化容易軸で、長軸方
向が磁化困難軸である磁気異方性を有している。 2)シート磁石の製造 上記した粉末をまずシランカップリング剤で表面処理し
たのち、塩素化ポリエチレンと混合・混練して混合物を
調製した。
【0031】この混合物に対し、相対回転数比が1:
1.1で回転し、ロール間の隙間が1.0mmであり、直径
200mmの2本のロールを用い、パス回数10回のロー
ル圧延を行って、厚み1.0mmのシート磁石を成形し
た。 3)シート磁石の磁気特性 得られたシート磁石から、直径18mm,厚み1.0mmの
円板試料を打ち抜き、それを8枚重ねて、BHトレーサ
で(BH)maxを測定した。
【0032】その結果を、用いた磁石粉末の混合割合
(重量%)との関係図として図1に示した。なお、比較
のために、組成が27%Nd−5%Co−1%B−Fe
から成り、粒度が30〜150μmの磁石粉末の混合割
合が93.5重量%であり、磁場中で成形された従来の
等方性シート磁石Aの(BH)maxをAとして示した。
【0033】図1から明らかなように、本発明の異方性
シート磁石は、磁石粉末の混合割合が80重量%程度で
あっても、従来の等方性シート磁石Aと同等の磁気特性
を有している。そして従来の等方性シート磁石Aと同量
の磁石粉末を配合すると、(BH)maxは95.5kJ/m
3程度になり、優れた磁気特性を発揮している。また、
実施例のシート磁石につき残留磁化を測定したところ、
0A/mと実質的にゼロであった。
【0034】更に、実施例の各シート磁石につき、シー
ト面と直交する方向の(BH)maxとシート面方向(圧
延方向)の(BH)maxを測定し、前者を後者で除算し
て異方化度を測定したところ、1.5〜6.0の範囲内に
あった。 実施例2 実施例1で用いた異方性磁石粉末を篩い分けして粒径が
異なる磁石粉末を用意し、各磁石粉末をシランカップリ
ング剤で表面処理したのち、磁石粉末93.5重量%,
ニトリルゴム6.5重量%の割合で混合して混合物にし
た。
【0035】この混合物を、パス回数が7回であったこ
とを除いては実施例1の場合と同じようにロール圧延し
て厚み1mmのシート磁石にした。得られたシート磁石の
(BH)maxを測定し、その結果を、用いた異方性磁石
粉末の粒径との関係図として図2に示した。図2から明
らかなように、粒径と(BH)maxの間には明確な相関
関係が存在している。そして、粒径が8〜200μm程
度の異方性磁石粉末を用いて製造した実施例のシート磁
石は、いずれも、前記した従来の等方性シート磁石Aよ
りも優れた磁気特性を示したものになる。また、粒径を
20〜75μmのものを用いると、シート磁石の(B
H)maxは87.6kJ/m3以上になり、非常に優れた磁
気特性を発揮している。
【0036】なお、実施例2で製造したシート磁石の残
留磁化は、いずれも、0A/mと実質的にゼロであり、
また異方化度は1.5〜6.0の範囲にあった。 実施例3 実施例1で用いた異方性磁石粉末を篩い分けして、粒径
が50μmのものを用意し、これをシランカップリング
剤で表面処理したのち、磁石粉末93重量%,ネオプレ
ンゴム7重量%の割合で混合して混合物にした。
【0037】相対回転数が1:1.1で、相互の隙間
(t)を0.5〜5mmに変化させた2本のロールで、上
記混合物をロール圧延して厚み0.5〜5.0mmのシート
磁石を成形した。得られたシート磁石の(BH)maxを
測定し、各t値の場合につき、ロール圧延時のパス回数
との関係図として図3に示した。図3から明らかなよう
に、ロール間の隙間(t)は2mm以下であることが好ま
しく、またパス回数は3回以上にすることが好ましい。
【0038】なお、得られた各実施例のシート磁石は、
いずれも、残留磁化が0A/mと実質的にゼロであり、
また異方化度は1.2〜6.5の範囲内にあった。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
希土類異方性シート磁石は、用いる磁石粉末それ自体が
強磁性材料の希土類磁石で、かつ、形状磁気異方性を帯
びているので、磁場中で成形しなくても優れた異方化度
を示し同時に優れた磁気特性を発揮し、また良好な可撓
性を備えている。そして、磁場中で成形しないので、本
発明のシート磁石の残留磁化は実質的にゼロとなり、従
来のような実使用に先立つ消磁や脱磁は不要になる。
【0040】したがって、本発明のシート磁石は、各種
の電子機器用の小型モータや、小型で強力な吸着用材料
などへの分野の用途が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート磁石における磁石粉末の混合割
合と(BH)maxとの関係を示すグラフである。
【図2】本発明のシート磁石における磁石粉末の粒径と
(BH)maxとの関係を示すグラフである。
【図3】本発明のシート磁石の製造時におけるロール間
の隙間,ロールパス回数と(BH)maxとの関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/06 H01F 1/04 A 41/02 1/06 A Fターム(参考) 4K017 BA03 BA06 BB12 BB18 CA03 DA04 EA03 EC02 ED01 4K018 AA11 AA27 BA05 BA18 BB01 BB04 BC08 BD01 CA09 CA33 CA38 GA04 HA08 KA46 5E040 AA03 AA04 AA06 AA19 BB04 BB06 CA01 HB05 NN01 NN04 NN06 NN18 5E062 CC04 CD04 CE05 CF07 CG01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定方向に磁気異方性を有する扁平形状
    の希土類磁石粉末が、ゴム弾性を有するマトリックスの
    中に、長軸方向に配向して配合されており、かつ、残留
    磁気が実質的にゼロであることを特徴とする希土類異方
    性シート磁石。
  2. 【請求項2】 前記希土類磁石粉末が、Nd−Fe−B
    系磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石粉末、または、R−
    Co(ただし、Rは、Sm,Nd,Pr,Ce,Dyの
    群から選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表す)系
    磁石粉末のいずれかである請求項1の希土類異方性シー
    ト磁石。
  3. 【請求項3】 前記希土類磁石粉末が、次式: RxFe(100-x-y-z-w)Coyzw (ただし、RはYを含む希土類元素の1種または2種以
    上であり、Tは、Ga,Si,Al,C,Ni,Cu,
    Zn,In,Mn,Nb,Ta,Tiの群から選ばれる
    少なくとも1種を表し、x,y,z,wは、それぞれ、
    12.5≦x≦16,0≦y≦10,4.8≦z≦6.
    5,0≦w≦1の関係を満足する数を表す)で示される
    組成を有する希土類−Fe−B系磁石粉末である請求項
    1または2の希土類異方性シート磁石。
  4. 【請求項4】 前記ゴム弾性を有するマトリックスが、
    天然ゴム,ニトリルゴム,塩素化ポリエチレン,ネオプ
    レンゴム,クロロプレンゴム,液状ゴム、または熱可塑
    エラストマーのいずれかから成る請求項1の希土類異方
    性シート磁石。
  5. 【請求項5】 前記希土類磁石粉末の配合割合が80〜
    95重量%である請求項1の希土類異方性シート磁石。
  6. 【請求項6】 粒度10〜150μmの前記希土類磁石
    粉末の配合量が80重量%以上である請求項5の希土類
    異方性シート磁石。
  7. 【請求項7】 特定方向に磁気異方性を有する扁平形状
    の希土類磁石粉末とゴム弾性を有するマトリックスとを
    混合し、得られた混合物を塑性加工してシート状に成形
    することを特徴とする希土類異方性シート磁石の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記可塑加工がロール圧延で行われる請
    求項7の希土類異方性シート磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ロール圧延を、同一混合物に対して
    少なくとも3回行う請求項8の希土類異方性シート磁石
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記希土類磁石粉末は、目的組成の希
    土類合金を溶製し、得られた溶湯を溶湯急冷法で薄帯に
    したのち粉砕し、得られた粉末に対して温度650〜9
    00℃で1軸方向に塑性加工を行い、ついで粉砕して製
    造される、請求項7〜8のいずれかの希土類異方性シー
    ト磁石の製造方法。
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