JP2001208944A - 光ファイバテープ心線の一括被覆ダイス装置及び製造方法 - Google Patents

光ファイバテープ心線の一括被覆ダイス装置及び製造方法

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JP2001208944A
JP2001208944A JP2000019738A JP2000019738A JP2001208944A JP 2001208944 A JP2001208944 A JP 2001208944A JP 2000019738 A JP2000019738 A JP 2000019738A JP 2000019738 A JP2000019738 A JP 2000019738A JP 2001208944 A JP2001208944 A JP 2001208944A
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coating
die
fiber ribbon
nipple
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Shigenori Takagi
重徳 高木
Hiroshi Kato
浩 加藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバテープ心線10中の光ファイバ1
0a間の間隔の変動及び配列段差を小さくして、多心コ
ネクタとの接続を容易とする。 【解決手段】 光ファイバ10aを平面上に並列した上
にプラスチックを一括被覆してなる光ファイバテープ心
線10を製造するニップル部1とダイス部2とスリーブ
部3からなる一括被覆ダイス装置20において、前記ニ
ップル部1が前記平面上に並列した光ファイバ位置決め
孔1dを有する一括被覆ダイス装置20及びこの装置を
使用する光ファイバテープ心線10の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定間隔で並列し
た光ファイバからなる光ファイバテープ心線の製造に使
用する一括被覆ダイス装置及び光ファイバテープ心線の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信用の通信器機間をつなぐ光
ケーブルについては、配線を容易とするために、図5に
例示するように、平面上に相互に接触した状態で並列し
た複数本の光ファイバ心線上に被覆樹脂を一括被覆した
光ファイバテープ心線が使用される(特開平6−634
83号公報、特開平7−209565号公報)。ここ
に、10は光ファイバテープ心線、10aは光ファイバ
心線、10bは一括被覆層である。
【0003】しかし、最近、多心コネクタとの接続性を
高めるために、図4(b)に例示するような横断面構造
を有する、多心コネクタと同じ一定の間隔で光ファイバ
を平面上に並列した光ファイバテープ心線が使用される
ようになってきた(特開平8−146239号公報、1
998年電子情報通信学会通信ソサエテイ大会 B−1
2−52 374ページ 石田 他3名、1998年電
子情報通信学会通信ソサエテイ大会 B−10−31
353ページ 藤谷 他4名)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ファ
イバを一定の間隔で平面上に並列した光ファイバテープ
心線(以下、単に光ファイバテープ心線という。)につ
いて、図4(b)に例示するように、隣接する光ファイ
バ間の中心間距離である光ファイバ間隔m(以下、単に
光ファイバ間隔という。)が不揃いであったり、配列段
差hがあると、多心コネクタとの接続が容易でなく、ま
た伝送特性にばらつきを生ずるという不都合が生ずる。
【0005】これを解決するために、図4(a)に例示
するように、光ファイバの上に被覆樹脂液を一括被覆す
る一括被覆ダイス装置20aの前に、平面上に一定の間
隔で並列する光ファイバ位置決め孔を有する配列目板3
0を使用して光ファイバ間隔を揃える方法が考えられ
る。しかしながらこの方法では、配列目板30の光ファ
イバ位置決め孔を通過した後に空気中で光ファイバが機
械的に振動し又は静電気に起因して横揺れするために十
分な効果を発揮することができない。なお、図4(a)
において、1fはニップル部、2はダイス部、3はスリ
ーブ部である。
【0006】一方、特開平8−146239号公報にお
いて、一括被覆ダイス装置のニップル部及びダイス部の
中の紫外線硬化樹脂液中に所定のピッチの溝を設けた回
転ローラを配置し、この溝中を接線方向に並列した光フ
ァイバを通過させてその間隔を調整する方法が提案され
ている。しかしながら、この提案は光ファイバテープ心
線中の光ファイバの間隔を連続的に変化させる技術を開
示するものであって、光ファイバ間隔を一定にしようと
する前記課題を解決するものではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光ファイバを平面上に並列した上に被覆樹脂液を一
括被覆してなる光ファイバテープ心線を製造するニップ
ル部とダイス部とスリーブ部からなる一括被覆ダイス装
置において、前記ニップル部が前記平面上に並列した光
ファイバ位置決め孔を備えている一括被覆ダイス装置で
ある。本発明は、光ファイバ上に被覆樹脂液を一括被覆
して光ファイバテープ心線を製造する前記一括被覆ダイ
ス装置のニップル部が、光ファイバが進行する方向(以
下、単に軸方向という。)を含む前記平面上に並列した
光ファイバ位置決め孔を備える構成を採用する。
【0008】この構成により、光ファイバ位置決め孔に
より光ファイバが高精度に位置決めされた直後に被覆樹
脂液を一括被覆することが可能となり、光ファイバテー
プ心線中の各光ファイバ間隔の変動(以下、光ファイバ
間隔変動という。)や配列段差を顕著に小さくすること
ができる。この結果、光ファイバテープ心線と多心コネ
クタとの接続が容易となり光ファイバの配線作業が効率
化され、伝送特性のバラツキが減少するという効果が得
られる。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記光ファイバ
位置決め孔の内径が前記光ファイバの外径よりも10μ
m〜60μmの長さだけ大きい一括被覆ダイス装置であ
る。本発明は、一括被覆ダイス装置のニップル部の位置
決め孔の内径が前記光ファイバの外径よりも10μm〜
60μmの長さだけ大きい構成を採用することにより、
光ファイバ位置決め孔と光ファイバとの接触による損傷
や断線を回避し、かつ光ファイバ間隔変動量や配列段差
を顕著に低減して、光ファイバテープ心線中の光ファイ
バを高精度に位置決めすることができるので好適であ
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記ダイス部の
アプローチ部の幅方向のテーパ角が2度〜−2度である
一括被覆ダイス装置である。本発明は、一括被覆ダイス
装置のダイス部の内部のアプローチ部の幅方向のテーパ
角が2度〜−2度である構成を採用することにより、そ
の内部の被覆樹脂液の不規則な流れの発生を抑制して光
ファイバ間隔変動量や配列段差を一層小さくすることが
できるので好適である。尚、本発明では、テーパ角がゼ
ロのときはアプローチ部がストレート状をなしているこ
とを示す。
【0011】請求項4に記載の発明は、前記一括被覆ダ
イス装置のニップル部の先端面に被覆樹脂液が接触した
状態で前記一括被覆ダイス装置を使用する光ファイバテ
ープ心線の製造方法である。本発明は、前記一括被覆ダ
イス装置のニップル部の先端面に樹脂溜り部中の被覆樹
脂液が接触した状態で前記一括被覆ダイス装置を使用し
て光ファイバテープ心線の製造する構成を採用する。
【0012】これにより、光ファイバが一括被覆ダイス
装置のニップル部を出た後に空気層を通過することなく
直接にダイス部中の被覆樹脂液に入るようにして、空気
中での前記機械的振動と静電気による横揺れの機会を除
去し、光ファイバ間隔変動量や配列段差を一層小さくし
た光ファイバテープ心線を製造することができるので好
適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3及び表1、表2
に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、同じ
部位には同じ番号を付して重複する説明を省略する。
【0014】図1は、本発明の一括被覆ダイス装置を示
す図である。図1(a)は、本発明の一括被覆ダイス装
置の幅方向の縦断面を、同図(b)は同図(a)のA−
A′横断面を、同図(c)は同図(a)のB−B′横断
面をそれぞれ示す。図2は、本発明の他の一括被覆ダイ
ス装置であって、ダイス部のアプローチ部の幅方向のテ
ーパ角θが負の場合を例示する図である。図3は、実施
例に係る4心の光ファイバテープ心線を示す図である。
図3(a)は光ファイバテープ心線の斜視図、同図
(b)は横断面図である。
【0015】(一括被覆ダイス装置の構造)図1におい
て、20は一括被覆ダイス装置であり、外径は約40m
m、長さは約50mmで、金属製である。1はニップル
部であり、光ファイバ10aを後述のダイス部へガイド
する機能と、軸方向を含む平面上に一定間隔で整列させ
進行方向に直交する方向の位置決めをする機能を有す
る。
【0016】2はダイス部であり、平面上に並列して進
入する光ファイバ10a上に被覆樹脂液を一括被覆する
機能を有する。3は、ニップル部1とダイス部2を、中
間に樹脂溜り部5が形成されるように、一体化するスリ
ーブ部であり、金属製のニップル部1とダイス部2の各
外径と同じ内径を有する金属製の円筒状体である。この
スリーブ部3の側壁には、図示しない被覆樹脂液供給装
置から樹脂溜り部5に供給される被覆樹脂液が通過する
樹脂液供給口3aを有している。
【0017】(ニップル部の内部構造)ニップル部1
は、入口から軸方向に、内径が一定のストレート部1a
と、テーパ状に縮小するテーパ部1bと、先端部に複数
の位置決め孔1dを備える位置決め部1cを有する(図
1(a)、図1(b)参照)。この位置決め孔1dは、
軸方向を含む平面上に光ファイバ間隔と同じ一定間隔で
並列している(図1(a)、図1(b)参照)。
【0018】この各光ファイバ位置決め孔1dに光ファ
イバ10aを各別に通過させることにより一括被覆した
光ファイバテープ心線10中の各光ファイバ10aを、
この光ファイバ位置決め孔1dと同じ間隔で高精度に位
置決めすることができる。
【0019】この位置決め孔1dの内径は、光ファイバ
間隔の精度を高める観点からはできるだけ光ファイバ1
0aの外径に近いものである必要があるが、光ファイバ
10aの外径との差が10μm未満であると、光ファイ
バ10aと位置決め孔1dの内壁面との接触により損傷
や断線を生じ、60μmを超えると光ファイバの位置決
め精度が低下することから、10μm〜60μmの範囲
が好適である。
【0020】特に、光ファイバ間隔変動量や配列段差が
40μm以下の高精度になると、多心コネクタとの接続
が極めて容易となるので、この観点も考慮すると光ファ
イバ10aの外径よりも20μm〜50μmの範囲が一
層好適である。
【0021】(ダイス部の内部構造)ダイス部2の内部
は、図1(a)及び図1(c)に例示するように、横断
面が偏平状の入口部と、出口部である偏平状の一括被覆
開口2bからなり、その間は軸方向に横断面がテーパ状
又はストレート状に変化するアプローチ部2aが形成さ
れている。
【0022】特に、ダイス部2のアプローチ部2aの幅
方向のテーパ角θは、ダイス部2中での被覆樹脂液の不
規則な流れを防止して、光ファイバテープ心線10中で
の光ファイバ10aの位置決め精度の低下を回避する観
点から2度〜−2度の範囲(θ=0を含む。)が好適で
ある。特に、光ファイバ間隔変動量や配列段差が40μ
m以下の高精度になると、多心コネクタとの接続が極め
て容易となり、この観点からテーパ角θが1度〜−1度
の範囲が一層好適である。
【0023】ダイス部2のアプローチ部2aの厚さ方
向、即ち図1の紙面に垂直な方向のテーパ角も、幅方向
のテーパ角θと同じ角度範囲に形成するのが好適であ
る。ダイス部2の先端部の一括被覆開口2bは、光ファ
イバテープ心線10の一括被覆層10bを形成すること
を目的として、この外形と整合する偏平形状をなしてい
る。
【0024】(樹脂溜り部)樹脂溜り部5は、ニップル
部1とダイス部2との間に形成され、一括被覆用の被覆
樹脂液を貯蔵する機能を有し、この被覆樹脂液は図示し
ない被覆樹脂液供給装置から樹脂液供給口3aを通じて
供給される。
【0025】(光ファイバテープ心線の製造方法)光フ
ァイバテープ心線10の製造は、まず平面上に並列した
光ファイバ10aを、一括被覆ダイス装置20のニップ
ル部1に導き、その各位置決め孔3a中を各別に通過さ
せて光ファイバ10aを一定の光ファイバ間隔と同じ間
隔に揃える。ニップル部1を通過した光ファイバ10a
は、ダイス部2において被覆樹脂液が一括被覆される。
【0026】この一括被覆された状態の光ファイバ10
aは、図示しない紫外線照射装置を通過し、紫外線が照
射されて紫外線硬化し一括被覆層10bが形成されるこ
とにより光ファイバテープ心線10の製造が完了する。
【0027】この場合において、樹脂溜り部5の中の被
覆樹脂液が常にニップル部1の先端面と接触するように
して空気層の形成を排除すると、前記の空気層中での光
ファイバ10aの機械的振動や静電気による横揺れを回
避でき、これに起因する光ファイバテープ心線10中の
光ファイバ間隔変動量や配列段差を従来よりも小さくす
ることができる。
【0028】
【実施例】本発明の一括被覆ダイス装置20を使用し
て、2心及び4心の光ファイバテープ心線10を製造
し、その光ファイバ間隔変動量及び配列段差について、
従来の製造方法により製造した光ファイバテープ心線と
比較する。
【0029】(4心の光ファイバテープ心線) (光ファイバテープ心線)本実施例の光ファイバテープ
心線10は、図3に示すように、4心の外径250μm
の光ファイバ10aからなり、その厚さは400μm、
幅は2000μm、光ファイバ10a間の中心間距離で
ある光ファイバ間隔は550μm、光ファイバ10a間
の隙間である光ファイバ間隙は300μmである。一括
被覆樹脂層10bは紫外線硬化樹脂からなる。
【0030】(一括被覆ダイス装置の構造)一括被覆ダ
イス装置20の外径は約40mm、長さは約50mm
で、材質は焼結合金である。ニップル部1の外径は約3
0mm、長さは約35mmで、内部は入口から軸方向に
向かって内径が変化しないストレート部1a、内径が縮
小するテーパ部1b、中心間距離が550μmで軸方向
を含む平面上に整列する4本の位置決め孔1dを備えた
位置決め部1cからなる。位置決め孔1dは、内径が2
60μm〜310μmの範囲で一定で、長さが約5mm
のストレート状をなし、ニップル部1の先端面1eに開
口している。
【0031】ニップル部1とダイス部2との間には樹脂
溜り部5が形成されている。樹脂溜り部5には、スリー
ブ部3の側面に開口する二つの樹脂供給口3aが形成さ
れ、この樹脂供給口3aを通じて図示しない被覆樹脂液
供給装置から被覆樹脂液が供給される。
【0032】ダイス部2は外径約30mm、長さ約10
mmである。ダイス部2のアプローチ部2aは、入口か
ら軸方向に幅方向のテーパ角θが2度〜−2度(θ=0
を含む。)の範囲でテーパ状又はストレート状に形成さ
れ、出口には光ファイバテープ心線10の偏平形状の外
形が得られる様、矩形の、四隅を円形に縁取った一括被
覆開口2bが形成されている。ダイス部2のアプローチ
部2aの厚さ方向のテーパ角は、幅方向のテーパ角θと
同じ角度とした。
【0033】(光ファイバテープ心線の製造)光ファイ
バテープ心線の製造は、まず4本の各光ファイバ10a
を、ニップル部1に導き、各別にその光ファイバ位置決
め孔1dを通過させて中心間隔が550μmで平面上に
並列させた。
【0034】次いで、樹脂溜り部5及ダイス部2の内部
に、温度が25℃、粘度が300Pa・sの紫外線硬化
樹脂液を充填しニップル部1の先端面1eと接触する状
態に維持した状態で、この並列した各光ファイバ10a
を通過させることにより、紫外線硬化樹脂液を一括被覆
した。一括被覆した4本の光ファイバ10aは、図示し
ない紫外線硬照射装置を通過させることにより紫外線硬
化樹脂層10bを紫外線硬化させて光ファイバテープ心
線10を製造した。
【0035】(光ファイバテープ心線の試験)製造した
光ファイバテープ心線10の、光ファイバ間隔変動量、
配列段差及び光ファイバ位置決め孔1dの内壁との接触
による損傷の有無を調べた。また、図4に示す配列目板
30及び一括被覆ダイス装置20aを使用して、従来の
製造方法により光ファイバテープ心線を製造し同様な試
験を行なって本発明の効果を明らかにした。試験結果を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例のNo1〜No4は、光ファイバ位
置決め孔1dの内径を光ファイバ10aの外径よりも1
0μm〜60μmの長さだけ大きくして260μm〜3
10μmとし、かつダイス部2のテーパ角θを0度とし
たケースである。
【0038】比較例は、図4(a)に示す、従来の、配
列目板30により光ファイバ10aを軸方向を含む平面
上に平行に整列させ、かつ光ファイバ位置決め孔1dを
欠く構造のニップル部1fを備えた一括被覆ダイス装置
20aを使用する一括被覆方法を採用し、他の条件は実
施例との比較を容易とするために、実施例のNo1〜N
o4の内で最も良好な結果が得られるNo2の実施例と
等価な条件を採用した。
【0039】表1より、実施例No1、No2の、光フ
ァイバ位置決め孔1dの内径をそれぞれ260μm、2
70μmとし、光ファイバ10aの外径250μmに対
してそれぞれ10μm、20μmの長さだけ大きくした
場合は、各光ファイバ間隔変動量が19μm、21μ
m、配列段差が26μm、23μmでいづれも比較例の
場合の56μm、59μmの二分の一以下となり顕著な
効果が認められた。
【0040】但し、実施例No1については、光ファイ
バ位置決め孔1dの内壁と光ファイバ10aとの接触に
よる接触痕が認められたが、光ファイバの伝送特性への
影響はなく前記の損傷に該当するものではなかった。
【0041】この結果から、光ファイバ位置決め孔1d
の内径の下限として、光ファイバ10aの外径250μ
mに対して10μmを加えた値が好適であり、この値を
下限とする光ファイバ位置決め孔1dの内径を使用すれ
ば、特に支障なく本発明の効果を奏することができると
いえる。また、無害ではあるが接触痕をも回避する観点
から、この下限として光ファイバ10aの外径250μ
mに20μmを加えた値が特に好適であるといえる。
【0042】実施例No3、No4は、光ファイバ位置
決め孔1dの内径が300μm、310μmと増加し、
光ファイバ10aの外径250μmに対してそれぞれ5
0μm、60μmの長さだけ大きくしたケースである。
この場合の光ファイバ間隔変動量は33μm、42μ
m、配列段差は37μm、47μmと、ともに大きくな
るが、比較例の値56μm、59μmよりは充分小さ
く、本発明の効果が十分に認められる。
【0043】従って、光ファイバ位置決め孔1dの内径
の上限として、光ファイバ10aの外径250μmに6
0μmを加えた値を採用しても十分に本発明の効果が得
られると言える。また、前記のように光ファイバ間隔や
配列段差を40μm以下とすると多心コネクタとの接続
が特に容易となることから、この上限として光ファイバ
10aの外径250μmに50μmを加えた値が特に好
適であるといえる。
【0044】次に、実施例No5〜No8は、光ファイ
バ位置決め孔1dの内径を実施例No2の場合と同じ2
70μmに固定し、テーパ角θを−2度〜2度の範囲で
変化させたケースである。これらいづれのケースも、光
ファイバ間隔変動量、配列段差の各値は比較例の値であ
る56μm、59μmよりも充分小さく、特にテーパ角
θが−1度〜1度の範囲にあるNo6、No7、(No
2)の各ケースでは得られた全ての値が多心コネクタと
の接続が特に容易となる40μm以下となり、本発明の
効果が顕著に認められる。
【0045】テーパ角θの影響については、実施例No
2、No5〜No8の結果から明らかなように、実施例
No2のθ=0度の場合が最も好適で、光ファイバ間隔
変動量、配列段差ともに最も小さくなる。表1には、表
示していないが、テーパ角θが−2度〜2度の範囲を超
えると、光ファイバ間隔変動量、配列段差の各値が比較
例と同程度の値となり、本発明の効果を得ることはでき
ない。
【0046】この原因は、テーパ角θが−2度よりも小
さい範囲では、ダイス部2の被覆樹脂液の流れが乱れ、
光ファイバ位置決め孔1dにより位置決めされた光ファ
イバ10aの位置が乱されることによる。テーパ角θが
2度よりも大きい範囲では、幅方向でかつ中心軸と直交
する方向に向かう被覆樹脂の流れが生じて光ファイバ1
0aの位置が内側に移動することによる。
【0047】この結果から、テーパ角θとして−2度〜
2度の範囲が好適であると言える。また、前記のよう
に、多心コネクタとの接続を容易とする観点から、テー
パ角θとして−1度〜1度の範囲が特に好適である。
【0048】前記のように、ダイス部2のテーパ角θと
して0度が最も好適であるが一括被覆ダイス装置20の
アプローチ部2aのテーパ角θを正確に0度に加工する
のは極めて困難である。しかしながら、この結果よりア
プローチ部2aの加工誤差は、テーパ角θについて−2
度〜2度の範囲で許容されることが分かる。
【0049】(2心の光ファイバテープ心線)前記4心
の光ファイバテープ心線10の場合に準じて、2心の光
ファイバテープ心線10を製造し、本発明の効果を検討
した。但し、この場合の光ファイバテープ心線10の幅
は1100μm、厚さは400μm、光ファイバ間隔は
750μm、光ファイバ間隙は500μmである。
【0050】使用した、一括被覆ダイス装置20の光フ
ァイバ位置決め孔1dの本数は2で、その中心間距離は
750μmである。ダイス部2の一括被覆開口2bは所
定の寸法が得られる様、矩形で四隅が丸く縁取られてい
る。製造した2心の光ファイバテープ心線10につい
て、前記4心の光ファイバテープ心線10の実施例の場
合と同様な方法で、光ファイバ間隔変動量、配列段差、
光ファイバ10aの表面の損傷を調べ、従来の、図4
(a)に例示する方法に準じて製造した2心の光ファイ
バテープ心線の場合と比較した。
【0051】尚、配列段差hは、光ファイバテープ心線
の両端に位置する光ファイバの中心を結ぶ直線からの、
内側に位置する光ファイバの位置ずれの距離と定義され
(図4(b)参照)、従って、2心の光ファイバテープ
心線10の場合は存在し得ない。
【0052】
【表2】
【0053】表2の実施例No9〜No16より明らか
なように、得られた値そのものは表1の4心の光ファイ
バテープ心線場合と若干異なるものの、同じ傾向の、前
記4心の光ファイバテープ心線10の場合について得ら
れた結論を肯定し、確認する結果が得られた。
【0054】(光ファイバ間隔変動量と配列段差の測定
法)表1、表2に記載の光ファイバ間隔変動量及配列段
差の各値は、製造した光ファイバテープ心線10の任意
の1mについてこれら寸法特性を連続的に測定してその
間に存在する最大値を採用し、ランダムに決定した20
個所についてこれを行ない、得られた20個のデータを
平均した値である。
【0055】(光ファイバの表面の損傷の検査方法)表
1、表2に記載の光ファイバの損傷の有無のデータは、
顕微鏡により、製造した光ファイバテープ心線10の任
意の1m中に含まれる光ファイバ10aの全周を観察し
て一個所でも光ファイバ表面の樹脂被覆層の剥離、脱落
などの欠損部を発見したときは「損傷有」とし、全く発
見できないときを「損傷無」とした。
【0056】これを前記ランダムに決定した20個所に
ついて繰返して、「損傷有」とした回数を合計しこれが
1回以上の場合を「損傷有」と判定し、0回の場合を
「損傷無」と判定して得たものである。但し、前記のよ
うに、実施例の範囲では、「損傷有」のケースは皆無で
あったが、光ファイバ位置決め孔1dの内径を10μm
未満とした場合には多数観察された。
【0057】
【発明の効果】本発明は、一括被覆ダイス装置のニップ
ル部に、平面上に並列しかつ軸方向に平行な光ファイバ
の位置決め孔を有する構成を採用することにより、光フ
ァイバテープ心線中の光ファイバ間隔変動や配列段差を
顕著に小さくする。これにより、多心コネクタとの接続
が容易となり光ファイバの配線作業が効率化され、ま
た、これに起因する伝送特性のバラツキを小さくするこ
とができる。
【0058】また、本発明は、一括被覆ダイス装置のダ
イス部のアプローチ部の幅方向のテーパ角を2度〜−2
度とする構成を採用することにより、ダイス部の中の被
覆樹脂液の不規則な流れの発生を抑制して光ファイバ間
隔変動量や配列段差を一層小さくする。
【0059】また、本発明は、前記一括被覆ダイス装置
のニップル部の先端面に樹脂溜り部中の被覆樹脂液が接
触した状態で前記一括被覆ダイス装置を使用して光ファ
イバテープ心線の製造する構成を採用することにより、
光ファイバ間隔変動量や配列段差を一層小さくした光フ
ァイバテープ心線を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一括被覆ダイス装置の構造を示す図で
ある。図1(a)は縦断面を、同図(b)は同図(a)
のA−A′横断面を、同図(c)は同図(a)のB−
B′横断面を示す。
【図2】本発明の他の一括被覆ダイス装置の構造を示す
縦断面図である。
【図3】光ファイバテープ心線の構造を示す図である。
図3(a)は斜視図、同図(b)は横断面図である。
【図4】従来の一括被覆方法及び光ファイバテープ心線
を示す図である。図4(a)は従来の一括被覆方法を、
同図(b)は従来の光ファイバテープ心線の横断面を示
す。
【図5】従来の他の光ファイバテープ心線の横断面図で
ある。
【符号の説明】
1、1f:ニップル部 1a:ストレート部 1b:テーパ部 1c:位置決め部 1d:光ファイバ位置決め孔 1e:先端面 2:ダイス部 2a:アプローチ部 2b:一括被覆開口 3:スリーブ部 3a:樹脂供給口 5:樹脂溜り部 10:光ファイバテープ心線 10a:光ファイバ心線 10b:一括被覆層 20、20a:一括被覆ダイス装置 30:配列目板 θ:幅方向のテーパ角 m:光ファイバ間隔 h:配列段差

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面上に並列した光ファイバ上に被覆樹
    脂液を一括被覆してなる光ファイバテープ心線を製造す
    るニップル部とダイス部とスリーブ部からなる一括被覆
    ダイス装置において、前記ニップル部が前記平面上に並
    列した光ファイバ位置決め孔を備えていることを特徴と
    する一括被覆ダイス装置。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバ位置決め孔の内径が前記
    光ファイバの外径よりも10μm〜60μmの長さだけ
    大きいことを特徴とする請求項1に記載の一括被覆ダイ
    ス装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイス部のアプローチ部の幅方向の
    テーパ角が2度〜−2度であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の一括被覆ダイス装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいづれか1項に記載の一
    括被覆ダイス装置の前記ニップル部の先端面に前記被覆
    樹脂液が接触した状態で前記一括被覆ダイス装置を使用
    することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035851A (ja) * 2001-07-25 2003-02-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバテープ心線
JP2014085512A (ja) * 2012-10-24 2014-05-12 Fujikura Ltd 光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブル
WO2020181248A3 (en) * 2019-03-06 2020-10-29 Ctc Global Corporation Overhead electrical cable interrogation systems and methods

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