JP2001208581A - 超音波式渦流量計 - Google Patents

超音波式渦流量計

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JP2001208581A
JP2001208581A JP2000020351A JP2000020351A JP2001208581A JP 2001208581 A JP2001208581 A JP 2001208581A JP 2000020351 A JP2000020351 A JP 2000020351A JP 2000020351 A JP2000020351 A JP 2000020351A JP 2001208581 A JP2001208581 A JP 2001208581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の周波数に拘らず流体の検出感度を向
上させる。 【解決手段】 流路1Aに渦発生体2が設けられた流量
計本体1には、超音波送信器3と受信用超音波センサ4
を取り付ける。また、超音波送信器3と受信用超音波セ
ンサ4には、位相比較器7と波形変換回路9を接続し、
波形変換回路9から渦信号V4 を出力する。一方、受信
用超音波センサ4には、受信信号V0 に振幅変調された
超音波信号を復調する振幅復調回路11を接続する。そ
して、波形変換回路9と振幅復調回路11の次段には、
加算回路12と減算回路13とを接続し、加算回路12
と減算回路13の次段には、加算信号V6 と減算信号V
7 とのうち振幅の大きな信号を選択する選択回路14を
接続する。これにより、選択回路14に接続された演算
回路15は、振幅の大きな選択信号V8 を用いて渦が発
生する周波数を演算し、流体の流量等を計測することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管路の途中に渦発
生体を設け、該渦発生体後方に発生する渦が超音波に与
える位相変調を検出し、流体の流量または流速を測定す
る超音波式渦流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、超音波式渦流量計として、流路
を形成する流量計本体と、該流量計本体の流路内に設け
られ渦を発生させる渦発生体と、該渦発生体の下流側に
位置して前記流量計本体に設けられ流路内に超音波を送
信する超音波送信器と、該超音波送信器と対向して前記
流量計本体に設けられ該超音波送信器から送信された超
音波を受信する超音波受信器と、前記超音波送信器から
送信された送信信号と超音波受信器から受信した受信信
号との位相を比較し前記渦発生体によって発生した渦を
検出する位相比較器とによって構成されたものが知られ
ている(例えば、特開平3−165220号等)。
【0003】そこで、このような従来技術による超音波
式渦流量計について図4ないし図8に基づき説明する。
【0004】図中、1は管路の途中に接続される流量計
本体で、該流量計本体1は、略円筒形状をなし、その内
部には流体が通過する流路1Aが形成されている。
【0005】2は流量計本体1の流路1A内に設けられ
た例えば略三角柱形状の渦発生体で、該渦発生体2は、
その幅寸法が下流側に向かって漸次テーパ状に縮小する
と共に、その最上流側には、流れに直交した一の平面が
配設されている。そして、渦発生体2は、流路1Aに流
体が流れると、いわゆるカルマン渦と呼ばれる渦A,B
を左,右交互に発生させる。なお、渦発生体2は、三角
柱形状に限らず円柱形状、四角柱形状であってもよい。
【0006】3は流量計本体1の流路1Aに超音波を送
信する超音波送信器で、該超音波送信器3は、渦発生体
2の下流側に位置して流量計本体1に設けられた圧電素
子等からなる送信用超音波センサ3Aと、該送信用超音
波センサ3Aに接続された発信器3Bとによって構成さ
れている。そして、送信用超音波センサ3Aは、該発信
器3Bから出力される矩形波状の送信信号V1 (図5参
照)に応じて駆動し、例えば50Hz 〜1MHz程度の
略一定となった周波数f0 の超音波を流路1Aを横切る
ように送信している。
【0007】4は送信用超音波センサ3Aと対向して流
量計本体1に設けられた超音波受信器としての受信用超
音波センサで、該受信用超音波センサ4は、送信用超音
波センサ3Aと同様に圧電素子等によって構成され、送
信用超音波センサ3Aから送信された超音波を受信し、
略正弦波状の受信信号V0 を出力する。
【0008】5は受信用超音波センサ4に接続された増
幅器で、該増幅器5は受信用超音波センサ4から出力さ
れた受信信号V0 を増幅し、後述の波形整形回路6に入
力している。
【0009】6は増幅器5の出力側に接続された波形整
形回路で、該波形整形回路6は、例えばゼロクロスコン
パレータ等によって構成されている。そして、波形整形
回路6は、増幅器5によって増幅した受信信号V0 を波
形整形し、矩形波となった整形信号V2 (図5参照)を
出力する。
【0010】7は超音波送信器3の発信器3Bに接続さ
れると共に、波形整形回路6を介して受信用超音波セン
サ4に接続された位相比較器で、該位相比較器7は、例
えば送信信号V1 と整形信号V2 との立ち上がり部位を
比較することによって、渦A,Bによって発生する送信
信号V1 と整形信号V2 との間の位相差Φを検出し、パ
ルス波からなる検出信号V3 を次段の増幅器8に向けて
出力する。
【0011】9は増幅器8を介して位相比較器7に接続
された波形変換回路で、該波形変換回路9は、増幅器8
によって増幅したパルス波状の検出信号V3 を平滑化
し、正弦波状の渦信号V4 に変換して出力する。
【0012】10は波形変換回路9に接続された演算回
路で、該演算回路10は、波形変換回路9から出力され
る渦信号V4 に基づいて渦A,Bが発生する周波数を演
算する。これにより、演算回路10は、流量計本体1の
流路1Aを流れる流体の流量または流速に応じた出力信
号を出力する。
【0013】従来技術による超音波式渦流量計は上述の
如き構成を有するもので、次にその作動について図4お
よび図5に基づき説明する。
【0014】まず、発信器3Bを駆動し、渦発生体2の
下流側に位置する送信用超音波センサ3Aと受信用超音
波センサ4との間に一定の周波数f0 に変調された超音
波を伝搬させる。
【0015】ここで、流量計本体1の流路1Aを流体が
通過していないときには、図5に示すように送信信号V
1 と整形信号V2 との間に、超音波が流路1Aを横切る
のに必要となる時間に応じた一定の位相差Φ0 が生じて
いる。そして、位相比較器7は、送信信号V1 と整形信
号V2 との立ち上がり部位の時間差から位相差Φ0 を差
し引くことによって位相差Φを検出し、位相差Φに応じ
た検出信号V3 を出力する。このため、流量計本体1の
流路1Aを流体が通過していないときには、検出信号V
3 は略0Vに維持されるから、検出信号V3 を平滑化し
て信号変換した渦信号V4 も略0Vに維持される。
【0016】一方、流量計本体1の流路1Aを流体が通
過すると、渦発生体2の下流側には流体の流速に応じた
周波数の渦A,Bが左,右交互に発生する。このとき、
送信用超音波センサ3Aと受信用超音波センサ4との間
を伝搬する超音波は、渦A,Bによるドップラー効果が
作用するから、送信用超音波センサ3A側の渦Aが2つ
の超音波センサ3A,4間を通過するときには、超音波
の伝搬速度は見かけ上速くなり、受信用超音波センサ4
側の渦Bが2つの超音波センサ3A,4間を通過すると
きには、超音波の伝搬速度は見かけ上遅くなる。
【0017】このため、送信信号V1 と整形信号V2 と
の間の位相差Φは渦A,Bに応じて増減し、検出信号V
3 は渦A,Bによってパルス幅が増減したパルス状の信
号となる。そして、渦信号V4 は検出信号V3 を平滑化
することによって略正弦波となるから、演算回路10に
よって渦A,Bが発生する周波数、即ち単位時間当りの
渦A,Bの発生数を演算することによって、流路1Aを
流れる流体の流量または流速を測定することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、送信用超音波センサ3Aから送信された超
音波を受信用超音波センサ4によって受信した後、ゼロ
クロスコンパレータ等からなる波形整形回路6によって
整形信号V2 を出力している。
【0019】ここで、超音波を受信する受信用超音波セ
ンサ4は、図6に示すような周波数特性を有し、受信用
超音波センサ4から出力される受信信号V0 の振幅は、
受信用超音波センサ4が受信する超音波の周波数に応じ
て変化する。
【0020】即ち、超音波の周波数が周波数f1 よりも
低いときには、周波数が高くなる(周波数f1 に近付
く)に従って受信信号V0 の振幅は増加する。これに対
し、超音波の周波数が周波数f1 よりも高いときには、
周波数が高くなる(周波数f1から遠ざかる)に従って
受信信号V0 の振幅は減少する。
【0021】一方、受信用超音波センサ4が受信する超
音波は、渦A,Bのドップラー効果によってその速度が
変化するから、この速度の変化に応じて見かけ上の周波
数も変化する。このため、受信信号V0 の振幅は、図7
に示すように渦A,Bの発生する周波数に応じて略正弦
波状に増減し、図7中に二点鎖線で示す超音波信号Sが
振幅変調される。
【0022】また、ゼロクロスコンパレータからなる波
形整形回路6は、一般にノイズを除去するためのヒステ
リシスを有し、+Vt よりも高い電圧となったときに
「H」(ハイ)状態の整形信号V2 に切換わり、−Vt
よりも低い電圧となったときに「L」(ロー)状態の整
形信号V2 に切換わる。
【0023】このため、図8中の特性線aに示すように
受信信号V0 が基準となる振幅で振動しているときに
は、整形信号V2 は図8中の第2段に示す特性線dとな
るのに対し、図8中の特性線bに示すように受信信号V
0 のが基準となる振幅よりも大きな振幅で振動している
ときには、整形信号V2 は図8中の第3段に示す特性線
eとなり、整形信号V2 の立ち上がり位置は、特性線d
に比べてΔT1 だけ早くなる。
【0024】一方、図8中の特性線cに示すように受信
信号V0 が基準となる振幅よりも小さい振幅で振動して
いるときには、整形信号V2 は図8中の第4段に示す特
性線fとなり、整形信号V2 の立ち上がり位置は、特性
線dに比べてΔT2 だけ遅くなる。
【0025】この結果、位相比較器7は、受信信号V0
の振幅の変化による整形信号V2 の立ち上がり位置の変
化をも位相差Φの変化として検出し、検出信号V3 のパ
ルス幅が変化する。このため、検出信号V3 を平滑化し
た渦信号V4 も、その振幅が増減する。
【0026】さらに、図6に示すように超音波送信器3
から出力される超音波の周波数f0が受信用超音波セン
サ4の特性の変曲点である周波数f1 よりも低いときに
は、超音波の周波数が渦A,BによってΔfだけ増減し
ても、超音波の周波数が高くなるに従って受信信号V0
の振幅が大きくなる。このため、渦Aによって超音波の
周波数が周波数f0 よりも低くなったときには、受信信
号V0 の振幅は小さくなるから、整形信号V2 の立ち上
がり位置が遅くなり、検出信号V3 のパルス幅は増加す
る。一方、渦Bによって超音波の周波数が周波数f0 よ
りも高くなったときには、受信信号V0 の振幅は大きく
なるから、整形信号V2 の立ち上がり位置が早くなり、
検出信号V3 のパルス幅は増加する。このため、渦信号
V4 の振幅は、図5中に二点鎖線で示す特性線gのよう
に増加し、検出感度を向上することができる。
【0027】これに対し、図6に示すように超音波送信
器3から出力される超音波の周波数f0 ′が受信用超音
波センサ4の特性の変曲点である周波数f1 よりも高い
ときには、超音波の周波数が渦A,BによってΔfだけ
増減すると、超音波の周波数が高くなるに従って受信信
号V0 の振幅が小さくなる。このため、渦Aによって超
音波の周波数が周波数f0 ′よりも低くなったときに
は、受信信号V0 の振幅は大きくなるから、整形信号V
2 の立ち上がり位置が早くなり、検出信号V3 のパルス
幅は減少する。一方、渦Bによって超音波の周波数が周
波数f0 ′よりも高くなったときには、受信信号V0 の
振幅は小さくなるから、整形信号V2 の立ち上がり位置
が遅くなり、検出信号V3 のパルス幅は減少する。この
ため、渦信号V4 の振幅は、図5中に点線で示す特性線
hのように減少し、検出感度が低下するという問題があ
る。
【0028】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、超音波の周波数に拘ら
ず流体の流量または流速の検出感度を向上することがで
きるようにした超音波式渦流量計を提供することにあ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、流路を形成する流量計本体と、該流量
計本体の流路内に設けられ渦を発生させる渦発生体と、
該渦発生体の下流側に位置して前記流量計本体に設けら
れ流路内に超音波を送信する超音波送信器と、該超音波
送信器と対向して前記流量計本体に設けられ該超音波送
信器から送信された超音波を受信する超音波受信器と、
前記超音波送信器から送信された送信信号と超音波受信
器から受信した受信信号との位相を比較し前記渦発生体
によって発生した渦を検出する位相比較器とからなる超
音波式渦流量計に適用される。
【0030】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、超音波受信器には超音波の周波数に応じて受信
信号に振幅変調された超音波信号を復調する振幅復調器
を接続し、該振幅復調器から出力される振幅復調信号と
位相比較器から出力される渦信号とを加算する加算器を
設け、前記位相比較器から出力される渦信号から振幅復
調器から出力される振幅復調信号を減算する減算器を設
け、前記加算器から出力される加算信号と減算器から出
力される減算信号とを用いて流体の流量または流速を計
測する構成としたことにある。
【0031】このように構成することにより、振幅復調
器は受信信号に振幅変調された超音波信号を復調する。
そして、加算器は振幅復調器から出力される振幅復調信
号と位相比較器から出力される渦信号とを加算し、減算
器は渦信号に対し振幅復調信号を減算する。このため、
渦信号と振幅復調信号との増減が同じ位相(同相)で変
化するときには、加算器から出力される加算信号の振幅
が渦信号の振幅よりも増加し、渦信号と振幅復調信号と
の増減が逆の位相(逆相)で変化するときには、減算器
から出力される減算信号の振幅が渦信号の振幅よりも増
加する。
【0032】この結果、渦信号と振幅復調信号とが同
相、逆相のいずれで変化するときであっても、加算信号
と減算信号とのうちいずれか一方の振幅は渦信号の振幅
よりも大きくなるから、加算信号と減算信号とを用いる
ことによって流体の流量または流速を計測することがで
きる。
【0033】また、請求項2の発明は、加算器と減算器
とには加算器から出力される加算信号と減算器から出力
される減算信号とのうち振幅の大きな信号を選択する選
択器を接続する構成としたことにある。
【0034】これにより、選択器は加算信号と減算信号
とのうち振幅の大きな信号を選択するから、選択器によ
って選択した選択信号を用いることによって、渦が発生
する周波数を演算し、流路を流れる流体の流量または流
速を計測することができる。
【0035】また、請求項3の発明は、超音波受信器と
位相比較器との間には該超音波受信器から出力された受
信信号を矩形波に波形整形する波形整形回路を設け、振
幅復調器は、該波形整形回路の前段側で超音波受信器に
接続する構成としたことにある。
【0036】これにより、位相比較器は、波形整形回路
によって受信信号を矩形波に波形整形された整形信号と
超音波送信器から送信された送信信号とを比較すること
によって渦発生体によって発生した渦を検出することが
できる。また、振幅復調器は波形整形回路の前段側で超
音波受信器に接続したから、超音波受信器が超音波を受
信するときに受信信号に変調した超音波信号を振幅復調
器によって復調することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
超音波式渦流量計を図1ないし図3を参照しつつ詳細に
説明する。なお、本実施の形態では、前述した従来技術
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。
【0038】図中、11は波形整形回路6の前段側で受
信用超音波センサ4に増幅器5を介して接続された振幅
復調回路で、該振幅復調回路11は、超音波の周波数に
応じて受信信号V0 に振幅変調(AM変調)された正弦
波状の超音波信号S(図7参照)を復調して振幅復調信
号V5 を出力する。
【0039】12は位相比較器7に波形変換回路9を介
して接続されると共に、振幅復調回路11に接続された
加算回路で、該加算回路12は、波形変換回路9から出
力される渦信号V4 と振幅復調回路11から出力される
振幅復調信号V5 とを加算し、正弦波状の加算信号V6
を出力する。
【0040】13は位相比較器7に波形変換回路9を介
して接続されると共に、振幅復調回路11に接続された
減算回路で、該減算回路13は、波形変換回路9から出
力される渦信号V4 に対し振幅復調回路11から出力さ
れる振幅復調信号V5 を減算し、正弦波状の減算信号V
7 を出力する。
【0041】14は加算回路12と減算回路13とに接
続された選択回路で、該選択回路14は、加算回路12
から出力される加算信号V6 の振幅と減算回路13から
出力される減算信号V7 の振幅とを比較し、これら2つ
の信号V6 ,V7 のうち振幅の大きい信号を選択信号V
8 として出力する。
【0042】15は選択回路14に接続された演算回路
で、該演算回路15は、選択回路14から出力される選
択信号V8 に基づいて渦A,Bが発生する周波数を演算
し、流量計本体1の流路1Aを流れる流体の流量または
流速に応じた出力信号を出力する。また、演算回路15
には、表示回路16が接続され、該表示回路16は、演
算回路15の演算結果である流体の流量等を表示する。
【0043】本実施の形態による超音波渦流量計は上述
の如き構成を有するもので、次にその作動について説明
する。
【0044】まず、発信器3Bを駆動し、渦発生体2の
下流側に位置する送信用超音波センサ3Aと受信用超音
波センサ4との間に一定の周波数f0 に変調された超音
波を伝搬させる。
【0045】ここで、図6に示すように超音波送信器3
から出力される超音波の周波数f0が受信用超音波セン
サ4の特性の変曲点である周波数f1 よりも低い場合に
ついて検討する。
【0046】この場合、超音波の周波数が渦A,Bによ
ってΔfだけ増減すると、超音波の周波数が高くなるに
従って受信信号V0 の振幅が大きくなる。このため、渦
Aによって超音波の周波数が周波数f0 よりも低くなっ
たときには、受信信号V0 の振幅は小さくなるから、整
形信号V2 の立ち上がり位置が遅くなり、検出信号V3
のパルス幅は増加する。一方、渦Bによって超音波の周
波数が周波数f0 よりも高くなったときには、受信信号
V0 の振幅は大きくなるから、整形信号V2 の立ち上が
り位置が早くなり、検出信号V3 のパルス幅は増加す
る。
【0047】この結果、波形変換回路9から出力される
渦信号V4 の振幅は、図2に示すように受信信号V0 の
振幅が変化しないときに比べて増加し、流量等の検出感
度が向上している。このとき、振幅復調回路11は、受
信信号V0 から復調した振幅復調信号V5 を出力し、こ
の振幅復調信号V5 は、渦信号V4 と同相で変化する。
このため、振幅復調信号V5 は、渦信号V4 が増加する
ときに増加し、渦信号V4 が減少するときに減少してい
る。
【0048】次に、加算回路12は同相で変化する振幅
復調信号V5 と渦信号V4 とを加算するから、加算回路
12から出力される加算信号V6 は、その振幅が渦信号
V4よりも増加する。一方、減算回路13は渦信号V4
から振幅復調信号V5 を減算するから、減算回路13か
ら出力される減算信号V7 は、その振幅が渦信号V4よ
りも減少する。
【0049】そして、選択回路14は、加算信号V6 の
振幅と減算信号V7 の振幅とを比較し、振幅の大きい加
算信号V6 を選択するから、加算信号V6 と等しい選択
信号V8 を出力する。最後に、演算回路15は、渦信号
V4 よりも振幅の大きくなった選択信号V8 を用いて渦
A,Bが発生する周波数、即ち単位時間当りの渦A,B
の発生数を演算し、流路1Aを流れる流体の流量または
流速を測定する。
【0050】次に、図6に示すように超音波送信器3か
ら出力される超音波の周波数f0 ′が受信用超音波セン
サ4の特性の変曲点である周波数f1 よりも高い場合に
ついて検討する。
【0051】この場合、超音波の周波数が渦A,Bによ
ってΔfだけ増減すると、超音波の周波数が高くなるに
従って受信信号V0 の振幅が小さくなる。このため、渦
Aによって超音波の周波数が周波数f0 ′よりも低くな
ったときには、受信信号V0の振幅は大きくなるから、
整形信号V2 の立ち上がり位置が早くなり、検出信号V
3 のパルス幅は減少する。一方、渦Bによって超音波の
周波数が周波数f0 ′りも高くなったときには、受信信
号V0 の振幅は小さくなるから、整形信号V2の立ち上
がり位置が遅くなり、検出信号V3 のパルス幅は減少す
る。
【0052】この結果、波形変換回路9から出力される
渦信号V4 の振幅は、図3に示すように受信信号V0 の
振幅が変化しないときに比べて減少し、流量等の検出感
度が低下している。このとき、振幅復調回路11は、受
信信号V0 から復調した振幅復調信号V5 を出力し、こ
の振幅復調信号V5 は、渦信号V4 と逆相で変化する。
このため、振幅復調信号V5 は、渦信号V4 が増加する
ときに減少し、渦信号V4 が減少するときに増加してい
る。
【0053】次に、加算回路12は逆相で変化する振幅
復調信号V5 と渦信号V4 とを加算するから、加算回路
12から出力される加算信号V6 は、その振幅が渦信号
V4よりも減少する。一方、減算回路13は渦信号V4
から振幅復調信号V5 を減算するから、減算回路13か
ら出力される減算信号V7 は、その振幅が渦信号V4よ
りも増加する。
【0054】そして、選択回路14は、加算信号V6 の
振幅と減算信号V7 の振幅とを比較し、振幅の大きい減
算信号V7 を選択するから、減算信号V7 と等しい選択
信号V8 を出力する。最後に、演算回路15は、渦信号
V4 よりも振幅の大きくなった選択信号V8 を用いて渦
A,Bが発生する周波数、即ち単位時間当りの渦A,B
の発生数を演算し、流路1Aを流れる流体の流量または
流速を測定する。
【0055】かくして、本実施の形態では、受信用超音
波センサ4には振幅復調回路11を接続し、該振幅復調
回路11と位相比較器7とには加算回路12と減算回路
13とを接続する構成としたから、振幅復調回路11に
よって受信信号V0 に振幅変調された超音波信号Sを復
調して振幅復調信号V5 を出力し、加算回路12によっ
て振幅復調信号V5 と渦信号V4 とを加算し、減算回路
13によって渦信号V4 から振幅復調信号V5 を減算す
ることができる。このため、渦信号V4 と振幅復調信号
V5 とが同相で変化するときには、加算回路12から出
力される加算信号V6 が渦信号V4 よりも振幅が増加
し、渦信号V4 と振幅復調信号V5 とが逆相で変化する
ときには、減算回路13から出力される減算信号V7 が
渦信号V4よりも振幅が増加する。
【0056】この結果、渦信号V4 と振幅復調信号V5
とが同相、逆相のいずれで変化するときであっても、加
算信号V6 と減算信号V7 とのうちいずれか一方の信号
は、渦信号V4 よりも大きな振幅で変化するから、加算
信号V6 と減算信号V7 とを用いることによって、流体
の流量等を高精度に検出することができる。
【0057】また、加算回路12と減算回路13とには
加算信号V6 と減算信号V7 とのうち振幅の大きな信号
を選択する選択回路14を接続したから、選択回路14
によって選択した選択信号V8 を用いることによって、
渦A,Bが発生する周波数を演算し、流路を流れる流体
の流量または流速を測定することができる。特に、選択
回路14は加算信号V6 と減算信号V7 とのうち振幅の
大きな信号を選択するから、流体が低速で流れるときの
ように、渦A,Bが小さいときであっても、渦A,Bが
発生する周波数を正確に測定することができ、流量また
は流速の検出感度を高めることができる。
【0058】さらに、受信用超音波センサ4と位相比較
器7との間には波形整形回路6を接続し、振幅復調回路
11は波形整形回路6の前段側で受信用超音波センサ4
に接続する構成としたから、位相比較器7は波形整形回
路6によって矩形波に波形整形された整形信号V2 と超
音波送信器3の送信信号V1 とを比較することによって
渦発生体2によって発生した渦A,Bを検出することが
できる。
【0059】また、位相比較器7から出力される渦信号
V4 は、受信用超音波センサ4の周波数特性と波形整形
回路6とのヒステリシスによって、その振幅が超音波信
号Sに応じて増減する。このとき、振幅復調回路11は
受信用超音波センサ4に接続したから、受信用超音波セ
ンサ4から出力される受信信号V0 に変調された超音波
信号Sを復調することができる。このため、振幅復調回
路11から出力された振幅復調信号V5 を位相比較器7
から出力された渦信号V4 に加算、減算することによっ
て、渦信号V4 よりも振幅の大きな加算信号V6 、減算
信号V7 を出力することができる。
【0060】なお、前記実施の形態では、波形変換回路
9と振幅復調回路11とに減算回路13を接続するもの
としたが、減算回路13に代えて、振幅復調回路11に
接続され振幅復調回路11から出力される振幅復調信号
V5 の正負を反転する反転回路と、該反転回路と波形変
換回路9とに接続され反転回路から出力される反転信号
と波形変換回路9から出力される渦信号とを加算する加
算回路とを設ける構成としてもよい。
【0061】また、前記実施の形態では、位相比較器7
に直接的に波形変換回路9を接続するものとしたが、従
来技術と同様に位相比較器7と波形変換回路9との間に
増幅器8を接続してもよい。
【0062】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、超音波受信器には振幅復調信号を出力する振幅復
調器を接続し、振幅復調信号と渦信号とを加算する加算
器を設け、渦信号から振幅復調信号を減算する減算器を
設ける構成としたから、振幅復調器によって受信信号に
振幅変調された超音波信号を復調して振幅復調信号を出
力し、加算器によって振幅復調信号と渦信号とを加算
し、減算器によって渦信号から振幅復調信号を減算する
ことができる。このとき、渦信号と振幅復調信号とが同
相で変化するには、加算信号が渦信号よりも振幅が増加
し、渦信号と振幅復調信号とが逆相で変化するときに
は、減算信号が渦信号よりも振幅が増加する。このた
め、渦信号と振幅復調信号とが同相、逆相のいずれで変
化するときであっても、加算信号と減算信号とのうちい
ずれか一方の信号は、渦信号よりも大きな振幅で変化す
るから、加算信号と減算信号とを用いることによって、
流体の流量等を高精度に検出することができる。
【0063】また、請求項2の発明によれば、加算器と
減算器とには加算信号と減算信号とのうち振幅の大きな
信号を選択する選択器を接続する構成としたから、選択
器によって選択した選択信号を用いることによって、渦
が発生する周波数を演算できる。また、選択器は加算信
号と減算信号とのうち振幅の大きな信号を選択するか
ら、流体が低速で流れるときのように渦が小さいときで
あっても、渦が発生する周波数を正確に測定することが
でき、流量または流速の検出感度を高めることができ
る。
【0064】また、請求項3の発明によれば、超音波受
信器と位相比較器との間には該超音波受信器から出力さ
れた受信信号を矩形波に波形整形する波形整形回路を接
続して設け、振幅復調器は該波形整形回路の前段側で前
記超音波受信器に接続する構成としたから、位相比較器
は、波形整形回路によって受信信号を矩形波に波形整形
された整形信号と超音波送信器から送信された送信信号
とを比較することによって渦発生体によって発生した渦
を検出することができる。また、振幅復調器は波形整形
回路の前段側で超音波受信器に接続したから、超音波受
信器が超音波を受信するときに受信信号に変調した超音
波信号を振幅復調器によって復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による超音波式渦流量計の
全体構成を示すブロック図である。
【図2】渦信号と振幅復調信号とが同相で変化するとき
の渦信号、振幅復調信号、加算信号、減算信号、選択信
号の時間変化を示す特性線図である。
【図3】渦信号と振幅復調信号とが逆相で変化するとき
の渦信号、振幅復調信号、加算信号、減算信号、選択信
号の時間変化を示す特性線図である。
【図4】従来技術による超音波式渦流量計の全体構成を
示すブロック図である。
【図5】送信信号、整形信号、検出信号、渦信号の時間
変化を示す特性線図である。
【図6】超音波の周波数と受信用超音波センサから出力
される受信信号の振幅の増幅度との関係を示す特性線図
である。
【図7】受信信号、整形信号の時間変化を示す特性線図
である。
【図8】受信信号の振幅が変化したときの整形信号の時
間変化を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 流量計本体 1A 流路 2 渦発生体 3 超音波送信器 4 受信用超音波センサ(超音波受信器) 6 波形整形回路 7 位相比較器 11 振幅復調回路(振幅復調器) 12 加算回路(加算器) 13 減算回路(減算器) 14 選択回路(選択器)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路を形成する流量計本体と、該流量計
    本体の流路内に設けられ渦を発生させる渦発生体と、該
    渦発生体の下流側に位置して前記流量計本体に設けられ
    流路内に超音波を送信する超音波送信器と、該超音波送
    信器と対向して前記流量計本体に設けられ該超音波送信
    器から送信された超音波を受信する超音波受信器と、前
    記超音波送信器から送信された送信信号と超音波受信器
    から受信した受信信号との位相を比較し前記渦発生体に
    よって発生した渦を検出する位相比較器とからなる超音
    波式渦流量計において、 前記超音波受信器には超音波の周波数に応じて受信信号
    に振幅変調された超音波信号を復調する振幅復調器を接
    続し、該振幅復調器から出力される振幅復調信号と位相
    比較器から出力される渦信号とを加算する加算器を設
    け、前記位相比較器から出力される渦信号から振幅復調
    器から出力される振幅復調信号を減算する減算器を設
    け、前記加算器から出力される加算信号と減算器から出
    力される減算信号とを用いて流体の流量または流速を計
    測する構成としたことを特徴とする超音波式渦流量計。
  2. 【請求項2】 前記加算器と減算器とには加算器から出
    力される加算信号と減算器から出力される減算信号との
    うち振幅の大きな信号を選択する選択器を接続する構成
    としてなる請求項1に記載の超音波式渦流量計。
  3. 【請求項3】 前記超音波受信器と位相比較器との間に
    は該超音波受信器から出力された受信信号を矩形波に波
    形整形する波形整形回路を設け、前記振幅復調器は該波
    形整形回路の前段側で前記超音波受信器に接続する構成
    としてなる請求項1または2に記載の超音波式渦流量
    計。
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