JP2001207238A - 加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents
加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.04〜0.12%、
Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:
0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:0.0
5〜1.0%、V:0.005〜0.2%、sol.A
l:0.1%以下、N:0.01%以下を含有する鋼
を、粗圧延後、Ar3点以上で仕上圧延し、700℃以
下で巻き取り後、必要に応じて酸洗し、めっき前加熱温
度をAc1〜Ac3とした溶融亜鉛めっきし、めっき後ま
たは合金化処理後の冷却により、フェライト+マルテン
サイト主体の二相組織とする。
Description
材、足回り部材や機械構造部品など、高強度で、部材形
状にするため必要とされる過酷なプレス成形に耐え得る
高延性、さらに耐食性が要求される用途に適した、熱延
鋼板を下地とする加工性に優れた二相組織型の溶融亜鉛
めっき高張力鋼板およびその製造方法に関するものであ
る。
的として、車体構造部材や足回り部材には高張力熱延鋼
板が要求されており、高強度化が以前より必要とされて
いる。加えて近年、車体構造部材や足回り部材等に使用
される熱延鋼板は張出し成形を主体とする過酷な成形を
受けるため、優れたプレス成形性、特に良好な延性を有
することが求められ、フェライト+マルテンサイトのミ
クロ組織を基本とする二相組織型熱延鋼板が開発されて
きた。
きした鋼板は良好な延性と耐食性を兼ね備えた鋼板とし
て要望され、特開昭56−142821号公報等が開示
されている。本特許では、質量%で、C:0.15%以
下、Mn+Cr:1.0〜2.5%を基本成分として含
有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成の鋼板
を、めっき前加熱温度、めっき浴に至るまでの冷却速
度、合金化温度、合金化後の冷却速度を詳細に規定した
連続式溶融亜鉛めっきライン(以下、CGL)により二
相組織とすることを特徴としている。
ト相およびオーステナイト相の二相とした後、オーステ
ナイト相をCGLにおける焼入れによりマルテンサイト
相とし二相組織の鋼板としている。
において焼入れ性を確保するためには鋼組成として合金
元素を添加またはCGLのライン速度を速くしなければ
ならず、前者は鋼材コストの上昇、後者は大多数のCG
Lでは亜鉛付着量制御の安定性確保と合金化の反応速度
の制約から決まるライン速度では、焼入れ性が確保でき
ないという問題を生じる。本発明は高価な合金元素を用
いず、またCGLの設備上の制約を受けず加工性に優れ
た溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法およびその鋼板を
提供する。
ライン速度が比較的遅い場合であっても、焼入れ性に優
れ、フェライト及びマルテンサイトを主体とする二相組
織の得られる成分組成について検討を行った。その結
果、適正量のC,Si,Mn等を含み、かつCrとVの
複合添加により、ライン速度の制約が大幅に緩和される
ことを見出した。本発明は上記知見を基に更に検討を加
えてなされたものである。本発明の要旨は、次の通りで
ある。
%、Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、
P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:
0.05〜1.0%、V:0.005〜0.2%、so
l.Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有
し、更にフェライトおよびマルテンサイトを主体とする
組織を有することを特徴とする加工性に優れた熱延下地
の溶融亜鉛めっき高張力鋼板。
%、Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、
P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:
0.05〜1.0%、V:0.005〜0.2%、so
l.Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有す
る鋼を粗圧延後、Ar3点以上で仕上圧延し、700℃
以下で巻き取り後、めっき前加熱温度をAc1〜Ac3と
した溶融亜鉛めっきをすることを特徴とする加工性に優
れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法。
%、Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、
P:0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:
0.05〜1.0%、V:0.005〜0.2%、so
l.Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有す
る鋼を粗圧延後、Ar3点以上で仕上圧延し、700℃
以下で巻き取り後、めっき前加熱温度をAc1〜Ac3と
した溶融亜鉛めっきし、更に合金化処理をすることを特
徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張
力鋼板の製造方法。
クロ組織限定理由、熱延条件および溶融亜鉛めっき条件
について説明する。
するため必須であり、0.04%以上を必要とする。一
方、0.12%を超えると加工性が劣化するので、0.
04%以上、0.12%以下とする。
きが難しく、0.1%を超えるとめっきの付着性が悪化
するので、0.1%以下とする。
強度を向上させるため添加する。必要強度を確保するた
め、1.0%以上添加するが、2.0%を超えるとプレ
ス成形性等の加工性が劣化するため、1.0%以上、
2.0%以下とする。
り、0.05%以下に制限する。但し、経済的に許され
る範囲で極力低減することが望ましい。
る不純物元素であり、0.005%以下に制限する。但
し、経済的に許される範囲で極力低減することが望まし
い。
V:0.005%以上、0.2%以下本発明では鋼の焼
入れ性をCr,Vの複合添加により向上させることを特
徴とする。CGLにおいて二相組織型の鋼板に焼入れを
可能とするライン速度の制約を大幅に緩和するため、C
r:0.05%以上、V:0.005%以上を、複合添
加する。
その効果が飽和し、製造コストが上昇するため、Cr:
1.0%以下、V:0.2%以下とする。尚、Crまた
はVの一方のみを単独に添加した場合は十分な焼入れ性
を確保することはできない。
%を超える範囲ではその効果が飽和し、かつAl系介在
物が増加し、プレス成形性が悪化するので0.10%以
下とする。
%以下とする。
鋼のミクロ組織をフェライトとマルテンサイト主体の組
織を有するものとする。本組織においては、その作用効
果を損なわない範囲で更にベイナイトを含むことができ
る。
溶融亜鉛めっき工程においてフェライトとオーステナイ
トの二相を分離し、焼入れ処理を行う。熱延工程では、
溶融亜鉛めっき工程において所望の組織が得られるよう
に、仕上圧延における仕上温度と巻取温度を規定する。
延となるため混粒組織となり、CGL通板後においても
解消されず延性が低下するので、仕上温度はAr3変態
点以上とする。
炭化物が粗大化し、めっき前に必要となる炭化物の溶け
込みに長時間を要するようになる。そのため、CGLに
おけるライン速度を低下させなければならず、鋼板の焼
入れ処理に不利になると共に、生産効率を低下させる。
従って、巻取温度を700℃以下とする。この傾向は冷
間圧延せずにCGLに装入した場合、強くなる。
により製造したスラブを用いる方法か、又は加熱炉を経
由しない直接熱間圧延による方法でよく、特に限定しな
い。スラブの加熱温度は、スケール生成による重量ロス
が適正で、粗圧延、仕上圧延が可能で、更に仕上圧延温
度としてAr3変態点以上を確保できれば良く、特に限
定しない。また、粗圧延後の半製品を雰囲気炉や高周波
加熱等で仕上圧延前に加熱してもよい。
必要な強度と加工性を備えた二相組織に調整する。その
ため、めっき前加熱条件を規定する。
上、Ac3点以下、保持時間5秒〜10分 めっき前加熱の段階で、Ac1点以上、Ac3点以下に加
熱し、二相分離させ、めっき後またはめっき後合金化処
理する場合は合金化温度以降の冷却において、焼入れ
し、フェライトとマルテンサイト主体の組織とする。二
相分離を十分に行うためには保持時間は最低5秒あれば
よく、これ以上であれば組織制御の点では問題ないが、
あまり長くなると生産効率が落ちるので10分以内とす
る。
しく、所望とする特性が得られるようミクロ組織を制御
することは通常困難である。しかし、本発明ではCr,
Vの複合添加により、めっき前加熱温度の規定を除い
て、CGLの製造条件を特に限定する必要はなく、めっ
き後またはめっき後合金化処理する場合は合金化温度以
降の冷却速度が3.5〜9.3℃/Sと小さい場合であ
っても、フェライトとマルテンサイト主体の組織を得る
ことが可能である。
ものとする場合、熱間圧延後、溶融亜鉛めっき前に酸洗
することが好ましい。また、溶融亜鉛めっき後、合金化
処理することも可能である。
溶製し、連続鋳造でスラブとした。表1で表示しない残
部はFe及び不可避不純物とする。鋼種A及びBはCr
とVが複合添加された鋼で本発明範囲内の組成となって
いる。鋼種CはCrとVの両者が添加されず、鋼種D〜
FはCrまたはVの一方のみが添加されており、本発明
範囲外の組成となっている。
2.0mmに仕上圧延後、500℃で巻き取り、酸洗
後、CGLにて800℃で2min加熱保持後、両面4
5g/m2の目付け量で溶融亜鉛めっきし、次いで55
0℃×10secの合金化処理を行なった。この際、1
コイル毎にコイルHeadからEndにかけてラインス
ピードを上げた。
0,80,165mpmに相当する部分からサンプル採
取し、JIS5号引張試験片を用いて降伏強さ(Y
S),引張強さ(TS),降伏比(YR),伸び(E
l)を求め、ミクロ組織の観察を行った。表2に結果を
示す。尚、合金化温度(550℃)からMs点までの冷
却速度はライン速度に応じて決まり,表中に冷却速度と
して示す。
加されている鋼種Aによる実施例で、CGLのライン速
度によらずフェライトとマルテンサイト主体の二相組織
が得られ、必要な強度が確保された上で良好な延性を有
している。これに対し、比較例C1〜F3は、CrとV
が複合添加されていない本発明範囲外の鋼種による実施
例で、鋼種C,D,Eの場合、CGLのライン速度が1
65mpmの場合の実施例となるD3,E3を除いて、
焼入れ性が不足して、フェライトとマルテンサイト主体
の二相組織が得られず、強度と延性が不足する。
に準ずる組織となり、強度も590MPa以上が確保さ
れているが、Cr単独添加系で多量のCrを添加するた
め製造コストが高い。尚、ライン速度の165mpmは
操業上の限界に近く、合金化の不良率が高く好ましくな
い。
ルテンサイト体積分率に及ぼす鋼中のCr+V量の影響
を示すもので、CrとVの複合添加系の場合、ライン速
度によらず安定して7%以上のマルテンサイト体積分率
が得られているのに対し、CrまたはVの単独添加系の
場合、ライン速度が165mpmでのみ3%以上のマル
テンサイト体積分率が得られ、CrとVの複合添加が有
効なことは明らかである。
した本発明の化学成分を有する鋼種G(表示しない残部
はFe及び不可避不純物とする。)を転炉にて溶製し、
連続鋳造でスラブとした後、仕上温度をAr3点以上の
860℃、巻取温度(CT)を400〜750℃として
熱間圧延を行い、板厚2.0mmの鋼帯とした。酸洗
後、CGLにより800℃で2min加熱保持後、両面
45g/m2の目付け量で亜鉛めっきし、その後、55
0℃×10secの合金化処理を行なった。
Endにかけてライン速度を上げた。CGL通板後のコ
イルより、ライン速度30,80,160mpmのいず
れかに相当する部分よりサンプル採取し、JIS5号引
張試験およびミクロ組織の観察を行った。表4に結果を
示す。尚、各部分の合金化温度(550℃)からMs点
までの冷却速度はライン速度に応じて決まり,表中に冷
却速度として示す。
下であるため、いずれのライン速度でもフェライトおよ
びマルテンサイトの二相組織が得られて適正な強度と良
好な延性を有する。比較例6〜8は、巻取温度が750
℃と高く、本発明範囲外となっている。巻取温度が75
0℃と高温の場合、炭化物は熱間圧延巻取り以降に粗大
炭化物として析出し、CGLのめっき前加熱によっても
十分に溶解しない。比較例7,8では、フェライトおよ
びマルテンサイト以外に、一部主としてセメンタイトか
らなる炭化物が含まれるため、強度が適正でも強度―延
性バランスが不十分である。比較例6は、ライン速度が
30mpmと小さいので、炭化物の溶け込みは十分であ
るが、生産効率が低く、好ましくない。
ば、590MPa以上の引張強さと良好な加工性を有す
る二相組織型の熱延下地溶融亜鉛めっき高張力鋼板を生
産性良く製造可能で、自動車の軽量化など産業上極めて
有用な効果が得られる。
影響を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.04〜0.12%、
Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:
0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:0.0
5〜1.0%、V:0.005〜0.2%、sol.A
l:0.1%以下、N:0.01%以下を含有し、更に
フェライトおよびマルテンサイトを主体とする組織を有
することを特徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜
鉛めっき高張力鋼板。 - 【請求項2】 質量%で、C:0.04〜0.12%、
Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:
0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:0.0
5〜1.0%、V:0.005〜0.2%、sol.A
l:0.1%以下、N:0.01%以下を含有する鋼を
粗圧延後、Ar3点以上で仕上圧延し、700℃以下で
巻き取り後、めっき前加熱温度をAc1〜Ac3とした溶
融亜鉛めっきをすることを特徴とする加工性に優れた熱
延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 質量%で、C:0.04〜0.12%、
Si:0.1%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:
0.05%以下、S:0.005%以下、Cr:0.0
5〜1.0%、V:0.005〜0.2%、sol.A
l:0.1%以下、N:0.01%以下を含有する鋼を
粗圧延後、Ar3点以上で仕上圧延し、700℃以下で
巻き取り後、めっき前加熱温度をAc1〜Ac3とした溶
融亜鉛めっきし、更に合金化処理をすることをすること
を特徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき
高張力鋼板の製造方法。
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JP2000014921A JP3951537B2 (ja) | 2000-01-24 | 2000-01-24 | 加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板およびその製造方法 |
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US09/953,788 US6440584B1 (en) | 2000-01-24 | 2001-09-17 | Hot-dip galvanized steel sheet and method for producing the same |
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WO2009008553A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Jfe Steel Corporation | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
WO2017155263A1 (ko) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 주식회사 포스코 | 소부경화성 및 내시효성이 우수한 용융 아연계 도금강판 및 그 제조방법 |
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- 2000-01-24 JP JP2000014921A patent/JP3951537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2009035814A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-02-19 | Jfe Steel Kk | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
WO2017155263A1 (ko) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 주식회사 포스코 | 소부경화성 및 내시효성이 우수한 용융 아연계 도금강판 및 그 제조방법 |
CN108779537A (zh) * | 2016-03-08 | 2018-11-09 | Posco公司 | 具有优异的烘烤硬化性和耐时效性的热浸镀锌钢板及其制造方法 |
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