JP4306068B2 - 加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の構造部材、足回り部材や機械構造部品など、高強度で、部材形状にするため必要とされる過酷なプレス成形に耐え得る高延性、さらに耐食性が要求される用途に適した、熱延鋼板を下地とする加工性に優れた二相組織型の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃費向上や衝突安全性向上を目的として、車体構造部材や足回り部材には高張力熱延鋼板が要求されており、高強度化が以前より必要とされている。加えて近年、車体構造部材や足回り部材等に使用される熱延鋼板は張出し成形および伸びフランジ成形を主体とする過酷な成形を受けるため、優れたプレス成形性、特に良好な延性および伸びフランジ性を有することが求められ、フェライト+マルテンサイトのミクロ組織を基本とする二相組織型熱延鋼板が開発されてきた。
【0003】
更に、二相組織型熱延鋼板に溶融亜鉛めっきした鋼板は良好な延性と耐食性を兼ね備えた鋼板として要望され、特開昭56−142821号公報等が開示されている。本特許では、質量%で、C:0.15%以下、Mn+Cr:1.0〜2.5%を基本成分として含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成の鋼板を、めっき前加熱温度、めっき浴に至るまでの冷却速度、合金化温度、合金化後の冷却速度を詳細に規定した連続式溶融亜鉛めっきライン(以下、CGL)により二相組織とすることを特徴としている。
【0004】
すなわち、めっき前加熱の工程でフェライト相およびオーステナイト相の二相とした後、オーステナイト相をCGLにおける焼入れによりマルテンサイト相とし二相組織の鋼板としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、CGLにおいて焼入れ性を確保するためには鋼組成として合金元素を添加またはCGLのライン速度を速くしなければならず、前者は鋼材コストの上昇、後者は大多数のCGLでは亜鉛付着量制御の安定性確保と合金化の反応速度の制約から決まるライン速度では、焼入れ性が確保できないという問題を生じる。また、特開昭56−142821号公報に開示されている成分組成では、延性は比較的良好であるが、伸びフランジ性が低い。本発明は、高価な合金元素を用いず、またCGLの設備上の制約を受けず延性および伸びフランジ性を含む加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、CGLのライン速度が比較的遅い場合であっても、焼入れ性に優れ、フェライト及びマルテンサイトを主体とする二相組織の得られる成分組成について検討を行った。その結果、C−Mn鋼に適正量のSiを添加した場合、伸びフランジ性を含む加工性が改善されること、Si添加によるめっき性状の劣化はPの添加およびデスケーリング等適正な製造プロセスにより回避できること、更にSiとともにCrまたは/およびVの複合添加により、焼入れに必要なライン速度の制約が大幅に緩和されることを見出した。本発明は上記知見を基に更に検討を加えてなされたものである。本発明の要旨は、次の通りである。
【0008】
1.質量%で、C:0.04〜0.12%、Si:0.2〜0.7%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015〜0.1%、S:0.005%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、更にCr:0.05〜0.8%、V:0.005〜0.15%の一種または二種を含有し、残部Feおよび不可避不純物よりなる鋼を、粗圧延および仕上圧延前に100kgf/cm2以上の高圧水デスケーリングを施した後、Ar3点以上で最終仕上圧延し、700℃以下で巻き取り後、溶融亜鉛めっきすることを特徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法。
【0009】
2.質量%で、C:0.04〜0.12%、Si:0.2〜0.7%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015〜0.1%、S:0.005%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、更にCr:0.05〜0.8%、V:0.005〜0.15%の一種または二種を含有し、残部Feおよび不可避不純物よりなる鋼を、粗圧延および仕上圧延前に100kgf/cm2以上の高圧水デスケーリングを施した後、Ar3点以上で最終仕上圧延し、700℃以下で巻き取り後、溶融亜鉛めっきし、更に合金化処理することを特徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の成分限定理由、ミクロ組織限定理由、熱延条件および溶融亜鉛めっき条件について説明する。
【0011】
1.成分組成
C:0.04%以上、0.12%以下
Cはマルテンサイトを生成させ、目標とする強度を確保するため必須であり、0.04%以上を必要とする。一方、0.12%を超えると加工性が劣化するので、0.04%以上、0.12%以下とする。
【0012】
Si:0.2%以上、0.7%以下
Siはフェライトの生成を促進し、強度―延性バランスを改善し、Mn添加鋼において伸びフランジ性を劣化させる原因となるバンド状組織の生成を抑制し、伸びフランジ性を含む加工性を改善する重要な元素である。これらの効果を得るため、0.2%以上添加する。一方、含有量が多くなると溶融亜鉛めっきにおけるめっきが難しく、0.7%を超えるとめっきの付着性が悪化するので、0.7%以下とする。
【0013】
Mn:1.0%以上、2.0%以下
Mnは組織形成に対し有利に作用し、固溶強化により強度を向上させるため添加する。必要強度を確保するため、1.0%以上添加するが、2.0%を超えるとプレス成形性等の加工性が劣化するため、1.0%以上、2.0%以下とする。
【0014】
P:0.015%以上、0.1%以下
PはSi添加に伴うめっき後の表面性状の悪化を防止するため、0.015%以上添加する。一方、0.1%を超えると効果が飽和するとともに、溶接性、及び中央偏析によりプレス成形性を悪化させるため、0.015%以上、0.1%以下とする。
【0015】
S:0.005%以下
SはMnとA系介在物を作り、プレス成形性を低下させる不純物元素であり、0.005%以下に制限する。但し、経済的に許される範囲で極力低減することが望ましい。
【0016】
sol.Al:0.10%以下
sol.Alは脱酸元素として必須であるが、0.10%を超える範囲ではその効果が飽和し、かつAl系介在物が増加し、プレス成形性が悪化するので0.10%以下とする。
【0017】
N:0.01%以下
Nは多量に含まれると延性を劣化させるため、0.01%以下とする。
【0018】
Cr:0.05%以上、0.8%以下、V:0.005%以上、0.15%以下の一種または二種
本発明では、Cr,Vの一種または二種をSiと複合添加することにより鋼の焼入れ性を向上させ、CGLにおいて二相組織型の鋼板に焼入れを可能とするライン速度の制約を大幅に緩和することを特徴とする。そのため、Cr:0.05%以上、V:0.005%以上の一種または二種を添加する。一方、これらの元素を多量に添加しても、その効果が飽和し、製造コストが上昇するため、Cr:0.8%以下、V:0.15%以下とする。
【0019】
2.ミクロ組織
本発明では、必要な強度及び良好な延性を確保するため鋼のミクロ組織をフェライトとマルテンサイト主体の組織を有するものとする。本組織においては、その作用効果を損なわない範囲で更にベイナイトを含むことができる。
【0020】
3.熱延条件
次に、熱延条件について説明する。本発明では熱延後の溶融亜鉛めっき工程においてフェライトとオーステナイトの二相を分離し、焼入れ処理を行う。熱延工程では、溶融亜鉛めっき工程において所望の組織が得られるように、仕上圧延における仕上温度と巻取温度を規定する。
【0021】
仕上温度:Ar3変態点以上
仕上温度がAr3変態点未満になるとα+γ二相域の圧延となるため混粒組織となり、CGL通板後においても解消されず延性が低下するので、仕上温度はAr3変態点以上とする。
【0022】
巻取温度:700℃以下
巻取温度が700℃超えになると、冷却過程で析出する炭化物が粗大化し、めっき前に必要となる炭化物の溶け込みに長時間を要するようになる。そのため、CGLにおけるライン速度を低下させなければならず、鋼板の焼入れ処理に不利になると共に、生産効率を低下させる。従って、巻取温度を700℃以下とする。この傾向は冷間圧延せずにCGLに装入した場合、強くなる。
【0023】
尚、熱間圧延は、通常の造塊法、連続鋳造により製造したスラブを用いる方法か、又は加熱炉を経由しない直接熱間圧延による方法でよく、特に限定しない。スラブの加熱温度は、スケール生成による重量ロスが適正で、粗圧延、仕上圧延が可能で、更に仕上圧延温度としてAr3変態点以上を確保できれば良く、特に限定しない。また、粗圧延後の半製品を雰囲気炉や高周波加熱等で仕上圧延前に加熱してもよい。一方、粗圧延、仕上圧延前にSi添加鋼で発生する溶融ファイアライト部分をデスケーリングし、メッキ後の表面性状を改善するため、100kgf/cm2以上の高圧水デスケーリングを行うことが必要である。
【0024】
4.溶融亜鉛めっき条件
前述したように、本発明では、溶融亜鉛めっき工程で、必要な強度と加工性を備えた二相組織に調整する。そのため、めっき前加熱条件を規定する。
【0025】
めっき前加熱条件:加熱温度をAc1点以上、Ac3点以下、保持時間5秒〜10分
めっき前加熱の段階で、Ac1点以上、Ac3点以下に加熱し、二相分離させ、めっき後またはめっき後合金化処理する場合は合金化温度以降の冷却において、焼入れし、フェライトとマルテンサイト主体の組織とする。二相分離を十分に行うためには保持時間は最低5秒あればよく、これ以上であれば組織制御の点では問題ないが、あまり長くなると生産効率が落ちるので10分以内とする。
【0026】
CGLでは、熱サイクルの厳密な制御が難しく、所望とする特性が得られるようミクロ組織を制御することは通常困難である。しかし、本発明ではSiとともにCrまたは/およびVを複合添加することにより、めっき前加熱温度の規定を除いて、CGLの製造条件を特に限定する必要はなく、めっき後またはめっき後合金化処理する場合は合金化温度以降の冷却速度が3.5〜9.3℃/Sと小さい場合であっても、フェライトとマルテンサイト主体の組織を得ることが可能である。
【0027】
尚、溶融亜鉛めっきの品質を更に安定したものとする場合、熱間圧延後、溶融亜鉛めっき前に酸洗によりスケールを除去し、必要に応じて表面研削を行うことが好ましい。
【0028】
鋼板表面において、スラブ加熱時の溶融ファイアライト部分に生成したスケールはデスケーリングによって十分除去されているものの、鋼板表面は非溶融ファイアライト部分よりも酸洗後であっても粗度が大きく、この状態でめっきを行った場合、めっき表面に下地の粗さの影響がでる場合があり、表面粗度を均一化するため研削を行うことが好ましい。研削は、酸洗装置に併殺されている研削用ブラシロールやCGL入り側に敷設されている洗浄用ブラシロール等を用いてよく、特にその方法は限定しない。また、溶融亜鉛めっき後、合金化処理することも可能である。
【0029】
【実施例】
[実施例1]
表1に示す成分組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造でスラブとした。表1で表示しない残部はFe及び不可避不純物とする。鋼種A〜CはSiとPが添加された鋼で本発明範囲内の組成となっている。鋼種DはPが添加されず、本発明範囲外の組成となっている。
【0030】
次いで、熱間圧延において、粗圧延前および仕上げ圧延前のデスケーリングを圧力70〜105kgf/cm2とし、Ar3点以上の860℃で板厚2.0mmに仕上圧延後、500℃で巻き取り、酸洗後、CGLにて800℃で2min加熱保持後、両面45g/m2の目付け量で溶融亜鉛めっきし、次いで550℃×10secの合金化処理を行なった。この際、ラインスピードを80mpmとした。合金化温度(550℃)からMs点までの冷却速度は9.3℃/sであった。
【0031】
CGL通板後の鋼板について、表面性状の評価を目視にて実施した。結果を表3に示す。目視による表面性状の評価は、表2により、不めっきの有無とファイアライト起因の凹凸の有無により行った。評点1〜5において,1、2のみを製品とする。表3において、符号1,2,5の実施例は、本発明範囲内の成分の鋼で、デスケーリングの水圧も100kgf/cm2以上のため、良好な表面性状が得られ、本発明の実施例となっている。特に符号2はブラシロールによる表面研削も実施しているため、優れた表面性状となっている。
【0032】
一方、符号3,4は、Si,Pが共に添加された本発明範囲内の成分組成の鋼であるが、デスケーリングの水圧が100kgf/cm2未満で低く、表面性状が良くなく比較例となっている。符号6は、Siの添加量が本発明範囲外で過剰であり、デスケ残りによる不めっきが発生し、比較例となっている。符号7もSiの添加量に対してPの添加量が本発明範囲外で不足し、デスケ残りによる不めっきが発生し、比較例となっている。
【0033】
【表1】
Figure 0004306068
【0034】
【表2】
Figure 0004306068
【0035】
【表3】
Figure 0004306068
【0036】
[実施例2]
表4に示す成分組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造でスラブとした。鋼種a〜dはSiとともにCrまたは/およびVが複合添加され、且つPも添加された本発明範囲内の化学成分の鋼となっている。鋼種e〜iは、本発明範囲外の化学成分の鋼で、鋼種eはSi,鋼種fはCrとV,鋼種gはSi,V、鋼種hはSi,Cr,V,鋼種iはSiがそれぞれ本発明範囲外の組成となっている。
【0037】
次いで、粗圧延前および仕上圧延前のデスケーリング圧を105kgf/cm2とし、Ar3点以上の860℃で板厚2.0mmに仕上圧延した後、500℃で巻き取り、酸洗した。尚、酸洗ラインに付設されているブラシロールは使用しなかった。次に、CGLにて、800℃で2min加熱保持後、両面45g/m2の目付け量で溶融亜鉛めっきし、次いで550℃×10secの合金化処理を行なった。この際、1コイル毎にコイルHeadからEndにかけてラインスピードを上げた。
【0038】
CGL通板後のコイルに対し、表面性状の評価を目視にて行ったが、いずれも表2の評点で1または2であり、良好であった。更に、ライン速度30,80,160mpmに相当する部分からサンプル採取し、JIS5号引張試験片を用いて降伏強さ(YS),引張強さ(TS),降伏比(YR),伸び(El)を求め、ミクロ組織の観察を行った。
【0039】
伸びフランジ性の評価のため、穴拡げ率(λ)の測定を行った。穴拡げ率は、150×150mmの試験片の中央部に10mmΦ(d0)の穴を打抜き、バリをポンチ側とし、これを頂角60°の円錐ポンチで押し広げ、穴縁に板厚を貫通して亀裂が入った時点での穴径(df)を測定し、次式により求めた。
穴拡げ率(λ)=(df−d0)/d0×100(%)
表5に結果を示す。尚、合金化温度(550℃)からMs点までの冷却速度はライン速度に応じて決まり,表中に冷却速度として示す。実施例符号a1〜d3は、SiとともにCrまたは/およびVが複合添加され、本発明範囲内の化学成分を有する鋼であり、CGLのいずれのライン速度においてもフェライトおよびマルテンサイト主体の二相組織で、必要な強度と良好な延性、伸びフランジ性が得られている。一方、実施例e1〜e3は、フェライトおよびマルテンサイト主体の二相組織となっているが、Siが添加されていない本発明範囲外の鋼であり,伸びフランジ性が十分でなく、比較例となっている。
【0040】
実施例f1〜i3は、SiとともにCrまたは/およびVが複合添加されていない本発明範囲外の化学成分を有する鋼であり、焼入れ性が不十分で、比較例となっている。ライン速度が30,60mpmの場合、フェライトおよびマルテンサイト主体の二相組織が得られず、延性と伸びフランジ性に劣る。ライン速度が160mpmの場合、操業上の限界に近く、合金化の不良などによる品質不良率が高くなる。
【0041】
図1は表5などの結果におけるSi+Cr+V量とマルテンサイト体積分率の関係を示すもので、Si,Cr,Vが単独添加の場合は、ライン速度が160mpmでのみ3%以上のマルテンサイトが得られ、これらが複合添加されている場合は、ライン速度によらず7%以上が得られている。
【0042】
【表4】
Figure 0004306068
【0043】
【表5】
Figure 0004306068
【0044】
【表6】
Figure 0004306068
【0045】
[実施例3]
表6に示すようにSiとCrおよびVを複合添加した本発明範囲内の成分組成の鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造でスラブとした後、粗圧延前および仕上圧延前のデスケーリング圧を105kgf/cm2とし、Ar3点以上の860℃で板厚2.0mmに仕上圧延した後、400〜750℃で巻き取り、酸洗した。尚、酸洗ラインに付設されているブラシロールは使用しなかった。次に、CGLにて、800℃で2min加熱保持後、両面45g/m2の目付け量で亜鉛めっきし、次いで550℃×10secの合金化処理を行なった。この際、1コイル毎にコイルHeadからEndにかけてラインスピードを上げた。
【0046】
CGL通板後のコイルに対し、表面性状の評価を目視にて行ったが、いずれも表2の評点で1または2であり、良好であった。更に、ライン速度30,80,160mpmのいずれかに相当する部分からサンプル採取し、JIS5号引張試験片を用いて降伏強さ(YS),引張強さ(TS),降伏比(YR),伸び(El)を求め、ミクロ組織の観察及び、穴拡げ率の測定を行った。各部分の合金化温度(550℃)からMs点までの冷却速度はライン速度に応じて決まる。
【0047】
表7に結果を示す。符号1〜5は、巻取温度が700℃以下で、いずれのライン速度でもフェライトとマルテンサイトの二相組織が得られて適正な強度と良好な延性を有する。しかし、符号7,8は、フェライトとマルテンサイトに、主としてセメンタイトからなる炭化物が含まれているため、強度が適正でも延性または伸びフランジ性が十分とはいい難い。炭化物は、巻取温度が750℃と高いため、巻き取り後析出したもののサイズが大きく、ライン速度80mpm以上のCGLのめっき前加熱において溶解できず、残存したものである。符号6は、ライン速度が30mpmと遅く、十分に炭化物が溶け込み組織としては良好であるが、生産性が低く好ましくなく、比較例となっている。
【0048】
【表7】
Figure 0004306068
【0049】
【表8】
Figure 0004306068
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、590MPa以上の引張強さと良好な加工性を有する二相組織型の熱延下地溶融亜鉛めっき高張力鋼板を生産性良く製造可能で、自動車の軽量化など産業上極めて有用な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Si+Cr+V量がマルテンサイト体積分率に及ぼす影響を示す図。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.04〜0.12%、Si:0.2〜0.7%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015〜0.1%、S:0.005%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、更にCr:0.05〜0.8%、V:0.005〜0.15%の一種または二種を含有し、残部Feおよび不可避不純物よりなる鋼を、粗圧延および仕上圧延前に100kgf/cm2以上の高圧水デスケーリングを施した後、Ar3点以上で最終仕上圧延し、700℃以下で巻き取り後、溶融亜鉛めっきすることを特徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.04〜0.12%、Si:0.2〜0.7%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015〜0.1%、S:0.005%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、更にCr:0.05〜0.8%、V:0.005〜0.15%の一種または二種を含有し、残部Feおよび不可避不純物よりなる鋼を、粗圧延および仕上圧延前に100kgf/cm2以上の高圧水デスケーリングを施した後、Ar3点以上で最終仕上圧延し、700℃以下で巻き取り後、溶融亜鉛めっきし、更に合金化処理することを特徴とする加工性に優れた熱延下地の溶融亜鉛めっき高張力鋼板の製造方法。
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