JP2001206011A - ラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤ

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JP2001206011A
JP2001206011A JP2000016181A JP2000016181A JP2001206011A JP 2001206011 A JP2001206011 A JP 2001206011A JP 2000016181 A JP2000016181 A JP 2000016181A JP 2000016181 A JP2000016181 A JP 2000016181A JP 2001206011 A JP2001206011 A JP 2001206011A
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silica
tire
rubber
tread portion
belt
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JP2000016181A
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Ichiro Takahashi
一郎 高橋
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Tires In General (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気入りタイヤのロードノイズの低減及び転
がり抵抗の低減を両立する。 【解決手段】 ベルト層20の外周側にPEN繊維コー
ドを含んだスパイラル構造のベルト補強層22をトレッ
ド部全体に配設する。これによりロードノイズを低減で
きる。トレッド部16は、キャップ・ベース構造とし、
ベースゴム16Aにおいてはゴム成分100重量部に対
してシリカを10重量部以上配合する。ゴムにシリカを
配合すると低変形時のロスが低下するので、ベースゴム
16Aにシリカを10重量部以上配合すると、ベルト補
強層22に高弾性率の繊維を用いたことによる転がり抵
抗の悪化を抑制することができる。これにより、ロード
ノイズ低減と転がり抵抗の低減とを両立することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤのロードノ
イズ低減と転がり抵抗の低減とを両立し、また、走行中
期以降のウエット性能の低下を抑制できるラジアルタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術】車輌の高級化、高品質化に伴い、特に乗
用車においては車輌の低振動化が近年急激に進みつつあ
る中、タイヤとしての要求特性にも低騒音化が求められ
ている。
【0003】特に、車内に生じるノイズの低減が望まれ
ており、かかるノイズの一つとして走行中のタイヤが路
面の凹凸をひろい、その振動が伝達されて車内の空気を
振動させることに基づいて発生する、いわゆるロードノ
イズの改良要求は、極めて高くなってきている。
【0004】従来より存在するロードノイズ低減方法と
しては、最も基本的にはタイヤトレッド部のゴムを軟化
させる手法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た手法によるロードノイズを低減する方法は、トレッド
ゴムを軟化することによってロードノイズを低減できて
も、耐摩耗性が大きく低下し、また操縦安定性も大幅に
悪化するため実用的でない。
【0006】上記の諸問題を解決するために、ベルト補
強層にPEN等の高モジュラス繊維を用い、例えば、1
00〜400Hz のロードノイズを大幅に低減した空気
入りタイヤ(特開平9−066705号等)が提案され
ている。
【0007】PEN等に代表される高温で伸度が高く、
低温で伸度が低い特性を持つ繊維は、タイヤの製造が容
易でかつノイズ低減効果が高いことから、ロードノイズ
低減を目的として空気入りタイヤのベルト補強層として
使用されている。
【0008】しかし、PEN等の高モジュラス繊維をベ
ルト補強層として用いると、ロードノイズは低減できる
が、転がり抵抗が悪化する問題がある。
【0009】これは、タイヤの転動は定歪の変形のた
め、高モジュラス繊維をベルト補強層に用いると、変形
のエネルギーが大きくなりロスが大きくなるためであ
る。
【0010】また、一般的なタイヤの特性として、転が
り抵抗の低減とウエット路面での制動性能とは背反し、
更に、走行を重ねたタイヤでは、ゴムの硬化によりウエ
ット路面での制動性能が大きく低下する問題がある。
【0011】即ち、転がり抵抗を低下させるために高硬
度のゴムをトレッドに用いるとウエット路面での制動性
能が低下し、ゴムが硬化することによりウエット路面で
の制動性能が更に低下してしまう。
【0012】本発明は上記事実を考慮し、タイヤのロー
ドノイズ低減と転がり抵抗の低減とを両立し、また、走
行中期以降のウエット性能の低下を抑制できるラジアル
タイヤを提供することが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、一対のビード部と、両ビード部にトロイド状に跨が
ると共に端部がビードコアの回りをタイヤ内側から外側
へ巻き上げられるカーカスと、前記カーカスのクラウン
部に位置するトレッド部と、前記カーカスのサイドウォ
ール部と、を備えると共に、前記トレッド部の内側に配
置された少なくとも二層のベルト層の外周側に少なくと
も一枚よりなるベルト補強層をトレッド部全体及び/又
は両端部に配設し、前記ベルト補強層が繊維コードを複
数本含むゴム引きされた狭幅のストリップを前記コード
がタイヤ周方向に実質上、平行になるようにラセン状に
エンドレスに巻きつけることにより形成されるラジアル
タイヤであって、前記ベルト補強層コードが有機繊維コ
ードからなり、かつ前記有機繊維コードが50±5°C
において、1.4g/d荷重下の伸度が1.5%以上
2.5%以下であり、かつ170±5°Cにおいて、
0.7g/d荷重下の伸度が2.0%以上3.3%以下
であり、前記トレッド部は、ゴム成分100重量部に対
してシリカを10重量部以上配合してなるゴム組成物で
構成されたシリカ高配合ゴム層が、タイヤ径方向断面で
見たときに30%以上占めていることを特徴としてい
る。
【0014】次に、請求項1に記載のラジアルタイヤの
作用を説明する。
【0015】本発明のラジアルタイヤでは、ベルト層の
外周側にベルト補強層をトレッド部全体及び/又は両端
部に配設し、ベルト補強層が繊維コードを複数本含むゴ
ム引きされた狭幅のストリップをコードがタイヤ周方向
に実質上平行になるようにラセン状にエンドレスに巻き
つけられ、またベルト補強層のコードが有機繊維コード
からなり、さらにこの繊維コードは50±5°C、1.
4g/d(12.3mN/dtex)荷重下の伸度が
1.5%以上2.5%以下であり、かつ170±5°
C、0.7g/d(6.2mN/dtex)荷重下の伸
度が2.0%以上3.3%以下としている。
【0016】このように、トレッド部全体及び/又はト
レッド部の両端のサイド部に近い位置に、ベルト補強層
をラセン状に巻きつけ、さらにこの補強層に用いるコー
ドのモジュラスを高めて、タイヤ周方向の張力の高いバ
リヤー状補強層が配置されることによって、トレッド部
の周方向の張力剛性が大きくなり、ベルトのいわゆるタ
ガ効果が高まるため、タイヤ走行中時に路面の大小の凹
凸の振動をトレッド面でひろいにくく、タイヤサイド部
−リム部−ホイールヘと伝達されて車内に伝わる振動が
減少し、つまりロードノイズが低減される。
【0017】ベルト補強層は前記のようなラセン状に巻
回した構造でなければ、タイヤ周方向にジョイントがで
きてしまうため、周方向の張力が向上するよりも、ジョ
イント部でのジョイント上、下の層間のズレが発生して
しまい、前記のようなコード物性を限定しても効果が見
られない上、ジョイントによるユニフォミティーも著し
く悪化し好ましくない。
【0018】本発明では、ベルト補強層の有機繊維コー
ドは通常のタイヤ走行時にベルト補強層の受ける温度す
なわち50±5°Cにおいて、1.4g/d荷重下の伸
度が2.5%以下としている。
【0019】これによって路面の凹凸によるベルトの振
動を低減することができる。この伸度が2.5%を越え
るとこのベルトの振動を抑えきれず、ロードノイズ低減
効果は得にくくなる。
【0020】また、ベルト補強層の繊維コードは50±
5°Cにおける応力一伸度曲線の1.4g/d荷重下で
の接線の傾きN1 と0.25g/d荷重下での接線の傾
きN 2 との比N1 /N2 が0.8〜1.3であることが
好ましい。
【0021】これによって、ベルトの振動入力に対する
バリアー効果に均一性が保たれ、大入力及び小入力に対
するベルト層の振動抑制にばらつきが発生しない。
【0022】例えば、N1 /N2 が0.8未満の場合、
大きな入力に対するバリアー効果が低下し、振動低減効
果が小さくなり、N1 /N2 が1.3を超える場合、小
さな入力に対するバリアー効果が低下し、振動低減効果
が小さくなる。
【0023】その結果、トレッド部全体の振動が発生
し、ロードノイズは悪化する。
【0024】この大入力および小入力に対するバリアー
効果、すなわちロードノイズ低減効果は補強層コードの
大荷重下と小荷重下における各々モジュラスの絶対値よ
り、その比によって大きく左右される。
【0025】さらに、ベルト補強層の繊維コードはタイ
ヤ加硫成型時にコードの受ける温度すなわち170±5
°Cにおいて、0.7g/d荷重下の伸度が2.0%以
上3.3%以下であることが必要である。
【0026】タイヤ製造時に生タイヤを加硫金型に装着
し、生タイヤに内圧を充填させ、金型内面に押しつける
時、拡張率が一定でないトレッド各部を十分な伸びを持
って金型に密着させるため、ラセン状に巻きつけられた
ベルト補強層のコードは、トレッドを加硫金型に適合で
きる2.0%以上3.3%以下のような伸びが必要とな
り、これによってタイヤの加硫成型性は良好となり、ベ
ルト補強層の性状は均一となり、接地性も均一となるた
め、タイヤのロードノイズ性、操縦安定性、耐偏摩耗性
は優れたものとなる。
【0027】有機繊維コードは加硫時の150〜180
°Cのような高温において、十分な伸びを有し、製品タ
イヤにおいては、ベルト層を強く保持する、高い弾性率
を維持する性質を有することができるため、これらの効
果を発現する。
【0028】ここで、0.7g/dの荷重での伸度とし
ているのは加硫金型内でのラセン状に巻きつけたベルド
補強層繊維コード1本当りに加わる平均張力が一般に
0.7g/d前後であることによる。
【0029】この伸度が高弾性率の通常のアラミドコー
ドのように2.0%未満である場合、上記の説明からわ
かるように、加硫金型内でトレッドの充分な伸びが得ら
れず、加硫成型が不良となり、タイヤ接地性も不均一と
なり、ロードノイズ低減効果が十分でなく、また操縦安
定性等も悪化する。
【0030】また、伸度が3.3%を超える場合、タイ
ヤを加硫金型から取りはずした後、内圧充填冷却(ポス
トキュアーインフレーション)時に、トレッド部の周方
向の伸びが大きくなり、高速耐久性が悪くなる。
【0031】さらに、本発明のラジアルタイヤでは、ゴ
ム成分100重量部に対してシリカを10重量部以上配
合してなるゴム組成物で構成されたシリカ高配合ゴム層
が、タイヤ径方向断面で見たときにトレッド部の30%
以上を占めている。
【0032】ここで、ゴムにシリカを配合すると、低変
形時のロスが低下し、高変形時のロスが高くなる。ま
た、タイヤの転がり抵抗は低変形時、操縦性能(ドライ
及びウエット)は高変形時の特性が寄与する。
【0033】上記のようにトレッド部のゴムにシリカを
配合すると、ベルト補強層に高弾性率の繊維を用いたこ
とによる転がり抵抗の悪化を抑制することができる。
【0034】したがって、本発明のラジアルタイヤで
は、タイヤのロードノイズ低減と転がり抵抗の低減とを
両立することができる。
【0035】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のラジアルタイヤにおいて、前記トレッド部は、前記ベ
ルト層側に前記シリカ高配合ゴム層が配置され、前記シ
リカ高配合ゴム層のタイヤ径方向外側にシリカの配合が
零または前記シリカ高配合ゴム層よりもシリカの配合量
が少ないゴム層が配置されており、前記シリカ高配合ゴ
ム層は、前記トレッド部の摩耗途中で踏面に露出するこ
とを特徴としている。
【0036】次に、請求項2に記載のラジアルタイヤの
作用を説明する。
【0037】ゴムにシリカを配合すると摩擦係数が高く
なるため、ウエット性能が低下する摩耗途中に、シリカ
の配合量の多いシリカ高配合ゴム層が踏面に露出する
と、溝体積の減少及びゴムの硬化によるウエット性能の
低下を抑制することができる。
【0038】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のラジアルタイヤにおいて、前記シリカ高配合ゴム層
は、前記トレッド部の40%摩耗時に踏面に露出するこ
とを特徴としている。
【0039】次に、請求項3に記載のラジアルタイヤの
作用を説明する。
【0040】トレッド部が40%摩耗する頃には、ウエ
ット性能の低下が顕著になるため、この時期にシリカの
配合量の高いシリカ高配合ゴム層を踏面に露出させ、ウ
エット性能の低下を抑制することが好ましい。
【0041】請求項4に記載の発明は、請求項2または
請求項3に記載のラジアルタイヤにおいて、前記シリカ
高配合ゴム層は、少なくとも前記トレッド部のタイヤ幅
方向中央部に露出することを特徴としている。
【0042】次に、請求項4に記載のラジアルタイヤの
作用を説明する。
【0043】荷重負担の大きなタイヤ幅方向中央部に摩
擦係数の大きなシリカ高配合ゴム層を踏面に露出させる
ので、ウエット性能の低下を確実に抑制することができ
る。
【0044】請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請
求項4の何れか1項に記載のラジアルタイヤにおいて、
前記シリカ高配合ゴム層は、100%摩耗時の露出量が
接地幅の40%以上であることを特徴としている。
【0045】次に、請求項5に記載のラジアルタイヤの
作用を説明する。
【0046】トレッド部の100%摩耗時(トレッド部
に設けられた主溝が消滅する時点)にシリカ高配合ゴム
層を接地幅の40%以上露出させることにより、シリカ
高配合ゴム層の接地面積を大きく確保でき、ウエット性
能の低下をより確実に抑制することができる。
【0047】なお、タイヤは、それぞれのサイズに応じ
て、例えば、日本ではJATMA が発行する規格に定められ
た標準リムに装着して使用され、この標準リムが通常正
規リムと称される。
【0048】接地幅とは、タイヤを正規リムにリム組み
して正規内圧を充填し、正規荷重を静的に負荷したとき
のトレッドのタイヤ軸方向の接地最大幅を指す。
【0049】正規荷重とは、上記規格に記載されている
適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)の
ことであり、正規内圧とは、上記規格に記載されている
適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大付加能力)に
対応する空気圧のことである。
【0050】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5の何れか1項に記載のラジアルタイヤにおいて、
前記有機繊維コードは、総表示デニール数の30%以上
がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維で構成され
ていることを特徴としている。
【0051】次に、請求項6に記載のラジアルタイヤの
作用を説明する。
【0052】ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維
コードを含む有機繊維コードは前記諸物性を満足させる
ことができるため、実用上一般的なコード熱処理及びタ
イヤ製造法を用いても、加硫金型内での成型性も良好で
あり、タイヤの操縦安定性、耐偏摩耗性も優れており、
ロードノイズ性は大幅に低減される。
【0053】ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維
コードが有機繊維コードの総表示デニール数の30%以
上含まれることにより、広範な周波数帯域、特に300
〜400Hzのような高周波数帯域でのロードノイズの
低減が可能となる。
【0054】このような多くの効果は、ベルト補強層と
して同じように用いられる下記の他の繊維コードと対比
することにより、一層明白となる。
【0055】通常のナイロン66繊維コード、ナイロン
46繊維コード等を用いた場合、タイヤロードノイズ
(車内騒音)はベルト補強層のないものに比べると若干
低減するがそのレベルは満足できるものではない。
【0056】通常のアラミド繊維コード、炭素繊維コー
ド、ガラス繊維コード等の高弾性率繊維コードを用いた
場合、前記したように加硫成型性が不良であり、100
〜400Hzの広範な周波数帯域、特に300〜400
Hzの比較的高周波数帯域でのロードノイズは十分に低
減できないうえ、接地性が不均一となり、操縦安定性や
耐偏摩耗性は大巾に悪化する。
【0057】通常のアラミド・ナイロンの複合繊維コー
ドを用いた場合、応力ー伸度曲線が非線形のため路面入
力の大小や走行速度によって、ロードノイズの悪化する
点があり、実用的ではない。
【0058】なお、請求項7に記載するように有機繊維
コードの総表示デニール数の80%以上がポリエチレン
−2,6−ナフタレート繊維で構成されることが好まし
く、請求項8に記載するように有機繊維コードの総表示
デニール数の100%がポリエチレン−2,6−ナフタ
レート繊維で構成されることが更に好ましい。
【0059】
【発明の実施の形態】次に、本発明のラジアルタイヤの
一実施形態を図面にしたがって説明する。
【0060】図1に示すように、ラジアルタイヤ10は
ビード部11に埋設されたビードコア12の周りにタイ
ヤ内側から外側に折返して係止されるカーカス14と、
カーカス14の本体部14Aと巻上部14Bとの間に配
置されるビードフィラー15と、カーカス14のクラウ
ン部に位置するトレッド部16と、カーカス14のサイ
ド部に位置するサイドウォール部18と、トレッド部1
6の内側に配置された少なくとも二層のベルト層20を
備えている。
【0061】カーカス14は、繊維コードを実質的に周
方向と直交する方向に配列されており、少なくとも一枚
の層から構成されている。
【0062】ベルト層20はアラミド繊維及びスチール
コードに代表される非伸長性コードが周方向(またはタ
イヤ赤道面CL)に対し10°〜30°の傾斜角度で配
列されており、少なくとも2枚、互いのコードが異なる
方向に交差するように重ね合わされている。
【0063】ベルト層20の外周側には、ベルト補強層
22が設けられている。
【0064】ベルト補強層22は、ベルト層20全体を
覆う幅広の第1ベルト補強層22Aと、ベルト層20の
端部付近を覆う幅狭の第2ベルト補強層22Bから構成
されている(C/L構造)。
【0065】第1ベルト補強層22A及び第2ベルト補
強層22Bは、各々繊維コードを復数本含むゴム引きさ
れた狭幅のストリップを、前記繊維コードがタイヤ周方
向に実質的に平行(0°〜5°)になるようにラセン状
(スパイラル状)に、エンドレスに巻きつけられてい
る。
【0066】なお、第1ベルト補強層22A及び第2ベ
ルト補強層22Bは、ベルト層20の幅方向外側にはみ
出した方がよい。
【0067】ここで、第1ベルト補強層22A及び第2
ベルト補強層22Bに用いる繊維コードは、50±5°
Cにおいて、1.4g/d荷重下の伸度が1.5%以上
2.5%以下であり、かつ170±5°Cにおいて、
0.7g/d荷重下の伸度が2.0%以上3.3%以下
である有機繊維コードであり、50±5°Cにおいて、
1.4g/d荷重下の伸度が1.6%以上2.3%以下
であり、かつ170±5°Cにおいて、0.7g/d荷
重下の伸度が2.3%以上3.0%以下である有機繊維
コードであることが好ましい。
【0068】有機繊維、例えば、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートは85モル%以上がポリエチレン−2,
6−ナフタレートからなる重合体を用いることができ
る。
【0069】この重合体は公知の方法例えば特開平5−
163612の2欄26行〜3欄21行に従って合成す
ることができ、同特許の4欄7行〜5欄35行に従って
原糸を製造することができる。
【0070】この重合体は通常の溶融重合、固相重合の
いずれの方法によっても合成できる。
【0071】また、有機繊維コードは、総表示デニール
数の30%以上(残りは他の有機繊維)がポリエチレン
−2,6−ナフタレート繊維で構成されることが好まし
く、総表示デニール数の80%以上がポリエチレン−
2,6−ナフタレート繊維で構成されることが更に好ま
しく、総表示デニール数の実質的に100%がポリエチ
レン−2,6−ナフタレート繊維で構成されることが最
も好ましい。
【0072】なお、このラジアルタイヤ10は、一般の
ラジアルタイヤと同様の行程を経て製造される。
【0073】なお、第1ベルト補強層22A及び第2ベ
ルト補強層22Bの有機繊維コードは、原糸を下撚り
し、これを2本又は3本合わせて、逆方向に上撚りし、
後で定義する撚り係数Rが0.20〜0.72であるこ
とが好ましく、0.20〜0.50であることがさらに
好ましい。
【0074】これによって、コードに適度の集束性が与
えられるため、高レベルのロードノイズ低減効果が得ら
れる。
【0075】撚り係数Rは、0.20未満ではコード−
ゴム間の接着性が悪くなり、0.72を越えると伸びが
増大し、初期モジュラスが低下するため、ベルト補強層
のタガ効果を低下させる。
【0076】なお、前記撚り係数Rとは、R=N×
(0.139×D/ρ)1/2 ×10-3〔式中、N:コー
ドの撚り数(回/10cm)、D:コードの総表示デニ
ール数、ρ:コードの比重〕で定義される。
【0077】なお、前述の各種の測定、試験方法は次の
通りである。 ・170±5°Cにおける0.7g/dの荷重下での伸
度の測定 20〜30°C(室温)でコードに0.0167g/d
の荷重をかけた状態からコードの雰囲気温度を80°C
/分の速度で170±5°Cに昇温し、10分間安定さ
せる。
【0078】その後、30mm/分の速度で0.7g/
dの荷重になるまで引っ張る。
【0079】その状態で、10分間クリープさせた時点
でのコードの長さを測定し、室温時にコードに0.01
67g/dの荷重をかけた時の長さと比べ、その伸びた
分を室温時のコードに0.0167g/dの荷重をかけ
た長さで除して、170±5°Cにおける0.7g/d
荷重下での伸度(%)とした。
【0080】尚、初期サンプル長さは、250mmで行
った。
【0081】・50±5°Cにおける1.4g/d荷重
下での伸度の測定 20〜30°C(室温)でコードに
0.0167g/dの荷重をかけた状態からコードの雰
囲気温度を5°C/分の速度で50±5°Cに昇温し、
5分間安定させる。
【0082】その後、300mm/分の速度でコードが
破断するまで引張り、応力一伸度曲線を描き、その応力
一伸度曲線から1.4g/d応力時の伸度を読み取り、
これを50±5°Cにおける1.4g/d荷重下での伸
度とした。
【0083】・50±5°Cにおける応力一伸度曲線の
1.4g/d荷重下での接線の傾きN1 と0.25g/
d荷重下での接線の傾きN2 の比N1 /N2 の測定 前
項で作成した応力一伸度曲線の1.4g/d荷重点及び
0.25g/d荷重点において、接線を描き、単位伸度
当りの荷重(g/d)をそれぞれN1 及びN2 とする。
【0084】これは、接線の傾きであり、N1 をN2
除した値を求めた。
【0085】・tanδの測定は粘弾性測定装置(東洋
精機製作所社製)を使用し、温度30°C、歪1%、周
波数50Hzでtanδを測定した。
【0086】次に、トレッド部の構造を詳細に説明す
る。
【0087】本実施形態のラジアルタイヤ10のトレッ
ド部16は、タイヤ径方向内側のベースゴム16A及び
タイヤ径方向外側のキャップゴム16Bの2層からなる
いわゆるキャップベース構造である。
【0088】トレッド部16のゴム組成物に用いられる
ゴム成分としては、ベースゴム16Aのゴム組成物に
は、例えば、天然ゴム(NR)を単味で用いることがで
き、またはNRとブタジエンゴム(BR)とを配合して
用いることができる。
【0089】また、キャップゴム16Bのゴム組成物に
は、例えば、天然ゴム(NR)を単味で用いることがで
き、またはNRとスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、NRとブタジエンゴム(BR)あるいはNRとS
BRとBRとを配合して用いることができる。
【0090】ゴム組成物に用いる充填剤としては、カー
ボンブラック及びシリカがある。
【0091】カーボンブラックとしては、SAF、IS
AF、HAFが好ましく使用できるが、特にこれらに限
定されるものではない。
【0092】シリカとしては、沈殿法による合成シリカ
が好ましく使用される。具体的には、日本シリカ工業
(株)製の「ニプシールAQ」、ドイツテグサ社製の
「ULTRASIL VN3」、「BV3370G
R」、ローヌ・プ−ラン社製の「RP1165MP」、
「Zerosil 165GR」、「Zerosil
175VP」、PPG社製の「Hisil 233」、
「Hisil 255」等が挙げられるが、特にこれら
に限定されるものではない。
【0093】シリカとしては、窒素吸着比表面積(N2
SA)120〜240m2 /g、かつジブチルフタレー
ト(DBP)吸油量170〜250m3 /100gの特
性を有するものが好ましい。
【0094】キャップゴム16Bのゴム組成物では、充
填剤の配合は、ジエン系ゴム成分100重量部に対し
て、40〜60重量部であり、45〜55重量部がより
好ましい。充填剤の配合量が40重量部未満では耐摩耗
性が悪化し、60重量部を越えると作業性が低下するた
め好ましくない。
【0095】キャップゴム16Bのゴム組成物では、充
填剤のうち、カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴ
ム成分100重量部に対して30〜60重量部であり、
35〜55重量部がより好ましい。充填剤の配合量が3
0重量部未満では耐摩耗性が悪化し、60重量部を越え
ると走行時の発熱を抑えることができず、また作業性も
低下する。
【0096】キャップゴム16Bのゴム組成物では、充
填剤のうち、シリカの配合量は、ジエン系ゴム成分10
0重量部に対して、0〜15重量部であり、5〜10重
量部がより好ましい。
【0097】シリカの配合量が15重量部を越えると、
キャップゴム16Bとしての耐摩耗性が不十分となる。
【0098】ベースゴム16Aのゴム組成物では、充填
剤の配合量は、ジエン系ゴム組成物100重量部に対し
て30〜60重量部であり、40〜50重量部がより好
ましい。
【0099】ベースゴム16Aのゴム組成物では、充填
剤の配合量が30重量部未満では耐摩耗性が不十分とな
り、60重量部を越えると作業性が低下するため好まし
くない。
【0100】ベースゴム16Aのゴム組成物では、充填
剤のうち、カーボンブラックの配合量はジエン系ゴム西
部100重量部に対して15〜50重量部であり、30
〜45重量部がより好ましい。
【0101】ベースゴム16Aのゴム組成物では、カー
ボンブラックの配合量が15重量部未満では耐摩耗性が
悪化し、50重量部を越えると走行時の発熱を抑えるこ
とができない。
【0102】ベースゴム16Aのゴム組成物では、充填
剤のうち、シリカの配合量は、ジエン系ゴム成分100
重量部に対して5〜30重量部であり、10〜20重量
部がより好ましい。
【0103】シリカの配合量が5重量部未満では配合の
効果が得られず、30重量部を越えると配合の効果が飽
和するため経済的ではない。
【0104】なお、ゴム組成物には、シランカップリン
グ剤を配合することが好ましい。シリカ−ゴム成分間の
物理的結合がカーボンブラック−ゴム成分間の結合に比
べて弱いため、タイヤの耐摩耗性が低下する。そこで、
シランカップリンブ剤は、このシリカ−ゴム成分間の結
合を強化し、耐摩耗性を確保するために使用される。
【0105】シランカップリング剤としては、例えば、
デグサ社製の商品名「Si69」を挙げることができる
が、特にこれに限定されるものではない。
【0106】シランカップリング剤の配合量は、シリカ
の量に対して3〜30重量%、好ましくは5〜20重量
%である。3重量%未満では耐摩耗性が低下し、30重
量%を越える効果の更なる向上は認められず経済的な観
点からもこれ以上の増量の必要はない。
【0107】また、ゴム組成物には、その他の配合剤と
して、ゴム工業で通常用いられる酸化亜鉛、ステアリン
酸、老化防止剤、WAX、加硫剤等の成分が適宜配合さ
れている。
【0108】本実施形態では、ベースゴム16Aのゴム
組成物のシリカの配合量が、キャップゴム16Bのゴム
組成物のシリカの配合量より多く設定されている。
【0109】また、トレッド部16をタイヤ径方向断面
で見たときに、シリカが多く配合されたベースゴム16
Aが、トレッド部16の断面積中の30%以上占めてい
る。
【0110】トレッド部16には、ウエット性能を確保
するために、周方向に沿って延びる主溝17が複数本形
成されている。なお、トレッド部16には、周方向に延
びる主溝17の他にラグ溝が形成されていても良い。
【0111】本実施形態では、主溝17の底部がベース
ゴム16Aの上面よりも下側に位置しており、トレッド
部16の摩耗途中(摩耗寿命に至る前、即ち、主溝17
が消滅する前)で踏面に露出するようにベースゴム16
A及びキャップゴム16Bの厚さ、主溝17の深さが設
定されている。
【0112】なお、本実施形態では、ベースゴム16A
及びキャップゴム16Bが上下2層構造であり、各々の
厚みがタイヤ幅方向に略一定しているため、トレッド部
16の摩耗途中で踏面全体にベースゴム16Aが露出す
るが、ベースゴム16A全体が踏面に露出しなくても良
い。
【0113】ベースゴム16Aを踏面に露出させる場合
は、少なくともトレッド部16のタイヤ幅方向中央部に
露出させることが好ましく、トレッド部16の100%
摩耗時に少なくとも接地幅の40%以上露出させること
が好ましい。
【0114】さらに、ベースゴム16Aは、トレッド部
16の40%摩耗時(100%は主溝17消滅時)に踏
面に露出させることが好ましい。 (作用)次に、ラジアルタイヤ10の作用を説明する。
【0115】本実施形態のラジアルタイヤ10のよう
に、ベルト層20の外周にベルト補強層22(第1ベル
ト補強層22A及び第2ベルト補強層22B)を設けた
ので、ベルト層20のいわゆるタガ効果が高まるため、
タイヤ走行中時に路面の大小の凹凸の振動をトレッド面
でひろいにくく、サイドウォール部18−リム部−ホイ
ールヘと伝達されて車内に伝わる振動が減少、つまりロ
ードノイズが低減される。
【0116】また、ベルト補強層22に用いる有機繊維
コードが通常のタイヤ走行時にベルト補強層22の受け
る温度、すなわち50±5°Cにおける1.4g/d荷
重下の伸度を2.5%以下としているので、路面の凹凸
によるベルト層20の振動を低減することができる。
【0117】また、ベルト補強層22に用いる有機繊維
コードの50±5°Cにおける応力一伸度曲線の1.4
g/d荷重下での接線の傾きN1 と0.25g/d荷重
下での接線の傾きN2 との比N1 /N2 を0.8〜1.
3としたので、ベルト層20の振動入力に対するバリア
ー効果に均一性が保たれ、大入力及び小入力に対するベ
ルト層20の振動抑制にばらつきが発生しない。
【0118】さらに、ベルト補強層22の有機繊維コー
ドは、タイヤ加硫成型時にコードの受ける温度、すなわ
ち170±5°Cにおける0.7g/d荷重下の伸度を
2.0%以上3.3%以下としたので、タイヤの加硫成
型性が良好となり、ベルト補強層22の性状が均一とな
り、接地性も均一となるため、タイヤのロードノイズ
性、操縦安定性、耐偏摩耗性が優れたものとなる。
【0119】有機繊維コードは、加硫時の150〜18
0°Cのような高温において、十分な伸びを有し、製品
タイヤにおいては、ベルト層20を強く保持する、高い
弾性率を維持する性質を有することができるため、これ
らの効果を発現する。
【0120】ベルト補強層22の有機繊維コードは、原
糸を下撚りし、これを2本又は3本合わせて、逆方向に
上撚りし、撚り係数Rを0.20〜0.72の範囲内と
したので、有機繊維コードに適度の集束性が与えられる
ため、高レベルのロードノイズ低減効果が得られる。
【0121】さらに、このラジアルタイヤ10では、ゴ
ム成分100重量部に対してシリカが10重量部以上配
合されたロスの低いゴム組成物(ベースゴム16A)
が、タイヤ径方向断面で見たときにトレッド部16の3
0%以上を占めているので、ベルト補強層22に高弾性
率の有機繊維コードを用いたことによる転がり抵抗の悪
化を抑制でき、ロードノイズ低減と転がり抵抗の低減と
を両立できる。
【0122】また、ゴムにシリカを配合すると摩擦係数
が高くなる。本実施形態では、ウエット性能が低下する
摩耗途中に、シリカの配合量の高いベースゴム16Aが
踏面全面に露出するので、主溝17の溝体積の減少及び
走行を重ねた結果生ずるゴムの硬化によるウエット性能
の低下を抑制できる。 (試験例)本発明の効果を確かめるため、比較例のタイ
ヤ2種と本発明の適用された実施例のタイヤ2種とを用
意し、走行音試験、転がり抵抗試験及び摩耗ウエット制
動試験を行った。
【0123】(1) 後記の実施例及び比較例のタイヤ
は下記の通りである。
【0124】使用タイヤサイズは、205/65R15
のチューブレス構造であり、タイヤの製造は、加硫条件
170°C×13分、ポストキュアインフレーション条
件内圧250kPA、26分で行った。
【0125】カーカスは、1000D/2 (1000デニ
ール2本撚り)の撚り数(下撚り×上撚り)47×47
(回/10cm)のポリエチレンテレフタレートコード
を使用したものを2枚、打込み数は55.0本/5cm
のものを用いた。
【0126】ベルト層は、1×5×0.23構造のスチ
ールコードからなるプライを2枚配置し、コードの打込
み角度は周方向に対して左右それぞれ26°、コードの
打込み数は40.0本/5cmである。
【0127】ベルト補強層は、周方向に対して角度0°
〜5°でベルト層外側にラセン状に巻きつけた。
【0128】ベルト補強層は図1に示す配置とした。
【0129】この際、1層の第1ベルト補強層をベルト
層の径方向外側全体を覆うように、ベルト層の両端で各
々2.5mm広く巻きつけ、さらにその外周側の両端部に
1層の第2ベルト補強層を一層各25mm幅になるように
巻き付けた。
【0130】この補強層は5〜20mm程度の狭幅のスト
リップを用いて、前記方法によりベルト層上に形成し
た。
【0131】・走行音試験:205/65R15、内圧
200kPA、リムサイズ6J−15の供試タイヤを2
000cc排気量セダンタイプの自動車(国産車)に4
輪とも装着し、ロードノイズ評価路のテストコースで6
0km/時の速度で走行し、テストドライバーによるフ
ィーリング評価を行った。
【0132】評価は、比較例1の走行音を100とする
指数で表し、数値が小さいほど走行音が小さいことを表
している。
【0133】・転がり抵抗試験:テストコースにて初速
10km/hから惰行し、停止までの距離を測定した。
【0134】評価は、停止距離の逆数を求め、比較例1
を100とする指数で示しており、数値が小さいほど転
がり抵抗が少ないことを表している。
【0135】・摩耗ウエット制動試験:10000km走
行後のタイヤを用い、水深2mmのアスファルト路面に
て、速度60km/hからの停止距離を測定した。
【0136】評価は、停止距離の逆数を求め、比較例1
を100とする指数で示しており、数値が小さいほど摩
耗後のウエット性能に優れていることを表している。
【0137】実施例1のタイヤ:ベルト補強層の有機繊
維コードとして用いられるポリエチレン−2,6−ナフ
タレート(PEN)コードは表示デニールが1670d
tex/2、下撚りが39回/10cm、上撚りが39
回/10cm〔撚り数が下×上(回/10cm)39×
39と表示〕撚り係数が0.68であり、50±5°C
における1.4g/d荷重下の伸度が2.0%、170
±5°Cにおける0.7g/d荷重下の伸度が3.0
%、50±5°Cにおける応力一伸度曲線の1.4g/
d荷重下での接線の傾きN1 と0.25g/d荷重下で
の接線の傾きN2の比N1 /N2 が0.90である。そ
の他の諸元は表1内に示す通りである。
【0138】実施例2のタイヤ:実施例1とはトレッド
部16の構造のみが異なり、図2に示すように、ベース
ゴム16Aがトレッド部16の中央部分のみに設けられ
ており、40%摩耗時にベースゴム16Aが踏面に露出
する構成である(100%摩耗時のベースゴム16Aの
露出幅は、接地幅の40%)。その他の諸元は表1内に
示す通りである。
【0139】比較例1のタイヤ:図3に示すように、ト
レッド部16が単一のゴム(シリカの配合量は20重量
部)からなるタイヤである。ベルト補強層の有機繊維コ
ードは、表示デニールが1400dtex/2、撚り数
が下×上(回/10cm)13×13であるナイロンコ
ードである。その他の諸元は以下の表1内に記載した通
りである。
【0140】比較例2のタイヤ:図3に示すように、ト
レッド部16が単一のゴム(シリカの配合量は20重量
部)からなるタイヤである。ベルト補強層の有機繊維コ
ードは、実施例のタイヤと同一である。その他の諸元は
以下の表1内に記載した通りである。
【0141】このような材料及び構造を有するラジアル
タイヤに関し、走行音、転がり抵抗、摩耗ウエット性能
を評価した結果を以下の表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】試験の結果から、本発明の提供された実施
例のタイヤは、ロードノイズ、転がり抵抗及び摩耗ウエ
ット性能が両立されていることが分かる。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
ラジアルタイヤは上記の構成としたので、タイヤのロー
ドノイズ低減と転がり抵抗の低減とを両立できる、とい
う優れた効果を有する。
【0145】請求項2に記載のラジアルタイヤは上記の
構成としたので、トレッド摩耗後のウエット性能の低下
を抑制できる、という優れた効果を有する。
【0146】請求項3に記載のラジアルタイヤは上記の
構成としたので、トレッド摩耗後のウエット性能の低下
を確実に抑制できる、という優れた効果を有する。
【0147】請求項4に記載のラジアルタイヤは上記の
構成としたので、トレッド摩耗後のウエット性能の低下
を確実に抑制できる、という優れた効果を有する。
【0148】請求項5に記載のラジアルタイヤは上記の
構成としたので、ウエット性能の低下をより確実に抑制
することができる。
【0149】請求項6〜8に記載のラジアルタイヤは上
記の構成としたので、広範な周波数帯域、特に300〜
400Hzのような高周波数帯域でのロードノイズの低
減が可能となる、という優れた効果を有する。なお、請
求項6、請求項7、請求項8の順に上記ロードノイズの
低減効果が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施例1)に係るラジア
ルタイヤの断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態(実施例2)に係るラジ
アルタイヤの断面図である。
【図3】比較例1及び比較例2に係るラジアルタイヤの
断面図である。
【符号の説明】
10 ラジアルタイヤ 11 ビード部 14 カーカス 16 トレッド部 16A ベースゴム 16B キャップゴム 20 ベルト層 22 ベルト補強層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部と、両ビード部にトロイ
    ド状に跨がると共に端部がビードコアの回りをタイヤ内
    側から外側へ巻き上げられるカーカスと、前記カーカス
    のクラウン部に位置するトレッド部と、前記カーカスの
    サイドウォール部と、を備えると共に、前記トレッド部
    の内側に配置された少なくとも二層のベルト層の外周側
    に少なくとも一枚よりなるベルト補強層をトレッド部全
    体及び/又は両端部に配設し、前記ベルト補強層が繊維
    コードを複数本含むゴム引きされた狭幅のストリップを
    前記コードがタイヤ周方向に実質上、平行になるように
    ラセン状にエンドレスに巻きつけることにより形成され
    るラジアルタイヤであって、 前記ベルト補強層コードが有機繊維コードからなり、か
    つ前記有機繊維コードが50±5°Cにおいて、1.4
    g/d荷重下の伸度が1.5%以上2.5%以下であ
    り、かつ170±5°Cにおいて、0.7g/d荷重下
    の伸度が2.0%以上3.3%以下であり、 前記トレッド部は、ゴム成分100重量部に対してシリ
    カを10重量部以上配合してなるゴム組成物で構成され
    たシリカ高配合ゴム層が、タイヤ径方向断面で見たとき
    に30%以上占めていることを特徴とするラジアルタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 前記トレッド部は、前記ベルト層側に前
    記シリカ高配合ゴム層が配置され、前記シリカ高配合ゴ
    ム層のタイヤ径方向外側にシリカの配合が零または前記
    シリカ高配合ゴム層よりもシリカの配合量が少ないゴム
    層が配置されており、 前記シリカ高配合ゴム層は、前記トレッド部の摩耗途中
    で踏面に露出することを特徴とする請求項1に記載のラ
    ジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記シリカ高配合ゴム層は、前記トレッ
    ド部の40%摩耗時に踏面に露出することを特徴とする
    請求項2に記載のラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記シリカ高配合ゴム層は、少なくとも
    前記トレッド部のタイヤ幅方向中央部に露出することを
    特徴とする請求項2または請求項3に記載のラジアルタ
    イヤ。
  5. 【請求項5】 前記シリカ高配合ゴム層は、100%摩
    耗時の露出量が接地幅の40%以上であることを特徴と
    する請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のラジア
    ルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記有機繊維コードは、総表示デニール
    数の30%以上がポリエチレン−2,6−ナフタレート
    繊維で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至
    請求項5の何れか1項に記載のラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記有機繊維コードは、総表示デニール
    数の80%以上がポリエチレン−2,6−ナフタレート
    繊維で構成される、ことを特徴とする請求項1乃至請求
    項5の何れか1項に記載のラジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記有機繊維コードは、総表示デニール
    数の100%がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊
    維で構成される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項
    5の何れか1項に記載のラジアルタイヤ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2377695A3 (en) * 2010-04-19 2012-08-01 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Pneumatic tire

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2377695A3 (en) * 2010-04-19 2012-08-01 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Pneumatic tire

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