JP2008081076A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 加硫故障の発生を抑制しながらロードノイズ及び高速耐久性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】 ベルト層6の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層7を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層7の補強コードとして、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを1000≦α≦1900とし、ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500とし、1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを上撚り係数γが1500≦γ≦2700となるように互いに撚り合わせたハイブリッドコードを用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリケトン下撚りコードとナイロン下撚りコードとのハイブリッドコードをベルト補強層に用いた空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、加硫故障の発生を抑制しながらロードノイズ及び高速耐久性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤに関する。
空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層を配置することが行われている。このようなベルト補強層をトレッド部に埋設することにより、ベルト層のせり上がりと抑えて高速耐久性を改善し、更には走行時のロードノイズを低減する効果が得られることが知られている。ベルト補強層の補強コードとしては、熱収縮性を有するナイロンコードを用いることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、近年ではタイヤ特性の更なる改善が求められており、ナイロンコードからなるベルト補強層では必ずしも十分な効果が得られないのが現状である。
そこで、ベルト補強層の補強コードとして、ゴムに対する接着性が良好であってナイロンコードよりも弾性率が高いポリケトンコードを使用することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。ところが、ベルト補強層にポリケトンコードを用いた場合、タイヤ周方向に巻回されたポリケトンコードが加硫時のリフト変形に追従できずにベルト層への食い込みを生じ、加硫故障を生じ易いという問題がある。また、ポリケトン下撚りコードとナイロン下撚りコードとのハイブリッドコード(例えば、特許文献3参照)をベルト補強層に用いることも提案されているが、単にポリケトン下撚りコードとナイロン下撚りコードとを撚り合わせただけでは、加硫故障の発生を抑制する効果とロードノイズ及び高速耐久性を改善する効果とを両立することができない。
特開2005−193865号公報 特開2000−142025号公報 特開2005−205933号公報
本発明の目的は、加硫故障の発生を抑制しながらロードノイズ及び高速耐久性を改善することを可能にした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして、ポリケトンとナイロンの2種材質から構成され、下記(1)式にて表されるポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを1000≦α≦1900とし、下記(2)式にて表されるナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500とし、1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを下記(3)式にて表される上撚り係数γが1500≦γ≦2700となるように互いに撚り合わせたハイブリッドコードを用いたことを特徴とするものである。
α=N1 ×(T1 /1.111)1/2 ・・・(1)
β=N2 ×(T2 /1.111)1/2 ・・・(2)
γ=N3 ×(T3 /1.111)1/2 ・・・(3)
但し、N1 :ポリケトン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
2 :ナイロン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
3 :上撚り数(回/100mm)
1 :ポリケトン下撚りコードの総繊度(dtex)
2 :ナイロン下撚りコードの総繊度(dtex)
3 :ハイブリッドコードの総繊度(dtex)
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして、ポリケトンとナイロンの2種材質から構成され、下記(1)式にて表されるポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを500≦α≦1600とし、下記(2)式にて表されるナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500とし、2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを下記(3)式にて表される上撚り係数γが900≦γ≦2700となるように互いに撚り合わせたハイブリッドコードを用いたことを特徴とするものである。
α=N1 ×(T1 /1.111)1/2 ・・・(1)
β=N2 ×(T2 /1.111)1/2 ・・・(2)
γ=N3 ×(T3 /1.111)1/2 ・・・(3)
但し、N1 :ポリケトン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
2 :ナイロン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
3 :上撚り数(回/100mm)
1 :ポリケトン下撚りコードの総繊度(dtex)
2 :ナイロン下撚りコードの総繊度(dtex)
3 :ハイブリッドコードの総繊度(dtex)
本発明では、ベルト層の外周側にポリケトンとナイロンの2種材質からなるハイブリッドコードを用いたベルト補強層を配置するにあたって、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数α、ナイロン下撚りコードの下撚り係数β、及び、上撚り係数γを所定の範囲に規定することにより、加硫工程においてハイブリッドコードがベルト層に食い込むことを回避して加硫故障の発生を抑制すると共に、加硫後のタイヤにおいてはハイブリッドコードに高弾性を発現させてロードノイズ及び高速耐久性を改善することができる。
1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを1400≦α≦1800とし、ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを800≦β≦1300とし、上撚り係数γを1800≦γ≦2400とするのとが好ましい。これにより、加硫故障の発生を抑制する効果とロードノイズ及び高速耐久性を改善する効果とをより高い次元で両立することが可能になる。
2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを800≦α≦1300とし、ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを750≦β≦1200とし、上撚り係数γを1400≦γ≦2100とすることが好ましい。これにより、加硫故障の発生を抑制する効果とロードノイズ及び高速耐久性を改善する効果とをより高い次元で両立することが可能になる。
ハイブリッドコードを被覆するコートゴムの60℃でのtanδは0.08〜0.13の範囲にあることが好ましい。コートゴムの60℃でのtanδを低くすることにより、発熱を抑え、高速耐久性の改善効果を十分に確保することができる。なお、tanδは東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメータを使用し、周波数20Hz、初期歪10%、動歪±2%の条件で測定したものである。
本発明において、ハイブリッドコードからなるベルト補強層はベルト層の幅方向の少なくとも一部に対応する領域に配置すれば良い。例えば、ハイブリッドコードからなるベルト補強層を、ベルト層の幅方向全域に配置したり、ベルト層の幅方向両端部に対応する領域だけに配置したり、ベルト層の幅方向中央部に対応する領域だけに配置したり、ベルト層の幅方向中央部及び両端部に対応する3つの領域に配置したり、リブ下に選択的に配置したり、ナイロンやポリエチレンテレフタレート等の他の繊維コードからなるベルト補強層と組み合わせて配置することが可能である。
特に、ハイブリッドコードからなるベルト補強層をベルト層の幅方向両端部に対応する領域に配置する一方で、ナイロンコードからなるベルト補強層をベルト層の幅方向中央部に対応する領域に配置することが好ましい。つまり、ロードノイズ及び高速耐久性を改善するには、ベルト層の幅方向両端部付近をハイブリッドコードによって補強することが最も好ましいが、加硫時のリフト変形が最も大きくなるベルト層の幅方向中央部付近は弾性率が相対的に低いナイロンコードによって補強し、これらハイブリッドコードとナイロンコードとを組み合わせて用いることで最良の補強構造を実現することができる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6,6が埋設されている。これらベルト層6,6は補強コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層6,6の外周側には、補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層7が配置されている。このベルト補強層7は少なくとも1本の繊維コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材をタイヤ周方向に対して実質的に0°で連続的に巻回したジョイントレス構造とすることが望ましい。ベルト補強層7の補強コードとしては、ポリケトンとナイロンの2種材質から構成されるハイブリッドコードが使用されている。ナイロンとしては、66ナイロンが好適である。
ここで用いるポリケトン(ポリオレフィンケトン)は、特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、米国特許第5194210号公報、特開平9−324377号公報、特開2001−115007号公報、特開2001−131825号公報などで開示された溶融紡糸や湿式紡糸によって得ることができるが、下式で表される構造を有するポリケトンを用いることが望ましい。
−(CH2 −CH2 −CO)n−(R−CO)m−
ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00、
Rは炭素数が3以上のアルキレン基である。
上式において、mの分率(エチレン以外のアルキレンユニット)が増えると、タイヤの走行成長が大きくなり、耐久性が低下する。これは、紡糸繊維の結晶構造がmユニットの増加により変化し、分子鎖間の二次結合力が低下するためと考えられる。また、該繊維の強度が低くなると撚りコードとした時に更に強度が低下するので、タイヤの破壊強度を確保するためにコードの使用量を多くする必要があり、軽量で経済性の高いタイヤの提供が困難となる。ここでより好ましくはm=0である実質的にエチレンと一酸化炭素だけからなる交互共重合ポリマーを用いるのが良い。このような繊維を製造するには湿式紡糸を用いるのが好適である。
ハイブリッドコードは、1本又は2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを互いに撚り合わせたものであり、下記(1)式にて表されるポリケトン下撚りコードの下撚り係数α、下記(2)式にて表されるナイロン下撚りコードの下撚り係数β、及び、下記(3)式にて表される上撚り係数γが、ポリケトン下撚りコードの本数に応じてそれぞれ適切な範囲に設定されている。
α=N1 ×(T1 /1.111)1/2 ・・・(1)
β=N2 ×(T2 /1.111)1/2 ・・・(2)
γ=N3 ×(T3 /1.111)1/2 ・・・(3)
但し、N1 :ポリケトン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
2 :ナイロン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
3 :上撚り数(回/100mm)
1 :ポリケトン下撚りコードの総繊度(dtex)
2 :ナイロン下撚りコードの総繊度(dtex)
3 :ハイブリッドコードの総繊度(dtex)
1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを1000≦α≦1900、より好ましくは、1400≦α≦1800とし、ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500、より好ましくは、800≦β≦1300とし、上撚り係数γを1500≦γ≦2700、より好ましくは、1800≦γ≦2400とする。ここで、撚り係数α,β,γが小さ過ぎるとハイブリッドコードの弾性率が高くなるため加硫故障を生じ易くなり、逆に大き過ぎるとハイブリッドコードの伸びが大きくなるためロードノイズ及び高速耐久性の改善効果が低下することになる。
また、1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの下撚り数N1 は25〜50回/100mm、より好ましくは、35〜45回/100mmとし、ナイロン下撚りコードの下撚り数N2 は15〜40回/100mm、より好ましくは、25〜35回/100mmとし、上撚り数N3 は30〜50回/100mm、より好ましくは、35〜45回/100mmとすれば良い。
更に、1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの総繊度T1 を1000〜2000dtexとし、ナイロン下撚りコードの総繊度T2 を800〜1600dtexとし、ハイブリッドコードの総繊度T3 を1800〜3600dtexとすれば良い。
一方、2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを500≦α≦1600、より好ましくは、800≦α≦1300とし、ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500、より好ましくは、750≦β≦1200とし、上撚り係数γを900≦γ≦2700、より好ましくは、1400≦γ≦2100とする。この場合も、撚り係数α,β,γが小さ過ぎるとハイブリッドコードの弾性率が高くなるため加硫故障を生じ易くなり、逆に大き過ぎるとハイブリッドコードの伸びが大きくなるためロードノイズ及び高速耐久性の改善効果が低下することになる。
また、2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの下撚り数N1 は15〜40回/100mm、より好ましくは、22〜32回/100mmとし、ナイロン下撚りコードの下撚り数N2 は15〜40回/100mm、より好ましくは、22〜32回/100mmとし、上撚り数N3 は15〜40回/100mm、より好ましくは、22〜32回/100mmとすれば良い。
更に、2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを撚り合わせる場合、ポリケトン下撚りコードの総繊度T1 を2000〜4000dtexとし、ナイロン下撚りコードの総繊度T2 を800〜1600dtexとし、ハイブリッドコードの総繊度T3 を2800〜5600dtexとすれば良い。
上述した空気入りタイヤによれば、ベルト補強層7にポリケトンとナイロンの2種材質からなるハイブリッドコードを用い、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数α、ナイロン下撚りコードの下撚り係数β、及び、上撚り係数γを所定の範囲に規定することにより、加硫工程においてハイブリッドコードがベルト層に食い込むことを回避して加硫故障の発生を抑制すると共に、加硫後のタイヤにおいてはハイブリッドコードに高弾性を発現させてロードノイズ及び高速耐久性を改善することができる。
ハイブリッドコードを被覆するコートゴムとしては、60℃でのtanδが0.08〜0.13の範囲にあるゴムを用いると良い。特に、コートゴムの60℃でのtanδが0.13を超えると高速耐久性の改善効果が低下する傾向がある。
上述した実施形態では、ハイブリッドコードからなるベルト補強層7をベルト層6の幅方向全域にわたって配置した場合について説明したが、本発明では、ハイブリッドコードからなるベルト補強層をベルト層6の幅方向の少なくとも一部に対応する領域に配置しても良い。最も好ましい形態は、図2に示すように、ハイブリッドコードからなるベルト補強層7aをベルト層6の幅方向両端部に対応する領域だけに配置する一方で、ナイロンコードからなるベルト補強層7bをベルト層6の幅方向中央部に対応する領域だけに配置した構造である。この場合、加硫故障の発生を抑制する効果とロードノイズ及び高速耐久性の改善効果とを最大限に享受することができる。
タイヤサイズ195/65R15 91Hで、ベルト層の幅方向全域を覆うフルカバー構造のベルト補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層の材質、ベルト補強層の補強コードを構成するポリケトン下撚りコード及び/又はナイロン下撚りコードの本数、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数α、ナイロン下撚りコードの下撚り係数β、上撚り係数γ、ベルト補強層のコートゴムの60℃でのtanδを表1のように種々異ならせた実施例1〜3及び比較例1〜4の空気入りラジアルタイヤをそれぞれ製作した。ナイロンは66ナイロンである。
これら試験タイヤについて、下記の方法により、加硫故障発生率、ロードノイズ及び高速耐久性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
加硫故障発生率:
各試験タイヤをそれぞれ50本ずつ加硫し、加硫後のタイヤを切断し、ベルト補強層の補強コードのベルト層への食い込みによる加硫故障の発生率(%)を求めた。
ロードノイズ:
試験タイヤをリムサイズ15×6JJのホイールに組み付けて空気圧200kPaの条件で車両に装着し、運転席窓側の耳位置にマイクロフォンを設置し、舗装路面を速度60km/hで走行した際の音圧を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、基準タイヤ(比較例4)を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどロードノイズが少ないことを意味する。
高速耐久性:
試験内圧210kPa、速度81km/hの条件にて、JATMAで規定された空気圧条件に対応する荷重の88%で120分間ならし走行した。次いで、3時間以上放冷した後、空気圧を再調整し、121km/hの速度から試験を開始し、30分毎に速度を8km/hづつ段階的に上昇させ、故障が発生するまでの走行距離を測定した。評価結果は、基準タイヤ(比較例4)を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れていることを意味する。
Figure 2008081076
この表1から明らかなように、実施例1〜3のタイヤは比較例4に比べてロードノイズ及び高速耐久性が良好であり、しかも加硫故障を生じ難いものであった。一方、比較例1のタイヤはベルト補強層の補強コードの撚り係数α,β,γが小さ過ぎるため加硫故障発生率が高く、しかもベルト層の乱れに起因してロードノイズ及び高速耐久性の改善効果も低くなっていた。比較例2のタイヤはベルト補強層にポリケトンコードを用いているため加硫故障発生率が高く、しかもベルト層の乱れに起因してロードノイズ及び高速耐久性の改善効果も低くなっていた。比較例3のタイヤはベルト補強層の補強コードの撚り係数α,β,γが高過ぎるためロードノイズ及び高速耐久性の改善効果が低くなっていた。
次に、タイヤサイズ195/65R15 91Hで、ベルト層の幅方向全域を覆うフルカバー構造のベルト補強層を備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層の材質、ベルト補強層の補強コードを構成するポリケトン下撚りコード及び/又はナイロン下撚りコードの本数、ポリケトン下撚りコードの下撚り係数α、ナイロン下撚りコードの下撚り係数β、上撚り係数γ、ベルト補強層のコートゴムの60℃でのtanδを表2のように種々異ならせた実施例11〜13及び比較例11〜14の空気入りラジアルタイヤをそれぞれ製作した。ナイロンは66ナイロンである。
これら試験タイヤについて、上記の方法により、加硫故障発生率、ロードノイズ及び高速耐久性を評価し、その結果を表2に併せて示した。但し、ロードノイズ及び高速耐久性の評価結果は、基準タイヤ(比較例14)を100とする指数にて示した。
Figure 2008081076
この表2から明らかなように、実施例11〜13のタイヤは比較例14に比べてロードノイズ及び高速耐久性が良好であり、しかも加硫故障を生じ難いものであった。一方、比較例11のタイヤはベルト補強層の補強コードの撚り係数α,β,γが小さ過ぎるため加硫故障発生率が高く、しかもベルト層の乱れに起因してロードノイズ及び高速耐久性の改善効果も低くなっていた。比較例12のタイヤはベルト補強層にポリケトンコードを用いているため加硫故障発生率が高く、しかもベルト層の乱れに起因してロードノイズ及び高速耐久性の改善効果も低くなっていた。比較例13のタイヤはベルト補強層の補強コードの撚り係数α,β,γが高過ぎるためロードノイズ及び高速耐久性の改善効果が低くなっていた。
本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
7 ベルト補強層

Claims (6)

  1. トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして、ポリケトンとナイロンの2種材質から構成され、下記(1)式にて表されるポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを1000≦α≦1900とし、下記(2)式にて表されるナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500とし、1本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを下記(3)式にて表される上撚り係数γが1500≦γ≦2700となるように互いに撚り合わせたハイブリッドコードを用いた空気入りラジアルタイヤ。
    α=N1 ×(T1 /1.111)1/2 ・・・(1)
    β=N2 ×(T2 /1.111)1/2 ・・・(2)
    γ=N3 ×(T3 /1.111)1/2 ・・・(3)
    但し、N1 :ポリケトン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
    2 :ナイロン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
    3 :上撚り数(回/100mm)
    1 :ポリケトン下撚りコードの総繊度(dtex)
    2 :ナイロン下撚りコードの総繊度(dtex)
    3 :ハイブリッドコードの総繊度(dtex)
  2. 前記ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを1400≦α≦1800とし、前記ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを800≦β≦1300とし、前記上撚り係数γを1800≦γ≦2400とした請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置し、該ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に巻回してなるベルト補強層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト補強層の補強コードとして、ポリケトンとナイロンの2種材質から構成され、下記(1)式にて表されるポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを500≦α≦1600とし、下記(2)式にて表されるナイロン下撚りコードの下撚り係数βを500≦β≦1500とし、2本のポリケトン下撚りコードと1本のナイロン下撚りコードとを下記(3)式にて表される上撚り係数γが900≦γ≦2700となるように互いに撚り合わせたハイブリッドコードを用いた空気入りラジアルタイヤ。
    α=N1 ×(T1 /1.111)1/2 ・・・(1)
    β=N2 ×(T2 /1.111)1/2 ・・・(2)
    γ=N3 ×(T3 /1.111)1/2 ・・・(3)
    但し、N1 :ポリケトン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
    2 :ナイロン下撚りコードの下撚り数(回/100mm)
    3 :上撚り数(回/100mm)
    1 :ポリケトン下撚りコードの総繊度(dtex)
    2 :ナイロン下撚りコードの総繊度(dtex)
    3 :ハイブリッドコードの総繊度(dtex)
  4. 前記ポリケトン下撚りコードの下撚り係数αを800≦α≦1300とし、前記ナイロン下撚りコードの下撚り係数βを750≦β≦1200とし、前記上撚り係数γを1400≦γ≦2100とした請求項3に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記ハイブリッドコードを被覆するコートゴムの60℃でのtanδが0.08〜0.13の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記ハイブリッドコードからなるベルト補強層を前記ベルト層の幅方向両端部に対応する領域に配置する一方で、ナイロンコードからなるベルト補強層を前記ベルト層の幅方向中央部に対応する領域に配置した請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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