JP2001205823A - インクジェットプリンタの制御方法および装置 - Google Patents

インクジェットプリンタの制御方法および装置

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JP2001205823A
JP2001205823A JP2000019266A JP2000019266A JP2001205823A JP 2001205823 A JP2001205823 A JP 2001205823A JP 2000019266 A JP2000019266 A JP 2000019266A JP 2000019266 A JP2000019266 A JP 2000019266A JP 2001205823 A JP2001205823 A JP 2001205823A
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ink
printing
ejection
time
preliminary
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JP2000019266A
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Yoshiyuki Kinoshita
慶之 木下
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像品位を常に良好に保ち、印字速度の低下
およびインク消費量の増大を最小限に留める。 【解決手段】 予備吐出動作を実行するタイミングまで
の残り時間と次の一走査分の印字動作にかかる所要時間
とを比較して、印字動作途中に予備吐出動作の実行タイ
ミングが発生する場合には、印字動作を開始する前に予
備吐出動作を実行するように制御することにより、予備
吐出動作が設定時間より遅れて実行されることを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出する
インク吐出ヘッドを用いて記録媒体上に記録を行うイン
クジェットプリンタの制御方法および装置に係り、更に
詳しくは予備吐出実行タイミングを最適化することを可
能にする制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、インク吐出
ヘッドに設けられた複数のインク吐出口からインク滴を
吐出させ、これを記録媒体に付着させることによって画
像を形成するように構成されている。複数のインク吐出
口は、記録媒体の搬送方向に平行な方向に配列されてい
る。
【0003】インクジェットプリンタの走査方式として
はシリアルスキャン方式を採られることが多く、このシ
リアルスキャン方式においては、キャリッジ上に搭載し
たインク吐出ヘッドを記録媒体の搬送方向(副走査方
向)と交差する方向に主走査スキャンし、一主走査分の
記録を終了した後に所定量の紙送りを行い、その後に再
び停止した記録媒体に対して次の一主走査分の画像を記
録するという動作を繰り返すことにより、記録媒体全体
に対する記録を行う。
【0004】上記インクジェットプリンタにおいては、
印字動作中に、インク吐出ヘッドの複数のインク吐出口
のなかで使用頻度の低い吐出口があると、その吐出口で
は水分蒸発によりインクの粘度が上昇し、吐出口が目詰
まりする現象が発生する。
【0005】また、インク吐出口から記録に適さなくな
ったインクや泡等を強制的に吸引する吸引回復処理、あ
るいはワイパーブレードによってインク吐出ヘッドのフ
ェース面を拭取りクリーニングするワイピング処理を行
っているが、カラーのインクジェットプリンタにおいて
は、このような処理によってインクが混ざり合う問題が
発生する。
【0006】例えば、吸引回復動作時には吸引によって
インク吐出口から吸い出されたインクが他の色の吐出口
へ侵入してしまったり、ワイピング動作時にはインク吐
出口周辺に付着している様々な色のインクをワイパーブ
レードにより異なる色の吐出口へ押し込んでしまったり
することがあり、このような場合、次に記録を開始した
ときに、最初の部分が変色して、記録画像が劣化してし
まう場合がある。
【0007】このような現象を回避するために、記録す
る直前にインクを予め吐出しておく予備吐出動作を実行
する。この予備吐出においては、印字動作実行中に所定
時間間隔で、あるいはインク吐出口の使用率などの計算
に基づき求めたタイミングで、インク吐出ヘッドの記録
のためのスキャン領域の外側に設けられたインク受容部
(以下予備吐出インク受けという)に対し、所定のドッ
ト数分のインク滴を吐出させることにより、インク吐出
口付近の状態を常に良好な状態に保持するようにしてい
る。
【0008】ここで、従来技術においては、上記予備吐
出動作を所定時間間隔で実行する場合は、実行タイミン
グを計時するためのタイマーCTを設け、このタイマー
CTによって予備吐出実行時点になったと判定された時
点で、予備吐出動作が可能な状態かどうかを判別し、実
行可能な状態であれば予備吐出動作を行うようにしてい
る。
【0009】すなわち、従来技術の場合、印字動作実行
中に予備吐出動作の実行タイミングが発生した場合、一
走査分の印字動作が終了するまでは予備吐出動作を待機
させ、一主走査分の印字動作が終了した後に、予備吐出
動作を実行するようにしていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術において
は、印字動作実行中に予備吐出動作の実行タイミングが
発生した場合、一走査分の印字動作が終了するまでは予
備吐出動作を実行することができないため、予備吐出動
作のタイミングが設定時間より遅れて実行されることに
なり、インク吐出ヘッドの状態が悪化して印字品位が低
下する可能性があった。
【0011】また、従来技術において、予備吐出動作の
タイミングの遅れを考慮して、予備吐出動作の実行間隔
自体を短く設定することも考えられるが、その場合に
は、予備吐出動作の実行回数が増え、印字速度の低下、
インク消費量の増大等が発生するという問題があった。
【0012】さらに、従来技術においては、記録媒体へ
の印字動作の後に予備吐出動作を実行する場合、記録媒
体への画像形成が終了した時点でインク吐出ヘッドの移
動を一旦停止させ、その後に再度加減速動作を行ってイ
ンク吐出ヘッドをこの停止位置から予備吐出インク受け
上まで移動するようにしているので、動作効率が悪く、
印字速度の低下の一因となっていた。
【0013】この発明はこのような実情を考慮してなさ
れたもので、画像品位を常に良好に保ち、印字速度の低
下およびインク消費量の増大を最小限にしたインクジェ
ットプリンタの制御方法を提供することを解決課題とす
る。
【0014】また、この発明では、印字モードの内容に
よって予備吐出動作の実行タイミングを変えることによ
り、各モードに応じた最適な予備吐出動作を実行させる
ようにしたインクジェットプリンタの制御方法および装
置を提供することを解決課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の一形態では、
複数のインク吐出口が配列されるインク吐出ヘッドを用
い、前記インク吐出ヘッドを前記インク吐出口の配列方
向と異なる方向にスキャンしかつ記録媒体を所定量ずつ
前記スキャン方向とは異なる方向に搬送して記録動作を
行わせるとともに、前記インク吐出ヘッドの前記記録の
ためのスキャン領域外に設けられた予備吐出インク受け
に対向する位置まで前記インク吐出ヘッドを移動して前
記複数のインク吐出口から前記予備吐出インク受けにイ
ンクを吐出させる予備吐出動作を予め設定された所定の
時間間隔で実行するようにしたインクジェットプリンタ
の制御方法において、1スキャン分の印字の度に、次の
1スキャン分の印字に要する印字所要時間と次の予備吐
出動作までの待ち時間を比較し、この比較の結果、前記
待ち時間が前記印字所要時間より短いときは、先に前記
予備吐出動作を行い、その後に次の1スキャン分の印字
動作を実行する。
【0016】この発明においては、予備吐出動作を実行
するタイミングまでの残り時間と次の一走査分の印字動
作にかかる所要時間とを比較して、印字動作途中に予備
吐出動作の実行タイミングが発生する場合には、印字動
作を開始する前に予備吐出動作を実行するように制御す
ることにより、予備吐出動作が設定時間より遅れて実行
されることを防いで画像品位を良好に保つことを可能に
する。また、印字動作中に予備吐出動作の実行タイミン
グが重なったときにのみ予備吐出動作の実行を早めるよ
うに制御することで、予備吐出動作の実行間隔の短縮を
最小限にとどめ、印字速度の低下およびインク消費量の
増大を最小限になるようにする。
【0017】また、この発明の他の形態では、複数のイ
ンク吐出口が配列されるインク吐出ヘッドを用い、前記
インク吐出ヘッドを前記インク吐出口の配列方向と異な
る方向にスキャンしかつ記録媒体を所定量ずつ前記スキ
ャン方向とは異なる方向に搬送して記録動作を行わせる
とともに、前記インク吐出ヘッドの前記記録のためのス
キャン領域外に設けられた予備吐出インク受けに対向す
る位置まで前記インク吐出ヘッドを移動して前記複数の
インク吐出口から前記予備吐出インク受けにインクを吐
出させる予備吐出動作を予め設定された所定の時間間隔
で実行するようにしたインクジェットプリンタの制御方
法において、1スキャン分の印字の度に、次の1スキャ
ン分の印字に要する印字所要時間と次の予備吐出動作ま
での待ち時間を比較し、この比較の結果、前記待ち時間
が前記印字所要時間より短いときは、先に次の1スキャ
ン分の印字動作を実行しその後に前記予備吐出動作を行
い、かつその際インク吐出ヘッドのスキャン移動を開始
してから前記予備吐出インク受けの位置でインク吐出ヘ
ッドを停止させるまでの間にインク吐出ヘッドを停止さ
せることなくスキャン移動を実行する。
【0018】この発明では、記録媒体への印字動作に続
いて予備吐出動作を実行する際には、インク吐出ヘッド
のスキャン移動を開始してから前記予備吐出インク受け
の位置でインク吐出ヘッドを停止させるまでの間にイン
ク吐出ヘッドを停止させることなくスキャン移動を実行
する。すなわち、この発明では、印字終了後に再加速を
行うことなく予備吐出インク受け上までインク吐出ヘッ
ドを移動するようにしており、これにより記録媒体上へ
の画像形成が終了した時点で印字ヘッドを停止し、その
後に予備吐動作を行うために再度印字ヘッドを加減速し
て予備吐出インク受け上まで移動するという従来動作の
効率の悪さを解消することができる。
【0019】さらにこの発明の他の形態では、複数のイ
ンク吐出口が配列されるインク吐出ヘッドを用い、前記
インク吐出ヘッドを前記インク吐出口の配列方向と異な
る方向にスキャンしかつ記録媒体を所定量ずつ前記スキ
ャン方向とは異なる方向に搬送して記録動作を行わせる
とともに、前記インク吐出ヘッドの前記記録のためのス
キャン領域外に設けられた予備吐出インク受けに対向す
る位置まで前記インク吐出ヘッドを移動して前記複数の
インク吐出口から前記予備吐出インク受けにインクを吐
出させる予備吐出動作を予め設定された所定の時間間隔
で実行するようにしたインクジェットプリンタの制御方
法において、画質優先モードおよび速度優先モードの2
種類の印字モードを具えると共に、1スキャン分の印字
の度に次の1スキャン分の印字に要する印字所要時間と
次の予備吐出動作までの待ち時間を比較し、この比較結
果と前記印字モードの設定状態に応じて、次の1スキャ
ン分の印字と前記予備吐出動作との何れを先に実行する
かを決定する。
【0020】この発明では、画質優先モードおよび速度
優先モードの2種類の印字モードの設定状態に応じて、
次の1スキャン分の印字と前記予備吐出動作との何れを
先に実行するかを決定するようにしているので、画質優
先モードおよび速度優先モードのそれぞれのモードに適
した最適な予備吐出動作を実行させることが可能にな
る。
【0021】この発明の更なる形態では、複数のインク
吐出口が配列されるインク吐出ヘッドを用い、前記イン
ク吐出ヘッドを前記インク吐出口の配列方向と異なる方
向にスキャンしかつ記録媒体を所定量ずつ前記スキャン
方向とは異なる方向に搬送して記録動作を行わせるとと
もに、前記インク吐出ヘッドの前記記録のためのスキャ
ン領域外に設けられた予備吐出インク受けに対向する位
置まで前記インク吐出ヘッドを移動して前記複数のイン
ク吐出口から前記予備吐出インク受けにインクを吐出さ
せる予備吐出動作を予め設定された所定の時間間隔で実
行するようにしたインクジェットプリンタの制御装置に
おいて、画質優先モードおよび速度優先モードの2種類
の印字モードを設定する印字モード設定手段と、印字す
べき印字データの有無を判定する判定手段と、次のライ
ンの印字に要する印字所要時間を計時する第1の計時手
段と、次の予備吐出動作までの待ち時間を計時する第2
の計時手段と、前記判定手段により印字データ有りと判
定した場合、前記第1および第2の計時手段の計時出力
を比較する比較手段と、前記印字モード設定手段によっ
て画質優先モードが選択されているときには、前記比較
の結果、前記待ち時間が前記印字所要時間より長いとき
は次のラインの印字動作を実行し、前記待ち時間が前記
印字所要時間より短いときは、先に前記予備吐出動作を
行いその後に次のラインの印字動作を実行するととも
に、前記印字モード設定手段によって速度優先モードが
選択されているときには、前記比較の結果、前記待ち時
間が前記印字所要時間より長いときは、次のラインの印
字動作を実行し、前記待ち時間が前記印字所要時間より
短いときは、先に次のラインの印字動作を実行し、その
後に前記予備吐出動作を実行するよう制御する制御手段
とを具えることを特徴としている。
【0022】この発明では、画質優先モードが選択され
ているときには、前記待ち時間が前記印字所要時間より
長いときは次のラインの印字動作を実行し、前記待ち時
間が前記印字所要時間より短いときは、先に前記予備吐
出動作を行いその後に次のラインの印字動作を実行する
とともに、前記印字モード設定手段によって速度優先モ
ードが選択されているときには、前記比較の結果、前記
待ち時間が前記印字所要時間より長いときは、次のライ
ンの印字動作を実行し、前記待ち時間が前記印字所要時
間より短いときは、先に次のラインの印字動作を実行
し、その後に前記予備吐出動作を実行するよう制御する
ようにしているので、画質優先モードおよび速度優先モ
ードのそれぞれのモードに適した最適な予備吐出動作を
実行させることが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施形態を説明する。
【0024】図1は、本発明を適用するインクジェット
プリンタの外観構成を示すものである。
【0025】図1において、キャリッジ100には、イ
ンクカートリッジ101が装填されている。インクカー
トリッジ101は、インクタンクが内蔵されたインク吐
出ヘッド(印字ヘッド)102を備えている。インク吐
出ヘッド102には、複数のインク吐出口(図示せず)
が記録媒体としての用紙104の搬送方向に平行な方向
に列設されており、これらの複数のインク吐出口を介し
てインク滴が吐出される。
【0026】インク吐出ヘッド102には、複数個のイ
ンク吐出口のそれぞれに連通してインク路が設けられ、
それぞれのインク路に対応して、インク吐出のための熱
エネルギーを発生する電気熱変換体が設けられている。
電気熱変換体は、記録データに応じて電気パルスが印加
されることによって熱を発生し、これによりインクに膜
沸騰を生じさせ、その膜沸騰による気泡の生成に伴なっ
て上記吐出口からインクを吐出させる。
【0027】キャリッジ100は、2本のガイド軸10
5,106に摺動可能に取りつけられており、これらガ
イド軸105,106に沿って主走査方向にスキャン移
動する。キャリッジモータ107の駆動軸に接続された
モータプーリ108とアイドラプーリ109との間に無
端状のキャリッジベルト110が巻き掛けられており、
このキャリッジベルト110の所定部位にキャリッジ1
00が固定されている。したがって、キャリッジ100
は、キャリッジモータ107が正逆転駆動されることに
よって、主走査方向に往復スキャンされる。
【0028】記録媒体としての印刷用紙104は、給紙
トレイ111にセットされた後、キャリッジ100のス
キャン方向と直交する副走査方向(矢印B方向)に間欠
的に搬送される。用紙104は、図示しない複数対のロ
ーラユニットにより挟持され、これらローラユニットに
よって一定の張力が加えられている。したがって、用紙
104は、インク吐出ヘッド102に対する平面性を確
保した状態で搬送される。各ローラユニットに対する駆
動力は、図示しない用紙搬送モータによって付与され
る。
【0029】このような構成によって、キャリッジ10
0の移動に伴なうインク吐出ヘッド102によるプリン
ト動作と、用紙104の送り動作を交互に繰り返しなが
ら、用紙104全体にプリントがなされる。
【0030】インク吐出ヘッド102の印字のためのス
キャン領域の両外側、別言すれば最大用紙幅に対応する
スキャン領域の両外側には、予備吐出のための予備吐出
インク受け(インク受容部)10,20が設けられてい
る。予備吐出動作時には、キャリッジ100がこれらの
インク受け10,20上の位置に移動して停止し、その
位置で予め設定された所定のドット数分のインク滴を吐
出させる予備吐出動作を実行する。
【0031】一方の予備吐出インク受け10の外側に
は、キャリッジ100が必要に応じて停止するためのホ
ームポジションがあり、このホームポジションには、イ
ンク吐出ヘッド102の吐出口面をキャッピングするキ
ャップ部材112、ヘッド102のフェース面をワイピ
ングするワイピングブレード(図示せず)などを有する
回復系ユニットが設けられている。前記キャップ部材1
12には、廃インクタンクに接続された吸引ポンプ(図
示せず)が接続されており、キャップ部材112によっ
て吐出ヘッド102の吐出口面をキャッピングした状態
で吸引ポンプを駆動することにより、各吐出口からイン
クを吸引して吐出口内の目詰まりなどを防止するなどの
回復動作を実行する。
【0032】図2は、インクジェットプリンタの制御系
の構成例を示すものである。
【0033】図2において、インタフェース部120
は、図示していないホストコンピュータからの画像デー
タや制御データの送受信制御を実行する。画像処理部1
21はホストコンピュータから受信した画像データをイ
ンク吐出ヘッド102での印字に適した画像データに変
換する。モータ制御部122は、キャリッジ100を主
走査駆動するキャリッジモータ107および用紙搬送機
構を駆動する紙送りモータ123を駆動制御する。回復
制御部124は、前述したキャップ部材112を用いた
インク吸引動作、ワイピングブレードを用いた吐出口面
のワイピングなどの回復系処理に関する制御を実行す
る。
【0034】システム制御部130は、これらインター
フェース部120、画像処理部121、モータ制御部1
22および回復制御部124などを統括的に制御する。
システム制御部130は、予備吐出実行タイミングを計
時するタイマーCTを内蔵している。
【0035】ホストPCから受け取った画像データが予
め定めたデータ量に達すると、システム制御部130の
制御にしたがってモータ制御部122は、主走査モータ
107を制御してキャリッジ100を主走査方向に搬送
する。この際,インク吐出ヘッド102が画像処理部1
21から入力された画像データに応じて駆動され、イン
ク吐出ヘッド102の複数のインク吐出口からインク滴
が吐出される。
【0036】システム制御部130は、インク吐出ヘッ
ド102の一主走査分の搬送が完了すると、紙送りモー
タ123を制御して記録用紙の紙送りを実行する。
【0037】この主走査方向のヘッド移動と記録用紙の
紙送りを繰り返して、記録用紙全体に画像を記録してい
く。
【0038】図3は、印字動作および予備吐出動作の際
のキャリッジの動きなどの一例を示す模式図である。
【0039】図3において、104は印刷用紙であり、
この印刷用紙104上に「A…A」のような画像を印刷
する場合、キャリッジ100は通常はこの印刷用紙10
4の幅に対応して点Paおよび点Pb間で往復移動するス
キャン動作を実行する。
【0040】点Paおよび点Pbの間に設定される一主走
査領域は、キャリッジ100が等速駆動される印字領域
cと、その前後に位置してキャリッジ100が加減速駆
動される加減速領域a,bとを有している。例えば、点
Paから点Pbへスキャンする際には、領域aが加速領
域、領域cが等速領域、領域bが減速領域となる。キャ
リッジ100の一主走査領域の両外側には、前述した予
備吐出インク受け10,20が設けられており、予備吐
出動作を実行する際には、この予備吐出インク受け1
0,20上の位置Pc,Pdまでキャリッジ100を移動
してインクの吐出を行う。
【0041】ここで、本インクジェットプリンタには、
画質を優先する画質優先モードと速度を優先する速度優
先モードとの少なくとも2つの印字モードがあり、これ
らのモードは操作者によって任意に設定できるようにな
っている。
【0042】これら印字モードのうちの画質優先モード
が選択された際の動作について図4および図5を用いて
説明する。
【0043】図4は、画質優先モードが選択された際の
システム制御部130の主走査スキャン制御および予備
吐出動作の処理手順を示すもので、また図5はその際の
キャリッジの動きの一例を示すものである。
【0044】印刷処理が開始されると(ステップS00
1)、システム制御部130は予備吐出実行タイミング
を計時するタイマーCTを初期化し、予備吐出実行周期
Tの計時を開始する(ステップS002)。このタイマ
ーCTは例えば設定時間Tcからダウンカウントするダ
ウンカウンタで、カウント値Tが0になった時点で予備
吐出を実行させるための予備吐出実行指令を発生すると
もに、カウント値Tを上記設定時間Tcに再セットして
ダウンカウント動作を再実行する。すなわち、このタイ
マーCTは、予備吐出実行時点までの待ち時間を計時す
るものである。
【0045】次に、停止位置PaまたはPbにおいて、印
字データが受信されているか否かをチェックし(ステッ
プS003)、印字データが受信されていない場合は、
他の処理へ手順を移行させる(ステップS009)。ま
た、印字データが受信されている場合は、ステップS0
04へと手順を進ませる。
【0046】ステップS004においては、次の1スキ
ャン分の印字データを印字するのに要する印字所要時間
tを計算する。そして、この計算した印字所要時間tを
前記タイマーCTのカウント値T、すなわち次の予備吐
出動作までの待ち時間Tと比較する(ステップS00
5)。
【0047】この比較の結果、T≧tである場合は、ま
だ予備吐出実行時点に到達していないと判断し、キャリ
ッジ100をスキャンして次の1スキャン分の印字デー
タを印字する(ステップS008)。
【0048】また、上記比較の結果、T<tである場合
は、2つの予備吐出インク受け10,20のうちの近い
ほうのインク受けにキャリッジ100を移動し、前述し
た予備吐出動作を実行する(ステップS006)。
【0049】次に、予備吐出実行タイミングTを計時す
るタイマーCTを初期化し、予備吐出実行時間Tの計時
を再度開始する(ステップS007)。更に、キャリッ
ジ100をスキャンして次の1スキャン分の印字データ
を印字する(ステップS008)。
【0050】この印字動作が終了してキャリッジ100
が停止位置PaまたはPbに停止している状態で、手順を
ステップS003に戻し、再度次の印字データが受信さ
れているかをチェックする。印字データが受信されてい
る場合は、手順をステップS004へと進ませ、再度前
記同様の処理を実行する。
【0051】このようにして、印字データがなくなるま
で同様の処理を繰り返し実行する。
【0052】次に,図5を用いて画質優先モードに設定
されていた場合の予備吐出動作の実例を説明する。
【0053】まず、予備吐出実行タイミングを計時する
タイマーCTの計時動作をスタートするとともに、点P
aから点Pbへとキャリッジ100を走査し、第(n+
1)スキャン行L1の印字動作を行う。
【0054】この印字動作終了後、点Pbでキャリッジ
を停止させ、この停止中に次の1スキャン分のデータを
解析し、第(n+2)スキャン行L2の印刷動作に必要
な時間tを計算する。また、前記タイマーCTが示して
いる、次の予備吐出動作を実行するまでの残り時間Tを
チェックし、これら時間Tおよびtを比較する。
【0055】この場合はT>tであるとしているので、
予備吐出動作は行わず、キャリッジ100を点Pbから
点Paへと走査し、次の第(n+2)スキャン行L2の
印字動作を実行する。
【0056】この印字動作終了後、同様にして、停止中
の期間に、次の第(n+3)スキャン行L3のデータを
解析し、その印字動作に必要な時間tを計算する。同様
に、前記タイマーCTが示している、次の予備吐出動作
を実行するまでの残り時間Tをチェックし、これら時間
Tおよびtを比較する。
【0057】この時点では、T<tであるとしているの
で、次の第(n+3)スキャン行L3の印字を行う前
に、キャリッジ100を予備吐出インク受け10上の位
置Pcまで移動し、予備吐出動作を実行する。
【0058】予備吐出動作が終了した時点で、前記タイ
マーCTをリセットし、次の予備吐出実行までの時間T
のダウンカウント動作を再開する。その後、キャリッジ
100を点Paから点Pbへと走査し、次の第(n+3)
スキャン行L3の印字動作を実行する。
【0059】このような処理が繰り返される。
【0060】このように印字モードとして画質優先モー
ドが設定されている場合は、予備吐出実行までの残り時
間Tと次の1スキャン分の印字所要時間tを比較し、T
<tである際には、まず予備吐出動作を実行してその直
後に印字動作を実行させるようにしたので、予備吐出動
作の実行タイミングが印字動作中に過ぎてしまうことが
なくなり、常に画質を良好に保った印刷を行うことが可
能になる。
【0061】つぎに、速度優先モードが選択された際の
動作について図6および図7を用いて説明する。
【0062】図6は、速度優先モードが選択された際の
システム制御部130の主走査スキャン制御および予備
吐出動作の処理手順を示すもので、また図7はその際の
キャリッジの動きの一例を示すものである。
【0063】印刷処理が開始されると(ステップS10
1)、システム制御部130は予備吐出実行タイミング
を計時するタイマーCTを初期化し、予備吐出までの残
り時間Tの計時を開始する(ステップS102)。すな
わち、所定の設定時間Tcからのサイクリックなダウン
カウント動作を実行する。
【0064】次に、停止位置Paで印字データが受信さ
れているか否かをチェックし(ステップS103)、印
字データが受信されていない場合は、他の処理へ手順を
移行させる(ステップS111)。また、印字データが
受信されている場合は、ステップS104へと手順を進
ませる。
【0065】ステップS104においては、次の1スキ
ャン分の印字データを印字するのに要する印字所要時間
tを計算する。そして、この計算した印字所要時間tを
前記タイマーCTのカウント値Tと比較する(ステップ
S105)。
【0066】この比較の結果、T≧tである場合は、ま
だ予備吐出実行時点に到達していないと判断し、キャリ
ッジ100をスキャンして次の1スキャン分の印字デー
タを印字する(ステップS110)。
【0067】また、上記比較の結果、T<tである場合
は、手順をステップS106へと進ませ、キャリッジ1
00の停止位置を、通常の停止位置PaまたはPbから予
備吐出受け10または20の位置PcまたはPdに変更す
る(ステップS106)。すなわち、キャリッジ100
の停止位置を、本来印字動作が終了してキャリッジ10
0が停止する位置PaまたはPbから、予備吐出受け上の
位置PcまたはPdに変更し、この変更した位置にキャリ
ッジ100が停止するように加減速制御(主に減速制御
領域)を変更することにより、印字動作開始から一次停
止することなく予備吐出受け上にキャリッジを移動する
ようにする。
【0068】つぎに、キャリッジ100を移動して印字
データの印刷を実行し(ステップS107)、印字動作
実行終了後は、キャリッジ100を停止させずに前記変
更した予備吐出受け上の位置PcまたはPdまで移動させ
停止させる。そして、予備吐出動作を実行する(ステッ
プS108)。
【0069】次に、予備吐出実行タイミングTを計時す
るタイマーCTを初期化し、予備吐出実行時間Tの計時
を再度開始する(ステップS109)。
【0070】つぎに、この予備吐出受け上の位置Pcま
たはPdで、次の印字データが受信されているかをチェ
ックする(ステップS103)。印字データが受信され
ている場合は、手順をステップS104へと進ませ、次
の1スキャン分の印字データを印字するのに要する印字
所要時間tを計算する。なお、予備吐出動作を実行した
直後の印字動作は、予備吐出動作を実行していないとき
よりキャリッジ100の移動距離が長くなるので、計算
される印字所要時間tも、その分長くなることが多い。
【0071】つぎに、ステップ105で、前記計算した
印字所要時間tを前記タイマーCTのカウント値Tと比
較する。そして、この比較結果に応じて、前記同様にし
て、予備吐出動作を行うか否かを決定する。
【0072】このようにして、印字データがなくなるま
で同様の処理を繰り返し実行する。
【0073】次に,図7を用いて速度優先モードに設定
されていた場合の予備吐出動作の実例を説明する。
【0074】予備吐出実行タイミングを計時するタイマ
ーCTの計時動作はスタートされているとする。
【0075】点Pbから点Paへとキャリッジ100を走
査し、第(n+1)スキャン行L1の印字動作を行う。
【0076】この印字動作終了後、点Paでキャリッジ
100を停止させ、この停止中に次の1スキャン分のデ
ータを解析し、第(n+2)スキャン行L2の印刷動作に
必要な時間tを計算する。また、前記タイマーCTが示
している次の予備吐出動作を実行するまでの残り時間T
をチェックし、これら時間Tおよびtを比較する。
【0077】この場合、この時点での比較結果はT<t
であるとする。したがって、第(n+2)スキャン行L2
の印刷動作がまず実行され、その終了直後に予備吐出動
作が実行される。その際、キャリッジ100の停止位置
を、本来の停止位置Pbから、予備吐出インク受け20
上の位置Pdに変更することにより、印字動作が開始さ
れた後一次停止することなく予備吐出受け20上の位置
Pdまでキャリッジ100を移動させる。
【0078】第(n+1) スキャン行L2の印刷動作が
行われ、キャリッジ100が点Pdに停止すると、直ち
に予備吐出受け20上に所定のドット数分のインク滴を
吐出させる。
【0079】この印字動作終了後、同様にして、停止中
の期間に、次の第(n+3)スキャン行L3のデータを
解析し、その印字動作に必要な時間tを計算する。同様
に、前記タイマーCTが示している、次の予備吐出動作
を実行するまでの残り時間Tをチェックし、これら時間
Tおよびtを比較する。
【0080】この時点では、T>tであるとしているの
で、次の第(n+3)スキャン行L3の印字を実行す
る。
【0081】予備吐出動作が終了した時点で、前記タイ
マーCTをリセットし、次の予備吐出実行までの時間T
のダウンカウント動作を再開する。その後、キャリッジ
100を点Paから点Pbへと走査し、次の(n+3)ス
キャン行L3の印字動作を実行する。
【0082】このような処理が繰り返される。
【0083】このように印字モードとして速度優先モー
ドが設定されている場合は、予備吐出実行までの残り時
間Tと次の1スキャン分の印字所要時間tを比較し、T
<tである際には、まず印字動作を実行してその直後に
予備吐出動作を実行しかつその際印字終了後キャリッジ
を停止させることなく予備吐出受けの位置まで移動させ
るようにしたので、最短時間で予備吐出動作を終了させ
ることが可能になり、速度をそれ程落とすことなく予備
吐出動作を実行することができる。
【0084】なお、上記実施形態においては、画質優先
モードと速度優先モードの2つの印字モードが設定でき
るプリンタに本発明を適用するようにしたが、特にこれ
らのモード指定がないプリンタに本発明を適用するよう
にしてもよい。
【0085】また、上記実施形態においては、キャリッ
ジは往復スキャンによって印字動作を実行し、また予備
吐出インク受け10,20はスキャン領域の両側に配す
るようにしたが、1つの予備吐出インク受けをスキャン
領域の片側に配するようにしてもよい。勿論、その場
合、キャリッジは往復スキャンあるいは往動方向のみの
スキャンの何れによって印字動作を実行するようにして
もよい。
【0086】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0087】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0088】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0089】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0090】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0091】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0092】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0093】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0094】本発明によれば、同色系の色材濃度の異な
る複数のインクを用い、これらのインクを記録ヘッドか
ら吐出させて記録媒体に画像を形成するインクジェット
記録方法において、色材濃度の低いインクによって形成
される記録ドット径を色材濃度の高いインクによって形
成される記録ドット径より大きくすることにより、濃い
インクは濃いインクの特徴を生かし、また淡いインクは
淡いインクの特徴を生かした記録を行うようにしている
ので、人間の視覚特性を考慮した記録画像を得ることが
でき、その結果、特にハイライト部の粒状感が低減さ
れ、より高品位の記録画像を得ることができる。また、
濃いインクと淡いインクのつなぎ部でも、その濃度変化
が従来よりなめらかになり、薄い部分から徐々に濃い部
分に変化するような画像を記録する場合の疑似輪郭の発
生を少なくすることができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
予備吐出動作を実行するタイミングまでの残り時間と次
の一走査分の印字動作にかかる所要時間とを比較して、
印字動作途中に予備吐出動作の実行タイミングが発生す
る場合には、印字動作を開始する前に予備吐出動作を実
行するように制御するようにしたので、予備吐出動作が
設定時間より遅れて実行されることがなくなり、画像品
位を良好に保つことを可能になる。また、印字動作中に
予備吐出動作の実行タイミングが重なったときにのみ予
備吐出動作の実行を早めるように制御するようにしてい
るので、予備吐出動作の実行間隔の短縮が最小限にとど
められ、印字速度の低下およびインク消費量の増大も最
小限となる。
【0096】また、この発明では、記録媒体への印字動
作に続いて予備吐出動作を実行する際には、インク吐出
ヘッドのスキャン移動を開始してから前記予備吐出イン
ク受けの位置でインク吐出ヘッドを停止させるまでの間
にインク吐出ヘッドを停止させることなくスキャン移動
を実行するようにしたので、最短時間で予備吐出動作を
終了させることが可能になり、印字速度の向上に寄与す
る。
【0097】またこの発明では、画質優先モードおよび
速度優先モードの2種類の印字モードの設定状態に応じ
て、次の1スキャン分の印字と前記予備吐出動作との何
れを先に実行するかを決定するようにしているので、画
質優先モードおよび速度優先モードのそれぞれのモード
に適した最適な予備吐出動作を実行させることが可能に
なる。
【0098】更にこの発明では、予備吐出実行タイミン
グと印字動作とが重なる際において、画質優先モードが
選択されているときには先に前記予備吐出動作を行いそ
の後に次のラインの印字動作を実行し、速度優先モード
が選択されているときは、予備吐出動作の実行時間を遅
延して印字動作直後に実行するようにしたので、画質優
先モードおよび速度優先モードのそれぞれのモードに適
した最適な予備吐出動作を実行させることが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの構成を表す斜視図で
ある。
【図2】インクジェットプリンタの制御系の構成を表す
ブロック図である。
【図3】印字動作及び予備吐出動作の際のキャリッジの
動きを例示する模式図である。
【図4】本発明を実施形態に関し、画質優先モードが選
択されているときの印字動作および予備吐出動作の制御
手順を示すフローチャートである。
【図5】画質優先モードのときのキャリッジの動きを例
示する模式図である。
【図6】本発明を実施形態に関し、速度優先モードが選
択されているときの印字動作および予備吐出動作の制御
手順を示すフローチャートである。
【図7】速度優先モードのときのキャリッジの動きを例
示する模式図である。
【符号の説明】
10 予備吐出インク受け(インク受容部) 20 予備吐出インク受け(インク受容部) 100 キャリッジ 101 インクカートリッジ 102 インク吐出ヘッド 104 記録媒体 105 ガイド軸 106 ガイド軸 107 キャリッジモータ 108 モータプーリ 109 アイドラプーリ 110 キャリッジベルト 111 給紙トレイ 120 インタフェース部 121 画像処理部 122 モータ制御部 123 紙送りモータ 124 回復制御部 130 システム制御部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出口が配列されるインク
    吐出ヘッドを用い、前記インク吐出ヘッドを前記インク
    吐出口の配列方向と異なる方向にスキャンしかつ記録媒
    体を所定量ずつ前記スキャン方向とは異なる方向に搬送
    して記録動作を行わせるとともに、前記インク吐出ヘッ
    ドの前記記録のためのスキャン領域外に設けられた予備
    吐出インク受けに対向する位置まで前記インク吐出ヘッ
    ドを移動して前記複数のインク吐出口から前記予備吐出
    インク受けにインクを吐出させる予備吐出動作を予め設
    定された所定の時間間隔で実行するようにしたインクジ
    ェットプリンタの制御方法において、 1スキャン分の印字の度に、次の1スキャン分の印字に
    要する印字所要時間と次の予備吐出動作までの待ち時間
    を比較し、この比較の結果、前記待ち時間が前記印字所
    要時間より短いときは、先に前記予備吐出動作を行い、
    その後に次の1スキャン分の印字動作を実行することを
    特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
  2. 【請求項2】 複数のインク吐出口が配列されるインク
    吐出ヘッドを用い、前記インク吐出ヘッドを前記インク
    吐出口の配列方向と異なる方向にスキャンしかつ記録媒
    体を所定量ずつ前記スキャン方向とは異なる方向に搬送
    して記録動作を行わせるとともに、前記インク吐出ヘッ
    ドの前記記録のためのスキャン領域外に設けられた予備
    吐出インク受けに対向する位置まで前記インク吐出ヘッ
    ドを移動して前記複数のインク吐出口から前記予備吐出
    インク受けにインクを吐出させる予備吐出動作を予め設
    定された所定の時間間隔で実行するようにしたインクジ
    ェットプリンタの制御方法において、 1スキャン分の印字の度に、次の1スキャン分の印字に
    要する印字所要時間と次の予備吐出動作までの待ち時間
    を比較し、この比較の結果、前記待ち時間が前記印字所
    要時間より短いときは、先に次の1スキャン分の印字動
    作を実行しその後に前記予備吐出動作を行い、かつその
    際インク吐出ヘッドのスキャン移動を開始してから前記
    予備吐出インク受けの位置でインク吐出ヘッドを停止さ
    せるまでの間にインク吐出ヘッドを停止させることなく
    スキャン移動を実行することを特徴とするインクジェッ
    トプリンタの制御方法。
  3. 【請求項3】 複数のインク吐出口が配列されるインク
    吐出ヘッドを用い、前記インク吐出ヘッドを前記インク
    吐出口の配列方向と異なる方向にスキャンしかつ記録媒
    体を所定量ずつ前記スキャン方向とは異なる方向に搬送
    して記録動作を行わせるとともに、前記インク吐出ヘッ
    ドの前記記録のためのスキャン領域外に設けられた予備
    吐出インク受けに対向する位置まで前記インク吐出ヘッ
    ドを移動して前記複数のインク吐出口から前記予備吐出
    インク受けにインクを吐出させる予備吐出動作を予め設
    定された所定の時間間隔で実行するようにしたインクジ
    ェットプリンタの制御方法において、 画質優先モードおよび速度優先モードの2種類の印字モ
    ードを具えると共に、 1スキャン分の印字の度に次の1スキャン分の印字に要
    する印字所要時間と次の予備吐出動作までの待ち時間を
    比較し、この比較結果と前記印字モードの設定状態に応
    じて、次の1スキャン分の印字と前記予備吐出動作との
    何れを先に実行するかを決定することを特徴とするイン
    クジェットプリンタの制御方法。
  4. 【請求項4】 画質優先モードが選択されているときに
    は、前記比較の結果、前記待ち時間が前記印字所要時間
    より長いときは次の1スキャン分の印字動作を実行し、
    前記待ち時間が前記印字所要時間より短いときは先に前
    記予備吐出動作を行いその後に次の1スキャン分の印字
    動作を実行するとともに、 速度優先モードが選択されているときには、前記比較の
    結果、前記待ち時間が前記印字所要時間より長いときは
    次のラインの印字動作を実行し、前記待ち時間が前記印
    字所要時間より短いときは、先に次のラインの印字動作
    を実行しその後に前記予備吐出動作を実行することを特
    徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタの制
    御方法。
  5. 【請求項5】 速度優先モードが選択されているときで
    あって、前記待ち時間が前記印字所要時間より短いとき
    は、インク吐出ヘッドのスキャン移動を開始してから前
    記予備吐出インク受けの位置でインク吐出ヘッドを停止
    させるまでの間にインク吐出ヘッドを停止させることな
    くスキャン移動を実行することを特徴とする請求項4に
    記載のインクジェットプリンタの制御方法。
  6. 【請求項6】 前記インクジェットプリンタは、熱エネ
    ルギーを利用してインク液に気泡を生成させ、該気泡の
    生成に基づいてインク滴を吐出することを特徴とする請
    求項1〜5の何れかに記載のインクジェットプリンタの
    制御方法。
  7. 【請求項7】 複数のインク吐出口が配列されるインク
    吐出ヘッドを用い、前記インク吐出ヘッドを前記インク
    吐出口の配列方向と異なる方向にスキャンしかつ記録媒
    体を所定量ずつ前記スキャン方向とは異なる方向に搬送
    して記録動作を行わせるとともに、前記インク吐出ヘッ
    ドの前記記録のためのスキャン領域外に設けられた予備
    吐出インク受けに対向する位置まで前記インク吐出ヘッ
    ドを移動して前記複数のインク吐出口から前記予備吐出
    インク受けにインクを吐出させる予備吐出動作を予め設
    定された所定の時間間隔で実行するようにしたインクジ
    ェットプリンタの制御装置において、 画質優先モードおよび速度優先モードの2種類の印字モ
    ードを設定する印字モード設定手段と、 印字すべき印字データの有無を判定する判定手段と、 次のラインの印字に要する印字所要時間を計時する第1
    の計時手段と、 次の予備吐出動作までの待ち時間を計時する第2の計時
    手段と、 前記判定手段により印字データ有りと判定した場合、前
    記第1および第2の計時手段の計時出力を比較する比較
    手段と、 前記印字モード設定手段によって画質優先モードが選択
    されているときには、前記比較の結果、前記待ち時間が
    前記印字所要時間より長いときは次のラインの印字動作
    を実行し、前記待ち時間が前記印字所要時間より短いと
    きは、先に前記予備吐出動作を行いその後に次のライン
    の印字動作を実行するとともに、前記印字モード設定手
    段によって速度優先モードが選択されているときには、
    前記比較の結果、前記待ち時間が前記印字所要時間より
    長いときは、次のラインの印字動作を実行し、前記待ち
    時間が前記印字所要時間より短いときは、先に次のライ
    ンの印字動作を実行し、その後に前記予備吐出動作を実
    行するよう制御する制御手段と、 を具えることを特徴とするインクジェットプリンタの制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、速度優先モードが選択
    されているときであって、前記待ち時間が前記印字所要
    時間より短いときは、インク吐出ヘッドのスキャン移動
    を開始してから前記予備吐出インク受けの位置でインク
    吐出ヘッドを停止させるまでの間にインク吐出ヘッドを
    停止させることなくスキャン移動を実行することを特徴
    とする請求項7に記載のインクジェットプリンタの制御
    装置。
  9. 【請求項9】 前記インクジェットプリンタは、熱エネ
    ルギーを利用してインク液に気泡を生成させ、該気泡の
    生成に基づいてインク滴を吐出することを特徴とする請
    求項7または8に記載のインクジェットプリンタの制御
    装置。
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