JP2001205749A - 難燃性複合フィルム - Google Patents
難燃性複合フィルムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃焼時に有害なガスの発生がなく、環境汚染
を招くこともなく、施工作業性に優れ、使用後に焼却処
理し易く、且つ、容易に製造することのできる難燃性複
合フィルムを提供する。 【解決手段】 オレフィン系樹脂100重量部と、グリ
シン、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び炭酸
グアニジンよりなる群から選ばれた1種以上の難燃剤1
0〜50重量部とよりなる難燃性フィルム(A)の長手
方向の一側縁に沿って、尿素を15〜50重量%含有す
るテープ状の難燃性フィルム(B)の一部が上記難燃性
フィルム(A)の側縁からはみ出して接合され、はみ出
た難燃性フィルム(B)の片面の全部もしくは一部に粘
着層2が積層されてなる。
を招くこともなく、施工作業性に優れ、使用後に焼却処
理し易く、且つ、容易に製造することのできる難燃性複
合フィルムを提供する。 【解決手段】 オレフィン系樹脂100重量部と、グリ
シン、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び炭酸
グアニジンよりなる群から選ばれた1種以上の難燃剤1
0〜50重量部とよりなる難燃性フィルム(A)の長手
方向の一側縁に沿って、尿素を15〜50重量%含有す
るテープ状の難燃性フィルム(B)の一部が上記難燃性
フィルム(A)の側縁からはみ出して接合され、はみ出
た難燃性フィルム(B)の片面の全部もしくは一部に粘
着層2が積層されてなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性でありなが
ら焼却可能であり、焼却後の灰分が少ないフィルムであ
って、特に放射性物質取扱所等で好適に使用される難燃
性複合フィルムに関する。
ら焼却可能であり、焼却後の灰分が少ないフィルムであ
って、特に放射性物質取扱所等で好適に使用される難燃
性複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より放射線物質を取り扱う場所にお
いて、点検や補修工事の際に放射線に汚染された物質の
飛散や付着等を防止するために、床、壁、間仕切り、天
井、設置されている各種の装置を保護フィルムで覆う処
置がなされている。このために使用された保護フィルム
は、放射線で汚染されるため長期間の厳重な貯蔵管理が
必要となる。そこで、保管費用を抑えるために一旦焼却
して嵩を小さくした後、その残査だけを保管する方法が
好ましく、保護フィルムとして焼却可能なものが要求さ
れている。又、補修工事等では火器を使用することがあ
り、火災防止のため保護フィルムには難燃性も要求され
ている。
いて、点検や補修工事の際に放射線に汚染された物質の
飛散や付着等を防止するために、床、壁、間仕切り、天
井、設置されている各種の装置を保護フィルムで覆う処
置がなされている。このために使用された保護フィルム
は、放射線で汚染されるため長期間の厳重な貯蔵管理が
必要となる。そこで、保管費用を抑えるために一旦焼却
して嵩を小さくした後、その残査だけを保管する方法が
好ましく、保護フィルムとして焼却可能なものが要求さ
れている。又、補修工事等では火器を使用することがあ
り、火災防止のため保護フィルムには難燃性も要求され
ている。
【0003】しかしながら、一般的には保護フィルムと
して塩化ビニル系樹脂やオレフィン系樹脂のフィルムが
使用されている。塩化ビニル系樹脂フィルムは焼却処理
が困難であるため使用後の貯蔵管理が難しく、環境問題
の面で廃棄し難い。又、火災時には有害なガスが発生す
るという問題がある。
して塩化ビニル系樹脂やオレフィン系樹脂のフィルムが
使用されている。塩化ビニル系樹脂フィルムは焼却処理
が困難であるため使用後の貯蔵管理が難しく、環境問題
の面で廃棄し難い。又、火災時には有害なガスが発生す
るという問題がある。
【0004】一方、オレフィン系樹脂は焼却可能である
が、燃焼し易く火災防止には不適当である。この欠点を
補う方法としてハロゲン化合物の難燃剤を配合すると、
燃焼時に有害なガスが発生する。リン化合物や無機系の
難燃剤を用いると焼却後の残査が多くなり、そのために
保管費用が高くなるとともに焼却装置を傷めるという問
題が残されている。
が、燃焼し易く火災防止には不適当である。この欠点を
補う方法としてハロゲン化合物の難燃剤を配合すると、
燃焼時に有害なガスが発生する。リン化合物や無機系の
難燃剤を用いると焼却後の残査が多くなり、そのために
保管費用が高くなるとともに焼却装置を傷めるという問
題が残されている。
【0005】上記の課題を解決する手段として、難燃剤
として尿素を用いたフィルムが知られている(特公平7
−106621号公報)。しかしながら、尿素を均一に
分散して製膜することが困難なため、生産性が悪く、尿
素を添加することで低下するフィルムの強度を補うため
に、補強用の樹脂フィルムが積層された構成であり、高
価なものとなる欠点があった。
として尿素を用いたフィルムが知られている(特公平7
−106621号公報)。しかしながら、尿素を均一に
分散して製膜することが困難なため、生産性が悪く、尿
素を添加することで低下するフィルムの強度を補うため
に、補強用の樹脂フィルムが積層された構成であり、高
価なものとなる欠点があった。
【0006】更に、保護フィルムを使用するためには、
保護フィルム同士の接合や、床、壁、天井、各種の装置
に固定するための粘着テープが使用され、粘着テープに
対しても焼却可能なことや難燃性が求められている。し
かしながら、上記固定用の粘着テープとしては、オレフ
ィン系樹脂フィルムやポリエステル系樹脂フィルム、
紙、布、或いはこれらが積層された基材に粘着層が設け
られた汎用の養生用テープや包装用テープが使用されて
おり、焼却可能であるが難燃性を満足できるものではな
かった。
保護フィルム同士の接合や、床、壁、天井、各種の装置
に固定するための粘着テープが使用され、粘着テープに
対しても焼却可能なことや難燃性が求められている。し
かしながら、上記固定用の粘着テープとしては、オレフ
ィン系樹脂フィルムやポリエステル系樹脂フィルム、
紙、布、或いはこれらが積層された基材に粘着層が設け
られた汎用の養生用テープや包装用テープが使用されて
おり、焼却可能であるが難燃性を満足できるものではな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点に鑑み、燃焼時に有害なガスの発生がなく、環境汚
染を招くこともなく、施工作業性に優れ、使用後に焼却
処理し易く、且つ、容易に製造することのできる難燃性
複合フィルムを提供することを目的とする。
題点に鑑み、燃焼時に有害なガスの発生がなく、環境汚
染を招くこともなく、施工作業性に優れ、使用後に焼却
処理し易く、且つ、容易に製造することのできる難燃性
複合フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃性複合フィ
ルムは、オレフィン系樹脂100重量部と、グリシン、
イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び炭酸グアニ
ジンよりなる群から選ばれた1種以上の難燃剤10〜5
0重量部とよりなる難燃性フィルム(A)の長手方向の
一側縁に沿って、尿素を15〜50重量%含有するテー
プ状の難燃性フィルム(B)の一部が上記難燃性フィル
ム(A)の側縁からはみ出して接合され、はみ出た難燃
性フィルム(B)の片面の全部もしくは一部に粘着層が
積層されてなることを特徴とするものである。
ルムは、オレフィン系樹脂100重量部と、グリシン、
イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び炭酸グアニ
ジンよりなる群から選ばれた1種以上の難燃剤10〜5
0重量部とよりなる難燃性フィルム(A)の長手方向の
一側縁に沿って、尿素を15〜50重量%含有するテー
プ状の難燃性フィルム(B)の一部が上記難燃性フィル
ム(A)の側縁からはみ出して接合され、はみ出た難燃
性フィルム(B)の片面の全部もしくは一部に粘着層が
積層されてなることを特徴とするものである。
【0009】難燃性フィルム(A)のオレフィン系樹脂
としては、オレフィン系モノマーの重合体もしくは共重
合体であって製膜性を有するものであればよく、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン
共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン
−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−
ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、
エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が挙
げられ、特にポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体が好適に使用できる。
としては、オレフィン系モノマーの重合体もしくは共重
合体であって製膜性を有するものであればよく、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン
共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン
−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−
ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、
エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が挙
げられ、特にポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体が好適に使用できる。
【0010】難燃性フィルム(A)の難燃剤としては、
グリシン、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び
炭酸グアニジンよりなる群から選ばれ、単独で用いても
よく、2種以上が併用されてもよい。メラミンシアヌレ
ートはメラミンとイソシアヌル酸の反応物であり、メラ
ミンとイソシアヌル酸の未反応物はなるべく存在しない
方が好ましい。又、メラミンシアヌレート粉末の表面が
ビニルアルコール処理されていると、オレフィン系樹脂
への分散性が向上するので好ましい。
グリシン、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び
炭酸グアニジンよりなる群から選ばれ、単独で用いても
よく、2種以上が併用されてもよい。メラミンシアヌレ
ートはメラミンとイソシアヌル酸の反応物であり、メラ
ミンとイソシアヌル酸の未反応物はなるべく存在しない
方が好ましい。又、メラミンシアヌレート粉末の表面が
ビニルアルコール処理されていると、オレフィン系樹脂
への分散性が向上するので好ましい。
【0011】上記難燃剤の粒子径は大きくなるとオレフ
ィン系樹脂への分散性が低下し、フィルム表面が粗面と
なって外観が悪くなるので10μm以下が好ましく、平
均粒径は5μm以下が好ましい。
ィン系樹脂への分散性が低下し、フィルム表面が粗面と
なって外観が悪くなるので10μm以下が好ましく、平
均粒径は5μm以下が好ましい。
【0012】難燃剤の添加量は少なくなると難燃性が低
下し、多くなるとオレフィン系樹脂の製膜性が低下する
のでオレフィン系樹脂100重量部に対して10〜50
重量部であり、好ましくは15〜45重量部である。
下し、多くなるとオレフィン系樹脂の製膜性が低下する
のでオレフィン系樹脂100重量部に対して10〜50
重量部であり、好ましくは15〜45重量部である。
【0013】難燃性フィルム(A)の製造方法は公知の
任意の方法が採用される。例えば、オレフィン系樹脂と
難燃剤を混合し、インフレーション法、Tダイ法、カレ
ンダー法、キャスティング法等で成形すればよい。尚、
この際の成形は難燃剤の熱分解温度以下で行うことが必
要である。
任意の方法が採用される。例えば、オレフィン系樹脂と
難燃剤を混合し、インフレーション法、Tダイ法、カレ
ンダー法、キャスティング法等で成形すればよい。尚、
この際の成形は難燃剤の熱分解温度以下で行うことが必
要である。
【0014】難燃性フィルム(A)の厚みは特に限定さ
れるものではないが、薄くなると強度が低下して破損し
易くて保護性能が低下し、厚くなると変形し難いので施
工作業性が悪く、自重が大きくなって壁や天井への施工
性が更に悪くなる。従って、厚みは30〜200μmが
好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
れるものではないが、薄くなると強度が低下して破損し
易くて保護性能が低下し、厚くなると変形し難いので施
工作業性が悪く、自重が大きくなって壁や天井への施工
性が更に悪くなる。従って、厚みは30〜200μmが
好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
【0015】難燃性フィルム(B)は難燃剤として尿素
を15〜50%含有する熱可塑性樹脂フィルムであり、
その片面に粘着層が全面もしくは一部に設けられたもの
である。この理由は、難燃性フィルム(A)に可燃成分
である粘着層を設けると、その部分において難燃性が低
下するので、難燃性の低下を防ぐために、難燃性フィル
ム(A)よりも難燃性の高い難燃性フィルム(B)を用
いることにある。
を15〜50%含有する熱可塑性樹脂フィルムであり、
その片面に粘着層が全面もしくは一部に設けられたもの
である。この理由は、難燃性フィルム(A)に可燃成分
である粘着層を設けると、その部分において難燃性が低
下するので、難燃性の低下を防ぐために、難燃性フィル
ム(A)よりも難燃性の高い難燃性フィルム(B)を用
いることにある。
【0016】難燃性フィルム(B)に用いられる熱可塑
性樹脂としては、燃焼性があり、ハロゲンやリン、金属
等の不要な元素の含有量ができるだけ少ないものであれ
ば特に限定されない。例えば、難燃性フィルム(A)と
同様のオレフィン系樹脂、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリウ
レタン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン等、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。特にポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体が好適に
使用できる。
性樹脂としては、燃焼性があり、ハロゲンやリン、金属
等の不要な元素の含有量ができるだけ少ないものであれ
ば特に限定されない。例えば、難燃性フィルム(A)と
同様のオレフィン系樹脂、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリウ
レタン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタ
ジエン等、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。特にポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体が好適に
使用できる。
【0017】難燃性フィルム(B)に用いる尿素は結晶
状のものでもよいが、粉末状のものが溶融し易く、分散
させ易いので好ましい。尿素を熱可塑性樹脂に分散させ
る方法は、熱溶融状で混合する方法が容易であるために
好ましい。該樹脂をフィルムに成形する際には、尿素は
高温で分解するので、尿素を溶融混練後は尿素の溶融温
度である132℃以下を目標とすることが好ましい。
状のものでもよいが、粉末状のものが溶融し易く、分散
させ易いので好ましい。尿素を熱可塑性樹脂に分散させ
る方法は、熱溶融状で混合する方法が容易であるために
好ましい。該樹脂をフィルムに成形する際には、尿素は
高温で分解するので、尿素を溶融混練後は尿素の溶融温
度である132℃以下を目標とすることが好ましい。
【0018】上記の温度で成形し難い熱可塑性樹脂を用
いた場合、溶融樹脂の粘度を下げる目的で軟化剤を配合
してもよい。軟化剤としては使用する熱可塑性樹脂に分
散可能なものであれば特に限定されず、例えば、流動パ
ラフィン、ポリブタジエン、ポリブテン、液状合成ゴム
等の液状成分、低融点の樹脂、フタル酸ジオクチル、フ
タル酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等の可塑剤等が
挙げられる。
いた場合、溶融樹脂の粘度を下げる目的で軟化剤を配合
してもよい。軟化剤としては使用する熱可塑性樹脂に分
散可能なものであれば特に限定されず、例えば、流動パ
ラフィン、ポリブタジエン、ポリブテン、液状合成ゴム
等の液状成分、低融点の樹脂、フタル酸ジオクチル、フ
タル酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等の可塑剤等が
挙げられる。
【0019】尿素の含有量は多いほど難燃効果が大きい
ので好ましいが、多すぎるとフィルムの強度が低下して
脆くなり取り扱えなくなる。その解決手段として、尿素
を多量に含有する基材の片面もしくは両面に尿素を含有
しない基材層を設けることにより強度を補うことが好ま
しい。
ので好ましいが、多すぎるとフィルムの強度が低下して
脆くなり取り扱えなくなる。その解決手段として、尿素
を多量に含有する基材の片面もしくは両面に尿素を含有
しない基材層を設けることにより強度を補うことが好ま
しい。
【0020】上記尿素を含有しない基材層としては、前
記熱可塑性樹脂の他、ポリエステル系樹脂フィルム、ナ
イロン系樹脂フィルム、紙、各種の不織布や織布等、燃
焼可能なものであればよく、2種類以上の複層構造であ
ってもよい。しかし、この層を追加することによって可
燃成分が増加し、難燃性が低下するため基材全体として
尿素を15〜50重量%含有するように調製する必要が
ある。
記熱可塑性樹脂の他、ポリエステル系樹脂フィルム、ナ
イロン系樹脂フィルム、紙、各種の不織布や織布等、燃
焼可能なものであればよく、2種類以上の複層構造であ
ってもよい。しかし、この層を追加することによって可
燃成分が増加し、難燃性が低下するため基材全体として
尿素を15〜50重量%含有するように調製する必要が
ある。
【0021】難燃性フィルム(B)の厚みは特に限定さ
れるものではなく、難燃性フィルム(A)と同様の理由
で柔軟性と強度が必要であるから、厚みは30〜100
0μmが好ましく、より好ましくは50〜500μmで
ある。又、難燃性フィルム(B)の幅は20〜200m
mが適当であり、長手方向は難燃性フィルム(A)の長
さに合わせればよい。
れるものではなく、難燃性フィルム(A)と同様の理由
で柔軟性と強度が必要であるから、厚みは30〜100
0μmが好ましく、より好ましくは50〜500μmで
ある。又、難燃性フィルム(B)の幅は20〜200m
mが適当であり、長手方向は難燃性フィルム(A)の長
さに合わせればよい。
【0022】難燃性フィルム(B)の製造方法は公知の
任意の方法を採用することができ、例えば、熱可塑性樹
脂に尿素を混合した後、溶融押出や圧延する方法などが
ある。更に、尿素を含有しないフィルムを積層する方法
も、例えば、接着剤によりラミネートする方法、フィル
ム同士を加熱溶着する方法、いずれか一方のフィルムも
しくは両方のフィルムを共押出成形により積層する方法
などがある。
任意の方法を採用することができ、例えば、熱可塑性樹
脂に尿素を混合した後、溶融押出や圧延する方法などが
ある。更に、尿素を含有しないフィルムを積層する方法
も、例えば、接着剤によりラミネートする方法、フィル
ム同士を加熱溶着する方法、いずれか一方のフィルムも
しくは両方のフィルムを共押出成形により積層する方法
などがある。
【0023】粘着層としては、ハロゲンやリン、その他
有害な元素が含有されていなければ特に限定されず、ゴ
ム系粘着剤、アクリル系粘着剤等、実質的に炭素、酸
素、窒素、水素からなる一般的な粘着剤が使用できる。
又、粘着層には必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、酸化
防止剤、老化防止剤、顔料、充填剤等が添加されてもよ
い。粘着層の形成方法は、例えば、エマルジョンや溶剤
系の粘着剤であれば溶液状で塗布・乾燥し、ホットメル
ト粘着剤であれば加熱溶融して塗布すればよい。粘着層
の厚みも限定されず、難燃性を損なわない程度に設定す
ればよく、数μm〜500μmで使用可能であり、一般
的には10〜200μmの範囲が好ましい。
有害な元素が含有されていなければ特に限定されず、ゴ
ム系粘着剤、アクリル系粘着剤等、実質的に炭素、酸
素、窒素、水素からなる一般的な粘着剤が使用できる。
又、粘着層には必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、酸化
防止剤、老化防止剤、顔料、充填剤等が添加されてもよ
い。粘着層の形成方法は、例えば、エマルジョンや溶剤
系の粘着剤であれば溶液状で塗布・乾燥し、ホットメル
ト粘着剤であれば加熱溶融して塗布すればよい。粘着層
の厚みも限定されず、難燃性を損なわない程度に設定す
ればよく、数μm〜500μmで使用可能であり、一般
的には10〜200μmの範囲が好ましい。
【0024】粘着層は難燃性フィルム(B)の片面に全
面もしくは部分的に設けられておればよいが、施工時に
容易に貼り付け作業できるように長手方向に沿って連続
して設けられていることが好ましい。
面もしくは部分的に設けられておればよいが、施工時に
容易に貼り付け作業できるように長手方向に沿って連続
して設けられていることが好ましい。
【0025】難燃性フィルム(A)の一側縁に難燃性フ
ィルム(B)の一部が接合される。従って、難燃性フィ
ルム(B)は難燃性フィルム(A)の側縁から突き出た
状態とされる。
ィルム(B)の一部が接合される。従って、難燃性フィ
ルム(B)は難燃性フィルム(A)の側縁から突き出た
状態とされる。
【0026】難燃性フィルム(A)の一側縁に難燃性フ
ィルム(B)を接合する方法は特に限定されず、例え
ば、両者の側縁同士を突き合わせもしくは重ね合わせた
状態で接着剤や粘着剤を介して接着する方法、熱融着す
る方法等が可能である。特に、難燃性フィルム(B)の
片面全面に粘着層を設けた後、この粘着層の一部を利用
して難燃性フィルム(A)と接合することが製造し易い
ので好ましい。
ィルム(B)を接合する方法は特に限定されず、例え
ば、両者の側縁同士を突き合わせもしくは重ね合わせた
状態で接着剤や粘着剤を介して接着する方法、熱融着す
る方法等が可能である。特に、難燃性フィルム(B)の
片面全面に粘着層を設けた後、この粘着層の一部を利用
して難燃性フィルム(A)と接合することが製造し易い
ので好ましい。
【0027】上記難燃性複合フィルムは、難燃性フィル
ム(A)を長手方向に沿って幅方向に複数回折り畳んだ
状態にとすれば、施工場所に難燃性フィルム(B)を横
方向に貼り合わせたとき、折り畳まれた難燃性フィルム
(A)は自重で下方に広がるので一層容易に作業するこ
とができる。この場合、作業性を更によくするため折り
畳んだ難燃性フィルム(A)の幅は20〜100cmの
範囲が好ましい。この長さが長すぎるとフィルム巻重体
を片手で持ち難くなり、短かすぎると1度の作業で覆う
ことのできる面積が少なくなり、作業能率が低下するこ
とがある。
ム(A)を長手方向に沿って幅方向に複数回折り畳んだ
状態にとすれば、施工場所に難燃性フィルム(B)を横
方向に貼り合わせたとき、折り畳まれた難燃性フィルム
(A)は自重で下方に広がるので一層容易に作業するこ
とができる。この場合、作業性を更によくするため折り
畳んだ難燃性フィルム(A)の幅は20〜100cmの
範囲が好ましい。この長さが長すぎるとフィルム巻重体
を片手で持ち難くなり、短かすぎると1度の作業で覆う
ことのできる面積が少なくなり、作業能率が低下するこ
とがある。
【0028】更に、上記のように折り畳まれた難燃性複
合フィルムは、施工作業を一層容易にするため難燃性フ
ィルム(B)を側面にしてロール状に巻回された巻重体
となされることが好ましい。この際、粘着層は内側とし
て、又、外側として巻回されたものであってもよい。こ
のようにすれば、施工の際に難燃性フィルム(A)を徐
々に展開しながら目標の位置に順次貼り合わせ作業で
き、フィルムを広げなから別の粘着テープで固定して貼
り合わせるよりも的確且つ容易に作業することができ
る。
合フィルムは、施工作業を一層容易にするため難燃性フ
ィルム(B)を側面にしてロール状に巻回された巻重体
となされることが好ましい。この際、粘着層は内側とし
て、又、外側として巻回されたものであってもよい。こ
のようにすれば、施工の際に難燃性フィルム(A)を徐
々に展開しながら目標の位置に順次貼り合わせ作業で
き、フィルムを広げなから別の粘着テープで固定して貼
り合わせるよりも的確且つ容易に作業することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例を図面を参照
して説明する。 難燃性フィルム(B)の作製 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量20
重量%)70重量部と尿素30重量部とを加熱溶融して
混合し、これを押出成形によりフィルム(100g/m
2 )を成形した。このフィルムの両面にポリエチレンフ
ィルム(23g/m2 )を熱ラミネートして難燃性フィ
ルム(B)を作製し、該フィルム(B)の片面にアクリ
ル系粘着剤を乾燥後で25g/m2 となるように塗布・
乾燥して粘着層を形成した。これを幅50mmにスリッ
ト加工して難燃性粘着テープとした。
して説明する。 難燃性フィルム(B)の作製 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量20
重量%)70重量部と尿素30重量部とを加熱溶融して
混合し、これを押出成形によりフィルム(100g/m
2 )を成形した。このフィルムの両面にポリエチレンフ
ィルム(23g/m2 )を熱ラミネートして難燃性フィ
ルム(B)を作製し、該フィルム(B)の片面にアクリ
ル系粘着剤を乾燥後で25g/m2 となるように塗布・
乾燥して粘着層を形成した。これを幅50mmにスリッ
ト加工して難燃性粘着テープとした。
【0030】(実施例1)エチレン−酢酸ビニル共重合
体(酢酸ビニル含有量20重量%)100重量部と、ポ
リビニルアルコール処理されたメラミンシアヌレート粉
末(平均粒子径2μm)100重量部とを押出機に供給
し、混合溶融して押出してペレット状のマスターバッチ
を作製した。該マスターバッチ50重量部と直鎖状低密
度ポリエチレン50重量部の混合物をインフレーション
法で押出成形して難燃性フィルム(A)(幅3m,厚さ
80μm)を得た。
体(酢酸ビニル含有量20重量%)100重量部と、ポ
リビニルアルコール処理されたメラミンシアヌレート粉
末(平均粒子径2μm)100重量部とを押出機に供給
し、混合溶融して押出してペレット状のマスターバッチ
を作製した。該マスターバッチ50重量部と直鎖状低密
度ポリエチレン50重量部の混合物をインフレーション
法で押出成形して難燃性フィルム(A)(幅3m,厚さ
80μm)を得た。
【0031】図1に示すように上記難燃性フィルム
(A)を長手方向に沿って6回折り畳み、その一側縁に
上記難燃性粘着テープ1を粘着剤層2が15mm重なる
ように貼り合わせながら長手方向に巻き取り、図2に示
すような巻重体3とした。図3は図2の巻重体3を一部
展開した斜視図である。この難燃性複合フィルムを展開
しながら、粘着テープを壁面に貼り付けて被覆作業を行
ったところ、折り畳んだフィルムは自然に下方へ広が
り、作業を短時間で確実に終了することができた。
(A)を長手方向に沿って6回折り畳み、その一側縁に
上記難燃性粘着テープ1を粘着剤層2が15mm重なる
ように貼り合わせながら長手方向に巻き取り、図2に示
すような巻重体3とした。図3は図2の巻重体3を一部
展開した斜視図である。この難燃性複合フィルムを展開
しながら、粘着テープを壁面に貼り付けて被覆作業を行
ったところ、折り畳んだフィルムは自然に下方へ広が
り、作業を短時間で確実に終了することができた。
【0032】(実施例2)実施例1で用いたものと同じ
マスターバッチ30重量部とエチレン−酢酸ビニル共重
合体(酢酸ビニル含有量20重量%)70重量部との混
合物をTダイ法で押出成形して難燃性フィルム(A)
(幅2.4m,厚さ100μm)を得た。この難燃性フ
ィルム(A)を長手方向に沿って4回折り畳み、その一
側縁に実施例1と同様にして難燃性粘着テープを貼り合
わせながら巻重体とした。この難燃性複合フィルムを展
開しながら、粘着テープを壁面に貼り付けて被覆作業を
行ったところ、折り畳んだフィルムは自然に下方へ広が
り、作業を短時間で確実に終了することができた。
マスターバッチ30重量部とエチレン−酢酸ビニル共重
合体(酢酸ビニル含有量20重量%)70重量部との混
合物をTダイ法で押出成形して難燃性フィルム(A)
(幅2.4m,厚さ100μm)を得た。この難燃性フ
ィルム(A)を長手方向に沿って4回折り畳み、その一
側縁に実施例1と同様にして難燃性粘着テープを貼り合
わせながら巻重体とした。この難燃性複合フィルムを展
開しながら、粘着テープを壁面に貼り付けて被覆作業を
行ったところ、折り畳んだフィルムは自然に下方へ広が
り、作業を短時間で確実に終了することができた。
【0033】上記実施例1、2の難燃性フィルム(A)
と、これに難燃性フィルム(B)を貼り合わせた難燃性
複合フィルムの難燃性と灰分の発生状態を調べた結果を
表1に示した。
と、これに難燃性フィルム(B)を貼り合わせた難燃性
複合フィルムの難燃性と灰分の発生状態を調べた結果を
表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の難燃性複合フィルムは、難燃性
でありながら焼却可能であり、燃焼時に有害なガスの発
生がなく、環境汚染を招くこともない。又、使用後に焼
却処理し易く、焼却後の灰分が少ないので、特に放射線
物質取扱所等で好適に使用される。又、施工作業性に優
れ、且つ、容易に製造することができる。又、難燃性フ
ィルム(A)を長手方向に沿って幅方向に複数回折り畳
んだ状態で巻重体とすれば、施工場所において、難燃性
フィルム(A)の側縁から突出した難燃性フィルム
(B)を貼り合わせた後、折り畳まれた難燃性フィルム
(A)を広げ易いので一層容易に作業することができ
る。更に、本発明の難燃性複合フィルムは、折り畳んだ
状態でロール状に巻回された巻重体とすると、施工の際
に難燃性フィルム(A)を徐々に展開しながら目標の位
置に順次貼り合わせ作業でき、フィルムを広げて別の粘
着テープで固定しながら貼り合わせる従来の方法よりも
的確且つ容易に作業することができる。。
でありながら焼却可能であり、燃焼時に有害なガスの発
生がなく、環境汚染を招くこともない。又、使用後に焼
却処理し易く、焼却後の灰分が少ないので、特に放射線
物質取扱所等で好適に使用される。又、施工作業性に優
れ、且つ、容易に製造することができる。又、難燃性フ
ィルム(A)を長手方向に沿って幅方向に複数回折り畳
んだ状態で巻重体とすれば、施工場所において、難燃性
フィルム(A)の側縁から突出した難燃性フィルム
(B)を貼り合わせた後、折り畳まれた難燃性フィルム
(A)を広げ易いので一層容易に作業することができ
る。更に、本発明の難燃性複合フィルムは、折り畳んだ
状態でロール状に巻回された巻重体とすると、施工の際
に難燃性フィルム(A)を徐々に展開しながら目標の位
置に順次貼り合わせ作業でき、フィルムを広げて別の粘
着テープで固定しながら貼り合わせる従来の方法よりも
的確且つ容易に作業することができる。。
【図1】本発明の難燃性複合フィルムの実施例を示す側
面図。
面図。
【図2】巻重体とした状態を示す斜視図。
【図3】図2に示す巻重体を一部展開した状態を示す斜
視図。
視図。
1:難燃性粘着テープ 2:粘着剤層 3:巻重体 A:難燃性フィルム(A) B:難燃性フィルム(B)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15X AA28X AC12 AE07 AH19 BA01 BB06 BB09 BC01 4F100 AH03A AH03B AH07A AK03A AK04 AK63 AK68 AR00C BA03 BA05 BA07 BA10A BA10C CA08A CA08B CB05C JJ07A JJ07B JL13C YY00 4H028 AA30 AA42 BA06 4J002 BB001 BB031 BB051 BB061 BB071 BB121 BB151 BB171 ER026 EU186 EU196 FD136 GT00
Claims (4)
- 【請求項1】 オレフィン系樹脂100重量部と、グリ
シン、イソシアヌル酸、メラミンシアヌレート及び炭酸
グアニジンよりなる群から選ばれた1種以上の難燃剤1
0〜50重量部とよりなる難燃性フィルム(A)の長手
方向の一側縁に沿って、尿素を15〜50重量%含有す
るテープ状の難燃性フィルム(B)の一部が上記難燃性
フィルム(A)の側縁からはみ出して接合され、はみ出
た難燃性フィルム(B)の片面の全部もしくは一部に粘
着層が積層されてなることを特徴とする難燃性複合フィ
ルム。 - 【請求項2】 難燃性フィルム(A)、難燃性フィルム
(B)及び粘着層が、実質的に炭素、水素、酸素及び窒
素のみからなり、灰分が1重量%以下である請求項1記
載の難燃性複合フィルム。 - 【請求項3】 難燃性フィルム(A)が幅方向に折り畳
まれ、接合されている難燃性フィルム(B)の一部が折
り畳み部分から突出されている請求項1又は2に記載の
難燃性複合フィルム。 - 【請求項4】 難燃性フィルム(A)が難燃性フィルム
(B)とともに巻き取られて巻重体となされた請求項1
〜3のいずれかに記載の難燃性複合フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000018720A JP2001205749A (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 難燃性複合フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000018720A JP2001205749A (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 難燃性複合フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001205749A true JP2001205749A (ja) | 2001-07-31 |
Family
ID=18545530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000018720A Pending JP2001205749A (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 難燃性複合フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001205749A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020110342A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | 株式会社三共 | スロットマシン |
-
2000
- 2000-01-27 JP JP2000018720A patent/JP2001205749A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020110342A (ja) * | 2019-01-11 | 2020-07-27 | 株式会社三共 | スロットマシン |
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