JP2001203472A - ハウジング構成体およびその製法 - Google Patents

ハウジング構成体およびその製法

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JP2001203472A JP2000012499A JP2000012499A JP2001203472A JP 2001203472 A JP2001203472 A JP 2001203472A JP 2000012499 A JP2000012499 A JP 2000012499A JP 2000012499 A JP2000012499 A JP 2000012499A JP 2001203472 A JP2001203472 A JP 2001203472A
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Shunei Okamoto
俊英 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】家電リサイクルの要望に応えつつ、しかも小型
電子機器内部で発生する熱に対して対応することのでき
るハウジング構成体を提供する。 【解決手段】金属製筐体2の外周面に樹脂層3形成され
ているハウジング構成体1とし、上記樹脂層3が、熱硬
化性樹脂を主成分とし微小中空体5を含有する熱硬化性
樹脂組成物からなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノート型パソコン
等の小型電子機器のハウジング構成体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、小型電子機器のハウジングを
構成するハウジング構成体、例えば、ノート型パソコン
のハウジング構成体は、安価,軽量,成形性がよい,熱
伝導性が低い等の点から、プラスチック製のものが賞用
されている。しかし、近年、家電リサイクルの要望に応
えるべく、上記ハウジング構成体のほとんどすべてが金
属製であるというものが使用されつつある。一方、上記
小型電子機器は、技術の累積的進歩により、さらなる薄
型化・小型化が進行し、また、半導体の高集積化によ
り、運転時の発熱量は増大化の傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、上記ノート型パソコンでは、薄型化・小型化が進行
するにつれ、余分なスペースが少なくなるため、CPU
等の回路やHDD等の内部装置から発生される熱が、ハ
ウジングに直接伝わりやすいという構造になる。さら
に、薄型化により、従来の冷却方法である冷却ファンの
取り付けが困難となり、また、近年採用され始めている
ヒートパイプを筐体内部に配置する方法も、それ自体の
スペースが筐体内部に必要となるため、困難となる。し
たがって、機器内部に熱が一層こもりやすくなる。これ
らのことから、薄型化・小型化が進行すればするほど、
上記ノート型パソコンのハウジング構成体は、内部から
発生する熱によって加熱されやすくなる。一方、上記ノ
ート型パソコンは、膝上に置いた状態で継続的に使用さ
れることがあり、上記ノート型パソコンのハウジングが
金属製であると、その高熱伝導性のため、低温やけどを
引き起こすおそれがある。これらを考慮すると、金属製
のハウジング構成体をハウジングに用いることは、好ま
しいことではない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、家電リサイクルの要望に応えつつ、しかも小型
電子機器内部で発生する熱に対して対応することのでき
るハウジング構成体およびその製法の提供をその目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、金属製筐体の外周面に樹脂層が形成され
ているハウジング構成体であって、上記樹脂層が、熱硬
化性樹脂を主成分とし微小中空体を含有する熱硬化性樹
脂組成物からなるハウジング構成体を第1の要旨とす
る。また、本発明は、熱硬化性樹脂を主成分とし微小中
空体を含有する熱硬化性樹脂組成物を、金属製筐体の外
周面に塗工したのち、加熱硬化させて樹脂層を形成する
ハウジング構成体の製法を第2の要旨とする。
【0006】すなわち、本発明者は、家電リサイクルの
要望に応えつつ、同時に、小型電子機器内部で発生する
熱に対して対応することのできるハウジング構成体を得
るべく、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、家電リ
サイクルの要望に応えるべく、金属製のものを基本とし
ながら、同時に、その熱伝導性を低下させる検討を加え
た。その結果、金属製筐体の外周面に、熱硬化性樹脂を
主成分とし微小中空体を含有する熱硬化性樹脂組成物か
らなる樹脂層を形成すると、所期の目的を達成できるこ
とを見出だし、本発明に到達した。
【0007】特に、金属製筐体をマグネシウム合金で形
成したときには、軽量化,良成形性と同時に強度も満足
すべきものとなる。
【0008】また、本発明のハウジング構成体におい
て、上記樹脂層の外周面に、さらにコーティング層を形
成したときには、外観性,強靱性,耐候性等がさらに向
上する。
【0009】また、上記樹脂層の形成材料である熱硬化
性樹脂組成物は、通常、溶剤で希釈されることで希釈溶
液となり、スプレーガン等によって塗工されるが、その
際、上記熱硬化性樹脂組成物に含有される微小中空体に
よって熱硬化性樹脂組成物の表面積が大きくなるため、
塗工面に上記熱硬化性樹脂組成物が飛翔するまでに乾燥
が促進されて、粘度が高くなる。したがって、仮に塗工
面が垂直であっても樹脂ダレしにくく、一回の塗工によ
って所定厚みの樹脂層を形成することができる。その結
果、塗工工程を短縮でき、かつ、重ね塗りの手間を省く
ことができる。また、このようにして形成された上記樹
脂層の表面には、上記微小中空体の存在によって、微細
な凹凸が形成される。このため、さらに、上記樹脂層の
上にコーティング層を形成する場合に、上記凹凸の存在
による投錨効果により、コーティング層を形成する組成
物を直接樹脂層に塗工するだけで強固に固着するように
なるという効果も生じる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0011】まず、本発明のハウジング構成体の一例を
図1に示す。このハウジング構成体1は、金属製筐体2
の外周面に樹脂層3が形成されているものであって、上
記樹脂層3は、熱硬化性樹脂を主成分とし微小中空体5
を含有する熱硬化性樹脂組成物からなる。ここで、主成
分とは、全体が主成分のみからなる場合も含まれる。ま
た、上記樹脂層3の外周面には、さらにコーティング層
4が形成されている。このコーティング層4は、必須の
ものではなく、場合によって省いてもよい。
【0012】上記金属製筐体2の材質は、特に限定され
るものではなく、例えば、マグネシウム,ステンレス,
鉄,アルミニウム,銅,またはそれらの一つと他の成分
との合金があげられる。なかでも、軽量化,成形性,強
度の観点から、マグネシウム合金が好ましい。ここで
「マグネシウム合金」とは、マグネシウムの強度を補強
するために、マグネシウムに、アルミニウム,亜鉛,マ
ンガン,ジルコニウム,希土類元素などのうち1種類以
上の元素を補助的(例えば、数パーセント〜数十パーセ
ント)に加えた合金のことをいう。
【0013】また、上記金属製筐体2の形状や大きさ
は、特に限定されるものではなく、例えば、先に述べた
ノート型パソコン以外でも、デジタルビデオカメラ,プ
ロジェクター,MD(ミニディスク)プレーヤー等の小
型電子機器はもとより、テレビ,炊飯器あるいは電子ジ
ャー等を収容できるものがあげられる。これらの金属製
筐体2は、いずれも所期の効果を奏するが、なかでも、
薄型化・小型化の追求で、断熱処理の困難なノート型パ
ソコン等の小型電子機器のハウジングを構成する金属製
筐体2がより大きな効果をもたらす。
【0014】上記金属製筐体2の外周面に形成される樹
脂層3の主成分である熱硬化性樹脂は、特に制限される
ものではなく、例えば、エポキシ樹脂,フェノキシ樹
脂,メラミン樹脂,尿素樹脂があげられる。なかでも、
強度、耐候性等の点から、ビスフェノールA型およびビ
スフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。これらの一
種と、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂とを併用してもよい。これらの熱硬化性
樹脂は、熱硬化性樹脂組成物の状態では、いわゆるモノ
マーの状態で、同じくモノマー状の硬化剤(例えばエポ
キシ樹脂主剤に対し、三級アミン類,イミダゾール類,
フェノール樹脂,酸および酸無水物等およびそれらの組
み合わせ)と併存し、塗工後の加熱により反応して、い
わゆるポリマー化し、硬化する。したがって、熱硬化性
樹脂組成物は、通常、液状で流動性を示す。また、場合
によって溶剤を加えて粘度等を調節することが行われ
る。
【0015】このような樹脂層3は、その厚みが100
〜300μmの範囲に設定されていることが好ましい。
上記厚みが100μm未満であると、断熱効果不足のた
め好ましくない。逆に、300μmを超えると、金属製
筐体2の凹凸を埋めるため、外観に影響を与えたり、組
み立て時の嵌合へ悪影響を及ぼすため好ましくない。よ
り好ましくは、200〜250μmの範囲である。この
ような範囲内であると、塗装外観も良好であり、断熱効
果も充分となるので好適である。
【0016】また、熱硬化性樹脂からなる上記樹脂層3
に含有される微小中空体5は、特に制限されるものでは
なく、例えば、セラミックバルーン,シラスバルーン,
ガラスバルーン等の無機系微小中空体や、シリコーン樹
脂バルーン等の有機系微小中空体等があげられる。これ
らは、通常、非熱膨張型の微小中空体である。なかで
も、耐熱性、塗装外観の安定等の観点から、セラミック
バルーン,シラスバルーン,ガラスバルーン等の無機系
微小中空体が好ましい。の微小中空体である。このよう
な非熱膨張型の微小中空体は、熱膨張型の微小中空体に
比べて、ハウジングの表面形状を均一に仕上げることが
可能となる。熱膨張型のものは、熱のかけ具合によっ
て、発泡状態が部分的に変わるため、均一状態にしにく
い。
【0017】上記微小中空体5は、その平均粒径が、1
0〜100μmの範囲内に設定されていることが好まし
い。上記平均粒径が10μm未満であると、チキソトロ
ピー性が大きくなり、塗装外観にムラができやすくな
り、逆に、100μmを超えると、上記組成物の分散性
等が悪くなり、不均一なブツを発生しやすくなる(塗膜
の外観に中空体形状がでてくる)からである。上記平均
粒径は、より好ましくは、20〜60μmの範囲であ
る。この範囲内であると、上記熱硬化性樹脂組成物の粘
度もより好適なものとなり、塗工時における上記熱硬化
性樹脂組成物の乾燥も、より促進されるようになる。ま
た、形成された樹脂層3表面に、さらにコーティング層
を積層形成する場合に、より好適な微細な凹凸が形成さ
れるようになる。
【0018】なお、上記微小中空体5の平均粒径は、例
えば、レーザー回折式粒度分布計によって測定できる。
【0019】上記微小中空体5の含有割合は、上記熱硬
化性樹脂100重量部(以下、「部」と略す)に対して
微小中空体が20〜40部の範囲に設定されていること
が好ましい。上記含有割合が20部未満であると、上記
熱硬化性樹脂組成物の塗工時の粘度を高める効果が不充
分となる傾向がみられ、逆に、40部を超えると、上記
組成物の粘度が高くなりすぎ、塗工が困難になる傾向が
みられるからである。より好ましくは、25〜35部の
範囲である。この範囲内であると、上記熱硬化性樹脂組
成物の粘度もより好適なものとなり、塗工時の乾燥も好
適に促進される。
【0020】上記樹脂層3を形成する熱硬化性樹脂組成
物には、上記熱硬化性樹脂や微小中空体5以外にも、チ
キソトロピー性付与剤、応力緩和剤および先に述べた硬
化剤等が適宜含有される。
【0021】上記硬化剤の具体例としては、例えば、主
剤がエポキシ樹脂の場合には、酸および酸無水物,フェ
ノール樹脂,イミダゾール類,ジシアンアミド,マイク
ロカプセル化アミン系硬化剤,アミドアミン等があげら
れる。
【0022】上記チキソトロピー性付与剤は、上記熱硬
化性樹脂組成物にチキソトロピー性を与えるために含有
されるものであり、具体例としては、例えば、二酸化ケ
イ素,酸化アルミ,炭酸カルシウム等の無機微粉末や長
鎖脂肪酸アミド等があげられる。
【0023】上記応力緩和剤は、上記熱硬化性樹脂組成
物の塗工後の硬化処理時に、上記樹脂層に歪みが生じる
ことによって、反りや剥がれが起こらないよう用いられ
るもので、具体例としては、例えば、高分子エポキシ樹
脂(エポキシ樹脂主剤とフェノール樹脂硬化剤とが反応
しているもの)や、高分子アクリル樹脂、ポリエステル
等の、数平均分子量(Mn)が2,000〜1,00
0,000のものがあげられる。
【0024】熱硬化性樹脂組成物は、先に述べたように
液状であり、上記微小中空体5等が含有された状態でも
同様である。また、トルエン、MEK(メチルエチルケ
トン)等の溶剤で希釈された場合はもちろん液状であ
る。このような組成物は、そのままでも、場合によって
さらに溶剤で希釈された場合でも、カップ粘度が25℃
の条件下で、10〜30秒の範囲であることが好まし
い。すなわち、カップ粘度が上記範囲に設定された組成
物を用いる場合、一回の塗工によって所定厚みの樹脂層
3を容易に形成しやすくなるからである。ここで、カッ
プ粘度とは、カップ粘度計(イワタ社製カップ粘度計I
HS NK−II型)に塗料を入れ、下部の穴から自然落
下させ、空になるまでの時間である。
【0025】また、上記樹脂層3の外周面に任意に形成
されるコーティング層4の形成材料は、特に制限される
ものではなく、例えば、メラミン硬化アクリル樹脂、ウ
レタンアクリル樹脂等があげられ、これらは単独の液状
でもしくは先に述べた溶剤等で希釈された液状で用いら
れる。また、これらは、塗工性、塗着性等を考慮し、カ
ップ粘度が25℃の条件下で、10〜30秒の範囲に設
定することが好ましい。
【0026】上記ハウジング構成体1は、例えば、つぎ
のようにして得ることができる。すなわち、まず公知の
方法により金属製筐体2を成形する。そして、この金属
製筐体2外周面に、上記熱硬化性樹脂組成物を、例えば
MEK等で希釈し、スプレーガンによって塗布する。こ
のようにして熱硬化性樹脂組成物の塗布層を形成した
後、乾燥(低温加熱)工程を経て、上記組成物を加熱硬
化させることによって樹脂層3を形成する。場合によ
り、この樹脂層3に対して、スプレーガンによってコー
ティング層組成物溶液の吹き付け塗工を行い、上記樹脂
層3の形成と同様、加熱硬化させることによって、コー
ティング層4を形成する。このようにして、目的とする
ハウジング構成体1を得ることができる。
【0027】上記製法において、上記熱硬化性樹脂組成
物の塗布層の形成には、例えば、29.4×104 Pa
の圧力で、対象物から10〜40cmの距離から、スプ
レーガンによって上記組成物のMEK希釈液を塗布する
ことによって行うことができる。スプレーガンから対象
物までの距離を30〜40cmに設定すると、10〜3
0cmの距離から塗布するのに比べ、形成される樹脂層
3の外周面に微細な凹凸ができやすくなり、より好まし
い。
【0028】なお、上記熱硬化性樹脂組成物ないしその
希釈液は、一回の塗工によって所定厚みの樹脂層3を形
成することができるのであるが、重ね塗りをしても差し
支えない。
【0029】さらに、上記熱硬化性樹脂組成物およびコ
ーティング層組成物の塗布層に対する加熱は、先に述べ
たように、60〜110℃程度の温度で加熱して溶媒を
蒸発除去したあと、120〜180℃程度に昇温して、
加熱硬化させるという多段加熱法を用いるのが、生成樹
脂層の強度等の点から好ましい。
【0030】さらにまた、上記各層は、上記樹脂層3に
含有されている微小中空体5によって形成される微細な
凹凸によって、投錨効果が期待できるため、上記金属製
筐体2と樹脂層3の間や、上記樹脂層3とコーティング
層4の間に、プライマー層をあえて設ける必要はない
が、設けても差し支えない。
【0031】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0032】
【実施例1】〔熱硬化性樹脂組成物の調製〕エポキシ樹
脂(エピコート827,油化シェル社製)50部に対
し、二酸化ケイ素(アエロジル,日本アエロジル社製)
1.4部、高分子フェノキシ樹脂(PKHH,ユニオン
カーバイド社製)3.3部、ガラスバルーン(平均粒径
40μm)13.8部、イミダゾール類(イミダゾール
2E4MZ,四国化成社製)2.5部を、トルエン13
部、MEK13部の混合溶媒によって希釈し、これらの
混合物を公知の方法で攪拌することによって、カップ粘
度(25℃)が50秒である熱硬化性樹脂組成物を調製
した。
【0033】〔樹脂層の形成〕上記熱硬化性樹脂組成物
100部に対して、トルエンとMEKとを等重量部配合
した溶媒20部をさらに加えて希釈することによって、
カップ粘度(25℃)が11秒である、上記組成物の希
釈液を調製した。つぎに、29cm×24cmの底面を
もつ、深さ0.5cmのマグネシウム合金(MG AZ
91D)製筐体(厚み1mm)を用意し、底面が垂直に
なるよう立てた。そして、この筐体の外周面に、スプレ
ーガンによって、29.4×104 Paの圧力で30c
mの距離から、上記希釈液を1回の塗工工程によって塗
布し、均一な上記組成物の層を形成させた。引き続き、
上記組成物の層に対し、70℃×10分の乾燥処理およ
び160℃×20分の加熱硬化処理を行うことによって
反応させることで、200μmの樹脂層を得ることがで
きた。上記樹脂層の表面には、樹脂ダレによる溜りもみ
られなかった。
【0034】〔コーティング層の形成〕市販のメタリッ
ク塗装用メラミンアクリル樹脂を使って、上記樹脂層が
形成された面の上に、スプレーガンによって、29.4
×104 Paの圧力で30cmの距離から、この希釈液
を1回の塗工工程によって塗布し、均一な上記組成物の
層を形成させた。引き続き、上記組成物の層に対し、7
0℃×10分の乾燥処理および160℃×20分の加熱
硬化処理を行うことによって反応させることで、上記樹
脂層の外周面に20μmのコーティング層を得ることが
できた。上記コーティング層には、発泡などの異常はみ
られなかった。
【0035】このようにして得られた、上記金属製筐体
の外周面に上記樹脂層が形成され、上記樹脂層の外周面
には、さらに上記コーティング層が形成されているハウ
ジング構成体に対して、下記に示す断熱性評価をおこな
った。
【0036】〔断熱性評価〕内部側金属面に面発熱体を
接触させ、反対側塗装面にアルメルクロメル熱電対セン
サーを置き、経時の温度上昇を測定する。昇温速度の大
小をもって評価とする。そして、実施例1品は、上記断
熱性評価において、良好な評価を得ることができた。
【0037】
【実施例2】エポキシ樹脂(エピコート827,油化シ
ェル社製)50部に対し、二酸化ケイ素(アエロジル,
日本アエロジル社製)1.4部、高分子フェノキシ樹脂
(PKHH,ユニオンカーバイド社製)3.5部、セラ
ミックバルーン(平均粒径45μm)13.8部、ジシ
アンジアミド(AH−154,味の素社製)4.5部
を、トルエン20部、MEK20部の混合溶媒によって
希釈し、これらの混合物を公知の方法で攪拌することに
よって、カップ粘度(25℃)が65秒である熱硬化性
樹脂組成物を調製した。そして、実施例1に準じて、カ
ップ粘度(25℃)が19秒である、上記組成物の希釈
液を調製し、実施例1と同様のマグネシウム合金(MG
AZ91D)製筐体の外周面に210μmの樹脂層を
形成した。上記樹脂層表面には、樹脂ダレによる溜りも
みられなかった。さらに、実施例1に準じて、上記樹脂
層の外周面に20μmのコーティング層を形成した。上
記コーティング層には、発泡などの異常はみられなかっ
た。また、実施例2品は、上記断熱性評価において良好
な評価を得ることができた。
【0038】
【比較例1】ガラスバルーンを含有させないこと以外は
実施例1と同様にして、カップ粘度(25℃)が40秒
である熱硬化性樹脂組成物を調製した。そして、実施例
1に準じて、カップ粘度(25℃)が11秒である、上
記組成物の希釈液を調製した。つぎに実施例1と同様の
マグネシウム合金(MG AZ91D)製筐体の外周面
に、スプレーガンによって、29.4×104 Paの圧
力で30cmの距離から、上記希釈液を塗布したが、ス
プレーガンによる1回の塗工工程によって、この希釈液
で得られる上記組成物の層の厚みは80μmが限度で、
それ以上の厚みを求めようとすると、上記組成物の層の
表面には、樹脂ダレによる溜りが確認された。そこで、
数回の塗工工程によって、実施例1に準じて、200μ
mの樹脂層を形成したうえで、さらに実施例1に準じ
て、上記樹脂層の外周面に20μmのコーティング層を
形成した。上記コーティング層には、発泡などの異常は
みられなかったが、この比較例1品は、上記断熱性評価
において良好な評価を得ることができなかった。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明のハウジング構成
体は、金属製筐体の外周面に樹脂層が形成されているハ
ウジング構成体であって、上記樹脂層が、熱硬化性樹脂
を主成分とし微小中空体を含有する熱硬化性樹脂組成物
からなる。そのため、家電リサイクルの要望に応えつ
つ、同時に、小型電子機器内部で発生する熱に対して、
対応することができる。また、金属製筐体をマグネシウ
ム合金で形成したときには、軽量化の成形性と同時に強
度も満足すべきものとなるため好ましい。さらに、上記
樹脂層の外周面に、さらにコーティング層を形成したと
きには、外観性,強靱性,耐候性等が向上するため、好
ましい。
【0040】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、通
常、溶剤で希釈されることで希釈溶液となり、スプレー
ガン等によって塗工されるが、その際、上記熱硬化性樹
脂組成物に含有される微小中空体によって熱硬化性樹脂
組成物の表面積が大きくなるため、塗工面に上記熱硬化
性樹脂組成物が飛翔するまでに乾燥が促進されて、粘度
が高くなる。したがって、仮に塗工面が垂直であっても
樹脂ダレしにくく、一回の塗工によって所定厚みの樹脂
層を形成することができ、その結果、塗工工程を短縮で
き、かつ、重ね塗りの手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハウジング構成体の一例を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ハウジング構成体 2 金属製筐体 3 樹脂層 4 コーティング層 5 微小中空体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製筐体の外周面に樹脂層が形成され
    ているハウジング構成体であって、上記樹脂層が、熱硬
    化性樹脂を主成分とし微小中空体を含有する熱硬化性樹
    脂組成物からなることを特徴とするハウジング構成体。
  2. 【請求項2】 上記金属製筐体がマグネシウム合金製で
    ある請求項1記載のハウジング構成体。
  3. 【請求項3】 上記樹脂層の外周面に、さらにコーティ
    ング層が形成されている請求項1または2記載のハウジ
    ング構成体。
  4. 【請求項4】 微小中空体が無機系微小中空体である請
    求項1〜3のいずれか一項に記載のハウジング構成体。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂を主成分とし微小中空体を
    含有する熱硬化性樹脂組成物を、金属製筐体の外周面に
    塗工したのち、加熱硬化させて樹脂層を形成することを
    特徴とするハウジング構成体の製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007250725A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Nec Corp 携帯端末装置
WO2013014718A1 (ja) * 2011-07-26 2013-01-31 パナソニック株式会社 電子機器
JP2015504602A (ja) * 2011-11-15 2015-02-12 ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 熱的絶縁層を用いて組み立てられた電子デバイス

Cited By (3)

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