JP2001201934A - 現像剤担持体、及びその製造方法 - Google Patents

現像剤担持体、及びその製造方法

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JP2001201934A
JP2001201934A JP2000009677A JP2000009677A JP2001201934A JP 2001201934 A JP2001201934 A JP 2001201934A JP 2000009677 A JP2000009677 A JP 2000009677A JP 2000009677 A JP2000009677 A JP 2000009677A JP 2001201934 A JP2001201934 A JP 2001201934A
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coating
phenol resin
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water
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JP2000009677A
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English (en)
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Yuichi Yashiki
雄一 矢敷
Masayuki Takei
雅之 武井
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶剤型フェノール樹脂と同等の被膜を得ること
ができ、現像剤の現像時における帯電量と搬送量とを適
正値に保つ機能を有しつつ、その製造工程において有機
溶剤を排出せず環境性及び作業性に優れた現像剤担持体
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 基体22上に、導電性微粒子と結着樹脂
とを含有してなる被膜23を有する現像剤担持体20で
あって、前記結着樹脂が、水性フェノール樹脂であるこ
とを特徴とする現像剤担持体及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機や
レーザープリンター等の画像形成装置において、静電潜
像が現像される位置に現像剤を搬送するための現像装置
に用いられる現像剤担持体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置において
は、感光体に形成された静電潜像を現像するために現像
装置が備えられている。現像装置としては、一成分系現
像剤や二成分系現像剤等の現像剤の種類に応じて、適用
可能な各種の現像装置が提供される。これらの現像装置
の中で、一成分現像剤用の現像装置においては、一成分
現像剤と現像剤担持体の表面との間で生ずる摩擦により
一成分現像剤は帯電され、静電潜像を現像するのに必要
な電荷が与えられる。この際、現像剤担持体の材料を選
択し、その表面粗さを調整することにより、前記摩擦に
よる一成分現像剤の帯電量を制御することができる。
【0003】摩擦による一成分現像剤の帯電量を適切化
すると共に、一成分現像剤の搬送性を制御し、さらに現
像ゴースト等の画像欠陥の発生を防止しうる現像剤担持
体として、例えば、特開平8−234559号公報に記
載されている、導電性微粒子が分散された被膜を有する
現像剤担持体が挙げられる。
【0004】このような被膜を形成するには、導電性微
粒子を結着樹脂に分散し、導電性基体上に塗布する。前
記結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、等が挙げられる。
【0005】これらの結着樹脂の中でも特に好ましいの
は、例えば特開平9−236984号公報に記載されて
いるフェノール樹脂である。フェノール樹脂は、通常、
フェノールとアルデヒドとをアルコール系の有機溶剤中
で合成し、レゾールと呼ばれる分子量が500〜500
0のオリゴマー状態のものである。塗布液化する際はこ
れを結着樹脂とし、顔料を分散する。分散時には更に必
要に応じて同じアルコール系、または他の有機溶剤が添
加される。この塗布液を基体上に塗布し、溶剤を乾燥
後、130〜180℃で加熱し、フェノール樹脂を硬化
させる。
【0006】フェノール樹脂を結着樹脂とした被膜を有
する現像剤担持体を製造する過程においては、乾燥工程
において前記有機溶剤が揮発し、通常は外気中に排出さ
れる。有機溶剤の排出については、従来は特に問題視さ
れていなかったが、近年は環境問題の高まりもあり、大
気汚染の防止のために少しでも排出量を削減しなくては
ならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、溶剤型フェノール樹脂と同
等の被膜を得ることができ、現像剤の現像時における帯
電量と搬送量とを適正値に保つ機能を有しつつ、その製
造工程において有機溶剤を排出せず環境性及び作業性に
優れた現像剤担持体及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>基体上に、導電性微粒子と結着樹脂とを含有して
なる被膜を有する現像剤担持体であって、前記結着樹脂
が、水性フェノール樹脂であることを特徴とする現像剤
担持体である。
【0009】<2>水性フェノール樹脂が、水にフェノ
ール樹脂を溶解させた水溶性フェノール樹脂であること
を特徴とする前記<1>に記載に現像剤担持体である。
【0010】<3>水性フェノール樹脂が、水にフェノ
ール樹脂を乳化或いは分散させた水分散型フェノール樹
脂である前記<1>に記載の現像剤担持体である。
【0011】<4>水性フェノール樹脂が、界面活性剤
を含むことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれか
に記載の現像剤担持体である。
【0012】<5>水性フェノール樹脂と導電性微粒子
とを混合して塗布液を得て、該塗布液を基体上に塗布
し、被膜を形成することを特徴とする現像剤担持体の製
造方法である。
【0013】<6>塗布液に、界面活性剤を含むことを
特徴とする前記<5>に記載の現像剤担持体の製造方法
である。
【0014】
【発明の実施の形態】(現像剤担持体)本発明の現像担
持体は、導電性微粒子と水性フェノール樹脂とを含有し
てなる被膜(以下、単に「被膜」ということがある。)
を有する現像剤担持体である。本発明の現像担持体は、
結着樹脂としての水性フェノール樹脂に導電性微粒子を
分散することで、溶剤型フェノール樹脂と同等の被膜を
得ることができ、現像剤の現像時における帯電量と搬送
量とを適正値に保つ機能を有しつつ、且つその製造工程
において有機溶剤を排出することがなく、大気汚染の防
止等の環境性優れ、さらに防災上の安全性の向上、作業
環境の改善、製造設備(分散機や塗布装置)における消
防法上の危険物規制の対象外となるため作業性に優れ
る。また、結着樹脂としての水性フェノール樹脂を用い
ることで、導電性微粒子の分散時、及び基体への塗布時
においても希釈溶剤として任意に水を用いることがで
き、同様に有機溶剤を排出することがなく、環境性及び
作業性に優れる。
【0015】水性フェノール樹脂としては、水にフェノ
ール樹脂を溶解させた水溶性フェノール樹脂と、水にフ
ェノール樹脂を乳化或いは分散させた水分散型フェノー
ル樹脂等が挙げられる。なお、本発明において、水と
は、純水、イオン交換水、蒸留水等を示す。
【0016】水溶性フェノール樹脂は、樹脂原料の合成
時に溶剤として水を用いたものである。前記水溶性フェ
ノール樹脂は、水で希釈できるので、導電性微粒子の分
散時、及び基体への塗布時においても希釈溶剤として任
意に水を用いて、現像剤担持体用として好適な水性塗布
液が得ることができる。また、水溶性フェノール樹脂と
しては、濃度で50重量%以下のものが好ましい。
【0017】水分散型フェノール樹脂は、樹脂原料を界
面活性剤により水に乳化或いは分散させて合成したもの
である。前記水分散型フェノール樹脂は、水で希釈でき
るので、導電性微粒子の分散時、及び基体への塗布時に
おいても希釈溶剤として任意に水を用いて、現像剤担持
体用として好適な水性塗布液を得ることができる。
【0018】水性フェノール樹脂は、被膜形成前、即ち
硬化前の重量平均分子量(以下、Mw)が500〜5,
000であることが好ましい。Mwが500未満である
と、導電性微粒子の周囲に結着する樹脂層の厚さが薄く
なるために、導電性微粒子の分散安定性が劣り、導電性
微粒子が凝集して沈降しやすくなることがある。Mwが
5000を超えると、粘度が高くなるため、やはり分散
性が悪くなり、組成の均一な塗布液が得られないことが
ある。
【0019】水性フェノール樹脂は、界面活性剤を含む
ことが、製造時において含有する水の表面張力を抑制
し、顔料(導電性微粒子等)の分散性や被塗布物(基体
等)への濡れ性を向上させる観点から好ましい。界面活
性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系の
各種市販品があるが、顔料の種類に応じて適宜選択され
る。界面活性剤は、後述するように水性フェノール樹脂
溶液及び導電性微粒子分散溶液のいずれに添加して、被
膜中に含ませてもよい。なお、上述のように、水性フェ
ノール樹脂として水分散型フェノール樹脂を用いる場
合、界面活性剤は必須である。
【0020】導電性微粒子としては、例えば、炭素系物
質(例えばカーボンブラック、カーボンブラックを造粒
したカーボンビーズ、カーボンファイバー、及びグラフ
ァイト等)、金属(例えば、銅、銀、アルミニウム、ス
テンレス鋼、及びこれらの合金等)、導電性金属酸化物
(例えば酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、及
びSnO2−In23複合酸化物等)、導電性ウィスカ
ー(例えばチタン酸カリウム等)、等の微粉末が挙げら
れる。
【0021】導電性微粒子は、粒径が異なる複数種を併
用することが、粒子間にすきまなく導電性微粒子が詰ま
り、部分的に抵抗値が高くなることがない観点から好ま
しい。この場合、併用する導電性微粒子の混合比、これ
らの含有量、又は導電性微粒子の体積等を調整すること
により、現像剤担持体の抵抗を制御し、現像剤に帯電量
の電荷を付与することが適切に可能となる。組み合わせ
としては、例えば、粒径が小さいものとしてカーボンブ
ラック、粒径が大きなものとしてグラファイトが好適で
ある。
【0022】導電性微粒子の含有量(複数種の併用の場
合はその合計)は、導電性微粒子の種類や現像装置の設
計指針等によっても異なるが、水性フェノール樹脂(結
着樹脂)の固形分100重量部に対して10〜100重
量部が好ましく、20〜80重量部がより好ましい。導
電性微粒子の含有量が10重量部未満であると、被膜の
表面が平滑になり過ぎて現像剤の搬送量が不足し、適正
な画像濃度を維持することができなくなることがある。
100重量部を超えると、現像剤の搬送量が過多とな
り、画像部分に付着する現像剤層が厚くなることがあ
る。
【0023】導電性微粒子は、その含有量が多い場合、
後述する被膜の表面粗さRaが大きくなり、それに伴い
現像剤の搬送量が多くなる。従って従って、導電性微粒
子の含有量が多い被膜を有する現像剤担持体は、現像さ
れる現像剤の量も増えるので、高濃度型の現像装置に好
適に使用することができる。
【0024】導電性微粒子は、その含有量が少ない場
合、被膜中の導電性微粒子が表面に露出する割合が少な
くなり、摩擦帯電によって与えられる現像剤の帯電量が
高くなる。従って、導電性微粒子の含有量が少ない被膜
を有する現像剤担持体は、摩擦による帯電量が高く、感
光体上の潜像に対する現像再現性が向上するので、高解
像度型の現像装置に好適に使用することができる。
【0025】被膜が現像剤担持体における最表面層であ
る場合は、その表面粗さRaが、現像剤担持体として適
する0.8〜2.5μmであるのが好ましく、1.0〜
1.8μmであるのが特に好ましい。Raは、1.0〜
1.8μmである場合、現像剤の搬送量が最適量となる
観点から特に好ましい。
【0026】表面粗さRaが0.8μm未満の場合は、
被膜の表面が平滑すぎ、現像剤の搬送量が不足するた
め、適切な画像濃度を維持することが困難となることが
ある。また、表面粗さRaが、2.5μmを超えると、
現像剤の搬送量が過多となり、画像部分に付着する現像
剤層が厚くなってしまうため、帯電量が低下し、細線の
太り等の画質劣化の原因となるほか、必要以上に現像剤
の使用量が多くなるため、印字コストが高くなることが
ある。
【0027】表面粗さRaは、算術平均粗さで規定され
ているものであり、公知の触針式表面粗さ測定機(例え
ば、サーフコム1400A:東京精密社製等)を使用し
て測定することができる。その測定条件としては、JI
S B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4
mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8
mmが好ましい。(これに限られるものではない)
【0028】表面粗さRaは、同一面内において任意に
選ばれた例えば5点の測定をした場合、前記数値範囲内
でばらつきが少なく、均一な値をとることが好ましい。
Raが不均一であると、現像剤の搬送量が現像剤担持体
上で一定量にならないため、画像濃度に部分的なむらが
生じることがある。
【0029】表面粗さRaは、用いられる水性フェノー
ル樹脂(結着樹脂)の分子量、導電性微粒子の粒子径や
その配合量、分散度合い、塗布方法、塗布条件、導電性
微粒子が偏平形状の場合には面内での粒子の方向等によ
り、適宜調整することが可能である。
【0030】基体としては、その材質、形状、構造等は
目的に応じて適宜選択することができるが、形状として
は円筒状等が一般的であり、材質としては、例えば、ア
ルミニウム、ステンレス鋼等の非磁性で導電性の材料な
どが一般的である。
【0031】本発明の現像担持体は、前記被膜を有する
以外、従来公知の如何なる構成をとってもよい。
【0032】本発明の現像担持体は、以下に示す本発明
の現像担持体の製造方法により製造することが好まし
い。
【0033】(現像担持体の製造方法)本発明の現像担
持体の製造方法は、水性フェノール樹脂と導電性微粒子
とを混合して塗布液を得て、該塗布液を基体上に塗布
し、被膜を形成する製造方法である。本発明の現像担持
体は、上述のように結着樹脂としての水性フェノール樹
脂に導電性微粒子を分散することでで、溶剤型フェノー
ル樹脂と同等の被膜を得ることができ、現像剤の現像時
における帯電量と搬送量とを適正値に保つ機能を有しつ
つ、且つその製造工程において有機溶剤を排出すること
がなく、大気汚染の防止等の環境性優れ、さらに防災上
の安全性の向上、作業環境の改善、製造設備(分散機や
塗布装置)における消防法上の危険物規制の対象外とな
るため作業性に優れる。また、結着樹脂としての水性フ
ェノール樹脂を用いることで、導電性微粒子の分散時、
及び基体への塗布時においても希釈溶剤として任意に水
を用いることができ、同様に有機溶剤を排出することが
なく、環境性及び作業性に優れる。
【0034】本発明の現像担持体の製造方法において、
水性フェノール樹脂と導電性微粒子を混合した塗布液
は、混合する際、必要に応じて希釈剤として水を添加し
て調整してもよい。また混合は、サンドミル、ボールミ
ル、ダイノミル、超音波等の分散機を用いて行うことが
好ましい。この時、希釈剤として水の混合割合によっ
て、塗布液の粘度を調節することができる。
【0035】本発明の現像担持体の製造方法において、
水性フェノール樹脂と導電性微粒子を混合した塗布液
は、水性フェノール樹脂と、導電性微粒子を予め水に分
散させた分散液(以下、導電性微粒子分散溶液とい
う。)とを混合して調整してもよい。
【0036】本発明の現像担持体の製造方法において、
水性フェノール樹脂と導電性微粒子とを混合した塗布液
に、界面活性剤を添加することが、含有する水の表面張
力を抑制し、顔料(導電性微粒子等)の分散性や被塗布
物(基体等)への濡れ性を向上させる観点から好まし
い。界面活性剤は、水性フェノール樹脂溶液及び導電性
微粒子分散溶液のいずれに添加してもよい。なお、上述
のように、水性フェノール樹脂として水分散型フェノー
ル樹脂を用いる場合、界面活性剤は必須である。
【0037】本発明の現像担持体の製造方法において、
基体上に、公知の塗布方法に従って、塗布液を塗布する
ことができる。塗布の方法としては、スプレー塗布法、
浸漬塗布法、ロールコート法、フローコート法等が挙げ
られる。これらの塗布方法の中でも、特に浸漬塗布法は
好ましい。浸漬塗布法は、基体を塗布液中に浸漬し、次
いで所定速度で引き上げることにより基体の表面に被膜
を形成する方法である。この場合、塗布液が表面張力で
基体上に引き上げられるため、顔料(導電性微粒子)が
偏平形状であっても、その方向は被膜の横方向に対して
小さな角度で並び、粒子の角の突出は少なくなり、平滑
な表面の被膜を形成することができる。浸漬塗布の塗布
条件としては、塗布液の粘度が50〜400mPa・s
程度であり、引き上げ速度が100〜500mm/mi
n程度であるのが好ましい。浸漬塗布法の塗布条件とし
ては、高粘度の塗布液の中から低速度で前記基体を引き
上げるより、低粘度の塗布液の中から高速度で基体を引
き上げる方が、表面粗さRaは大きくなる。他方、スプ
レー塗布法では、塗布液は粒子化されて不規則に被膜形
成されるので、顔料の方向も不規則であり、顔料が偏平
形状の場合は被膜の横方向に対して大きな角度で配置さ
れ、粒子の角が被膜表面に突出する場合もある。なお、
被膜内での導電性微粒子の形状や並び方を観察するに
は、被膜の断面サンプルを作製し、電子顕微鏡で写真に
撮って観察する方法が挙げられる。
【0038】本発明の現像担持体の製造方法において、
水性フェノール樹脂と、導電性微粒子を水に分散させた
分散液とを混合した塗布液を、基体に塗布後、まず、水
を乾燥させ、次いで加熱硬化することが好ましい。ま
た、乾燥温度としては、100℃以下が好ましく、常温
(20℃)〜40℃がより好ましい。加熱硬化温度とし
ては、120℃〜180℃が好ましく、140〜170
℃がより好ましい。
【0039】(現像装置)本発明の現像装置は、前記本
発明の現像担持体を備えてなる。本発明の現像装置は、
前記本発明の現像担持体を備える以外、従来公知の如何
なる構成をとってもよい。また、現像剤としては公知の
磁性一成分現像剤又は非磁性一成分現像剤の中から適宜
選択することができる。
【0040】(画像形成装置)本発明の画像形成装置
は、前記本発明の現像装置を備えてなる。本発明の画像
形成装置は、前記本発明の現像装置を備える以外は、如
何なる構成をとってもよい。
【0041】以下、本発明の現像装置及び画像形成装置
を図1を参照して説明する。図1は、本発明の現像装置
(本発明の現像剤担持体)を備えた画像形成装置の概略
構成図である。
【0042】図1に示す画像形成装置10は、磁性一成
分現像剤を用いた現像装置を備えた画像形成装置であ
る。画像形成装置10は、円筒形の感光体ドラム11を
備え、感光体ドラム11の周りには、感光体ドラム11
を帯電させるための接触帯電ロール12、感光体ドラム
11を画像信号に基づいて露光する露光装置13、感光
体ドラム11上に形成された静電潜像に現像剤を付着さ
せる現像器14、感光体ドラム11上のトナー画像を用
紙17に転写する転写用ロール15、及び感光体ドラム
11上に残留したトナーを除去するクリーニングブレー
ド16が、この順序で配置されている。
【0043】現像器14としては、前記本発明の現像装
置が用いられ、現像剤ユニット19内に、現像担持体2
0及び層厚規制部材21を備える。現像担持体20とし
ては、前記本発明の現像担持体が用いられ、円筒状基体
上に、水性フェノール樹脂と導電性微粒子とを含む被膜
23を有し、円筒状基体内部には磁石24が備える。現
像は、以下のようにして行われる。
【0044】先ず、現像剤25は現像剤担持体20の回
転に伴い、磁石24の磁力により、現像剤だまり26か
らすくい上げられる。次いで、層厚規制部材21で層厚
が規制されて薄層化され、現像剤の搬送量が所定値に調
整される。その際、現像剤25は被膜23と層厚規制部
材21の間で摩擦帯電されて電荷が与えられる。現像剤
担持体20が回転し、感光体ドラム11と対峙した箇所
で感光体ドラム11上の静電潜像に応じて現像剤25が
飛翔し、現像が行われる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、
「部」は重量部、「%」は重量%を意味する。
【0046】<実施例1> (現像剤担持体の作製)結着樹脂として、水分散型フェ
ノール樹脂(商品名:フェノライト、大日本インキ化学
社製、Mw=1000、固型分:40%)を使用し、そ
の250部(固型分100部)に対し、グラファイト
(商品名:CSP−E、日本黒鉛社製、一次平均粒子
径:4.5μm)を10部、カーボンブラック(商品
名:Conductex975、コロンビヤンカーボン
社製、一次平均粒径:24nm、不定形状)を20部混
合した。混合物に水50部を加え、次いでサンドミル分
散機により2時間分散し、粘度が75mPa・sの塗布
液を得た。
【0047】アルミニウム製素管(直径:18mmφ、
長さ:322mmL)を基体として用意し、その表面
に、上記塗布液を膜厚が20μmになるよう浸漬塗布法
により塗布した。すなわち、基体を塗布液中に浸漬後、
200mm/分の速度で引き上げることにより塗布を行
った。
【0048】その後、被膜を室温にて15分間自然乾燥
させ、次いで160℃で30分間加熱処理して硬化させ
た。この場合、塗布液の溶剤は水だけなので、乾燥及び
加熱の際に蒸発するのは水だけであった。
【0049】以上により、表面に被膜が形成された現像
剤担持体を作製した。被膜のRaを測定したところ、
1.30μmであった。被膜の断面を電子顕微鏡にて観
察した。図2に実施例1における被膜断面の概略断面図
を示す。図2に示すように、基体30上の被膜31にお
けるグラファイト及びカーボン32は、長径が5〜40
μm、短径が1〜4μmの偏平形状をしており、その8
0%以上が面の横方向に対して30°以下の傾きで、水
分散型フェノール樹脂33に分散していた。
【0050】<比較例1>基体に上記被膜を形成せしな
い以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製した。
【0051】<比較例2>基体上に、グラファイト及び
カーボンブラックを用いず結着樹脂のみの被膜を形成し
た以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体を作製し
た。
【0052】(画質評価試験)実施例1及び比較例1〜
2で得られた現像剤担持体と磁性一成分現像剤を、デジ
タル複写機(富士ゼロックス製Able1405)に、
それぞれ組み込み、下記条件にて試験した。 ・感光体:外径30mmのOPCドラム ・現像剤:50%体積径(d50)が7μmの磁性一成
分現像剤 ・プロセススピード:173mm/s ・現像剤担持体と感光体との周速比:1.03:1 ・現像剤担持体と感光体の間隔:200μm ・感光体の電位:Vh=−420V、Vl=−100V ・現像バイアス:直流−300Vに、1.8kVp−p
2.1kHzの交流電圧を重畳させた電圧 ・層厚規制部材の材質:ポリウレタン ・層厚規制部材の押し付け圧:0.45N/cm
【0053】画質の評価は文字画像が形成されたプリン
ト出力を取り出して、1枚目から10枚目まで、以下の
基準に従い画像濃度及び現像ゴーストを観察した。画像
濃度は、X−Rite社製濃度計Mode1404Aに
て測定した。画質濃度は、通常1.4以上の値が必要で
ある。
【0054】現像ゴーストについては、目視観察により
以下の基準に従って評価した。 ◎・・・現像ゴーストが全く発生していない状態 ○・・・現像ゴーストが若干発生しているが実用上問題
ない状態 ×・・・現像ゴーストの発生が著しく、目ざわりな状態
【0055】実施例1の現像剤担持体は、画質評価にお
いて画像濃度は1.5、現像ゴーストは◎と、優れてい
た。これに対し、比較例1の場合、画像濃度は1.5で
あったが、現像ゴーストの評価が×と劣っていた。これ
は、現像剤担持体の表面に被膜を形成しないものは、黒
文字出力後と白地出力後の現像剤帯電量の差が大きいた
めであるといえる。一方、比較例2の場合、画像濃度が
1.1と劣るものであったが、これは現像剤担持体上の
被膜が結着樹脂成分のみからなるため、被膜の表面に電
荷が残留してしまい、帯電性能に影響を及ぼしたためで
あると考えられる。
【0056】(実施例2)実施例1において、使用した
グラファイトの混合量を20部に変えた以外は、実施例
1と同様にして現像剤担持体を作製した。その表面粗さ
は、Ra=1.50μmであった。実施例1と同様に現
像剤担持体を使用して画質評価をしたところ、画像濃度
は1.53、現像ゴーストは◎と、やはり優れた結果で
あった。画像濃度が実施例1より高くなったのは、Ra
が実施例1より大きかったために、現像剤の搬送量が増
加したためと考えられる。
【0057】(実施例3)実施例1において、水分散型
フェノール樹脂250部(固型分100部)にグラファ
イト10部を加えて超音波分散機にて15分間分散させ
た後、カーボンブラックの水分散液(商品名:W370
C、ライオン社製、固形分15.5%)を129部混合
し、粘度が70mPa・sの塗布液を得た。この場合、
カーボンブラックはその分散液を混合するだけなので、
塗布液化の工程での作業時間は実施例1より少なくする
ことができた。この塗布液を用いて他は実施例1と同様
に被膜を形成した現像剤担持体を作製した。実施例1と
同様に現像担持体を用いて画質評価において画像濃度は
1.5、現像ゴーストは◎と優れていた。
【0058】(比較例3)結着樹脂として、フェノール
樹脂(商品名:プライオーフェン、大日本インキ化学社
製、重量平均分子量Mw=4800、固型分:43%、
溶剤エタノール)を使用し、その233部(固形分10
0部)に対し、実施例1と同じくグラファイトとカーボ
ンブラックを混合した。混合物をサンドミル分散機によ
りさらに2時間分散し、その後、アセトンを加えて、粘
度を75mPa・sに調整して塗布液とした。この塗布
液を用いても特性が実施例1と同じ現像剤担持体を製造
することはできるが、被膜の乾燥時に現像剤担持体1本
当たり0.51gの有機溶剤が排出される。
【0059】実施例1〜3より、結着樹脂として水性の
フェノール樹脂を用い、塗布液の作製時にも有機溶剤を
使用していないので、現像剤担持体の製造を行っている
ため、大気汚染の防止ばかりでなく、防災上の安全性の
向上、作業環境の改善、製造設備(分散機や塗布装置)
は消防法上の危険物規制の対象外になることことがわか
る。
【0060】
【発明の効果】以上により、本発明は、溶剤型フェノー
ル樹脂と同等の被膜を得ることができ、現像剤の現像時
における帯電量と搬送量とを適正値に保つ機能を有しつ
つ、その製造工程において有機溶剤を排出せず環境性及
び作業性に優れた現像剤担持体及びその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像剤担持体を備えた画像形成装置
の概略構成図である。
【図2】 実施例1の現像剤担持体における被膜の概略
断面図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置 11 感光体ドラム 12 接触帯電ロール 13 露光装置 14 現像器 15 転写用ロール 16 クリーニングブレード 17 用紙 19 現像剤ユニット 20 現像担持体 21 層厚規制部材 22 円筒状基体 23 被膜 24 磁石 25 現像剤 26 現像剤だまり 30 基体 31 被膜 32 グラファイト及びカーボン 33 水分散型フェノール樹脂

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、導電性微粒子と結着樹脂とを
    含有してなる被膜を有する現像剤担持体であって、前記
    結着樹脂が、水性フェノール樹脂であることを特徴とす
    る現像剤担持体。
  2. 【請求項2】 水性フェノール樹脂が、水にフェノール
    樹脂を溶解させた水溶性フェノール樹脂であることを特
    徴とする請求項1に記載に現像剤担持体。
  3. 【請求項3】 水性フェノール樹脂が、水にフェノール
    樹脂を乳化或いは分散させた水分散型フェノール樹脂で
    ある請求項1に記載の現像剤担持体。
  4. 【請求項4】 水性フェノール樹脂が、界面活性剤を含
    むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の現
    像剤担持体。
  5. 【請求項5】 水性フェノール樹脂と導電性微粒子とを
    混合して塗布液を得て、該塗布液を基体上に塗布し、被
    膜を形成することを特徴とする現像剤担持体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 塗布液に、界面活性剤を添加することを
    特徴とする請求項5に記載の現像剤担持体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1367457A1 (en) * 2002-05-27 2003-12-03 Xerox Corporation Method of coating a donor member
JP2009009029A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Canon Inc 電子写真用帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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