JP2001201441A - 定量汚染試料作製装置及び定量汚染試料作製方法 - Google Patents

定量汚染試料作製装置及び定量汚染試料作製方法

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JP2001201441A
JP2001201441A JP2000011127A JP2000011127A JP2001201441A JP 2001201441 A JP2001201441 A JP 2001201441A JP 2000011127 A JP2000011127 A JP 2000011127A JP 2000011127 A JP2000011127 A JP 2000011127A JP 2001201441 A JP2001201441 A JP 2001201441A
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heating
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幸一郎 嵯峨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気圧の小さい汚染物質であっても短時間に
効率良く、しかも正確な吸着量で基板表面に吸着させる
ことができる定量汚染試料作製装置及び定量汚染試料作
製方法を提供する。 【解決手段】 内壁が金属材料で構成された密閉容器1
と、密閉容器1内に設けられた温度制御機能を有する加
熱手段2と、密閉容器1内で基板Wを保持する基板保持
具3とを備えた。加熱手段2は、ヒータ状でありこの加
熱手段2上に載置した金属皿4内の汚染物質Sを加熱す
る。基板保持具3は、金属皿4に対して、汚染させる面
を対向させた状態で基板Wを保持する。定量汚染試料を
作製する際には、密閉容器1内に所定量の汚染物質Sと
基板Wとを密閉した状態で、汚染物質Sを所定温度に加
熱し、この状態で所定の暴露時間の間基板Wを密閉容器
1内に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定量汚染試料作製
装置及び定量汚染試料作製方法に関し、特には、電子基
板の製造工程における特性評価や洗浄評価のために用い
る定量汚染試料の作製装置及び定量汚染試料の作製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板、液晶基板、磁気ディスクな
どの電子基板の製造においては、各工程処理を行う前の
基板表面に存在する各種の汚染物質が、基板表面に対す
る成膜特性や基板に形成された素子特性などに悪影響を
及ぼすことが知られている。
【0003】一般に、電子基板の製造は、基板を塵埃か
ら守るためにクリーンルーム内において行われている
が、前の工程の基板処理装置から次の工程の基板処理装
置までの基板搬送中には、クリーンルーム内に存在する
有機ガスが基板表面に吸着する。また、この基板搬送に
はプラスチック運搬ボックスが用いられており、この搬
送ボックスから放出される有機ガスの基板表面に吸着す
る。このような有機ガスの基板表面への吸着は、基板を
クリーンルーム内の空気に晒したり、プラスチックケー
ス内に保管しておくだけでも極めて短時間のうちに発生
する。
【0004】そして、分子レベルの微量な有機汚染物質
が吸着したり自然酸化膜が成長した基板の表面に対し
て、例えばCVD(chemical vapor deposition)成膜処
理を行った場合、基板表面において異常核成長が起きた
り核成長が起き難くなったりする。このうち、異常核成
長が起きた場合には、膜厚及び膜質がばらつき、安定し
た成膜を行うことができなくなる。一方、核成長が起き
難くなった場合には、成膜開始までの潜伏時間(Incuba
tion Time)が長くなる。この潜伏時間は、基板表面に
付着している有機物などの量によって変化するため、膜
を常に均一な厚みに形成することが困難になり、膜厚の
制御性を低下させる要因になる。
【0005】また、有機汚染物質が吸着したり自然酸化
膜が成長した基板表面に対して熱酸化処理を行った場
合、これによって形成された酸化膜と基板との界面に炭
素汚染が残留し、形成される酸化膜の膜質を劣化させる
要因になる。
【0006】そこで、電子基板の製造工程においては、
以上述べたような有機物汚染がデバイス特性やプロセス
特性に与える影響を、定量的に把握することが要求され
ており、有機汚染物質で定量的に基板を汚染させてなる
定量汚染試料を用いて各工程処理を行い、デバイス特性
やプロセス特性を評価している。
【0007】このような評価に用いる定量汚染試料の作
製方法としては、密閉容器内に有機不純物を設置し、密
閉容器内において有機不純物が気液平衡に達した後、密
閉容器の蓋を開け、洗浄済みの基板をこの密閉容器内に
搬入して有機不純物の雰囲気中に暴露させることによ
り、気化した有機不純物(すなわち有機ガス)を基板に
吸着させる手法が、特開平10−178077に開示さ
れている。この方法によれば、暴露時間を調節すること
で、有機ガスを定量的に基板表面に吸着させてなる定量
汚染試料を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
定量汚染試料の作製方法では、密閉容器の蓋を開けた際
に内部の有機ガスが外に放出され、容器外部との濃度平
衡により内部の濃度が低下してしまい、再び気液平衡に
なるまで長時間を要する。また、蒸気圧の小さい有機物
の場合、密閉容器の内部が気液平衡に達するまで数十分
から数十時間と長い時間がかかり、多くの基板を汚染さ
せることが困難であるという問題があった。
【0009】しかも、蓋を開けることによって低下する
密閉容器内の有機ガスの濃度は一定ではなく、基板を収
納した後における密閉容器内の有機ガスの濃度変化にも
ばらつきが生じる。このため、基板表面への有機物の付
着量を暴露時間によって制御することは困難であり、精
度の良い定量汚染資料を得ることができなかった。
【0010】そこで本発明は、蒸気圧の小さい汚染物質
であっても短時間に効率良く、しかも正確な吸着量で基
板表面に吸着させることができる定量汚染試料作製装置
及び定量汚染試料作製方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の定量汚染試料作製装置は、密閉容器、
この密閉容器内において汚染物質を所定温度に加熱する
ための加熱手段、及びこの加熱手段で加熱される汚染物
質に対して非接触状態を保って密閉容器内で基板を保持
する基板保持具を備えたことを特徴としている。
【0012】このような定量汚染試料作製装置では、基
板と共に密閉容器内に揮発性を有する汚染物質を収納
し、加熱手段によってこの汚染物質を加熱することで、
基板が収納された密閉容器内において当該汚染物質の揮
発速度を速め効率良く汚染物質を気化させることができ
る。したがって、基板表面に対して、安定的に、かつ効
率良く汚染物質を吸着させることができる。
【0013】また、本発明の定量汚染試料作製方法は、
基板の表面に所定量の汚染物質を吸着させてなる定量汚
染試料を作製する方法であって、揮発性を有する汚染物
質と基板とを非接触状態で同一の容器内に密閉した後、
この容器内において汚染物質を所定温度に加熱して気化
させると共に、基板を所定時間の間容器内に保持する。
これによって、基板の表面に所定量の汚染物質を吸着さ
せることを特徴としている。
【0014】このような定量汚染試料作製方法では、基
板と共に容器内に密閉した揮発性を有する汚染物質を加
熱することで、この容器内における汚染物質の揮発速度
が早められる。この間、容器内は密閉状態に保たれるた
め、容器内で気化された汚染物質は外部に放出させるこ
となく、効率良く、しかも安定した状態で基板表面に吸
着される。またこの際、容器内において汚染物質が所定
温度に加熱され、基板が容器内部に所定時間の間保持さ
れることから、汚染物質の所定濃度雰囲気内に所定時間
の間基板が保持されることになり、基板表面には所定量
の汚染物質が吸着される。したがって、所定量の汚染物
質を吸着させてなる定量汚染試料を、短時間に、しかも
再現性良く得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の定量汚染試料作製
装置及び定量汚染試料作製方法に関する実施の形態を、
図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】図1には、定量汚染試料作製装置の実施形
態を説明する構成図である。この図に示す定量汚染試料
作製装置は、密閉容器1、この密閉容器1内に設置され
た加熱手段2、及びこの密閉容器1内に設置された基板
保持具3を備えてなる。
【0017】密閉容器1の上面には、この定量汚染試料
作製装置を用いて定量汚染させる基板Wを、密閉容器1
内に出し入れする際に開閉される蓋11が設けられてお
り、この蓋11を閉じた状態において密閉容器1内が密
閉されるように構成されている。基板Wとしては、半導
体基板、液晶基板等の電子基板等が用いられる。
【0018】加熱手段2は、例えば密閉容器1の内部へ
の露出面が金属で構成されたヒータ状のもの(例えば防
爆ヒータ)であることとし、密閉容器1の底部に設けら
れている。このような加熱手段2(防爆ヒータ)として
は、例えばBranstead Thermolyne社(米)製Thermolyne
HP11500シリーズが用いられる。また、加熱手段
2の加熱面上には金属皿4が設けられ、この金属皿4上
に滴下した液体状の汚染物質S(または金属皿4上に載
置した固体状の汚染物質S)が加熱されるように構成さ
れている。このため、ここでは金属皿4の上面が、請求
項に示す汚染物質加熱面となる。
【0019】図2には、一例としてヒータ状の加熱手段
2の構成図を示す。この図に示す加熱手段2は、アルミ
ニウムからなる加熱プレート21とこの下部に設けられ
た制御プレート22とで構成されている。加熱プレート
21内には、電熱線23及び温度センサ24が密閉状態
で埋め込まれている。電熱線23は、加熱プレート21
内に埋め込まれた接点25を介して制御プレート22に
外付けされた電源端子26に接続されている。この電源
端子26は密閉容器1の内部への露出面が難燃性の素材
で被服されており、密閉容器1の外部へと導出されてい
る。尚、この加熱プレート21のプレート面(上面)
を、直接金属皿4として用いても良い。
【0020】また、制御プレート22には、密閉容器1
に外付けされる状態で、電熱線23による加熱温度を調
節するための温度調節ダイヤル27が設けられている。
この温度調節ダイヤル27には、温度センサ24及びこ
こでは図示を省略した電源に接続されており、加熱プレ
ート21の温度(すなわち温度センサ24で検知される
温度が所定の温度(設定温度)を超過しそうになると、
フィードバック回路によって電熱線23に印加される電
圧を自動的に下げ、これによってよって加熱プレート2
1が温度制御されるように構成されている。
【0021】尚、加熱手段2としては、定量汚染させる
基板Wを加熱せずに、金属皿4上の汚染物質Sを制御良
く加熱可能なものであれば、上述の抵抗加熱を利用した
ヒータ形状のものに限定されることはなく、抵抗加熱、
電磁誘導加熱、赤外線加熱、レーザー加熱等、様々な加
熱形態のものが適用される。
【0022】また、図1に示す基板保持具3は、金属皿
4に対向させる状態で基板Wを支持するものである。こ
の基板保持具3は、例えば密閉容器1の内側壁のうち対
向する内側壁の同一高さから水平に突出させた金属製の
突条体からなり、基板Wの周縁部をこの突条体間に掛け
渡して載置することで、基板Wの表面を露出させた状態
で金属皿4と対向させて密閉容器1内に保持する。
【0023】また、この基板保持具3を構成する突条体
は、密閉容器1の内側壁の複数段階の高さに設けられ、
これによって基板Wの保持位置が可変であり、この保持
位置を調節することで金属皿4と基板Wとの間隔が選択
されるようになっている。
【0024】そして、密閉容器1内には、当該密閉容器
1の内部雰囲気温度を測定するための温度センサ5a
と、金属皿4の温度を測定するための温度センサ5b
(例えば図2を用いて説明した温度センサ24に相当す
る)と、基板保持具3に支持された基板Wの温度を測定
するための温度センサ5cとが設けられている。また、
密閉容器1の外壁には、タイマーが内蔵されると共にこ
れらのセンサ5a,5b,5cに接続された温度・時間
表示部6が設けられ、表示スイッチの切り替えによって
各センサ5a,5b,5cで測定された各温度及び加熱
経過時間(例えば金属皿4が所定温度に達してからの経
過時間)がこの温度・時間表示部6に表示されて確認で
きるように構成されている。
【0025】このように構成された定量汚染試料作製装
置では、密閉容器1内に基板Wを収納すると共に、密閉
容器1内の金属皿4上に揮発性を有する汚染物質Sを注
入または載置することで、基板Wと汚染物質Sとを密閉
容器1内において非接触状態を保って密閉できる。この
状態において、加熱手段2によって金属皿4上の汚染物
質Sを加熱することで、密閉容器1内において汚染物質
Sの揮発速度を速め、効率良く汚染物質Sを気化させて
基板W表面に吸着させることができる。したがって、基
板W表面に、安定的に、かつ効率良く汚染物質Sを吸着
させることができる。
【0026】また、図3に示すように、この定量汚染試
料作製装置は、密閉容器1の内壁や、密閉容器1内の露
出面(例えば基板保持具3、加熱手段2の露出面)が金
属で構成されていることから、装置内壁から密閉容器1
内にガスが放出されることを防止できる。このため、密
閉容器1内において発生するガスは、加熱手段2の加熱
によって気化した汚染物質Sのみであり、基板Wの表面
に目的とする汚染物質Sのみを吸着させることが可能に
なり、基板W表面に対する汚染物質Sの吸着量(すなわ
ち汚染量)の制御が容易になる。このため、汚染量の制
御性が良好な定量汚染試料を得ることが可能になる。し
かも、汚染物質Sのみを基板W表面に吸着させた定量汚
染試料を作製することができるため、作製された定量汚
染試料を用いてデバイス特性やプロセス特性の評価を行
うことで、目的とする汚染物質がデバイス特性やプロセ
ス特性に与える影響を正確に把握することが可能にな
る。
【0027】一方、図4に示すように、プラスチックの
ようなガスを放出する物質で内壁が構成された密閉容器
1’や基板保持具3’を用いた従来の定量汚染試料作製
装置では、これらの壁面からガスGが放出され、基板W
に吸着される。このため、目的とする汚染物質Sが基板
W表面に吸着し難くなり、基板W表面に対する汚染物質
Sの吸着量(すなわち汚染量)の制御が困難になる。し
かも、このような定量汚染試料作製装置を用いた場合、
基板Wには、目的とする汚染物質S以外のガスGが吸着
することになるため、作製された定量汚染試料(すなわ
ち汚染物質Sを吸着さえた基板W)を用いてデバイス特
性やプロセス特性の評価を行ったとしても、目的とする
汚染物質Sがデバイス特性やプロセス特性に与える影響
を正確に把握することが困難になる。
【0028】さらに、図1に示した本実施形態の定量汚
染試料作製装置の基板保持具3は、金属皿4の上面(す
なわち汚染物質加熱面)に対して基板Wの保持位置が可
変であることから、例えば基板Wとこの汚染物質加熱面
との間隔を広げることによって、気化した汚染物質Sが
広がり難い場合に基板Wの中心部に汚染物質Sが集中的
に吸着することを防止できる。また、基板Wと金属皿4
の上面との間隔を縮めることによって、基板Wと金属皿
4との間における汚染物質Sのガス濃度をより早く上昇
させ、基板W表面への汚染物質の吸着速度を高めること
ができる。
【0029】次に、上述の定量汚染試料作製装置を用い
て、基板Wの表面に所定量の汚染物質Sを吸着させてな
る定量汚染試料を作製する方法の一例を説明する。
【0030】先ず、密閉容器1の蓋11を開け、洗浄し
た金属皿4を加熱手段2上に載置する。そして、所定量
の液体状の汚染物質Sをピペット等で量り採って金属皿
4上に滴下する。ただし、汚染物質Sが常温で固体の場
合は,所定量の汚染物質Sを金属皿4上に載置する。
尚、ここで用いられる汚染物質Sは、揮発性を有する物
質、すなわち空気中に放置した状態でその表面から蒸発
する性質を有する固体または液体状の物質であり、その
なかでも特に有機物が用いられることとする。
【0031】またここで、密閉容器1内への汚染物質S
の供給量(すなわち金属皿4上への汚染物質の滴下量ま
たは載置量であり、以下供給量と記す)は、基板Wの大
きさ、基板W表面への汚染物質Sの吸着量等によって設
定される量であり、以降に説明する予備試験によって選
択された量であることとする。
【0032】以上の後、直ちに、基板Wを基板保持具3
上に載置する。この基板Wは、予め洗浄処理されたもの
であることとし、基板Wの汚染させたい面を下に向けて
金属皿4と対向させる状態で基板保持具3上に載置す
る。
【0033】次いで、速やかに密閉容器1の蓋11を閉
じた後、加熱手段2によって、この上部に載置された金
属皿4(すなわち汚染物質S)を所定温度に加熱する。
この加熱は、温度・時間表示部6にて、各センサ5a,
5b,5cで測定した金属皿4の温度、密閉容器1の内
部雰囲気温度、または基板保持具3の温度が所定の加熱
温度に達してからの経過時間を確認しながら、温度調節
ダイヤル27によって加熱温度を制御しつつ行われるこ
ととする。
【0034】ここで、加熱温度は、基板Wの大きさ、基
板W表面への汚染物質Sの吸着量等によって設定される
値であり、以降に説明する予備試験によって選択された
値であることとする。ただし、汚染物質Sの加熱温度
は、当該汚染物質Sの沸点よりも低い範囲の所定温度に
設定されることとする。
【0035】そして、加熱を開始してから所定の暴露時
間が経過した時点で、加熱手段2による加熱を停止し、
密閉容器1の蓋11を開き、基板Wを密閉容器1から取
り出す。この基板Wが、表面に汚染物質Sを所定量で吸
着させてなる定量汚染試料となる。尚、暴露時間とは、
例えば汚染物質Sの加熱温度が所定時間に達した時点か
らの経過時間であることとする。
【0036】またここで、上述の暴露時間は、基板Wの
大きさ、基板W表面への汚染物質Sの吸着量等によって
設定される値であり、以降に説明する予備試験によって
選択された値であることとする。
【0037】次に、基板W表面に所定量の汚染物質を吸
着させるための加熱温度、暴露時間及び密閉容器1内へ
の汚染物質Sの供給量を設定するための予備試験を説明
する。
【0038】この予備試験においては、例えば、汚染物
質の供給量及び暴露時間を一定にした条件下で加熱温度
を変化させた各汚染試料を上述と同様の手順にて作製
し、これらの汚染試料における汚染物質の吸着量を測定
する。そして、これらの測定結果から、所定量の汚染物
質が吸着される加熱温度を検出する。
【0039】そして、この予備試験における汚染物質の
供給量、暴露時間及び検出した加熱温度にて上述した定
量汚染試料の作製を行う。
【0040】ただし、例えば数μg/直径約200mm
ウェハ(通称8インチウェハ)程度に汚染された(すな
わち、数十ng/cm2程度に汚染された)定量汚染試
料を得たい場合には、数μlの汚染物質Sを量り採れば
十分であり、密閉容器1内への汚染物質の供給量は多す
ぎない範囲にとどめることとする。また、加熱温度は、
汚染物質Sの融点よりも低い範囲で、かつ長時間保持し
ても、金属皿4上の汚染物質Sの減少が見た目に観察さ
れない程度の温度範囲にとどめておくこととする。
【0041】尚、予備試験においては、汚染物質の共有
量及び加熱温度を一定にして暴露時間を変化させ、所定
量の汚染物質を吸着させることができる暴露時間を求め
るようにしても良い。また、この予備試験は、各基板に
おける処理工程毎に行い、それぞれに適切な条件出しを
行うこととする。
【0042】以上説明したような定量汚染試料作製方法
によれば、基板Wと共に密閉容器1内に密閉した揮発性
を有する汚染物質Sを加熱することで、この密閉容器1
内における汚染物質Sの揮発速度が早められる。この
間、密閉容器1内の密閉状態が保たれるため、この密閉
容器1内で気化された汚染物質Sは外部に放出させるこ
となく、効率良く、しかも安定した状態で基板W表面に
吸着される。またこの際、密閉容器1内において汚染物
質Sが所定温度に加熱され、基板Wが密閉容器1内部に
所定時間の間保持されることから、汚染物質Sの所定濃
度雰囲気内に所定時間の間基板Wが暴露されることにな
り、基板W表面には所定量の汚染物質Sが吸着される。
【0043】しかも、汚染物質Sの加熱温度を当該汚染
物質Sの沸点よりも低い温度範囲に設定することで、密
閉容器1内部における汚染物質Sの沸騰による急激な気
化を抑えることができ、密閉容器1内において制御性良
く汚染物質Sを気化させることができる。
【0044】したがって、蒸気圧の低い汚染物質Sであ
っても、短時間に、しかも再現性良く所定の低濃度で基
板Wに吸着させることができる。
【0045】また、このようにして作製された定量汚染
試料を用いて各工程処理を行うことで、汚染物質Sがデ
バイス特性やプロセス特性に与える影響を正確に把握
し、基板Wを用いて形成された製品(例えば半導体装
置)の信頼性と汚染制御レベルの相関を明確化すること
が可能になる。そして、例えば半導体装置の製造におい
ては、信頼性の向上を目的とした汚染制御レベルの明確
化が可能になり、歩留まりの向上を図り、次世代の半導
体デバイスの高信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0046】
【実施例】以下に、汚染物質として、ヘキサデカン、
DOA(アジピン酸ジオクチル)、DOP(フタル
酸ジオクチル)、DBP(フタル酸ジブチル)を用
い、基板表面に5μg/直径約200mmウェハ(16
ng/cm2)の各汚染物質をそれぞれ吸着させてなる
各定量汚染試料を作製した結果を説明する。
【0047】先ず、予備試験を行い、図5に示すよう
に、汚染物質の供給量及び暴露時間を一定にした条件下
で加熱温度を化させた場合の各汚染物質の基板表面への
吸着量を示すグラフを得た。この際、各汚染物質の各1
00%標準液を用い、基板Wとしては、約200mm
(通称8インチ)のシリコン基板を用いた。尚、基板表
面への各汚染物質の吸着量は、加熱脱離ガスクロマトグ
ラフィー質量分析計にて測定した値である。
【0048】また、汚染物質の供給量及び暴露時間は、
次のように設定した。ヘキサデカン…供給量=30μ
l、暴露時間=10分。DOA…供給量=3μl、暴
露時間=10分。DOP…供給量=3μl、暴露時間
=10分。DBP…供給量=3μl、暴露時間=10
分。
【0049】そして、このグラフから、汚染物質毎に、
それぞれの汚染物質を基板表面に所定量だけ吸着させる
ための加熱温度が次のように選択された。ヘキサデデ
カンの加熱温度=68℃。DOAの加熱温度=82
℃。DOPの加熱温度=108℃。DBPの加熱温
度=80℃。
【0050】次に、各汚染物質を吸着させる定量汚染試
料の作製条件のうち、汚染物質の供給量、暴露時間を予
備試験と同様に設定し、かつ加熱温度を上述のようにし
て選択された値に設定して定量汚染試料の作製を行っ
た。
【0051】そして、このようにして作製された各定量
汚染試料について、加熱脱離ガスクロマトグラフィー質
量分析計を用いて各汚染物質の吸着量を測定した。この
結果を図6に示す。横軸はガスクロマトグラフィーにお
けるカラムからの溶出時間を示し、縦軸はカラムにより
分離溶出された各汚染物質の検出強度(測定値とする)
を示す。
【0052】また、加熱脱離ガスクロマトグラフィー質
量分析計を用いて、各汚染物質の100%標準液を所定
量溶出させてその検出強度を標準値として得た。そし
て、各汚染物質の標準値と測定値との比較の結果、各定
量汚染試料に5μgの汚染物質が吸着されており、基板
表面に、精度良く所定量の汚染物質を吸着してなる定量
汚染試料が得られたことが確認された。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定量汚染
試料作製装置及び定量汚染試料作製方法によれば、基板
が収納された密閉容器内において汚染物質を所定温度に
加熱し、その雰囲気内に所定時間の間基板を暴露させる
ことで、揮発性を有する汚染物質を短時間に、所定の低
濃度で基板表面に精度良く吸着させてなる定量汚染試料
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定量汚染試料作製装置の一構成例を示
す図である。
【図2】本発明の定量汚染試料作製装置に用いる加熱手
段の一例を示す構成図である。
【図3】本実施形態の定量汚染試料作製装置による定量
汚染試料の作製を説明する図である。
【図4】本実施形態と比較する他の構成の定量汚染試料
作製装置による定量汚染試料の作製を説明する図であ
る。
【図5】加熱温度による各汚染物質の基板表面への吸着
量を示すグラフである。
【図6】作製した定量汚染試料について加熱脱離ガスク
ロマトグラフィー質量分析計を用いて各汚染物質の吸着
量を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…密閉容器、2…加熱手段、3…基板保持具、5a,
5b,5c,24…温度センサ、S…汚染物質、W…基
板、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器と、 前記密閉容器内において汚染物質を所定温度に加熱する
    ための加熱手段と、 前記加熱手段で加熱される汚染物質に対して非接触状態
    を保った状態で前記密閉容器内で基板を保持する基板保
    持具とを備えたことを特徴とする定量汚染試料作製装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の定量汚染試料作製装置に
    おいて、 前記密閉容器の内壁が金属で構成されていることを特徴
    とする定量汚染試料作製装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の定量汚染試料作製装置に
    おいて、 前記密閉容器内の雰囲気温度、前記加熱手段の温度及び
    前記基板保持具に保持された基板の温度のうちの少なく
    とも1つを測定する温度センサを設けたことを特徴とす
    る定量汚染試料作製装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の定量汚染試料作製装置に
    おいて、 前記基板保持具は、前記加熱手段における汚染物質加熱
    面に対して前記基板を対向させた状態で当該基板の周縁
    を支持すると共に当該基板の保持位置が可変であること
    を特徴とする定量汚染試料作製装置。
  5. 【請求項5】 基板の表面に所定量の汚染物質を吸着さ
    せてなる定量汚染試料を作製する方法であって、 揮発性を有する汚染物質と基板とを非接触状態で同一の
    容器内に密閉し、 前記汚染物質を所定温度に加熱して前記容器内において
    当該汚染物質を気化させると共に、前記基板を所定時間
    の間前記容器内に保持することによって、前記基板の表
    面に所定量の汚染物質を吸着させることを特徴とする定
    量汚染試料作製方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の定量汚染試料作製方法に
    おいて、 前記汚染物質は、当該汚染物質の沸点よりも低い温度に
    加熱されることを特徴とする定量汚染試料作製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053036A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Rigaku Industrial Co 試料乾燥装置
JP2012138560A (ja) * 2010-12-10 2012-07-19 Toshiba Corp 試料汚染方法

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