JP2001200329A - 強靭性超微粒超硬合金 - Google Patents

強靭性超微粒超硬合金

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JP2001200329A
JP2001200329A JP2000012409A JP2000012409A JP2001200329A JP 2001200329 A JP2001200329 A JP 2001200329A JP 2000012409 A JP2000012409 A JP 2000012409A JP 2000012409 A JP2000012409 A JP 2000012409A JP 2001200329 A JP2001200329 A JP 2001200329A
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grained
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Atsushi Yukimura
淳 幸村
Yusuke Iyori
裕介 井寄
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Moldino Tool Engineering Ltd
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Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】超硬合金においてV、Cr、Taおよびそれら
の化合物が優れた粒成長抑制効果を有することは周知で
あるが、それらの粒成長抑制効果を充分に発揮させ、か
つ粒成長抑制剤の悪影響を最小限にとどめる手法を提供
する。 【構成】Co2〜20重量%、V及び/またはVC0.
1〜5重量%、Cr及び/またはCr炭化物が0〜5重
量%、Ta及び/またはTaCが0〜5重量%、残WC
および不可避不純物からなる超硬合金において、WCを
主体とする硬質相の平均粒径を0.1〜1.2μmと
し、原子比率で硬質相中のV含有量がCoを主体とする
結合相中のV含有量よりも多く、かつ断面ミクロ観察に
おいて段階状の表面を有する硬質相を点在させて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、切削、耐摩耗用の工
具に広く用いられる超硬合金に関する。
【0002】
【従来の技術】V、Ta、Cr及び/またはそれらの化
合物は有力な粒成長抑制剤として超微粒超硬合金に添加
されることは従来から周知であり、広く実用合金に添加
されてきた(例として、特開平8−243820号)。
しかしながら、従来の超微粒合金を詳細に調査してみる
と、その機械的、熱的特性は千差万別であることがわか
る。強度についてはWC/Co界面に、たとえば微細な
VCを析出させたり、あるいはCo中またはWC中にす
べて固溶させたりすることが提案されており、それによ
って合金の強度は変化する。また、靭性については粒成
長抑制剤の多少、添加法、焼結手法等によって、粒成長
抑制効果範囲、程度などが異なり、その結果著しく粒成
長したWC、いわゆるα2の存在形態やその数の多少が
変化し、その結果合金の靭性が大きく変化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわちV、Cr、T
aおよびそれらの化合物が優れた粒成長抑制効果を有す
ることは周知であるが、その効果の発揮程度については
不明瞭である。本発明者らは既述の粒成長抑制剤、とく
に最もその効果が大きいVについて、粒成長抑制効果を
充分に発揮させ、かつ粒成長抑制剤の悪影響を最小限に
とどめる手法について検討した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは粒成長抑制
剤の存在形態と強度指標の抗折力、靭性指標のクラック
抵抗(ビッカース硬さ計50Kg加重で圧痕の4角から
発生するクラックの全長さ(μm)で加重を割った値)
との相関について調査を加え以下の結論を得た。Co2
〜20重量%、V及び/またはVC0.1〜5重量%、
Cr及び/またはCr炭化物が0〜5重量%、Ta及び
/またはTaCが0〜5重量%、残WCおよび不可避不
純物からなる超硬合金において、WCを主体とする硬質
相の平均粒径が0.1〜1.2μmであり、原子比率で
硬質相中のV含有量がCoを主体とする結合相中のV含
有量よりも多く、かつ断面ミクロ観察において段階状の
表面を有する硬質相が点在することにより、強度・靭性
に優れた強靭性超微粒超硬合金を得た。
【0005】先ず、、V及び/またはV化合物はそれ
のみで合金中に析出物もしくは介在物として存在すると
合金の強度及び/または靭性を低下させる。すなわち、
合金はWCと鉄族結合相の2相合金あるいはCrやTa
が含有される場合にはそれらの化合物を含めた3相合金
のほうが、Vを主体とする析出相及び/または介在相が
存在する場合よりも強靭である。次いで、、WC中に
固溶したV、Cr、Taは結合相中に固溶したV、C
r、Taより原子比でそれぞれ多いことが強度、靭性上
望ましい。、常温においてWCを主体とする硬質相は
hcp構造、金属結合相はfcc構造をとることが強
度、靭性上望ましい。、断面ミクロ観察において、図
1に示すような段階状の表面を有する硬質相が点在する
こと。
【0006】
【作用】について補足説明すると、Vがその粒成長抑
制効果を合金全体にわたって発現させるには、その第一
ステップとして、昇温焼結過程で液化した金属結合相中
にV及び/またはV化合物が溶けることが望ましい。そ
うすることでVが液相を介して合金全体に分散すること
になる。次に、第二ステップとして金属結合相中に固溶
したVがWC中に拡散していくことになる。
【0007】従って、初めは金属中のV量が多いが時間
を経るにしたがってWC/Co界面近傍においてVが増
加し、ついにはWC中のVが金属中に比して多くなる結
果となる。検討した結果、この状態が強度及び/または
靭性の点から望ましく、反対の場合には靭性が劣る。金
属部が高合金化し靭性が劣化するものと思われる。もち
ろんCr、Taについても同様である。検討過程で大半
の分析個所ではWC中のVが金属中に比して多いが例外
的にそうでない場合も観察された。この場合も強靭性の
向上は認められる。
【0008】について、Vの限定範囲と関係がある。
Vが本発明の目的を超えて、過多になるとV及び/また
はV化合物の析出物もしくは介在物が出現し強度、靭性
を落とす。反対に過少の場合は添加効果が不十分で本発
明の目的から逸脱する。V添加量の下限は焼結プロセ
ス、焼結条件でV添加効果が異なるため定めるのが困難
である。発明者らはこの下限値の設定について種々検討
した。その結果、Vの添加量を増やしていくと、ある量
まではミクロ組織上の変化は認められないが、それを超
えると断面ミクロ観察において段階状の表面を有する硬
質相が出現するようになる。そして、その時になって初
めて合金の強度、靭性の向上が明確に認められるように
なるという知見を得た。従って、Vの適正値の下限は断
面ミクロ観察において段階状の表面を有する硬質相が点
在するところ、上限はV化合物の析出物もしくは介在物
が認められない範囲と規定される。V及び/またはVC
の量は0.1〜5重量%と規定する。0.1%未満では
粒成長抑制効果が不足で5%を超えると靭性が不足で本
発明の主旨に反する。
【0009】金属結合相量は2〜20重量%と規定す
る。2%未満では靭性が不足で20%を超えると強度が
低下し本発明の主旨に反する。Cr及び/またはCr炭
化物は0〜5重量%、Ta及び/またはTaCは0〜5
重量%と規定する。いずれも0を含む。すなわちVにつ
いては必須であるがCr、Taについては添加は任意で
ある。目的に応じて添加の是非を定めればよい。但し、
添加する場合は5%以内に制限する。それを超えると靭
性が低下し本発明の主旨に反する。WCを主体とする硬
質相はhcpとする。他の結晶構造になりうるが、そう
すると靭性が低下する。
【0010】平均粒径は0.1〜1.2μmと規定す
る。0.1μm未満は酸化、燃焼など製造上扱いが困難
で不適。1.2μmを超えると超微粒合金の範疇を逸脱
し本発明の主旨に反する。結合相は常温においては基本
的にはfccとする。他の相とすると強度が低下する。
被覆する場合、硬質被覆膜として周期律表の4a、5
a、6a族の窒化物、炭化物、炭窒化物、その他酸素や
ホウ素を含んだ上記の化合物あるいはアルミナを適宜目
的に応じて選定すればよい。この場合、物理蒸着法、化
学蒸着法など手段を特に限定されない。目的に応じて選
定すればよい。
【0011】
【実施例】種々の平均粒径のWC粉末およびCo粉末及
びCr、Ta、Vの化合物さらに合金のC量を調整する
ために粉末Cを適宜適当量を表1のように配合し、アト
ライターを用いて粉末量に対し1.2重量%の比率でパ
ラフィンワックスをいれたアルコール中で4時間混合後
スプレードライヤーを用いて乾燥、造粒を行なった後プ
レス成型した。
【0012】
【表1】
【0013】該プレス体を適宜適当な焼結条件で焼結を
行ない種々の試料を作製し物性値を測定した。また顕微
鏡断面観察を行ない、階段状の外形状を持つWC粒子の
有無を調査した。その結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】表2より、原子比率で硬質相中のV含有量
がCoを主体とする結合相中のV含有量よりの多い本発
明例では3000以上の抗折力が得られたが、V主体の
相が観察された比較例2では2700と低下した。ま
た、靭性も低かった。更に、透過型電子顕微鏡における
断面ミクロ観察においては図1に示す段階状の表面を有
する粒子が観察された。
【0016】
【発明の効果】本願発明を適用することにより、V、C
r、Taおよびそれらの化合物の優れた粒成長抑制効果
を活かしつつ、Vの粒成長抑制効果を充分に発揮させ
て、微粒で強度、靭性に優れた超硬合金とする事ができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明例のTEM観察の結果を示す。
【符号の説明】
1 WC粒子 2 段階状の表面 3 結合相

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Co2〜20重量%、V及び/またはVC
    0.1〜5重量%、Cr及び/またはCr炭化物が0〜
    5重量%、Ta及び/またはTaCが0〜5重量%、残
    WCおよび不可避不純物からなる超硬合金において、W
    Cを主体とする硬質相の平均粒径が0.1〜1.2μm
    であり、原子比率で硬質相中のV含有量がCoを主体と
    する結合相中のV含有量よりも多く、かつ断面ミクロ観
    察において段階状の表面を有する硬質相が点在すること
    を特徴とする強靭性超微粒超硬合金。
  2. 【請求項2】請求項1記載の強靭性超微粒超硬合金にお
    いて、WCを主体とする硬質相は六方晶の結晶構造を有
    し、Coを主体とする結合相は常温において面心立方晶
    の結晶構造を有することを特徴とする強靭性超微粒超硬
    合金。
  3. 【請求項3】請求項1記載の強靭性超微粒超硬合金にお
    いて、原子比率で硬質相中のCr含有量が結合相中のC
    r含有量よりも多いことを特徴とする強靭性超微粒超硬
    合金。
  4. 【請求項4】請求項1記載の強靭性超微粒超硬合金にお
    いて、原子比率で硬質相中のTa含有量が結合相中のT
    a含有量よりも多いことを特徴とする強靭性超微粒超硬
    合金。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の強靭性超微粒超硬合
    金において、該合金はVを主体とする析出相または介在
    相が存在しないことを特徴とする強靭性超微粒合金。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載の強靭性超微粒超硬合
    金において、Coの一部または全部を他の鉄族金属で置
    き換えたことを特徴とする強靭性超微粒合金。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載の強靭性超微粒超硬合
    金において、該強靭性超微粒超硬合金を基体とし、その
    表面に硬質物質を被覆したことを特徴とする被覆強靭性
    超微粒合金。
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