JP2001200326A - 耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法 - Google Patents

耐摩耗性アルミニウム合金長尺体およびその製造方法

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JP2001200326A JP2000008680A JP2000008680A JP2001200326A JP 2001200326 A JP2001200326 A JP 2001200326A JP 2000008680 A JP2000008680 A JP 2000008680A JP 2000008680 A JP2000008680 A JP 2000008680A JP 2001200326 A JP2001200326 A JP 2001200326A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的特性と冷間加工性に優れる耐摩耗性アル
ミニウム合金長尺体とその製造方法を提供する。 【解決手段】Siを7〜13wt%、Feを0.001〜0.2wt%、Mnお
よびCrの少なくとも1つを0.001〜0.25wt%、Srを0.003〜
0.03wt%、Tiを0.005〜0.03wt%含み、残部がAlおよび不
可避不純物であるアルミニウム合金を溶解し、連続鋳造
により鋳塊を作製し、350℃〜520℃の温度範囲で、加工
度40%以上の熱間圧延を施し、熱処理により熱間圧延組
織と再結晶組織を有する耐摩耗性アルミニウム合金長尺
体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、機械的特性と冷
間加工性に優れる耐摩耗性アルミニウム合金長尺体とそ
の製造方法に関するものであり、特に、冷間加工製品の
素材として用いられると有効な耐摩耗性アルミニウム合
金長尺体とその製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Al―Si系合金の機械的特性に悪影響を与
える粗大Si粒が生成せず、微細なSi粒組織を生成する成
分の合金が、機械的特性と耐摩耗性を両立させるアルミ
ニウム合金として知られている。しかし、このようなAl
−Si系合金であっても、製造工程においてSi粒が大きく
成長すると機械的特性が悪化することも知られている。
【0003】従来、これらのAl−Si系合金は、所望の成
分の合金を溶解、鋳造した後、押出加工により製造して
いた。この方法では、一般に鋳造時にSi粒が大きく晶出
するため機械的特性が悪化したり、押出加工が困難であ
った。また、従来、耐摩耗性の向上のため、Fe、Mn、Cr
等の元素をAl−Si系合金に加えていた。しかし、Fe、M
n、Cr等の添加は、これらの晶析出物の生成を招き、こ
れらの晶析出物が粗大に成長する場合には、粗大Si粒以
上に機械的特性に悪影響を与えた。
【0004】この課題を解決するために提案されたアル
ミニウム合金とその製造方法として、例えば特開昭64-1
7834号公報、特公平7-62200号公報に開示された発明が
ある。先ず、両発明ともSi粒等の晶出物制御のため比較
的速い冷却速度を提示している。特公平7-62200号公報
によれば、鋳造合金のデンドライト2次枝間隔は10μm以
下とあり、これを達成するためには5℃/sec以上の冷却
速度が必要である。また、特開昭64-17834号公報には、
鋳造合金のデンドライト2次枝間隔は示されていないも
のの、冷却速度は4℃/sec以上と示されている。すなわ
ち、これまで良好な機械的特性を得るためには、鋳造合
金のデンドライト2次枝間隔を10μm以下にするような速
い冷却速度が必要であった。更に、特公平7-62200号公
報は、Sr添加によるSi粒の微細化が示されている。しか
し、Fe、Mn、Cr等の添加により、特公平7-62200号公報
の場合と同様に比較的速い冷却速度の場合、Fe、Mn、Cr
系の晶析出物は小さくなるが、冷却速度が遅くなった場
合、言い換えれば、デンドライト2次枝間隔が大きくな
った場合には、凝固時に粗大な化合物として生成し、機
械的特性を低下させる原因となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来提案
されたアルミニウム合金と製造方法では、良好な機械的
特性を得るために速い冷却速度の確保が必要であり、製
造方法としてはホットトップ鋳造機を用いた場合には、
速い冷却速度が得られるが、生産性の低い問題があっ
た。また、ホットトップ鋳造機を用いても、速い冷却速
度確保のため、鋳造材のサイズも比較的小型のものに限
られていた。そのため、鋳造後の鋳造材を直接に、ある
いは鋳造材に熱処理を施した後、鍛造用素材として用い
ていた。また、鋳造組織を有する鍛造用素材の課題とし
て、冷間加工が難しく、鍛造は熱間加工で実施する必要
があるなどの問題があった。
【0006】従って、本願発明は、機械的特性に優れ、
また加工性に優れ、特に冷間加工が可能である耐摩耗性
に優れたアルミニウム合金長尺体とその製造方法を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、Siを7〜13w
t%、Feを0.001〜0.2wt%、MnおよびCrの少なくとも1つを
0.001〜0.25wt%、Srを0.003〜0.03wt%、Tiを0.005〜0.0
3wt%含み、残部がAlおよび不可避不純物であるアルミニ
ウム合金を用い、内部に存在するSi粒の大きさが平均20
μm以下であり、かつ、最大のSi粒の大きさが40μm以下
であり、更に、結晶組織が熱間圧延組織、あるいは再結
晶組織、あるいは熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織
からなるアルミニウム合金長尺体とすることで、上記の
目的を達成する。本願発明に係わるアルミニウム合金
は、更に、Cuを0.001〜5wt%含んでもよい。また、Mgを
0.001〜1wt%含んでもよい。
【0008】更に、本願発明に係わるアルミニウム合金
を溶解し、連続鋳造により鋳塊を作製し、その後350℃
〜520℃の温度範囲で加工度40%以上の熱間圧延を施すこ
とによりアルミニウム合金長尺体を得ることができる。
なお、上記アルミニウム合金の連続鋳造時の溶湯中に存
在する水素量は、0.2cc/100gAl以下であり、鋳造され
たアルミニウム合金のデンドライト2次枝間隔は、50μ
m以下である。本願発明に係わるアルミニウム合金を連
続鋳造し、熱間圧延後、350〜520℃の温度範囲で2〜50h
の熱処理を施すことで、機械的特性と冷間加工性に優れ
る耐摩耗性アルミニウム合金長尺体を得ることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本願発明のアルミニウム
合金長尺体を得るための製造方法を述べる。本願発明に
係わるアルミニウム合金において、Siは機械的特性と耐
摩耗性に関連する添加元素であり、非平衡状態の凝固に
おいて、共晶点の拡大が認められる。本願発明の提示す
るアルミニウム合金の製造方法を適用することにより、
Siが13wt%以下であれば、粗大なSi初晶粒が認められな
いことから、機械的特性及び耐摩耗性の点から、13wt%
をSi添加量の上限とする。一方、Si添加量が少ないとア
ルミニウム合金初晶(α相)が大きくなり、アルミニウ
ム合金初晶域にはSi粒がないため、機械的特性と耐摩耗
性が低下する。このため、本願発明に係わるアルミニウ
ム合金は、α相が機械的特性と耐摩耗性に影響を与えな
いSi添加量として、7wt%以上とする。
【0010】更に、アルミニウム合金にFeを添加する
と、他の添加元素Si、Mn、Cu等とFe系化合物を形成す
る。凝固時に生じる粗大なFe系化合物の晶析出物は、機
械的特性に悪影響を与える。そこで、本願発明に係わる
アルミニウム合金は、Fe系化合物による耐摩耗性向上よ
りも、粗大なFe系化合物の晶析出を抑制することが機械
的性質の低下を防ぐため必要であることから、Feの添加
量の上限を0.2wt%とする。Feの添加量の下限値は、イン
ゴットの不純物レベルの0.001wt%でよい。
【0011】アルミニウム合金にMnを添加すると、Mnは
アルミニウム合金の他の添加元素、主としてFeと化合物
を形成する。FeとMnの化合物は粗大であると機械的性質
を劣化させるが、Al-Fe系やAl-Fe-Si系化合物よりも概
して機械的性質に与える影響が小さい。このため、本願
発明に係わるアルミニウム合金のMnの添加量は、上限と
して0.25wt%まで許容できる。
【0012】アルミニウム合金にCrを添加すると、Crは
概略Mnと同様の効果をもたらす。本願発明に係わるアル
ミニウム合金のCrの添加量は、Mnと同様に0.25wt%まで
許容できる。なお、本願発明に係わるアルミニウム合金
にMnおよびCrを含む場合、MnおよびCrの合計で、上限と
して0.25wt%まで許容できる。
【0013】アルミニウム合金にSrを添加すると、Si粒
を微細に晶出させることができる。しかし、本願発明に
係わるアルミニウム合金において、0.003wt%未満のSr添
加量では効果がなく、0.03wt%より多く添加すると溶湯
の水素ガス吸収が激しくなり、脱ガスが難しくなると同
時に、熱処理時にブリスターが発生しやすくなる問題が
生じるため、Srの添加量の上限は0.03wt%とする。
【0014】アルミニウム合金にTiを添加すると、α相
を微細に生成させることができる。本願発明に係わるア
ルミニウム合金において、Tiを添加する方法としては、
母合金、Ti-Bワイヤを用いる。α相の微細化のためには、
0.003wt%以上、必要である。ただし、0.03wt%を越えてT
i添加しても添加の効果が小さいため、Ti添加の上限は
0.03wt%でよい。
【0015】アルミニウム合金における添加元素Cuは、
耐摩耗性と機械的特性、特に強度に影響を与える。Cuの
添加量の増加に伴い、固溶体強化、析出強化により耐摩
耗性、強度が向上する。しかし、Cuを本願発明に係わる
アルミニウム合金に添加すると他の添加元素と複雑な化
合物を形成する。特に、鋳造時に生成するAl-Cu系やAl-
Fe-Mn-Cu系化合物は、本願発明の製造法では、5wt%より
多く添加すると粗大に晶析出し、機械的性質及び冷間加
工性を低下させるため、Cu添加の上限値は5wt%である。
一方、下限値についてはインゴットの不純物レベルの0.
001wt%とする。添加元素Cuは所定の機械的特性、特に強
度を得るために、必要に応じて添加する。
【0016】本願発明に係わるアルミニウム合金におい
て、Mgを添加すると、α相の微細化効果があるが、更
に、Tiの添加によるα相微細化効果も助長する。このた
め、Cuの添加に比較して、Mg添加による強度向上の効果
が大きい。ただし、1wt%より多く添加すると脆化挙動を
示し、冷間加工性が低下するため、Mg添加の上限値は1w
t%とする。一方、下限値は、不純物レベルの0.001%とす
る。本願発明に係わるアルミニウム合金において、上記
の添加元素の他に不可避不純物が含まれることは構わな
い。なお、Cu添加量(wt%)およびMg添加量(wt%)に対
する、T6熱処理後の強度σ b(N/mm2)の関係を次式で示
す。
【0017】σb(N/mm2)=180(±60)+50×Cu(wt%)+Mg(w
t%)×(110+60/Mg(wt%))
【0018】更に、本願発明のアルミニウム合金長尺体
は、上記のアルミニウム合金の成分とともに、組織に特
徴がある。すなわち、本願発明のアルミニウム合金長尺
体内部に存在するSi粒の大きさは、平均20μm以下であ
り、かつ、最大のSi粒の大きさを40μmまで許容でき
る。このように大きなSi粒分布を有しながらも、良好な
機械的特性と冷間加工性を維持しているのは、その組織
が、熱間圧延組織、あるいは再結晶組織、あるいは熱間
圧延組織と再結晶組織の混合組織から形成されているた
めである。従来のアルミニウム合金は、鋳造組織が残存
しており冷間加工性が悪いが、本願発明のアルミニウム
合金長尺体の組織は、熱間圧延組織、あるいは再結晶組
織、あるいは熱間圧延組織と再結晶組織の混合組織であ
り、鋳造組織に比べ、冷間加工性に優れている。
【0019】上記本願発明に係わるアルミニウム合金を
溶解後、鋳造時のアルミニウム合金溶湯中の100g当たり
の水素量を0.2cc/100gAl以下にすることが好ましい。
これは、アルミニウム合金溶湯中に0.2cc/100gAl以上
の水素を含むとアルミニウム合金の機械的特性や冷間加
工性の低下、また、ブリスターの発生等の問題が生じや
すくなるためである。
【0020】また、本願発明に係わるアルミニウム合金
の鋳造温度は、650℃〜690℃の温度範囲が望ましい。そ
の後の凝固の操作は、鋳造材の最も冷却の遅い部分のデ
ンドライト2次枝間隔が、50μm以下となる冷却速度で行
う。その理由は、これより大きいデンドライト2次枝間
隔であると、熱間圧延終了後に最大粒径が40μmより大
きなSi粒が残存するとともに、Si粒の平均粒径が20μm
より大きくなり、機械的特性及び冷間加工性が低下する
からである。Fe、Mn、Cr系晶析出物は、デンドライト2
次枝間隔を50μm以下としている限り、それぞれの添加
元素量を低く抑えてあるため粗大にはならない。なお、
Cu系晶析出物は、Fe、Mn、Cr系晶析出物よりも大きく生
成する傾向があるが、30μmを越える粗大な晶析出物は
生じない。
【0021】得られた本願発明に係わるアルミニウム合
金の鋳造材は、引き続き、350〜520℃の温度範囲で、加
工度40%以上の熱間圧延を実施する。温度を350〜520℃
と規定したのは、350℃以下では鋳造材の圧延加工が困
難であり、520℃以上では、粒界割れを生じ熱間圧延が
困難になるためである。40%以上の加工度としたのは、
鋳造組織を鍛錬して、冷間加工性に優れる熱間圧延組織
に変えるのに必要な加工度であるからである。
【0022】本願発明に係わるアルミニウム合金の鋳造
から熱間圧延までは、連続して行うことが望ましい。こ
れは、熱間圧延後に熱処理を実施する場合、本願発明に
係わるアルミニウム合金では、添加元素のFe、Mn、Cr等
の添加量を少なく抑えているため、熱間圧延温度での加
熱時間が長くなると、鋳造時に過飽和に固溶した添加元
素のFe、Mn、Cr等が析出して、再結晶抑制に寄与しなく
なり、粗大結晶粒が生成するからである。上記の熱間圧
延温度での加熱時間は、2h以内、望ましくは、10min以
内が良い。
【0023】熱間圧延の終了後、長尺体となったアルミ
ニウム合金は、コイルに巻き取ってもよい、あるいは、
定尺に切断して棒材とすることも可能である。上述の製
造方法を具体的に実現する設備には、生産性の高いプロ
ペルチ式連続鋳造圧延設備を用いることができる。しか
し、同様の製造条件を達成できる設備であれば、本願発
明のアルミニウム合金長尺体の製造が可能である。
【0024】更に、コイル、棒材となった本願発明のア
ルミニウム合金長尺体を調質するため、熱間圧延後に熱
処理を施す。熱処理は、350〜520℃の温度範囲で、2〜5
0hの加熱を行う。本願発明における熱間圧延後の熱処理
は、次に示す効果がある。
【0025】第1の効果は、アルミニウム合金長尺体の
Si粒の制御ができることである。先にも述べたように、
本願発明に係わるアルミニウム合金の鋳造時において、
鋳造材中には冷却速度の分布が生じている。鋳造材の冷
却速度が遅い箇所と速い箇所では、Si粒の大きさに分布
を生じる。しかし、Srを添加して微細化したSi粒は、オ
ストワルド成長と考えられる現象により、熱処理を実施
すると小さいSi粒ほど早く成長し、温度、時間依存性が
認められるものの、粒径が15〜20μm程度になると成長
が鈍化する。本願発明における熱処理は、この現象を利
用したもので、本願発明に係わるアルミニウム合金のSi
粒の粒度分布を制御することで、良好な機械的特性と冷
間加工性を有するアルミニウム合金長尺体を得ることが
できる。本願発明において、熱処理温度の上限を520℃
としたのは、Si粒の成長速度は、熱処理温度が高いほど
速いが、520℃より高い熱処理を実施するとSi粒径が平
均20μm以上に成長する箇所が生じるため、好ましくな
いからである。一方、熱処理温度の下限を350℃とした
のは、アルミニウム合金長尺体のSi粒は、350℃より低
い温度では有効な成長が認められないからである。な
お、熱処理時間は、350〜520℃の温度範囲で、熱処理時
間2h以上の熱処理であれば有効なSi粒の成長が見られる
が、50hを越えた熱処理を行っても、その効果は小さい
ため、生産性を考慮すれば、熱処理時間として、2〜50h
が好ましい。
【0026】第2の効果は、アルミニウム合金長尺体の
均質化の効果があることである。一般に、鋳造後の鋳塊
にマクロ偏析があると冷間加工性が悪いが、本願発明
は、熱間圧延後に熱処理を行うので、熱間圧延後も残っ
ているマクロ偏析を解消し、冷間加工性を向上させる効
果がある。
【0027】第3の効果は、アルミニウム合金長尺体の
結晶組織の結晶粒の制御ができ、良好な機械的特性と冷
間加工性を有するアルミニウム合金長尺体を得ることが
できることである。熱間圧延後の熱処理によるアルミニ
ウム合金長尺体の再結晶に関しては、十分な加工度が得
られている場合、微細な結晶粒が得られ、熱間圧延組織
よりも優れた冷間加工性が得られる。しかし、熱処理以
前の履歴により部分的な再結晶が生じ、粗大な再結晶粒
となる場合もあり、アルミニウム合金長尺体の機械的特
性と冷間加工性が低下する。このような場合には、熱処
理温度を低くして、アルミニウム合金長尺体の結晶組織
を微細な再結晶粒と熱間圧延組織の混合組織に留めてお
く方が、冷間加工性が良い。
【0028】以上、本願発明の熱間圧延後の熱処理は、
アルミニウム合金長尺体のSi粒の制御、長尺体の均質化
及び結晶組織の再結晶の制御を基に検討しているもので
あるが、最優先項目として、Si粒の制御を主として実施
する。
【0029】得られた耐摩耗性アルミニウム合金長尺体
は、機械的特性、冷間加工性に優れ、例えば、鍛造用素
材として用いられ、冷間鍛造加工も可能である。以下、
実施例により本願発明をより詳細に説明する。
【0030】
【実施例】表1に本願発明材および比較材のアルミニウ
ム合金のSi、Fe、Mn、Crの基本的な組成を示す。本願発
明のアルミニウム合金長尺体と比較材は、いずれもプロ
ペルチ連続鋳造圧延法により作製した。連続鋳造機で作
製される鋳造材の断面積は3500mm2で、溶湯の鋳造機へ
の鋳湯温度は650〜690℃とした。連続鋳造機で作製され
た鋳造材は、凝固完了後5min以内に420℃で熱間圧延し
て、直径30mmの長尺体とし、この長尺体を直径1.7mのコ
イルとした。このときの加工度は、減面率で80%であ
る。続いて、長尺体をコイルの状態で450℃×15hの熱処
理を施した後、長尺体の表面切削と伸直、切断を実施し
て、直径28mmの丸棒した。比較材も同様の製法で製造し
た。
【0031】本願発明材および比較材と同一の成分のア
ルミニウム合金を縦型連続鋳造機により鋳造し、従来材
とした。縦型連続鋳造機では、鋳造材のコイル化が不可
能であるため、鋳造後、鋳造材を定尺に切断した。鋳造
材の断面の直径は、30mmであり、鋳造後、450℃、13hの
熱処理を施した後、鋳造材を表面切削して、直径28mmの
丸棒とした。
【0032】本願発明材、比較材および従来材の機械的
強度(疲労強度)は、得られた直径28mmの棒材からダン
ベル試験片(平行部の直径8mm、ゲージ長(GL)=10mm)
を作製し、完全両振りで、疲労試験によりS−N曲線を
求めた後、105回の応力値で比較した。冷間加工性は、
直径の2倍の高さを有する円柱試験片を軸方向に圧縮
し、割れが発生するまでのすえ込み率で評価した。耐摩
耗性は、ピン/ディスク式の試験機を用い、毎分600回
転で回転するSUJ2製ディスクに、直径28mmの本願発明品
と従来製法による試料(ピン)を490Nの力で押し当て30
0h経過後の摩耗重量減を測定した。
【0033】以下、表1の組成において、Ti、Srを添加
した添加元素の効果を説明する。表1に示すSi、Fe、M
n、Crの組成のアルミニウム合金に、Srを0.02wt%添加
し、Tiを0.001、0.003、0.005、0.01、0.02、0.03、0.0
4wt%と添加量を変化させた試料を作製し、従来製法によ
る試料と疲労強度と耐摩耗性を比較した。本願発明材の
Ti添加によるα相の微細化は、0.003wt%で既に効果が確
認でき、0.02wt%でほぼ効果が飽和した。Ti添加に関し
ては、本願発明の比較的遅い冷却速度の鋳造、凝固を許
容するため重要な役割を果たす。特にTi添加はα相の大
きさに与える影響が大きい。縦型連続鋳造機の様に比較
的速い冷却速度が達成できる場合、鋳造材の組織は、柱
状晶となり柱状晶は微細なデンドライト組織で形成され
る。しかし、本願発明のように遅い冷却速度を許容する
場合、柱状晶とともに等軸晶が形成される。等軸晶の内
部もデンドライトで形成されるが、冷却速度が遅い場
合、等軸晶が大きく成長して、α相の面積が増加する。
言い換えれば、等軸晶間に形成される共晶域の間隔が大
きくなる。Tiの添加は、等軸晶の数を増加させて、α相
の面積を減少させ、等軸晶間に形成される共晶域の間隔
が小さくなると考えられる。一方、耐摩耗性に関して
は、Tiを0.003wt%添加した試料は、耐摩耗性が従来製法
に比較して低下したが、0.005wt%以上の試料では、従来
製法に対して差違が認められなかった。低下の原因を調
査したところ、凝着摩耗が確認された。これはα相の面
積が大きいため、ディスク材と部分的な焼き付きを起こ
したためと考えられる。疲労強度に関しては、Tiが0.04
wt%の試料で従来材に比較して低下が認められ、破断面
にはAl-Ti系の粗大な化合物が確認された。本願発明で
は、比較的遅い冷却速度を許容するため、Tiを0.04wt%
以上添加するとAl-Ti系の粗大な晶析出物を生じ、疲労
強度が低下すると考えられる。
【0034】Sr添加に関しては、表1に示すSi、Fe、M
n、Crの組成のアルミニウム合金にTiを0.015wt%添加
し、Srを0.002、0.003、0.005、0.007、0.01、0.03、0.
04wt%と添加量を変化させた試料を作製し、疲労強度、
耐摩耗性を評価した。Srが0.003wt%より少ない場合、同
一の組成の従来材に比べて、疲労強度と耐摩耗性の低下
が観察された。疲労破断面の観察を実施したところ、破
面に粗大Si粒が確認され、鋳造後の鋳造材にも同様な粗
大に成長したSi粒が認められることから、粗大Si粒が悪
影響を与えたためと考えられる。耐摩耗性に関しては、
低下の原因がはっきりとしないが、粗大なSi粒が欠落
し、研磨剤として寄与した可能性が考えられる。鋳造材
の断面観察からSr添加の上限に関しては、0.007wt%でSi
粒の微細化効果が飽和すると考えられる。ただし、Srは
溶解炉で保持すると酸化消失するため、損失を考慮し、
多めに入れておく必要がある。しかし、Srを0.03wt%よ
り多く添加すると溶湯のH2ガス吸収が大きくなり、鋳造
時に鋳造割れが生じやすくなり、また、熱処理時にブリ
スターが生成しやすくなるため、上限は0.03wt%とする
のがよいことがわかった。
【0035】また、表2のSi、Fe、Mn、Crの組成のアル
ミニウム合金に、Srを0.01wt%、Tiを0.018wt%添加し
て、上述の工程で製造した本願発明材と比較材の耐摩耗
性、疲労強度、冷間加工性を比較した結果を示す。本願
発明材は、従来製法材と同等の耐摩耗性、疲労強度を有
しながら、冷間加工性に優れていることがわかった。
【0036】また、表2に鋳造材のDAS測定値(デンドラ
イト2次枝間隔)とアルミニウム合金長尺体の平均Si粒
径、最大Si粒径を示す。本願発明材と比較材を比較すれ
ば、Si粒を制御する本願発明材において、耐摩耗性、疲
労強度および冷間加工性が優れていることがわかった。
【0037】同様に、表3のSi、Fe、Mn、Crの組成のア
ルミニウム合金に、Srを0.01wt%、Tiを0.018wt%添加し
て、本願発明材をプロペルチ式連続鋳造圧延機にて製造
する際に、鋳造機の冷却水を絞り、鋳造時の冷却速度を
小さくして作製した場合の本願発明材と比較材の疲労強
度と冷間加工性の試験結果を示す。表3には併せて、鋳
造材のDAS測定値(デンドライト2次枝間隔)とアルミニ
ウム合金長尺体の平均Si粒径、最大Si粒径を示す。これ
より、本願発明に係わるアルミニウム合金においても、
最大Si粒径が40μmより大きくなる場合には、疲労強
度、冷間加工性等が低下することがわかった。
【0038】次に、図1に本願発明のアルミニウム合金
長尺体の冷間加工性を従来材の冷間加工性と相対的に比
較した結果を示す。なお、冷間加工性は、直径の2倍の
高さを有する円柱試験片を軸方向に圧縮し、割れが発生
するまでのすえ込み率で評価した。表2の本願発明材のN
O.3-2、13-2および21-2の組成にSrを0.01wt%、Tiを0.01
8wt%添加したアルミニウム合金を用い、プロペルチ鋳造
機の鋳込み断面積を900〜3500mm2まで変化させて鋳造材
を作製し、その後、熱間圧延を行い、最終的に直径30mm
の丸棒を作製することにより、熱間圧延の加工度を変え
たアルミニウム合金長尺体を作製した。また、同一組成
を用い、縦型連続鋳造機により鋳造し、従来材を作製し
た。図1より、本願発明に係わるアルミニウム合金を用
い、連続鋳造後、40%以上の加工度の熱間圧延により得
られた熱間圧延組織を有する本願発明材が、冷間加工性
に優れていることがわかった。
【0039】なお、上記耐摩耗性アルミニウム長尺体を
製造するには、Siを7〜13wt%、Feを0.001〜0.2wt%、Mn
およびCrの少なくとも1つを0.25wt%、Srを0.003〜0.03
wt%、Tiを0.001〜0.03wt%含み、残部がAlおよび不可避
不純物であるアルミニウム合金を溶解し、溶湯中に存在
する水素量を0.2cc/100gAl以下にした後、デンドライ
ト2次枝間隔が50μm以下となる様に連続鋳造により鋳塊
を作製し、その後、350℃〜520℃の温度範囲で40%以上
の熱間圧延が必要であった。圧延温度を350〜520℃とし
たのは、350℃未満の温度では、40%以上の圧延加工が不
可能であり、520℃を越える温度では、粒界割れを生じ
るため、圧延加工が困難なためである。また、熱間圧延
は、鋳造後、連続して行うのが良い。これは、連続鋳造
後、熱間圧延温度に2h以上保持すると、熱間圧延終了後
に行う熱処理時に再結晶粒が粗大となり、冷間加工性向
上の効果が小さくなるためである。
【0040】次に、熱間圧延終了後の熱処理によるSi粒
の制御の効果を図2に示す。図2には、本願発明の試料
NO.21-2の組成にSrを0.01wt%、Tiを0.018wt%添加したア
ルミニウム合金及び同合金においてSrを添加していない
アルミニウム合金を用いた、直径30mmの丸棒試料の熱処
理による平均Si粒径の断面径方向の分布を示した。Srを
添加していないアルミニウム合金では、破線で示すよう
に熱処理前と熱処理後でSi粒の分布が変わらず、冷却速
度の分布が比較的大きい方法で製造すると、試料内部と
外部でSi粒の分布を生じることがわかった。一方、Srを
添加した本願発明のアルミニウム合金(試料NO.21-2)
では、熱処理前にはSi粒の分布があるが、熱処理を施す
ことにより、小さいSi粒が成長し、直径約20μmまで成
長すると成長速度が低下する。また、Si粒の成長は、熱
処理温度350℃から生じることがわかった。ただし、520
℃より高い温度で熱処理を実施するとSi粒の成長が20μ
m以上に成長するので、熱処理温度を520℃以下で実施す
る必要がある。350℃より低い熱処理温度では、Si粒が
成長するために長時間を要し、生産性の面から工業的に
適切な処理と言えない。Si粒を均一に分散させるため
に、必要な熱処理条件は、生産性を考慮して350〜520℃
の温度範囲で2〜50hの熱処理時間であることがわかっ
た。
【0041】本願発明において行われる熱処理は、Si粒
の制御を主とする熱処理であるが、同時に熱間圧延組織
から再結晶組織へと組織が変化する場合、すなわち、第
2の効果が認められた。図3は、熱処理時間に対する冷
間加工性の変化を示す図である。図3に示す様に、熱間
圧延後の熱処理による再結晶組織の生成により、冷間加
工性が向上することがわかった。しかし、長時間の熱処
理は、結晶粒の成長を招き、冷間加工性が低下する。ま
た、熱間加工度が比較的小さい、例えば、加工度40%
未満の場合、部分的な再結晶を生じ粗大粒が生じやす
く、冷間加工性が低下する。このように結晶粒の成長を
伴う場合には、冷間加工性が低下するので、Si粒を制御
できる範囲で、短時間、低温で熱処理を実施することに
より、熱間圧延組織が維持された方が冷間加工性が良い
ことがわかった。なお、冷間加工性に低下が認められる
のは、アルミニウム長尺体の断面内に、約5〜7mm以上の
結晶粒径が認められた段階であることがわかった。
【0042】また、図4は、熱間圧延前の加熱温度350
℃における加熱時間の長さによる冷間加工性の変化を示
す図である。熱間圧延組織の再結晶に対し、熱間圧延前
の熱履歴は重要であり、図4に示すように、連続鋳造の
終了後、1min以内に熱間圧延した際の冷間加工性を100
とすると、熱間圧延前の加熱時間が長い場合、すなわ
ち、熱間圧延前の熱履歴が大きい場合、冷間加工性が低
下することがわかった。これは、Si粒の成長とは異な
り、熱間圧延組織の再結晶は、熱間圧延後の熱処理の初
期の段階(通常1h以下)で生じるが、本願発明のアル
ミニウム合金では、Fe、Mn、Crといった添加元素量を少
なく抑えているため、熱間圧延の実施前に350〜520℃の
温度域に長時間保持すると、これら元素の析出が進行
し、熱間圧延後の熱処理時に再結晶の抑制に有効に寄与
しなくなるためと考えられる。熱間圧延前の熱履歴は、
熱間圧延が可能な加熱温度域で2h以下の保持、望ましく
は10min以下の保持とすることが良いことがわかった。
【0043】次に、本願発明に係わるアルミニウム合金
にCu、Mg元素を添加し、冷間加工性を調査した。表1の
試料NO.1-1〜1-24に対して、更にCuを1、2、3、4、5、
6wt%、Mgを0.2、0.4、0.8、1.0、1.2wt%をそれぞれ加え
た試料、またCuとMgを組み合わせた試料を表1と同様の
製法で作製した。また、同一成分の材料を用い、縦型連
続鋳造機により鋳造し、従来材を作製した。Cuを6wt%添
加した本願発明材は、Al-Cu系の粗大晶析出物が存在
し、従来材に対して冷間加工性が低下した。また、Mgを
1wt%加えた本願発明は、従来製法とほぼ同等の冷間加工
性となり、1.2wt%加えた試料では冷間加工性が低下し
た。一方、その他の本願発明材は、いずれも従来材に比
較して冷間加工性が向上し、耐摩耗性、疲労強度共に従
来材と同等以上の特性を示した。Mgを添加した本願発明
材に関しては、鋳造時にアルミニウム合金初晶(α相)
の微細効果が確認された。上記範囲内では、添加量が増
えるほど、耐摩耗性が従来材と比較して相対的に優れる
結果が得られた。Mgの添加は、アルミニウム合金自体の
強度向上とともに、α相微細化による耐摩耗性向上の効
果があることがわかった。Cu、Mgを添加したアルミニウ
ム合金は、時効処理を施すことにより強度を向上させる
ことができる。Cu、Mg添加元素を含む本願発明材を冷間
加工性試験において60%圧縮した試料と冷間圧縮加工が
不可能であったため、325℃で60%の温間圧縮加工により
作製した従来材を、溶体化処理(495℃×3h熱処理後、
水冷)した後、時効熱処理(175℃×8h)した。これら
の試料の耐摩耗性、疲労強度を比較すると、本願発明材
は、耐摩耗性、疲労強度ともに、同一組成の従来材に比
較して優れていることがわかった。なお、Cu、Mg添加を
含むアルミニウム合金の上記溶体化、T6熱処理後の引張
強さは、概略次式で表すことができた。
【0044】σb(N/mm2)=180(±60)+50×Cu(wt%)+Mg(w
t%)×(110+60/Mg(wt%))
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本願発明に係わるア
ルミニウム合金を連続鋳造し、熱間圧延、熱処理を行う
ことにより、機械的特性、冷間加工性に優れた耐摩耗性
アルミニウム合金長尺体を得ることができる。また、耐
摩耗性アルミニウム合金長尺体をコイルの状態で供給が
可能であり、さらに、冷間加工性に優れることから、加
工する際に素材を加熱することが不要であり、冷間鍛造
加工と組み合わせ、素材から部品を連続して作製するこ
とができるという工業上顕著な効果を奏するものであ
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のアルミニウム合金長尺体と従来材の
加工度に対する冷間加工性の関係を示した図である。
【図2】本願発明のアルミニウム合金とSrを添加してい
ないことを除き同一成分のアルミニウム合金を用いた丸
棒試料の熱処理による平均Si粒径の断面径方向の分布を
示した図である。
【図3】本願発明のアルミニウム合金長尺体と従来材に
ついての熱間圧延後の熱処理時間に対する冷間加工性の
関係を示す図である。
【図4】本願発明のアルミニウム合金長尺体の熱間圧延
前の熱履歴による冷間加工性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 684 684C 691 691B 691C 694 694A 694B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siを7〜13wt%、Feを0.001〜0.2wt%、Mnお
    よびCrの少なくとも1つを0.001〜0.25wt%、Srを0.003〜
    0.03wt%、Tiを0.005〜0.03wt%含み、残部がAlおよび不
    可避不純物であるアルミニウム合金であり、内部に存在
    するSi粒の大きさが平均20μm以下であり、かつ、最大
    のSi粒の大きさが40μm以下であり、更に、結晶組織が
    熱間圧延組織、あるいは再結晶組織、あるいは熱間圧延
    組織と再結晶組織の混合組織からなることを特徴とする
    耐摩耗性アルミニウム合金長尺体。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム合金は、Cuを0.001〜5wt
    %含むことを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性アル
    ミニウム合金長尺体。
  3. 【請求項3】前記アルミニウム合金は、Mgを0.001〜1wt
    %含むことを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩
    耗性アルミニウム合金長尺体。
  4. 【請求項4】Siを7〜13wt%、Feを0.001〜0.2wt%、Mnお
    よびCrの少なくとも1つを0.001〜0.25wt%、Srを0.003〜
    0.03wt%、Tiを0.005〜0.03wt%含み、残部がAlおよび不
    可避不純物であるアルミニウム合金を溶解し、連続鋳造
    により鋳塊を作製し、その後350℃〜520℃の温度範囲
    で、加工度40%以上の熱間圧延を施すことを特徴とする
    耐摩耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記アルミニウム合金の連続鋳造によるア
    ルミニウム合金のデンドライト2次枝間隔が50μm以下
    であることを特徴とする請求項4に記載の耐摩耗性アル
    ミニウム合金長尺体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記アルミニウム合金の連続鋳造時の溶湯
    中に存在する水素量が0.2cc/100gAl以下であることを
    特徴とする請求項4に記載の耐摩耗性アルミニウム合金
    長尺体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記アルミニウム合金は、Cuを0.001〜5wt
    %含むことを特徴とする請求項4に記載の耐摩耗性アル
    ミニウム合金長尺体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記アルミニウム合金は、Mgを0.001〜1wt
    %含むことを特徴とする請求項4または7に記載の耐摩
    耗性アルミニウム合金長尺体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記アルミニウム合金を連続鋳造し、熱間
    圧延後、350〜520℃の温度範囲で2〜50hの熱処理を施す
    ことを特徴とする請求項4に記載の耐摩耗性アルミニウ
    ム合金長尺体の製造方法。
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