JP2001200238A - 紫外線吸収剤及びそれを含有した皮膚外用剤 - Google Patents

紫外線吸収剤及びそれを含有した皮膚外用剤

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JP2001200238A JP2000014148A JP2000014148A JP2001200238A JP 2001200238 A JP2001200238 A JP 2001200238A JP 2000014148 A JP2000014148 A JP 2000014148A JP 2000014148 A JP2000014148 A JP 2000014148A JP 2001200238 A JP2001200238 A JP 2001200238A
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citrus
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Hiroshi Taguchi
寛 田口
Kenji Yamamoto
兼史 山本
Hiroaki Saegusa
裕昭 三枝
Masanori Hiramitsu
正典 平光
Yoshiaki Miyake
義明 三宅
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Pokka Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 柑橘類由来のフラボノイド類(エリオシ
トリン、グルコシルジオスミン、ナリンジン、ヘスペリ
ジン等)を有効成分とする紫外線吸収剤。 【効果】 フラボノイド類は、UV−A、UV−Bのい
ずれの紫外線に対しても吸収作用があり、更に、活性酸
素やフリーラジカルを消去する作用のほか、皮膚炎症、
日焼け、老化の予防作用もあり、水溶性で安全性も高
く、例えば皮膚外用剤に配合すると、非常にすぐれた効
果が奏される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収剤及び
その利用に関するものであり、更に詳細には、本発明
は、紫外線吸収効果を有し、且つ、活性酸素やフリーラ
ジカルの消去効果を有するレモン果実由来のフラボノイ
ド類を含有する皮膚外用剤であり、人体への安全性が高
く、且つ、紫外線による皮膚炎症の防止効果のある皮膚
外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地表に届く紫外線の400nm〜320
nmの長波長紫外線(UV−A)、320〜290nm
中波長紫外線(UV−B)は、人間の皮膚に様々な影響
を及ぼす。皮膚に炎症を起こす一因として、紫外線(特
にUV−B)の皮膚内への透過が挙げられる。炎症を予
防するためには紫外線吸収剤、顔料などにより紫外線の
透過を阻止する必要がある。しかし、炎症が生じた場
合、皮膚内で細胞膜に存在するアラキドン酸が遊離し、
シクロオキシゲナーゼ系を介し各種のプロスタグランジ
ン類が生成される。また、一方ではリポキシゲナーゼ系
により様々なロイコトリエン類も生成される。
【0003】これら化学的伝達物質は、細動脈の血管拡
張を起こし紅斑の原因となるほか、血管の透過性を高め
て浮腫を引き起こすなど、炎症の原因となっている。こ
れらの化学的伝達物質は様々な形でメラノサイトに作用
し、メラノサイト内でのメラニン合成にも寄与する。メ
ラノサイト内においてチロシンが酸化を受け生成された
メラニンは、表皮細胞に受け渡され、これにより皮膚の
色調は変化し黒化がみられる。酸化を防止する機能を有
する物質としては、活性酸素を捕獲、消去する物質や、
メラニンの生合成に関与する酵素チロシナーゼに対する
活性阻害作用を有する物質等が有効であることが知られ
ている。
【0004】一方、UV−Aは、そのエネルギーが真皮
にまで到達して組織の変化をもたらし、この変化が皮膚
の老化や皮膚ガンの一因になることが判明した。また、
UV−Aは、即時黒化作用を有するだけでなく、UV−
Bによってひき起こされる紅斑や黒化を促進することも
判明し、抗UV−A作用の重要性が改めて確認されるよ
うになった。
【0005】また、紫外線により生成するフリーラジカ
ルや活性酸素の皮膚への有害性が言われてきている。例
えば経時的な皮膚の老化の原因の一つは、繊維、細胞及
び酵素のような皮膚を形成する要素内でフリーラジカル
が生じることであると考えられている。このフリーラジ
カルは、連鎖反応によって皮膚の要素を攻撃し、外皮レ
ベルの有害な作用によって、細胞DNAの破壊及び結合
組織(コラーゲン及びエラスチン)の浸食を引き起こ
し、皮膚の老化が見られる。
【0006】特開昭55−87712号公報には、活性
酸素を捕獲、消去するスーパーオキシドディスムターゼ
(SOD)を配合してなる化粧品が提案されている。ま
た、チロシナーゼ活性阻害作用を有する物質としてクエ
ルセチン(特開昭55−92305号公報)、ビタミン
C誘導体(特開昭56−135411号公報)を配合し
た美白化粧料が提案されている。紫外線による炎症抑制
を目的として、紫外線を遮断する微粒化酸化チタンや紫
外線吸収剤を配合した化粧料も提案されている。また、
化学合成による多種多様な紫外線吸収剤として、例えば
ジベンゾイルメタン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ウ
ロカイン酸、p−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシル
p−ジメチルアミノベンゾエートなどが挙げられ、これ
らは実際に化粧料に配合され、紫外線の予防に用いられ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術にお
いて、SODやビタミンC誘導体は保存安定性が不十分
であり、クエルセチンは水への溶解性も実用上不十分で
あった。また、従来は脂溶性の紫外線吸収剤を用いてい
たため、皮膚に塗布した際にべとつく感触があり、使用
感は良好とは言えなかった。
【0008】しかしながら、従来の化学合成による紫外
線吸収剤を配合した日焼け防止化粧料は、接触皮膚炎や
日光過敏症を引き起こしたりして、光感作等の点で安全
性に問題があり、配合量が制限されるなど化粧品原料の
中では問題がある薬剤である。一方、天然物由来の物は
一般に作用が温和で安全性が高く、多量に配合すること
も可能であることから、消費者においては、安全、安心
面から機能性を有する天然物使用の指向が見られている
のが現状である。
【0009】紫外線吸収剤としては吸収波長が270n
m以下の短波長の紫外線を吸収するものが多く、問題と
なるUV−B領域の波長を吸収するものはあまりなく、
いまだ満足すべき効果を発揮するものは得られていなか
った。ましてや、UV−BのみでなくUV−Aの双方の
領域の波長を吸収し、しかも安全性が高く、皮膚に対す
る使用感にすぐれた物質であって、満足すべき物質は未
だ知られていないのが現状である。
【0010】本発明は、このような従来技術の現状に鑑
みなされたものであり、その目的は天然物より得られる
安全性が高い物質であり、実用性においても水溶性であ
るために実用性が高い。活性酵素の消去活性を持ち、し
かもUV−A、UV−Bの両領域に吸収を有する紫外線
吸収剤およびこれを含有する皮膚外用剤を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に鋭意検討した結果、レモンフラボノイド類に優れた紫
外線吸収能が存在し、天然の紫外線吸収剤として有用で
あり、また、全く予期せざることに、活性酵素やフリー
ラジカル消去作用のほか、皮膚炎症、日焼け、老化の予
防作用も有することを見出し、これらの新知見に基づ
き、これを配合することによって安全なサンプル製品が
得られることができることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0012】本発明においては、紫外線吸収結果を有す
る柑橘系由来のフラボノイド類であればすべてのものが
使用可能であり、また、どのような製法で製造したもの
も使用可能である。例えば、ナリンジン、ヘスペリジ
ン、エリオシトリン、グルコシルジオスミン等が単用な
いし2種以上併用できる。
【0013】フラボノイド類としては、純品が使用でき
るほか、フラボノイド類含有物も使用可能であり、例え
ば、下記する少なくともひとつのフラボノイド類含有物
が使用可能である。 (a)柑橘類の果汁及び/又はその濃縮物、 (b)柑橘類の果汁、果皮、果皮含有物、果汁、搾汁類
の少なくともひとつを水及び/又は有機溶媒で抽出して
得た抽出物。 (c)上記抽出物を更に精製して得た精製物。
【0014】柑橘類としては、レモン、ライム、グレー
プフルーツ、ユズ、ネーブルオレンジ、バレンシアオレ
ンジ、サワーオレンジ、はっさく、温州ミカン、アマナ
ツ、キンカン、イヨカン、夏ミカン、ダイダイ、ブンタ
ン、カボス、スダチ、ポンカンから選択された1種又は
2種以上が使用されるが、レモンの使用が特に好適であ
る。
【0015】本発明において使用するエリオシトリンは
分離、精製された単体及び/又はエリオシトリン含有物
(エリオシトリン含有素材及び/又はエリオシトリン含
有抽出物)が適宜使用される。
【0016】エリオシトリンは、構造物名がエリオジク
チオール−7−ルチノシド(Eriodictyol-7-rutinosid
e)であり、フラボノイド化合物のうちフラバノン類に
属するエリオジクチオールにルチノース(二糖類:グル
コースとラムノース)が結合したフラボノイド配糖体で
ある。エリオシトリンは柑橘類に存在し、特にレモンや
ライムに多く含まれ、オレンジ類にも存在する。エリオ
シトリンがすぐれた抗酸化性を有することは従来全く知
られておらず、特に本出願人が初めて発見した新規な知
見であり、この新知見に基づき柑橘果実由来の抗酸化性
物質に関する新規発明について、特開平9−48969
号として既に出願している。しかしながら、エリオシト
リンがすぐれた紫外線吸収作用を有することは全く知ら
れていない。
【0017】本発明においては、エリオシトリンとして
は、上記したように、精製したエリオシトリン自体が使
用できることはもちろんのこと、エリオシトリン含有物
も使用することができる。前者の例としては、本出願人
の出願に係る特開平9−48969号において提案し
た、柑橘類の果皮、果皮含有物、果汁、搾汁粕から、水
及び/又は有機溶媒、例えば極性溶媒で抽出後、樹脂処
理、分取クロマトグラフィー等の精製処理を行いエリオ
シトリンを得る方法や、後者の例としては、特願平11
−162207号において提案した、柑橘類の果皮、果
汁、搾汁粕から極性溶媒で抽出後、合成吸着樹脂に供
し、温水を流した後、30%エタノールで溶出し、濃縮
して得られるエリオシトリン含有抽出物等を用いること
ができる。このエリオシトリン含有物には、エリオシト
リン以外にフラボノイド類等が含有されており、その具
体例としては、6,8-di-C-glucosyldiosmin、hesperidi
n、naringin等が挙げられる。また、前者において、抽
出後に精製処理を全く行わないあるいは一部しか行わな
い場合も、エリオシトリン含有抽出物に包含される。
【0018】グルコシルジオスミンとしては、6,8−
ジ−C−グルコシルジオスミン(ジオスミン−6,8−
C−ジ−β−D−グルコピラノシド)、6−C−グルコ
シルジオスミン(ジオスミン−6−C−β−D−グルコ
ピラノシド)等が例示される。グルコシルジオスミンが
すぐれた抗酸化作用を有することは、本発明者らが先に
発見したが、すぐれた紫外線吸収作用を有することは全
く知られていない。
【0019】グルコシルジオスミンとしては、純品が使
用できるほか、上記した含有物が使用可能であるし、ま
た、例えば本出願人に係る特開平10−245552号
において提案した、柑橘類の果汁、果皮、果皮含有物及
び/又は搾り粕を、水、有機溶媒又はこれらの混合物で
抽出し、得られた抽出物を逆相樹脂処理、液体クロマト
グラフィー等の精製処理を組み合わせて行うこと、を特
徴とする抗酸化性物質6,8−ジ−C−グルコシルジオ
スミン、又は、6−C−グルコシルジオスミンの製造方
法によって製造したものを使用してもよい。
【0020】なお、エリオシトリン(グルコシルジオス
ミンその他フラボノイド類も同様である)としては、化
学合成品、抽出品を更に精製して純品化したものが使用
できることはもちろんのこと、エリオシトリン含有物と
しては、エリオシトリンを含有した物質すべてを指し、
エリオシトリンを水その他の液体、固体担体等に含有せ
しめたものもすべて本発明に包含される。したがって、
エリオシトリン含有物には、レモン果汁、オレンジ果
汁、ライム果汁その他柑橘果汁又はその濃縮物といった
エリオシトリン含有素材も包含される。
【0021】本発明を実施するに際して、例えばフラボ
ノイド類含有物、含有素材、抽出物等の場合等において
は、経済性等フラボノイド類を必らずしも各成分にまで
純粋に単離、精製して使用する必要がない場合もあり、
このような場合には、各種フラボノイド類が混合したま
まで使用することも可能である。
【0022】フラボノイド類は、すぐれた紫外線吸収作
用を有するという特徴を有するだけでなく、UV−B領
域のみならずUV−A領域の波長も吸収できるという特
徴も有する。したがって本発明は、フラボノイド類から
なることを特徴とする、新規にして卓越した紫外線吸収
剤を提供するものである。なお本発明において、紫外線
吸収作用には、紫外線の吸収のほか、紫外線の散乱、カ
ット等肌に到達するのを防止する作用をすべて包含する
ものである。
【0023】本発明に係る紫外線吸収剤は、上記のよう
にそしてまた後記するところからも明らかなように、す
ぐれた紫外線吸収効果を奏するので、化粧品、医薬品、
飲食品、トイレタリー製品、工業薬品等に添加して、こ
れらを紫外線の害から守ることができる。
【0024】フラボノイドに紫外線吸収効果があること
は今回はじめて明らかとなったが、紫外線吸収効果を特
に発揮するフラボノイドを用いた皮膚外用剤は、紫外線
カット効果を有するだけでなく、この皮膚外用剤を予め
塗付しておけば、皮膚の炎症、日焼け、老化(しみ、そ
ばかすなど)などを予防することができるし、また、皮
膚炎症後に塗付しても症状を小さくすることが出来る。
さらに、紫外線によって発生するフリーラジカルも老化
などの原因になるが、予め塗付しておくことにより、フ
リーラジカルや活性酸素を消去でき、皮膚のトラブルを
予防できる。
【0025】本発明の有効な皮膚外用剤全量におけるフ
ラボノイドの配合量は、乾燥物として0.005〜30
重量%が好ましい。配合量が0.005重量%未満であ
ると紫外線吸収効果が十分に発揮されず、また30重量
%以上配合してもコストが高くなり現実的でない。
【0026】また、本発明の紫外線吸収皮膚外用剤は、
フラボノイドの必須成分に加え、必要に応じて本発明の
効果を損なわない範囲内で、化粧料、医薬部外品、医薬
品に一般に用いられる各種成分、水性成分、保湿剤、増
粘剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、色剤、薬剤等を配合
することができる。例えば、固体状或いは液状パラフィ
ン、クリスタルオイル、セレシン等の炭化水素類、オリ
ーブ油、カルナバロウ、ラノリンのような植物性もしく
は動物性油脂やロウ、更にステアリン酸、パルミチン
酸、オレイン酸のような脂肪酸又はそのエステル類、ア
ルコール類、多価アルコール類又はそのエステル類、非
イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤のような界面活性剤を挙げることができ
る。
【0027】また、本発明には植物抽出物や薬剤も適宜
配合できる。例えば、アロエ、マンネンロウ、ヘチマ、
ベニバナ、グリチルリチンが挙げられる。また、本発明
の紫外線吸収皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば、
液状、乳液状、クリーム状、スティック状等の剤型をす
ることができる。
【0028】本発明に係る紫外線吸収剤に用いるフラボ
ノイド類は、柑橘系由来のものであり、本来食用に供さ
れたものである故、安全性に格別の問題はなく、現に実
施例にしたがって製造したレモンフラボノイド配合皮膚
用クリームを30名の女性ボランティアに1日2回顔面
及び手に使用してもらったところ、2カ月間の間、皮膚
への副作用は全く認められなかった。以下、本発明の実
施例について述べる。
【0029】
【実施例1】本発明においてレモンフラボノイドとして
は、エリオシトリン及びエシオシトリン含有物を使用し
たが、次の2通りの方法によって製造した。
【0030】(方法1) レモン果皮3kgを、ホモジ
ナイザーで粉砕し、12Lの水を加え2時間煮沸処理を
し、その後抽出液をろ過し、ろ液を得た。これをエバポ
レーターで減圧濃縮して抽出物を得た。次に200ml
の水に溶かし、逆相樹脂カラム(4cm×50cm、C
osmosil 75C18−OPN;(株)ナカライ
テスク)に流した。1.5Lの水を流した後、40%メ
タノール溶出画分を減圧濃縮し、濃縮物を5mlの水に
溶かした。これを分取高速液体クロマトグラフィーによ
り、エリオシトリンを分取し、これを濃縮乾固し、粉末
5.0gを得た。(エリオシトリン;90%以上含有)
【0031】(方法2) レモン果皮2kgを粉砕し1
0Lの水を加えて、常温にて30分間浸漬し、その後、
抽出液をろ過してろ液を得た。これを遠心分離(900
0rpm、20分間)を行い、上澄み液を合成吸着樹脂
(200ml;アンバーライトXAD−16;(株)ロ
ーム アンド ハース社)に通した。その後、1Lの水
を流した後、60℃に温水2Lを樹脂に流した後、30
%エタノール1Lで溶出した。この溶出液を濃縮乾固
し、エリオシトリン含有抽出物10.5gを得た。(エ
リオシトリン;30%含有)
【0032】
【実施例2】レモンフラボノイドとして実施例1の方法
1で製造したエリオシトリン(90%以上含有物)を使
用し、紫外線吸収スペクトルの測定を行った。
【0033】レモンフラボノイドを濃度10ppmにな
るように水に溶解し、紫外線吸収スペクトルを分光光度
計(日立U−2000)にて測定した。その結果を図1
に示す。レモンフラボノイドにはUV−A及びUV−B
領域に紫外線吸収能を有していた。
【0034】
【実施例3】レモンフラボノイドとして実施例1の方法
1で製造したエリオシトリン(90%以上含有物)を使
用し、紫外線(UV−B)の吸収性試験を行った。
【0035】レモンフラボノイド水溶液の紫外線吸収量
をコンピュータ制御の自動紫外線照射装置(ATTO社
ATR−3WX)を用いて調べた。内径3.4cmの
シャーレに各濃度のレモンフラボノイド溶液(1mL)
を均一にまき、紫外線UV−B(312nm)の透過率
を調べた。比較溶液として超純水を用いた。その結果を
図2に示す。25mg/mLレモンフラボノイド溶液に
おいて、100%透過が阻害された。
【0036】
【実施例4】レモンフラボノイドとして実施例1の方法
1で製造したエリオシトリン(90%以上含有物)を使
用し、活性酵素の消去能を測定した。あわせて、比較試
料及び対照試料についても測定を行った。
【0037】50mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH1
0.2)に溶かした3.7mUのキサンチンオキシダー
ゼ(和光純薬工業製)0.2mL、緩衝液に溶かした1
mMキサンチン0.3mL、蒸留水に溶かした0.25
mMニトロブルーテトラゾリウム0.3mL、緩衝液に
溶解した1mg/mLまたは、10mg/mL試料を
0.03mL、緩衝液2.2mLを混合し、37℃で3
分間反応させ、吸光度560nmを測定した。コントロ
ールとしてキサンチンオキシダーゼを添加せずに緩衝液
を添加した。比較試料として、市販のワインポリフェノ
ール、緑茶ポリフェノールを用いた。
【0038】スーパーオキシド(O2 -)の消去活性率A
(%)は、次式により算出した。A(%)=100−
(測定吸光度/コントロールの吸光度)
【0039】得られた結果を図3に示す。その結果から
明らかなように、レモンフラボノイドに活性酸素のスー
パーオキシド(O2 -)の高い消去活性が認められた。
【0040】
【実施例5】レモンフラボノイドの紫外線(UV−B)
照射による皮膚炎症の抑制効果を、ヘアレスマウスを用
いて以下により確認した。
【0041】レモンフラボノイド(実施例1の方法1)
を塗布したヘアレスマウス(4匹)に、紫外線をコンピ
ュータ制御の自動紫外線照射装置(ATTO社 ATR
−3WX)を用いて照射して皮膚炎症への影響を調べ
た。紫外線照射条件は紫外線UV−B(312nm)
で、最初の1回は1.8J/cm2、2週間してから週
3回(火、木、土)0.343J/cm2で、照射量
0.3J/cm2、照射強度0.3mW/cm2で、15
分間照射した。
【0042】試験は、以下の4群について行った。 (1)マウスに超純水を塗布して紫外線照射なしの群、 (2)マウスに超純水を塗布して紫外線照射ありの群、 (3)マウスに25mg/mLのレモンフラボノイド溶
液を塗布して紫外線照射なしの群、 (4)マウスに25mg/mLのレモンフラボノイド溶
液を塗布して紫外線照射ありの群。
【0043】これら各群について、市販の標準飼料を用
い、飲水食餌は自由摂取で、12時間の明暗のサイクル
にて25℃で飼育した。図4(写真1)に、紫外線照射
実験を開始して1ケ月後の経過結果を示す。(4)群の
レモンフラボノイド塗布のマウスで、紫外線照射による
皮膚炎症の抑制効果が認められた。
【0044】
【実施例5】以下の配合により、レモンフラボノイド
(実施例1の方法1)を配合した皮膚外用剤(クリー
ム)を製造した。
【0045】 (A.油相) ステアリン酸 10.0% ステアリルアルコール 4.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 8.0 ビタミンEアセテート 0.5 香料 0.4 エチルパラベン 0.1 ブチルパラベン 0.1 プロピルパラベン 0.1 (B.水相) レモンフラボノイド 0.03 1,3−ブチレングリコール 10.0 プロピレングリコール 8.0 グリセリン 2.0 水酸化カリウム 0.4 精製水 残余
【0046】
【実施例6】以下の配合により、レモンフラボノイド
(実施例1の方法2)を配合した皮膚外用剤(乳液)を
製造した。
【0047】 (A.油相) スクワラン 5.0% オレイルオレート 3.0 ワセリン 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 1.2 2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート 3.0 香料 0.12 (B.水相) レモンフラボノイド 0.2 ジプロピレングリコール 5.0 エタノール 3.0 カルボキシルビニルポリマー 0.17 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1 水酸化カリウム 0.08 メチルパラベン 0.15 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05 精製水 残余
【0048】
【発明の効果】本発明者らによって、柑橘由来のフラボ
ノイド(エリオシトリン、グルコシルフラボン、ナリン
ジン、ヘスペリジその他)はすぐれた紫外線吸収作用を
有することが、はじめて見出された。更にフラボノイド
は、上記のほか、紫外線が一因とも考えられている活性
酸素やフリーラジカルの消去ないし低減活性を有し、ま
た、同じく紫外線が一因とも考えられている皮膚炎症、
日焼け、老化を予防する作用も有する。したがって、フ
ラボノイドを有効成分とする本発明に係る紫外線吸収剤
は、皮膚外用剤、医薬品、飲食品、トイレタリー製品、
工業薬品等に配合して、上記用途に利用することができ
る。
【0049】本発明において、フラボノイド類として
は、純品が使用できるほか、含有物、含有素材等、ある
いはその抽出物も使用可能であって、例えば、レモン
(Citrus limon Burm.f.)果実抽出
物から調製したレモンフラボノイドも有利に使用するこ
とができる。
【0050】フラボノイド類は、上記したすぐれた作用
を有するだけでなく、天然物由来でありしかも食用経験
の長い天然物由来であるため人体への安全性に格別の問
題はなく、しかも水溶性であるというきわめてすぐれた
特徴を有するため、応用性が高く、皮膚化粧料等各種の
用途に広範に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラボノイドの紫外線吸収スペクトルの測定結
果を示す。
【図2】フラボノイド溶液の紫外線(UV−B)吸収量
の測定結果を示す。
【図3】フラボノイドの活性酸素消去能の測定結果を示
す。LFはレモンフラボノイドを、WPはワインポリフ
ェノールを、GPは緑茶ポリフェノールを示す。
【図4】紫外線(UV−B)照射ヘアレスマウスの皮膚
炎症の抑制効果を示す図面代用写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 兼史 愛知県西春日井郡師勝町大字熊之庄字十二 社45−2 株式会社ポッカコーポレーショ ン基礎技術研究所内 (72)発明者 三枝 裕昭 愛知県西春日井郡師勝町大字熊之庄字十二 社45−2 株式会社ポッカコーポレーショ ン基礎技術研究所内 (72)発明者 平光 正典 愛知県西春日井郡師勝町大字熊之庄字十二 社45−2 株式会社ポッカコーポレーショ ン基礎技術研究所内 (72)発明者 三宅 義明 愛知県西春日井郡師勝町大字熊之庄字十二 社45−2 株式会社ポッカコーポレーショ ン基礎技術研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB032 AB282 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC182 AC242 AC342 AC352 AC422 AC442 AC482 AD042 AD092 AD332 AD391 AD392 AD662 BB46 BB51 CC02 CC05 DD23 DD27 DD31 EE07 EE12 EE17 FF01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柑橘類由来のフラボノイド類からなる紫
    外線吸収剤。
  2. 【請求項2】 柑橘類がレモンである請求項1に記載の
    紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】 フラボノイド類が下記の少なくともひと
    つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外
    線吸収剤。 (a)エリオシトリン及び/又はグルコシルジオスミ
    ン、 (b)エリオシトリン及び/又はグルコシルジオスミン
    含有物。
  4. 【請求項4】 エリオシトリン及び/又はグルコシルジ
    オスミン含有物が下記の少なくともひとつであることを
    特徴とする請求項3に記載の紫外線吸収剤。 (a)柑橘類の果汁及び/又はその濃縮物、 (b)柑橘類の果汁、果皮、果皮含有物、果汁搾汁粕の
    少なくともひとつを水及び/又は有機溶媒で抽出して得
    た抽出物。 (c)上記抽出物の精製物。
  5. 【請求項5】 抗UV−A(長波長紫外線)作用及び/
    又は抗UV−B(中波長紫外線)を有するものであるこ
    と、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    紫外線吸収剤。
  6. 【請求項6】 更に、活性酸素及び/又はフリーラジカ
    ルを消去ないし低減する作用を有するものであること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外
    線吸収剤。
  7. 【請求項7】 更に、皮膚炎症、日焼け、老化の少なく
    ともひとつを予防ないし回復する作用を有するものであ
    ること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の紫外線吸収剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の紫
    外線吸収剤を含有してなること、を特徴とする皮膚外用
    剤。
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