JP2001199993A - ヒドロキシヌクレオシド誘導体 - Google Patents

ヒドロキシヌクレオシド誘導体

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JP2001199993A
JP2001199993A JP2000004320A JP2000004320A JP2001199993A JP 2001199993 A JP2001199993 A JP 2001199993A JP 2000004320 A JP2000004320 A JP 2000004320A JP 2000004320 A JP2000004320 A JP 2000004320A JP 2001199993 A JP2001199993 A JP 2001199993A
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carbon atoms
hydroxynucleoside
formula
compound
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Application number
JP2000004320A
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English (en)
Inventor
Shuji Ichikawa
修治 市川
Yasuhiro Wada
康裕 和田
Masaki Takai
正樹 高井
Takeshi Nakato
毅 中藤
Machiko Narita
真知子 成田
Yuji Okago
祐二 大篭
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核酸系抗ウイルス薬等の医薬化合物を効率的
に製造することができる製造用中間体の提供。 【解決手段】 一般式(I): 【化1】 [式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2
〜30のアルケニル基、炭素数2〜30の非芳香族ヘテ
ロ環炭化水素基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数
3〜21の置換されたシリル基、炭素数1〜7のスルホ
ニル基または炭素数1〜30のオキシカルボニル基を示
し、R2 、R3 、R4 及びR5 は、R2 及びR5 が同時
に水素原子であるときR3 及びR4 はそれぞれ独立して
炭素数1〜20のアシルオキシ基あるいは水酸基を示
し、R3 及びR4 が同時に水素原子であるときR2 及び
5 はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアシルオキシ
基あるいは水酸基を示す]で表されるヒドロキシヌクレ
オシド誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬中間体等の製
造用原料として有用な新規なヒドロキシヌクレオシド誘
導体に関する。
【0002】
【従来の技術】ウイルス性疾患の治療に用いられる多く
の新規な核酸系抗ウイルス薬が現在開発中であるが、こ
れらの製造に際しては天然型の核酸あるいは天然型の糖
質を原料として多工程、低収率で合成する方法が一般的
である。例えば、Biochem. Parmaco
l. 36(17),2719(1987)及び特公平
6−13547号公報には、下記の式で表される化合物
が開示されている。
【0003】
【化3】
【0004】(式中、Lは水素原子またはNH2 基を表
し、Lが水素原子を表す場合、RはNH2 基を表し、X
は水素原子またはフッ素原子を表し、Yは水素原子また
はフッ素原子を表すが、ただしXおよびYの両方が水素
原子となることはなく、そしてLがNH2 基を表す場
合、RはOH基またはNH2 基を表し、Xはフッ素原子
を表し、Yは水素原子を表す)
【0005】この化合物は、核酸系抗ウイルス薬として
有用であることが知られている。上記刊行物には、6−
アミノ−9−(3′−デオキシアラビノフラノシル)−
9−H−プリンの5′位水酸基がジメトキシトリチルク
ロリドで保護され、2′位水酸基がトリフラート誘導体
化され、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドに
よるSN2反応で2′位にフッ素基が導入され、ジクロロ
酢酸により5′位ジメトキシトリチル保護基が除去され
る方法により、2′,3′−デオキシアデノシンの2′
−α−フルオロ異性体すなわち、上記式中、Xがフッ素
原子でありYが水素原子である化合物を合成したことが
記載されているが、この方法では、生成物の収率が低
く、実用的な方法とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、核酸
系抗ウイルス薬等の医薬化合物を効率的に製造すること
ができる製造用中間体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定構造を有する
新規なヒドロキシヌクレオシド誘導体より、ロデノシン
及びその類縁化合物等の核酸系抗ウイルス剤が効率的に
製造できることを見出した。本発明は上記の知見を基に
して完成されたものである。すなわち、本発明は、下記
一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】[式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル
基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30の
非芳香族ヘテロ環炭化水素基、炭素数5〜30のアリー
ル基、炭素数3〜21の置換されたシリル基、炭素数1
〜7のスルホニル基または炭素数1〜30のオキシカル
ボニル基を示し、R2 、R3 、R4 及びR5 は、R2
びR5 が同時に水素原子であるときR3 及びR4 はそれ
ぞれ独立して炭素数1〜20のアシルオキシ基あるいは
水酸基を示し、R3 及びR4 が同時に水素原子であると
きR2 及びR5 はそれぞれ独立して炭素数1〜20のア
シルオキシ基あるいは水酸基を示す]で表されるヒドロ
キシヌクレオシド誘導体を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。式
(I)及び(I−a)において、R1 は炭素数1〜30
のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数
2〜30の非芳香族ヘテロ環炭化水素基、炭素数5〜3
0のアリール基、炭素数3〜21の置換されたシリル
基、炭素数1〜7のスルホニル基または炭素数1〜30
のオキシカルボニル基を示し、R2 、R 3 、R4 及びR
5 は、R2 及びR5 が同時に水素原子であるときR3
びR4 はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアシルオキ
シ基あるいは水酸基を示し、R3及びR4 が同時に水素
原子であるときR2 及びR5 はそれぞれ独立して炭素数
1〜20のアシルオキシ基あるいは水酸基を示す。
【0011】上記式(I)及び(I−a)の化合物にお
いて、R1 〜R5 で定義される基について以下に具体的
に説明する。「炭素数1〜30のアルキル基」又は「炭
素数2〜30のアルケニル基」としては、直鎖、分枝鎖
又は環状のいずれでもよい。「炭素数2〜30の非芳香
族ヘテロ環炭化水素基」とは、炭素原子の少なくとも1
つが酸素原子、窒素原子、イオウ原子等のヘテロ原子で
置換されている飽和又は不飽和の環状炭化水素基を示
す。「炭素数5〜30のアリール基」とは、窒素原子、
酸素原子、イオウ原子などのヘテロ原子を1個又は2個
以上含んでいてもよい単環式又は縮合多環式の芳香族炭
化水素基を示す。
【0012】「炭素数3〜21の置換されたシリル基」
とは、シリル(−SiH3)の水素原子の1以上が炭素
数1〜7の、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基
等で置換されたものを示す。「炭素数1〜7のスルホニ
ル基」とは、炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数5〜
7のアリール基等を有するものを示す。「炭素数1〜3
0のオキシカルボニル基」とは、炭素数1〜29のアル
キル基、炭素数2〜29のアルケニル基又は炭素数5〜
29のアリール基等を有するものを示す。上記官能基
は、置換された状態が上記定義の範囲内であれば1又は
2個以上の任意の置換基を有していてもよい。2個以上
の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なって
いてもよい。置換基の存在位置は特に限定されず、置換
可能な任意の部位に存在することができる。置換基の種
類は特に限定されないが、例えば、アルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、シリル基、シリルオキシ基、ニト
ロ基、アルキレン基、アリーレン基、ヒドロキシ基、ア
ミノ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホニル基、スル
フィニル基、アルコキシカルボニル基、オキシカルボニ
ル基、アルケニル基などを挙げることができる。ここ
で、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
【0013】さらに、上記に例示した置換基は、さらに
1又は2個以上の他の置換基で置換されていてもよい。
このような置換基例としては、例えば、アルコキシアル
キル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリールア
ルキル基、ヘテロアリールアルキル基アルコキシシクロ
アルキル基、アリールアルコキシ基、ハロゲン化アルコ
キシ基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール
基、アルキルアリール基、アルキルシリル基、アリール
シリル基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン
基、アルコキシアリーレン基などを挙げることができ
る。上記に説明した官能基の置換基は例示のためのもの
であり、これらに限定されることはない。
【0014】上記一般式(I)中のR1 の具体的な官能
基としては、以下のものが挙げられる。炭素数1〜30
のアルキル基としては、例えば、メチル基、メトキシメ
チル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル
基、エトキシメチル基、ベンゾイルメチル基、p−メト
キシベンジルオキシメチル基、(4−メトキシフェノキ
シ)メチル基、グアイアコールメチル基、t−ブトキシ
メチル基、4−ペンチルオキシメチル基、2−メトキシ
エトキシメチル基、2−トリメチルシリルエトキシメチ
ル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−
ジメトキシベンジル基、p−クロロベンジル基、o−ニ
トロベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−シアノベ
ンジル基、p−フェニルベンジル基、ジフェニルメチル
基、トリフェニルメチル基、α−ナフチルジフェニルメ
チル基、p−メトキシフェニルジフェニルメチル基、ジ
(p−メトキシフェニル)フェニルメチル基、トリ(p
−メトキシフェニル)メチル基、ジ(4−メトキシフェ
ニル)メチル基、4,4′,4″−トリス(ベンゾイル
オキシフェニル)メチル基、1,1−ビス(4−メトキ
シフェニル)−1′−ピレニルメチル基、9−アントリ
ル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキ
シ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1
−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、2−トリメチ
ルシリルエチル基、t−ブチル基、トリメチルシリルオ
キシメチル基、ジメチル(t−ブチル)シリルオキシメ
チル基、ジメチル(1,1,2−トリメチルプロピル)
シリルオキシメチル基、ジフェニル(t−ブチル)シリ
ルオキシメチル基等が挙げられる。
【0015】炭素数2〜30の非芳香族ヘテロ環炭化水
素基としては、例えば、1−メトキシシクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;1,4−ジオキサン−2−イル
基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基
等が挙げられる。炭素数3〜21の置換されたシリル基
としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシ
リル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロ
ピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチ
ル(t−ブチル)シリル基、ジメチル(1,1,2−ト
リメチルプロピル)シリル基、ジフェニル(t−ブチ
ル)シリル基、トリベンジルシリル基、トリ−p−キシ
リルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチ
ルシリル基、(t−ブチル)メトキシフェニルシリル基
等が挙げられる。
【0016】炭素数1〜30のオキシカルボニル基とし
ては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、イソブチ
ルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル
基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニ
ル基、フェニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル
基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、1−ナフ
トキシカルボニル基等が挙げられる。炭素数1〜7のス
ルホニル基としては、例えば、ベンジルスルホニル基、
メタンスルホニル基、トシル基等が挙げられる。炭素数
2〜30のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、
アリル基、2−シクロヘキセニル基等が挙げられる。炭
素数5〜30のアリール基としては、例えば、フェニル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−メトキシフ
ェニル基、2,4−ジニトロフェニル基、2−ピリジル
基、3−ピリジル基、8−(1)−キノリル基等が挙げ
られる。
【0017】上記した官能基の中で、R1としては、置
換もしくは無置換のベンジル基、置換もしくは無置換の
トリフェニルメチル基が好ましく、更に具体的にはトリ
フェニルメチル基、4−メトキシフェニルジフェニルメ
チル基、ジ(4−メトキシフェニル)フェニルメチル
基、トリ(4−メトキシフェニル)メチル基、ジ(4−
メトキシフェニル)メチル基等が好ましく、トリフェニ
ルメチル基がより好ましい。上記一般式(I)中の
2 、R3 、R4 及びR5 の炭素数1〜20のアシルオ
キシ基は、下記一般式(III):
【0018】
【化5】R6 COO− (III)
【0019】[式中、R6 は、炭素数1〜19のアルキ
ル基、炭素数2〜19のアルケニル基、炭素数2〜19
の非芳香族ヘテロ環炭化水素基、炭素数5〜19のアリ
ール基を示す]で表される。ここで、「炭素数1〜19
のアルキル基」又は「炭素数2〜19のアルケニル基」
としては、直鎖、分枝鎖又は環状のいずれでもよい。
「炭素数2〜19の非芳香族ヘテロ環炭化水素基」と
は、炭素原子の少なくとも1つが酸素原子、窒素原子、
イオウ原子等のヘテロ原子で置換されている飽和又は不
飽和の環状炭化水素基を示す。「炭素数5〜19のアリ
ール基」とは、窒素原子、酸素原子、イオウ原子などの
ヘテロ原子を1個又は2個以上含んでいてもよい単環式
又は縮合多環式の芳香族炭化水素基を示す。
【0020】上記官能基は、置換された状態が上記定義
の範囲内であれば、1又は2個以上の任意の置換基を有
していてもよい。2個以上の置換基を有する場合には、
それらは同一でも異なっていてもよい。置換基の存在位
置は限定されず、置換可能な任意の部位に存在すること
ができる。置換基の種類は特に限定されないが、例え
ば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シリル
基、シリルオキシ基、ニトロ基、アルキレン基、アリー
レン基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン
原子、スルホニル基、スルフィニル基、アルコキシカル
ボニル基、オキシカルボニル基、アルケニル基などを挙
げることができる。ここで、ハロゲン原子としては、前
記したものが挙げられる。
【0021】さらに、上記に例示した置換基は、さらに
1又は2個以上の他の置換基で置換されていてもよい。
このような置換基として、例えば、アルコキシアルキル
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリールアルキ
ル基、ヘテロアリールアルキル基、アルコキシシクロア
ルキル基、アリールアルコキシ基、ハロゲン化アルコキ
シ基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、
アルキルアリール基、アルキルシリル基、アリールシリ
ル基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、
アルコキシアリーレン基などを挙げることができる。上
記に説明した置換基は例示のためのものであり、これら
に限定されることはない。
【0022】上記一般式(III)中のR6 の具体的な官能
基としては、以下のものが挙げられる。炭素数1〜19
のアルキル基としては、例えば、メチル基、メトキシメ
チル基、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル
基、エトキシメチル基、ベンゾイルメチル基、p−メト
キシベンジルオキシメチル基、(4−メトキシフェノキ
シ)メチル基、グアイアコールメチル基、t−ブトキシ
メチル基、4−ペンチルオキシメチル基、2−メトキシ
エトキシメチル基、2−トリメチルシリルエトキシメチ
ル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−
ジメトキシベンジル基、p−クロロベンジル基、o−ニ
トロベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−シアノベ
ンジル基、p−フェニルベンジル基、ジフェニルメチル
基、トリフェニルメチル基、α−ナフチルジフェニルメ
チル基、p−メトキシフェニルジフェニルメチル基、ジ
(p−メトキシフェニル)フェニルメチル基、トリ(p
−メトキシフェニル)メチル基、ジ(4−メトキシフェ
ニル)メチル基、4,4′,4″−トリス(ベンゾイル
オキシフェニル)メチル基、1,1−ビス(4−メトキ
シフェニル)−1′−ピレニルメチル基、9−アントリ
ル基、1−エトキシエチル基、1−(2−クロロエトキ
シ)エチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1
−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、2−トリメチ
ルシリルエチル基、t−ブチル基、1−メトキシシクロ
ヘキシル基、トリメチルシリルオキシメチル基、ジメチ
ル(t−ブチル)シリルオキシメチル基、ジメチル
(1,1,2−トリメチルプロピル)シリルオキシメチ
ル基、ジフェニル(t−ブチル)シリルオキシメチル基
等が挙げられる。
【0023】炭素数2〜19のアルケニル基としては、
例えば、ビニル基、アリル基、2−シクロヘキセニル基
等が挙げられる。炭素数2〜19の非芳香族ヘテロ環炭
化水素基としては、例えば、1,4−ジオキサン−2−
イル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニ
ル基等が挙げられる。
【0024】炭素数5〜19のアリール基としては、例
えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、
p−メトキシフェニル基、2,4−ジニトロフェニル
基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、8−(1)−キ
ノリル基等が挙げられる。これらのなかでも、R6とし
ては、t−ブチル基、エチル基、メチル基等が好まし
く、メチル基がより好ましい。即ちR2〜R5のアシルオ
キシ基としては、炭素数5以下のものが好ましく、それ
らの中でアセチルオキシ基が最も好ましい。
【0025】上記したR1〜R6の置換基の定義におい
て、具体的に示されていない基は、上記した原子および
基から任意に組合せて、或いは一般的に知られた常識に
従って選択される。本発明の上記一般式(I)で表され
るヒドロキシヌクレオシド誘導体の合成法を、式(
のアデノシン誘導体を例にとり下記反応式Aに従って説
明する。式(I)のヒドロキシヌクレオシド誘導体とし
ては、複数の立体異性体を含み、そのいずれであっても
よいが、中でも、式(I−a)のヒドロキシヌクレオシ
ド誘導体が好ましい。
【0026】
【化6】
【0027】[式中、R1 は前記と同義であり、R8
9 、R10及びR11は、R8 及びR11が同時に水素原子
であるときR9 及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜
20のアシルオキシ基あるいは−OSO3 X基を示し、
9 及びR10が同時に水素原子であるときR8 及びR11
はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアシルオキシ基あ
るいは−OSO3 X基を示すが、炭素数1〜20のアシ
ルオキシ基は、式(I)中の炭素数1〜20のアシルオ
キシ基と同義であり、Xは水素原子、アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子又はR12131415+
示し、ここでR12〜R15は、それぞれ独立に、水素原
子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜
8のアルキル基;フェニル、ナフチル等の炭素数6〜1
2のアリール基またはベンジル等の炭素数7〜25のア
ラルキル基を示す。]
【0028】上記式中、Xで表わされる原子又はアンモ
ニウムイオン物としては、例えば以下のようなものが挙
げられる。水素原子;リチウム、カリウム、ナトリウム
等のアルカリ金属原子;マグネシウム、カルシウム等の
アルカリ土類金属原子;又はテトラメチルアンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルア
ンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラヘプ
チルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリ
メチルオクチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチ
ルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム等の
式R12131415+ で表される化合物が挙げられ
る。これらの中でもテトラエチルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム等の式R12131415+ で表さ
れる化合物が好ましく、特にテトラブチルアンモニウム
が好ましい。
【0029】アデノシン誘導体()としては、具体的
には例えば5′−O−トリチルアデノシン、5′−O−
ジメトキシトリチルアデノシン、5′−O−モノメトキ
シトリチルアデノシン、5′−O−トルオイルアデノシ
ン、5′−O−t−ブチルジメチルシリルアデノシン、
5′−O−t−ブチルジメチルシリル−アデノシン等が
挙げられる。これらは、公知の方法でアデノシンより1
工程ないしは数工程で容易に合成可能である。アデノシ
ンは、市販されているものを用いればよく、また、公知
の方法により得ることもできる。アデノシンの代わりに
α−,L−,L−α−アデノシンを用いることもでき
る。
【0030】〔工程A−1〕式()の1,3,2−ジ
オキサチオランオキシド誘導体は、式()のアデノシ
ン誘導体の1,2−ジオールに、例えばK.B.Sha
rpless等〔J.Am.Chem.Soc.,11
0,7538(1988)〕の方法を適用することによ
り容易に製造できる。 〔工程A−2〕式()の1,3,2−ジオキサチオラ
ンオキシド誘導体を、例えば、RuCl3 触媒存在下、
過ヨウ素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化
剤を用いる公知の酸化反応により、式()の1,3,
2−ジオキサチオラン−2,2−ジオキシド誘導体を得
ることができる。
【0031】〔工程A−3〕式()の1,3,2−ジ
オキサチオラン−2,2−ジオキシド誘導体から式(I
V)の硫酸化ヌクレオシド誘導体の製造は、通常用いら
れるアシルオキシ化剤を使用して実施できる。アシルオ
キシ化剤としては、下記一般式(V):
【0032】
【化7】R6 COOX (V)
【0033】[式中、R6 およびXは前記と同義であ
る。]で表わされる化合物を用いることができる。 〔工程A−4〕式(IV)の硫酸化ヌクレオシド誘導体に
酸性物質を作用させることにより式(I−a)のヒドロ
キシヌクレオシド誘導体を製造することができる。
【0034】この反応に用いる酸性物質としては、プロ
トン酸あるいはルイス酸等が挙げられ、中でもプロトン
酸が好ましい。プロトン酸としては、例えば、塩酸、硫
酸、酢酸、メタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ
酢酸、ギ酸、イオン交換樹脂等が挙げられるが、中でも
硫酸が好ましい。酸性物質の使用量は特に制限されるも
のではなく、通常は基質となる式(IV)の化合物1モル
に対して、0.0001〜10000モル倍、好ましく
は、0.01〜100モル倍、更に好ましくは0.1〜
10モル倍の範囲で選ばれる。反応液中での酸性物質の
濃度は特に制限されるものではなく、通常0.01〜1
8M、好ましくは0.01〜10M、更に好ましくは
0.1〜5Mの範囲で選ばれる。また、式(IV)の硫酸
化ヌクレオシド誘導体と酸性物質を反応させる際の原料
等の添加順序としては特に制限はない。
【0035】また、反応系中に水を共存させてもよく、
その使用量は特に制限されるものではないが、通常、式
(IV)の硫酸化ヌクレオシド誘導体1モルに対して、
0.0001〜10000モル倍、好ましくは0.01
〜100モル倍、更に好ましくは0.1〜10モル倍の
範囲で選ばれる。反応液中での水の濃度も特に制限され
るものではなく、通常、0.01〜50M、好ましくは
0.01〜10M、更に好ましくは0.1〜5Mの範囲
で選ばれる。また、反応系中に水を共存させる手段とし
て特に制限はない。
【0036】反応溶媒の使用は必須ではないが、必要な
らば使用することができる。溶媒としては、例えばヘキ
サン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;アセトン、ジエチル
ケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルス
ルホキシド、スルホラン又はN−メチルピロリドン;メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパ
ノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、i−ブ
タノール、tert−ブタノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等
のアルコール類;もしくは原料となる式(IV)の硫酸化
ヌクレオシド誘導体の製造時に副生する化合物が挙げら
れる。また上記した酸性化合物又は水を溶媒として用い
ることも出来る。これらの中で更に好ましい溶媒として
は、エーテル類又はアルコール類であり、それらの具体
的な化合物としては上記したものの中でも経済的に有利
なものであれば特に制限はない。
【0037】反応温度は、0℃以下でも十分に反応する
が、より反応速度を向上させるために、通常0℃以上で
実施する。好ましくは0〜200℃、更に好ましくは0
〜100℃、特に好ましくは室温〜70℃の範囲であ
る。反応時間は反応温度にも依存するが、通常0.1〜
200時間、好ましくは0.5〜100時間の範囲であ
る。反応液から式(I−a)のヒドロキシヌクレオシド
誘導体の分離精製は、晶析、抽出、吸着、カラム分離等
のそれ自体既知の通常行われる方法で行うことができ
る。上記した方法により、一般式(I)で表されるヒド
ロキシヌクレオシド誘導体が得られる。この新規な化合
物は、分子内に水酸基及びアシルオキシ基を有するた
め、例えば、脱離基への誘導等互いの官能基に対して独
立して官能基変換することが容易であるため、医薬製造
用中間体として有用である。特に、抗HIV活性を示す
ロデノシンの中間体として有効に用いられ得る。以下
に、本願発明の一般式(I−a)で表されるヒドロキシ
ヌクレオシド誘導体からロデノシンを製造する方法を合
成経路Bに従って説明するが、下記合成経路Bに示され
た特定の製造方法に限定されることはない。また、反応
条件や反応試薬は当業者に適宜選択可能であり、また、
下記に述べる方法には適宜の改変や修飾が可能であるこ
とを理解すべきである。
【0038】
【化8】
【0039】[式中、R1 〜R5 は前記と同義であ
る。]
【0040】〔工程B−1〕式(I−a)のヒドロキシ
ヌクレオシド誘導体の水酸基がトリフルオロメタンスル
ホニル基、p−ブロモベンゼンスルホニル基、イミダゾ
リルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等、通常
用いられる脱離基へと誘導された後に塩基により閉環さ
れ式()のβ−エポキシド化合物が製造される。閉環
に使用する塩基としては、例えば水素化ナトリウム、ナ
トリウムアミド、金属アルコキシド等が挙げられるが、
中でも金属アルコキシドが好ましい。
【0041】〔工程B−2〕式()のβ−エポキシド
化合物から式()のジフルオリド化合物へのフッ素化
反応は、例えばR.L.Tolmanら〔J.Med.
Chem.,15,1092(1972)〕あるいは
A.M.Kawasakiら〔J.Med.Che
m.,36,831(1993)〕等の方法に準じて行
うことができる。すなわち、まず3′位をフッ素化しフ
ルオロヒドリン化合物とした後、生じた水酸基を脱離基
導入後フッ素化する方法である。
【0042】3′位のフッ素化反応は、例えば、反応条
件下で不活性な溶剤中、式()のβ−エポキシド化合
物を少なくとも等モル量のフッ素供与剤と反応させるこ
とにより実施される。フッ素供与剤としては例えば、カ
リウムフロリド、ナトリウムフロリド、セシウムフロリ
ド、テトラアルキルアンモニウムフロリド(この場合、
アルキルとしてはメチル、エチル、プロピル、ブチル等
が挙げられるが、中でもブチルが好ましい)、もしくは
ピリジニウムポリヒドロジエンフロリド、KHF2 又は
テトラアルキルアンモニウムバイフロリド等のポリヒド
ロジエンフロリド等が挙げられる。溶剤としては、塩化
メチレン等の塩素化炭化水素;テトラヒドロフラン等の
エーテル類;アセトニトリル等のニトリル化合物;ブタ
ノール等のアルコール;エチレングリコール等のポリオ
ール系溶剤又はこれらの混合物を好適に用いることがで
きる。
【0043】上記した反応により、式()のβ−エポ
キシド化合物からフルオロヒドリン化合物を得ることが
できる。このフルオロヒドリン化合物の水酸基にトリフ
ルオロメタンスルホニル基、p−ブロモベンゼンスルホ
ニル基、イミダゾリルスルホニル基、p−トルエンスル
ホニル基等の通常用いられる脱離基を導入し、上記のフ
ッ素化剤を再度作用させ、式()のジフルオリド化合
物を製造することができる。フッ素化剤としては、上記
したものの中でも炭素数1〜8のトリ−或いはテトラ−
アルキルアンモニウムが好ましく、特にテトラブチルア
ンモニウムフロリドが好ましい。反応温度は0℃から8
0℃、反応時間は1〜8時間が好ましい。
【0044】〔工程B−3〕式()のジフルオリド化
合物から式()のビニルフロリド化合物への脱フッ化
水素反応は、例えば、P.L.CoeらによるJ.Fl
uorine.Chem.,69,19(1994)等
に準じて実施できる。脱フッ化水素に用いる塩基として
は、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、金
属アルコキシド等が挙げられるが、中でも金属アルコキ
シドが好ましい。かかる金属アルコキシドとしては例え
ばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシ
ド、リチウムt−ブトキシド等が挙げられる。中でもカ
リウムt−ブトキシドが好ましい。金属アルコキシドの
使用量は式()のジフルオリド化合物に対し等モル量
以上あれば、特に限定されないが、好ましくは1〜5モ
ル倍、更に好ましくは、2〜3モル倍の範囲である。
【0045】溶媒としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等の脂
肪族アルコール類;フェノール等の芳香族アルコール
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の不飽和環状炭化
水素類;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等の環状エーテル類;N,N−ジメ
チルホルムアミド等の含窒素極性溶媒類;及びジメチル
スルホキシド等の含硫黄極性溶媒類等が挙げられる。反
応温度は、通常−20〜80℃、好ましくは20〜40
℃の範囲である。
【0046】〔工程B−4〕式()のビニルフロリド
化合物からロデノシンへの水素化反応および脱保護反応
は、公知の方法、例えば、A.Maqboolらによる
Tetrahedron.Lett.,39,1657
(1998)等記載の方法により実施できる。この反応
に用いる水素化触媒としては、それ自体既知の通常用い
られる触媒を用いることができるが、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、イリジ
ウム、クロム、スズ、鉄、チタン、銅等の金属やその塩
類;ロジウム錯体、ルテニウム錯体、白金錯体等の均一
系接触水素添加用触媒;パラジウム系、白金系、ロジウ
ム系、ルテニウム系、ニッケル系、クロム系等の金属を
用いた不均一系接触水素添加触媒等が挙げられる。ま
た、水素化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の金
属水素化物等で還元しても良い。これらの中でも、高い
選択性が得られ、また多くの場合再生可能である点等に
より工業的な見地から、不均一系接触水素添加用触媒を
用いることが好ましい。
【0047】かかる触媒としては、例えばパラジウム
系、白金系、ロジウム系、ルテニウム系、ニッケル系、
クロム系等の不均一系接触水素添加触媒が挙げられる
が、中でもパラジウム系触媒が好ましい。パラジウム系
触媒としては例えばパラジウム−炭素、パラジウム−硫
酸バリウム、パラジウム−炭酸カルシウム等が挙げられ
るが、中でもパラジウム−炭素が好ましい。触媒の使用
量は、基質1重量部に対して、通常、0.1〜10重量
部、好ましくは1〜3重量部の範囲である。溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等の脂肪族アルコール類及び酢酸等が挙げら
れるが、中でもメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の脂肪族アルコール類が好ましい。こ
の反応に用いる圧力条件は通常、常圧〜3kg/cm2
の範囲であるが、常圧付近が好ましい。反応温度として
は、通常、常温〜50℃の範囲であるが、好ましくは常
温付近である。脱保護反応は導入した保護基に応じ公知
の方法から適宜選択して用いれば良い。
【0048】
【実施例】本発明の実施例の態様を実施例により更に詳
細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下
の実施例によって限定されるものではない。一般式
(1)で表されるヒドロキシヌクレオシド誘導体を下記
工程により合成した。式中、「Ph」はフェニル基を示
し、「Ph3 C」はトリチル基を示し(以下これを「T
r」と称することがある)、「Ac」はアセチル基を示
し、「Bu」はノルマルブチル基を示す。
【0049】
【化9】
【0050】参考例1 化合物Bから化合物(A−1)
および(A−2)の合成 冷却管、窒素導入管および温度計を備えた50mlの4
口フラスコに撹拌子、2′,3′−O−スルフリル−
5′−O−トリチルアデノシン(化合物B)257mg
(2.2mmol)およびテトラヒドロフラン20ml
を仕込み均一にした。これに酢酸テトラブチルアンモニ
ウム663.3mg(2.2mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液(10ml)を10分間かけて添加した後、
内温を66℃に昇温した。還流下、1時間、反応を継続
した。反応器を冷却した後、溶媒を留去し、アルミナク
ロマトグラフィーにより分離精製し、5′−O−トリチ
ル−3′−O−アセチル−1′−β−アデニンキシロシ
ド−2′−硫酸テトラブチルアンモニウム塩〔化合物
(A−1)〕を1440mg(1.65mmol、収率
75%)および5′−O−トリチル−2′−O−アセチ
ル−1′−β−アデニンアラビノシド−3′−硫酸テト
ラブチルアンモニウム塩〔化合物(A−2)〕を298
mg(0.34mmol、収率16%)得た。
【0051】化合物(A−1)のNMRスペクトルを以
下に示す。1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ0.96(12H,t,4×CH2 CH3 ),1.4
1(8H,six,4×CH2 CH2 CH3 ),1.6
2(8H,m,4×CH2 CH2 CH2 CH3 ),1.
79(3H,s,Ac),3.21(8H,m,4×N
CH2 CH2 ),3.29(2H,dq,5′−H),
4.72(1H,q,4′−H),5.27(1H,
t,2′−H),5.83(1H,dd,3′−H),
6.46(1H,d,1′−H),7.2−7.3(9
H,m,p,m−Tr),7.38−7.41(6H,
m,o−Tr),8.00(1H,s,アデニン8−
H),8.23(1H,s,アデニン2−H)
【0052】13C−NMR(400MHz,CDC
3 )δ13.6(CH2 CH3 ),19.6(CH2
CH2 CH3 ),23.9(CH2 CH2 CH2
3 ),20.5(COCH3 ),58.6(NCH2
CH2 ),60.9(C5′),75.2(C3′),
80.4(C4′),82.7(C2′),85.5
〔Ph3 −)〕,88.0(C1′),118.7
(アデニンC5),126.9(p−Tr),127.
7(m−Tr),128.5(o−Tr),139.5
(アデニンC8),143.3(Tr−メチン),14
9.4(アデニンC4),151.5(アデニンC
2),154.6(アデニンC6),168.3(CO
CH3 ) FABMS 630〔M−NBu4 〕 (ポジティブモード,グリセリン) 242〔NBu4 〕 (ネガティブモード,グリセリン)
【0053】化合物(A−2)のNMRスペクトルを以
下に示す。1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ0.96(12H,t,4×CH2 CH3 ),1.3
7(8H,six,4×CH2 CH2 CH3 ),1.6
0(8H,m,4×CH2 CH2 CH2 CH3 ),1.
62(3H,s,Ac),3.19(8H,m,4×N
CH2 CH2 ),3.49(2H,dq,5′−H),
4.61(1H,q,4′−H),4.93(1H,
t,3′−H),5.72(1H,dd,2′−H),
6.60(1H,d,1′−H),7.2−7.3(9
H,m,p,m−Tr),7.51−7.53(6H,
m,o−Tr),7.78(1H,s,アデニン8−
H),8.21(1H,s,アデニン2−H)
【0054】13C−NMR(400MHz,CDC
3 )δ14.0(CH2 CH3 ),20.3(CH2
CH2 CH3 ),25.1(CH2 CH2 CH2
3 ),20.2(COCH3 ),58.6(NCH2
CH2 ),63.6(C5′),75.2(C2′),
79.5(C3′),83.0(C4′),83.9
(C1′),86.6(Ph3 −),118.1(ア
デニンC5),127.2(p−Tr),127.7
(m−Tr),128.6(o−Tr),140.2
(アデニンC8),143.0(Tr−メチン),14
9.4(アデニンC4),150.9(アデニンC
2),154.6(アデニンC6),167.8(
CH 3 ) FABMS 630〔M−NBu4 〕 (ポジティブモード,グリセリン) 242〔NBu4 〕 (ネガティブモード,グリセリン)
【0055】実施例1 化合物(A−1)からヒドロキ
シヌクレオシド誘導体(I−1)の合成 内容積50mLの2口フラスコに、化合物(A−1)
0.6535g(0.75mmol)を入れ、内部を窒
素置換した。硫酸0.44M、水0.48Mに調製した
THF溶液を1.7mL滴下した。室温にて51時間撹
拌した。反応は、HPLCで追跡した。クロロホルム/
水で抽出後、炭酸水素ナトリウム水溶液により中和し、
溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム/メタノール=95/5)で精製し、ヒ
ドロキシヌクレオシド誘導体(1)を粉体として得た。
収量0.1284g(0.23mmol)、収率31.
3%であった。同定は 1H−NMR、13C−NMRによ
り行った。生成物は、液体クロマトグラフィー分析によ
り、純度99%以上であることを確認した。
【0056】ヒドロキシヌクレオシド誘導体(I−1)
のNMRスペクトルを以下に示す。1H−NMR(CD
Cl3 );Chemical Shift(Inten
sity,Multiplicity,JHH,ass
ignment) 8.28(1H,s,2−H),7.91(1H,s,
8−H),7.42(6H,dd,8.2&1.7,T
r),7.26(3H,m,Tr),6.27(2H,
s,NH2 ),6.09(1H,d,2.2,1′−
H),5.60(1H,s,OH),5.36(1H,
dd,4.4&3.0,3′−H),4.83(1H,
dd,9.9&5.2,4′−H),4.65(1H,
t,2.5,2′−H),3.49(1H,dd,9.
8&5.4,5′−H),3.36(1H,9.9&
5.5,5′−H),1.75(3H,s,OAc).
13C NMR(CDCl3 );Chemical Sh
ift(assignment) 169.6(OCH3 ),155.6(6−C),1
52.6(2−C),148.5(4−C),143.
3(Tr−1),138.4(8−C),128.6
(Tr−3),127.8(Tr−2),127.2
(Tr−4),119.7(5−C),91.1(4′
−C),87.1(CPh3 ),80.5(1′−
C),78.7(3′−C),77.2(2′−C),
61.1(5′−C),20.5(COCH3 ).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 正樹 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 中藤 毅 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 成田 真知子 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 大篭 祐二 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C057 BB02 BB05 CC03 DD01 LL29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、R1 は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2
    〜30のアルケニル基、炭素数2〜30の非芳香族ヘテ
    ロ環炭化水素基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数
    3〜21の置換されたシリル基、炭素数1〜7のスルホ
    ニル基または炭素数1〜30のオキシカルボニル基を示
    し、R2 、R3 、R4 及びR5 は、R2 及びR5 が同時
    に水素原子であるときR3 及びR4 はそれぞれ独立して
    炭素数1〜20のアシルオキシ基あるいは水酸基を示
    し、R3 及びR4 が同時に水素原子であるときR2 及び
    5 はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアシルオキシ
    基あるいは水酸基を示す]で表されるヒドロキシヌクレ
    オシド誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I−a): 【化2】 [式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は上記式
    (I)と同義である]で表されるヒドロキシヌクレオシ
    ド誘導体。
  3. 【請求項3】 R1 が置換されていてもよいベンジル基
    である請求項1又は2に記載のヒドロキシヌクレオシド
    誘導体。
  4. 【請求項4】 R1 が置換されていてもよいトリフェニ
    ルメチル基である請求項1又は2に記載のヒドロキシヌ
    クレオシド誘導体。
  5. 【請求項5】 R2 〜R5 のアシルオキシ基が炭素数5
    以下である請求項1〜4のいずれかに記載のヒドロキシ
    ヌクレオシド誘導体。
  6. 【請求項6】 R2 〜R5 のアシルオキシ基がアセチル
    オキシ基である請求項1〜4のいずれかに記載のヒドロ
    キシヌクレオシド誘導体。
  7. 【請求項7】 一般式(I−a)において、R1 がトリ
    フェニルメチル基であり、R2 がアセチルオキシ基であ
    り、R5 がヒドロキシ基であり、R3 およびR4 が水素
    原子である請求項2に記載のヒドロキシヌクレオシド誘
    導体。
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