JP2001199980A - 光学活性ホモシステインチオラクトン塩の製造方法 - Google Patents

光学活性ホモシステインチオラクトン塩の製造方法

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JP2001199980A
JP2001199980A JP2000013285A JP2000013285A JP2001199980A JP 2001199980 A JP2001199980 A JP 2001199980A JP 2000013285 A JP2000013285 A JP 2000013285A JP 2000013285 A JP2000013285 A JP 2000013285A JP 2001199980 A JP2001199980 A JP 2001199980A
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Tomoya Kuwayama
知也 桑山
Masayoshi Yamanaka
雅義 山中
Hiroyuki Nohira
博之 野平
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性ホモシステインチオラクトン塩を
収率よく、工業的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、X-はアニオンを表す。)で示される(±)−
ホモシステインチオラクトン塩を一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基を表し、
*は不斉炭素原子を表す。)で示される光学活性カルボ
ン酸ハロゲン化物と反応させることにより一般式(II
I) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5および*は前記定義
のとおりである。)で示されるアミド化合物を得、得ら
れたアミド化合物を塩基および溶媒と混合し、該溶媒に
溶解しているアミド化合物ジアステレオマーのチオラク
トン環部の不斉炭素をエピマー化させることにより、該
溶媒に対する溶解性が低いアミド化合物ジアステレオマ
ーに転換して、該溶媒から析出させて一般式(IV) 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5および*は前記定義
のとおりである。)で示される光学活性アミド化合物を
得、得られた光学活性アミド化合物を酸の存在下に加水
分解することを特徴とする一般式(V) 【化5】 (式中、*は前記定義のとおりであり、Z-はアニオン
を表す。)で示される光学活性ホモシステインチオラク
トン塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性ホモシステ
インチオラクトン塩の製造方法、およびその合成中間体
の製造方法に関する。本発明により製造される光学活性
ホモシステインチオラクトン塩は、塩基性条件下で容易
に開環して光学活性ホモシステインを与える。光学活性
ホモシステインは医薬・農薬の合成中間体として有用で
あり、例えば敗血症や炎症の原因となるNO(一酸化窒
素)合成酵素を阻害する医薬の合成中間体として有用な
化合物である(WO98/30537号公報参照)。ま
た、ホモシステインは過酸化水素水溶液で容易に酸化さ
れ、医薬、農薬などの合成中間体や飼料添加物として重
要な化合物であるホモシスチンへと誘導することができ
る[ブレチン オブ ザ ケミカル ソサイエティー
オブ ジャパン(Bulletin of the C
hemical Society of Japa
n)、第66巻、536頁(1993年)、特開平10
−204055号公報および特開昭59−176249
号公報参照]。
【0002】
【従来の技術】光学活性ホモシステインの製造方法とし
ては、酢酸溶媒中でテトラヒドロ−2H−1,3−チ
アジン−4−カルボン酸に酒石酸を作用させた後、サリ
チルアルデヒド共存下に不斉中心をエピマー化させなが
らジアステレオマー塩を析出させ、このジアステレオマ
ー塩をトリエチルアミンを用いて複分解して光学活性テ
トラヒドロ−2H−1,3−チアジン−4−カルボン酸
を得、得られた光学活性テトラヒドロ−2H−1,3−
チアジン−4−カルボン酸をエタノール溶媒中、還流条
件下でヒドロキシルアミン塩酸塩と作用させる方法[ブ
レチン オブ ザケミカル ソサイエティー オブ ジ
ャパン(Bulletin of the Chemi
cal Society of Japan)、第66
巻、536頁(1993年)参照]、ホモシステイン
チオラクトンを微生物を用い、チオエステルを立体選択
的に不斉加水分解する方法[特開平11−169192
号公報参照]、(R)−2,5−ジヒドロ−3,6−
ジメトキシ−2−イソプロピルピラジンをブチルリチウ
ムの存在下で1−トリフェニルメチルメルカプト−2−
ブロモエタンを用いてアルキル化し、続いて加水分解し
て2−アミノ−4−トリフェニルメチルスルファミルブ
タン酸へ誘導し、この化合物のトリフェニルメチル基を
還元的に脱離してホモシステインを得る方法[テトラヘ
ドロン アシンメトリー(Tetrahedron A
symmetry)、第10巻、4151頁(1999
年)参照]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法で原料と
して用いるテトラヒドロ−2H−1,3−チアジン−4
−カルボン酸は、ホモシステインチオラクトン塩酸塩を
塩基性条件下で開環させた後、ホルマリンと反応させる
ことで得られるが、その収率は62.4%と低い。ま
た、光学活性テトラヒドロ−2H−1,3−チアジン−
4−カルボン酸にヒドロキシルアミン塩酸塩を作用させ
る際、強い臭気を有しかつ有毒なホルムアルデヒドが脱
離してくること、このホルムアルデヒドの一部は反応系
中で重合して副生成物となり、その分離操作が煩雑とな
ることなどの問題点を有する。上記の方法は、得られ
るホモシステインの光学純度が低く(45〜79.6%
e.e.)、また上記の方法は、アルキル化の際の立
体選択性が65%d.e.と低いという問題点を有す
る。したがって、これらの方法は光学活性ホモシステイ
ンの工業的に有利な製造方法とは言い難い。一方、光学
活性なホモシステインの前駆体となる光学活性ホモシス
テインチオラクトンまたはその塩の製法についてはこれ
までに知られておらず、上記状況を鑑みて、本発明者ら
は、ホモシステインチオラクトン塩を光学活性カルボン
酸ハロゲン化物と反応させ、得られたアミド化合物を光
学分割し、次いで得られた光学活性アミド化合物を酸加
水分解することによる光学活性ホモシステインチオラク
トン塩の製造方法について先に出願した(特願平11−
101157号参照)。この方法によれば、光学活性な
ホモシステインの前駆体となる光学活性ホモシステイン
チオラクトン塩を有利に製造できる。しかしながら、ア
ミド化合物を光学分割する工程において、カラムクロマ
トグラフィーまたは再結晶による光学分割方法が例示さ
れているが、カラムクロマトグラフィーによる方法は大
量スケールでの合成には適用し難い。一方、再結晶によ
る光学分割を用いて99%d.e.以上の高い光学純度
の目的物を得るためには複数回の再結晶操作が必要でそ
の操作が煩雑であり、収率を低下させる一因ともなる。
また、目的としない立体配置を有する異性体が副生成物
となるなどの点で、なお改良の余地がある。しかして、
本発明の目的は、光学活性ホモシステインへ容易に誘導
可能な光学活性ホモシステインチオラクトン塩を、高い
光学純度で収率よく工業的に有利に製造し得る方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(1)一般式(I)
【0005】
【化8】
【0006】(式中、X-はアニオンを表す。)で示さ
れる(±)−ホモシステインチオラクトン塩(以下、
(±)−ホモシステインチオラクトン塩(I)と略称す
る)を一般式(II)
【0007】
【化9】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4およびR5
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ
ル基を表し、Yはハロゲン原子を表し、*は不斉炭素原
子を表す。)で示される光学活性カルボン酸ハロゲン化
物(以下、光学活性カルボン酸ハロゲン化物(II)と
略称する)と反応させることにより一般式(III)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
*は前記定義のとおりである。)で示されるアミド化合
物(以下、アミド化合物(III)と略称する)を得、
得られたアミド化合物(III)を塩基および溶媒と混
合し、該溶媒に溶解しているアミド化合物ジアステレオ
マーのチオラクトン環部の不斉炭素をエピマー化させる
ことにより、該溶媒に対する溶解性が低いアミド化合物
ジアステレオマーに転換して該溶媒から析出させて一般
式(IV)
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
*は前記定義のとおりである。)で示される光学活性ア
ミド化合物(以下、光学活性アミド化合物(IV)と略
称する)を得、得られた光学活性アミド化合物(IV)
を酸の存在下に加水分解することを特徴とする一般式
(V)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、*は前記定義のとおりであり、Z
-はアニオンを表す。)で示される光学活性ホモシステ
インチオラクトン塩(以下、光学活性ホモシステインチ
オラクトン塩(V)と略称する)の製造方法、および
(2)アミド化合物(III)を塩基および溶媒と混合
し、該溶媒に溶解しているアミド化合物ジアステレオマ
ーのチオラクトン環部の不斉炭素をエピマー化させるこ
とにより、該溶媒に対する溶解性が低いアミド化合物ジ
アステレオマーに転換して該溶媒から析出させることを
特徴とする光学活性アミド化合物(IV)の製造方法を
提供することにより達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】上記一般式中、X-およびZ-が表
すアニオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-などのハ
ロゲン原子のアニオン、SO4 2-、NO3 -、PO4 3-、P
6 -などの鉱酸のアニオン、ClO4 -、IO4 -などのオ
キソ酸のアニオン、メタンスルホネート、エタンスルホ
ネート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネー
ト、トリフルオロメタンスルホネートなどの有機スルホ
ン酸のアニオンなどが挙げられる。
【0016】Yが表すハロゲン原子としてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ
る。
【0017】R1、R2、R3、R4およびR5が表すハロ
ゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子などが挙げられ、アルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基などが挙げられ、アルコキシル基としては、例
えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などが
挙げられる。
【0018】次に、各工程について説明する。
【0019】第1工程:(±)−ホモシステインチオラ
クトン塩(I)を、光学活性カルボン酸ハロゲン化物
(II)と反応させることによりアミド化合物(II
I)を得る工程
【0020】光学活性カルボン酸ハロゲン化物(II)
の使用量は、(±)−ホモシステインチオラクトン塩
(I)に対して0.5〜2モル倍の範囲が好ましく、1
〜1.5モル倍の範囲がより好ましい。
【0021】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限
定されるものではなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、メシチレン、イソプロピルベンゼンなどの芳香
族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;
またはこれらの混合溶媒などを使用することができる。
溶媒の使用量に特に制限はないが、通常、(±)−ホモ
システインチオラクトン塩(I)に対して5〜50重量
倍の範囲が好ましい。
【0022】また、反応は塩基の共存下に行うのが好ま
しい。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジイソプロピルアミンなどの脂肪族アミン;
ピリジン、ピコリン、ルチジンなどの芳香族アミンが挙
げられる。塩基を共存させる場合、その使用量は、
(±)−ホモシステインチオラクトン塩(I)に対し
0.5〜2モル倍の範囲が好ましく、1〜1.5モル倍
の範囲がより好ましい。
【0023】反応温度は、−20〜100℃の範囲が好
ましく、0〜40℃の範囲がより好ましい。
【0024】反応は、(±)−ホモシステインチオラク
トン塩(I)を溶媒に溶解または懸濁し、必要に応じて
塩基を加えた後、光学活性カルボン酸ハロゲン化物(I
I)を加えて所定温度で反応させることにより行うのが
好ましい。得られた反応混合物を飽和食塩水などで洗浄
して水溶性成分を除去した後、トルエン、酢酸エチル、
イソプロピルエーテルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液
を無水硫酸ナトリウムなどで乾燥後、濃縮して、アミド
化合物(III)を含む粗生成物を得る。この粗生成物
はそのまま後述の第2工程に付すことができる。
【0025】本工程で使用する光学活性カルボン酸ハロ
ゲン化物(II)は、例えば一般式(VI)
【0026】
【化13】
【0027】(式中、R1、R2、R3、R4、R5および
*は前記定義のとおりである。)で示される光学活性カ
ルボン酸(以下、光学活性カルボン酸(VI)と略称す
る)にハロゲン化剤を作用させることにより簡便に製造
することができる。
【0028】光学活性カルボン酸(VI)としては、例
えば(+)−2−フェニルプロピオン酸、(−)−2−
フェニルプロピオン酸、(+)−2−(4−メチルフェ
ニル)プロピオン酸、(−)−2−(4−メチルフェニ
ル)プロピオン酸、(+)−2−(4−クロロフェニ
ル)プロピオン酸、(−)−2−(4−クロロフェニ
ル)プロピオン酸、(+)−2−(4−イソブチルフェ
ニル)プロピオン酸、(−)−2−(4−イソブチルフ
ェニル)プロピオン酸などが挙げられる。これらのなか
でも(+)−2−フェニルプロピオン酸または(−)−
2−フェニルプロピオン酸を用いるのが特に好ましい。
【0029】ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニ
ル、塩化ベンゾイル、塩化オキサリル、1−ジメチルア
ミノ−1−クロロ−2−メチルプロペン、1−ジメチル
アミノ−1−ブロモ−2−メチルプロペン、五塩化リ
ン、ジクロロトリフェニルホスホラン、ジブロモトリフ
ェニルホスホラン、フッ化シアヌル、3−フッ化ジエチ
ルアミノ硫黄などが挙げられる。これらのなかでも塩化
チオニルを用いるのが特に好ましい。ハロゲン化剤の使
用量は、光学活性カルボン酸(VI)1モルに対して1
〜10モル倍の範囲が好ましく、1〜3モル倍の範囲が
より好ましい。
【0030】光学活性カルボン酸(VI)にハロゲン化
剤を作用させる反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限
定されるものではなく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、メシチレン、イソプロピルベンゼンなどの芳香
族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;
またはこれらの混合溶媒などを使用することができる。
溶媒の使用量に特に制限はないが、通常光学活性カルボ
ン酸(VI)に対して5〜50重量倍の範囲が好まし
い。
【0031】反応は、光学活性カルボン酸(VI)を溶
媒に溶解させ、その溶液へハロゲン化剤を添加して行う
のが好ましい。反応温度は、-20〜80℃の範囲が好
ましく、−10℃〜50℃の範囲がより好ましい。反応
終了後、反応液から未反応のハロゲン化剤および溶媒を
除去し、光学活性カルボン酸ハロゲン化物(II)の粗
生成物を得る。本発明の方法においては、このようにし
て得られた光学活性カルボン酸ハロゲン化物(II)
を、必要に応じてさらに精製して使用してもよく、粗生
成物のまま使用しても何ら差し支えない。
【0032】第2工程:アミド化合物(III)を塩基
および溶媒と混合し、該溶媒に溶解しているアミド化合
物ジアステレオマーのチオラクトン環部の不斉炭素をエ
ピマー化させることにより、該溶媒に対する溶解性が低
いアミド化合物ジアステレオマーに転換して該溶媒から
析出させて光学活性アミド化合物(IV)を得る工程
【0033】アミド化合物(III)は、(+)−体お
よび(−)−体の混合物からなる(±)−ホモシステイ
ンチオラクトン塩(I)と光学活性カルボン酸ハロゲン
化物(II)が反応することにより形成された2種類の
光学活性アミド化合物(IV)のジアステレオマー混合
物である。本発明者らは、これら2種類の光学活性アミ
ド化合物(IV)はそれぞれ、塩基の存在下にこれらが
溶解する溶媒に溶解させた状態にすると、比較的容易に
そのチオラクトン環部の不斉炭素のエピマー化が起こ
り、ラセミ化するという現象を見い出した。本工程は、
かかる現象と、アミド化合物(III)中の2種類の光
学活性アミド化合物(IV)の溶媒に対する溶解度の差
異を組み合わせたものであり、本発明の特徴的部分をな
す。すなわち、アミド化合物(III)を塩基および溶
媒と混合すると、アミド化合物(III)中の該溶媒に
対する溶解性の低いアミド化合物ジアステレオマーは、
その飽和溶解量を超える量については析出してくる。一
方、この過程で、該溶媒に溶解しているアミド化合物ジ
アステレオマーはそのチオラクトン環部の不斉炭素のエ
ピマー化が起こり、かかるエピマー化により、新たに該
溶媒に対する溶解性の低いアミド化合物ジアステレオマ
ーが系内に生成してくるが、上記のとおり、その飽和溶
解量を超える量は析出する。したがって、アミド化合物
(III)を塩基および溶媒と混合することで、該溶媒
に溶解しているアミド化合物ジアステレオマーが、該溶
媒に対する溶解性の低いアミド化合物ジアステレオマー
に転換されて析出してくることになる。この手法によ
り、従来は副生成物とみなされる目的としない立体配置
を有するアミド化合物ジアステレオマーも、目的とする
立体配置を有するアミド化合物ジアステレオマーに転換
することが可能となり、高効率で光学活性アミド化合物
(IV)を得ることができる。
【0034】塩基としては、例えばトリメチルアミン、
ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどの
脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジ
ン、キノリン、イソキノリンなどの芳香族アミン;炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカ
リ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム
などのアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸
化物、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムな
どのアルカリ金属酢酸塩;ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアル
カリ金属アルコキシドなどが挙げられる。これらの中で
もトリエチルアミン、トリブチルアミンなどの脂肪族ア
ミンを用いるのが特に好ましい。塩基の使用量に特に制
限はないが、通常アミド化合物(III)に対して0.
01〜10モル倍の範囲が好ましく、0.1〜1モル倍
の範囲がより好ましい。
【0035】本工程に用いることのできる溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール;アセトン、2−ブタノンなどのケトン;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどの酢酸エス
テル;またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。これ
らの中でも酢酸エチル、酢酸イソブチルなどの酢酸エス
テルを用いるのが好ましく、酢酸エチルを用いるのが特
に好ましい。溶媒の使用量は溶媒の種類、混合溶媒の場
合にはその混合組成によっても異なるが、用いるアミド
化合物(III)を完全に溶解させることのない量であ
るのが好ましく、通常アミド化合物(III)1モルに
対して0.1〜1lの範囲が適当である。
【0036】また、上記の溶媒に希釈剤をさらに添加し
てもよい。希釈剤としては、アミド化合物(III)の
溶解性に影響を与えない限り特に限定されるものではな
く、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素または
これらの混合物などを使用することができる。希釈剤を
用いる場合、その使用量に特に制限はないが、通常上記
で用いる溶媒に対して0.1〜1容量倍の範囲であるの
が好ましい。
【0037】混合温度に特に制限はないが、通常0〜2
00℃の範囲が好ましく、20〜150℃の範囲がより
好ましい。混合時間にも特に制限はないが、通常0.1
〜10時間の範囲であるのが好ましい。
【0038】本工程は、例えばアミド化合物(III)
に、塩基および該アミド化合物(III)を完全に溶解
させることのない量の溶媒を加え、この懸濁状態の混合
液を所定温度で所定時間攪拌し、その後この混合液を静
置することで行い、該溶媒に対する溶解性が低い光学活
性アミド化合物(IV)を結晶として得ることができ
る。析出した光学活性アミド化合物(IV)の分離方法
としては、ろ過、遠心分離、デカンテーションなどの通
常の分離方法を用いることができる。
【0039】このようにして得られた光学活性アミド化
合物(IV)は、そのまま次の工程に付することができ
る程度の光学純度を有しているが、必要に応じて再結晶
などの精製操作を行うことでその光学純度をさらに高め
ることが可能である。
【0040】第3工程:光学活性アミド化合物(IV)
を酸の存在下に加水分解して光学活性ホモシステインチ
オラクトン塩(V)を製造する工程
【0041】加水分解反応は溶媒の存在下に行うのが好
ましい。溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特
に限定されるものではないが、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼンなど
の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロ
パノールなどのアルコール;ジクロロメタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサンなどのエーテル;アセトン、2−ブタノ
ン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸、プロピオン
酸などの脂肪族カルボン酸;またはこれらの混合溶媒な
どを使用することができる。これらの中でも、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテルを用い
るのが好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、
通常は光学活性アミド化合物(IV)に対し10〜10
0重量倍の範囲で用いることが好ましい。
【0042】酸としては、例えばフッ化水素酸、塩酸、
臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヘキ
サフルオロリン酸などの鉱酸;過塩素酸、過ヨウ素酸な
どのオキソ酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸などが挙げら
れる。これらの中でも塩酸を用いるのが特に好ましい。
酸の使用量は光学活性アミド化合物(IV)に対して1
〜100モル倍の範囲が好ましく、5〜30モル倍の範
囲がより好ましい。
【0043】水の使用量は、光学活性アミド化合物(I
V)に対して1〜100モル倍の範囲が好ましく、10
〜50モル倍の範囲がより好ましい。
【0044】反応温度は、50〜120℃の範囲が好ま
しく、60〜100℃の範囲がより好ましい。
【0045】反応は、例えば酸、水および必要に応じて
溶媒を混合した溶液に、光学活性アミド化合物(IV)
をそのまままたは溶媒に溶解させた状態で添加して、所
定温度で撹拌して行うのが好ましい。得られた反応混合
液を冷却し、必要に応じて水を加え、トルエン、酢酸エ
チル、イソプロピルエーテルなどの有機溶媒を加えて抽
出後、分液する。水層を濃縮することで、光学活性ホモ
システインチオラクトン塩(V)を得ることができる。
一方、有機層からは光学活性カルボン酸(VI)および
未反応の光学活性アミド化合物(IV)を回収でき、こ
れらは再び本発明の方法に使用することができる。
【0046】なお、本発明において出発原料として用い
られる(±)−ホモシステインチオラクトン塩(I)
は、例えばメチオニンをハロゲン化アラルキルの存在下
にハロゲン化水素および酸無水物と反応させてN−アシ
ル−ホモシステインチオラクトンへ誘導し、この化合物
を酸の存在下で加水分解することにより合成できる(特
開平10−158263号公報参照)。
【0047】一方、光学活性カルボン酸(VI)、例え
ば(+)−2−フェニルプロピオン酸または(−)−2
−フェニルプロピオン酸は、抗炎症剤または解熱鎮痛剤
の合成中間体として工業的に入手可能であり、また、ス
チレンをヒドロホルミル化して2−フェニルプロパナー
ルとし、これを酸化して得られる2−フェニルプロピオ
ン酸に、光学活性3−メチル−2−フェニルブチルアミ
ンを作用させて光学分割することにより得ることもでき
る(特開平8−319252号公報参照)。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0049】実施例1 3−(2−フェニルプロピオン
アミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン[アミド
化合物(III)]の合成 滴下ロート、温度計およびマグネチックスターラを備
え、内部を窒素置換した容量1000mlの3ツ口フラ
スコに(+)−2−フェニルプロピオン酸27.0g
(180mmol)およびトルエン180mlを入れ、
次いで塩化チオニル128g(1.08mol)を反応
液の内温を0℃〜5℃に保ちながら滴下した。滴下終了
後、反応混合液を50℃まで昇温し、気体(二酸化硫黄
および塩化水素)の発生がなくなるまで3時間攪拌し
た。その後、溶媒および残存する塩化チオニルを留去
し、残留物にトルエン180mlを加えて粗(+)−2
−フェニルプロピオン酸塩化物のトルエン溶液を調製し
た。この溶液を5℃に冷却して(±)−3−アミノジヒ
ドロ−2(3H)−チオフェノン塩酸塩((±)−ホモ
システインチオラクトン塩酸塩)27.7g(180m
mol)を添加し、ピリジン28.48g(360mm
ol)を1,4−ジオキサン68mlに溶解させた溶液
を5℃を保ちながら加えた。その後、1時間かけて25
℃まで昇温し、さらに同温度で3時間撹拌した。反応液
を飽和炭酸ナトリウム水溶液600ml中にあけ、酢酸
エチル450mlを加え分液し、有機層を分離した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、淡黄色固
体として下記の物性を有する3−(2−フェニルプロピ
オンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン4
1.85g(純度99%、166mmol、収率92.
4%)を得た。
【0050】融点:105℃〜115℃1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3,T
MS,ppm) δ:1.4−1.6(m,2H)、
1.7−2.0(m,1H)、2.8−3.0(m,1
H)、3.1−3.4(m,2H)、3.5−3.8
(m,1H)、4.3−4.6(m,1H)、5.7−
6.0(br,1H)、7.2−7.5(m,5H)
【0051】実施例2 光学活性3−(2−フェニルプ
ロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン
[光学活性アミド化合物(IV)]の合成 酢酸エチル10ml、へキサン5mlおよびトリエチル
アミン2.00g(19.8mmol)を混合し、この
溶液に実施例1の方法で得られた3−(2−フェニルプ
ロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン
10.0g(40.2mmol)を懸濁させ、80℃で
3時間攪拌した。次いで混合液を50℃に保って、析出
した白色結晶を50℃でろ過して8.37gの光学活性
3−(2−フェニルプロピオンアミド)ジヒドロ−2
(3H)−チオフェノンを得た[使用した3−(2−フ
ェニルプロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオ
フェノン(=アミド化合物(III))を基準とした収
率:83.7%]。得られた光学活性3−(2−フェニ
ルプロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェ
ノンは下記の物性を有していた。なお、光学純度は、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)で下記の表1に
示す条件で分析して決定した。
【0052】
【表1】
【0053】融点:159℃〜160℃ 比旋光度:[α]D=−45°(c1.0、メタノー
ル) [α]435=−102°(c1.0、メタノール) 光学純度:99.1%d.e.(表1の分析条件におけ
る保持時間:23.2分)
【0054】実施例3 光学活性3−(2−フェニルプ
ロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン
[光学活性アミド化合物(IV)]の合成 酢酸エチル10ml、へキサン5mlおよびトリエチル
アミン2.00g(19.8mmol)を混合し、この
溶液に実施例1の方法で得られた3−(2−フェニルプ
ロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン
10.0g(40.2mmol)を懸濁させ80℃で3
時間加熱した後、25℃にして0.5時間攪拌した。こ
の混合液を、再び80℃に加熱して3時間攪拌した後、
次いで混合液を50℃に保って、析出した白色結晶を5
0℃でろ過し9.46gの光学活性3−(2−フェニル
プロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノ
ンを得た[使用した3−(2−フェニルプロピオンアミ
ド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン(=アミド化
合物(III))を基準とした収率:94.6%]。な
お、得られた光学活性3−(2−フェニルプロピオンア
ミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノンは下記の物
性を有し、光学純度は上記表1の分析条件を用いて決定
した。
【0055】融点:159℃〜160℃ 比旋光度:[α]D=−47°(c2.0、メタノー
ル) [α]435=−100°(c2.0、メタノール) 光学純度:>99.9%d.e.
【0056】実施例4 光学活性3−(2−フェニルプ
ロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノン
[光学活性アミド化合物(IV)]の合成 酢酸エチル10ml、へキサン10mlおよびトリエチ
ルアミン2.00g(19.8mmol)を混合し、こ
の溶液に実施例1の方法で得られた3−(2−フェニル
プロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェノ
ン13.97g(56.1mmol)を懸濁させ、80
℃で3時間攪拌した。次いで混合液を40℃に保って、
析出した白色結晶を40℃でろ過し12.7gの光学活
性3−(2−フェニルプロピオンアミド)ジヒドロ−2
(3H)−チオフェノンを得た[使用した3−(2−フ
ェニルプロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオ
フェノン(=アミド化合物(III))を基準とした収
率:91.0%]。得られた光学活性3−(2−フェニ
ルプロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェ
ノンは下記の物性を有し、光学純度は上記表1の分析条
件を用いて決定した。
【0057】融点:159℃〜160℃ 比旋光度:[α]D=−44°(c1.0、メタノー
ル) 光学純度:95.4%d.e.
【0058】実施例5 光学活性ホモシステインチオラ
クトン塩(V)の合成 4M塩酸水溶液25mlを100℃に加熱し、この溶液
に実施例3の方法で得られた光学活性3−(2−フェニ
ルプロピオンアミド)ジヒドロ−2(3H)−チオフェ
ノン[光学活性アミド化合物(IV)]500mg
(2.00mmol、>99.9%d.e.)を1,4
−ジオキサン6mlに溶解させたものを同温度で1時間
かけて添加し、その後30分間同温度で攪拌した。反応
混合液を室温まで冷却し、トルエン10mlで3回洗浄
し、未反応の光学活性アミド化合物(IV)および遊離
した(+)−2−フェニルプロピオン酸を抽出して分離
した。水層を濃縮し、淡黄色結晶として、下記の物性を
有する光学活性3−アミノジヒドロ−2(3H)−チオ
フェノン塩酸塩(光学活性ホモシステインチオラクトン
塩酸塩)180mg(1.17mmol、純度99%、
収率57.9%)を得た。
【0059】1H−NMRスペクトル(270MHz,
2O,ppm) δ:2.2−2.5(m,1H)、
2.9−3.1(m,1H)、3.5−3.8(m,2
H)、4.4−4.5(m,1H)
【0060】なお、得られた光学活性3−アミノジヒド
ロ−2(3H)−チオフェノン塩酸塩の光学純度は、そ
の一部をサンプリングして、ジオキサン溶媒中、1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの存在下に無
水酢酸と反応させて、相当するN−アセチル体に誘導し
た後、HPLC(使用カラム:CHIRALCELOD
−H、カラム径4.6mm、カラム長250mm、検出
波長:UV 254nm、移動相:15%(v/v)イ
ソプロパノール−ヘキサン溶液、流速:0.5ml/
分、温度:室温)で分析することにより決定した。ま
た、得られた光学活性3−アミノジヒドロ−2(3H)
−チオフェノン塩酸塩のN−アセチル化体は下記の物性
を有していた。 融点:139℃〜141℃ 比旋光度:[α]D=+134°(c=1.0、クロロ
ホルム) [α]435=+306°(c=1.0、クロロホルム)1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3,T
MS,ppm) δ:1.8−2.0(m,1H)、
2.0(s,3H)、2.8−3.0(m,1H)、
3.2−3.4(m,2H)、4.5−4.6(m,1
H)、6.3(br,1H) 光学純度:98.9%e.e.
【0061】
【発明の効果】光学活性ホモシステインチオラクトン塩
を収率よく、工業的に有利に製造し得る方法が提供され
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、X-はアニオンを表す。)で示される(±)−
    ホモシステインチオラクトン塩を一般式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基を表し、
    Yはハロゲン原子を表し、*は不斉炭素原子を表す。)
    で示される光学活性カルボン酸ハロゲン化物と反応させ
    ることにより一般式(III) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5および*は前記定義
    のとおりである。)で示されるアミド化合物を得、得ら
    れたアミド化合物を塩基および溶媒と混合し、該溶媒に
    溶解しているアミド化合物ジアステレオマーのチオラク
    トン環部の不斉炭素をエピマー化させることにより、該
    溶媒に対する溶解性が低いアミド化合物ジアステレオマ
    ーに転換して該溶媒から析出させて一般式(IV) 【化4】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5および*は前記定義
    のとおりである。)で示される光学活性アミド化合物を
    得、得られた光学活性アミド化合物を酸の存在下に加水
    分解することを特徴とする一般式(V) 【化5】 (式中、*は前記定義のとおりであり、Z-はアニオン
    を表す。)で示される光学活性ホモシステインチオラク
    トン塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(III) 【化6】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基またはアルコキシル基を表し、
    *は不斉炭素原子を表す。)で示されるアミド化合物を
    塩基および溶媒と混合し、該溶媒に溶解しているアミド
    化合物ジアステレオマーのチオラクトン環部の不斉炭素
    をエピマー化させることにより、該溶媒に対する溶解性
    が低いアミド化合物ジアステレオマーに転換して該溶媒
    から析出させることを特徴とする一般式(IV) 【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5および*は前記定義
    のとおりである。)で示される光学活性アミド化合物の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1964838A1 (en) * 2007-03-02 2008-09-03 Edmond Pharma S.R.L. Process for the resolution of homocysteine-thiolactone

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